説明

ペースト状食品を封入している個々の部分のためのプレゼンテーション用包装体

本発明は、ペースト状食品、例えば溶融したチーズまたはココアからなるペースト状食品を封入する、個々の部分(30)のためのプレゼンテーション用包装体(10)に関し、当該包装体は、長いカートン(12)と、カートン(12)内にスライドするように配置される支持部(20)とを含み、前記支持部(20)は、特にピラミッド形の個々の部分(30)を収容するための少なくとも1つのハウジング(25)を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペースト状の食品を含む個々の部分のためのプレゼンテーション用包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えばプロセスチーズまたはココアベースの、ペースト状の食品の個々の部分を、単一のプレゼンテーション用包装体内にひとまとめにする種々の方法が存在する。ココアペーストベースの食品とは、カカオ豆を摘んで、カカオ豆を覆うパルプを取り除くために発酵させ、乾燥させ、焙炒し、粉砕して、磨砕により流体ペーストにすることにより、カカオ豆から製造される製品を意味する。
【0003】
プロセスチーズを三角形に形成した部分を、円形に、また時に複数の層状に重ねて配置して収容する円形の箱の形態である包装体の市販品を入手し得る。正方形または長方形のプロセスチーズ部分を、横に並べて、また時に複数の層にして収容する直方体の包装体も存在する。
【0004】
しかしながら、それらの包装体は、特に、それらの部分をつかむ場合、また特に各層の第1の部分をつかむ場合、それらの部分が、相互に非常に接近しているので、消費者の使用に実用的でない。
【0005】
一度、それらの部分のいくつかを食べ終わると、他の部分が、包装体内において非常に動きやすくなって、破損し、へこみ、または引き裂かれ、中身が食用に適さなくなってしまう恐れがある。さらに、視覚的および商品の視点から見て、それらの包装体は、あまり人の目を引かない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、それらの問題を、使用するのに実用的であり、コンパクトで、外観が好まれる包装体を提案することにより、解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
より詳細には、本発明は、例えばプロセスチーズまたはココアベースの、ペースト状食品を含む1つまたはそれ以上の個々の部分のためのプレゼンテーション用包装体を提供し、当該包装体は、それが、細長いケースと、ケース内をスライドするように装着される支持部とを含み、前記支持部は、個々の部分を受け入れるための少なくとも1つのハウジングを有していることを特徴とする。横断面において、そのケースは、ピラミッド形をした個々の部分の少なくとも1つの列を受け入れるように三角形であることが好ましい。
【0008】
第1の好ましい実施形態では、ケースは、基部側の面と2つの側方の面とを含み、支持部は、基部側の面に実質的に平行にケース内をスライドするように装着されて、側方の面に当接する。
【0009】
本発明の種々の別の態様によれば、
・支持部が、その側部に折り曲げたフィンを有するメインプレートを備え、当該フィンは、ケースの2つの側方の面に載っており、
・支持部内のハウジングが、素材の領域により相互に間隔を置いて配置された開口部を有し、
・スライド支持部が、ケースの実質的に途中に配置されており、
・各開口部は、断面が正方形であり、また、一辺の寸法が、基部が正方形のピラミッド形である各個々の部分が開口部内に挿入され、正方形の基部が、ケースの実質的に基部側の面に接触して配置されるようなものである。
【0010】
本発明の別の実施形態では、スライド支持部は、ケースの基部側の面に接触して配置され、ハウジングは、素材の縁を突出させることにより画定される。
【0011】
各ハウジングの断面は、基部が正方形のピラミッド形である個々の部分の基部の断面と実質的に同一か、またはそれより若干大きい正方形であることが、好ましい。
【0012】
ケースおよび支持部は、カードまたはプラスチック材料、例えば透明材料からなり、そのケースと一体的に形成され折り曲げ可能なタブが、前記ケースの2つの開放端部を閉じるように機能することが好ましい。
【0013】
本発明の他の特性、詳細および利点は、例として示す添付の図面に関して行う以下の説明を読むと明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1および図2に、本発明に係る、プロセスチーズの個々の部分30のためのプレゼンテーション用包装体10を示す。「プロセスチーズ」という用語は、任意選択的にチーズ処理用の塩、凝乳の存在下で、チーズ単独で、あるいは他の牛乳ベースの、バター、粉乳またはホエー、脂肪、無水材料、タンパク質濃縮物などの成分と混合させて、高温溶融させることにより得られる製品を指すために使用する。「プロセスチーズ」という用語は、さらにチーズまたは牛乳ベースの成分が、脂肪またはタンパク質などの植物性のものと完全にまたは部分的に置き換わった製品もカバーする。
【0015】
包装体10は、細長いケース12の形状であって、その断面は、三角形、例えば、基部側の面12aと、2つの側方の面12bおよび12cとにより形成される正三角形になっている。包装体10は、一般に、透明プラスチック材料からなる長方形のシートまたはカードなどの平坦なブランク(blank)から作製され、このブランクを、このために設けた線に沿って折り曲げ、次に、長手方向に固着またはヒートシールして、三角形の基部を覆う、最終の三次元のプリズム形状にする。ケース12の両端14は、包装体10を閉じるように折り曲げられるタブ16になっている。
【0016】
ケース12の内部には、十分に剛性のあるカードまたはプラスチック材料からなる細長い支持部20がある。支持部20では、メインプレート22が、ケース12の基部側の面12aと実質的に平行にスライド可能であり、2つの側方フィン24が、メインプレート22に沿って延び上方に折り曲げられて、ケース12の側方の面12bおよび12cの内側に当接している。メインプレート22は、基部側の面12bから始まり、実質的にケース12の途中に配置されている。
【0017】
ハウジング25は、開口部26の形状でメインプレート22に設けられ、この開口部26は、素材の領域27により相互に分かれている。プロセスチーズの個々の部分30は、基部が正方形のピラミッド形であり、各開口部26は、プロセスチーズの個々の部分30を受け入れるように正方形である。正方形の一辺の長さは、ピラミッド形の1個の部分30の実質的に半分の高さのところが、開口部内に載り、個々の部分30の正方形の基部が、ケース12の基部側の面12aに支持されるようなものである。
【0018】
ユーザがチーズの部分30を1個つかむことを望んだとき、包装体10の一方の端部14のタブ16を開き、細長い支持部20を引っ張って、メインプレート22を、ケース12の側方の面12bおよび12cに沿って外側へスライドさせる必要がある。包装体10のどの面が上を向いているかによって、基部側の面12aが床に面している場合、チーズからなる個々の部分30は、重力でユーザの手に落ちる。あるいはユーザは、前記部分30が開口部25内に上下逆さまに載っている場合、つまりピラミッドの頂点が床を向いている場合に、チーズの個々の部分30の上部を、すなわち、ピラミッド形部の側面でつかむ。この第2のプレゼンテーション構成は、部分30をつかみやすく、また、部分30が重力で床へ落ちて損傷することが回避されるので、推奨される。一旦ユーザが部分30をつかむと、必要に応じて、冷蔵庫内へ包装体10を戻す前に、支持部20をケース12内へ押し戻し、包装体のタブ16を再び閉め得る。
【0019】
図3に示す本発明の第2の実施形態では、スライド支持部20は、ケース12の基部側の面12aに直接載っている。このスライド支持部20は、同様にメインプレート22の形状である。上述のプレートとは異なって、このプレート22では、ハウジング25が、メインプレート22の面から突出する材料の縁29により画定されている。図3に示すように、各ハウジング25は、断面が、正方形の基部を有したピラミッド形のプロセスチーズの個々の部分30の基部と実質的に同一であるか、またはそれよりわずかに大きな正方形である。したがって、プロセスチーズの個々の部分30は、プレート22上に直接載り、これによって、このプレート22は、任意選択的に、それ自体が、連続して並ぶハウジングの間で分離され得る。
【0020】
ユーザが、プロセスチーズの個々の部分30をつかむことを望んだ場合、包装体を開き、支持部20をケース12から完全にまたは部分的に引き出す。その後、ユーザは、好ましくは、部分30が床へ落ちないように、包装体の基部側の面12aが下になるように包装体を配置するように注意を払って、個々の部分30をつかみ得る。
【0021】
当然ながら、これらの例が、単に本発明を説明するものとして示されており、本発明を限定してはいない。特に、プレゼンテーション用包装体10は、必ずしもピラミッド形ではなく、他のいかなる形状も許容可能である個別の製品30を受け入れるように設計してもよい。このようにするためには、ケース12内の内部支持部20に適切なハウジング25を設けることで十分である。さらに、プレゼンテーション用包装体は、他の食品、例えばチョコレートなどのココアペーストベースの製品に使用し得る。ケースは、広告媒体として使用し得る。最後に、広告用の仕掛けまたは子供の玩具を含む模型部分には、実物部分に置き換えて、消費者の目をさらによく引く包装体を作製することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ケース内をスライドする支持部を含み、その上に、ピラミッド形の少なくとも1つの個々の部分が載せられ、当該個々の部分は、正方形の基部を有しプロセスチーズベースのペースト状食品が収容されている、本発明のプレゼンテーション用包装体の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】図1の包装体の端面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば、プロセスチーズまたはココアベースのペースト状食品を含む1つまたはそれ以上の個々の部分(30)のためのプレゼンテーション用包装体(10)であって、
当該包装体は、
細長いケース(12)と、
前記ケース(12)内にスライド可能に装着されて、少なくとも1つのハウジング(25)が個々の部分(30)を受け入れるようになっている支持部(20)と、
を備え、
前記支持部(20)は、複数のハウジング(25)を有しており、当該ハウジングは、素材の領域(27)により相互に間隔を置いて配置された開口部(26)を有することを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記ケース(12)の横断面の形状は、ピラミッド形をした個々の部分(30)の少なくとも一列を受け入れるように三角形であることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記ケース(12)は、基部側の面(12a)と2つの側方の面(12b、12c)とを含み、
前記支持部(20)は、前記基部側の面(12a)に実質的に平行に、前記ケース(12)内をスライドするように装着され、前記側方の面(12b、12c)に当接することを特徴とする請求項2に記載の包装体。
【請求項4】
前記支持部(20)は、その側部に折り曲げたフィン(24)を有するメインプレート(22)を備え、前記フィンは、前記ケース(12)の2つの側方の面(12b、12c)に載っていることを特徴とする請求項3に記載の包装体。
【請求項5】
前記スライド支持部(20)は、前記ケース(12)の実質的に途中に上向きに配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の包装体。
【請求項6】
各開口部(26)は、断面が正方形であり、一辺の寸法は、基部が正方形のピラミッド形である各個々の部分(30)が、正方形の基部を実質的に前記ケース(12)の基部側の面(12a)に接触させて配置して、前記開口部(26)内に挿入されるようなものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の包装体。
【請求項7】
前記スライド支持部(20)は、前記ケース(12)の前記基部側の面(12a)に接触して配置され、
前記ハウジング(25)は、その素材の縁(29)を突出させることにより画定されることを特徴とする請求項1または2に記載の包装体。
【請求項8】
各ハウジング(25)の断面は、基部が正方形のピラミッド形の個々の部分(30)の基部の断面と実質的に同一か、またはそれより若干大きい正方形であることを特徴とする請求項7に記載の包装体。
【請求項9】
前記ケースおよび前記支持部(12)は、カードまたはプラスチック材料、例えば透明材料からなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の包装体。
【請求項10】
前記ケース(12)と一体的に形成され折り曲げ可能なタブ(16)が、前記ケース(12)の2つの開放端部(14)を閉じることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の包装体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−525197(P2006−525197A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505818(P2006−505818)
【出願日】平成16年4月28日(2004.4.28)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001027
【国際公開番号】WO2004/099030
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(503226316)
【Fターム(参考)】