説明

ペースト組成物保管デバイスおよび方法

混合すると硬化性組成物を形成する複数のペースト成分を保管および混合するためのデバイス(10)は、ベースプレート(20)とカバー(14)とを含む。ベースプレート(20)は、上部平面(22)に付着された2種類以上のノンセルフレベリングペースト(16)および(18)を、離間した領域(34)および(36)に担持する上部平面(22)を有する。カバー(14)は、ペースト周囲のベースプレート(20)の上部表面(22)に接合されており、ペーストのためのチャンバを画定している。カバー(14)のどの部分もペーストと接触していない。カバー(14)は、ベースプレート(20)に除去可能に固定されて、ベースプレート(20)の上部表面(22)で混合するためにペーストを露出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性歯科組成物を形成するのに有用な歯科ペースト成分をパッケージングおよび混合するためのデリバリーデバイスに関する。本発明はまた、硬化性歯科組成物の製造およびそのためのパッケージアセンブリの作成にも関する。本発明は特に、ノンセルフレベリング材料特性を有する歯科ペースト成分に適用される。
【背景技術】
【0002】
歯科充填材および修復材料の調製に関しては、硬化反応を行うことのできる最終の有用な組成物を得るために、2種類以上の材料を併せて混合することが必要なことが多い。材料の混合比は、最終組成物に適正な特性を定めるために重要であることが多い。歯科分野において、かかる材料は、様々な歯科修復用途に硬化組成物を作成するために用いられ得る。
【0003】
材料をバルクで提供し、配合して、後に混合するための規定量を測定することによりかかる組成物を調製することが知られている。かかる材料は、粉末、ペーストまたは液体形態であり、最終混合物は、2種類以上のかかる材料を混合した結果である。配合の現在の1つの技術は、スプーンとピペットで、バルク容器から材料を手で移し、混合のために材料の正確な比を混合パッド上に分配および測定するものである。あるいは、粉末および液体を混合するためのカプセルのような単位投与量分配方法が知られている。しかしながら、かかる単位投与量分配方法には、活性化をはじめとするいくつかの工程および機械的な混合デバイスが必要であり、場所をとり、費用がかかり、容易に携帯できるものではない。更に、使用者が必要なベース材料の量を測定することに依存していると、調製において、かかる材料の混合比に誤差が生じる場合があり、プロセスにおいて、容器またはキャリアを使用すると、たとえ、適正量の材料を測定したとしても、材料が分配および混合プロセス中に移動するにつれて、かかる材料の残渣量が容器またはキャリアに残り、材料の適正な混合比に悪影響を及ぼす。かかる材料は高価である場合が多く、かかる無駄にはコストがかかる。
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第10/847,781号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は、複数のペースト成分を保管し混合するためのデバイスである。デバイスは、上部ペースト混合表面と下部表面とを有するベースプレートを含む。上部混合表面は平面であり、第1および第2の離間したペースト保持領域を有している。第1のノンセルフレベリングペーストは、上部混合表面の第1のペースト保持領域に付着している。第1のカバーは、第1のペーストと非接触の関係で第1のペースト領域全体を覆って延在しており、第1のカバーは、第1のペースト周囲で上部混合表面に除去可能に気密封止されている。第2のノンセルフレベリングペーストは、上部混合表面の第2のペースト保持領域に付着している。第2のカバーは、第2のペーストと非接触の関係で第2のペースト領域全体を覆って延在しており、第2のカバーは、第2のペースト周囲で上部混合表面に除去可能に気密封止されている。
【0006】
他の態様において、本発明は、第1の体積を有し、ノンセルフレベリング材料特性を有し、支持表面の平面である第1のペースト領域に付着され、第1のペースト周囲の支持表面に気密封止され第1のペーストから離間している第1のオーバーレイカバーに保護された第1のペーストを提供する工程を含む硬化性組成物の製造方法である。この方法は更に、第1の体積に応じて定義される第2の体積を有し、ノンセルフレベリング材料特性を有し、第1のペースト領域と同一平面にあり、第1のペースト領域から離間している支持表面の平面である第2のペースト領域に付着された第2のペーストであって、第2のペースト周囲の支持表面に気密封止され第2のペーストから離間している第2のオーバーレイカバーに保護された第2のペーストを提供する工程を含む。この方法はまた、第1および第2のカバーを支持表面から除去して第1および第2のペーストを露出する工程と、第1および第2のペーストを、第1および第2のペースト領域と同一平面にある支持表面の平面混合領域で混合する工程とを含む。
【0007】
他の態様において、本発明は、第1の体積を有し、ノンセルフレベリング材料特性を有し、支持表面の平面である第1のペースト領域に付着された第1のペーストを提供する工程を含む硬化性組成物の製造方法である。この方法は更に、第1のペーストの第1の体積に応じて定義される第2の体積を有し、ノンセルフレベリング材料特性を有し、第1のペースト領域と同一平面にあり、第1のペースト領域から離間している支持表面の平面である第2のペースト領域に付着されている、第2のペーストを提供する工程を含む。同様に、第1および第2のペースト周囲の支持表面に気密封止され、第1および第2のペースト全体を覆って保護するように延在し、第1および第2のペースト領域から離間しているオーバーレイカバーが提供される。この方法はまた、カバーを支持表面から除去して第1および第2のペーストを露出する工程と、第1および第2のペーストを、第1および第2のペースト領域と同一平面にある支持表面の平面混合領域で混合する工程とを含む。
【0008】
他の態様において、本発明は、少なくとも2種類のペーストの配合から形成される硬化性組成物の保管および分配のためのパッケージングアセンブリの作成方法を含む。この方法は、平面支持表面を有するベースを提供する工程と、支持表面の第1の領域に、ノンセルフレベリングであり、支持表面に付着されたベース側と、1つ以上の露出側とを有する第1のペーストを配置する工程と、支持表面の第2の領域に、ノンセルフレベリングであり、支持表面に付着されたベース側と、1つ以上の露出側とを有する第2のペーストを配置する工程とを含む。この方法は更に、下部表面と上部表面とを有する保護カバーを第1および第2のペースト全体を覆って剥離可能に接合する工程を含み、カバーの下部表面が各ペースト周囲およびその間でベースの支持表面に気密封止されており、第1および第2の領域全体を覆って延在するカバーの下部表面の部分が、第1および第2の領域に配置された各第1および第2のペーストの露出側から離間している。
【0009】
図面には本発明のいくつかの実施形態を規定してあるが、説明に記載したその他の実施形態も考えられる。全ての場合において、この開示内容は本発明を例証するものであり、限定するものではない。様々なその他の修正および実施形態は、本発明の原理の範囲および技術思想に係る当業者にとって考案できるものと考えられる。図面は寸法を示すべく描かれてはいない。同じ部分を示すのに同じ参照番号が図面全体に用いられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
複数の歯科ペースト成分を保管し混合するためのデリバリーデバイス10を図1および2に示す。デリバリーデバイス10は、協働して複数の歯科ペースト16および18用の保管アセンブリを画定するベース12とカバー14とを含む。
【0011】
一実施形態において、ベース12は、上部表面22と下部表面24とを有するベースプレート20を含む。図1および2に示す歯科ペースト16および18は、ベースプレート20の上部表面22に支持され付着された第1のペースト16および第2のペースト18である。第1および第2のペースト16および18は、ベースプレート20の上部表面22に被着させると、動かず、その形状を保持する(例えば、ベースプレート20にペーストのディスクまたはドーム型の塊として形成される)安定なペースト材料である。第1のペースト16は、上部表面22に固定されたベース側26と、1つ以上の露出側28とを有し、第2のペースト18は同様に、上部表面22に固定されたベース側30と、1つ以上の露出側32とを有している。ベースプレート20の上部表面22は、各ペーストを受けるペースト領域を有している。従って、第1のペースト16のベース側26は、第1のペースト保持領域34に配置され、第2のペースト18のベース側30は、第2のペースト保持領域36に配置されている(図1参照)。第1のペースト領域34および第2のペースト領域36は離間している(図1に示すような確定された距離d)。第1および第2のペースト領域34および36は、略平面であり、互いに同一平面にある。ベースプレート20の上部表面22も略平面であり、硬化性歯科組成物を調製するとき、ペースト16および18のための混合表面を画定する機能を果たす。上部表面22は平滑であっても、ペーストの付着やペースト材料の混合を促進するために、微小複製表面のような所望のテクスチャを与えてもよい。ベース12は、取扱いを容易にするために、1つ以上のハンドルまたはテクスチャ部分を有していてもよい。
【0012】
カバー14は、ベースプレート20の上部表面22およびその上の第1および第2のペースト16および18全体を覆って延在している。カバー14は、下部表面40と上部表面42を有している。カバー14の下部表面40は、第1および第2のペースト16および18周囲のベースプレート20の上部表面22に剥離可能に気密封止されている。カバー14は、やや剛性であるものの、下にあるペースト16および18を露出するためにベースプレート20を剥がすのに十分に柔軟でもある。カバー14は、一実施形態において、カバー材料の連続層として形成され、これは、ベースプレート20の上部表面22と組み合わせて、ペースト16および18のエンクロージャまたはチャンバを画定するものである。図1および2に示す実施形態において、各ペーストは各自チャンバを有しており、第1のペースト16には第1のチャンバ44、第2のペースト18には第2のチャンバ46である。チャンバ44および46は、図示する通りドーム形状であってもよいし、下にあるペーストを保護してカバーするのに好適な任意のその他の形状を採ってもよい。チャンバが各ペーストに対してどのような形態をとろうと、カバー14の下部表面は、そのペーストの露出側から離間している(すなわち、非接触で離間した関係)。このように、各ペースト16または18は、ベースプレート20の上部表面22とのみ接触しており、カバー14の下部表面とは接触していない。
【0013】
各チャンバ44および46はまた、比内部体積も画定している。このように、例えば、チャンバ44は、ペースト16の体積と、チャンバ44の残りの体積とにより画定される内部体積を有している。残りの体積は、単に空気で構成されていてもよいし、内部に真空を形成すべく排気されていてもよい。残りの体積(および中にある場合には、気体も)は、そのチャンバ内のペーストの組成および体積に応じて選択してもよい。
【0014】
チャンバ44および46を形成するために、カバー14を成形して、そこに1つ以上の隆起領域またはドーム部分48および50を与えてもよい。図1および2に示す実施形態において、カバー14の下部表面40は、第1および第2のペースト16および18周囲のみでなく、ペースト16と18の間においても、ベースプレート20の上部表面22に封止されていて、各ペースト16および18にそれぞれ別個の気密封止チャンバ44および46が形成されている。カバー14およびベースプレート20は、封止線52および54に少なくとも沿って封止されている。2種類のペースト混合物が図示されているが、3種類以上のペースト成分を含む混合物も考えられる。その場合は、各ペースト成分に、各自ドーム部分およびチャンバを与えてもよい。
【0015】
一実施形態において、カバー14(またはその一部)は、透明材料から形成して、ペースト16および18が目視されるようにしたり、カバー14の下(すなわち、ベースプレート20の上部表面)に印刷あるいは他の方法で配置されたインディシアがカバー14を通して目視できるようにしてもよい。あるいは、カバー14および/またはベースプレート20は、不透明な特性を有する材料、あるいは選択した放射線波長の透過を可能にする、または制限する材料から形成されていてもよい。
【0016】
デバイス10は、使用するのに図1および2に示す形態でメーカーから提供される。デバイス10は、このように、一回投与量の硬化性歯科組成物の調製用のペースト16および18を含むパッケージの代表例である。ペーストは、配合が望まれる時までパッケージ内で封止および保護される。ドーム部分48および50は、通常の取扱い条件下でその形状(および下にあるペーストからの間隔)を保持するのに十分剛性である。ドーム部分が誤って変形して、下にあるペーストと接触する場合に、ペーストがそれに付着しないようカバー14の下部表面40の全てまたは一部を、ペースト剥離材料でコーティングしてもよい。
【0017】
図3および4に示すように、カバー14は、封止線52および54を破断することにより第1および第2のペースト16および18を利用するために、ベースプレート20から容易に分離できる。デリバリーデバイスは、カウンタトップのような表面に配置して、ベースプレート20の下部表面24が下向き、上部表面22が上向きになるようにしてもよい。デリバリーデバイス10を抑え、カバー14の1つの隅部60または端部を引き上げ、ベースプレート20の上部表面22から離して、ペースト16および18を露わにする。ベースプレートを片手で保持するか、またはベースプレートをカウンタトップへと押さえつけて、露出したペースト16および18を混合し、硬化性歯科組成物70を形成(配合)する。上部表面22は、このように、ペースト混合表面として機能し、略平面であり、第1および第2のペースト領域34および36(図5に想像線で示してある)を含む。ペースト16と18の混合は、スパチュラまたはパドル72の操作による等、任意の好適な手動または機械的手段により行って、十分な力を与えて、ペーストを上部表面22に広げて混合してもよい。ペースト16および18が完全に混合して、硬化性歯科組成物70を形成したら、所望により、組成物を患者の歯に直接移したり、分配カプセルに入れたり、または更に処理してもよい。一つの態様において、自己硬化歯科組成物としての混合物による化学反応により、混合したペーストを単純に硬化してもよい。他の態様においては、ペースト材料を混合時に硬化のために反応させて、露光により更に硬化する。
【0018】
本発明のパッケージング、分配および混合の構成は、ノンセルフレベリング材料特性を有するペースト材料で用いるべく設計されている。本明細書において材料が、「ノンセルフレベリング」または「ノンセルフレベリング」材料特性を有すると記載されているとき、これは、約45℃未満の温度で、重力下で材料が大幅なフローや移動性を示さず、力を印加せずに大幅なフローや移動性を示さず、約15℃〜約30℃の周囲温度で材料は十分な力が印加されるとフロー可能であることを意味する。印加力は、手動操作(例えば、スパチュラ72を用いてペースト16および18をベースプレート20の上部表面22全域に移動し、混練および混合する)または機械的操作により付与される。
【0019】
上述した特性の組み合わせを示すこれらのペーストのみが、本発明のデバイスおよび方法に用いるのに好適である。印加力下でフローするペーストは、正確に制御された量で、デリバリーデバイス(例えば、ベースプレート20の上部表面22)の所定の位置(例えば、ペースト領域34および36)に様々な周知の製造プロセスにより容易に分配することができる。ペーストをデリバリーデバイスに適用した後、各ペーストはもはやフローせず、後で、各ペーストをペーストとカバーを接触させずに、デリバリーデバイスのカバーのドーム部分によりカバーすることができる。各ペーストの粘性は十分に高く、各チャンバ内でフロー、スランプまたは流れないため、それを保護するカバーと実質的に接触しないままとなる。約45℃未満まで誤って加熱されて、わずかな振とうまたは振動があっても、力を印加していないのに、ペーストが大幅に動いたり、ペーストがセルフレベリングしてはならない。保護カバーを除去すると、力の印加により容易に流動性が与えられ、後に操作して混合すると、均一な混合物を得ることのできる2種類以上の独立して完全に無傷なペースト材料が得られる。例えば、金属またはプラスチックスパチュラ、木製またはプラスチックスティック等といった手持形混合要素を利用してペーストを完全に混合することができる。あるいは、ある種類の機械的攪拌または混合デバイスを利用してフローおよび混合を行うこともできる。重力下または印加力なしでフローを示すペーストは、カバーのドーム部分内に局所的に残らないため好適ではない。かかるペーストは、カバーを除去するとすぐに望ましくなく移動して、そのペーストの一部が除去したカバーに残って混合物として利用できなくなってしまうであろう。あるいは、印加力の有無にかかわらず十分なフローを示さないペーストもまた、デリバリーデバイスのベースで手動操作により容易に混合できないため好適でない。
【0020】
本明細書に記載したようなペーストは、所望の特性を得るために2種類以上の成分を必要とする硬化性歯科組成物に有用である。例えば、単一成分系として調製すると不安定または貯蔵寿命の短い歯科材料だと、多成分歯科ペースト組成物で調製すると有利である。かかるペーストの配合および混合により、1つ以上の化学反応が生じ、最終的に、口腔環境での一時的または永久使用に好適なキュアまたは硬化歯科組成物が得られる。従って、混合される一方のペーストの量(体積または質量)は、混合物の他方のペースト(または複数のペースト)の量に応じて求められる。かかる配合、混合およびキュアされたペーストを用いて、損なわれた象牙質やエネメルの歯の構造の修復のための様々な歯科修復用途についての硬化組成物を調製する。これらの材料の歯科用途としては、修復用詰め物材コアビルドアップ材料、永久および一時クラウン、ブリッジ、インレー、アンレーおよびベニアが挙げられる。
【0021】
上述した通り、かかる多成分歯科ペースト組成物は、反応性ペーストの混合時の1つ以上の化学反応によりセルフキュア(すなわち、重合または硬化)する。一般に、ペーストは重合性樹脂、1種類以上の反応性および/または非反応性フィラー、および通常、重合触媒系を含む。
【0022】
この目的に有用なある部類の材料は、(メタ)アクリレート(すなわち、アクリレートおよびメタクリレート)複合体として分類され、フリーラジカルの存在下で重合可能なエチレン化不飽和化合物(重合性樹脂)を含む。ラジカルは、酸化剤(過酸化物や過硫酸塩化合物等)を含むレドックス対を好適な還元剤(芳香族アミンや芳香族スルフィン酸塩)と配合することにより生成されるのが好ましい。酸化剤および還元剤は、良好な貯蔵寿命を与えるために本発明の別個のペースト(たとえば、別個のペースト16および18)で保持され、後の重合または硬化プロセスを誘導するために使用時に混合される。
【0023】
好適なペースト材料の他の部類は、ポリアルケン酸、水および酸反応性フィラーを最低限含むガラスイオノマー(GI)または樹脂変性ガラスイオノマー(RMGI)セメント材料として分類できる。ポリアルケン酸と酸反応性ガラスは、早期の硬化を避けるために混合前は別個のペーストに保持されなければならない。本発明のデリバリーデバイスは、使用前に安定なペーストを保管、輸送、分配および混合するのに有効な手段である。RMGI材料は、(メタ)アクリレート複合体として前述した要素を更に含む。このように、かかる反応性ペースト材料を混合前に完全に別個に維持するという条件は必須である。その他の反応性の複数のペーストの化学的性質もまた、本発明に関して用いるのに好適であり、前述したデリバリーシステムの解決策として有利である。例えば、かかるその他の反応性の複数のペーストの化学的性質としては、二成分エポキシ、ポリウレタン、付加および縮合シリコーン等が挙げられる。
【0024】
本発明のデバイスに有用な特定のペースト材料の調製、混合、硬化および評価については、(特許文献1)(カンガス(kangas)ら、2004年5月17日出願、3Mイノヴェティブプロパティズカンパニー(3M Innovative Properties Company)に譲渡)に詳細に記載されている。簡単に述べると、様々な歯科および矯正用途に有用なペースト−ペースト組成物が記載されている。特に好適な歯科材料としては、ポリ酸、酸反応性フィラー、平均粒子サイズが200ナノメートル以下の少なくとも10重量パーセントのナノフィラーまたはナノフィラーの組み合わせ、(メソ)アクリレート官能基を含有する重合性成分および水を含む硬化性イオノマー組成物が挙げられる。かかる硬化性イオノマー組成物は、ペースト成分が別個に保管されて、特定の歯科または矯正用途で配合および硬化される2成分ペースト−ペースト処方で調製される。
【0025】
デリバリーデバイス10のベース12およびカバー14は、引き離すと、互いに容易に分離可能なフィルムまたはその他材料から形成しなければならない。この目的に有利なホイル材料としては、例えば、ポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、配向ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン/ブチルアクリレート−コポリマー、エチレン−ビニルアルコール、環状オレフィンコポリマー、液晶ポリマー、アクリロニトリルコポリマー、これらの組み合わせ、および紙/プラスチック複合体フィルムまたはポリエチレン/紙複合体が挙げられる。フィルム材料としては、アルミニウムのような蒸着金属および/またはケイ素またはアルミニウムから誘導されたようなセラミック酸化物の形態のバリア層が挙げられる。分配デバイス内に保管されるペースト材料が、特に、感光性である場合には、アルミニウム蒸着フィルム材料や不透明印刷フィルム材料を使用してもよい。しかしながら、着色透明フィルム材料も好適である。ペースト材料を、酸素排除下で重合する傾向のあるデリバリーデバイスに保管する場合には、酸素型バリア層のない単一層のフィルム材料またはラミネートフィルム材料をベース12またはカバー14のいずれか、または両方に用いてもよい。しかしながら、ペースト材料が樹脂変性ガラスイオノマーセメントの形態を採るときは、かかるフィルム材料はもっとも効果がありそうな水蒸気バリアを形成すべきである。適切な厚さ80〜1,000ミクロンの封止可能なポリエチレンまたはポリプロピレンフィルムのような単一層フィルム材料、またはポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル、ポリアミド、環状オレフィンコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンまたは薄アルミニウムまたはセラミック蒸着物のような付加プラスチックバリア層のあるプラスチックラミネートフィルムが好適である。
【0026】
一実施形態において、ベース12は、下から上まで、ポリエチレンテレフタレート(厚さ80ミクロン)、アルミニウム(厚さ9ミクロン)、白色ポリエチレンテレフタレート(厚さ12ミクロン)およびポリエチレン(厚さ50ミクロン)からなる多層ベースホイルを含む。その実施形態において、ベース14は、下から上まで、高密度ポリエチレン(厚さ50ミクロン)、アルミニウム(厚さ20ミクロン)および配向ポリプロピレン(厚さ18ミクロン)からなる多層ベースカバーホイルを含む。このフィルムにおいて、各層の間に接着剤が付いている。このホイルは、ドイツ、テニンゲンのチョイリン−ロタール社(Tscheulin−Rothal GMbH, Teningen, Germany)より製品番号33500058244/01/5/04で入手可能である。上記の多層ホイルにおいても、上に名前を挙げた材料層間に接着剤が付いている。この種の接着剤結合は、通常、一般的なラミネーション接着剤(通常は、溶剤または水系または光硬化または2成分接着剤)により、または押出しラミネーション(結合される2層の間で熱くして配置された溶融(押出し)プラスチックフィルム)によりなされる。押出しラミネーションは、通常のラミネーション接着剤を用いるとホイル/フィルム組成物を剥離する傾向のある攻撃的なペーストまたは材料に特に好適である。押出しラミネーションは、ポリエチレン層が攻撃性のあるペーストと直接接触するため、ポリエチレンテレフタレート層と、ポリエチレン層の間に用いるのに特に好適である。更に、ポリエチレンテレフタレートとアルミニウムの間に押出しラミネーションを用いるのは、非常に攻撃的なペースト/材料に適している。しかしながら、ペーストがあまり攻撃的でない場合は、ラミネーション接着剤で事足りる。更に、一般的なラミネーション接着剤でまた、アルミニウム層の外側も事足りる。
【0027】
ベースプレート20の上部表面22のカバー14の下部表面40への結合は、ヒートシーリングまたは好適な接着剤により行うことができる。例えば、上述した多層ホイル実施形態において、ベースの上部層とカバーの下部層はポリエチレンであり、熱および圧力の経時印加により二者を封止する。ベース12とカバー14を結合するのに用いる封止構成の形態に関らず、カバー14がベース12から除去されると、ベースプレート20の上部表面22上の封止のために、著しい残渣が残らない。例えば、かかるヒートシールを破ることによって上部表面22に生じた僅かな不連続部(例えば、図3および4の封止線シーム52aおよび54b)は非常に小さいものであり、上部表面22の所望の平面性をあまり減じるものではない。
【0028】
ベースとカバーの両方が多層構造として上記では開示されているが、それぞれ単一層の材料から形成してもよい。いずれかの形態(単一層または多層)において、図2に示すような追加のベース層56および58のような追加の材料層を与えてもよい。かかる層は、強化材料、剛化材料またはベース12に追加の特性を与えるその他材料を含んでいてもよい。一実施形態において、層56はリポジショナルブル感圧接着剤であり、層58はそのライナである。ある用途において、ベース12の露出した最下表面の摩擦特性が向上している(露出接着剤等、または高摩擦係数を有する材料を与える)のが望ましい。
【0029】
本発明のデリバリーデバイスによって、正確な量の歯科ペーストを保管し、分離したままとすることができる。歯科医に、混合される制御された比率のペーストが提供される。歯科では、少量(例えば、0.05グラム〜0.9グラム)の分離されたペーストを用い、最終混合硬化性歯科組成物を調製するのに、かかるペーストの配合比は、最良の製品性能にとって重要である(例えば、2種類のペーストを配合するときに、0.10グラム〜1.8グラムの最終混合物)。本発明を用いると、歯科医が配合するのに最良の比率の別個のペースト材料を測定する際の誤差が排除される。カバーは、下に保管される材料と接触せずにペースト材料をカバーし保護する半剛性形成特徴を有している。ドーム部分をカバーに形成する1つの手段は、ポリマー材料および金属ホイルの代表的な深絞り技術による。デリバリーデバイスのベースプレートは、混合される別個のペースト材料の混合パッドになり、これら材料を移動する必要性、またはかかる材料全ての保管容器から別個の混合領域への不完全な移動に伴う問題が排除される。デリバリーデバイスは、長い期間にわたって保管されるペースト材料の安定性を維持し、これら材料の汚染の可能性を排除する。本発明のデリバリーデバイスは、使いやすさ、携帯性、衛生的なデリバリー、使い捨てパッケージング、制御された特性、低コスト、関連材料の実質的に任意の比率の2種類以上の別個の成分のペースト材料の支持に関する融通性等を与える。
【0030】
一態様において、本発明は、ここに記載し例証した複数の歯科ペースト成分を保管し混合するためのデバイスとして特徴付けることができる。他の態様において、本発明は、ここに記載した硬化性歯科組成物を製造する方法として特徴付けることができる。更に他の態様において、本発明は、ここに記載し例証した硬化性歯科組成物を保管および分配するためのパッケージングアセンブリの製造方法として特徴付けることができる。本発明の各態様において、開示内容は、具体的に示した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術思想および範囲を説明および理解するために例証の実施形態を規定するものである。
【0031】
本発明のデリバリーデバイスの変形実施形態をデリバリーデバイス10として図6に示す。本実施形態において、第1および第2の混合性歯科ペースト116および118は、ベースプレート120とカバー114のドーム部分147の間で画定された単一チャンバ145内に保管可能な組成を有している。ペーストおよびカバー配向のこの変化を除いて、デリバリーデバイスは図1〜5に関して記載および説明したデリバリーデバイスと同じ特徴を有している。例えば、ペースト116および118は、ベースプレート120の上部表面122に物理的に離間して維持され、カバー114の下部表面140が第1および第2のペースト116および118それぞれの露出側128および132から物理的に離間しているノンセルフレベリングペーストである。ペースト116と118の間に気密封止がなく、かかるシールはペースト周囲にある。本実施形態において、チャンバ145は、第1および第2のペースト116および118の体積と、ペースト116および118の少なくとも1つの組成および体積に応じて選択された空気体積とからなる内部体積を有する。カバー114は、封止線153で、少なくともペースト116および118周囲のベースプレート120の上部表面122にボンドされている。
【0032】
図1および2または図6に示すようなパッケージは、所望の単位投与量の硬化性歯科組成物を与えるように構成されている。パッケージは、異なる投与量については異なるサイズ(半分のサイズまたは倍のサイズ)で提供されてもよい。しかしながら、異なるパッケージサイズでデリバリーデバイスを形成すると、製造および取扱いにコストが追加される。従って、単一サイズ(すなわち、投与量)であるが、多数の投与量を組み合わせるのが極めて容易に行えるやり方でパッケージを与えると有利である。このように行う1つの手段を図7に示す。ここで本発明は、連続ストリップ211として形成された複数の単位投与量パッケージ210の形態にある。各パッケージ210は、製造、輸送、分配および使用について相互接続されるデリバリーデバイス10または110(またはその他開示されたこれらの変形例)の形態を採る。隣接するパッケージ210は、易壊連結部213(図7に連結された隣接パッケージ210間に想像線で描かれている)により分離可能に連結されている。個々の単一単位投与量パッケージ210は、このように、使用に際して易壊連結部213で容易に切り取れる。一実施形態において、ベースプレートは、複数の並置ユニット(すなわち、別個のベースプレート)が形成されたベースプレートアセンブリの形態を採り、各ユニットはそれぞれ一対の第1および第2の離間したノンセルフレベリングペーストおよび各カバーを有している。ユニットは、このように、切離しまたは分離線213に沿って相互接続されている。
【0033】
易壊連結部213はいくつかの形態を採り得る。例えば、混合に用いるのに十分な剛性を与えるためにベースプレートは比較的厚いことから、易壊連結部は、その下部表面でベースプレートを脆弱化する(すなわち、切欠くまたは刻み目を入れる)ことにより得ることができる。易壊連結部を提供する他の手段は、レーザー処理を用いて、その表面を越えるポリマー材料を部分加熱することがである。かかる材料は、レーザーは略透過するが、レーザー光エネルギーを吸収する粒子(すなわち、カーボンのような標準的なフィラー)で充填されており、加熱すると、ポリマー鎖が壊れて、材料の明確なゾーン内で脆性となって、所望の分離線が形成される。熱を生成する他の手段としては、紫外線、赤外線またはその他高周波数加熱方法のような光を用いることが含まれる。更に、化学薬品(すなわち、溶剤または気体)を用いて、ポリマー鎖を壊して所望の分離線を画定することにより、ベースプレートの特定のゾーンを脆性にすることが可能である。これら材料脆弱化方法の1つまたは複数は別個または組み合わせて用いてよい。
【0034】
あるいは、事前画定分離または切離し線は与えなくてもよい。その場合、隣接するパッケージは、ツールによりそれらを切断することにより分離したり、使用者の指定した場所でそれらを単に切離すことにより分離される。
【0035】
隣接するパッケージ間に脆弱線を形成するのに用いる手段に関らず、分離または切離し線213は、一対の隣接するベースプレートの上部表面に沿って明らかでないが、ベースプレートの混合機能を妨げるほどではない(すなわち、ベースプレートの上部表面は平面であり、表面不連続部はない)。このように、図8に示すように、2つの隣接するパッケージ210aおよび210bを全体のストリップ211から分離して、これら2つの隣接する単位のカバーを除去し、これら2つの隣接するパッケージのペースト216a、218a、216bおよび218bを同時に混合して、二回投与量の硬化性歯科組成物(図8に想像線で示す硬化性歯科組成物270等)を画定する。パッケージ210のカバーは、分離するのに易壊連結部213に沿って穿孔したり脆弱化されたカバー材料の連続ストリップから形成してもよいし、各パッケージ210がそのパッケージにより含まれるペーストについて個々のカバーシートを有していてもよい。しかしながら、易壊連結部213は、これら隣接するパッケージ210aおよび210bのベース212の上部表面222間に不連続部は形成しない。
【0036】
多数のパッケージを相互接続するためのその他の手段は、薄い共通キャリアにラミネートされた別個のベースプレートを提供することである。このキャリアはペースト材料を受け、混合表面を画定する。ベースプレートは混合プロセスに必要な剛性を与える。キャリアは、ベースプレートを、混合表面に対して逆の方向に曲げる、またはその他の好適な分離手段により容易に引裂くことができる。変形実施形態において、ヒンジ留めされたパッケージが小冊子の形態でスタックされるように形成されたストリップを備えたリビングヒンジを隣接するパッケージ間に提供してもよい。あるいは、パッケージは、ストリップをリールに巻きつけられるよう十分柔軟である連結部により連結されていてもよい。図7には単一ストリップのパッケージを示してあるが、倍幅ストリップも考えられる。更に、単一ストリップか倍幅ストリップ形態に関らず、パッケージのペーストの配置は常に同じである(すなわち、図1に示されるように、第1のペースト16を左に、第2のペースト18を右に)、またはペーストはパッケージ毎に横方向に交互の様式で配置してもよい(図9に示されるように、パッケージ210cについては第1のペースト216cを左に、第2のペースト218cを右に、パッケージ210dについては第2のペースト218cを左に、第1のペースト216dを右に、パッケージ210eについては第1のペースト216eを左に、第2のペースト218eを右に、パッケージ210fについては第2のペースト218fを左に、第1のペースト216fを右に)。図9に示されるように、ペーストはパッケージ毎に縦方向に直線に位置合せしてもよいし(図9は上から下で示される)、非直線の構成(縦方向および/または横方向の両方)で配置されていてもよい。
【0037】
本発明を、いくつかの実施形態を参照して説明してきたが、当業者であれば、形態および詳細において変更を、本発明の技術思想および範囲から逸脱することなく行えるであろう。従って、本発明は詳細に記載した特定の実施形態に限定されるものとは考えられず、特許請求の範囲およびそれに従う等価物によってのみ限定される。例えば、開示内容は歯科ペーストに関するものであるが、本発明は、構造、工業または家庭用接着剤ペースト成分、複合車体フィラー材料ペースト成分、医療ペースト成分および製薬ペースト成分のようなその他の用途にも用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】複数の歯科ペースト成分を保管および混合するためのデリバリーデバイスのトップカバー層の隅部を取り去った上部平面図である。
【図2】図1の線2−2に沿った断面図である。
【図3】図1のデリバリーデバイスの開口部の連続図であり、トップカバーをベースプレートから分離し、ベースプレートに固定された歯科ペーストの後の露出を示す。
【図4】図1のデリバリーデバイスの開口部の連続図であり、トップカバーをベースプレートから分離し、ベースプレートに固定された歯科ペーストの後の露出を示す。
【図5】ベースプレートで混合される歯科ペーストの上部平面図である。
【図6】複数の歯科ペースト成分を保管および混合するための本発明のデリバリーデバイスの変形実施形態の断面図である。
【図7】図1および2に示す数多くのデリバリーデバイスを含む多数ユニット構成の平面図を示す。
【図8】一対の隣接する取り付けられたデリバリーデバイスの平面図を示し、カバーが除去されて、二回の投与量のペーストを混合する準備が整っている。
【図9】数多くのデリバリーデバイスを含む多数ユニット構成の変形実施形態の平面図を示し、ペーストが交互の様式で配置されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面でありかつ第1および第2の離間したペースト保持領域を有する上部ペースト混合表面と、下部表面とを有するベースプレートと、
前記上部混合表面の前記第1のペースト保持領域に付着された第1のノンセルフレベリングペーストと、
前記第1のペーストと非接触の関係にあり、前記第1のペースト領域全体を覆って延在し、前記第1のペースト周囲で前記上部混合表面に除去可能に気密封止された第1のカバーと、
前記上部混合表面の前記第2のペースト保持領域に付着された第2のノンセルフレベリングペーストと、
前記第2のペーストと非接触の関係にあり、前記第2のペースト領域全体を覆って延在し、前記第2のペースト周囲で前記上部混合表面に除去可能に気密封止された第2のカバーと、
を含む複数のペースト成分を保管し混合するためのデバイス。
【請求項2】
前記第1および第2のカバーが、カバー材料の連続層を構成する請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1のペーストが第1の体積を有し、前記第2のペーストが第2の体積を有し、前記第2の体積が前記第1の体積に応じて定義される請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記カバーが、前記ベースプレートよりも比較的柔軟である請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
複数の並置されたユニットが前記ベースプレート内に形成されており、各ユニットがそれぞれ一対の第1および第2のノンセルフレベリングペーストおよび第1および第2のカバーを含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ユニットが切離し線に沿って相互接続されている請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
各切離し線が、隣接する並置されたユニット間に脆弱部を含む請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
ユニット間の前記切離し線が、前記ベースプレートの前記上部混合表面に不連続部を形成しない請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1および第2のペーストの配向がユニットごとに交互である請求項5に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1のペーストが第1の体積を有し、前記第2のペーストが第2の体積を有し、前記第1および第2のペーストの体積を併せて、硬化性組成物の一回の投与量が画定され、前記2つの並置連結されたユニットの前記第1および第2のペーストを併せて、前記硬化性組成物の二回の投与量が構成される請求項5に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ベースプレートおよびカバーが、選択された放射線波長に対して不透過性である請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記カバーが、選択された放射線波長の透過を可能にする請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1および第2のカバーが、前記第1および第2のペースト保持領域およびそれら領域の各ペースト全体を覆って延在する単一ペーストチャンバを含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記ペーストチャンバが、その中の前記第1および第2のペーストの体積と、前記ペーストの少なくとも1つの組成および体積に応じて選択された空気体積とからなる内部体積を有する請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第1のカバーが、前記第1のペースト全体を覆って延在する第1のペーストチャンバを含み、前記第2のカバーが、前記第2のペースト全体を覆って延在する第2のペーストカバーを含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記ペーストチャンバの少なくとも1つが、各ペーストについての前記ペースト体積と、各ペーストの組成および体積に応じて選択された空気体積とからなる内部体積を有する請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記ベースプレート中に剛性層を更に含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記ベースプレートの前記下部表面が、摩擦向上特性を有している請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
前記摩擦向上特性が接着剤を含む請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記ペースト成分が、歯科ペースト成分、構造、工業または家庭用接着剤ペースト成分、複合車体フィラー材料ペースト成分、医療ペースト成分および製薬ペースト成分からなる群より選択される請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
第1の体積を有し、ノンセルフレベリング材料特性を有し、支持表面の平面である第1のペースト領域に付着され、前記第1のペースト周囲の前記支持表面に気密封止され前記第1のペーストから離間している第1のオーバーレイカバーに保護された第1のペーストを提供する工程と、
前記第1の体積に応じて定義される第2の体積を有し、ノンセルフレベリング材料特性を有し、前記第1のペースト領域と同一平面にあり、前記第1のペースト領域から離間している支持表面の平面である第2のペースト領域に付着され、前記第2のペースト周囲の前記支持表面に気密封止され前記第2のペーストから離間している第2のオーバーレイカバーに保護された第2のペーストを提供する工程と、
前記第1および第2のカバーを前記支持表面から除去して前記第1および第2のペーストを露出する工程と、
前記第1および第2のペーストを、前記第1および第2のペースト領域と同一平面にある前記支持表面の平面混合領域で混合する工程と、
を含む硬化性組成物の製造方法。
【請求項22】
前記支持表面の前記平面混合領域が、前記第1および第2のペースト領域を含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
第1の体積を有し、ノンセルフレベリング材料特性を有し、支持表面の平面である第1のペースト領域に付着された第1のペーストを提供する工程と、
前記第1のペーストの前記第1の体積に応じて定義される第2の体積を有し、ノンセルフレベリング材料特性を有し、前記第1のペースト領域と同一平面にあり、前記第1のペースト領域から離間している支持表面の平面である前記第2のペースト領域に付着される第2のペーストであって、オーバーレイカバーが前記第1および第2のペースト周囲の前記支持表面に気密封止され、前記第1および第2のペースト全体を覆って保護するように延在し、前記第1および第2のペーストから離間している、第2のペーストを提供する工程と、
前記カバーを前記支持表面から除去して前記第1および第2のペーストを露出する工程と、
前記第1および第2のペーストを、前記第1および第2のペースト領域と同一平面にある前記支持表面の平面混合領域で混合する工程と、
を含む硬化性組成物の製造方法。
【請求項24】
前記支持表面の前記平面混合領域が、前記第1および第2のペースト領域を含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
平面支持表面を有するベースを提供する工程と、
前記支持表面の第1の領域に、ノンセルフレベリングであり、前記支持表面に付着されたベース側と、1つ以上の露出側とを有する第1のペーストを配置する工程と、
前記第1の領域から離間した前記支持表面の第2の領域に、ノンセルフレベリングであり、前記支持表面に付着されたベース側と、1つ以上の露出側とを有する第2のペーストを配置する工程と、
下部表面と上部表面とを有する保護カバーを前記第1および第2のペースト全体を覆って剥離可能に接合する工程であって、前記カバーの前記下部表面が前記各ペースト周囲およびその間で前記ベースの前記支持表面に気密封止されており、前記第1および第2の領域全体を覆って延在する前記カバーの前記下部表面の部分が、そこに配置された前記各第1および第2のペーストの前記露出側から離間している工程と、
を含む少なくとも2種類のペーストの配合から形成される硬化性組成物を保管および分配するためのパッケージアセンブリの作成方法。
【請求項26】
各ペーストがペースト体積を有し、前記カバーを形成して各ペースト全体を覆って延在する別個のペーストチャンバを画定する工程を更に含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
各ペーストチャンバが、各ペーストについての前記ペースト体積と空気体積とからなる内部体積を有し、前記空気体積が各ペーストの組成および体積に応じて選択されてもよい請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記保護カバーが前記ベースよりも比較的柔軟であるように形成されている請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−534560(P2007−534560A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520279(P2006−520279)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/022475
【国際公開番号】WO2005/009867
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【出願人】(504169278)スリーエム イーエスピーイー アーゲー (43)
【Fターム(参考)】