説明

ホップ組成物及びその製造方法

【課題】当発明はアサ科植物ホップ枝葉に着目し、ホップ乾燥枝葉を成分分析した結果、ミネラルが多く含まれ、ノンカフェインでビタミンA、総ビタミンC、ビタミンE、食物繊維などの栄養成分に加え、y−アミノ酪酸「ギャバ」、ポリフェノールの有用成分が確認された。
その枝葉と毬果を原料としたホップ風味があり飲みやすく、健康に良いホップ茶などの組成物を得ること。
【解決手段】アサ科植物ホップ枝葉と毬果を自然乾燥し、それぞれ粉砕した後、乾燥枝葉重量割合60〜80と乾燥毬果重量割合40〜20をブレンドされることを特徴として得られるホップ組成物並びにその製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
アサ科多年生植物ホップを原料とするホップ茶などに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は未使用のホップ枝葉に着目し、ホップ乾燥枝葉を成分分析した結果、ミネラルが多く含まれ、ノンカフェインでビタミンA、総ビタミンC、ビタミンE、食物繊維などの栄養成分に加え、y−アミノ酪酸成分「ギャバ」と、ポリフェノールも確認され生活習慣病に効果が期待されるような有用物であることを見いだした。
【0003】
ホップ毬果ルチンは限られた植物にしか存在しないプレニルフラボノイド成分が存在し骨多孔治療効果、抗ガン作用、動脈硬化予防作用等持つことやイソフムロン(苦み成分)は血糖値を下げる効果、加えてポリフェノール、アルファー酸などの成分は動脈硬化や糖尿病抑制、中性脂肪、コルステロールの蓄積抑制に、加えて血圧降下、血管増強作用に有効であることを大手ビール会社が広く公表している。秋田県総合食品研究所資料ではホップに糖尿病合併症阻害する成分を見つけることができたと(非特許文献1)発表した。
【0004】
特許文献1は、くわ科植物、又はすいがら科植物のホップの枝葉や茎部分を原料としたインスタント茶とその製造法を開示している。
【0005】
特許文献2は、ホップの毬果は苟、ルプリンからなりルプリン部分を除いたホップ苟を原料としたホップ苟茶を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−141826号公報
【特許文献2】特開2007−227号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】秋田県総合食品研究所試験研究成果発表会資料,平成14年6月20日P1〜4・秋田県総合食品研究所,平成14年10月平成12.13.14年度中小企業技術開発産学官連携促進事業成果普及及講習会テキスト第III章機能性成分評価技術の開発と食品開発III1〜III15
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ホップはアサ科の多年生植物である。国内のホップの栽培はビール会社と契約で栽培している農家がほとんどである、横手市大雄地域は昭和46年より大雄ホップ農業協同組合とキリンビールとの契約栽培によりホップの生産を行ってきた。平成19年は生産量81.6トン、生産日本一になった。栽培農家が収穫終了後、これまでは自然生育の枝葉と毬果は廃棄されていた。そこで収穫後自然生育の枝葉と毬果の副産物を有効利用のうえ付加価値の高い利用法が望まれている。
【0009】
そこで本発明の目的は、ホップ栽培農家収穫後、副産物として自然生育したホップ枝葉と毬果などを原料とした飲みやすく、健康に良いホップ茶などのホップ組成物及びその製造方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係わるホップ組成物は、乾燥後粉砕したアサ科植物ホップ枝葉と乾燥後粉砕したアサ科植物ホップ毬果を含むことを特徴とするものである。
【0011】
また、前項アサ科植物ホップ枝葉と毬果の重量割合が80対20から60対40であることを特徴とするものである。
【0012】
本発明発明に係わるホップ組成物の製造方法は、乾燥後粉砕したアサ科植物ホップ枝葉と乾燥後粉砕したアサ科植物ホップ毬果をブレンドすることを特徴とする方法である。
【0013】
また、前記アサ科植物ホップ枝葉と毬果の重量割合を80対20から60対40であることを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、枝葉はさわやか風味も兼ねそなえコクがある。毬果は独自のビールでなじみの苦味風味がある。その枝葉と毬果をブレンドし奥深い風味があり、そのうえ飲みやすさに優れいる健康茶である。また、調味料として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の製造工程表
【図2】ホップの立体図
【図3】ホップ毬果の立体図
【図4】ホップ毬果の苞とルプリンの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
原料であるホップの枝葉と毬果を最も効果が作用する飲料にするため、室内20度以上で5日間位自然乾燥が望ましい。そのうえで枝葉と毬果に分け、それぞれ粉砕機で粉砕するのが望ましい。また、乾燥枝葉の成分分析は表1に示した。
【0017】
【表1】

注1.α−カロテン24ug及びβ−カロテン12ugをそれぞれレチノール当量1ugとした。
注2.ヒドラジンで誘導体化した後測定した。
注3.依頼者指定の方法によった。ただし,(+)−カテキン換算値。
分析機関:(財)日本食品分析センター
【0018】
調合行程は、ホップ枝葉と毬果の重量割合が80対20から60対40で混載機に入れ10分前後ブレンドする、少量の場合は粉砕はミキサーでし、ブレンドは容器に入れへらなどを用い手作業でもよい。
【0019】
その上で、ブレンドしたホップ茶をテーパックの商品形態で消費者に供給することができる。このようなホップ飲料を水や熱水で抽出する。抽出する際の温度、時間、割合は表2が好ましいとした。また、ホップ枝葉と毬果の重量割合が70対30のテーパックの抽出液による成分分析を表3に示した。
【0020】
【表2】

【0021】
【表3】

※ティーパック1袋に対して85℃の水500mlを注ぎ、室温で4分間放置し試験した。
注1.窒素・たんぱく質換算係数6:25
注2.計算式:100−(水分+たんぱく質+脂質+灰分)
注3.栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号によるエネルギー換算係数:たんぱく質,4:脂質,9:炭水化物,4)
注4.−:定量下限未満のため換算せず。
注5.依頼者指定方法によった。
分析機関:(財)日本食品分析センター
【実施例1】
【0022】
以下、実施例を示しますが発明はこれに限定されない。
収穫したばかりのホップ枝葉と毬果を風通しの良い室内で温度20度以上あり3日晴天が続いたので3日で乾燥した。乾燥した枝葉、毬果の重量は乾燥する前の4分の1になる。その乾燥したホップ毬果50gと枝葉50gに分け、それぞれフードプロセッサーで粉砕し、表中に示した割合で容器にいれヘラを用い手でブレンドした。それぞれテーパック2gに入れ85℃の熱水150CCで4分の時間を置きパネラー7人に感応試験を実施した。
方法としては、番号ごと、パネラーがホップ風味があり好ましい味と思う点数基準(以下のとおり)最高点を5としてをチェックしてもらい、7人を集計し、その結果は表4のとおり。
(点数基準)
1.まずい。
2.ややまずい。
3.普通。
4.ややおいしい。
5.おいしい。
【0023】
【表4】

【実施例2】
【0024】
実施例1の官能試験結果各上位3品に、更に乾燥粉砕生姜を割合10としブレンドして、それぞれテーパック2gに入れ85℃の熱水150CCで4分の時間を置きパネラー7人に感応試験を実施した。方法としては、前項と同様に番号ごと、パネラーがホップ風味があり好ましい味と思う点数基準は実施例1に準じ最高点を5としてチェックしてもらいった。その結果は7人を集計し表5のとおりで、パネラーより味も落ちることなく飲みやすさも同様の評価であった。
【0025】
【表5】

【実施例3】
【0026】
実施例1の官能試験結果各上位3品に、更に乾燥粉砕ニンニクを割合10としブレンドして、それぞれテーパック2gに入れ85℃の熱水150CCで4分の時間を置きパネラー7人に感応試験を実施した。方法としては、前項と同様に番号ごと、パネラーがホップ風味があり好ましい味と思う点数基準は実施例1に準じ最高点を5としてチェックしてもらた。その結果は7人を集計し表6のとおりで、パネラーよりニンニクを入れての評価は、味が落ちず香りが楽しめる。
【0027】
【表6】

【実施例4】
【0028】
実施例1の官能試験結果各上位3品を、中火で加熱したフライパンで20秒焙煎し容器にいれヘラを用い手でブレンドしてテーパック2gに入れ85℃の熱水で2分の時間を置きパネラー7人に感応試験を実施した。方法としては、前項と同様に番号ごと、パネラーがホップ風味があり好ましい味と思う点数基準は実施例1に準じ最高点を5としてチェックしてもらった。その結果は7人を集計し表7のとおりで、パネラー全員より香ばしい香りがを感じたとの評価であった。
【0029】
【表7】

【実施例5】
【0030】
実施例1の官能試験結果各上位3品を、前もって焙煎した杜仲枝葉を容器にいれヘラを用い手でブレンドしてテーパック2グラムに入れ85℃の熱水で2分の時間を置きパネラー7人に感応試験を実施した。方法としては、前項と同様に番号ごと、パネラーがホップ風味があり好ましい味と思う点数基準は実施例1に準じ最高点を5としてチェックしてもらい、その結果は7人を集計し表8のとおりで、パネラーより絶品の味がを感じたとの評価。
官能試験を杜仲葉の代わりに煎茶葉、玄米茶葉、番茶葉、ほうじ茶葉、紅茶葉を実施したところ、パネラーよりいずれも美味しいとの評価であった。
【0031】
【表8】

【実施例6】
【0032】
収穫したばかりのホップ枝葉と毬果を風通しの良い室内で温度20度以上あり3日晴天が続いたので3日で乾燥した。乾燥した枝葉、毬果の重量は乾燥する前の4分の1になる。その乾燥したホップ毬果50gと枝葉50gに分け、それぞれフードプロセッサーで粉砕し、表4に示した割合で容器にいれヘラを用い手でブレンドした。そのブレンドした2gを実施例1のG・H・Iで作成した割合のブレンド物を、それぞれ20℃のトマトジュース200ccに入れ、かき混ぜてパネラー7人に感応試験を実施した。方法としては、番号ごと、パネラーがホップ風味があり好ましい味と思う点数基準は実施例1に準じ最高点を5としてチェックしてもらい、7人を集計し、その結果は表9のとおりで、多くのパネラーはホップ風味、トマト味がミックスして絶品との評価であった。また、官能試験を水、牛乳、に実施したところパネラーよりいずれも美味しいとの評価であった。
【表9】

【実施例7】
【0033】
収穫したばかりのホップ枝葉と毬果を風通しの良い室内で温度20℃以上あり3日晴天が続いたので3日で乾燥した。乾燥した枝葉、毬果の重量は乾燥する前の4分の1になる。その乾燥したホップ毬果50gと枝葉50gに分け、それぞれフードプロセッサーで粉砕し、表4に示した割合でヘラを用い手でブレンドした。そのブレンドした2gを実施例1のG・H・Iで抽出したホップ茶で、重量割合をホップ茶80対焼酎またはウーロン茶を20として混ぜたところ、パネラーよりおいしいと同様の評価を得られた。
【実施例8】
【0034】
収穫したばかりのホップ枝葉と毬果を風通しの良い室内で温度20℃以上あり3日晴天が続いたので3日で乾燥した。乾燥した枝葉、毬果の重量は乾燥する前の4分の1になる。その乾燥したホップ毬果50gと枝葉50gに分け、それぞれフードプロセッサーで粉砕し、表4に示した割合でヘラを用い手でブレンドした。そのブレンドした2gを実施例1のG・H・Iで作成した割合のブレンド物をうどん、そば、ラーメンにふりかけ混ぜて試食したところ、パネラーよりおいしいと同様の評価を得られた。
【符号の簡単な説明】
【0035】
1.蔓
2.茎
3.枝葉
4.毬果
5.苞
6.ルプリン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥後粉砕したアサ科植物ホップ枝葉と乾燥後粉砕したアサ科植物ホップ毬果を含むことを特徴とするホップ組成物。
【請求項2】
前記アサ科植物ホップ枝葉と毬果の重量割合が80対20から60対40であることを特徴とする請求項1記載ホップ組成物。
【請求項3】
乾燥後粉砕したアサ科植物ホップ枝葉と乾燥後粉砕したアサ科植物ホップ毬果をブレンドすることを特徴とするるホップ組成物の製造方法。
【請求項4】
前記アサ科植物ホップ枝葉と毬果の重量割合を80対20から60対40であることを特徴とする請求項3ホップ組成物の製造方法である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−83266(P2011−83266A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255468(P2009−255468)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【出願人】(508255171)株式会社大雄振興公社 (4)
【Fターム(参考)】