説明

ペレット供給装置

【課題】計量されたペレットを被供給部に供給できるペレット供給装置を提供する。
【解決手段】ペレット供給装置はペレット計量部31を備えている。ペレット計量部31は、ホッパ40を有するペレット収容部41と、筒部42と、筒部42内を上下方向に移動可能な昇降ユニット43と、アクチュエータ44とを含んでいる。昇降ユニット43は、蓋部材50と、メッシュからなる底板部材51と、蓋部材50に対する底板部材51の相対距離Lを調整可能な調整機構70とを有している。蓋部材50と底板部材51との間に計量室55が形成されている。蓋部材50と底板部材51とが上昇位置に移動すると、ペレット収容部41内のペレットPが計量室55内に落下することにより、所定量のペレットPが計量室55に充填される。蓋部材50と底板部材51が下降位置に移動した状態において、エア導入室80に導入されたエアにより、計量室55内のペレットPがペレット移送管32を経て被供給部に移送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばダイキャスト成形機や射出成形機等の成形機において、各種ペレットを供給するためのペレット供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
成形機の一例であるコールドチャンバ方式のダイキャスト成形機は、ラドルによって汲み取られた金属の溶湯をスリーブ(ショットスリーブとも称される)に供給したのち、スリーブ内の溶湯をプランジャ(ショットピストンあるいはチップとも称される)によって金型内のキャビティに高速かつ高圧で射出するようになっている。
【0003】
このような成形機では、スリーブとプランジャとの潤滑のために、油性の液体潤滑剤が使用されていた。液体潤滑剤は、供給ポンプや配管系を介してスリーブの溶湯供給口からスリーブの内部に供給される。しかし油性の液体潤滑剤は成形機の周囲を汚しやすく、作業環境上も好ましくないため、最近ではペレット状の固形潤滑剤の使用が検討されている。成形機のスリーブ内にペレット状の固形潤滑剤を一定量ずつ供給するためには、それなりの供給装置が必要である。例えば下記の特許文献1あるいは特許文献2に開示されているように、シャッタプレートを備えたシャッタ機構を開閉させることによって、所定量の材料(例えばペレット)を供給する材料供給装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−240041号公報
【特許文献2】特開2005−263394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1の材料供給装置では、供給量に応じてシャッタプレートが何回か往復動するため、供給量を微調整することが難しい。また、所定の供給量を得るためにシャッタプレートの往復動が繰返されると、その分だけ時間が長くかかるという問題がある。特許文献2の材料供給装置では、シャッタ部材に形成された計量孔の容積に応じて供給量が決まるため、供給量を変えるにはシャッタ部材を交換する必要があり、供給量を簡便に微調整することが難しいという問題がある。このため成形機に適した簡便な構成でかつ必要に応じてペレットの供給量を調整できるようなペレット供給装置が望まれていた。
【0006】
従って本発明の目的は、必要に応じて供給量を調整できるようなペレット供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のペレット供給装置は、ペレットを収容するペレット収容部と、前記ペレット収容部の下方に配置され前記ペレット収容部と連通する上端開口を有する筒部と、前記筒部に下降位置と上昇位置とにわたり移動可能に配置され、前記下降位置にあるときに前記筒部に挿入されることにより前記筒部の前記上端開口を閉鎖し、前記上昇位置に移動した状態において前記筒部の前記上端開口を開放させる蓋部材と、前記蓋部材の下方に配置されて前記蓋部材との間に計量室を形成する通気性の底板部材と、前記蓋部材に対する前記底板部材の相対距離を調整可能で該相対距離に応じて前記計量室の容積を変化させる調整機構と、アクチュエータと、ペレット移送機構とを備えている。
前記アクチュエータは、前記蓋部材と前記底板部材とを前記下降位置と前記上昇位置とにわたり往復移動させることが可能で、前記蓋部材を前記上昇位置に移動させたとき前記ペレット収容部内のペレットを前記筒部の前記上端開口から前記計量室に落下させるものである。また前記ペレット移送機構は、前記蓋部材と前記底板部材とが前記下降位置にあるときに前記計量室内に圧縮エアを供給することにより前記計量室内の計量されたペレットを被供給部に移送するものである。
【0008】
本発明の1つの実施形態では、前記調整機構が上下方向に延びる調整軸を有し、該調整軸の上端部に設けられたねじ部が前記蓋部材に形成されたねじ孔に螺合され、該調整軸の軸線方向の中間部に前記底板部材が取付けられ、前記調整軸を回転させることにより、前記蓋部材に対する前記底板部材の前記相対距離が変化するよう構成されている。
【0009】
本発明の他の実施形態では、前記調整機構が上下方向に延びる調整軸を有し、該調整軸の上端部に前記蓋部材が接続され、前記調整軸の軸線方向の中間部に設けられたねじ部に螺合したナット部材を介して前記底板部材が支持され、該調整軸を回転させることにより、前記蓋部材に対する前記底板部材の前記相対距離が変化するよう構成されている。これらの実施形態において、前記調整軸に前記計量室の容積に対応した表示部が設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、蓋部材と底板部材とが昇降動作をすることにより、蓋部材と底板部材と間の計量室によってペレットを計量することができるとともに、計量された所定量のペレットを圧縮エアによって被供給部に供給することができる。また、蓋部材に対する底板部材の相対距離、すなわち計量室の容積を調整機構によって変化させることにより、1回の昇降動作で計量できるペレット量を無段階的に変化させることが可能であり、成形機の容量や仕様等に応じた最適な量のペレットを被供給部に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るペレット供給装置を備えた成形機を模式的に示す正面図。
【図2】図1に示されたペレット供給装置のペレット計量部の縦断面図。
【図3】図2に示されたペレット計量部の蓋部材の斜視図。
【図4】図2に示されたペレット計量部の底板部材の平面図。
【図5】図2に示されたペレット計量部の目盛り部の正面図。
【図6】図2に示されたペレット計量部の前記蓋部材と底板部材が上昇した状態の縦断面図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るペレット計量部の縦断面図。
【図8】図7に示されたペレット計量部の蓋部材と底板部材とが上昇した状態の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の第1の実施形態に係るペレット供給装置について、図1から図6を参照して説明する。
図1は、成形機の一例であるコールドチャンバ方式のダイキャスト成形機10(これ以降、単に成形機と称する)を模式的に示している。この成形機10は、固定ダイプレート11と、移動ダイプレート12と、互いに平行に延びる4本のタイバー13,14(2本のみ示す)と、ダイプレート駆動機構15などを含んでいる。ダイプレート駆動機構15は、移動ダイプレート12をタイバー13,14に沿って水平方向に移動させる機能を有している。
【0013】
成形機10は、操作パネル16を有するコントローラ17によって操作される。コントローラ17には、成形動作および型締動作等を制御するためのコンピュータプログラムとメモリ等が組込まれている。操作パネル16は、作業員が成形機10を操作する際に使用するヒューマンマシン・インタフェースとして機能する。
【0014】
固定ダイプレート11に固定側金型20が取付けられている。移動ダイプレート12に移動側金型21が取付けられている。これら金型20,21間に、成形品のためのキャビティ22が形成されている。キャビティ22は、溶湯通路23を介して溶湯供給機構24に連通している。溶湯供給機構24は、スリーブ25と、プランジャ26と、プランジャ26を駆動するための駆動源27などを含んでいる。溶湯供給機構24から溶融金属がキャビティ22に供給されることにより、ダイキャスト製品が成形される。
【0015】
この成形機10はペレット供給装置30を備えている。ペレット供給装置30は、固形潤滑剤のペレットをスリーブ25の被供給部25aに供給する機能を有している。固形潤滑剤のペレットの一例は、ワックスと黒鉛などからなる粒径1mm前後の粒子であり、スリーブ25とプランジャ26とを潤滑することができる。
【0016】
図1に示すようにペレット供給装置30は、ペレット計量部31と、ペレット移送管32と、ペレット吐出部33と、ペレット供給装置30の動作をつかさどる制御手段であるシーケンサ34(図1ではコントローラ17に設けられている)と、ヒューマンマシン・インタフェースとして機能する入力部35および表示部36とを有している。入力部35と表示部36は、成形機10の操作パネル16に配置されていてもよい。ペレット吐出部33はスリーブ25の被供給部25aの上方に配置され、ペレット吐出部33から吐出されるペレットが被供給部25aに供給されるようになっている。
【0017】
図2はペレット計量部31を示す縦断面図である。ペレット計量部31は、ホッパ40を有するペレット収容部41と、ペレット収容部41の下方に配置された筒部42と、筒部42の軸線X方向に移動可能な昇降ユニット43と、アクチュエータ44などを備えている。ペレット収容部41に粒状の多数のペレットPが収容される。
【0018】
昇降ユニット43を上下方向に移動させるためのアクチュエータ44の一例は、圧縮エア等の流体が供給されるシリンダ本体44aと、流体圧によってシリンダ本体44aの軸線方向に移動するロッド44bとを有している。なおアクチュエータ44として、シリンダ機構以外に、例えばソレノイドやリニヤモータ等のように電力によって往復動作する機構が採用されてもよい。
【0019】
筒部42は、ペレット計量部31のボディを構成する円筒形の部材であり、その軸線Xが上下方向に延びている。筒部42の上端に形成された上端開口42aは、図2にH1で示す位置にあり、ホッパ40の下端開口を介してペレット収容部41に連通している。筒部42は底42bを有している。筒部42の側面にペレット出口45が形成されている。
【0020】
前記昇降ユニット43は、蓋部材50と、蓋部材50の下方に配置された底板部材51と、調整軸52とを含んでいる。調整軸52は、筒部42の軸線Xに沿って上下方向に延びている。調整軸52の下端側は、筒部42の底42bに設けられた案内リング53を貫通して下方に延びている。調整軸52の下端には、手で回転操作することのできる操作部54が設けられている。
【0021】
蓋部材50と底板部材51との間に計量室55が形成されている。計量室55は、筒部42の内面と、蓋部材50の下面と、底板部材51の上面とによって囲まれる空間に相当する容積を有している。この計量室55は、蓋部材50から底板部材51までの相対距離Lに比例する容積を有し、その容積分のペレットPを収容することができる。
【0022】
図3は、蓋部材50の斜視図である。蓋部材50は上方から見て円形をなしている。蓋部材50の上面に接続部60が設けられている。この接続部60を介して蓋部材50がアクチュエータ44(図2に示す)のロッド44bの下端に接続されている。蓋部材50の下面側にねじ孔65が形成されている。このねじ孔65には、調整軸52の上端部に形成されたねじ部66が螺合される。蓋部材50の外周面には、筒部42の内面との滑りを良くするために、低摩擦係数の材料をコーティングするなどの表面処理が施されているとよい。
【0023】
蓋部材50に形成されたねじ孔65に調整軸52のねじ部66をねじ込むことにより、蓋部材50と底板部材51とが互いに調整軸52を介して連結されている。ねじ孔65に対するねじ部66のねじ込み量を変化させることにより、蓋部材50から底板部材51までの相対距離Lを変化させることができる。
【0024】
図4は、底板部材51の平面図である。底板部材51は金網などのようにペレットPが漏れない程度の大きさの網目状の多数の通気孔を有する通気性の材料(メッシュ)からなり、上方から見て円形をなしている。この底板部材51は、調整軸52に設ける保持部材68によって、調整軸52の軸線X方向の中間部の所定位置に保持されている。このため底板部材51は、調整軸52と一体に軸線X方向に移動することができる。底板部材51の外周には、筒部42の内面との滑りを良くするために、低摩擦係数の摺動部材69が設けられているとよい。
【0025】
前記調整軸52の操作部54によって調整軸52を回転させることができるため、調整軸52の回転方向と回転量に応じて、底板部材51が上下方向に相対的に移動する。すなわち計量室55の容積を連続的に変化させることができる。本実施形態の場合、蓋部材50のねじ孔65と調整軸52のねじ部66は、蓋部材50に対する底板部材51の相対距離Lを調整するための調整機構70として機能する。
【0026】
操作部54は、作業員が手で回転させることが可能な手動式でもよいし、あるいは電動アクチュータによって所定量回転させることが可能な電動式であってもよい。蓋部材50に対する底板部材51の上下方向の位置は、例えば調整軸52に設けられた目盛り部71によって読取ることができるようになっている。
【0027】
図5は目盛り部71の一例を示す正面図である。目盛り部71は、目盛り線71aと、数値71bとからなる。数値71bは、計量室55の計量単位に応じて例えば0.1グラム単位で表示されているが、これ以外の計量単位であってもよい。各目盛り線71aごとの数値71bが案内リング53によって隠されないように、数値71bは各目盛り線71aの下側に描かれている。調整軸52が上下方向に移動すると、目盛り部71も上下方向に移動するため、所望の目盛り線71aを案内リング53の下面に合わせることにより、計量したい量(グラム)だけ計量することができる。
【0028】
なお、調整軸52を前記電動アクチュータによって回転させるように構成されている場合には、エンコーダ等の回転角センサを用いることにより、調整軸52の回転位置、すなわち蓋部材50に対する底板部材51の上下方向の相対位置(計量室55の容積)を検出することが可能である。
【0029】
図2に示すように昇降ユニット43が下降位置にあるとき、蓋部材50の上端が停止する位置H2は、ペレット出口45の上端よりも上側としている。これは、昇降ユニット43が下降位置にあるときに、蓋部材50の上側に存在するペレットPがペレット出口45に漏れることを防ぐためである。筒部42の上端開口42aの位置H1は一定であるため、上端開口42aに蓋部材50が挿入されることにより、上端開口42aが閉鎖される。このように昇降ユニット43が下降位置にあるとき、蓋部材50の下面の位置H3は、ペレット出口45の上端よりも低くかつペレット出口45の下端よりも高い位置にある。しかも底板部材51の位置H4は、ペレット出口45の下端よりも下側にある。これは、計量室55内のペレットPが底板部材51の下側に漏れることを防ぐためである。
【0030】
図6に示すように昇降ユニット43が上昇位置にあるとき、蓋部材50の下端が停止する位置H5は、筒部42の上端開口42aの位置H1よりも上側にある。これは、昇降ユニット43が上昇位置にあるときに、ペレット収容部41内のペレットPを計量室55内に落とすためである。また、昇降ユニット43が上昇位置にあるとき、底板部材51の位置H6は、ペレット出口45の上端よりも上側としている。これは、計量室55内のペレットPがペレット出口45に漏れることを防ぐためである。
【0031】
計量室55の下方すなわち底板部材51の下方に、エア導入室80が形成されている。エア導入室80には圧縮エアの供給管81が接続されている。圧縮エアの供給管81は、圧縮エアの供給源82(図1に示す)に接続されている。
【0032】
計量室55の側面に形成されたペレット出口45に、ペレット移送管32の一端が接続されている。ペレット移送管32の他端は、ペレット吐出部33(図1に示す)に接続されている。圧縮エアの供給源82からエア導入室80に導入されたエアによって、計量室55内のペレットPがペレット移送管32に送り出されるため、計量されたペレットPをペレット吐出部33に供給することができる。エア導入室80と、圧縮エアの供給源82と、ペレット移送管32などによって、ペレット移送機構90が構成されている。
【0033】
以下に前記構成のペレット供給装置30の作用について説明する。
ペレットPの計量に先立って、成形機10の容量や仕様等に応じたペレット供給量となるように、予めペレット計量部31の底板部材51の高さを調整することにより、計量室55の容積を調整しておく。計量室55の容積は、目盛り部71によって読取ることができる。
【0034】
図6は、昇降ユニット43の蓋部材50と底板部材51とがアクチュエータ44によって上昇位置に移動した状態を示している。アクチュエータ44はコントローラ17からの指令によって作動することができる。蓋部材50と底板部材51が上昇位置に移動すると、蓋部材50が筒部42の上端開口42aの位置H1よりも上側に位置するため、上端開口42aが開放される。このためペレット収容部41内のペレットPが、蓋部材50とホッパ40との間を通って計量室55に落下することにより、計量室55の容積に応じた所定量のペレットPが計量室55に充填される。
【0035】
図2は、昇降ユニット43の蓋部材50と底板部材51とがアクチュエータ44によって下降位置に移動した状態を示している。蓋部材50と底板部材51が下降位置に移動すると、蓋部材50が筒部42の上端開口42aから筒部42内に挿入されるため、蓋部材50によって筒部42の上端開口42aが閉鎖される。
【0036】
固形潤滑剤(ペレット)の供給を指示するペレット供給信号がコントローラ17から出力されると、圧縮エアの供給源82から圧縮エアがエア導入室80に供給される。エア導入室80に供給された圧縮エアは、金網等のメッシュからなる底板部材51の下側から底板部材51を通って計量室55に入り、ペレット出口45を経てペレット移送管32に向けて高速で流れる。このエア(ペレット移送用エア)により、計量室55内の所定量のペレットが、ペレット移送管32を経てペレット吐出部33に送られ、ペレット吐出部33からスリーブ25の被供給部25aに供給される。
【0037】
こうして所定量のペレットが被供給部25aに供給されたのち、スリーブ25の溶湯供給口(被供給部25a)に溶湯が供給され、駆動源27によってプランジャ26が加圧されることにより、スリーブ25内の溶湯がキャビティ22に供給される。
【0038】
本実施形態のペレット供給装置30によれば、計量室55を構成する蓋部材50と底板部材51とが、下降位置(図2)と上昇位置(図6)との間を1回往復する昇降動作により、計量された所定量のペレットPが計量室55に充填されたのち、計量室55内のペレットPが圧縮エアによって被供給部25aに供給される。こうして被供給部25aに供給された所定量のペレットPによって、スリーブ25とプランジャ26との潤滑を行なうことができる。
【0039】
本実施形態のペレット計量部31は、調整軸52を備えた調整機構70によって、蓋部材50に対する底板部材51の相対距離Lを変化させることにより、計量室55の容積を連続的に変化させることができる。このため昇降ユニット43の1回の昇降動作で計量できるペレット量を無段階的に変化させることが可能であり、成形機10の容量や仕様等に応じた最適な量のペレットを被供給部25aに供給することができるものである。
【0040】
図7と図8は、本発明の第2の実施形態に係るペレット計量部31´を示している。このペレット計量部31´の昇降ユニット43の調整軸52の上端部は、蓋部材50に対して軸線Xまわりに回転自在にかつ上下方向の相対位置関係が変わらないように蓋部材50に接続されている。調整軸52の軸線X方向の中間部にねじ部100が形成されている。このねじ部100にナット部材101が螺合され、ナット部材101によって底板部材51が支持されている。底板部材51は、筒部42に設けられた軸線X方向に延びる昇降ガイド102と、昇降ガイド102に対して昇降可能に嵌合するスライダ103によって、筒部42に対する底板部材51の回り止めがなされている。
【0041】
この実施形態のペレット計量部31´の場合、調整軸52を回転させると、ねじ部100を介してナット部材101と底板部材51が上下方向に移動するため、蓋部材50に対する底板部材51の相対距離Lを変化させることができ、計量室55の容積を変化させることができる。それ以外の構成と作用について、このペレット計量部31´は第1の実施形態のペレット計量部31と共通であるため、互いに対応する箇所に共通の符号を付して説明を省略する。
【0042】
なお本発明を実施するに当たって、成形機の具体的な構成をはじめとして、ペレット供給装置を構成する種々の要素の具体的な態様を、必要に応じて変更して実施できることは言うまでもない。例えばペレット収容部や蓋部材、底板部材、調整機構、ペレット移送機構等の具体的な形状や配置等を適宜に変更して実施することができる。また本発明は、固形潤滑剤を用いるダイキャスト成形機以外に、ペレットを用いる成形機であれば同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
10…成形機(ダイキャスト成形機)、25a…被供給部、30…ペレット供給装置、31,31´…ペレット計量部、41…ペレット収容部、42…筒部、42a…上端開口、43…昇降ユニット、44…アクチュエータ、50…蓋部材、51…底板部材、52…調整軸、55…計量室、90…ペレット移送機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレットを収容するペレット収容部と、
前記ペレット収容部の下方に配置され前記ペレット収容部と連通する上端開口を有する筒部と、
前記筒部に下降位置と上昇位置とにわたり移動可能に配置され、前記下降位置にあるときに前記筒部に挿入されることにより前記筒部の前記上端開口を閉鎖し、前記上昇位置に移動した状態において前記筒部の前記上端開口を開放させる蓋部材と、
前記蓋部材の下方に配置されて前記蓋部材との間に計量室を形成する通気性の底板部材と、
前記蓋部材に対する前記底板部材の相対距離を調整可能で該相対距離に応じて前記計量室の容積を変化させる調整機構と、
前記蓋部材と前記底板部材とを前記下降位置と前記上昇位置とにわたり往復移動させることが可能で、前記蓋部材を前記上昇位置に移動させたとき前記ペレット収容部内のペレットを前記筒部の前記上端開口から前記計量室に落下させるアクチュエータと、
前記蓋部材と前記底板部材とが前記下降位置にあるときに前記計量室内に圧縮エアを供給することにより前記計量室内の計量されたペレットを被供給部に移送するペレット移送機構と、
を具備したことを特徴とするペレット供給装置。
【請求項2】
前記調整機構が上下方向に延びる調整軸を有し、該調整軸の上端部に設けられたねじ部が前記蓋部材に形成されたねじ孔に螺合され、該調整軸の軸線方向の中間部に前記底板部材が取付けられ、前記調整軸を回転させることにより、前記蓋部材に対する前記底板部材の前記相対距離が変化するよう構成された請求項1に記載のペレット供給装置。
【請求項3】
前記調整機構が上下方向に延びる調整軸を有し、該調整軸の上端部に前記蓋部材が接続され、前記調整軸の軸線方向の中間部に設けられたねじ部に螺合したナット部材を介して前記底板部材が支持され、前記調整軸を回転させることにより、前記蓋部材に対する前記底板部材の前記相対距離が変化するよう構成された請求項1に記載のペレット供給装置。
【請求項4】
前記調整軸に、前記計量室の容積に対応した表示部が設けられたことを特徴とする請求項2または3に記載のペレット供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−35030(P2013−35030A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173223(P2011−173223)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】