ペプチド含有飲料
【課題】
機能性を有するペプチドの光劣化及び／又は熱劣化により生じる苦味・臭いを低減する方法が検討されていたが、従来の技術はペプチドの苦味や臭いを他の成分で紛らわす方法が主となっており、添加されている成分の影響が無視できず、ペプチドの苦味や臭いを効果的に抑制する方法が求められていた。
【解決手段】
本発明者らは、上記ペプチドを含有する飲料において、光劣化及び／又は熱劣化を受けることにより生じるペプチドの苦味・臭いを改善するために、酸化防止剤として知られているフラボノイド類及び／又は没食子酸誘導体の１種以上を添加し飲料を調製する。
機能性を有するペプチドの光劣化及び／又は熱劣化により生じる苦味・臭いを低減する方法が検討されていたが、従来の技術はペプチドの苦味や臭いを他の成分で紛らわす方法が主となっており、添加されている成分の影響が無視できず、ペプチドの苦味や臭いを効果的に抑制する方法が求められていた。
【解決手段】
本発明者らは、上記ペプチドを含有する飲料において、光劣化及び／又は熱劣化を受けることにより生じるペプチドの苦味・臭いを改善するために、酸化防止剤として知られているフラボノイド類及び／又は没食子酸誘導体の１種以上を添加し飲料を調製する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ペプチド含有飲料に関し、詳しくは、ペプチドを添加して調製されたペプチド含有飲料が、光及び／又は熱による影響を受けることにより生じるペプチド臭を効果的に抑制することが可能となるペプチド含有飲料を提供する。
【背景技術】
【０００２】
ペプチドとは、アミノ酸がペプチド結合（アミノ酸のα−カルボキシル基とα−アミノ基の間の脱水縮合）によって重合したものをいい、アミノ酸残基が２〜１０個のものをオリゴペプチド、１０〜５０基からなるものをポリペプチド、それ以上のものとタンパク質を称している。
【０００３】
このペプチドは生理活性を有しており、具体的には代謝調節（記憶、睡眠、血糖値、血圧、免疫）、抗菌・抗ウイルス、抗腫瘍、呈味、酵素活性阻害、微生物の接合促進、抗酸化性、乳化性などを示すものが知られている。ペプチドは通常タンパク質を分解して得られ、近年では様々なペプチドの生理活性が認められている。例えば、魚類の細胞核にはアルギニンを主成分とする蛋白であるプロタミンが多く含まれており、このプロタミンを分解して得られるオリゴペプチドには抗アレルギー作用、美肌作用等の優れた効果があることが知られている。また、大豆ペプチドには、脳の機能を向上し、疲労を軽減するという新たな健康効用が見つかってきている。さらに、コラーゲンとコラーゲンペプチドを比較すると、コラーゲンペプチドが保水力の点で優れていることが知られている。その他にも血圧降下作用やコレステロール低下作用、学習促進作用や抗脱毛作用のような効果を示すものも知られている。
【０００４】
ペプチドはもとのタンパク質に比べその分子が小さく、また複数のアミノ酸残基が重合した構成であり、アミノ酸単体を吸収するよりも効率的であることから、人体への栄養分の吸収が効率的に行われるという効果が期待できることから、近年、様々な食品に添加され、健康食品、特定保健用食品として販売されている。
【０００５】
ところが、食品へ添加する際、ペプチド自体の苦味や独特の臭いが問題とされていた。このペプチド独特の臭いを解決するために様々な方法が開示されている。具体的には、原料となるペプチドやタンパク質加水分解物の段階で苦味や臭いを低減する方法、即ちカゼインを酸性下でプロテアーゼ処理し、中性下でペプチダーゼ処理して分解し、限外濾過膜処理、陰イオン交換樹脂処理を行う方法（特許文献１）、１５％トリクロル酢酸可溶率が特定範囲である大豆蛋白質加水分解物溶液を特定温度範囲で吸着剤処理することによる、不快臭がなく風味のよい大豆ペプチド混合物（特許文献２）、牛乳由来の蛋白質を蛋白加水分解酵素で処理し、分子量を特定値以上にした、酵素分解に伴う風味の劣化が少ないペプチド組成物（特許文献３）、動植物蛋白質を水系下にエンドプロテアーゼ及びエキソプロテアーゼを用い、中性域で酵素分解し吸着剤で処理等して、苦味、臭い、味が改善され、風味、嗜好性に優れた栄養補給剤として好適なオリゴペプチド混合物（特許文献４）、特定のアンギオテンシン変換酵素阻害ペプチド含有溶液を、平均細孔直径が特定の活性炭で処理することにより、阻害活性を低下させることなく、苦味や臭いを除去してペプチドを精製する方法（特許文献５）などが開示されている。或いは、食品に添加したペプチドの風味劣化を抑制する方法、具体的には、乳ペプチドとハーブエキスを含有する乳飲料（特許文献６）、トレハロースを用いてペプチド類特有の着色性を軽減し、臭い・味の嗜好性を改良する方法（特許文献７）、酸味料で予めｐＨを所定酸性領域に調整後、トレハロース等の非還元糖等で風味を整えることにより、加熱や長時間保存しても風味劣化を起こさないアミノ酸含有飲料（特許文献８）などが開示されている。
【０００６】
しかしながら、これらの技術を持ってしても、食品におけるペプチド臭の影響を抑えることは不十分であった。特に、食品の中でも飲料に関しては、添加したペプチドが光及び／又は熱による影響（以下、光劣化、熱劣化という）を受けて発生するペプチド臭を抑制する方法は開示されていなかった。
【０００７】
【特許文献１】特許３２３３７７９号公報
【特許文献２】特許３１５８８４９号公報
【特許文献３】特許３０７１８７７号公報
【特許文献４】特許２９４５９９５号公報
【特許文献５】特開２００２−１１９２１０号公報
【特許文献６】特開２００３−１０２３８０号公報
【特許文献７】特開２００２−１８７９００号公報
【特許文献８】特許２９７１８５５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
従来の技術は、上述のように食品に添加する前のペプチドの苦味・臭いを低減する方法が主に検討されており、食品に添加した後に生じる苦味・臭いへの対応は、ペプチドの苦味や臭いを他の成分で紛らわす方法が主となっている。そのため、ペプチドの臭いを低減させるために添加されている成分の影響が無視できず、食品の製造を困難なものとしていた。
【０００９】
即ち、食品に添加しても味や臭いに影響を与えず、食品、特に飲料に添加したペプチドが光劣化及び／又は熱劣化を受けることにより生じるペプチドの苦味・臭いを効果的に抑制する方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明者らは、上記ペプチドを含有する食品、特に摂取が容易な飲料における光劣化及び／又は熱劣化を受けることにより生じるペプチドの苦味・臭いを改善するために鋭意検討を重ね、酸化防止剤として知られているルチン、イソクエルシトリン、ミリシトリン、モリン、クエルセチン、糖転位ルチン、エンジュ抽出物、ヤマモモ抽出物、ダッタンソバ抽出物及びそれらの配糖体、没食子酸、コーヒー酸、クロロゲン酸、フェルラ酸、ジヒドロイソフェルラ酸、オリザノール、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子抽出物の１種以上を添加し飲料を調製することで、光劣化及び／又は熱劣化を受けることにより生じるペプチドの苦味・臭いを効果的に抑制し、かつ飲料には酸化防止剤による味や風味の影響が及ばないとの知見と得て本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【００１１】
本発明によれば、食品、特に飲料において製造時に生じる熱劣化、長期保存時に生じる光劣化及び／又は熱劣化を受け、ペプチド独特の苦味・臭いを生じていたペプチド含有飲料において、従来の技術では解決できなかった、光劣化及び／又は熱劣化を受けることにより生じるペプチドに由来する苦味・臭いの発生を抑制した飲料及びその抑制方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
本発明は、各種ペプチドを含有する食品、特に飲料に酸化防止剤を添加することにより、ペプチドが食品製造工程の熱履歴による熱劣化、太陽光やコンビニエンスストアの陳列ケース内の蛍光灯の照射を受けることにより生じる光劣化、食品の流通・保管時の熱履歴による熱劣化に起因する、ペプチド独特の苦味・臭いの発生を有意に抑制することを特徴とする。
【００１３】
本発明で使用できるペプチドは、様々な蛋白原料から得られるペプチドを制限無く利用できる。例えば、大豆由来蛋白や乳由来蛋白、牛・豚・鳥・魚由来蛋白、卵由来蛋白などを加水分解して得られるものが好適に用いることができるが、これらは市販されている蛋白加水分解物を使用することもできる。具体的には牛蛋白由来コラーゲンペプチド（ニッピ社製 ペプタイドＰＲＡ）、魚蛋白由来コラーゲンペプチド（ニッピ社製 ペプタイドＦＣＰ）、大豆蛋白由来ペプチド（不二製油社製 ハイニュートＲ）、乳蛋白由来ペプチド（森永乳業社製 ペプチドＣ８００）、卵蛋白由来ペプチド（キユーピー社製 ＥＰ−１）が例示できる。本発明で使用するペプチドには、アミノ酸や未分解の蛋白が含まれていてもよい。
【００１４】
本発明で使用する酸化防止剤は、フラボノイド類と没食子酸誘導体が好適に用いることができる。フラボノイド類としては、ルチン、イソクエルシトリン、ミリシトリン、モリン、クエルセチン、糖転位ルチン及びそれらの配糖体が例示できる。没食子酸誘導体としては、没食子酸、コーヒー酸、クロロゲン酸、フェルラ酸、ジヒドロイソフェルラ酸、オリザノールが例示できる。何れも市販されているものをそのまま用いてもよい。また、エンジュ抽出物、ヤマモモ抽出物、ダッタンソバ抽出物、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子抽出物、南天の葉、サツマイモ、ナス、茶葉、桑の葉、カカオ豆、大麦などの天然物から抽出したエキスを用いてもよい。これら酸化防止剤としては、いずれも市販されているものをそのまま利用することができる。具体的には、フラボノイド類としては三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のサンメリン［商標］ＡＯ−１００７、サンメリン［商標］ＹＡが、没食子酸誘導体としては岩手ケミカル社製の没食子酸、富士化学工業社製のカフェノールＰ−１００、東洋精糖株式会社のα−Ｇ−ルチンが例示できる。飲料への添加量は、製造する飲料により適宜選択することができるが、飲料１００部に対し酸化防止剤０．０５〜０．５部の範囲をとることができる。
【００１５】
本発明を利用して光劣化及び／又は熱劣化による生じるペプチド臭を有意に抑制することができる食品に特に制限はないが、好適にはペプチドを含有する飲料である。具体的にはコーヒー、紅茶、酢含有飲料、炭酸飲料、果汁や果汁入り飲料、カクテルやチューハイなどの果汁入りアルコール飲料、ニアウォーターやスポーツドリンクなどの飲料類が挙げられる。その他、ゼリー、プリンやヨーグルト等のデザート類、ドリンクヨーグルト、シェーク飲料などの乳製品、ゼリー等のデザート、グミキャンディー、錠菓、タブレットなどの菓子類などが例示できる。また、食品に限らず経口で摂取するドリンク剤などの医薬品、医薬部外品に添加することもできる。
【００１６】
ペプチドを含有する飲料は、その製造後から流通工程を経て店頭に陳列されるに至るまで、太陽光や蛍光灯から受ける光や製造工程における加熱殺菌や長期保存時に受ける熱の影響を受ける場合があり、その結果飲料の光劣化及び／又は熱劣化が起こり、含有するペプチドが苦味や臭いの原因となり、飲料の商品価値を低下させることとなる。
【００１７】
本発明に係るペプチド含有飲料の調製は、調製する飲料の一成分として酸化防止剤を添加するだけで良く、特別な製造装置や製造条件を整える必要がないため、工業的にも簡便に本発明を実施することができる。また、酸化防止剤の添加量、添加する時期については、添加する飲料の種類、風味、製造方法などに応じて適宜増減、調節してもよい。
【００１８】
尚、従来より酸化防止剤を飲料に添加する技術は知られているが、従来の技術は飲料中の色素や香味の劣化を防止するものである。本発明はペプチドを含有する飲料に関し実施するものであり、色素や香味の有無は問題とされない。
【００１９】
本発明に係る飲料には、本発明の構成に必要なペプチドと酸化防止剤に加え、飲料に通常添加される各種成分を、本発明の効果を妨げない範囲で添加することもできる。例えばクエン酸、乳酸等の有機酸及び／又はその塩類、アラビアガム、タラガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、微結晶セルロース、発酵セルロース、微小繊維状セルロース、化工澱粉、加工澱粉、ショ糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖、澱粉糖化物、還元澱粉水飴、デキストリン、トレハロース、黒糖、はちみつ等の糖類、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール等の糖アルコール類、スクラロース、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリン等の高甘味度甘味料、アミノ酸、ミネラル、ビタミン類を添加してもよく、さらに乳化剤や分散安定剤、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム、カゼインナトリウム、レシチン等が例示でき、これらの１種以上を製造する飲料に応じ適宜組み合わせ添加することができる。
【００２０】
以下、本発明の内容を以下の試験例を用いて具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記に記載する処方の単位は特に言及しない限り、「部」は「重量部」を意味するものとし、※は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の商標であることを示し、＊は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の製品であることを示す。
【００２１】
実施例
以下の処方に基づき飲料を調製し、酸化防止剤の有無により光劣化により生じるペプチド臭の発現の程度を比較した。比較例として酸化防止剤無添加の飲料と、酸化防止剤として飲料に使用されているビタミンＣを添加したものを調製した。飲料調製直後の香味評価の結果を表１に、カーボンアークフェードメーター４時間照射後の香味評価の結果を表２に、飲料４０℃２週間保存後の香味評価の結果を表３に示す。
【００２２】
＜ペプチド含有飲料の調製＞
砂糖 １０
クエン酸（無水） ０．１
ペプチド（詳細表１参照） ０．５
酸化防止剤（詳細表１参照） ０．１
水にて全量 １００ 部
【００２３】
上記処方に基づき各原料を水に溶解し、９３℃達温加熱し、２００ｍｌ容ジュース瓶にホットパック充填した。
【００２４】
＜評価＞
+++ ペプチド臭が明らかに強い
++ ペプチド臭が強い
+ ペプチド臭がやや強い
± 標準品と同等のペプチド臭
- ペプチド臭がやや弱まっている
-- ペプチド臭が弱まっている
--- ペプチド臭がかなり弱まっている
【００２５】
【表１】
【００２６】
【表２】
【００２７】
【表３】
【００２８】
＜結果＞
表１の結果から、本発明に係る酸化防止剤を添加したペプチド含有飲料は、ペプチド含有飲料調製直後の時点からペプチド臭の抑制効果を発揮していることが明らかになった。これに対し、従来酸化防止剤として使用されているビタミンＣは、ペプチド臭を増強することがわかった。
【００２９】
表２の結果から、本発明に係る酸化防止剤を添加したペプチド含有飲料は、調製後の光照射によっても、酸化防止剤無添加の飲料よりも有意にペプチド臭の発生を抑制していることがわかった。これに対し、ビタミンＣは他の酸化防止剤に比して明らかにペプチド臭の抑制効果が低いことがわかった。
【００３０】
表３の結果から、本発明に係る酸化防止剤を添加したペプチド含有飲料は、調製後の熱劣化によっても、酸化防止剤無添加の飲料よりも有意にペプチド臭の発生を抑制していることがわかった。これに対し、ビタミンＣは他の酸化防止剤に比して明らかにペプチド臭の抑制効果が低いことがわかった。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ペプチド含有飲料に関し、詳しくは、ペプチドを添加して調製されたペプチド含有飲料が、光及び／又は熱による影響を受けることにより生じるペプチド臭を効果的に抑制することが可能となるペプチド含有飲料を提供する。
【背景技術】
【０００２】
ペプチドとは、アミノ酸がペプチド結合（アミノ酸のα−カルボキシル基とα−アミノ基の間の脱水縮合）によって重合したものをいい、アミノ酸残基が２〜１０個のものをオリゴペプチド、１０〜５０基からなるものをポリペプチド、それ以上のものとタンパク質を称している。
【０００３】
このペプチドは生理活性を有しており、具体的には代謝調節（記憶、睡眠、血糖値、血圧、免疫）、抗菌・抗ウイルス、抗腫瘍、呈味、酵素活性阻害、微生物の接合促進、抗酸化性、乳化性などを示すものが知られている。ペプチドは通常タンパク質を分解して得られ、近年では様々なペプチドの生理活性が認められている。例えば、魚類の細胞核にはアルギニンを主成分とする蛋白であるプロタミンが多く含まれており、このプロタミンを分解して得られるオリゴペプチドには抗アレルギー作用、美肌作用等の優れた効果があることが知られている。また、大豆ペプチドには、脳の機能を向上し、疲労を軽減するという新たな健康効用が見つかってきている。さらに、コラーゲンとコラーゲンペプチドを比較すると、コラーゲンペプチドが保水力の点で優れていることが知られている。その他にも血圧降下作用やコレステロール低下作用、学習促進作用や抗脱毛作用のような効果を示すものも知られている。
【０００４】
ペプチドはもとのタンパク質に比べその分子が小さく、また複数のアミノ酸残基が重合した構成であり、アミノ酸単体を吸収するよりも効率的であることから、人体への栄養分の吸収が効率的に行われるという効果が期待できることから、近年、様々な食品に添加され、健康食品、特定保健用食品として販売されている。
【０００５】
ところが、食品へ添加する際、ペプチド自体の苦味や独特の臭いが問題とされていた。このペプチド独特の臭いを解決するために様々な方法が開示されている。具体的には、原料となるペプチドやタンパク質加水分解物の段階で苦味や臭いを低減する方法、即ちカゼインを酸性下でプロテアーゼ処理し、中性下でペプチダーゼ処理して分解し、限外濾過膜処理、陰イオン交換樹脂処理を行う方法（特許文献１）、１５％トリクロル酢酸可溶率が特定範囲である大豆蛋白質加水分解物溶液を特定温度範囲で吸着剤処理することによる、不快臭がなく風味のよい大豆ペプチド混合物（特許文献２）、牛乳由来の蛋白質を蛋白加水分解酵素で処理し、分子量を特定値以上にした、酵素分解に伴う風味の劣化が少ないペプチド組成物（特許文献３）、動植物蛋白質を水系下にエンドプロテアーゼ及びエキソプロテアーゼを用い、中性域で酵素分解し吸着剤で処理等して、苦味、臭い、味が改善され、風味、嗜好性に優れた栄養補給剤として好適なオリゴペプチド混合物（特許文献４）、特定のアンギオテンシン変換酵素阻害ペプチド含有溶液を、平均細孔直径が特定の活性炭で処理することにより、阻害活性を低下させることなく、苦味や臭いを除去してペプチドを精製する方法（特許文献５）などが開示されている。或いは、食品に添加したペプチドの風味劣化を抑制する方法、具体的には、乳ペプチドとハーブエキスを含有する乳飲料（特許文献６）、トレハロースを用いてペプチド類特有の着色性を軽減し、臭い・味の嗜好性を改良する方法（特許文献７）、酸味料で予めｐＨを所定酸性領域に調整後、トレハロース等の非還元糖等で風味を整えることにより、加熱や長時間保存しても風味劣化を起こさないアミノ酸含有飲料（特許文献８）などが開示されている。
【０００６】
しかしながら、これらの技術を持ってしても、食品におけるペプチド臭の影響を抑えることは不十分であった。特に、食品の中でも飲料に関しては、添加したペプチドが光及び／又は熱による影響（以下、光劣化、熱劣化という）を受けて発生するペプチド臭を抑制する方法は開示されていなかった。
【０００７】
【特許文献１】特許３２３３７７９号公報
【特許文献２】特許３１５８８４９号公報
【特許文献３】特許３０７１８７７号公報
【特許文献４】特許２９４５９９５号公報
【特許文献５】特開２００２−１１９２１０号公報
【特許文献６】特開２００３−１０２３８０号公報
【特許文献７】特開２００２−１８７９００号公報
【特許文献８】特許２９７１８５５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
従来の技術は、上述のように食品に添加する前のペプチドの苦味・臭いを低減する方法が主に検討されており、食品に添加した後に生じる苦味・臭いへの対応は、ペプチドの苦味や臭いを他の成分で紛らわす方法が主となっている。そのため、ペプチドの臭いを低減させるために添加されている成分の影響が無視できず、食品の製造を困難なものとしていた。
【０００９】
即ち、食品に添加しても味や臭いに影響を与えず、食品、特に飲料に添加したペプチドが光劣化及び／又は熱劣化を受けることにより生じるペプチドの苦味・臭いを効果的に抑制する方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明者らは、上記ペプチドを含有する食品、特に摂取が容易な飲料における光劣化及び／又は熱劣化を受けることにより生じるペプチドの苦味・臭いを改善するために鋭意検討を重ね、酸化防止剤として知られているルチン、イソクエルシトリン、ミリシトリン、モリン、クエルセチン、糖転位ルチン、エンジュ抽出物、ヤマモモ抽出物、ダッタンソバ抽出物及びそれらの配糖体、没食子酸、コーヒー酸、クロロゲン酸、フェルラ酸、ジヒドロイソフェルラ酸、オリザノール、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子抽出物の１種以上を添加し飲料を調製することで、光劣化及び／又は熱劣化を受けることにより生じるペプチドの苦味・臭いを効果的に抑制し、かつ飲料には酸化防止剤による味や風味の影響が及ばないとの知見と得て本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【００１１】
本発明によれば、食品、特に飲料において製造時に生じる熱劣化、長期保存時に生じる光劣化及び／又は熱劣化を受け、ペプチド独特の苦味・臭いを生じていたペプチド含有飲料において、従来の技術では解決できなかった、光劣化及び／又は熱劣化を受けることにより生じるペプチドに由来する苦味・臭いの発生を抑制した飲料及びその抑制方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
本発明は、各種ペプチドを含有する食品、特に飲料に酸化防止剤を添加することにより、ペプチドが食品製造工程の熱履歴による熱劣化、太陽光やコンビニエンスストアの陳列ケース内の蛍光灯の照射を受けることにより生じる光劣化、食品の流通・保管時の熱履歴による熱劣化に起因する、ペプチド独特の苦味・臭いの発生を有意に抑制することを特徴とする。
【００１３】
本発明で使用できるペプチドは、様々な蛋白原料から得られるペプチドを制限無く利用できる。例えば、大豆由来蛋白や乳由来蛋白、牛・豚・鳥・魚由来蛋白、卵由来蛋白などを加水分解して得られるものが好適に用いることができるが、これらは市販されている蛋白加水分解物を使用することもできる。具体的には牛蛋白由来コラーゲンペプチド（ニッピ社製 ペプタイドＰＲＡ）、魚蛋白由来コラーゲンペプチド（ニッピ社製 ペプタイドＦＣＰ）、大豆蛋白由来ペプチド（不二製油社製 ハイニュートＲ）、乳蛋白由来ペプチド（森永乳業社製 ペプチドＣ８００）、卵蛋白由来ペプチド（キユーピー社製 ＥＰ−１）が例示できる。本発明で使用するペプチドには、アミノ酸や未分解の蛋白が含まれていてもよい。
【００１４】
本発明で使用する酸化防止剤は、フラボノイド類と没食子酸誘導体が好適に用いることができる。フラボノイド類としては、ルチン、イソクエルシトリン、ミリシトリン、モリン、クエルセチン、糖転位ルチン及びそれらの配糖体が例示できる。没食子酸誘導体としては、没食子酸、コーヒー酸、クロロゲン酸、フェルラ酸、ジヒドロイソフェルラ酸、オリザノールが例示できる。何れも市販されているものをそのまま用いてもよい。また、エンジュ抽出物、ヤマモモ抽出物、ダッタンソバ抽出物、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子抽出物、南天の葉、サツマイモ、ナス、茶葉、桑の葉、カカオ豆、大麦などの天然物から抽出したエキスを用いてもよい。これら酸化防止剤としては、いずれも市販されているものをそのまま利用することができる。具体的には、フラボノイド類としては三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のサンメリン［商標］ＡＯ−１００７、サンメリン［商標］ＹＡが、没食子酸誘導体としては岩手ケミカル社製の没食子酸、富士化学工業社製のカフェノールＰ−１００、東洋精糖株式会社のα−Ｇ−ルチンが例示できる。飲料への添加量は、製造する飲料により適宜選択することができるが、飲料１００部に対し酸化防止剤０．０５〜０．５部の範囲をとることができる。
【００１５】
本発明を利用して光劣化及び／又は熱劣化による生じるペプチド臭を有意に抑制することができる食品に特に制限はないが、好適にはペプチドを含有する飲料である。具体的にはコーヒー、紅茶、酢含有飲料、炭酸飲料、果汁や果汁入り飲料、カクテルやチューハイなどの果汁入りアルコール飲料、ニアウォーターやスポーツドリンクなどの飲料類が挙げられる。その他、ゼリー、プリンやヨーグルト等のデザート類、ドリンクヨーグルト、シェーク飲料などの乳製品、ゼリー等のデザート、グミキャンディー、錠菓、タブレットなどの菓子類などが例示できる。また、食品に限らず経口で摂取するドリンク剤などの医薬品、医薬部外品に添加することもできる。
【００１６】
ペプチドを含有する飲料は、その製造後から流通工程を経て店頭に陳列されるに至るまで、太陽光や蛍光灯から受ける光や製造工程における加熱殺菌や長期保存時に受ける熱の影響を受ける場合があり、その結果飲料の光劣化及び／又は熱劣化が起こり、含有するペプチドが苦味や臭いの原因となり、飲料の商品価値を低下させることとなる。
【００１７】
本発明に係るペプチド含有飲料の調製は、調製する飲料の一成分として酸化防止剤を添加するだけで良く、特別な製造装置や製造条件を整える必要がないため、工業的にも簡便に本発明を実施することができる。また、酸化防止剤の添加量、添加する時期については、添加する飲料の種類、風味、製造方法などに応じて適宜増減、調節してもよい。
【００１８】
尚、従来より酸化防止剤を飲料に添加する技術は知られているが、従来の技術は飲料中の色素や香味の劣化を防止するものである。本発明はペプチドを含有する飲料に関し実施するものであり、色素や香味の有無は問題とされない。
【００１９】
本発明に係る飲料には、本発明の構成に必要なペプチドと酸化防止剤に加え、飲料に通常添加される各種成分を、本発明の効果を妨げない範囲で添加することもできる。例えばクエン酸、乳酸等の有機酸及び／又はその塩類、アラビアガム、タラガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、微結晶セルロース、発酵セルロース、微小繊維状セルロース、化工澱粉、加工澱粉、ショ糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖、澱粉糖化物、還元澱粉水飴、デキストリン、トレハロース、黒糖、はちみつ等の糖類、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール等の糖アルコール類、スクラロース、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリン等の高甘味度甘味料、アミノ酸、ミネラル、ビタミン類を添加してもよく、さらに乳化剤や分散安定剤、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム、カゼインナトリウム、レシチン等が例示でき、これらの１種以上を製造する飲料に応じ適宜組み合わせ添加することができる。
【００２０】
以下、本発明の内容を以下の試験例を用いて具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記に記載する処方の単位は特に言及しない限り、「部」は「重量部」を意味するものとし、※は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の商標であることを示し、＊は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の製品であることを示す。
【００２１】
実施例
以下の処方に基づき飲料を調製し、酸化防止剤の有無により光劣化により生じるペプチド臭の発現の程度を比較した。比較例として酸化防止剤無添加の飲料と、酸化防止剤として飲料に使用されているビタミンＣを添加したものを調製した。飲料調製直後の香味評価の結果を表１に、カーボンアークフェードメーター４時間照射後の香味評価の結果を表２に、飲料４０℃２週間保存後の香味評価の結果を表３に示す。
【００２２】
＜ペプチド含有飲料の調製＞
砂糖 １０
クエン酸（無水） ０．１
ペプチド（詳細表１参照） ０．５
酸化防止剤（詳細表１参照） ０．１
水にて全量 １００ 部
【００２３】
上記処方に基づき各原料を水に溶解し、９３℃達温加熱し、２００ｍｌ容ジュース瓶にホットパック充填した。
【００２４】
＜評価＞
+++ ペプチド臭が明らかに強い
++ ペプチド臭が強い
+ ペプチド臭がやや強い
± 標準品と同等のペプチド臭
- ペプチド臭がやや弱まっている
-- ペプチド臭が弱まっている
--- ペプチド臭がかなり弱まっている
【００２５】
【表１】
【００２６】
【表２】
【００２７】
【表３】
【００２８】
＜結果＞
表１の結果から、本発明に係る酸化防止剤を添加したペプチド含有飲料は、ペプチド含有飲料調製直後の時点からペプチド臭の抑制効果を発揮していることが明らかになった。これに対し、従来酸化防止剤として使用されているビタミンＣは、ペプチド臭を増強することがわかった。
【００２９】
表２の結果から、本発明に係る酸化防止剤を添加したペプチド含有飲料は、調製後の光照射によっても、酸化防止剤無添加の飲料よりも有意にペプチド臭の発生を抑制していることがわかった。これに対し、ビタミンＣは他の酸化防止剤に比して明らかにペプチド臭の抑制効果が低いことがわかった。
【００３０】
表３の結果から、本発明に係る酸化防止剤を添加したペプチド含有飲料は、調製後の熱劣化によっても、酸化防止剤無添加の飲料よりも有意にペプチド臭の発生を抑制していることがわかった。これに対し、ビタミンＣは他の酸化防止剤に比して明らかにペプチド臭の抑制効果が低いことがわかった。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
酸化防止剤を含有することを特徴とするペプチド臭の発生が抑制されたペプチド含有飲料。
【請求項２】
酸化防止剤がフラボノイド類及び／又は没食子酸誘導体である請求項１記載のペプチド含有飲料。
【請求項３】
酸化防止剤がルチン、イソクエルシトリン、ミリシトリン、モリン、クエルセチン、糖転位ルチン、エンジュ抽出物、ヤマモモ抽出物、ダッタンソバ抽出物及びそれらの配糖体、没食子酸、コーヒー酸、クロロゲン酸、フェルラ酸、ジヒドロイソフェルラ酸、オリザノール、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子抽出物よりなる群から選択される少なくとも１種である請求項１及び２に記載のペプチド含有飲料。
【請求項４】
添加されるペプチドが、大豆蛋白由来ペプチド、豚蛋白由来ペプチド、牛蛋白由来ペプチド、鳥由来蛋白ペプチド、魚蛋白由来ペプチド、小麦蛋白由来ペプチド、とうもろこし蛋白由来ペプチド、乳蛋白由来ペプチド及び卵蛋白由来ペプチドから選択される１種以上である請求項１乃至３記載のペプチド含有飲料。
【請求項５】
酸化防止剤を添加することを特徴とするペプチド含有飲料から発生するペプチド臭の発生抑制方法。
【請求項６】
酸化防止剤がフラボノイド類及び／又は没食子酸誘導体である請求項５記載のペプチド臭の発生抑制方法。
【請求項７】
酸化防止剤がルチン、酵素処理イソクエルシトリン、イソクエルシトリン、ミリシトリン、モリン、クエルセチン、糖転位ルチン、エンジュ抽出物、ヤマモモ抽出物、ダッタンソバ抽出物及びそれらの配糖体、没食子酸、コーヒー酸、クロロゲン酸、フェルラ酸、ジヒドロイソフェルラ酸、オリザノール、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子抽出物よりなる群から選択される少なくとも１種である請求項５及び６に記載のペプチド臭の発生抑制方法。
【請求項８】
添加されるペプチドが大豆蛋白由来ペプチド、豚蛋白由来ペプチド、牛蛋白由来ペプチド、鳥蛋白由来ペプチド、魚蛋白由来ペプチド、小麦蛋白由来ペプチド、とうもろこし蛋白由来ペプチド、乳蛋白由来ペプチド及び卵蛋白由来ペプチドから選択される１種以上である請求項５乃至７記載のペプチド臭の発生抑制方法。
【請求項９】
ペプチド臭の発生がペプチド含有飲料の光劣化に起因するものである請求項５乃至８記載のペプチド臭の発生抑制方法。
【請求項１０】
ペプチド臭の発生がペプチド含有飲料の熱劣化に起因するものである請求項５乃至８記載のペプチド臭の発生抑制方法。
【請求項１】
酸化防止剤を含有することを特徴とするペプチド臭の発生が抑制されたペプチド含有飲料。
【請求項２】
酸化防止剤がフラボノイド類及び／又は没食子酸誘導体である請求項１記載のペプチド含有飲料。
【請求項３】
酸化防止剤がルチン、イソクエルシトリン、ミリシトリン、モリン、クエルセチン、糖転位ルチン、エンジュ抽出物、ヤマモモ抽出物、ダッタンソバ抽出物及びそれらの配糖体、没食子酸、コーヒー酸、クロロゲン酸、フェルラ酸、ジヒドロイソフェルラ酸、オリザノール、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子抽出物よりなる群から選択される少なくとも１種である請求項１及び２に記載のペプチド含有飲料。
【請求項４】
添加されるペプチドが、大豆蛋白由来ペプチド、豚蛋白由来ペプチド、牛蛋白由来ペプチド、鳥由来蛋白ペプチド、魚蛋白由来ペプチド、小麦蛋白由来ペプチド、とうもろこし蛋白由来ペプチド、乳蛋白由来ペプチド及び卵蛋白由来ペプチドから選択される１種以上である請求項１乃至３記載のペプチド含有飲料。
【請求項５】
酸化防止剤を添加することを特徴とするペプチド含有飲料から発生するペプチド臭の発生抑制方法。
【請求項６】
酸化防止剤がフラボノイド類及び／又は没食子酸誘導体である請求項５記載のペプチド臭の発生抑制方法。
【請求項７】
酸化防止剤がルチン、酵素処理イソクエルシトリン、イソクエルシトリン、ミリシトリン、モリン、クエルセチン、糖転位ルチン、エンジュ抽出物、ヤマモモ抽出物、ダッタンソバ抽出物及びそれらの配糖体、没食子酸、コーヒー酸、クロロゲン酸、フェルラ酸、ジヒドロイソフェルラ酸、オリザノール、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子抽出物よりなる群から選択される少なくとも１種である請求項５及び６に記載のペプチド臭の発生抑制方法。
【請求項８】
添加されるペプチドが大豆蛋白由来ペプチド、豚蛋白由来ペプチド、牛蛋白由来ペプチド、鳥蛋白由来ペプチド、魚蛋白由来ペプチド、小麦蛋白由来ペプチド、とうもろこし蛋白由来ペプチド、乳蛋白由来ペプチド及び卵蛋白由来ペプチドから選択される１種以上である請求項５乃至７記載のペプチド臭の発生抑制方法。
【請求項９】
ペプチド臭の発生がペプチド含有飲料の光劣化に起因するものである請求項５乃至８記載のペプチド臭の発生抑制方法。
【請求項１０】
ペプチド臭の発生がペプチド含有飲料の熱劣化に起因するものである請求項５乃至８記載のペプチド臭の発生抑制方法。
【公開番号】特開２００６−６７８７４（Ｐ２００６−６７８７４Ａ）
【公開日】平成１８年３月１６日（２００６．３．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２５４２７９（Ｐ２００４−２５４２７９）
【出願日】平成１６年９月１日（２００４．９．１）
【出願人】（０００１７５２８３）三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 (429)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年３月１６日（２００６．３．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年９月１日（２００４．９．１）
【出願人】（０００１７５２８３）三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 (429)
【Ｆターム（参考）】
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