説明

ホスフィットを含有した農薬組成物およびその製造方法

肥沃および殺虫性を双方とも有する農薬組成物が記載されている。ホスフィット、少くとも1種の他のNPK栄養素および金属微量元素を含有した粒状組成物は、化学組成が均等で、粒径が均一で、水溶性である。農薬組成物の製造方法も記載されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、ホスフィットを含有し、化学組成が均等であり、少くとも1種の他のNPK栄養素を含有して、金属微量元素を配合した、固形、粒状で、粒径が均一な、水溶性の農薬組成物に関する。
【発明の背景】
【0002】
理想的な農薬組成物は植物成長に必要なすべての元素を供給し、それは害虫に対して何らかの防御を施し、しかもそれは有害または不要な堆積物を土壌に残さない。このような組成物は保管、取扱い、用法および市販に関して更に容易であるべきである。上記のことから、理想的な組成物は固形で、微粒状だが、飛散性ではなく、水溶性とすべきである。
【0003】
ホスフィット類は、リン源として、およびそれらの殺虫能のために、農薬組成物で用いられている。公開WO00/76941は木、つるおよび作物用の肥料として亜リン酸カリウムを記載している。US特許No.5,514,200は、ホスフィット肥料が植物根と菌根真菌との有益な共生を妨げ、更に細菌および殺真菌成長を促すことを開示している。US特許No.5,830,255は、亜リン酸または塩と、可能であれば他の栄養素を含有した濃縮緩衝化リン肥料について開示している。亜リン酸(PO−3)およびリン酸(PO−3)塩を含有した植物用の肥料組成物がUS特許No.5,800,837で開示されており、亜リン酸およびリン酸塩を含有した抗真菌組成物がWO01/28334で開示されている。US特許No.5,736,164は寄生真菌の抑制用に亜リン酸およびリン酸塩とその誘導体を含有した組成物に関し、US特許No.4,119,724は亜リン酸と無機および有機塩を含有した殺真菌組成物、並びに真菌病を抑制する上で植物へのそれらの適用法について開示している。
【0004】
上記の有利な物性も有したホスフィット含有農薬組成物を提供することが望まれている。したがって、固形、粒状で、粒径が均一で、水溶性であり、ホスフィットを含有し、化学組成が均等であって、組成物が少くとも1種の他のNPK栄養素(窒素および/またはリンおよび/またはカリウム含有栄養素)を含有し、金属微量元素を配合している、農薬組成物を提供することが本発明の目的である。
【0005】
上記農薬組成物の製造方法を提供することが、本発明の別な目的である。
【0006】
本発明の他の目的および利点は、記載が進むにつれて明らかになるであろう。
【発明の要旨】
【0007】
本発明は、固形、粒状で、粒径が均一で、水溶性であり、ホスフィットを含有し、化学組成が均等であって、組成物が少くとも1種の他のNPK栄養素を含有し、金属微量元素を配合している、農薬組成物を提供する。本発明は上記農薬組成物の製造方法を提供し、その方法は、i)亜リン酸、少くとも1種の他のNPK栄養素、金属微量元素、並びにその肥沃および殺虫性を高めるかあるいは粒子の機能または審美性を変える他の添加物を含有した混合物を、60〜130℃の温度でブレンドおよび加熱し、ii)最終組成物の1%水溶液のpHを3.4〜7.0とするのに十分な量の塩基を該混合物中へ入れて亜リン酸を少くとも部分的に中和し、iii)該混合物を均質化し、場合により該混合物に加わる圧力を低下させ、iv)該混合物を冷却して、0〜1%水を含有した、均質、粒状、易流動性で、ケーキングのない物質を得ることからなることで特徴付けられる。
【発明の詳細な説明】
【0008】
固形、粒状で粒径均一な水溶性物質の粘稠性を有する均質農薬組成物に、亜リン酸塩、NPK栄養素および金属微量元素が混合されうることが、ここに発見されたのである。本発明は、i)亜リン酸、少くとも1種のNPK栄養素、金属微量元素および他の添加物を含有した混合物をブレンドおよび加熱し、ii)最終組成物の1%水溶液のpHを3.4〜7.0とするのに十分な量の塩基を該混合物中へ入れて亜リン酸を部分的に中和し、iii)該混合物を均質化し、場合により該混合物に加わる圧力を低下させ、iv)該混合物を冷却して、それを粉砕し、乾燥、粒状の均質な物質を得ることからなる、このような組成物を得るための方法を提供する。
【0009】
諸成分は、いかなる順序で、混合物に加えてもよく、または予熱してもよい。しかしながら、完全混合物は60〜130℃の温度で加熱されねばならず、こうすると溶融して、良い均質化を行える。一態様において、すべての成分がブレンドされ、反応器中100℃まで予熱され、次いで固体亜リン酸を混合物中へ加え、ペーストが得られるまで混合物をインキュベートし、粘度が減少したときに混合物を均質化させる。別の態様では、亜リン酸が最初に60℃以上の温度で加熱され、次いですべての他の成分がその溶融した酸へ加えられる。
【0010】
NPK栄養素は、好ましくは、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、硝酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウムおよび尿素からなる群より選択される。金属微量元素は好ましくは亜鉛、銅、鉄、マンガン、モリブデンおよびホウ素からなる群より選択され、市販物質に含有された化合物としても加えてよい。金属は、塩化物、硝酸塩、硫酸塩のような塩中のカチオンとして;モリブデートのようなアニオンとして;エチレンジアミン四酢酸のようなキレートとして、またはその他、例えばホウ酸として存在しうる。
【0011】
リン、他のNPK栄養素および微量栄養素間の比率は、最終製品で必要とされるそれらの相対的な含有率に応じて定められる。
【0012】
本発明の混合物中における亜リン酸の量は10〜95wt%であり、他のNPK栄養素の量は5〜90wt%であり、微量元素の量は0.005〜2wt%である。本発明の好ましい態様では、リン酸一アンモニウム(MAP)およびリン酸一カリウム(MKP)が他のNPK栄養素として用いられる。一態様において、MAP、MKPおよび亜リン酸が1:2:1比で用いられる。他の態様では、亜リン酸以外に他のNPK栄養素としてMKPのみが用いられ、その場合にMKP対亜リン酸の比率は3:1である。
【0013】
溶融混合物は塩基で少くとも部分的に中和され、その場合に塩基の量は最終組成物で1%水溶液として3.4〜7.0のpHを確保するように選択される。このpHは、i)最終組成物の吸湿率、ii)組成物の溶解度およびiii)その使用に際する組成物の肥沃および殺虫効果という観点から、最適である。このようなpHのとき、臨界相対湿度で表わすと、典型的には50〜65%、更に典型的には55〜60%である、相対的に低い吸湿率を本発明による組成物へ付与する。
【0014】
本発明の好ましい態様において、塩基MRは炭酸塩および水酸化物から選択され、ここでMはK、NHから選択され、RはCO−2およびOHから選択される。更に好ましい態様において、塩基は炭酸カリウムまたは水酸化カリウムである。本発明の一部の態様において、中和反応は:
PO+KCO→KHPO+HO+CO
として表わせる。
【0015】
中和に際して、温度は中和熱の放出のせいで上昇するため、均質化プロセスを助ける。溶融混合物の均質化は、最終的に、粘稠物質内で水および/または二酸化炭素の形成、および気相へのそれら放出を伴う。本発明によるプロセスの好ましい配置のとき、溶融混合物に加わる圧力は下げられ、こうして混合物から水の除去を促進させる。
【0016】
本発明の好ましい態様において、溶融混合物は中和前に温度61〜100℃に加熱される。本発明による別な態様において、溶融混合物に加わる圧力は70mmHg以下、好ましくは40mmHg以下に下げられる。
【0017】
均質な溶融混合物は最後に冷却され、粉砕される。冷却物質の粘稠性は、当業界で知られた方法を用いることにより、均一な粒度の粒状、易流動性物質をもたらす。その粒子は、典型的には1wt%以下の水、更に典型的には0.1〜0.4wt%の水を含有している。
【0018】
本発明による農薬組成物は、環境温度で10部の組成物を90部の水と混合したとき、完全に溶解される。上記の組成物は、100部の水に1部を溶解させたとき、3.4〜7.0のpH、更に典型的には3.8〜5.3のpHを呈する。本発明の典型的組成物は、環境温度で混合されたとき、水80部に対し20部の比率でも完全に溶解する。
【0019】
本発明による農薬組成物は、フミン酸のように、その肥沃および殺虫性を更に高めるか、あるいは界面活性剤または色素のように、最終的に得られる粒子の機能または審美性を変える添加物を更に含有してもよい。
【0020】
本発明は更に記載され、下記例で示されている。
【実施例】
【0021】
物質
ここで用いられるリン酸一カリウムおよびリン酸一アンモニウムは、Rotem Amfert Negev Ltd.,Israel1の製品である。
一般操作
加熱および冷却マントルを備え、容積1および5リットルを各々有する、2個の攪拌反応器のうちいずれかで、粒状組成物のサンプルを製造した。小さい方はガラス反応器、大きな方はコンデンサーを備えて真空ポンプへ接続されたスチール反応器であった。サンプルの溶解度は、室温で1時間かけて蒸留水90mlに10gを混合することで特徴付けた。1%溶液をpH測定に用いた。組成物の水分は、湿度測定用のMettler天秤を用いて調べた。吸湿率は、T.V.A.標準通りに、臨界相対湿度として特徴付けた。簡単に述べると、この方法では、サンプルによる吸水が3%以上の質量増加を起こす環境の相対湿度を調べる。粒径分布は、0.25mm未満、0.25〜1.4mmおよび1.4mm超のサイズを有する粒子の質量分率を測定することにより特徴付けた。
【0022】
例1
リン酸一カリウム(MKP)80gおよび亜リン酸(PA)20gを混合することにより、ガラス反応器で溶融混合物を調製した。混合物を加熱したところ、溶融が温度62℃で始まった。溶融混合物を炭酸カリウム20.8gで中和すると、温度は106℃に達した。溶融混合物を冷媒体へ入れることによりそれを冷却し、粉砕した。粒状製品を得たが、それは1%溶液中pH3.8で特徴付けられ、臨界相対湿度で表わされる吸湿率は60〜65%であった。
【0023】
例2
MKP80gおよびPA20gを混合することにより、例1のように溶融混合物を調製した。混合物を加熱したところ、溶融が温度62℃で始まった。溶融混合物を炭酸カリウム21.2gで中和すると、温度は120℃に達した。溶融混合物を冷媒体へ入れることによりそれを冷却し、粉砕した。粒状製品を得たが、それは1%溶液中pH4.4で特徴付けられ、臨界相対湿度で表わされる吸湿率は55〜60%であった。
【0024】
例3
MKP80gおよびPA20gを混合することにより、例1のように溶融混合物を調製した。混合物を加熱したところ、溶融が温度62℃で始まった。溶融混合物を炭酸カリウム22.8gで中和すると、温度は106℃に達した。溶融混合物を冷媒体へ入れることによりそれを冷却し、粉砕した。粒状製品を得たが、それは1%溶液中pH5.0で特徴付けられ、臨界相対湿度で表わされる吸湿率は50〜55%であった。
【0025】
例4
MKP66g、PA21.5gとMgEDTA2.0gおよびMnEDTA0.5gからなる微量栄養素とを含有した混合物をガラス反応器で加熱したところ、溶融が温度62℃で始まった。溶融混合物を炭酸カリウム18.7gで中和すると、温度は140℃に達した。溶融混合物を冷媒体へ入れることによりそれを冷却し、粉砕した。粒状製品を得たが、それは1%溶液中pH4.2で特徴付けられ、臨界相対湿度で表わされる吸湿率は55〜60%であった。
【0026】
例5
MKP66g、PA21.5gとMgEDTA2.0gおよびMnEDTA0.5gからなる微量栄養素とを含有した混合物をガラス反応器で加熱したところ、溶融が温度62℃で始まった。溶融混合物を炭酸カリウム13.1gで中和すると、温度は130℃に達した。溶融混合物を冷媒体へ入れることによりそれを冷却し、粉砕した。粒状製品を得たが、それは1%溶液中pH3.4で特徴付けられ、臨界相対湿度で表わされる吸湿率は55〜60%であった。
【0027】
例6
リン酸一アンモニウム(MAP)252.9g、リン酸一カリウム(MKP)497.5g、ZnEDTA3.98gおよびCuEDTA2.03gの均質ブレンドをスチール反応器に入れ、100℃に加熱し、10分間攪拌し、次いで固体亜リン酸(PA)205.4gを加えた。混合物はペーストの粘稠性を獲得したが、その粘度は時間と共に減少した。10分間後に炭酸カリウム278.8gを反応器へ加えたところ、熱、水および二酸化炭素の放出と粘度の減少とが生じた。攪拌を5分間続けた。混合物は完全に均質であった。十分な均質化後に乾燥の程度を増すため、真空ポンプを15分間作動させて、圧力を約30mmHgに下げた。次いで粉砕物質を冷却した。0.25〜1.4mmの好ましい径範囲に72.8%質量を有し、6.5%がそれより小さく、20.7%がそれより大きい、粒状易流動性組成物約883gを得た。組成物の水分は0.44%であり、その1%溶液のpHは5.3であり、その吸湿率は臨界相対湿度で表わすと55〜60%であった。ケーキングは観察されなかった。
【0028】
例7
MAP168.6g、MKP331.7g、ZnEDTA2.65gおよびCuEDTA1.35gの均質ブレンドをスチール反応器に入れ、100℃に加熱し、10分間攪拌し、次いで固体PA137gを加えた。混合物はペーストの粘稠性を獲得したが、その粘度は時間と共に減少した。10分間後に炭酸カリウム172.5gを反応器へ加えたところ、熱、水および二酸化炭素の放出と粘度の減少とが生じた。攪拌を5分間続けた。混合物は完全に均質であった。真空ポンプを30分間作動させて、圧力を約30mmHgに下げた。次いで物質を冷却し、粉砕した。0.25〜1.4mmの好ましい径範囲に74.8%質量を有し、1.4%がそれより小さく、23.8%がそれより大きい、粒状易流動性組成物約631gを得た。組成物の水分は0.17%であり、その1%溶液のpHは5.1であり、その吸湿率は臨界相対湿度で表わすと55%であった。ケーキングは観察されなかった。
【0029】
例8
MAP168.6g、MKP331.7g、ZnEDTA2.65g、CuEDTA1.35gおよびフミン酸7.9gの均質ブレンドをスチール反応器に入れ、100℃に加熱し、10分間攪拌し、次いで固体PA137gを加えた。混合物はペーストの粘稠性を獲得したが、その粘度は時間と共に減少した。10分間後に炭酸カリウム172.5gを反応器へ加えたところ、熱、水および二酸化炭素の放出と粘度の減少とが生じた。攪拌を5分間続けた。混合物は完全に均質であった。真空ポンプを14分間作動させて、圧力を約30mmHgに下げた。次いで物質を冷却し、粉砕した。0.25〜1.4mmの好ましい径範囲に62.6%質量を有し、11.2%がそれより小さく、26.2%がそれより大きい、粒状易流動性組成物約630gを得た。組成物の水分は0.23%であり、その1%溶液のpHは5.0であり、その吸湿率は臨界相対湿度で表わすと55%であった。ケーキングは観察されなかった。
【0030】
例9
MAP168.6g、MKP331.7g、ZnEDTA2.65g、CuEDTA1.35gおよび刺激剤Fertivant20gの均質ブレンドをスチール反応器に入れ、100℃に加熱し、10分間攪拌し、次いで固体PA137gを加えた。混合物はペーストの粘稠性を獲得したが、その粘度は時間と共に減少した。10分間後に炭酸カリウム172.5gを反応器へ加えたところ、熱、水および二酸化炭素の放出と粘度の減少とが生じた。攪拌を5分間続けた。混合物は完全に均質であった。真空ポンプを23分間作動させて、圧力を約30mmHgに下げた。次いで物質を冷却し、粉砕した。0.25〜1.4mmの好ましい径範囲に81.0%質量を有し、2.5%がそれより小さく、16.5%がそれより大きい、粒状易流動性組成物約620gを得た。組成物の水分は0.31%であり、その1%溶液のpHは4.8であり、その吸湿率は臨界相対湿度で表わすと55%であった。ケーキングは観察されなかった。
【0031】
例10
MAP168.6g、MKP331.7g、ZnEDTA2.65gおよびCuEDTA1.35gの均質ブレンドをスチール反応器に入れ、100℃に加熱し、10分間攪拌し、次いで固体PA137gを加えた。混合物はペーストの粘稠性を獲得したが、その粘度は時間と共に減少した。10分間後に48%水酸化カリウム292.2gを反応器へ加えた。攪拌を5分間続けた。混合物は完全に均質であった。真空ポンプを45分間作動させて、圧力を徐々に約30mmHgに下げた。次いで物質を冷却し、粉砕した。0.25〜1.4mmの好ましい径範囲に90.7%質量を有し、0.6%がそれより小さく、8.7%がそれより大きい、粒状易流動性組成物約600gを得た。組成物の水分は0.36%であり、その1%溶液のpHは5.0であり、その吸湿率は臨界相対湿度で表わすと55%であった。ケーキングは観察されなかった。
【0032】
例11
MAP168.6g、MKP331.7g、ZnEDTA2.65g、CuEDTA1.35gおよび紫色素Rhodamine100mgの均質ブレンドをスチール反応器に入れ、100℃に加熱し、10分間攪拌し、次いで固体PA137gを加えた。混合物はペーストの粘稠性を獲得したが、その粘度は時間と共に減少した。10分間後に炭酸カリウム172.5gを反応器へ加えたところ、熱、水および二酸化炭素の放出と粘度の減少とが生じた。攪拌を5分間続けた。混合物は完全に均質であった。真空ポンプを22分間作動させて、圧力を約30mmHgに下げた。次いで均質な紫色物質を冷却し、粉砕した。水分0.47%、1%溶液のpH4.4および臨界相対湿度で表わすと吸湿率55%を有する、粒状易流動性組成物が得られた。
【0033】
上記はすべて説明の目的で示されており、後の請求項で規定される場合を除き、本発明を決して制限するためではない。発明の範囲を越えることなく、多くの変更が上記の物質および方法で行える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜リン酸の塩と、少くとも1種の他のNPK栄養素とを含有してなり、化学組成が均等で、粒径が均一であり、水溶性であり、金属微量元素を含む、固形で粒状の農薬組成物。
【請求項2】
栄養素の少くとも1種が、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウムおよび尿素からなる群より選択される、請求項1に記載の農薬組成物。
【請求項3】
亜リン酸の塩が、カリウム塩、アンモニウム塩およびナトリウム塩から選択される、請求項1または2に記載の農薬組成物。
【請求項4】
金属微量元素の少くとも1種が、亜鉛、銅、鉄、マンガン、モリブデンおよびホウ素からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項5】
金属微量元素が市販塩として存在している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項6】
金属微量元素が、塩化物、硫酸塩、モリブデート、エチレンジアミン四酢酸およびホウ酸からなる群より選択される形で存在している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項7】
微量元素が、亜リン酸の塩と相乗的に作用する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項8】
肥沃および殺虫性を更に高める1種以上の添加物を更に含有している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項9】
添加剤が、刺激剤、殺虫剤および界面活性剤からなる群より選択される、請求項8に記載の農薬組成物。
【請求項10】
添加剤がフミン酸である、請求項8に記載の農薬組成物。
【請求項11】
添加剤が、亜リン酸の塩と相乗的に作用する、請求項8に記載の農薬組成物。
【請求項12】
粒子の機能または審美性を変える1種以上の添加物を更に含有している、請求項1〜11のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項13】
添加剤が、界面活性剤および色素からなる群より選択される、請求項12に記載の農薬組成物。
【請求項14】
亜リン酸の塩以外のNPK栄養素が、リン酸一アンモニウムまたはリン酸一カリウムである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項15】
亜リン酸の塩10〜95wt%を含有している、請求項1〜14のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項16】
亜リン酸の塩以外のNPK栄養素5〜90wt%を含有している、請求項1〜15のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項17】
固形物10部対水90部の比率で、環境温度で水と混合されたとき、完全に溶解される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項18】
固形物20部対水80部の比率で、環境温度で水と混合されたとき、完全に溶解される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項19】
水100部に1部を溶解させたとき、pH3.4〜7.0を有する溶液を与える、請求項1〜18のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項20】
水0〜1%を含有している、請求項1〜19のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項21】
水0.1〜0.4wt%を含有している、請求項1〜20のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項22】
微量元素0.005〜2wt%を含有している、請求項1〜21のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項23】
亜リン酸の塩15〜35wt%を含有している、請求項1〜22のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項24】
亜リン酸の塩以外のNPK栄養素65〜85wt%を含有している、請求項1〜23のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項25】
微量元素0.05〜0.5wt%を含有している、請求項1〜24のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項26】
水100部に1部を溶解させたとき、pH3.8〜5.3を有する溶液を与える、請求項1〜25のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項27】
易流動性で、固形粒子の組成物である、請求項1〜26のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項28】
i)亜リン酸、少くとも1種の他のNPK栄養素、金属微量元素および他の添加物を含有した混合物を60〜130℃の温度でブレンドおよび加熱し、ii)最終組成物の1%水溶液のpHを3.4〜7.0とするのに十分な量の塩基を該混合物中へ入れて亜リン酸を少くとも部分的に中和し、iii)該混合物を均質化し、場合により該混合物に加わる圧力を低下させ、iv)該混合物を冷却して、0〜1%水を含有した、均質、粒状、易流動性で、ケーキングのない物質を得ることからなる、農薬組成物の製造方法。
【請求項29】
溶融混合物が式MRの塩基で中和され、ここでMがカリウムおよびアンモニウムから選択され、Rが炭酸イオンおよび水酸化物イオンから選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
溶融混合物が炭酸カリウムまたは水酸化カリウムで中和される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
諸成分が、いかなる順序でも混合物に加えられうる、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
諸成分が、完全混合物を形成する前に、いかなる順序でも予熱されうる、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
完全混合物が60〜130℃の温度を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
溶融混合物を含んでなる、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
完全混合物が61〜100℃の温度に加熱される、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
化学組成が均等で粒径が均一な粒状組成物を提供する、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
水0.1〜0.4%を含有した粒状、易流動性組成物を提供する、請求項28に記載の方法。
【請求項38】
臨界相対湿度で表される吸湿率が50〜65%である粒状組成物を提供する、請求項28に記載の方法。
【請求項39】
圧力が70mmHg以下に下げられる、請求項28に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜リン酸の塩と、少くとも1種の他のNPK栄養素とを含有してなり、化学組成が均等で、粒径が均一であり、水溶性であり、金属微量元素を含む、固形、粒状で易流動性の農薬組成物。
【請求項2】
栄養素の少くとも1種が、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウムおよび尿素からなる群より選択される、請求項1に記載の農薬組成物。
【請求項3】
亜リン酸の塩が、カリウム塩、アンモニウム塩およびナトリウム塩から選択される、請求項1または2に記載の農薬組成物。
【請求項4】
金属微量元素の少くとも1種が、亜鉛、銅、鉄、マンガン、モリブデンおよびホウ素からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項5】
金属微量元素が市販塩として存在している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項6】
金属微量元素が、塩化物、硫酸塩、モリブデート、エチレンジアミン四酢酸およびホウ酸からなる群より選択される形で存在している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項7】
微量元素が、亜リン酸の塩と相乗的に作用する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項8】
肥沃および殺虫性を更に高める1種以上の添加物を更に含有している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項9】
添加剤が、刺激剤、殺虫剤および界面活性剤からなる群より選択される、請求項8に記載の農薬組成物。
【請求項10】
添加剤がフミン酸である、請求項8に記載の農薬組成物。
【請求項11】
添加剤が、亜リン酸の塩と相乗的に作用する、請求項8に記載の農薬組成物。
【請求項12】
粒子の機能または審美性を変える1種以上の添加物を更に含有している、請求項1〜11のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項13】
添加剤が、界面活性剤および色素からなる群より選択される、請求項12に記載の農薬組成物。
【請求項14】
亜リン酸の塩以外のNPK栄養素が、リン酸一アンモニウムまたはリン酸一カリウムである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項15】
亜リン酸の塩10〜95wt%を含有している、請求項1〜14のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項16】
亜リン酸の塩以外のNPK栄養素5〜90wt%を含有している、請求項1〜15のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項17】
固形物10部対水90部の比率で、環境温度で水と混合されたとき、完全に溶解される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項18】
固形物20部対水80部の比率で、環境温度で水と混合されたとき、完全に溶解される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項19】
水100部に1部を溶解させたとき、pH3.4〜7.0を有する溶液を与える、請求項1〜18のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項20】
水0〜1%を含有している、請求項1〜19のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項21】
水0.1〜0.4wt%を含有している、請求項1〜20のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項22】
微量元素0.005〜2wt%を含有している、請求項1〜21のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項23】
亜リン酸の塩15〜35wt%を含有している、請求項1〜22のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項24】
亜リン酸の塩以外のNPK栄養素65〜85wt%を含有している、請求項1〜23のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項25】
微量元素0.05〜0.5wt%を含有している、請求項1〜24のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項26】
水100部に1部を溶解させたとき、pH3.8〜5.3を有する溶液を与える、請求項1〜25のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項27】
易流動性で、固形粒子の組成物である、請求項1〜26のいずれか一項に記載の農薬組成物。
【請求項28】
i)亜リン酸、少くとも1種の他のNPK栄養素、金属微量元素および他の添加物を含有した混合物を60〜130℃の温度でブレンドおよび加熱し、ii)最終組成物の1%水溶液のpHを3.4〜7.0とするのに十分な量の塩基を該混合物中へ入れて亜リン酸を少くとも部分的に中和し、iii)該混合物を均質化し、場合により該混合物に加わる圧力を低下させ、iv)該混合物を冷却して、0〜1%水を含有した、均質、粒状、易流動性で、ケーキングのない物質を得ることからなる、農薬組成物の製造方法。
【請求項29】
溶融混合物が式MRの塩基で中和され、ここでMがカリウムおよびアンモニウムから選択され、Rが炭酸イオンおよび水酸化物イオンから選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
溶融混合物が炭酸カリウムまたは水酸化カリウムで中和される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
諸成分が、いかなる順序でも混合物に加えられうる、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
諸成分が、完全混合物を形成する前に、いかなる順序でも予熱されうる、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
完全混合物が60〜130℃の温度を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
溶融混合物を含んでなる、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
完全混合物が61〜100℃の温度に加熱される、請求項28に記載の方法。
【請求項36】
化学組成が均等で粒径が均一な粒状組成物を提供する、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
水0.1〜0.4%を含有した粒状、易流動性組成物を提供する、請求項28に記載の方法。
【請求項38】
臨界相対湿度で表される吸湿率が50〜65%である粒状組成物を提供する、請求項28に記載の方法。
【請求項39】
圧力が70mmHg以下に下げられる、請求項28に記載の方法。

【公表番号】特表2006−502125(P2006−502125A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−524039(P2004−524039)
【出願日】平成15年7月25日(2003.7.25)
【国際出願番号】PCT/IL2003/000620
【国際公開番号】WO2004/011394
【国際公開日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願人】(501162982)ロテム、アムファート、ネジェブ、リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ROTEM AMFERT NEGEV LTD.
【Fターム(参考)】