説明

ペプチドネットワーク

流体-流体界面における自己集合した(self-assembled)力伝達(force-transmitting)ペプチドネットワークにおける界面特徴を調節する方法を開示する。本方法は、自己集合した力伝達ペプチドネットワークに加わることができるペプチドを、それがその他のペプチドと相互作用してペプチドネットワークを形成する前または後のいずれかに、ペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる刺激に曝露させる工程を伴う。エマルジョンおよびフォーム(foam)などの用途におけるそのような方法の使用もまた開示する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体-流体界面における自己集合した(self-assembled)力伝達(force-transmitting)ペプチドネットワークの界面特徴を調節する方法であって、自己集合した力伝達ペプチドネットワークに加わることができるペプチドを、それがその他のペプチドと相互作用してペプチドネットワークを形成する前または後のいずれかに、ペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる刺激に曝露させる工程を含む方法。
【請求項2】
調節される界面特徴が、ペプチドネットワークの力伝達能力である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
刺激が、安定なペプチドネットワークの形成を結果的にもたらす、請求項1記載の方法。
【請求項4】
刺激が、安定なペプチドネットワークの不安定化または散逸(dissipation)を結果的にもたらす、請求項1記載の方法。
【請求項5】
ペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる刺激が、
i)ペプチドネットワーク内のペプチドが分子間相互作用に加わる能力、
ii)ペプチドの立体配座の、ペプチドネットワークとの安定化もしくは不安定化、
iii)流体-流体界面に対するペプチドの親和性を増大もしくは低下させること、または
iv)ペプチドネットワークの形成速度
のうちの少なくとも1つを変化させる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
ペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる刺激が、酸、塩基、金属イオン、キレート剤、有機対イオンもしくは無機対イオン、酸化剤、還元剤、カオトロピック剤、塩、温度、またはその組み合わせより選択される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
ペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる刺激が、存在する刺激または以前に導入されてペプチドネットワークに接触している刺激を除去することによって作用する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
流体-流体界面における自己集合した力伝達ペプチドネットワークの界面特徴を調節する方法であって、
i)1回目に、自己集合した力伝達ペプチドネットワークに加わることができるペプチドを、それがその他のペプチドと相互作用してペプチドネットワークを形成する前または後のいずれかに、ペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる第1の刺激に曝露させる工程;ならびに
ii)2回目に、ペプチドを、第1の刺激への曝露によって取り入れられたペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる第2の刺激に曝露させる工程を含む方法。
【請求項9】
第1の刺激がペプチドネットワークの形成または強化を引き起こし、かつ第2の刺激が、第1の刺激への曝露によって形成もしくは強化されたペプチドネットワークの強度の低下、または第1の刺激への曝露によって形成もしくは強化されたペプチドネットワークの散逸を引き起こす、請求項8記載の方法。
【請求項10】
第1の刺激がペプチドネットワークの形成を妨げるか、またはペプチドネットワークの形成速度を低下させ、かつ第2の刺激が流体-流体界面におけるペプチドネットワークの形成を増強させる、請求項8記載の方法。
【請求項11】
工程i)および/または工程ii)を1回または複数回繰り返す、請求項8記載の方法。
【請求項12】
調節される界面特徴が、ペプチドネットワークの力伝達能力である、請求項8記載の方法。
【請求項13】
流体-流体界面におけるペプチドネットワークの形成を調節する方法であって、自己集合した力伝達ペプチドネットワークに加わることができるペプチドを、第1の条件下では、個々のペプチドが、ペプチドを互いに相互作用させ、それによってネットワークを形成させる第1の化学的および/もしくは物理的特性を有し、ならびに第2の条件下では、個々のペプチドが、ペプチドを分離させ、それによってネットワークを散逸させる第2の化学的および/もしくは物理的特性を有する、第1の条件または第2の条件に曝露させる工程を含む方法。
【請求項14】
互いに相互作用し、かつ流体-流体界面に対する親和性を有するペプチドを、ペプチドネットワークが含み、ならびにペプチドネットワークの力の伝達が、ペプチドの物理的および/もしくは化学的特性を変化させる刺激への曝露によって操作可能である、流体-流体界面で形成される自己集合した力伝達ペプチドネットワーク。
【請求項15】
ペプチドネットワークにおけるペプチドが両親媒性構造を有する、請求項14記載の自己集合した力伝達ペプチドネットワーク。
【請求項16】
両親媒性構造が規則正しい、請求項15記載の自己集合した力伝達ペプチドネットワーク。
【請求項17】
規則正しい両親媒性構造がα-ヘリックスまたはβ-シートである、請求項16記載の自己集合した力伝達ペプチドネットワーク。
【請求項18】
ペプチドネットワークにおけるペプチドが、イオン対相互作用、双極子相互作用、塩橋形成、水素結合、短距離の溶媒和力、疎水性相互作用、浸透圧の引力ポテンシャル、金属イオン架橋、および表面電荷相互作用の1つまたは複数によって互いに相互作用する、請求項14記載の自己集合した力伝達ペプチドネットワーク。
【請求項19】
ペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる刺激が、
i)ペプチドネットワーク内のペプチドが分子間相互作用に加わる能力、
ii)ペプチドの立体配座の、ペプチドネットワークとの安定化もしくは不安定化、
iii)流体-流体界面に対するペプチドの親和性を増大もしくは低下させること、または
iv)ペプチドネットワークの形成速度
のうちの少なくとも1つを変化させる、請求項14記載の自己集合した力伝達ペプチドネットワーク。
【請求項20】
ペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる刺激が、酸、塩基、金属イオン、キレート剤、有機対イオンもしくは無機対イオン、酸化剤、還元剤、カオトロピック剤、塩、温度、またはその組み合わせより選択される、請求項14記載の自己集合した力伝達ペプチドネットワーク。
【請求項21】
互いに相互作用し、かつ流体-流体界面に対する親和性を有するペプチドを、ペプチドネットワークが含み、ならびにペプチドネットワークの力の伝達が、ペプチドの化学的および/もしくは物理的特性を変化させる刺激への曝露によって操作可能である、流体-流体界面で形成される自己集合した力伝達ペプチドネットワークを含むフォーム(foam)。
【請求項22】
互いに相互作用し、かつ流体-流体界面に対する親和性を有するペプチドを、ペプチドネットワークが含み、ならびにペプチドネットワークの力の伝達が、ペプチドの化学的および/もしくは物理的特性を変化させる刺激への曝露によって操作可能である、流体-流体界面で形成される自己集合した力伝達ペプチドネットワークを含む水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョン。
【請求項23】
液体-気体界面における自己集合した力伝達ペプチドネットワークを含むフォームの安定性を調節する方法であって、
i)1回目に、液体-気体界面を、ペプチドネットワークにおけるペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる第1の刺激に曝露させる工程;ならびに
ii)2回目に、液体-気体界面を、第1の刺激への曝露によって取り入れられたペプチドネットワークにおけるペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる第2の刺激に曝露させる工程を含む方法。
【請求項24】
第1の刺激がペプチドネットワークの形成を可能にし、ペプチドネットワークの形成速度を増大させるか、またはペプチドネットワークの力の伝達を増大させ、かつ第2の刺激が、ペプチドネットワークの力の伝達の低下を引き起こすか、またはペプチドネットワークによる力の伝達の廃絶を引き起こす、請求項23記載の方法。
【請求項25】
第2の刺激がフォームの崩壊を引き起こす、請求項24記載の方法。
【請求項26】
第1の刺激がペプチドネットワークの力の伝達を低下させ、かつ第2の刺激がペプチドネットワークの力の伝達を増大させる、請求項23記載の方法。
【請求項27】
工程i)および/または工程ii)を1回または複数回繰り返す、請求項23記載の方法。
【請求項28】
液体-液体界面における自己集合した力伝達ペプチドネットワークを含むエマルジョンの安定性を調節する方法であって、
ia)1回目に、液体-液体界面を、ペプチドネットワークにおけるペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる第1の刺激に曝露させる工程;ならびに
iia)2回目に、液体-液体界面を、第1の刺激への曝露によって取り入れられたペプチドネットワークにおけるペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる第2の刺激に曝露させる工程を含む方法。
【請求項29】
第1の刺激がペプチドネットワークの形成を可能にし、ペプチドネットワークの形成速度を増大させるか、またはペプチドネットワークの力の伝達を増大させ、かつ第2の刺激が、ペプチドネットワークの力の伝達の低下を引き起こすか、またはペプチドネットワークによる力の伝達の廃絶を引き起こす、請求項28記載の方法。
【請求項30】
第2の刺激がエマルジョンの合一を引き起こす、請求項29記載の方法。
【請求項31】
第1の刺激がペプチドネットワークの力の伝達を低下させ、かつ第2の刺激がペプチドネットワークの力の伝達を増大させる、請求項28記載の方法。
【請求項32】

からなる群より選択されるペプチド。
【請求項33】
流体-流体界面における自己集合した力伝達ペプチドネットワークの界面特徴を調節する方法であって、

より選択される、自己集合した力伝達ペプチドネットワークに加わることができるペプチドを、それがその他のペプチドと相互作用してペプチドネットワークを形成する前または後のいずれかに、ペプチドの化学的および/または物理的特性を変化させる刺激に曝露させる工程を含む方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−531506(P2008−531506A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556468(P2007−556468)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【国際出願番号】PCT/AU2006/000236
【国際公開番号】WO2006/089364
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(505167565)ザ ユニバーシティー オブ クイーンズランド (20)
【Fターム(参考)】