説明

ペプチド修飾の方法

本発明は次の事項に関する。式(I)のC末端キャッピング基をペプチドまたはペプチドミメティックに組み込むことを含む、ペプチドまたはペプチドミメティックのトリプシンによる分解に対する耐性を向上させる方法:X−Y−Z(I)、式中、XはN原子であり、N、OおよびSから選択される2個までのヘテロ原子が組み込まれていてもよい、分岐したまたは分岐していないC〜C10アルキルまたはアリール基により置換されていてもよい;Yは、−R−R−、−R−R−R−および−R−R−R−から選ばれる基を表し、RはC、O、SまたはNであり、RはCである;RおよびRの各々は、C〜Cアルキル基により置換されていても、非置換であってもよい;Zは、各々5個もしくは6個の非水素原子の環状基を1〜3個含み、2個以上の環状基の各々は融合していてもよく、1個以上の環状基は置換されていてもよい基である;Z部分には最高15個の非水素原子が組み込まれていてもよい;そして、YとZとの間の結合は、YのRもしくはRとZの環状基のうちの一つの非水素原子との間の共有結合である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酵素分解に対する耐性を向上させるためにペプチドを修飾する方法、特に酵素分解に対する耐性を向上させるためのペプチドのC末端修飾を伴う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペプチドおよびタンパク質は、細胞における主要なエフェクター分子(酵素)として、ならびに代謝経路の制御および調節において、どちらも中心的な役割を演ずる。さらに、ペプチドは相当な種類の化学的性質を有するモノマーから容易に入手できるポリマーであるので、ペプチドは医薬の化学者が入手できる、化学的多様性の広大で魅力的なプールとなる。製薬会社は始め、治療的な使用のためのペプチドの市場の潜在性に興奮していた。しかしながら、ペプチドホルモンの最初の化学合成から数十年後、たいていは投与されたときのペプチドの安定性が、少なくとも一部の原因となって、薬物として承認されたペプチドは極めて少ない。
【0003】
タンパク質分解に対する安定性は薬物にとって極めて重要である。作用部位が代謝が活発な病変部(例えば損傷部)であれば、病変部における分解に対する安定性は最大の重要性をもつ。さらに、薬物を経口で有効なものとするのであれば、胃腸管内での分解に対する安定性が必要とされる。ペプチドは通常、アミノ酸を一緒に連結しているアミド結合の酵素的な加水分解により、体内で代謝される。この分解を担っている酵素は二つの大きなクラス、末端のアミノ酸を切断するエキソペプチダーゼと、ペプチド配列内の多少特異的な部位で切断するエンドペプチダーゼに分類される。
【0004】
医薬の化学者は、タンパク分解性の酵素によって触媒される酵素分解を回避するためのいくつかのツールを持っている。エキソペプチダーゼの作用は通常、いわゆるエンドキャッピング、すなわちN末端およびC末端アミノ酸の化学修飾により妨げることができる。典型的なエンドキャッピングとしては、C末端のアミド化と、N末端のアセチル化または脱アミノ化が挙げられる。エンドペプチダーゼのペプチドへの作用に関して、分解を阻害する通常の方法は、アミド窒素原子のメチル化か、切断部位の近くのアミノ酸の立体化学性を逆にすることである。これらの方法を用いることの利点は、ペプチドがその構造の大部分を改変されないまま保持することであり、これらの変化によって生理活性が変化し、しばしば落ちる例は十分なほどあるが、そのことが生理活性が影響を受けないことにつながっている。
【0005】
酵素分解の課題を解決するためのより根本的な方法は、構造中にペプチドミメティック〈peptidemimetic:ペプチド疑似体〉の要素を導入することにより、加水分解されうる結合を完全に避けることである。ペプチドミメティックのアプローチの不利な面は、一般的に合成が遙かに複雑なことであり、しばしば伴われる元のペプチド構造の遙かに大きな改変もまた、生理活性の予測により大きな不確実性を引き起こすことである。それゆえ、分解酵素に対する安定性を得るための万能薬はないこと、しかしながら、各々独自の長所と欠点を有する利用可能な様々な方法の道具箱を医薬の化学者が持っていることは明白なはずである。
【0006】
ヒト胃腸管内で最も重要なエンドペプチダーゼは、胃で見つかるペプシンと、腸の上部で見つかるトリプシンおよびキモトリプシンである。トリプシンおよびキモトリプシンはどちらも機構的にセリンプロテアーゼに分類されるが、それらは三次元構造および基質特異性のどちらも異なる。キモトリプシンは大きな親油性アミノ酸(典型的にはPhe)に隣接するC末端側でペプチド結合を切断するが、これに対してトリプシンはカチオン性残基であるリジンおよびアルギニンのC末端側で切断する。
【0007】
いくつかの治療上有用なペプチドはカチオン性アミノ酸を含んでいる。デスモプレシン、1−デアミノ−8−D−アルギニン−バソプレシン(Mpa−Tyr−Phe−Gln−Asn−Cys−Pro−d−Arg−Gly−NH)はその例となり得る。デスモプレシンは、尿崩症、夜尿および尿失禁と関連した利尿の治療に用いられる、経口で効力のあるバソプレシン(抗利尿ホルモン)の類似体である。胃腸管内での酵素分解に対する耐性は経口的な生体利用性の前提条件であるので、カチオン性アミノ酸を含んでいるペプチドにとってトリプシンは胃腸管内での大きな障害物となる。デスモプレシンの経口的な生体利用性が成功した主因は、8位にあるカチオン性のアルギニン残基をD−エナンチオマーに転換したことであって、トリプシンによって当該D−エナンチオマーは認識されず、それゆえ分解されないのである。デスモプレシンに用いられているトリプシン活性を回避するための解決策は確かに一般的ではなく、立体異性体のペプチドの生体利用性は通常、天然の立体異性体のそれと非常に異なる(そして極めて頻繁に劣る)。
【0008】
潜在的に臨床的に有用なカチオン性ペプチドのもう一つの重要な種類は、抗菌ペプチド(AMP)である。AMPは、抵抗性微生物によって起きる感染症の治療における大きな可能性を有する、構造的に多様な種類のカチオン性ペプチドである。AMPは一様にカチオン性なので、それらもトリプシンにとっての潜在的な標的である。トリプシンは、最低でもおよそ6個のアミノ酸がペプチド基質中にあることを必要とするエンドペプチダーゼなので、非常に短いAMPはエンドペプチダーゼ酵素に対して安定的であるはずだとみなされてきた。発明者にとって大変思いがけないことに、相当の数の短いAMPがトリプシンによって分解されることがわかった。
【発明の開示】
【0009】
ペプチドの安定性を改善するための、特にトリプシンによる切断を低減するための研究において、本発明者は、驚くべきことに、ある特定の種類のC末端キャッピング基がトリプシンによる切断に対するペプチドの耐性を顕著に増強し、そのためペプチドを経口的に投与したときのインビボでの安定性を向上させることを見出した。
【0010】
したがって、一つの側面により、本発明は、
式(I)のC末端キャッピング基をペプチドに組み込むことを含む、ペプチドのトリプシンによる分解に対する耐性を向上させる方法を提供する:
X−Y−Z (I)
式中、
XはN原子であり、置換されていないことが好ましいが、分岐したまたは分岐していないC〜C10アルキルまたはアリール基、例えばメチル、エチルまたはフェニル基により置換されていてもよく、この基はN、OおよびSから選択される2個までのヘテロ原子が組み込まれていてもよい;
Yは、−R−R−、−R−R−R−および−R−R−R−から選ばれる基を表し、
はC、O、SまたはN、好ましくはCであり、
はCである;
およびRの各々は、C〜Cアルキル基により置換されていても、非置換であってもよく、好ましくはYは−R−R−(ここでR−は好ましくはCである)であり、好ましくはこの基は非置換であり、Yが−R−R−R−または−R−R−R−である場合は一以上のRおよびRは置換されている;
Zは、各々5個もしくは6個の非水素原子(好ましくはC原子)の環状基を1〜3個含み、2個以上の環状基が融合していてもよい基である;1個以上の環は置換されていてもよく、これらの置換は、典型的には含まないが、極性基を含んでいてもよく、適切な置換基としてはハロゲン、好ましくはフッ素もしくは臭素およびC〜Cアルキル基が挙げられる;
Z部分には最高15個、好ましくは5〜12個の非水素原子が組み込まれていてもよく、最も好ましくはその部分はフェニル基であるかそれを含む;
YとZとの間の結合は、YのRもしくはRとZの環状基のうちの一つの非水素原子との間の共有結合である。
【0011】
好ましくは、C末端キャッピング基は2−フェニルエチルアミンであるかそれを含み、そのエチル基部分およびアミンの窒素は、上述のように置換されていてもよいが置換されていないことが好ましい。また、そのフェニル基は、特にC〜Cアルキル基によって上記のように置換されていてもよいが、置換されていないことが好ましい。
【0012】
特に好ましいのは、式(I)のC末端キャッピング基である:
X−Y−Z (I)
式中、
XはNH基である;
Yは、−R−Rであり、ここで、
はC、O、SまたはN、好ましくはCであり、
はCである;
およびRの各々は、C〜Cアルキル基により置換されていてもよく、非置換であってもよい;
Zは、上で定義した通りである。
【0013】
理論に束縛されることは望まないが、C末端キャッピング基の親油的な特性だけでなくC末端キャッピング基の三次元形状およびサイズが全て、トリプシンによる分解に対する感受性の低下をもたらすことに寄与すると考えられる。
【0014】
一つの態様において、前記方法はさらに、前記修飾された、すなわちキャッピングされたペプチドのトリプシンによる分解に対する感受性を測定するステップを含む。また、この方法は、同じペプチドではあるが本発明によるC末端キャッピング基を欠いているもののトリプシンによる分解に対する感受性を測定するステップ、および任意でそれらの結果を比較するステップを含んでいてもよい。
【0015】
「前記ペプチドへの組み込み」に言及する場合、ペプチドが初めからC末端キャッピング基を組み込むように合成してもよいことが理解されよう。その代わりとして、必須ではないが、最初にペプチドを合成し、それからC末端キャッピング基を組み込むように修飾することも可能である。C末端キャッピング基は、XがC末端アミノ酸に共有結合するような方法で、ペプチドに組み込まれる。好ましくは、共有結合はC末端アミノ酸のカルボニル炭素とXの窒素の間に形成される。C末端キャッピング基は、トリプシンによる分解に対するペプチドの耐性を(C末端キャッピング基のない同じペプチドと比較して)「向上させる」目的で、ペプチドに組み込まれる。「分解」とはトリプシンによる単一または複数の切断反応をいう。
【0016】
別の見方をすれば、本発明は、上で定義した式(I)の化学部分を含むまたはそれからなる化合物の、C末端キャッピング基として式(I)の部分が組み込まれていない同じペプチドと比較して、トリプシン分解に対する耐性が増加したペプチドペプチドミメティックの調製における使用を提供する。
【0017】
更なる側面において、本発明は、以下を含むペプチド生産の方法を提供する:
(a)興味があるペプチドのトリプシンによる分解に対する感受性を測定すること、
(b)上で定義した式(I)のC末端キャッピング基の前記ペプチドへの組み込みにより、前記ペプチドを修飾すること、および任意で
(c)前記修飾されたペプチドのトリプシンによる分解に対する感受性を測定すること。
【0018】
任意で、前記方法はステップ(a)の前にペプチドのデノボ合成を伴う。
【0019】
本発明のさらなる側面は、治療における使用のための、特に疾患または感染の経口治療のための、例えば抗菌物質としての、本発明の方法に従って調製されたペプチド、および疾患または感染の経口治療の方法を含む。
【0020】
本発明に従って修飾されたペプチドは、標準的なL型の立体配置を有するカチオン性アミノ酸をC末端残基(本明細書において位置(C)と呼ぶ)として有する。当該カチオン性アミノ酸は、好ましくはリジンまたはアルギニンだが、ヒスチジンまたはpH7.0で正電荷を有する非遺伝的コードアミノ酸もまたカバーされる。カチオン性アミノ酸を供する適切な非遺伝的コードアミノ酸または修飾アミノ酸としては、ホモリジン、オルニチン、ジアミノ酪酸、ジアミノピメリン酸、ジアミノプロピオン酸およびホモアルギニン、またトリメチルリジンおよびトリメチルオルニチンといった、リジン、アルギニンおよびヒスチジンの類似体が挙げられる。
【0021】
位置(C−1)において、ペプチドは典型的には大きな親油性R基のあるアミノ酸を有する。R基は、好ましくは少なくとも9個、より好ましくは少なくとも10個または11個の非水素原子、例えば、9〜20個、好ましくは9〜17個の非水素原子を有する。典型的には、R基は融合またはつながっていてもよい2個以上の環状基を含んでおり、これらの環状基は典型的には5または6個の非水素原子、好ましくは5または6個の炭素を含む。
【0022】
さらなるカチオン性残基が、典型的には位置(C−2)に存在していてもよい。
【0023】
ペプチドは、3個のアミノ酸およびそれより上の任意の長さのもの、典型的には長さが3〜25個、例えば3〜18個、好ましくは3〜12個、より好ましくは3〜9個のアミノ酸であるものとすることができる。
【0024】
好適な種類のペプチドは、微生物の細胞膜に対する溶解効果を有する抗菌ペプチドである。そのような分子は、例えばWO01/66147に開示されている。これらのペプチドおよび他のより大きな抗菌ペプチドはしばしば「カチオン性」と言われ、典型的にはpH7で正電荷を有する3個以上の基を備えている。
【0025】
本発明のペプチドは、いかなる好都合な方法で合成してもよい。一般的に、存在する反応基(例えばアミノ、チオールおよび/またはカルボキシル)は、合成全体の間、保護されることになる。そのため、合成の最終ステップは、保護された本発明の誘導体を脱保護することになる。
【0026】
ペプチドの構築にあたって、C末端から開始する手順が好適であるが、原則としてC末端から開始してもN末端から開始してもよい。
【0027】
ペプチド合成の方法は周知の技術であるが、本発明にとって、固相担体上で合成を行うことが特に好都合となり得、そのような支持体は周知の技術である。
【0028】
アミノ酸のために幅広い選択のできる保護基が知られており、適切なアミンの保護基としては、カルボベンゾキシ(Zと記すこともある)、t−ブトキシカルボニル(Bocと記すこともある)、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmocと記すこともある)を挙げることができる。ペプチドがC末端の先端から構築される場合、アミン保護基は、付加される新たな残基各々のα−アミノ基に存在することになり、次の結合ステップの前に選択的に除去される必要があることが認識されよう。
【0029】
例えば、採用することのできるカルボキシル保護基としては、固体担体に結合する基、例えばポリスチレンに連結したメチル基とともに、ベンジル(Bzl)、p−ニトロベンジル(ONb)、ペンタクロロフェニル(OPClP)、ペンタフルオロフェニル(OPfp)またはt−ブチル(OtBu)基のような容易に切断されるエステル基が挙げられる。
【0030】
チオール保護基としては、p−メトキシベンジル(Mob)、トリチル(Trt)およびアセトアミドメチル(Acm)が挙げられる。
【0031】
アミンおよびカルボキシル保護基を除去するための広範囲にわたる手順が存在する。しかしながら、これらは採用される合成戦略に適合したものでなければならない。側鎖保護基は、一時的なα−アミノ保護基を次の結合ステップの前に除去するために用いられる条件に対して、安定でなければならない。
【0032】
Bocのようなアミン保護基およびtBuのようなカルボキシル保護基は、例えばトリフルオロ酢酸を用いる、酸処理によって同時に除去することができる。Trtのようなチオール保護基は、ヨウ素のような酸化剤を用いて選択的に除去することができる。
【0033】
ペプチドに加えて、本明細書に記載したC末端キャッピング基は、ペプチドミメティック化合物の安定性を向上させるために用いることもできる。したがって、さらなる側面において、本発明は、上で定義した式(I)のC末端キャッピング基をペプチドミメティックに組み込むことを含む、ペプチドミメティック化合物のトリプシンによる分解に対する耐性を向上させる方法を提供する。
【0034】
ペプチドミメティックは、典型的には、そのペプチド等価物の極性、三次元サイズおよび官能性(生理活性)を保持していること、しかしそこでは、たいていはより安定的な結合によって、ペプチド結合が置換されていることにより特徴付けられる。「安定的な」によって、加水分解酵素による酵素分解に対する耐性がより高いことが意味される。一般的に、アミド結合を置換する結合(アミド結合代用物)は、アミド結合の性質(例えばコンホメ−ション、立体的な大きさ、静電気的特性、水素結合の可能性など)の多くを保存する。"Drug Design and Development", Krogsgaard, Larsen, Liljefors and Madsen (Eds) 1996, Horwood Acad. Pubの第14章は、ペプチドミメティックの設計および合成のための技術に関する一般的な議論を提供している。適切なアミド結合代用物としては、以下の群が挙げられる:N−アルキル化(Schmidt, R. et al., Int. J. Peptide Protein Res., 1995, 46,47)、レトロ逆アミド〈retro−inverse amide〉(Chorev, M and Goodman, M., Acc. Chem. Res, 1993, 26, 266)、チオアミド(Sherman D.B. and Spatola, A.F. J. Am. Chem. Soc., 1990, 112, 433)、チオエステル、ホスホナート、ケトメチレン(Hoffman, R.V. and Kim, H.O. J. Org. Chem., 1995, 60, 5107)、ヒドロキシメチレン、フルオロビニル(Allmendinger, T. et al., Tetrahydron Lett., 1990, 31, 7297)、ビニル、メチレンアミノ(Sasaki, Y and Abe, J. Chem. Pharm. Bull. 1997 45, 13)、メチレンチオ(Spatola, A.F., Methods Neurosci, 1993, 13, 19)、アルカン(Lavielle, S. et. al., Int. J. Peptide Protein Res., 1993, 42, 270)およびスルホンアミド(Luisi, G. et al. Tetrahedron Lett. 1993, 34, 2391)。
【0035】
上で引用した教科書中で議論されているように、アミド結合の置換だけでなく、ジないしトリペプチドミメティック構造によるより大きな構造部分の置換をペプチドミメティックは伴っていてもよい。そして、この場合、アゾール由来のミメティックのようなペプチド結合を伴うミメティック部分は、ジペプチド置換として用いることができる。しかしながらアミド結合が上述のように置換されているペプチドミメティックすなわちペプチドミメティックのバックボーンは好適である。
【0036】
適切なペプチドミメティックとしては、還元剤、例えばボランやリチウム・アルミニウム水素化物のような水素化物試薬を用いた処理によりアミド結合がメチレンアミンに還元されている、還元ペプチドが挙げられる。そのような還元には、分子の全体的なカチオン性を向上させるという追加の利点がある。
【0037】
他のペプチドミメティックとしては、例えばアミド官能化ポリグリジンの段階的合成によって形成される、ペプトイド〈peptoid〉挙げられる。いくつかのペプチドミメティックのバックボーンは、過メチル化されている〈permethylated〉ペプチドのような、それらのペプチド前駆体から容易に入手できるものとなる。適切な方法はOstresh, J.M. et al. in Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1994) 91, 11138−11142に記載されている。強塩基性の条件は、O−メチル化よりもN−メチル化を促進することになり、ペプチド結合中の窒素原子およびN末端窒素の一部または全部がメチル化される結果になる。
【0038】
好適なペプチドミメティックのバックボーンとしては、置換されたアルカンおよびアルケンと共に、ポリエステル、ポリアミンおよびそれらの誘導体が挙げられる。ペプチドミメティックは、好ましくは、本明細書で述べたように修飾されていてもよいNおよびC末端を有することになる。
本発明のC末端キャッピング基は親油性部分を含んでいるが、このことは、修飾されるペプチドの親油的な特性を保持するないし向上させることが望まれている場合に有利である。例えば、抗菌ペプチドは、典型的には親油基を組み込んでいることが有利である。
【0039】
すべての場合において、分子の安定性は、トリプシンによる分解に対する耐性のインビトロでのアッセイにより評価することが可能である。適切な方法としては逆相HPLCが挙げられ、これは本明細書の実施例に記載されている。このアッセイを用いることにより、二つの分子、例えば本明細書に記載したC末端キャッピング基のあるペプチドとないペプチドの耐性を比較することが可能である。好ましくは、安定性は少なくとも2倍、好ましくは少なくとも3、4または5倍、最も好ましくは少なくとも6倍に向上する。
【0040】
安定性は、生物学的半減期、すなわちペプチドの総量の半分が破壊されるのにかかる時間によって表現できる。半減期がインビトロでアッセイされる場合、それはアッセイにおいて存在するペプチドの初期濃度に依存する。そのため、同一か少なくとも比較可能なアッセイ条件下でペプチドの半減期を比較することが重要である。このように、生物学的半減期は、特定の分子の絶対的な特質ではなく、相対的な特質である。
【0041】
これより、以下の非限定的な図および実施例を参照することにより、本発明をさらに詳しく説明することにする。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本明細書に記載のペプチドに組み込むことのできるアミノ酸誘導体を調製するための一般的なスキームを示す。
【図2】図2は、トリプシンが小さいペプチドを切断しうる、2つの考えられる様式を示す。
【図3】図3は、トリプシンで処理した結果の、ペプチドおよび代謝産物濃度の対時間の変動を示す。コーネル大学からのMedical Calculatorを用いて、分解の始めの5時間の間に集められたデータに基づいて半減期を算出した。
【実施例】
【0043】
[実施例1]ペプチドの調製およびトリプシンによる分解の測定
化学薬品
ウシ膵臓由来の基本的に無塩のトリプシン(T8802、10000〜15000BAEEユニット/mgタンパク質)はSigma−Aldrichから供給された。保護アミノ酸はBachem AGまたはAldrichから購入した。化学薬品はFluka Acros. Merck, Riedel−de HaenまたはAldrichから購入した。
【0044】
アミノ酸の調製
非市販のアミノ酸誘導体を、図1(スキーム1)に概説した一般的なスキームに従って調製した。
【0045】
Boc−4−ヨードフェニルアラニン(2)のベンジル化
Boc−4−ヨードフェニルアラニン(1、1当量)を90%メタノール水溶液に溶解し、それが弱アルカリ性になるまで(リトマス試験紙により判定した)炭酸セシウムを添加して中和した。溶媒をロータリーエバポレーションにより除去し、トルエンとの共沸蒸留を繰り返すことでBoc−4−ヨードフェニルアラニンのセシウム塩に残存している水をさらに減少させた。できた乾燥塩をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。臭化ベンジル(1.2当量)を添加し、できた混合液を6〜8時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、油状物を生じさせ、それは標記化合物(2)を含んでいた。油状物を酢酸エチルと酢酸(15%v/v)の間で分離し、有機相を同量のクエン酸溶液(5%v/v、2回)、NaHCOの飽和溶液および塩水で洗浄した。溶出剤としてCHCl:酢酸エチル(95:5v/v)を用いたフラッシュクロマトグラフィによる精製後、標記化合物を淡黄色の油状物として85%の収率で単離した。結晶のベンジルBoc−4−ヨードフェニルアラニンは、再結晶によってn−ヘプタンから得ることが可能だった。
【0046】
鈴木・宮浦カップリングのための一般的な手順
ベンジルBoc−4−ヨードフェニルアラニン(1当量)、アリールボロン酸(1.5当量)、炭酸ナトリウム(2当量)、パラジウム酢酸塩(0.05当量)およびトリオルト−トリルホスフィン(0.1当量)を、ジメトキシエタン(6ml/mmolアミノ酸)および水(1ml/mmolアミノ酸)の脱気した混合液に添加した。反応混合液をアルゴン下に保持し、4〜6時間、80度℃に加熱した。室温に冷却後、混合液をシリカゲルおよび炭酸ナトリウムの短いパッドでろ過した。フィルターケークを酢酸エチルでさらに洗浄し、他の画分とあわせてから減圧下で溶媒を除去した。生成物を、溶出剤として酢酸エチルおよびn−ヘキサンの混合液を用いたフラッシュクロマトグラフィにより精製した。
【0047】
Boc−Bip(t−Bu)−OBn(3a)の調製
鈴木カップリングのための一般的な手順を用いて、4−t−ブチルフェニルボロン酸から標記化合物を79%の収率で調製した。溶出剤として酢酸エチル:n−ヘキサン溶出剤(80:20v/v)を採用したフラッシュクロマトグラフィの後に、3aを単離した。
【0048】
Boc−Bip(4−Ph)−OBn(3b)の調製
鈴木カップリングのための一般的な手順を用いて、4−ビフェニルボロン酸から標記化合物を61%の収率で調製した。粗生成物の再結晶によりn−ヘプタンから3bを単離した。
【0049】
Boc−Bip(n−Bu)−OBn(3c)の調製
鈴木カップリングのための一般的な手順を用いて、4−n−ブチルフェニルボロン酸から標記化合物を53%の収率で調製した。80:20の酢酸エチル:n−ヘキサンを溶出剤として用いて3cを精製した。
【0050】
Boc−Phe(4−(2−ナフチル))−OBn(3d)の調製
鈴木カップリングのための一般的な手順を用いて、2−ナフチルボロン酸から標記化合物を68%の収率で調製した。粗生成物の再結晶によりn−ヘプタンから3dを単離した。
【0051】
ベンジルエステルのエステル分解の一般的な手順
ベンジルエステルをDMFに溶解し、雰囲気圧および雰囲気温度で2日間、触媒として10%パラジウム−炭素を用いて水素化した。反応終了時に濾過により触媒を除去し、減圧下で溶媒を除去した。再結晶によりジエチルエーテルから遊離酸を単離した。
【0052】
Boc−Bip(4−t−Bu)−OH(4a)の調製
エステル分解のための一般的な手順を用いて、3aから標記化合物を65%の収率で調製した。
【0053】
Boc−Bip(4−Ph)−OH(4b)の調製
エステル分解のための一般的な手順を用いて、3bから標記化合物を61%の収率で調製した。
【0054】
Boc−Bip(4−n−Bu)−OH(4c)の調製
エステル分解のための一般的な手順を用いて、3cから標記化合物を61%の収率で調製した。
【0055】
Boc−Phe(4−(2−ナフチル))−OH(4d)の調製
エステル分解のための一般的な手順を用いて、3dから標記化合物を68%の収率で調製した。
【0056】
カップリング試薬としてHBTUを用いる溶液相ペプチド合成の一般的な手順
以下の一般的な手順に従って、Boc保護戦略を用いた段階的アミノ酸カップリングにより、ペプチドを溶液中で調製した。遊離アミノ基のあるC末端ペプチド部(1当量)、Boc保護アミノ酸(1.05当量)および1−HOBt(1.8当量)をDMF(アミノ成分2〜4ml/mmol)に溶解してから、DIPEA(4.8当量)を添加した。反応混合液を氷冷してからHBTU(1.2当量)を添加し、1〜2時間周囲温度で反応混合液を撹拌した。反応混合液を酢酸エチルで希釈し、クエン酸溶液(5%v/v)、NaHCOの飽和溶液および塩水で洗浄した。真空下で溶媒を除去し、できたペプチドのBoc保護基を、無水メタノール中の95%TFAまたは塩化アセチルを用いて暗所で脱保護した。
【0057】
NH−Arg−N(CHPh)のPyClop合成を用いた溶液相アミド形成
詳細は、Coste, J., Frerot, E., and Jouin, P. (1994) Coupling N-Methylated Amino-Acids Using Pybrop and Pyclop Halogenophosphonium Salts - Mechanism and Fields of Application. J. Org. Chem. 59, 2437−2446)を参照のこと。乾燥したCHCl(2ml)およびDMF(1ml)にBoc−Arg−OH(1当量)、NH(CHPh)(1.1当量)およびPyCloP(1当量)が溶解した溶液。その溶液を氷冷し、撹拌しながらDIPEA(2当量)を添加した。室温で1時間溶液を撹拌した。反応混合液を蒸発させ、酢酸エチルに再溶解し、クエン酸溶液(5%v/v)、NaHCOの飽和溶液および塩水で洗浄した。真空下で溶媒を除去し、できたアミノ酸誘導体のBoc保護基を95%TFAを用いて暗所で脱保護した。
【0058】
ペプチド精製および分析−RP−HPLC
水およびアセトニトリル(どちらも0.1%のTFAを含んでいる)の混合液を溶出剤とする、Delta−Pak(Waters社)C18カラム(100Å、15μm、25×100mm)での逆相HPLCを用いて、ペプチドを精製した。さらに、分析用Delta−Pak(Waters社)C18カラム(100Å、5μm、3.9×150mm)を用いたRP−HPLC、およびVG Quattro四重極質量分析計(VG Instruments社、アルトリンガム、英国)での正イオン・エレクトロスプレー・マススペクトル分析により、ペプチドの純度を分析した。
【0059】
ペプチド半減期の測定および算出
最終的なペプチド濃度が1mg/mlになるよう、各ペプチドを0.1MのNHHCO緩衝液(pH6.5)に溶解した。0.1MのNHHCO緩衝液(pH8.2)50mlにトリプシン1mgを溶解して、トリプシン溶液を調製した。安定性の定量のため、できて間もないトリプシン溶液250μlおよびペプチド溶液250μlを、浸透台上、37℃で、0.1MのNHHCO緩衝液(pH8.6)2ml中でインキュベートした。0.5mlのアリコートを異なる時間間隔でサンプリングし、1%のTFAを含む、水:アセトニトリル(60:40v/v)0.5mlで希釈し、上記のようにRP−HPLCで分析した。37℃で0時間および20時間後に採られたトリプシン無添加のサンプルをネガティブコントロールとして用いた。アッセイの始めの5時間の間に採られたサンプルの、254nmのピーク面積の積分値を、コーネル大学からのMedical Calculatorを用いてt1/2を生成するために用いた。GraphPad Prism 4cで動態学的プロファイルのプロットを作成した。
【0060】
トリプシン分解からの代謝産物の同一性は、ペプチドの予備的なトリプシン分解、精製およびESMSによる構造決定よって、または標品試料の化学合成によってのどちらかで判定した。
【0061】
トリプシンは、正に荷電した残基、アルギニン、リジンおよびヒスチジンのC末端側でペプチドを切断する。試験されたすべてのペプチドは二つのアルギニン残基を、一つはC末端に、一つはN末端に含んでいる。それゆえ、ペプチドは容易に切断されると考えられる二つの別々の結合を含んでいる。当該結合は、図2の切断様式Iに対応するC末端アルギニンとX−Y−Z−基間、あるいはまた、切断様式IIに対応するN末端アルギニンとC−1−残基間のどちらかである。したがって、発明者はHPLCを用いることによってペプチド切断の速度を監視することに決めたが、それは、この方法が速度を測定することが可能であるのみならず、同時に切断産物の構造を特徴付けることにより切断の様式を判定することも可能だからである。
【0062】
C末端キャッピング部分のトリプシンに対する安定性への影響を探索するために、ペプチドのライブラリを設計した。結果を表1に示す。本発明によるC末端キャッピング基がさまざまなペプチドの安定性を少なくとも2倍で、しかしたいていは7倍ないしさらに大きな桁で向上させたことを、表1は示す。
【0063】
図3は、本発明によるC末端キャッピング基を備えていない化合物A、およびそのようなC末端キャッピング基を備えている化合物Dについて、ペプチドおよび代謝産物(H−Arg−親油性アミノ酸−Arg−OH)の相対量の、時間に対するプロットを示す。
【0064】
【表1】

【0065】
[実施例2]本明細書に記載したキャッピング基が組み込まれたさらなるペプチドの調製
更なる化合物を本発明の方法に従って調製し、さまざまな細菌に対する最小阻止濃度(MIC)値を得た。
【0066】
H−Arg−Tbt−Arg−NH(CH)(2−Br−フェニル基)
Boc−Arg−Tbt−Arg−OMeの鹸化
LiOH・HO(373mg、8.9mmol)を、BocArgTbtArg−OMe・2HCl(2.9mmol、2.5g、WO01/66147に記載されたようにして調製)がHO(5ml)THF(20ml)混合液に溶解した無色の溶液に添加し、室温で30分間撹拌して反応させたところ、その間にそれは急速に黄色を発色した。希釈したHCl(52ml)および飽和塩水(35ml)を添加し、できた混合液をDCMで抽出した。DCMを蒸発させ、有機物質をDCMに再溶解し、NaSOで乾燥し、濾過して濃縮した。得られたBocArgTbtArg−OHのかたまり:2.45g、93%。
【0067】
PyBOP媒介カップリング
BocArgTbtArgCOHのTFA塩(365mg、0.35mmol)をDMF(0.9ml)に溶解した2−ブロモフェニルエチルアミン(53μl)と混合し、DIPEA(120μl)を添加した。反応混合液を5分間室温で撹拌してからPyBOP(194mg、0.37mmol)を添加し、それから3時間放置した。精密検査の前に混合液をEtOAc(20ml)で希釈し、2×30mlの5%クエン酸溶液、2×30mlの5%NaHCO溶液、30mlの飽和塩水で洗浄し、その後NaSOで乾燥し、濾過して濃縮した。カップリング試薬由来の副産物を含んでいる油状物(432mg)として粗生成物を単離した。粗精製物を1,4−ジオキサンに溶解した4MのHCl15mlに溶解し、濃縮および逆相クロマトグラフィによる最終的な精製の前に、それを室温で30分間撹拌することにより、Boc基を除去した。
純度:>95%、エレクトロスプレー・マススペクトル分析(m/z、プロトン化された分子イオン):866.48/868.56(計算値)、866.5/868,5(観測値)。
【0068】
微生物学的データ
最小阻止濃度(mg/l)、H−Arg−Tbt−Arg−NH−Y−Z
【0069】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のC末端キャッピング基をペプチドまたはペプチドミメティックに組み込むことを含む、ペプチドまたはペプチドミメティックのトリプシンによる分解に対する耐性を向上させる方法:
X−Y−Z (I)
式中、
XはN原子であり、N、OおよびSから選択される2個までのヘテロ原子が組み込まれていてもよい、分岐したまたは分岐していないC〜C10アルキルまたはアリール基により置換されていてもよい;
Yは、−R−R−、−R−R−R−および−R−R−R−から選ばれる基を表し、
はC、O、SまたはNであり、
はCである;RおよびRの各々は、C〜Cアルキル基により置換されていても、非置換であってもよい;
Zは、各々5個もしくは6個の非水素原子の環状基を1〜3個含み、2個以上の環状基は融合していてもよく、1個以上の環状基は置換されていてもよい基である;Z部分には最高15個の非水素原子が組み込まれていてもよい;そして、
YとZとの間の結合は、YのRもしくはRとZの環状基のうちの一つの非水素原子との間の共有結合である。
【請求項2】
Xが非置換である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
がCである、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
Yが−R−R−であり非置換である、任意の前の請求項に記載の方法。
【請求項5】
Yが−CH−CHである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
Zがフェニル基である、任意の前の請求項に記載の方法。
【請求項7】
−X−Y−Zがまとめて−NHCHCHPhである、任意の前の請求項に記載の方法。
【請求項8】
さらに、前記キャッピングされたペプチドまたはペプチドミメティックのトリプシンによる分解に対する感受性を測定するステップを含む、任意の前の請求項に記載の方法。
【請求項9】
ペプチドがそのC末端にカチオン性アミノ酸を有する、任意の前の請求項に記載の方法。
【請求項10】
C末端アミノ酸に隣接したアミノ酸はが親油性R基を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
親油性R基が9〜20個の非水素原子を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
親油性R基が2個以上の環状基を有する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
ペプチドが、長さが3〜18個のアミノ酸である、任意の前の請求項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜7のいずれか一つで定義した式(I)の化学部分を含むまたはそれからなる化合物の、C末端キャッピング基として式(I)のその部分が組み込まれていない同じ分子と比較して、トリプシン分解に対する耐性が増加したペプチドまたはペプチドミメティックの調製における使用。
【請求項15】
以下を含むペプチド生産の方法:
(a)興味があるペプチドのトリプシンによる分解に対する感受性を測定すること、
(b)請求項1〜7のいずれか一つで定義した式(I)のC末端キャッピング基の前記ペプチドへの組み込みにより、前記ペプチドを修飾すること、および任意で
(c)前記修飾されたペプチドのトリプシンによる分解に対する感受性を測定すること。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−507821(P2011−507821A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538907(P2010−538907)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【国際出願番号】PCT/GB2008/004244
【国際公開番号】WO2009/081151
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(508285259)リティックス バイオファーマ エイエス (6)
【Fターム(参考)】