説明

ホットメルト接着剤様のプラスチック材料を包装するための方法

プラスチック材料を取り囲むフィルムを使用してそのプラスチック材料を包装するための方法;さらに詳しくは、ホットメルト接着剤を包装するための方法;それによって形成される包装;および、それに使用されるフィルム組成物。本方法は、好ましくは、ダイオリフィスを介してホットメルト接着剤を押出し、ワックス基体の高分子フィルムを同時押出してホットメルト接着剤を取り囲むことにより感圧ホットメルト接着剤を包装するための同時押出法である。塗被された接着剤は、ついで、有限寸法および形状を有する個々の包装ユニットに成形することができる。高分子フィルムは、ワックス材料少なくとも25重量%;溶融エンタルピー少なくとも約100J/g;および、破断時の伸び値少なくとも約100%を有する組成物を含む。いずれのタイプのホットメルト接着剤配合物も、その処理工程中に高分子フィルムによって包装または取り囲むことができる。また、高分子フィルムについて、所望される溶融エンタルピーおよび/または所望される破断時の伸び値は、一部結晶エチレン基体のポリマーの適量を熱可塑性エラストマーブロックコポリマーおよび/またはエチレン基体またはプロピレン基体のエラストマーとともにブレンドすることによって得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その材料を取り囲むためのフィルムを使用して有限寸法および形状を有するプラスチック材料を包装するための方法に関し、さらに詳しくは、同時押出法を使用してホットメルト接着剤を包装するための方法、それによって形成される結果としての包装およびそれに使用されるフィルム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ホットメルト接着剤は、室温で実質的に固体であるが、溶融または流動性状態で使用される。典型的には、ホットメルト接着剤は、固体のブロック、ピロー(pillows)またはペレットの形で供給される。しかし、ホットメルト感圧接着剤[hot melt pressure sensitive adhesive(HMPSA)]またはその他のプラスチック材料は、典型的には、室温で粘着性および/または軟質であるので、HMPSAの取扱いおよび包装に伴う問題が存在する。HMPSAは、それが提供される形にかかわらず、手、機械的取扱い装置に対しておよびそれ自体に対して粘着または付着するのみならず、それは、また、泥およびその他の汚染物を付着する。また、HMPSAおよび/またはその他の低軟化点プラスチック材料の個々の部分は、互いに流動または単一の固体塊に粘着しやすく、このような材料を取扱いおよび/または包装困難とする。その結果、積荷および/または貯蔵の間の封じ込めは、HMPSA;その他の軟質接着剤;または、いずれかの種類のプラスチック材料、例えば、粘着性および/または軟質ポリマーを供給するにあたり重要な問題である。
【0003】
この厄介な困難に取り組むために、当業者は、包装技術、例えば、接着剤組成物を堅固な容器、例として、55ガロンのドラム、もしくは、シリコーン塗被した段ボール箱またはパーティクルボード箱;または、典型的には、高密度ポリエチレンから製造されるシリコーン塗被したポリマー基体のトレーを発明してきた。これらの解決策は、上記した問題を解決するものの、工業的な環境および使用によっては、それらの有用性とは裏腹な、重複したさらなる困難およびその他の欠点を生ずる。例えば、ホットメルト接着剤組成物を積荷するさらに慣用的な方法は、包装材料のコストおよび廃棄に関連する問題を発生する。これに関して、ホットメルト接着剤組成物の幾つかのタイプを積荷するために使用されるシリコーン塗被したポリマー基体のトレーは、購入するのが比較的高価であり、シリコーン塗膜の存在が、リサイクル可能でない場合に、このような容器を非常にコスト高とする。したがって、これらのトレーまたはその他の同様の容器は、多くの場合、埋立地に収集および廃棄されるだけであり、それによって、厄介な汚染源を生み出す。さらに、これらのシリコーン塗被された容器は、ある種の環境条件下で、接着剤をこれらの容器から取り出すために、大きな物理的力を加える必要があり、接着剤を取扱い困難および不便とする。
【0004】
上記した欠点に答えるべく、幾つかの製造業者は、容易にリサイクル可能であるかあるいは続いての接着剤の積荷に戻し再使用可能である合成トレーを製造することを試みている。リサイクル可能な容器は、それらが比較的単純で魅力的あるにもかかわらず、商業的な魅力が明白に欠如しているので、業界で、広範には、採用されていない。さらに詳しくは、新規でかつさらに容易にリサイクル可能なトレーの開発は、副生物として製造されるものの、設備の一新およびその他の製造コストがかかるので、幾つかの点で実際的ではなく、上記した欠点に対する答えとして、この解決策は、採用することができない。さらに、再使用可能な容器は、概して、より粘着性のゲージ材料(gauge material)から製造して、それらが多数回使用に耐えるような、容器の耐久性の尺度とされる。その結果、このような容器のユニット当りのコストは、通常、使い捨て可能な容器よりも著しく高くなる。また、再使用のために製造者に使用済みの容器またはトレーを収集および戻すのにかかるコストは、さらに、この提案された解決策を極めて高価なものとし、したがって、商業的に許容不能とする。
【0005】
HMPSA様のプラスチック材料を包装するために、多くのその他の異なるアプローチが試みられている。1つのアプローチは、互いに、溶融可能であり、かつ、使用直前にそれ自体を溶融した接着剤組成物にブレンド可能な包装材料を使用することも1つのアプローチである。
【0006】
1つのこのような方法にて、溶融させた接着剤は、チューブ形状に形成したフィルムに直接入れ、ついで、個々の包装された接着剤ユニットは、チューブを絞り、シールし、カットすることによって形成される。このような方法は、“製袋充填”プロセス(form fill and seal process)と称されることもある。例えば、U.S.特許5,373,682は、そのフィルムの外部表面に冷却水を噴霧しつつ、プラスチックフィルムのシリンダー形状のチューブに溶融させた接着剤を押出す方法を記載している。生ずる“カートリッジ”と称される個々の包装は、接着剤が凝固するまで、冷却される。このタイプのカートリッジを製造するもう1つの方法は、U.S.特許5,392,592に示されている。
【0007】
U.S.特許6,430,898では、ホットメルト接着剤を取り囲むために、低コンプレックス粘度フィルム材料が使用されている。フィルム材料は、エチレン/α-オレフィンインターポリマー(狭い意味での共重合体)によって構成され、このインターポリマーは、エチレンおよび少なくとも1つのC3-C20α-オレフィンのメタロセンまたは単一部位触媒インターポリマーである。
【0008】
Rouer et al.は、U.S.特許5,527,491およびU.S.再発行特許36,177にて、感圧接着剤を囲み、接着剤とともに溶融可能な包装を設計することによって、常温流動感圧ホットメルト接着剤を積荷する問題に取り組んでいる。この例にて、包装は、加熱機械装置の熱に暴露される時に溶融するだろうポリマー基体のフィルムである。
【0009】
PCT出願WO 02/061009およびWO 04/037671にて、包装フィルムとして、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)コポリマー、エチレンメチルアクリレート(EMA)コポリマー、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレンコポリマーまたはそれらの組み合わせのような(100℃未満の)低融点ポリマーを使用する時に、低温接着剤作用が達成されうることが特許請求されている。
【0010】
なおもう1つのアプローチは、最初に、接着剤を有限寸法および形状に形成し、ついで、その接着剤をプラスチックフィルムでラップすることである。例えば、U.S.特許6,230,890は、接着剤の素材を最初に冷却し、その後に高分子収縮ラップフィルムに包装する方法を記載している。
【0011】
方法によっては、接着剤素材は、最初に型に押し込まれ、ついで包装される。例えば、Rizzieriに対するU.S.特許5,806,285は、接着剤を型に注型して、塊を形成する方法を教示している。型は、それに形成された複数の穴を有し、型の内表面に真空熱成形される熱可塑性材料の薄膜で裏打ちされる。型を接着剤で満たした後、開放頂部表面を型の内側に裏打ちされたフィルムに加熱シールされる熱可塑性材料の薄膜で覆う。さて、フィルムにより取り囲まれた接着剤を内包する型をついで空冷した後、包装された接着剤を型から取り出す。
【0012】
型を使用するもう1つの方法は、Hatfield et alに対するU.S.特許No. 5,401,455に教示されている。Hatfield et alの特許は、冷媒ガスまたは液体冷却用放熱子と接触するその外表面を有するフィルム材料で裏打ちされた皿の形の型を使用して、ホットメルト接着剤組成物を包装するための方法を記載している。Hatfield et alは、溶融させたホットメルト接着剤を裏打ちされた皿に注ぐ時に、その接着剤をある程度フィルムで溶融させる方法を教示している。Hatfield et alに従えば、これにより、フィルムの接着剤とのその後の混合が改善される。
【0013】
型を使用するなおもう1つの方法は、Taylor et alに対するUS特許No. 5,715,654に開示されている。この方法にて、Taylor et alは、硬質の型内に真空形成された熱可塑性フィルムでその硬質の型を裏打ちする方法を教示している。
【0014】
なおもう1つの方法は、U.S.特許4,039,485に記載されており、ホットメルト接着剤を取り囲む鞘または塗膜を同時押出する方法であり、同時押出された鞘材料がポリエチレンであってもよい方法に関する。
【0015】
ホットメルト接着剤を包装するための種々のその他の方法は、U.S.特許 5,373,682;5,401,455;6,155,029;6,138,441;5,669,207;および、5,942,082に示されている。
上記引用した全ての参考文献にて、HMPSAまたはその他のプラスチック材料を包装するために使用される材料は、高分子量ポリマー、改質高分子量ポリマー、または、高分子量ポリマーの組み合わせである。典型的な例は、高分子量エチレンビニルアセテート(EVA)コポリマー、もしくは、高分子量エチレン-アクリレートコポリマー、または、高分子量低密度ポリエチレン、あるいは、エチレンの高分子量メタロセンもしくは単一部位またはZiegler-Nattaコポリマーである。これらの材料は、それらの意図した目的になにがしか有効であると思われるものの、それらは、また、それらの有用性とはかけはなれた直ちに明らかな欠点を有する。これらの組成物は、高分子材料の高粘度ゆえに、一度溶融されると、ある種の製造条件下で、その中に囲まれたホットメルト接着剤と均質に混合しないという傾向を有する。その結果、これらの高分子材料は、接着剤からの相分離をもたらし、したがって、架橋されるかまたはゲル化された粒子またはチャーの塊を形成し、それが慣用的な製造機械装置にてフィルターおよびノズルを目詰まりしかねない。さらに、経験によると、これら上記特定した高分子量組成物を数重量パーセント典型的なホットメルトまたは感圧接着剤組成物に添加させると、ホットメルト接着剤の種々の標的物質との有効な接着を形成する能力に悪影響を有することが知られている。上記引用した参考文献のいずれも、この種の欠陥を防止するためのフィルムまたは塗被組成物の配合の仕方を教示していない。
【0016】
上記欠点を理解すると、互いにさらに容易に溶融可能および/またはさらに容易に使用直前にそれら自体を溶融させた接着剤組成物にブレンド可能なフィルムまたは塗被組成物を配合することによって、感圧ホットメルト接着剤を包装しうることもまた示唆される。以下は、この取り組みの若干の例を示す。
【0017】
EP 0957029には、熱可塑性材料のチューブを押出し、規則的な間隔で詰められた同時押出された溶融フィルムで取り囲む同時押出システムが記載されている。同時押出される外側のフィルムは、単に、“非接着性”とのみ記載されているものの、そのフィルム組成物は、1重量%〜5重量%の接着剤製品を含有しうるともまた記載されている。
【0018】
この取り組みのもう1つの例は、U.S.特許 5,865,927に見ることができ、そこでは、包装プロセスは、 a) ダイを介してホットメルト接着剤を押出し、 b) 押出された接着剤の表面に、それと再溶融された時に接着剤組成物の特性を損なわないであろうように選択される溶融されたフィルム形成高分子材料を噴霧し、 c) フィルム形成ポリマーを再溶融するのに十分な温度および時間、塗被された接着剤の表面を加熱して、その接着剤を溶融するのになお不十分なその連続塗被組成物を形成し、 d) かくして塗被された接着剤の素材を取扱いに適した温度まで冷却する工程を含む。'927特許に記載されたフィルム組成物は、EVAコポリマーもしくはSEBSブロックコポリマー、芳香族炭化水素樹脂、パラフィンワックス、および、抗酸化剤/安定剤を使用する。
【0019】
もう1つの例は、U.S.特許 5,112,52および5,292,468に記載されており、そこでは、ホットメルト接着剤組成物は、裏打ちされた皿の形の型に注がれる。裏打ちは、型の内部表面上に噴霧される。使用されるフィルム組成物の例としては、EVAコポリマー;、ポリエチレンコポリマー;パラフィンワックス;ワックス形態の抗酸化剤;エチレン無水マレイン酸;エチレンアクリル酸;および、天然ゴムが挙げられる。
【0020】
EP 057573は、常温流動性ホットメルト接着剤組成物用の包装組成物を開示している。包装組成物は、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、芳香族炭化水素樹脂、鉱油、ワックスおよび抗酸化剤/安定剤のブレンドを含有する。
【0021】
U.S.特許4,748,796および4,755,245は、型またはキャビティを粉末スクリーンで静電塗装し、ついで、溶融されたホットメルト接着剤を型に注ぐことによる接着剤用の保護塗膜を形成する方法を開示している。粉末材料は、ワックス製、ポリマー製、ホットメルト配合物製と記載されているだけで、さらに詳しい配合物は、記載されていない。
【0022】
その他の取り組みは、U.S.特許 6,120,899におけるように、ペレット塗被に係り、そこでは、ホットメルト組成物は、ペレットを塗被するために使用することができる。ホットメルト組成物は、ポリマー、粘着付与樹脂および少量のワックスを含有すると記載されている。U.S.特許6,238,738にて、10重量%未満のワックスを含有するペレット化助剤が接着剤ペレットを塗被するために使用されている。また、U.S.特許 5,041251におけるように、軟質または粘着性のプラスチック製品のペレットを形成する数種の水中ペレット化プロセスは、粘着防止剤を含有する液体エマルジョンにペレットを押出することによって塗被するか、または、押出したペレットの表面に塗被してからペレットを固体粒子として乾燥させる粘着防止剤を使用する。粘着防止剤は、通例、無機粉末もしくはミクロ化したワックス粉末またはミクロ化したポリマー粉末である。
【0023】
幾つかの包装プロセスにて、包装される粘着性または軟質プラスチック材料の断片の形にかかわらず、その材料は、ワックスで、または、低分子量のエチレン基体のポリマーで塗被される。U.S.特許5,942,304および5,733,645にて、ポリエチレンワックスは、軟質および粘着性の材料の切れやすさ(cuttability)を改善するために使用される。これらの条件下で塗膜を形成するために使用される材料は、しかし、典型的には、接着剤または軟質プラスチック材料断片の表面全体を実質的に取り囲む連続フィルムに形成することができない。
【0024】
上記引用した参考文献にて、より低分子量のフィルム組成物を使用するかまたはワックスを含むフィルム材料を使用するいずれかの利点が認められる場合、それらの有用性を損なう明らかな欠点が存在する。第1に、ワックスまたはワックス基体の材料は、亀裂および/または破断を生ずることなく、それらを実質的に延伸、折り重ね、締め付けることができないので、連続フィルムに形成したりおよび/または包装フィルムとして使用するには、通常、脆すぎ、包装の内部からの接着剤または軟質もしくは粘着性の製品の漏れを招くであろう。この亀裂および/または破断の挙動は、また、固有の常温流れ、貯蔵または積荷の間の接着剤またはプラスチック材料の続いての変形によって生ずることもある。
【0025】
さらに、上記列挙した参考文献に保護フィルムと記載されているワックスまたは低分子量配合物を含有する化合物のいずれも、直射日光天候条件が、ほぼ40℃〜50℃、さらに、数時間の間にピーク温度が約60℃に達するトラック上、列車上または船舶内のコンテナ内の段積み圧力下で体験されるような苛酷な積荷および貯蔵条件に耐えうることができないであろう。これらの条件で、熱可塑性フィルムは、包装された材料内の低分子量配合物の存在により、典型的には、より柔軟となり、結局、溶融し、非常に粘着性となるかまたは漸次可塑化する傾向を有するであろう。これは、包装されたプラスチック材料を適切に取扱いかつ使用するために回避する必要のある共通の欠陥、特に、接着剤工業における欠陥である。当技術分野でより低分子量のフィルムまたは塗被組成物を示すいずれの参考文献も、以降に記載するような60℃で3日よりも長い期間暴露された3ミル厚さのフィルムについての移行性(migration)試験にいかに耐えうるかを教示していない。
【0026】
したがって、感圧性、常温流動性ホットメルト接着剤組成物または粘着性もしくは軟質プラスチック材料を囲むための包装が改善されることが望ましいことは以前から公知であった。フィルム材料は、慣用的な包装技術を使用する結果生ずる必然的な廃棄物を少なくするように操作可能であることが有益であり、それにより、慣用的な接着剤塗被機械装置との組み合わせでそれを使用する時に生じかねない厄介な目詰まりまたはその他の有害な効果を低下させ、実質的になくすことができる。さらに、包装フィルムは、ホットメルト接着剤組成物の所望される基板上への効果的な接着を形成する能力に実質的な効果を有せず、高温貯蔵および積荷温度で同フィルムに粘着しない必要がある。包装フィルムは、また、製造および販売が安価である必要があり、さらに、その使用容易性を特徴とする必要がある。
【発明の開示】
【0027】
発明の概要
本発明は、プラスチック材料を取り囲むためにワックス基体の高分子フィルムを使用するホットメルト接着剤様のプラスチック材料を包装するための方法;それによって形成される結果としての包装;および、それに使用されるフィルム組成物を提供する。プラスチック材料を包装するための方法であれば、いずれの方法であっても、潜在的に、プラスチック材料の周りにフィルムを形成または塗被するために使用することができる。包装フィルムは、好ましくは、常温流動性感圧ホットメルト接着剤組成物を取り囲むかまたは囲むために使用することができるが、その他のプラスチック組成物を包装するために容易に適合可能である。また、包装フィルムは、同時押出法に特に適合するが、プラスチック材料、特に、ホットメルト感圧接着剤組成物を取り囲むかまたは包装するために、フィルムを使用するいずれの方法にも容易に適合可能である。
【0028】
本発明に従えば、材料のプラスチック素材を包装するための方法であって、有限寸法および形状を有するプラスチック素材を用意し;そのプラスチック素材をワックス基体の高分子フィルムで取り囲む;各工程を含む方法が提供される。本発明の方法についての好ましい実施態様に従えば、材料、好ましくは、ホットメルト接着剤のプラスチック素材を包装するための方法であって、ダイオリフィスを介して、材料、好ましくは、ホットメルト接着剤のプラスチック素材を押出し;高分子フィルムを同時押出して、プラスチック素材、好ましくは、ホットメルト接着剤を取り囲む;各工程を含む方法が提供される。ワックス基体の高分子フィルムは、ワックス材料少なくとも25重量%、DSCにより測定される溶融エンタルピー少なくとも約100J/gおよび2インチ/分での慣用的なフィルム引張強さにより測定される破断時の伸びの値少なくとも約100%を有する組成物を含む。いずれのタイプのプラスチック素材および/またはホットメルト接着剤配合物も、高分子フィルムによって、包装または取り囲むことができる。また、所望される個々の溶融エンタルピーおよび/または所望される破断時の伸びの値は、一部結晶エチレン基体のポリマーの適量を熱可塑性エラストマーブロックコポリマーおよび/またはエチレン基体のエラストマーと互いにブレンドすることによって、調節および/または得ることができる。
【0029】
使用される高分子フィルム組成物は、好ましくは、ワックス材料少なくとも約25重量%;190℃でのメルトフローインデックス0.05g/10分〜800g/10分およびDSC融点40℃〜130℃を有するホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたはインターポリマーを含む一部結晶エチレン基体のポリマー約5重量%〜約65重量%;構造A-B、A-B-A、A-(B-A)n-Bまたは(A-B)n-Y[ここで、Aは、80℃より高いTgを有するポリビニル芳香族ブロックを含み、Bは、-10℃より低いTgを有するゴム状のミッドブロックを含み、Yは、多価化合物を含み、nは、少なくとも3の整数である]を有する熱可塑性エラストマーブロックコポリマー約0重量%〜40重量%;-10℃より低いTgを有するコポリマーまたはターポリマーを含むエチレン基体および/またはプロピレン基体のエラストマー約0重量%〜約25重量%を含み;一部結晶エチレン基体のポリマー、熱可塑性エラストマーブロックコポリマーおよびエチレン基体および/またはプロピレン基体のエラストマーが、合計フィルム組成物の約30%以上を占め;かつ、フィルム組成物が、溶融エンタルピー少なくとも約100J/gおよび破断時の伸びの値少なくとも約100%を有する。ワックス材料および一部結晶エチレン基体のポリマーをある量の熱可塑性エラストマーブロックコポリマーおよびエラストマーと互いに組み合わせると、フィルム組成物に、所望されるレベルの粘度、柔軟性、耐熱性、移行抵抗性、および、接着剤配合物との相溶性を与え、なお、所望される適用特性および接着性能を与えることを可能とする。
【0030】
本発明は、また、プラスチック製品包装、好ましくは、ホットメルト接着剤包装を提供する。包装は、有限な寸法および形状、例えば、ピロー(pillow)、ペレットまたはシリンダー形状を有するプラスチック素材、例えば、ホットメルト接着剤素材と;プラスチック素材またはホットメルト接着剤素材を取り囲む上記定義したようなワックス基体の組成を有する高分子フィルムとを含む。好ましくは、高分子フィルムは、厚さ10ミクロン〜1,000ミクロンを有する。
【0031】
本発明の高分子フィルム組成物の利点は、それを使用して、事実上全てのタイプの材料、例えば、プラスチック組成物、特に、感圧ホットメルト接着剤を包装することができることである。もう1つの利点は、高分子フィルム組成物がプラスチック材料、特に、その材料がホットメルト接着剤組成物である時に、製造プロセスの間に、そのプラスチック材料と溶融および組み合わせることができ、それによって、全ての廃棄包装問題がなくなることである。さらなる利点は、本発明の包装フィルムが、製造使用プロセスの間の融点でホットメルト組成物と合わさる時に、接着組成物それ自体と実質的に相溶性であり、したがって、ホットメルト接着剤組成物の物理的、または、性能特性にいずれの実質的な有害な効果をも有せず、ホットメルト塗被装置の作動に実質的に悪影響を与えないことである。本フィルム組成物のもう1つの重要な利点は、それが取り囲む接着剤および/またはプラスチック素材からまたはそれが接触しうるあらゆる外部源から低分子量配合物のそれを介しての移行に実質的に抵抗性であり、したがって、環境条件、典型的には、104°F、122°Fまたは140°Fに数時間〜約7日間以上暴露する時に、実質的に非粘着性となる包装を生ずることである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
発明の詳細な説明
本発明の高分子ワックス基体のフィルム組成物は、ほとんど全てのタイプのプラスチック材料(本明細書にて、“プラスチック素材”と称することも多い)、特に、周囲温度60°Fで軟質、柔軟および/または粘着性である組成物および化合物、とりわけ、ポリマーを包装するために使用することができる。例として、本明細書に開示するポリマーフィルム組成物は、熱可塑性組成物を包装するために使用することができ、ポリマー、コポリマー、ターポリマーおよびインターポリマー、ブロックコポリマー、エラストマー、ポリオレフィン、ポリウレタン、スチレン、アクリル、ビニルアセテートおよびポリビニルアルコール;または、それらの組み合わせから調製されるホットメルト接着剤を包装することを意図する。さらに詳細な例としては、 (1) ゴムポリマー、例えば、モノビニル芳香族炭化水素および共役ジエンのブロックコポリマー、例として、スチレン-ブタジエン(SB)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)およびスチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS); (2) エチレン-ビニルアセテートポリマー、エチレンエステルおよびコポリマー、例として、エチレンメタクリレート、エチレンn-ブチルアクリレートおよびエチレンアクリル酸; (3) ポリオレフィン、例として、ポリエチレンおよびポリプロピレン; (4) ポリビニルアセテートおよびそのランダムコポリマー; (5) ポリアクリレート; (6) ポリアミド; (7) ポリエステル; (8) ポリビニルアルコールおよびそのコポリマー; (9) ポリウレタン; (10) ポリスチレン; (11) ポリエポキシド; (12) ビニルモノマーとポリアルキレンオキシドポリマーとのグラフトコポリマー;および、 (13) 樹脂を含有するアルデヒド、例えば、フェノール-アルデヒド、尿素-アルデヒド、メラミン-アルデヒド等から調製されるホットメルト接着剤が挙げられる。高分子ワックス基体のフィルム組成物は、しかし、ホットメルト接着剤様の熱可塑性組成物を包装することに限定されず、“プラスチック”という用語は、範囲にてはるかに広い意味を意図する。プラスチック材料、例えば、ホットメルト接着剤組成物のさらに完全なる列挙は、本明細書の以降にて示す。
【0033】
高分子フィルム組成物は、フィルムがプラスチック材料、特に、軟質、柔軟および/または粘着性の材料、例えば、ホットメルト組成物、詳しくは、ホットメルト接着剤組成物を取り囲んでいるほとんど全ての包装で使用することができる。かくして、本発明の高分子フィルム組成物は、押出、同時押出、トレー、型および成形、充填およびシール技術、噴霧塗装によるか、または、従来技術に記載したようないずれかの特殊の技術によって包装されるプラスチック材料で使用することができる。事実、本明細書に記載する高分子フィルム組成物は、ハンドラップ法(hand-wrapping prosesses)でさえ使用することができる。かくして、本明細書に記載する高分子フィルムは、例えば、同時押出プロセスにおけるように、プラスチック材料と同時に成形することができるか、または、それは、別個に、ロール成形で成形することができ、後で、例えば、トレー、型または成形、充填およびシール技術におけるように、プラスチック材料を包装するために使用することができる。後者の状況にて、フィルム材料は、(例えば、押出により)フィルムに成形し、ロールし、貯蔵し、積荷し、ついで、巻き戻すことなく、プラスチック材料を包装することができる。
【0034】
本明細書で使用する場合、“プラスチック材料”または“プラスチック素材”という用語は、それを加熱するかまたは加熱せずとも流動性であり、種々の形状に成形、注型、絞り、または、プレスすることのできる全ての天然または合成物質、化合物または組成物を示すことを意図する。かくして、“プラスチック材料”または“プラスチック素材”という用語は、軟質かつ柔軟な物質、熱可塑性組成物および熱可塑性化合物(例えば、熱可塑性ポリマー)、熱硬化性組成物および熱硬化性化合物例えば、熱硬化性ポリマー)、ホットメルト組成物およびホットメルト化合物(例えば、ホットメルトに使用されるポリマー)、および、ホットメルト接着剤組成物およびホットメルト接着剤化合物(例えば、ホットメルト接着剤に使用されるポリマー)、ならびに、上記物質のブレンドを包含するが、これらに限定されるものではない。かくして、“プラスチック素材”および“プラスチック材料”という用語は、“プラスチックス”という用語が物質の混合物(すなわち、組成物)を示すために典型的に使用されるような“プラスチックス”と称されるものよりも広いことを意図することに注意する必要があり、その1つの例は、1つの加工工程で繊維、シートまたは中実に成形するかまたは型に注型し、続いて、もう1つの工程でさらに硬質となりうる天然または合成のポリマーである。
【0035】
本明細書で使用する場合、“熱可塑性組成物”という用語は、その1つ以上の成分として熱可塑性化合物を使用し、軟化特性を有する2つ以上の成分を組み合わせることによって成形され、加熱する時に成形可能となり、冷却する時に硬化して比較的さらに硬質となるが、硬度(degree of rigidity and hardness)が広範に変化しうる全ての凝集物、混合物、素材または物体を称す。熱可塑性化合物は、加熱した時に軟質および成形可能となるか軟質および成形可能なままであり、冷却した時に硬質となり再度比較的さらに硬質となるが、硬度が広範に変化しうるいずれの材料であってもよい。熱可塑性化合物の典型的な例としては、全ての可塑剤、ポリマー、プレポリマー、ターポリマー、インターポリマー(狭い意味での共重合体)、最終使用製品に変換されるかまたは添加されるモノマーまたはオリゴマー、または、合成または化学プロセス用の原料が挙げられる。典型的な熱可塑性配合物としては、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、アセチル、アクリル、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライドおよびテトラフルオロエチレンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。“熱硬化性組成物”という用語は、その1つ以上の成分として熱硬化性の配合物を使用し、加熱または硬化させた時に永久的に硬質となる特性を有する2つ以上の成分を組み合わせることによって形成される全ての凝集物、混合物、素材または物体を称す。熱硬化性配合物は、加熱または硬化させた時に永久的に硬質および成形可能となる全ての材料である。典型的な熱硬化性配合物としては、アルキッド、アリリック、エポキシ、メラミン、尿素、フェノール、ポリエステル、シリコーンおよびウレタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。“ホットメルト組成物”という用語は、2つ以上の成分を組み合わせ、典型的には、周囲温度で固体物質として存在し、熱の直接または間接印加によって流動性液体に変換することのできる熱可塑性材料、特に、熱可塑性ポリマーを含有させることによって形成される全ての凝集物、混合物、素材または物体を称するために使用する。このようなホットメルト組成物は、典型的には、種々の慣用的な成分、例えば、可塑剤、ワックス、充填剤および安定剤/抗酸化剤と互いにブレンドされる熱可塑性ポリマーを含有する。“ホットメルト化合物”とは、ホットメルト組成物の全ての個々の成分、特に、そのポリマー成分を称す。“ホットメルト接着剤組成物”という用語は、接着性を改良し、その組成物に粘着性を導入するために、粘着性の樹脂と、さらに、配合されるホットメルト組成物を称す。このような粘着性樹脂は、当分野で周知であり、本明細書中、以降で、さらに記載しよう。“ホットメルト接着剤配合物”とは、ホットメルト接着剤組成物の全ての個々の成分、特に、そのポリマーまたは樹脂成分を称す。熱可塑性組成物、熱硬化性組成物、ホットメルト組成物およびホットメルト接着剤組成物は、種々の品物の製造に有用である。例えば、ホットメルト接着剤は、基材の接着が必要とされることの多い使い捨て不織布製品、例えば、使い捨ておむつ、ホスピタルパッド(hospital pads)、衛生ナプキン、パンティーシールド、外科用滅菌布(surgical drapes)および成人用失禁ブリーフの製造に特に有用である。その他の多様な用途としては、紙製品、包装材料、テープおよびラベルが挙げられる。これらの用途にて、ホットメルト接着剤は、その溶融した状態に加熱され、ついで、基材に塗被される。積層品が所望される場合、第2の基材を第1の基材に接触させて積層品を形成する。ホットメルト接着剤の大きな利点は、水または溶剤基体の接着剤の場合のように液体キャリヤーを必要としないことであり、それによって、液体キャリヤー除去に伴うコストのかかる工程を省くことができる点である。
【0036】
本発明の高分子フィルム組成物は、ほとんど全ての包装プロセスで使用することができるが、同時押出プロセスが特に適合している。同時押出プロセスにて、包装されるプラスチック材料は、概して、ミキサー内で溶融ブレンドされ、ついで、なお材料の軟化点より高いかまたは非常に近い温度のまま、ダイ内の適当な寸法のオリフィスを介して絞り出すかまたは押出される。オリフィスおよびダイは、いずれの慣用的な形状であってもよく、概して、それがオリフィスを介して押出されるにつれて、プラスチック材料にスロット状またはシリンダー状のいずれかの形状を与えるような形状である。ダイの温度は、プラスチック材料の融点よりも十分に高く維持する必要があり、典型的には、100℃〜215℃の範囲である。同時押出にて、上記特定した本発明の高分子ワックス基体のフィルム材料は、ついで、ダイから同時に押出されて、包装されるプラスチック材料を取り囲み、かくして、包装される材料を囲む鞘または包装材料を形成する。同時押出技術は、当分野で周知であり、同時押出プロセス用に適した装置は、例えば、EP 0957029に、U.S.特許 5,527,491に、U.S.再発行特許RE 36,177に、および、U.S.特許 5,942,304に記載されている。周知であるように、押出される材料は、高温であるので、同時押出プロセスは、典型的には、水面下で生じ、その材料を取り囲むプラスチック材料およびフィルムは、ダイから押出された直後に冷却し始める。その後、高分子フィルムによって覆われたプラスチック材料は、水浴中または冷媒中、例えば、冷却したグリコール、液体またはガス状の窒素、圧縮された二酸化炭素等の中または周囲条件下のいずれかで冷却され、包装されたプラスチック素材は、処理するために十分に冷却される。塗被された押出物は、ついで、慣用的な装置、例えば、ローラーを使用して、(なお高温である時または所望される温度まで冷却した後)、機械的に充填して、所望される寸法、形状、重量および/または部分を有するユニットとし、続いて、必要な場合には、シールされる。シールは、ユニットの寸法、形状、重量および/または部分に応じてヘルメットシールまたは機械的シールすることができるが、とにかく、取扱い、貯蔵または積荷の間に、プラスチック材料の漏れを防ぐのに十分である必要がある。最後に、プラスチック材料の塗被されたユニット塊は、慣用的な装置、例えば、水ジャケット、レーザーまたはホットナイフを使用して、いずれかの慣用的な手段によるかまたは機械的に切断されて、個々の包装されたユニットとすることができる。
【0037】
生ずる包装されたプラスチック素材は、さらに、容器またはバッグ内で包装されて、必要とされるかまたは所望される場合に、その環境、湿度またはその他の汚染物への暴露を低減する。容器またはバッグは、本発明の高分子ワックス基体のフィルム組成物製であってもよく、または、その他のフィルム組成物製であってもよいが、このような容器またはバッグは、その他のフィルム組成物製である場合、特に、個々の包装されたプラスチックユニットが溶融タンク内で使用することを意図したホットメルト接着剤組成物を内包する場合に、慣用的な処理によって取り除いてから、その中に内包された個々の塗被されたプラスチックユニットを使用する必要がある。対照的に、本発明の高分子ワックス基体のフィルム組成物製である場合、その容器またはバッグは、溶融された接着剤それ自体と互いに溶融可能であり、また、塗被直前に溶融された接着剤それ自体にブレンド可能である。
【0038】
本明細書に記載する高分子ワックス基体のフィルム材料は、いずれかの所望される寸法、形状、重量および/または部分を有するプラスチック材料または素材、例えば、熱可塑性組成物、熱硬化性組成物、ホットメルト組成物またはホットメルト接着剤組成物で使用することができ、包装されたユニットを提供する。かくして、包装されたユニットは、レンガ状の塊、ブロック、ピロー、カートリッジ、ペレット、シリンダー、リボン等の形であってもよい。また、本発明の高分子フィルムは、それを取り囲むプラスチック材料と相溶性であることが好ましいが、それは、絶対的に必要とされるものではない。典型的には、しかし、高分子フィルム組成物は、プラスチック素材と高分子フィルム材料との溶融された混合物の固有の特性と適合性であり、かつ、その固有の特性に実質的に悪影響を及ぼさない物理的特性を有する必要があり、さらに、高分子フィルム材料は、それが取り囲んで混合物を形成するプラスチック素材と互いに溶融される時に、加熱装置の動作と実質的に適合性である。プラスチック素材がホットメルト接着剤組成物である時、高分子フィルムは、接着剤の特性に実質的に悪影響を及ぼしてはならない。しかし、ある種の用途にて、使用前に包装されたプラスチック素材の包装を単に解くのが望ましいかもしれず、その場合、高分子フィルムの包装は、所望される場合、廃棄されうることができる。通常、しかし、高分子フィルム組成物は、配合して、それが包装するプラスチック材料と適合性である必要があり、高分子フィルムとプラスチック材料とは、加熱装置の動作と適合性であり、材料の固有(特に、接着剤)特性に悪影響を及ぼさない溶融混合物で、互いにブレンド可能であるのがよい。
【0039】
表皮材料として使用される高分子フィルムは、いずれかの所望される顔料を使用して着色することができ、もしくは、いずれかの公知の印刷技術を使用して印刷することができ、または、概して、それと相溶性であるその中のいずれかの有用な成分とも配合することができる。
【0040】
ホットメルト接着剤
本発明の方法および高分子フィルム組成物は、ほとんど全てのタイプのプラスチック材料、特に、熱可塑性組成物、熱硬化性組成物、ホットメルト組成物および/またはホットメルト接着剤組成物の包装に適合可能である。それは、ホットメルト接着剤、詳しくは、取扱い問題が極めて厳格なホットメルト感圧接着剤の包装に適合している。周知のように、ホットメルト接着剤は、種々の相溶性の成分のブレンドを含み、典型的には、ポリマーおよび/またはコポリマー、粘着樹脂、可塑剤、充填剤、ワックスおよび抗酸化剤のブレンドを含む。典型的な配合物の例は、U.S.特許 5,149,741およびU.S. 再発行特許RE 36,177に見ることができる。
【0041】
多種多様ないずれの周知でかつ容易に使用可能な熱硬化性材料も、ポリマー、コポリマーとして、または、接着剤組成物中のポリマーおよび/またはコポリマーのブレンドにて使用することができる。このような材料の例としては、ポリアクリレート;ポリエステル;ポリウレタン;ポリエポキシド;1つ以上のビニルモノマーおよびポリアルキレンオキシドポリマーのグラフトコポリマー、樹脂を含有するアルデヒド、例えば、フェノール-アルデヒド、尿素-アルデヒド、メラミン-アルデヒド等;およびポリアミドが挙げられる。
【0042】
多種多様ないずれの周知でかつ容易に使用可能な熱可塑性材料も、ポリマー、コポリマーとして、または、接着剤組成物中のポリマーおよび/またはコポリマーのブレンドにて使用することができる。このような材料の例としては、エチレン基体のポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート、エチレンアクリレート、エチレンメタクリレート、エチレンメチルアクリレート、エチレンメチルメタクリレート、エチレン-スチレンインターポリマー(ESI)、エチレンアクリル酸、エチレンビニルアセテートカーボンモノキサイドおよびエチレンN-ブチルアクリレートカーボンモノキサイド;ポリブテン-1ポリマー;ポリオレフィン、例えば、高および低密度ポリエチレン;ポリエチレンブレンドおよび化学的に改質されたポリエチレン、エチレンとC1-C6一または二飽和モノマーとのコポリマー;ポリアミド;ポリブタジエンゴム;ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート;熱可塑性ポリカーボネート;アタクチックポリアルファーオレフィン、例えば、アタクチックポリプロピレン、ポリビニルメチルエーテルおよびその他;熱可塑性ポリアクリルアミド、例えば、ポリアクリロニトリル;および、アクリロニトリルとその他のモノマーとのコポリマー、例えば、ブタジエンスチレン;ポリメチルペンテン;ポリフェニレンスルフィド;芳香族ポリウレタン;ポリビニルアルコールおよびそのコポリマー;ポリビニルアセテートおよびその他のランダムコポリマー;スチレン-アクリロニトル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンエラストマー;A-B、A-B-A、A-(B-A)n-Bまたは(A-B)n-Yブロックコポリマー[ここで、Aブロックは、ポリビニル芳香族ブロック、例えば、ポリスチレンを含み、Bブロックは、ポリイソプレン、場合によっては、水素化された、例えば、ポリブタジエンであってもよいゴム状のミッドブロックを含み、Yは、多価化合物を含み、nは、少なくとも3の整数である];および、前記物質の混合物が挙げられる。これらのうち、ブロックコポリマーの例は、コポリマー、例えば、スチレン-ブタジエン、エチレン-ブタジエン-スチレン、スチレン-イソプレン-スチレン、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンおよびスチレン-エチレン-プロピレン-スチレンである。
【0043】
ポリマーの合計スチレン含有量は、ポリマーのほぼ51重量%であるものの、ポリマーは、最適性能に対して2つより多いAブロックを有することができるので、合計Aブロックは、ポリマーの約45重量%以下である必要があり、最も好ましくは、ポリマーの35重量%以下である。S-B-S(スチレン-ブタジエン-スチレン)コポリマーにて、好ましい分子量は、約50,000〜120,000であり、好ましいスチレン含有量は、約20重量%〜45重量%である。S-IS-(スチレン-イソプレン-スチレン)コポリマーにて、好ましい分子量は、約100,000〜200,000であり、好ましいスチレン含有量は、約14重量%〜35重量%である。ブタジエンミッドブロックを水素化すると、ゴム状のミッドブロックを生じ、これは、典型的には、エチレン-ブチレンミッドブロックに変換される。
【0044】
このようなブロックコポリマーは、Kraton Polymers, Enichem, Atofina Elastomers and Dexoから入手可能である。マルチブロックまたはテーパー状のブロックコポリマー(A-(B-A)n-Bタイプ)は、Firestoneから入手可能である。
【0045】
使用することのできるその他のポリマーは、シンジオタクチックポリプロピレン(SPP)ポリマー;または、アイソタクチックポリプロピレンランダムコポリマー(RCP);および/または、SPPまたはRCPの非晶質アタクチックポリ-α-オレフィン(APAO)とのブレンドであり、これらは、全て、当分野で周知である。SPPポリマーは、本質的に高分子量立体特異的プロピレンホモポリマーまたはプロピレンのその他のα-オレフィンモノマー、例えば、エチレン、ブテン-1またはヘキセン-1とのコポリマーである。RCPは、式R-CH=CH2[式中、Rは、水素またはC2-C10アルキル基である]を有するα-オレフィン、好ましくは、エチレンとプロピレンとのランダムコポリマーを含む。本発明のための有用なRCPポリマーは、好ましくは、メタロセン触媒(mRCP)または単一部位触媒であり、少なくとも1.5重量%の前記α-オレフィンコモノマーを含有し、DSCにより測定した融点約145℃以下、ASTM法D-1238につきメルトフローインデックス1〜500g/10分およびASTM法D-1505につき固体密度0.880〜0.905g/ccを有するであろう。APAOポリマーは、プロピレンの本質的に非晶質低分子量ホモポリマー;または、プロピレンのエチレンおよび/またはブテンおよび/またはヘキセンとのコポリマーの族である。
【0046】
本発明の接着剤に使用される粘着樹脂は、接着性を拡張し、ポリマーの特異な接着力を改良した樹脂である。本明細書で使用する場合、“粘着樹脂”という用語は:
(a) 天然および改質ロジン、例えば、ガムロジン、木材ロジン、タル油ロジン、蒸留したロジン、水素化したロジン、二量化したロジンおよび重合したロジン;
(b) 天然および改質したロジンのグリセロールおよびペンタエリスリトールエステル、例えば、淡色木材ロジンのグリセロールエステル、水素化したロジンのグリセロールエステル、重合したロジンのグリセロールエステル、淡色木材ロジンのペンタエリスリトールエステル、水素化したロジンのペンタエリスリトールエステル、タル油ロジンのペンタエリスリトールエステル、および、ロジンのフェノール性改質したペンタエリスリトールエステル;
(c) ASTM法E28-58Tにより測定した軟化点約60℃〜140℃を有するポリテルペン樹脂、テルペン炭化水素の重合により概して生ずるそのポリテルペン、例えば、中程度に低い温度でFriedel-Crafts触媒の存在でピネンとして公知のモノテルペンから概して生ずるポリテルペン樹脂;また、水素化されたポリテルペン樹脂も包含される;
(d) 天然テルペンのコポリマーおよびターポリマー、例えば、スチレン/テルペン、α-メチルスチレン/テルペンおよびビニルトルエン/テルペン;
(e) フェノール性改質したテルペン樹脂、例えば、酸性媒体中、テルペンとフェノールとの縮合により生ずる樹脂製品;
(f) Ring and Ball軟化点約室温〜140℃を有する脂肪族石油炭化水素樹脂であり、主としてオレフィンおよびジオレフィンからなるモノマーの重合から生ずる樹脂;水素化された脂肪族石油炭化水素樹脂も含まれ;このタイプのC5-オレフィン画分を基体とするこのような市販入手可能な樹脂の例は、Goodyaer Tire and Rubber Companyによって販売されている“Wingtack 95”および“Wingtack 115”粘着樹脂である;
(g) 芳香族石油炭化水素およびその水素化された誘導体;
(h) 脂肪族/芳香族石油誘導された炭化水素およびその水素化された誘導体を含む。
【0047】
上記した粘着樹脂の2つ以上の混合物も若干の配合物には必要とされる。本発明について有用である市販入手可能な粘着樹脂の例としては、取引名称Escorez 5600によって市販特定される樹脂が挙げられる。この樹脂は、一部水素化された脂肪族芳香族炭化水素樹脂であり、Exxon Mobil Chemical Companyから入手可能である。
【0048】
接着剤の強さまたは接着剤の使用温度を実質的に低下させることなく所望される粘度調節を生じさせるために、可塑剤もまたその接着剤中に存在させるのがよい。適した可塑剤は、通常の熱可塑化油、例えば、鉱油のみならず、また、オレフィンオリゴマーおよび低分子量ポリマー、グリコールベンゾエート、および、植物および動物油;ならびに;このような油の誘導体をも含む群から選択することができる。使用することのできる石油誘導された油は、少量の比率のみの芳香族炭化水素を含有する比較的高沸点の材料である。この点で、芳香族炭化水素は、好ましくは、油の30重量%未満とすべきであり、さらに詳しくは、15重量%未満とすべきである。あるいは、油は、総じて、非芳香族性である。オリゴマーは、平均分子量約100〜約10,000g/molを有する、ポリプロピレン、ポリブテン、水素化されたポリイソプレン、水素化されたブタジエン等であるのがよい。適した植物および動物油としては、通常の脂肪酸およびその重合生成物のグリセロールエステルが挙げられる。その他の可塑剤は、それらが適当な相溶性を有する限り、使用することができる。Kaydolは、Cromton Corporationによって製造されているUSP等級のパラフィン性鉱油であり、また、適当な可塑剤であることが見出されている。理解されるであろうように、可塑剤は、典型的には、接着剤の強さおよび/または接着剤の使用温度を実質的に低下させることなく接着剤組成物全体の粘度を低下させるために使用することができる。可塑剤の選択は、個々の最終用途(例えば、湿式強さの心用途)のための配合物に有用でありうる。
【0049】
ワックスは、また、接着剤組成物に使用することができ、それらの接着剤接着特性をあまり低下させることなく、ホットメルト構成接着剤の溶融粘度を低下させるために使用される。これらのワックスは、また、温度性能に影響を及ぼすことなく、組成物の風乾時間を短くするためにも使用される。とりわけ、有用なワックスは:
(1) 低分子量、すなわち、1000〜6000g/molの、ASTM法D-1321によって決定される硬度値約0.1〜120とASTM軟化点約150°F〜250°Fを有するポリエチレン;
(2) 石油ワックス、例えば、融点約130°F〜170°Fを有するパラフィンワックスおよび融点約135°F〜200°Fを有する微結晶ワックス;これらの融点はASTM法D127-60によって決定される;
(3) Ring and Ball軟化点約120℃〜160℃を有するアタクチックポリプロピレン;
(4) 一酸化炭素と水素とを重合させることによって製造される合成ワックス、例えば、Fischer-Tropschワックス;および
(5) ポリオレフィンワックスである。本明細書で使用する場合、“ポリオレフィンワックス”という用語は、オレフィン性モノマーユニットによって構成される高分子または長鎖ポリオレフィンワックスを称す。これらの材料は、Eastman Chemical Co.から商標名“Epolene”の下に市販入手可能である。本発明の組成物に使用するのに好ましい材料は、Ring and Ball軟化点200°F〜350°Fを有する。
【0050】
(6) 名称“Licocene”の下にClariantによって市販されているようなメタロセン触媒プロピレン基体のワックス。
(7) 例えば、U.S.特許4,914,253;6,319,979;または、WO 97/33921もしくはWO 98/03603に記載されているようなメタロセン触媒ワックスまたは単一部位触媒ワックスである。理解する必要があるが、これらワックス希釈剤の各々は、室温で固体である。その他の有用な物質としては、水素化された動物、魚類および植物脂肪;および、水素化された獣脂、ラード、大豆油、綿実油、ヒマシ油、ニシン油、タラの肝臓油等のオイルが挙げられ、これらは、それらを水素化することによって周囲温度で固体であり、それらは、また、ワックス希釈剤等価体として機能する点で有用であることも見出されている。これらの水素化された材料は、接着剤業界で“動物または植物ワックス”と称されることが多い。
【0051】
接着剤は、また、典型的には、安定剤または抗酸化剤を含む。本発明のホットメルト接着剤組成物で有用な安定剤は、接着剤の製造および使用の間および最終製品の周囲環境への通常の暴露にて通常生ずる熱および酸化分解の影響から上記したポリマーを保護し、それによって、接着剤総システムを保護するのを助けるために配合される。このような分解は、通常、接着剤の外観、物理的特性および性能特性の劣化によって現れる。特に好ましい抗酸化剤は、Ciba-Geigyによって製造されているIrganox 1010、すなわち、テトラキス(メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート)メタンである。とりわけ、使用可能な安定剤は、高分子量ヒンダードフェノールおよび多官能性フェノール、例えば、硫黄およびリン含有フェノールである。ヒンダードフェノールは、当業者周知であり、そのフェノール性ヒドロキシル基に立体的に嵩高い基を含有するフェノール性化合物と特性決定することができる。第3級ブチル基は、概して、フェノール性ヒドロキシル基に関してベンゼン環のオルト位の少なくとも1つを置換する。ヒドロキシル基の近傍におけるこれら立体的に嵩高い置換された基の存在は、その伸縮振動(stretching frequency)を遅らせ、したがって、その反応性を阻害し;この立体的な阻害により、フェノール性配合物にその安定性を付与する。典型的なヒンダードフェノールとしては:
1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン;
ペンタエリスリトールテトラキス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
n-オクタデシル-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
4,4'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール);
4,4'-チオビス(6-t-ブチル-o-クレゾール);
2,6-ジ-t-ブチルフェノール;
6-(4-ヒドロキシフェノキシ)-2,4-ビス(n-オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン;
2,4,6-トリス(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチル-フェノキシ)-1,3,5-トリアジン;
ジ-n-オクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート;
2-(n-オクチルチオ)エチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート;および、
ソルビトールヘキサ-(3,3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)プロピオネートが挙げられる。
【0052】
これら安定剤の性能は、それらとともに; (1) 例えば、チオジプロピオネートエステルおよびホスファイトのような相乗化剤;および、 (2) 例えば、エチレンジアミン四酢酸、その塩およびジサリチラールプロピレンジイミンのようなキレート剤および失活剤を使用することによってさらに高めることができる。
【0053】
本発明の方法にて有用な接着剤組成物は、当分野公知のいずれかの技術を使用して、製造することができる。従来技術の方法の典型的な例は、回転翼を備えたジャケット付きの混合重合がま内に、好ましくは、Baker-PerkinsまたはDayタイプのジャケット付き強力ミキサー内に、全ての物質を入れ、その後、この混合物の温度を約250°F〜350°Fの範囲まで上昇させる各工程を含む。この工程で使用される正確な温度は、個々の成分の融点に依存するであろうことを理解する必要がある。生ずる接着剤組成物は、ポリマーが完全に溶解するまで攪拌する。ついで、減圧を印加して、全ての搬入された空気を除去する。
【0054】
個々の物理的性質を改質するには、任意の添加剤を接着剤組成物に配合するのがよい。これら添加剤剤としては、着色剤、例えば、二酸化チタン;および、充填剤、例えば、タルクおよび粘土;架橋剤;核剤;反応性配合物;難燃性無機または有機剤;ならびに、紫外線(UV)吸収剤およびUV蛍光剤を挙げることができる。
【0055】
高分子包装フィルム
改良された包装フィルムとして使用される本発明の高分子フィルム組成物は、 (a) ワックス材料少なくとも約25重量%; (b) 190℃でのメルトフローインデックス0.05g/10分〜800g/10分およびDSC融点40℃〜130℃を有するホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたはインターポリマーを含む一部結晶エチレン基体のポリマー約5重量%〜約65重量%; (c) 構造A-B、A-B-A、A-(B-A)n-Bまたは(A-B)n-Y[ここで、Aは、80℃より高いTgを有するポリビニル芳香族ブロックを含み、Bは、-10℃より低いTgを有するゴム状のミッドブロックを含み、Yは、多価化合物を含み、nは、少なくとも3の整数である]を有する熱可塑性エラストマーブロックコポリマー約0重量%〜40重量%; (d) -10℃より低いTgを有するコポリマーまたはターポリマーを含み、エチレン基体のエラストマー、プロピレン基体のエラストマー、または、エチレン基体とプロピレン基体のエラストマーのブレンドであってもよいエラストマー約0重量%〜約25重量%を含み; (e) 一部結晶エチレン基体のポリマー、熱可塑性エラストマーブロックコポリマーおよびエラストマーの量が、合計フィルム組成物の約30%以上を占め;かつ、 (f) フィルム組成物が、DSCにより測定した溶融エンタルピー少なくとも約100J/gおよび2インチ/分での慣用的なフィルム引張強さにより測定した破断時の伸びの値少なくとも約100%を有する。
【0056】
包装フィルムのワックス材料成分は、包装フィルム組成物の少なくとも約25重量%を占める。さらに好ましくは、ワックス材料は、フィルム組成物の少なくとも約40重量%を占め、典型的な範囲は、約25重量%〜約65重量%である。
【0057】
とりわけ、有用なワックス材料は:
(1) 低分子量、すなわち、1000〜6000g/molの、ASTM法D-1321によって決定される硬度値約0.1〜120とASTM軟化点約150°F〜250°Fを有するポリエチレン;
(2) 石油ワックス、例えば、融点約130°F〜170°Fを有するパラフィンワックスおよび融点約135°F〜200°Fを有する微結晶ワックス;これらの融点はASTM法D127-60によって決定される;
(3) Ring and Ball軟化点約120℃〜160℃を有するアタクチックポリプロピレン;
(4) 名称“Licocene”の下にClariantによって市販されているようなメタロセン触媒プロピレン基体のワックス;
(5) 例えば、U.S.特許4,914,253;6,319,979;または、WO 97/33921もしくはWO 98/03603に記載されているようなメタロセン触媒ワックスまたは単一部位触媒ワックス;
(6) 例えば、Fischer-Tropschワックスのような一酸化炭素と水素とを重合させることによって製造される合成ワックス;および、
(7) ポリオレフィンワックスである。本明細書で使用する場合、“ポリオレフィンワックス”という用語は、オレフィン性モノマーユニットによって構成される高分子または長鎖ポリオレフィンワックスを称す。これらの材料は、Eastman Chemical Co.から商標名“Epolene”の下に市販入手可能である。本発明の組成物に使用するのに好ましい材料は、Ring and Ball軟化点200°F〜350°Fを有する。理解する必要があるが、これらワックスの各々は、室温で固体である。その他の有用な物質としては、水素化された動物、魚類および植物脂肪;および、水素化された獣脂、ラード、大豆油、綿実油、ヒマシ油、ニシン油、タラの肝臓油等のオイルが挙げられ、これらは、それらが水素化されることによって周囲温度で固体であり、それらは、また、ワックス材料等価体として機能する点で有用であることが見出されている。これらの水素化された材料は、接着剤業界で“動物または植物ワックス”と称されることが多い。
【0058】
好ましいワックス材料は、融点60℃〜70℃を有するパラフィンワックス、23℃での硬度dmm約2dmm以下および融点75℃〜120℃を有する、例えば、Sasol-Schumanにより市販されているParaflint H1またはBarecoにより市販されているBareco PX 100のような硬質ワックス;または、パラフィンワックスと硬質ワックスとのブレンドである。好ましい硬質ワックスは、95℃より低い融点を有する。“硬質ワックス”という用語は、あらゆる低分子量高結晶エチレン基体のポリマーを称す。
【0059】
包装フィルムの一部結晶エチレン基体のポリマー成分は、包装フィルム組成物の約5重量%〜約65重量%を占める。さらに好ましくは、一部結晶エチレン基体のポリマーは、包装フィルムの約15重量%〜約50重量%を占める。この一部結晶エチレン基体のポリマー成分は、190℃、2.16kg下でのメルトフローインデックス0.05g/10分〜800g/10分、好ましくは、30g/10分未満、最も好ましくは、7g/10分未満を有するホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、インターポリマーおよび/またはそれらのブレンドであるのがよい。また、このエチレン基体のポリマー成分は、DSC融点40℃〜130℃を有するが、好ましい融点は100℃未満である。
【0060】
とりわけ、有用な一部結晶エチレン基体のポリマーは、Ziegler Natta触媒重合によって得られるLDPE、VLDPE、LLDPE、MDPE;もしくは、気相ランダム重合によって得られるLDPE、EVA、EAA、EMA、EBA、EE2HA;または、Ziegler Natta触媒重合もしくは単一部位触媒重合またはメタロセン触媒重合によって得られるEO、EP、EB、EH、ESIコポリマーである。
【0061】
好ましいポリマーの1つは、例えば、取引名称Lotrylの下にAtofinaから容易に市販入手可能なEMAである。
もう1つの好ましいポリマーは、例えば、取引名称Affinityの下にThe Dow Chemical Companyから容易に市販入手可能な単一部位触媒またはメタロセン触媒ポリマーである。
【0062】
包装フィルムの熱可塑性エラストマーブロックコポリマー成分は、包装フィルム組成物の約0重量%〜約40重量%を占める。さらに好ましくは、エラストマーブロックコポリマーは、包装フィルム組成物の約15%未満を占める。また、エラストマーブロックコポリマーは、好ましくは、190℃、2.16kg下、メルトフローインデックス15g/10分を有する。
【0063】
とりわけ、有用なエラストマーブロックコポリマーは、構造A-B、A-B-A、A-(B-A)n-Bまたは(A-B)n-Y[ここで、Aは、80℃より高いTgを有するポリビニル芳香族ブロックを含み、Bは、-10℃より低いTgを有するゴム状のミッドブロックを含み、Yは、多価化合物を含み、nは、少なくとも3の整数である]を有するコポリマーである。これらブロックコポリマーの例としては、スチレン-ブタジエン(SB)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、スチレン-イソプレン(SI)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-エチレン-ブチレン(SEB)、スチレン-エチレンプロピレン-スチレン(SEPS)およびスチレン-エチレン-プロピレン(SEP)が挙げられる。
【0064】
ポリマーの総スチレン含有量は、ポリマーのほぼ51重量%であるのがよく、ポリマーは、最適性能について2つより多いAブロックを有することができるので、総Aブロックは、ポリマーの約45重量%以下、最も好ましくは、ポリマーの35重量%以下である必要がある。S-B-S(スチレン-ブタジエン-スチレン)コポリマーにて、好ましい分子量は、約50,000〜120,000であり、好ましいスチレン含有量は、約20重量%〜45重量%である。
【0065】
S-I-S(スチレン-イソプレン-スチレン)コポリマーにて、好ましい分子量は、約100,000〜200,000であり、好ましいスチレン含有量は、約14重量%〜35重量%である。ブタジエンミッドブロックを水素化すると、ゴム状のミッドブロックを生じ、これは、典型的には、エチレン-ブチレンミッドブロックに変換される。
【0066】
このようなブロックコポリマーは、Kraton Polymers,Enichem,Atofina Elastomers and Dexcoから入手可能である。マルチブロックまたはテーパー状のブロックコポリマー(A-(B-A)n-Bタイプ)は、Firestoneから入手可能である。
【0067】
好ましいエラストマーブロックコポリマーは、取引名称Kraton Gの下Kraton Polymersから入手可能なSEBSである。
包装フィルムのエラストマー成分は、包装フィルム組成物の約0重量%〜約25重量%を占める。最も好ましくは、エラストマーは、包装フィルム組成物の約15重量%以下を占め、-10℃より低いTgを有するコポリマーまたはターポリマーを含む。エラストマーは、エチレン基体のエラストマー、プロピレン基体のエラストマー、または、エチレン基体および/またはプロピレン基体のエラストマーのブレンドであるのがよい。“エチレン基体”という用語は、エチレンがその一部を占め、特に、エチレンがポリマー中重量により主要な基であるエラストマーを称し、“プロピレン基体”という用語は、プロピレンがその一部を占め、特に、プロピレンがポリマー中重量により主要な基であるエラストマーを称す。
【0068】
とりわけ、有用なエラストマーは、EPRゴム、EPDMゴム、および/または、EPRとEPDMとのブレンドである。EPRという用語は、本明細書で使用する場合、エチレンとプロピレンとの弾性コポリマーかまたは官能性モノマーで改質したこのようなポリマーを称す。官能性モノマーとしては、例えば、カルボン酸基(-COOH)、酸無水物基(-CO-O-CO-)、ヒドロキシル基(-OH)、エーテル基(-OR、Rは、炭化水素基である)、第1級、第2級および第3級アミン基およびエステル基を含め、1つ以上の官能基を含有する不飽和有機配合物の類が挙げられる。コポリマー中のプロピレン含有量は、15重量%〜70重量%、好ましくは、20重量%〜45重量%の範囲である。EPDMという用語は、プロピレン15重量%〜70重量%、好ましくは、20重量%〜45重量%;エチレン20重量%〜80重量%;および、ジエン、例えば、1,4-ヘキサジエン、ノルボルナジエン、エチリデン-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ブタジエンおよびイソプロレン2重量%〜15重量を含む弾性ターポリマーを称す。ここで使用するEPDMは、本明細書で上記した官能基を含有するターポリマーの官能基改質した変種を含む。EPRおよびEPDMゴムは、取引名称Vistalonの下にExxon Chemical Companyから、取引名称Keltonの下にDMS Polymers,Inc.から、市販入手可能である。酸無水物基を含有する官能基改質されたEPDMは、取引名称Exxelorの下にExxon Chemical Companyにより販売されている。上記した開示より理解されるように、好ましいEPRまたはEPDMゴム含有量は、5重量%〜65重量%である。5重量%未満では、凝集が不十分であり、65重量%より多いと、組成物の粘度が高くなりやすい。組成物は、最も好ましくは、EPRもしくはEPDMまたはその混合物15重量%〜40重量%を含有する。
【0069】
EPRおよびEPDMゴムは、例えば、取引名称“Vistalon”の下、Exxon Mobil Chemical Companyから、“RexFlex”の下、Huntsman Corporationから、“AdFlex”の下、Basell Plasticsから、“Keltan”の下、DSM Company,Inc.から容易に市販入手可能である。
【0070】
包装フィルム組成物は、また、典型的には、安定剤または抗酸化剤を含む。本発明のホットメルト組成物に有用な安定剤は、フィルム組成物の製造および使用の間および最終製品の周囲環境への通常の暴露にて通常生ずる熱および酸化分解の影響から上記したポリマーを保護し、それによって、接着剤総システムを保護するのを助けるために配合される。このような分解は、通常、組成物の外観、物理的特性および性能特性の劣化によって現れる。ホットメルト接着剤組成物で使用される先に本明細書で記載したいずれの安定剤/抗酸化剤もまた高分子フィルム組成物で使用することができる。使用可能な安定剤のうち、特に好ましい抗酸化剤は、Ciba-Geigyによって製造されているIrganox 1010、すなわち、テトラキス(メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシヒドロンナメート)メタンである。
【0071】
本発明の包装フィルム組成物は、当分野公知のあらゆる技術を使用して、製造することができる。処理方法の1つの例は、回転翼を備えたジャケット付きの混合重合がま内に、好ましくは、Baker-PerkinsまたはDayタイプのジャケット付き強力ミキサー内に、ワックス材料および全てのその他成分を入れ、その後、その温度を約250°F〜400°Fの範囲まで、さらに好ましくは、約300°Fに上昇させる各工程を含む。使用される正確な温度は、個々の成分の融点に依存するであろう。初期混合物を溶融およびブレンドする時、その混合物は、緩やかな流速のCO2中ガスシールし、ブロックコポリマーを加える。フィルム組成物は、慣用的な水中錠剤化技術を使用して錠剤化するのがよい。その他の処理方法の例としては、一軸または二軸スクリューで押出配合を使用する方法が挙げられる。
【0072】
これらのフィルム組成物は、種々の慣用的な分析法によって直接;または、可溶化および/または半分取用液体クロマトグラフィー、続く、画分ごとの同定後に、例えば、示差走査熱量計(DSC)、赤外(バルクまたは表面)分光法、立体排除クロマトグラフィー(SEC)、TREFすなわち結晶化駆動分別SEC(crystallinity-driven fractional SEC)、核磁気共鳴(NMR)により容易に特性決定することができる。
【0073】
本発明の改良包装フィルムの粘度は、Brookfield Thermocelまたはその他の適当な粘度計を使用し、ASTM法D3236-73に記載されている試験技術を使用することによって決定して、約300°F〜375°Fで、約1000〜約1,500,00mPa.sである。混合し平衡に達したら、本発明の溶融した包装フィルムは、本明細書にて先に記載したように、熱可塑性組成物とともに同時押出するか、または、溶融させた組成物を剥離剤塗被された表面に注型または押出することによってフィルムに成形することができる。これらの製造技術を実施するための市販入手可能な機械装置は、The Nordson Companyから購入することができる。先に考察したように、ホットメルト接着剤組成物を囲む包装フィルムは、市販のホットメルト塗被機械の溶融タンクに直接装填し、それによって、全ての廃棄物を除き、先に考察した慣用的な包装技術の使用に伴う多くの欠点を回避することができる。
【0074】
新規な包装フィルム組成物は、事実上、あらゆる包装技術にて使用することができる。例えば、接着剤片、概して、接着剤ブロックの上に、もしくは、型内に噴霧または注がれるか、または、バッグ、熱成形トレーもしくは包装フィルムまたはシートのような包装品目の形に成形される。
【0075】
特に、新規なフィルム組成物は、慣用的なフィルム押出もしくはフィルム同時押出技術、例えば、押出塗被、注型押出、ブロー押出によって、フィルムを形成するために加工することができる。新規なフィルム組成物は、これら慣用的なフィルム形成技術におけるその加工性を改善するため、かつ、フィルムの機械的および物理的最終特性を改善するために、慣用的な接着剤と配合することができる。これらの方法にて、フィルムは、概して、押出され、延伸および冷却され、スリットおよびそれ自体巻き取られて、貯蔵し、続いて、市販入手可能な充填および包装機械装置で使用するためにロールを形成する。これに関しては、本発明の改良包装フィルムは、半自動マルチサイズ充填および包装機械、例えば、取引名称“Mark 10I-12-Aシステム:Inverted Horizontal Form,Fill and Seal Machine”の下、Premier Packing Systems,Inc. of Waukesha,Wisoconsin により製造されている機械で使用することができる。その他の適合性の機械装置は、当業者であれば、容易に選択することができるであろう。
【実施例】
【0076】
本明細書の以降に記載する成分と混合方法を使用して、フィルム材料試料を作成した。各々、総計250gを製造し、モーターによって駆動されるプロペラ、加熱マントル、温度制御ユニットおよびサイズ約1ピントの容器からなる実験室タイプのミキサー内で、二酸化炭素雰囲気下約300°F〜400°Fで、混合を行った。各成分は、以下の表に示す比に従い計算して、適量、適当な順序で容器に加えて、混合し、この間、成分の加熱または剪断分解を制限した。容器内の成分が完全に溶融し、目視により良好な均質性を達成するように完全に混合した後、試験するのに適するように、試料を貯蔵した。
【0077】
2インチ幅および3ミルもしくは6ミル厚さのEP-11スロットダイノズルを装着したMeltex CL 104実験室スケ−ルのコーター上に、フィルム試料を作成し、シリコーン化された剥離紙上に塗被した。温度は、フィルム材料の粘度レベルに依存し、250°F〜375°Fであり、回転速度は、約2リニアメートル/分であった。フィルム試料について実施したいずれの試験も、フィルムを作成した後、少なくとも24時間で行った。“ミル”という用語は、1インチの千分の一の厚さの値を示し、25.4×10-6メートルに相当する。
【0078】
フィルム材料の引張強さは、試験法ASTM D-638に従い、2インチ/分で、種々の温度、典型的には、-20℃および20℃で試験した。試料は、6ミルまたは3ミル厚さのフィルムから作成し、測定の間に引き裂き効果を開始しないように、エッジ上に鋭いカットを有しない“ドッグボーン”曲線形状を有する。破断時の伸びの値は、3〜5個の試料についての平均として報告した。この試験は、包装した材料および表皮材料それ自体に耐えることのできる機械的応力をシミュレートすることを目的とした。
【0079】
粘着試験は、以下のように行った:フィルムの2インチ×2インチの正方形表面を、負荷圧力約2psiの下、互いに接触して置き、50、60または70℃で、4時間、24時間または7日間、オーブン内に入れた。試料を冷却した後、表面を互いに手で引き離すのに、力が、全くかからないかもしくはほとんどかからないかまたは中程度必要とされるかあるいは強く必要とされるかどうか、目視観察を行った。この試験は、接着剤包装を貯蔵または積荷することのできる可能な天候条件をシミュレートするために行った。
【0080】
3ミルまたは6ミルフィルムについて、40℃で、50℃でまたは60℃で、移行性試験を行った。フィルム試料に、若干の接着剤材料を接触させて置いた。移行種でのそれらの含有量およびフィルム材料を介して移行種を移行可能とするそれらの経時的な固有の能力について、2種の接着剤組成物を選択した。フィルムの2インチ×2インチの正方形表面を接着剤片に接触して置いた。接着剤片は、より大きい基底が1インチ×1インチであり、高さが1インチの約四分の一の平衡パイプ状であった。接着剤片のより大きい基底をフィルム正方形上の中心に置いた。もう1つのフィルム正方形は、接着剤片の頂部に置き、この頂部正方形は、低温加熱シール可能な材料製である。ホットエアーガンによって生ずる光加熱により、この材料は、経時的または温度上昇による固有の接着剤流による接着剤片の漏れを完全に封ずるために、基底の正方形フィルムのエッジにシールする。このような“ピロー”を、数日間、典型的には、3〜21日間、オーブン内に入れる。数日後オーブンから取出す時、目視によるか指で触って、フィルムの汚染、圧力を加えないでの摩擦、指への粘着性またはそれ自体への粘着性等、室温で観察を行う。この試験は、貯蔵または積荷条件での典型的なホットメルト組成物からの移行性に耐えるフィルム材料の能力をシミュレートすることを目的とする。
【0081】
フィルム組成物について、試験法ASTM D-3417に従い、New Castle,Delwareに所在するTA InstrumentsからのDSC機器モデル2010上で掃引速度20℃/分で、DSC試験法を実施した。5〜10mgの試料について、窒素雰囲気下、-100℃から200℃まで、ついで、200℃〜-100℃、その後、再度、-100℃〜200℃まで連続して、3つの温度掃引を実施した。この最後の掃引は、材料1グラム当りのJouleで表されるフィルム組成物の溶融エンタルピーの再現可能な尺度を示す。“溶融エンタルピー”は、また、当業者によって、しばしば、“溶融容量”および/または“固有熱容量”と称される。
【0082】
ホットメルト接着剤は、本明細書の以降に記載する成分および混合方法を使用して調製した。各々、総計2000グラムを調製し、モーターによって駆動されるプロペラ、加熱マントル、温度制御ユニットおよびサイズ約1ガロンの容器からなる実験室タイプのミキサー内で、二酸化炭素雰囲気下約300°F〜375°Fで、混合を行った。各成分は、以下の表に示す比に従い計算して、適量、適当な順序で容器内に加えて、混合し、この間、成分の加熱または剪断分解を制限した。容器内の成分が完全に溶融し、目視により良好な均質性を達成するように完全に混合した後、試験するのに適するように、試料を貯蔵した。
【0083】
表皮材料の接着剤溶融物への可溶化試験は、2000gの接着剤試料について実験室で行った。検討した各場合に応じて、正確な量、典型的には、フィルム材料の6ミル厚さのフィルム20gまたは40gを比較的高い接着剤塗被温度、典型的には、275°F〜350°Fで、溶融させた接着剤中に入れた。空気循環オーブン内で動かすことなく、30分間後、溶融させた態様の目視観察を行った。ステンレススチールバーにより手動約60rpmで、10回滑らかな攪拌を実施すると、目視により、溶解したと判定された。オーブン内でもう30分間後、なお不均質な態様が目視によるかまたはステンレススチールバーにより観測されない場合、動力機付きの3ブレードプロペラ、50rpmでさらなる攪拌を行った。30分間ごとに観察した。各々の時間ごとに、溶解試験を行い、参照のため、採取される接着剤のブランク試料を採取した。
【0084】
Brookfield粘度は、ASTM D-3236法に従い、高温で試験した。試験は、上記した溶解試験で生ずる汚染された接着剤試料についてと同時に、ブランク接着剤試料について実施した。
【0085】
Ring & Ball軟化点は、ASTM E-28法に従い、自動化されたHerzogユニットで決定した。試験は、上記した溶解試験で生ずる汚染された接着剤試料についてと同時に、ブランク接着剤試料について実施した。この移行試験に使用される接着剤配合物は、上記した混合処理方法に従い、行った。1つの組成物は、“高オイル含有接着剤”と称され、22重量 %Nyplast 222B、57重量%Escorez、20重量%Vector 4213、1重量%Irganox 1010から調製した。もう1つの組成物は、“ロジン-エステル含有接着剤”と称され、18重量%Nyplast 222B、59重量%Sylvatac RE 100、22重量%Vector、1重量%Irganox 1010から調製した。
【0086】
接着剤配合物のエージング試験は、換気したオーブン内、緩くカバーした400gガラスジャー中に置いた200gの試料について、350°Fで実施した。目視観察は、いずれかのチャー、ゲル化、表皮、沈降または脱相が生ずる場合に、350°Fで3日後、目視観察を行った。試験は、上記した溶解試験中に生ずる汚染した接着剤試料についてと同時に、ブランク接着剤試料について行った。
【0087】
積層した標品は、Nordson Meltex CT225ホットメルト高速度コーターを使用することによって形成した。スパイラル噴霧技術を使用する時、コーターは、Nordson Corporationから入手可能な0.018インチスパイラル噴霧押出ノズルを装着していた。スロット塗被技術を使用する時、コーターは、Nordson Corporationから入手可能なEP-11スロットダイ押出ノズルを装着していた。接着剤は、種々の開放時間、典型的には、0.1〜0.5秒、要求される用途に応じて、種々の塗被重量でスパイラル噴霧して、1バール-ニップロール圧縮される。塗被温度は、適用要件に応じて、275°F〜350°Fに設定した。積層プロセスは、上記した溶解試験中に生ずる汚染した接着剤試料についてと同時に、ブランク接着剤試料について行った。
【0088】
標準ポリプロピレン基体スパンポンド不織布ウェブは、15.7グラム/m2塗被重量でBBA Corporationから入手可能である。17グラム/m2での標準ポリエチレン非通気性白色フィルムは、Clopay Corporationから取引名称DH-216の下に入手可能である。
【0089】
剥離強さは、コントロールされた大気圧環境(20℃および50%相対湿度)で引張試験機(Instron Model 55R 1122)により、180°ジオメトリーで縦方向に測定した。試験に先立ち、標品は、コントロールされた環境でほぼ12時間調整されて、データの再現性および精度を保証させた。試験は、クロスヘッド速度12インチ/分で行った。6回の反復置換試験の平均剥離値は、g/インチユニットに正規化して、剥離強さとして報告した。試験は、上記した溶解試験中に生ずる汚染した接着剤試料についてと同時に、ブランク接着剤試料について行った。
【0090】
弾性ストランドを含有する積層した標品を使用して、クリープ抵抗試験を行った。標品を作成するために、3つの弾性ストランド(DuPontから入手可能な740dtex基準重量でLyrca 151または262)は、300%伸びまで延伸して、1.0ミル厚さの白色かまたは印刷したポリエチレンフィルムの1つの層とポリプロピレンスパンボンド不織布ウェブの1つの層との間のいずれかに積層させた。積層された標品の種々の部分、前記フィルムまたはウェブおよび延伸した弾性ストランドは、スパイラル噴霧技術によりホットメルト接着剤によって互いに接着され、クリープ試験は、ホットメルト組成物によって効果的に行われる接着性の尺度を意図する。標品は、長さ約350mmにカットし、完全に延伸し、その端は、硬質のボード片に固定した。300mmの長さは、縦方向に標識し、弾性ストランドは、標識で切断した。標品は、ついで、100°Fの空気循環オーブン内に置いた。これらの条件下、延伸下の弾性ストランドは、ある種の間隔で再処理することができる。4時間後、末端間の距離を測定した。最終長さ対初期長さの比は、Creep Retentionと定義され、パーセンテージ(%)で表し、接着剤の弾性ストランドを保持する能力の尺度である。試験は、上記した溶解試験中に生ずる汚染した接着剤試料についてと同時に、ブランク接着剤試料について行った。
【0091】
噴霧適性は、塗被プロセスの間、Nordson Meltex CTホットメルト高融点高速度コーター上、時空間におけるスパイラルパターン形状の規則性を目視により観察することによって評価した。塗被条件は、接着剤試料に応じて変化させた。試験は、上記した溶解試験中に生ずる汚染した接着剤試料についてと同時に、ブランク接着剤試料について行った。
【0092】
溶解試験は、PSAラベル最終用途について、Bostik Findleyから入手可能な低粘度SIS基体HMPSA,H2548-01について行った。試料は、ついで、300°Fでペーパー上にスロット塗被し、1ミルの塗膜を得、PSA性能は、塗膜を作成した後24時間、表皮材料を有しないH2548-01と比較して評価した。SAFT値は、低速度ワンパスで4.5lbsのゴムローラーでステンレススチール方向に積層した塗膜の1インチ当り1インチの表面積上、1.6℃/分ランプで、試験法PSTC-7に従い測定した。剥離力は、置換にわたる平均値またはピーク値として、SAFT試験についてと同様にステンレススチールに積層した1インチ幅、5インチ長さの表面上で、試験法PSTC-1およびASTM D6195 D3330に従い評価した。ループ粘着性(loop tack)の値は、ステンレススチール方向に試験法ASTM D6195に従い測定したが、置換にわたる平均値を報告する。これら試験の各々について、少なくとも3回の反復試験を行った。
【0093】
以下の略号は、本明細書全体を通して使用する:
PE−ポリエチレン;
PP−ポリプロピレン;
LDPE−低密度ポリエチレン;
HDPE−高密度ポリエチレン;
VLDPE−非常に低密度のポリエチレン;
LLDPE−直鎖低密度ポリエチレン;
MDPE−中程度の密度のポリエチレン;
EVA−エチレンビニルアセテート;
EAA−エチレンアクリル酸;
EMA−エチルメタクリレート;
EBA−エチレンブチルアクリレート;
EE2HA−エチレン-2-エチル-ヘキシル-アクリレート;
EO−エチレン-オクテン;
EP−エチレン-プロピレン;
EB−エチレン-ブタジエン;
EH−エチレン-ヘキセン;
ESI−エチレン-スチレンインターポリマー;
EPR−エチレン-プロピレンゴム;
EPDM−エチレン-プロピレン-ジエン-モノマー;
SB−スチレン-ブタジエン;
SBS−スチレン-ブタジエン-スチレン;
SIS−スチレン-イソプレン-スチレン;
SEBS−スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン;
SEPS−スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン;
SBBS−スチレン-ブタジエン-ブチレン-スチレン;
SIBS−スチレン-イソプレン-ブチレン-スチレン;
SEP−スチレン-エチレン-プロピレン;
APAO−アタクチックポリα-オレフィン;
SPP−シンジオタクチックポリプロピレン;
IPP−アイソタクチックポリプロピレン;
RCP−アイソタクチックポリプロピレンランダムコポリマー;
MMA−メチルメタクリレート。
【0094】
以下の実施例のフィルム組成物に使用される材料は、以下のように記載する:
155PARAFFIN WAXは、65.5℃融点パラフィンワックスであり、Sasol Wax Americas,Inc.から入手可能である。
【0095】
138PARAFFIN WAXは、Total S.A.から入手可能なParaffin 58-60である。
158PARAFFIN WAXは、Total S.A.から入手可能なParaffine 68-70である。
PARAFLINT C80は、Sasol Wax Americas,Inc.から入手可能なFisher-tropsワックスである。
【0096】
POLYWAX 655は、Baker Petrolite,Inc.から入手可能な合成ポリエチレンワックスである。
KADOL USP 35 MINERAL OILは、Crompton Corporationから入手可能である。
【0097】
ESCOREZ 5320およびECR-188は、ともに、EXXON Mobil Chemicalsから入手可能な多環式粘着樹脂である。
SYLVATAC RE 100は、Arizona Chemicals,Inc.から入手可能なロジンエステル粘着樹脂である。
【0098】
WINGTACK EXTRAは、脂肪族炭化水素粘着樹脂である。それは、Goodyear Chemicals,Akron,OHから入手可能である。
PICCOTEX 120は、Eastman Chemicalから入手可能な芳香族炭化水素粘着樹脂である。
【0099】
EVATANE 18-150およびEVATANE 28-06、LOTRYL 37EH175、LOTRYL 37EH550、LOTRYL 09 MG 02、LOTRYL 15 MA 03、LOTRYL 24 MA 07、LOTRYL 24MA005、LOTRYL 17BA07、LOTRYL 35 BA 320は、Atofina Chemicals,Inc.,Philadelphia,PAから入手可能なEVAもしくはEMAまたはEBAコポリマーである。
【0100】
EPOLENE C-13およびEPOLENE C-17は、Eastman Chemicalから入手可能なLDPE等級である。
Exxon Mobil LD 202は、Exxson Mobil Chemicalsから入手可能なLDPEである。
【0101】
AFFINITY PL 1280、AFFINITY SM 1300、AFFINITY EG 8150は、Dow Chemicalsから入手可能なエチレンの単一部位コポリマーである。
ELVALOY 1609 ACは、Dupont Chemicalsから入手可能なEVAコポリマーである。
【0102】
VECTOR 4411は、Dexsoから入手可能なSISブロックコポリマーである。
KRATON G 1650、KRATON G 1652、KRATON G-1657は、Kraton Polymersから入手可能なSEBSブロックコポリマーである。
【0103】
IRGANOX 1010、Irganox 1010は、Ciba-Specialty Chemicals,Tarryton,NYから手に入るヒンダードフェノールタイプの抗酸化剤である。
以降に記載する実施例により、本発明をさらに例示する。
【0104】
実施例1:表1aおよび1bは、高分子外側フィルムとして使用するのに適した19種の組成物を示す。表1aおよび1bの各成分は、破断時の伸び値100%より大;および、可塑化容量100J/gより大を有した。各配合物は、また、それらがほとんどもしくは全く粘着性でなく、ほとんどもしくは全く汚染性でなく、記載する試験条件下で非粘着性であるので、優れた移行抵抗を有した。
【0105】
実施例2:表2aおよび2bは、高分子外側フィルムとして使用するのに不適当な15種の組成物を示す。表2aおよび2bの配合物は、それらが伸び、可塑化容量または移行抵抗試験の1つ以上に合格しなかったので、全て、不適当であった。換言すれば、表2aおよび2bの各配合物は、過度な粘着性および/または汚染性によって証拠づけられるように、破断時の伸び値100%未満;可塑化容量100J/g未満を有するかまたは移行抵抗の乏しい組成物を生ずる1つ以上の特性を有する。
【0106】
実施例3:表3aおよび3bは、DSCデータおよび50℃での移行抵抗に基づき外側フィルムについて適当な配合および不適当な配合に関して得られた種々の配合物の成分および試験データの比較を示す。また、図1および2は、2つの許容可能な組成物についてのDSC曲線を示し、他方、図3および4は、2つの許容不能な組成物についてのDSC曲線を示す。図1は、配合物1601-110Fについての熱流量対温度を示し、それよりその溶融エンタルピーが117ジュール/グラムであると測定される。図2は、配合物1601-155Eについての熱流量対温度を示し、それよりその溶融エンタルピーが109ジュール/グラムであると測定される。図3は、配合物1600-00Bについての熱流量対温度を示し、それよりその溶融エンタルピーが87ジュール/グラムであると測定される。最後に、図4は、配合物1601-156Bについての熱流量対温度を示し、それよりその溶融エンタルピーが73ジュール/グラムであると測定される。これら測定された溶融エンタルピーの比較のために、表3bもまた参照する必要がある。表3は、また、原料の値から計算される対応する溶融エンタルピーも提供する。
【0107】
実施例4:表4aおよび4bは、VA含有量が約3重量%である2ミル厚さのEVAフィルムと比較したフィルム組成物1416-75Bおよび1601-00Aの溶解を例示する。このフィルムは、Armin Plastics-Jersey City,NJから市販入手可能である。使用する接着剤は、H2543、すなわち、Bostik Findley,Inc.から市販入手可能な典型的なSIS基体の接着剤であり、ほぼ300°Fの温度で使用される。この種のEVA基体のフィルムは、成形-充填-シールプロセス(form-fill-and seal process)でホットメルト接着剤カートリッジを製造するために使用することができるが、表4aおよび表4bに見られるように、接着剤の安定性の問題が存在し、その他の配合組成物は、表皮材料組成物中への低分子量接着剤配合物の進出により、接着剤システムとさらに相溶性である。
【0108】
実施例5:表5は、H2543の接着剤特性を例示し、外側フィルム材料の2%まで、剥離力性能が影響を受けないことを立証する。噴霧適合性は、また、接着剤配合物中の表皮材料の存在によって影響を受けない。
【0109】
実施例6:表6は、H2994の接着剤特性を例示し、フィルム材料の2%まで、弾性クリープ性能が影響を受けないことを立証する。H2994は、Bostik Findley,Inc.から市販入手可能な典型的なSIS基体の接着剤である。噴霧適合性は、また、接着剤配合物中の表皮材料の存在によってもまた影響を受けない。
【0110】
実施例7:表7は、H2548-01の接着剤特性を例示し、フィルム材料の2%まで、種々の接着剤性能が著しく劣化しないことを立証する。H2548-01は、Bostik Findley,Inc.から市販入手可能な典型的なSIS基体の接着剤である。
【0111】
【表1】

【0112】
【表2】

【0113】
【表3】

【0114】
【表4】

【0115】
【表5】

【0116】
【表6】

【0117】
【表7】

【0118】
【表8】

【0119】
【表9】

【0120】
【表10】

【0121】
【表11】

【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】図1は、本発明に従うフィルム組成物配合物1601-110Fについての温度対熱流量のDSCグラフである。
【図2】図2は、本発明に従うフィルム組成物配合物1601-155Eについての温度対熱流量のDSCグラフである。
【図3】図3は、本発明に従う包装フィルムについての所望される性能特性から外れたフィルム組成物1601-00Bについての温度対熱流量のDSCグラフである。
【図4】図4は、本発明に従う包装フィルムについての所望される性能特性から外れたフィルム組成物1601-156Bについての温度対熱流量のDSCグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック素材を包装する方法であって、
プラスチック素材を用意し;
ワックス材料少なくとも25重量%、溶融エンタルピー少なくとも約100J/gおよび破断時の伸びの値少なくとも約100%を有する組成物を含む高分子フィルムで前記プラスチック素材を取り囲む;
各工程を含む方法。
【請求項2】
前記ワックス材料が、前記フィルム組成物の少なくとも40重量%を占める、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ワックス材料が、前記フィルム組成物の25重量%〜65重量%を占める、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ワックス材料が、石油ワックス、合成ワックス、ポリオレフィンワックス、動物ワックス、植物ワックスおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記石油ワックスが、パラフィンワックスである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記合成ワックスが、Fisher-Tropschワックスである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリオレフィンワックスが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン基体のコポリマー、プロピレン基体のコポリマーおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記フィルム組成物が、190℃でのメルトフローインデックス0.05g/10分〜800g/10分およびDSC融点40℃〜130℃を有するホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたはインターポリマーを含む一部結晶エチレン基体のポリマー約5重量%〜約65重量%を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記エチレン基体のポリマーが、LDPE、VLDPE、LLDPE、MDPE、HDPE、EVA、EAA、EMA、EBA、EE2HA、EO、EP、EB EH、ESIおよびそれらのブレンドからなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記エチレン基体のポリマーが、EMAである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記エチレン基体のポリマーが、EOである、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記エチレン基体のポリマーが、EBである、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記エチレン基体のポリマーが、メルトフローインデックス30g/10分未満を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記エチレン基体のポリマーが、メルトフローインデックス7g/10分未満を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記エチレン基体のポリマーが、DSC融点100℃未満を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記フィルム組成物が、構造A-B、A-B-A、A-(B-A)n-Bまたは(A-B)n-Y[ここで、Aは、80℃より高いTgを有するポリビニル芳香族ブロックを含み、Bは、-10℃より低いTgを有するゴム状のミッドブロックを含み、Yは、多価化合物を含み、nは、少なくとも3の整数である]を有する熱可塑性エラストマーブロックコポリマー40重量%までを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ブロックコポリマーが、SB、SBS、SIS、SIBS、SEBS、SEP、SEPS、SBBSおよびそれらのブレンドからなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ブロックコポリマーが、SEBSである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ブロックコポリマーが、190℃でのメルトフローインデックス15g/10分未満を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ブロックコポリマーが、前記フィルム組成物の15%以下を占める、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記フィルム組成物が、-10℃より低いTgを有するコポリマーまたはターポリマーを含むエラストマー25重量%までを含み、前記エラストマーが、エチレン基体のエラストマー、プロピレン基体のエラストマー、エチレン基体とプロピレン基体のエラストマーのブレンドからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記エラストマーが、EPR、EPDMおよびそれらのブレンドからなる群より選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記エラストマーが、プロピレン含有量約15重量%〜70重量%を有するEPRである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記エラストマーが、プロピレン含有量約20重量%〜45重量%を有するEPRである、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記エラストマーが、エチレン含有量約20重量%〜80重量%、プロピレン含有量約15重量%〜70重量%およびジエン含有量約2重量%〜15重量%を有するEPDMである、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記エラストマーが、前記フィルム組成物の15%以下を占める、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
プラスチック素材を用意する工程が、前記プラスチック素材を押出す工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記プラスチック素材が、ホットメルト接着剤組成物を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
プラスチック素材を取り囲む工程が、高分子フィルムを同時押出する工程を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記プラスチック素材が、ホットメルト接着剤組成物を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記プラスチック素材が、熱可塑性組成物、熱可塑性化合物、熱可塑ポリマー、熱硬化性組成物、熱硬化性化合物、熱硬化性ポリマー、ホットメルト組成物、ホットメルト化合物、ホットメルトポリマー、ホットメルト接着剤組成物、ホットメルト接着剤化合物、ホットメルト接着剤ポリマーおよびそれらのブレンドからなる群より選択される材料である、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記プラスチック素材が、ホットメルト接着剤組成物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
さらに、押出されたプラスチック素材および同時押出された高分子フィルムを有限寸法および形状を有するユニットに成形する工程を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
さらに、前記ユニットの対向端をシールする工程を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
(a) 有限寸法および形状を有するプラスチック素材;および、
(b) (i)ワックス材料少なくとも約25重量%と、
(ii) 190℃でのメルトフローインデックス0.05g/10分〜800g/10分およびDSC融点40℃〜130℃を有するホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたはインターポリマーを含む一部結晶エチレン基体のポリマー約5重量%〜約65重量%と、
(iii) 構造A-B、A-B-A、A-(B-A)n-Bまたは(A-B)n-Y[ここで、Aは、80℃より高いTgを有するポリビニル芳香族ブロックを含み、Bは、-10℃より低いTgを有するゴム状のミッドブロックを含み、Yは、多価化合物を含み、nは、少なくとも3の整数である]を有する熱可塑性エラストマーブロックコポリマー約0重量%〜約40重量%と、
(iv) -10℃より低いTgを有するコポリマーまたはターポリマーを含み、エチレン基体のエラストマー、プロピレン基体のエラストマー、エチレン基体とプロピレン基体のエラストマーのブレンドからなる群より選択されるエラストマー約0重量%〜約25重量%と
を含む組成物を有する前記プラスチック素材を取り囲む高分子フィルム;
を含み、
一部結晶エチレン基体のポリマー、熱可塑性エラストマーブロックコポリマーおよびエラストマーの量が、合計フィルム組成物の約30%以上を占め;かつ、
フィルム組成物が、溶融エンタルピー少なくとも約100J/gおよび破断時の伸びの値少なくとも約100%を有する包装。
【請求項36】
前記高分子フィルムが、厚さ10ミクロン〜100ミクロンを有する、請求項35に記載の包装。
【請求項37】
前記高分子フィルムが、厚さ10ミクロン〜300ミクロンを有する、請求項35に記載の包装。
【請求項38】
前記高分子フィルムが、厚さ40ミクロン〜2000ミクロンを有する、請求項35に記載の包装。
【請求項39】
前記ワックス材料が、前記フィルム組成物の少なくとも40重量%を占める、請求項35に記載の包装。
【請求項40】
前記ワックス材料が、前記フィルム組成物の25重量%〜65重量%を占める、請求項35に記載の包装。
【請求項41】
前記ワックス材料が、石油ワックス、合成ワックス、ポリオレフィンワックス、動物ワックス、植物ワックスおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項35に記載の包装。
【請求項42】
前記石油ワックスが、パラフィンワックスである、請求項41に記載の包装。
【請求項43】
前記合成ワックスが、Fischer-Tropschワックスである、請求項41に記載の包装。
【請求項44】
前記ポリオレフィンワックスが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン基体のコポリマー、プロピレン基体のコポリマーおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項41に記載の包装。
【請求項45】
前記エチレン基体のポリマーが、LDPE、VLDPE、LLDPE、MDPE、HDPE、EVA、EAA、EMA、EBA、EE2HA、EO、EP、EB EH、ESIおよびそれらのブレンドからなる群より選択される、請求項35に記載の包装。
【請求項46】
前記エチレン基体のポリマーが、EMAである、請求項35に記載の包装。
【請求項47】
前記エチレン基体のポリマーが、EOである、請求項35に記載の包装。
【請求項48】
前記エチレン基体のポリマーが、EBである、請求項35に記載の包装。
【請求項49】
前記エチレン基体のポリマーが、メルトフローインデックス30g/10分未満を有する、請求項35に記載の包装。
【請求項50】
前記エチレン基体のポリマーが、メルトフローインデックス7g/10分未満を有する、請求項35に記載の包装。
【請求項51】
前記エチレン基体のポリマーが、DSC融点100℃未満を有する、請求項35に記載の包装。
【請求項52】
前記ブロックコポリマーが、SB、SBS、SIS、SIBS、SEBS、SEP、SEPS、SBBSおよびそれらのブレンドからなる群より選択される、請求項35に記載の包装。
【請求項53】
前記ブロックコポリマーが、SEBSである、請求項35に記載の包装。
【請求項54】
前記ブロックコポリマーが、190℃でのメルトフローインデックス15g/10分未満を有する、請求項35に記載の包装。
【請求項55】
前記ブロックコポリマーが、前記フィルム組成物の15%以下を占める、請求項35に記載の包装。
【請求項56】
前記エラストマーが、EPR、EPDMおよびそれらのブレンドからなる群より選択される、請求項35に記載の包装。
【請求項57】
前記エラストマーが、プロピレン含有量約15重量%〜70重量%を有するEPRである、請求項35に記載の包装。
【請求項58】
前記エラストマーが、プロピレン含有量約20重量%〜45重量%を有するEPRである、請求項35に記載の包装。
【請求項59】
前記エラストマーが、エチレン含有量約20重量%〜80重量%、プロピレン含有量約15重量%〜70重量%およびジエン含有量約2重量%〜15重量%を有するEPDMである、請求項35に記載の包装。
【請求項60】
前記エラストマーが、前記フィルム組成物の15%以下を占める、請求項35に記載の包装。
【請求項61】
前記プラスチック素材が、熱可塑性組成物、熱可塑性化合物、熱可塑性ポリマー、熱硬化性組成物、熱硬化性化合物、熱硬化性ポリマー、ホットメルト組成物、ホットメルト化合物、ホットメルトポリマー、ホットメルト接着剤組成物、ホットメルト接着剤化合物、ホットメルト接着剤ポリマーおよびそれらのブレンドからなる群より選択される材料である、請求項35に記載の包装。
【請求項62】
前記プラスチック素材が、ホットメルト接着剤組成物を含む、請求項35に記載の包装。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−518851(P2008−518851A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539171(P2007−539171)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/038957
【国際公開番号】WO2006/050108
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(505252090)ボスティック・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】