説明

ペルチェ素子駆動制御装置及びその装置を備えた空気調和機

【課題】ペルチェ素子を流れる電流のみを検出することでペルチェ素子や電圧可変直流電源回路の異常を検出し、安価な構成で故障箇所の拡大防止を実現可能なペルチェ素子駆動制御装置等を提供する。
【解決手段】ペルチェ素子9に電圧を印加する電圧可変直流電源回路10と、ペルチェ素子9に流れる電流を検出する電流検出部11と、電流検出部11により検出した検出電流値が目標電流値に安定化されるように電圧可変直流電源回路10の出力電圧を可変制御するマイコン1とを備え、マイコン1は、電流検出部11により検出した検出電流値が目標電流値を含む所定電流範囲内であるか否かを判断し、所定電流範囲内であれば正常と判定して電圧可変直流電源回路10の制御を継続し、所定電流範囲外であれば、ペルチェ素子9又は電圧可変直流電源回路10の異常と判定してペルチェ素子9への通電を停止するように電圧可変直流電源回路10を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ペルチェ素子の駆動制御装置及びその装置を備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、直流電流を流すことにより、吸熱側から放熱側に熱を移動させることができるペルチェ素子が知られている。ペルチェ素子の駆動制御装置として、例えばペルチェ素子に直流電流を供給する電圧可変直流電源回路と、ペルチェ素子に印加された電圧を検出する電圧検出回路と、ペルチェ素子を流れる電流を検出する電流検出回路とを備え、電圧検出回路及び電流検出回路の検出値に基づいて電圧可変直流電源回路を制御するようにした装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−353830号公報(第4頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ペルチェ素子駆動制御装置によりペルチェ素子や電圧可変直流電源回路の異常検出を行うことが検討されている。しかし、特許文献1では異常検出を行う点については考慮されていない。このため、異常が発生してその状態が継続すると、ペルチェ素子駆動制御装置内の他の電子部品が故障するなど、故障箇所が更に拡大する可能性があるという問題があった。また、特許文献1では電圧検出回路と電流検出回路の両方を備えており、更に構成を単純化して低コスト化することが望まれている。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ペルチェ素子を流れる電流のみを検出することでペルチェ素子や電圧可変直流電源回路の異常を検出し、安価な構成で故障箇所の拡大防止を実現することが可能なペルチェ素子駆動制御装置及びその装置を備えた空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るペルチェ素子駆動制御装置は、ペルチェ素子に電圧を印加する電源回路と、ペルチェ素子に流れる電流を検出する電流検出部と、電流検出部により検出した検出電流値が目標電流値に一定になるように電源回路の出力電圧を可変制御する制御部とを備え、制御部は、電流検出部により検出した検出電流値が目標電流値を含む所定電流範囲内であるか否かを判断し、所定電流範囲内であれば正常と判定して電源回路の制御を継続し、所定電流範囲外であれば、ペルチェ素子又は電源回路の異常と判定してペルチェ素子への通電を停止するように電源回路を制御するものである。
【0007】
また、この発明に係る空気調和機は、上記ペルチェ素子駆動制御装置と、このペルチェ素子駆動制御装置により駆動されるペルチェ素子とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、ペルチェ素子を流れる電流を検出する電流検出回路の検出結果のみから異常判定を行い、異常と判定した場合にはペルチェ素子への通電を停止させるようにしたので、安価な構成で故障箇所の拡大防止を図ることができる。
【0009】
また、ペルチェ素子及びその電源回路の故障に伴う故障箇所の拡大を防止でき、信頼性の高い空気調和機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1におけるペルチェ素子駆動制御装置のブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1における電圧可変直流電源回路の出力特性図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるペルチェ素子駆動制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】図3の異常判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態2における電圧可変直流電源回路の出力特性図である。
【図6】この発明の実施の形態2におけるペルチェ素子駆動制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態3におけるペルチェ素子駆動制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態4に係る空気調和機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるペルチェ素子駆動制御装置のブロック図である。
ペルチェ素子駆動制御装置は、直流電圧を入力してペルチェ素子9に直流電流を供給する電圧可変直流電源回路10と、ペルチェ素子9に流れる電流を検出する電流検出部11と、電圧可変直流電源回路10の出力電圧を可変制御する制御部としてのマイコン1とを備えている。
【0012】
電圧可変直流電源回路10は、電圧可変直流電源回路10の一方の入力端子と直列に接続されたメイン駆動IC2と、マイコン1からの制御値を受信し、メイン駆動IC2に出力する補助駆動IC3とを備えている。電圧可変直流電源回路10は更に、メイン駆動IC2に直列に接続されたインダクタ5と、インダクタ5の入力側端子と電圧可変直流電源回路10の他方の入力端子との間に接続されたダイオード4と、インダクタ5の出力側端子と電圧可変直流電源回路10の他方の入力端子との間に接続されたアルミ電解コンデンサ6とを有している。
【0013】
電流検出部11は、ペルチェ素子9の一方の入力端子に接続された電流検出用抵抗7と、電流検出用抵抗7の端子間電圧に基づいて電流を検出し、マイコン1に出力する電流検出回路8とを備えている。
【0014】
マイコン1は、電流検出部11にて検出された電流がペルチェ素子9に対する目標電流に一定になるように電圧可変直流電源回路10の出力電圧を可変制御する。マイコン1は更に、電流検出部11にて検出された電流に基づいてペルチェ素子9及び電圧可変直流電源回路10の異常検知を行い、異常を検知した場合、ペルチェ素子9への通電を停止する制御を行う。マイコン1は電圧可変直流電源回路10の電源とは別の電源に接続されている。
【0015】
ところで、ペルチェ素子9を制御する場合、ペルチェ素子9の吸熱側と放熱側の温度差を急激に与えてしまうとペルチェ素子9自体の寿命が短くなってしまう。このため、ペルチェ素子9の通電開始時(立ち上げ時)には、マイコン1から補助駆動IC3に出力する制御値を徐々に上昇させ、電圧可変直流電源回路10からペルチェ素子9に印加する印加電圧を0ボルトから徐々に上昇させるようにしている。
【0016】
図2は、この発明の実施の形態1における電圧可変直流電源回路の出力特性図である。横軸はマイコン1から電圧可変直流電源回路10に出力される制御値、縦軸は電圧可変直流電源回路10の出力電圧(ペルチェ素子9への印加電圧)である。
図2に示すように、出力電圧が0からVaに至るまでの間は出力電圧の変化が大きく、電圧可変直流電源回路10の出力電圧が安定しない制御不安定領域となっている。よって、この実施の形態では、電圧Va以上の安定制御可能領域の電圧を用いてペルチェ素子9を使用するようにしている。すなわち、ペルチェ素子9に流す目標電流は、安定制御可能領域の電圧が印加されたときにペルチェ素子9に流れる電流の範囲内に設定される。よって、ペルチェ素子9に目標電流を流すためにマイコン1から出力される目標制御値XAは電圧Vaに対応する制御下限値Xaよりも大きい値となる。なお、マイコン1内には、図2に示した制御値と出力電力との関係に加え、制御値とその制御値を出力したときにペルチェ素子9に流れる電流との関係(図示せず)も予め記憶されている。
【0017】
次に、ペルチェ素子駆動制御装置の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。
マイコン1は、外部からペルチェ素子9への通電指令があると(S1)、電圧可変直流電源回路10に出力する制御値を、ペルチェ素子9の目標電流に対応する目標制御値XAに至るまで徐々に上昇させ、電圧可変直流電源回路10の出力電圧、すなわちペルチェ素子9への印加電圧を徐々に上昇させる(S2)。なお、この目標電流は外部からの指令に応じて任意に変更可能なものとする。
【0018】
そして、マイコン1から出力する制御値が目標電流に対応した目標制御値XAに達すると(S3)、電流検出部11の検出電流値Iに基づいて後述の異常判定を行う(S4)。ここでは正常と判定した場合(S5)、検出電流値Iが目標電流値に一定になるように電圧可変直流電源回路10を制御し(S6)、ステップS4に戻る。S4の異常判定の結果が正常の間、ステップS4〜S6の処理が繰り返される。
【0019】
マイコン1は、ステップS4の異常判定において異常と判定した場合には、補助駆動IC3に出力する制御値を0にしてペルチェ素子9への通電を停止する(S7)。なお、図3のフローチャートにはないが、外部からペルチェ素子9への通電停止が指示された場合、マイコン1は、ペルチェ素子9の通電開始時(立ち上げ時)と同様にペルチェ素子9の発熱面と吸熱面の温度差が急激とならないように、電圧可変直流電源回路10に出力する制御値を徐々に減少させ、電圧可変直流電源回路10からペルチェ素子9に印加する印加電圧を徐々に0ボルトに近づけるようにしている。
【0020】
図4は、図3の異常判定処理の流れを示すフローチャートである。
電流検出部11の検出電流値Iが、目標電流値を含む所定電流範囲内であるか否かを判断し(S11)、所定電流範囲内であれば正常と判定し(S12)、所定電流範囲外であればペルチェ素子9又は電圧可変直流電源回路10の一方又は両方に異常があると判定する(S13)。所定電流範囲の上限値及び下限値はペルチェ素子9の正常動作範囲として予めマイコン1内に記憶設定されている。
【0021】
なお、ここでは、検出電流値Iが所定電流範囲外であれば異常と判定しているが、異常内容を更に判定するようにしてもよい。すなわち、電流検出部11の検出電流値Iが0のときは「オープン(断線)異常」と判定し、検出電流値Iが予め設定した閾値以上の場合、「ショート(短絡)異常」を判定する。そして、判定結果を外部に通知する等の機能を設けるようにしてもよい。
【0022】
以上説明したように、この実施の形態1によれば、電流検出回路8の検出電流値Iが目標電流値を含む所定電流範囲内であるか否かを判断し、判断結果に基づいて正常又は異常を判定するようにしたので、正常又は異常の判定を電流検出回路8の検出結果のみから行える。そして、異常と判定した場合にはペルチェ素子9への通電を停止させるようにしたので、安価な構成で故障箇所の拡大防止を図ることができる。
【0023】
また、ペルチェ素子9の目標印加電圧を安定制御可能領域内の電圧としたので、安定した制御を実現できる。また、電圧可変直流電源回路10に出力する制御値を徐々に上昇させて電圧可変直流電源回路10の出力電圧が徐々に上昇するようにしたので、ペルチェ素子9への熱ストレスによる性能劣化や破壊を防止することができる。
【0024】
実施の形態2.
以上の実施の形態1では、電流検出部11の検出電流値Iに基づいて電圧可変直流電源回路10の制御及び異常判定を行っていた。実施の形態2では実施の形態1の動作に加えて更に、マイコン1から電圧可変直流電源回路10への出力制御値に上限を設けるようにしたものである。
【0025】
実施の形態2のペルチェ素子駆動制御装置のブロック構成は図1に示した実施の形態1と同様であり、実施の形態1とはその動作が異なるのみである。以下、実施の形態2が実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
【0026】
図5は、この発明の実施の形態2におけるペルチェ素子駆動制御装置の電圧可変直流電源回路の出力特性図である。横軸はマイコン1から電圧可変直流電源回路10に出力される制御値、縦軸は電圧可変直流電源回路10の出力電圧(ペルチェ素子9への印加電圧)である。
図5に示すように、実施の形態2では所定の電圧上限値Vb以上の電圧がペルチェ素子9に印加されないように電圧可変直流電源回路10を制御する動作を行う。ペルチェ素子駆動制御装置は電圧検出部を持たないため、具体的にはマイコン1から出力する制御値が電圧上限値Vbに対応する制御上限値Xbを超えないように制限する動作となる。
【0027】
図6は、この発明の実施の形態2におけるペルチェ素子駆動制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。図6において図3と同一処理には同一ステップ番号を示す。
ステップS1〜ステップS5、S7の処理は実施の形態1と同様である。実施の形態2では、ステップS5で異常判定の結果が正常の場合、電流検出部11の検出電流値Iが目標電流値に一定になるように電圧可変直流電源回路10への制御値を決定する(S21)。そして、その決定した制御値が制御上限値Xbを超えるか否かを判断し(S22)、超えないと判断した場合、マイコン1は決定した制御値を電圧可変直流電源回路10に出力し(S23)、超えると判断した場合、電圧可変直流電源回路10に出力する制御値を制御上限値Xbに制限し(S24)、制御上限値Xbを電圧可変直流電源回路10に出力する(S23)。以上の制御により、ペルチェ素子9の印加電圧が電圧上限値Vbを超えないように制限される。
【0028】
ここで、制御値が制御上限値Xbを超える場合とは、以下の状況が該当する。電流検出部11の検出電流値Iが実際よりも小さく検出された場合、マイコン1は、電流検出部11の検出電流値Iを目標電流に近づけようとして電圧可変直流電源回路10への制御値を上昇させる。その際、制御上限値Xbを超える可能性がある。なお、S22において制御値が制御上限値Xbを超えると判断された期間が所定時間以上続いた場合、電圧可変直流電源回路10やペルチェ素子9の異常と判断してペルチェ素子9の通電を停止するようにしてもよい。
【0029】
このように、この実施の形態2では、実施の形態1と同様の作用効果が得られると共に、印加電圧が電圧上限値Vbを超えないように制限するようにしたので、ペルチェ素子9に過大な電圧が印加されペルチェ素子9が破壊されることを防止することができる。
【0030】
実施の形態3.
以上の実施の形態1、2では、ペルチェ素子9への通電中のみペルチェ素子9を流れる電流を検出し異常判定を実施していたが、実施の形態3ではペルチェ素子9への通電停止中においても電流を検出し異常判定を実施するようにしたものである。
【0031】
実施の形態3のペルチェ素子駆動制御装置のブロック構成は図1に示した実施の形態1と同様であり、実施の形態1、2とはその動作が異なるのみである。以下、実施の形態3が実施の形態1、2と異なる部分を中心に説明する。
【0032】
ペルチェ素子9に通電が指示された場合の動作は上記実施の形態1又は2と同様であり、実施の形態3は、ペルチェ素子9の通電停止中の動作に特徴がある。以下、通電停止中の動作について図7のフローチャートを参照して説明する。なお、マイコン1は、ペルチェ素子9への通電が停止中においても電流検出部11にて検出した検出電流値Iを取り込んでいるものとする。
マイコン1は、ペルチェ素子9への通電指示を電圧可変直流電源回路10に与えていないにも係わらず、電流検出部11により所定電流以上の電流が検出された場合(S31)、電圧可変直流電源回路10の異常と判定する(S32)。そして、マイコン1は電圧可変直流電源回路10の異常であることを、音声出力手段や表示手段など(どちらも図示せず)により使用者に通知(外部に通知)する制御を行う(S33)。
【0033】
以上説明したように、この実施の形態3では、実施の形態1及び2と同様の作用効果が得られると共に、ペルチェ素子9への通電停止中においても電流検出部11にて検出した検出電流値Iに基づいて異常判定を行う。そして、異常有の場合、電圧可変直流電源回路10の異常と判断して使用者に電圧可変直流電源回路10の異常であることを通知する制御を行うので、故障箇所の拡大防止効果を更に高めることができる。
【0034】
実施の形態4.
実施の形態4は、上記実施の形態1〜3の何れかのペルチェ素子駆動制御装置とこのペルチェ素子駆動制御装置によって制御されるペルチェ素子とを有する空気調和機に関するものである。
【0035】
図8は、この発明の実施の形態4に係る空気調和機の斜視図である。
図8に示す空気調和機20は、電気を帯びた微粒子を部屋に放出するミスト放出装置21を有しており、ミスト放出装置21内にペルチェ素子9とペルチェ素子駆動制御装置とが配置されている。ペルチェ素子9は、その冷却効果により空気中の水分を凝縮させて回収する手段として用いられ、ミスト放出装置21では、ペルチェ素子9を駆動して空気中の水分を回収し、その回収した水分に高電圧をかけ、電気を帯びた微粒子を部屋に放出する。ペルチェ素子9への通電指令、言い換えればミスト放出機能の開始はリモコン22により行われる。
【0036】
以上のように構成された空気調和機20では、リモコン22からペルチェ素子9への通電を指示するリモコン信号が発信されると、そのリモコン信号をペルチェ素子駆動制御装置のマイコン1(図1参照)が受信する。ペルチェ素子駆動制御装置のマイコン1は、受信したリモコン信号が正常なリモコン波形であれば、図3のステップS2以降の処理を行う。
【0037】
このように、この実施の形態4によれば、上記のペルチェ素子駆動制御装置を空気調和機に適用したため、ペルチェ素子9を利用する機能の動作の安定化を図ることができ、また、故障箇所の拡大を防止して信頼性の高い空気調和機を得ることができる。
【0038】
なお、ここでは、ミスト放出機能を有する空気調和機にペルチェ素子9を用いた例を示したが、これに限られたものではなく、除湿機能を有する空気調和機において、除湿手段としてペルチェ素子9を用いてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 マイコン、2 メイン駆動IC、3 補助駆動IC、4 ダイオード、5 インダクタ、6 アルミ電解コンデンサ、7 電流検出用抵抗、8 電流検出回路、9 ペルチェ素子、10 電圧可変直流電源回路、11 電流検出部、20 空気調和機、21 ミスト放出装置、22 リモコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペルチェ素子に電圧を印加する電源回路と、
前記ペルチェ素子に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部により検出した検出電流値が目標電流値に一定になるように前記電源回路の出力電圧を可変制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記電流検出部により検出した検出電流値が前記目標電流値を含む所定電流範囲内であるか否かを判断し、前記所定電流範囲内であれば正常と判定して前記電源回路の制御を継続し、前記所定電流範囲外であれば、前記ペルチェ素子又は前記電源回路の異常と判定して前記ペルチェ素子への通電を停止するように前記電源回路を制御する
ことを特徴とするペルチェ素子駆動制御装置。
【請求項2】
前記電源回路は、その特性上、安定して電圧出力を行える電圧領域を有し、前記目標電流値は、前記電圧領域内の電圧を前記ペルチェ素子に印加した場合の電流の範囲内に設定されることを特徴とする請求項1記載のペルチェ素子駆動制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記電流検出部の検出電流値が前記目標電流値となるように、前記電源回路に出力する制御値を制御し、前記制御値が予め設定した制御上限値を超えないように制限することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のペルチェ素子駆動制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ペルチェ素子への通電指示を前記電源回路に与えていないにも係わらず、前記電流検出部により所定電流以上の電流が検出された場合、前記電源回路の異常と判定し、その旨を外部に通知することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のペルチェ素子駆動制御装置。
【請求項5】
ペルチェ素子と、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のペルチェ素子駆動制御装置とを備えたことを特徴とする空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−89576(P2012−89576A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232791(P2010−232791)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】