説明

ホログラフィックセンサの使用

【課題】サンプル中の検体を検知する方法の提供。
【解決手段】本発明は、サンプル中の検体を検知する方法であって、
a)基板に固定され、かつ、検体と特異的に結合する第一リガンドに、サンプルを接触させる工程、及び、
b)工程(a)の前又は後に、標識を有し、かつ、検体と特異的に結合する第二リガンドに、サンプルを接触させる工程を含み、
基板は、内部又は上部にホログラムを有する支持媒体を含むホログラフィックセンサを備え、
センサと標識との相互作用、又は、基板と試薬とを接触させる追加工程後に起こる、センサと、標識と試薬との反応で生成された種との相互作用によって、標識がセンサの光学特性を変化させ、結合した検体の有無を示すことを特徴とする方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプル中の検体を検知する方法、及び、そのような方法で使用されるキットに関する。
【背景技術】
【0002】
検知可能に検体と反応する基板にテストサンプルを接触させるアッセイを行うことで、種々の検体を検知することができる。
【0003】
分析方法としては、抗原抗体作用に基づいたイムノアッセイ法が広く知られており、通常は抗原として作用する検体を検知できる。イムノアッセイ法は、臨床医学、法医学、環境試験、食品品質保証、薬物検査などの分野で頻繁に利用され、テストサンプル中の免疫反応性検体を幅広く検知することができる。公知のイムノアッセイ法の一例としては妊娠検査が挙げられ、血液中の抗体とヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)ホルモンとの結合を利用することで、妊娠の有無を示す。
【0004】
イムノアッセイ法としては、競合的検定や非競合的検定によるものなど、種々異なる方法が知られている。検体の有無を判定するための方法は各イムノアッセイ法によって異なっているが、いずれのイムノアッセイ法においても、検体の有無を確認するためには標識物質が必要となる。通常、標識は色によって確認でき、染色されたラテックスや金属粒子を含有する。あるいは、それ自体の放射能によって検知される放射性化合物を含んでいてもよい。
【0005】
従来のアッセイであっても正常に行われていたが、染色された標識又は放射性の標識なしに検体の有無を示す方法が望まれていた。
【0006】
従来のアッセイシステムの多くは確実性を確保する手順を有しており、検体の有無を検知する工程に加えて、並行して第二工程でコントロールを提供することにより、ユーザーがアッセイが正常に完了したか確認を行っていた。このような確実性を有することが望ましいのは明らかであるが、実際の検知に必要な量よりもはるかに多くの試薬を必要とし、より大きな設備も必要であった。そのため、並行する工程を必要としないコントロールが求められていた。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の態様によれば、本発明の方法は、
サンプル中の検体を検知する方法であって、
a)基板に固定され、かつ、検体と特異的に結合する第一リガンドに、サンプルを接触させる工程、及び、
b)工程(a)の前又は後に、標識を有し、かつ、検体と特異的に結合する第二リガンドに、サンプルを接触させる工程を含み、
基板は、内部又は上部にホログラムを有する支持媒体を含むホログラフィックセンサを備え、
センサと標識との相互作用、又は、基板と試薬とを接触させる追加工程後に起こる、センサと、標識と試薬との反応で生成された種との相互作用によって、標識がセンサの光学特性を変化させ、結合した検体の有無を示すことを特徴とする方法を提供する。
【0008】
第二の態様によれば、本発明は、
上部に固定された第一リガンドと、内部又は上部にホログラムを有する支持媒体を含むホログラフィックセンサとからなる基板、及び、
標識を有する第二リガンドが、
別個に又は一括して梱包されていることを特徴とするキットを提供する。
【0009】
本発明で使用されるホログラフィックセンサは特定の検体に対して感度が高く、非常に正確な結果を迅速に得ることが可能である。
【0010】
また、上記センサは、サンプル及び/又は第二リガンドが基板と接触した場合、センサの光学特性がさらに変化するように設計されている。従って、上記方法はアッセイが成功したかを検知できるので、並行工程が不要となり、効率的な確実性を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
従来のアッセイでは、標識は直接的に検知可能であった。これに対して本発明では、標識はホログラフィックセンサへの効果を介して検知可能である。特に、標識又は標識と試薬との反応生成物が、センサと相互作用することで、工程の結果、すなわち、検体の有無を示すこととなる。ホログラフィックセンサは、内部又は上部にホログラムを有する支持媒体からなる。支持媒体はヒドロゲルマトリックスが好ましい。本発明のセンサは基板上に配置されており、第一リガンドも基板上に固定されている。リガンドは、支持マトリックス上又は支持マトリックス近傍に取り付けられている。
【0012】
ホログラフィックセンサは、化学種又は生物種のような様々な分子と相互作用する。この相互作用により支持媒体の物性に変化が起こり、そのような変化によって、ホログラフィックセンサの光学特性に、遠隔的に検知可能な変化が起こる。
【0013】
変化する支持媒体の物性としては、電荷密度、体積、形状、密度、粘度、強度、硬度、電荷、疎水度、膨張度、整合度、架橋密度など、任意の物性が挙げられる。また、上記各物性が変化することで、分極率、反射率、屈折率、吸光度などのホログラムの光学特性が変化する。ホログラムの光学特性の変化としては、色の可視変化として観察可能であるため、波長の変化であることが好ましい。
【0014】
ミラーが背面に設置された透明基板(プラスチック又はガラス)上を覆う特別に設計された検体応答性ヒドロゲルに単一の分光レーザービームを透過させれば、発生する光の回折を利用してホログラフィックセンサが得られる。入射レーザービームと反射レーザービームとが干渉して写真現像及び定着が起こり、ヒドロゲルの表面とほぼ平行な平面状にホログラフィック縞が形成される。通常の白色光照明下では、各縞平面からの部分反射間の建設的干渉が起こることで、ブラッグの式で定められる波長を有する特有のスペクトルピークを生じる。
【0015】
縞の間隔又は平均反射率が変化することで、反射ホログラムにおける波長(色)に肉眼又は分光測光法で認識できる変化が観察される。生物種との相互作用によってポリマーマトリックスが膨張した場合、縞の間隔は増大し、より波長の長い光が反射されることとなる。一方、上記相互作用によってポリマーマトリックスが収縮した場合、反射光は波長の長いものから波長の短いものへと移行する。
【0016】
ホログラフィック画像は物体像であるか、又は、2若しくは3次元効果を奏するものであることが好ましい。ホログラムは、拡大下でのみ視認できてもよく、白色光、UV光若しくは赤外光の下、又は、特定の温度、磁力若しくは圧力条件下で視認することができてもよい。ホログラフィックセンサは、レーザー光を照射されたときに干渉効果を生み出す手段を更に備えていてもよく、上記手段は偏光解消層を有することが好ましい。
【0017】
本発明で好適に使用されるホログラフィックセンサ及びその製造としては、例えば、国際公開WO03/087899号又は国際公開WO95/26499号に開示されているものが知られており、これらの記載内容は言及することによって、本願明細書に組み入れられる。
【0018】
本発明の方法は、第一リガンド及び第二リガンドと、サンプルとを接触させる工程を伴い、両リガンドは検体と特異的に結合する。サンプルと第二リガンドとの接触工程は、サンプルと第一リガンドとの接触工程の前でもよく、後でもよい。第一リガンドは、サンプルが接触する基板上に固定される。従って、工程が開始されると、検体が存在する場合には両リガンドと結合し、第一リガンドがあるために、基板上に固定される。この種のアッセイは、検体が二つのリガンドに挟まれる形状から、「サンドイッチアッセイ」として公知である。
【0019】
サンドイッチアッセイとしては、国際公開WO92/21977号、米国特許第6,319,665号及び米国特許第5,141,850号に開示されているものが知られており、これらの記載内容は言及することによって、本願明細書に組み入れられる。本発明の方法における工程(a)及び(b)を実行するための装置並びに厳密な方法は、本発明の決定的な要素ではなく、国際公開WO92/21977号、米国特許第6,319,665号及び米国特許第5,141,850号に記載されているような任意の、従来の装置及び方法を用いればよい。
【0020】
本発明は、リガンドが検体と特異的に結合するという条件を満たせば、任意の検体又はリガンドとともに使用することができる。例えば、DNA結合リガンドを用いて、DNAを検体としてもよい。しかしながら、本発明は抗体抗原作用によって検体とリガンドとが特異的に結合するイムノアッセイであることが好ましい。第一及び/又は第二リガンドは抗体であることが好ましい。通常、検体は非遺伝物質を含有しており、非遺伝物質としては、酵素、タンパク質、バクテリア、ウイルスなどの生体分子が挙げられる。本発明は、ヘモグロビンを検知するのに利用することができる。
【0021】
第二リガンドはホログラフィックセンサと相互作用する標識を有し、センサの特性を変化させる。標識が基板上に固定されることで「サンドイッチ」が形成されたことが示され、従って、検体が存在していると示すことになる。
【0022】
従来は、第一及び第二リガンドをサンプルと接触させた後に基板を洗浄することで、未反応の第二リガンドを除去し、検体の存在の結果、基板上に固定されている標識だけが残されていた。更に、標識又はその生成物とセンサとを相互作用させる工程も行われる。通常この工程には、標識と反応する試薬と、基板とを接触させる工程が含まれる。標識とセンサとが相互作用できるように、標識の全体又は一部がリガンドから切り離される。あるいは、試薬と標識とが相互作用して、センサと相互作用できる種が生産される。
【0023】
好ましい態様においては、標識は酵素である。酵素は反応を増幅させることが可能なため、本発明では標識として好適に使用される。この場合、酵素と反応する試薬が加えられ、センサと相互作用する種が生産されて、光学特性が検知可能に変化する。
【0024】
標識が酵素の場合、特異的な酵素反応の速度を定量化できるホログラフィックトランスデューサに依拠して工程が進められる。適切な成分(第二リガンド)を特定の酵素で標識しておけば、酵素と特異的に反応する試薬を加えた際に、関連するホログラフィックセンサの光学特性をモニターすることで、その成分の分量を決定することができる。
【0025】
例えば、ペニシリナーゼを標識として使用した抗体又は抗原は、ペニシリン試薬を添加すると、ペニシリン試薬がペニシリナーゼとの接触によってペニシリン酸に変化し、pH感受性ホログラフィックセンサを変化させるので、pH感受性ホログラムによって定量化が可能である。あるいは、ウレアーゼを標識として使用した抗体又は抗原は、尿素試薬を添加した場合、適切なクラウンエーテルを含有するセンサホログラムによって定量化が可能である。
【0026】
酵素/センサホログラムの組み合わせとしては様々異なるものが使用可能であるので、ほとんど全ての抗体抗原系に活用できる適応的かつ包括的なイムノアッセイフォーマットを得ることができる。酸化還元酵素、キナーゼ、ホスファターゼ、プロテアーゼ等、あらゆる種類の酵素が好適に使用され、これらは補酵素サイクリング系又は増幅カスケードの一部を構成する。さらに、他の有機及び無機触媒系に加えて、人工酵素、抗体酵素、リボザイム、デオキシリボザイム等、他の触媒物質も使用可能である。
【0027】
上述の通り、サンプル及び/又は第二リガンドが基板に接触した場合には、センサの光学特性が更に変化することが望ましい。
【0028】
センサ上の異なる部位で相互作用させると、上記変化を起こすことができる。センサには、標識又は標識に関連する種と相互作用を起こす部位に加え、サンプル及び/又は第二リガンド担体中のマーカーと相互作用する部位も存在する。サンプル及び/又は第二リガンド担体が基板と接触した場合、マーカーはセンサと相互作用して光学特性に特徴的な変化が起こる。
【0029】
光学特性に特徴的な変化が起こるということは、サンプル及び/又は第二リガンド担体が基板と接触したということを示しており、ひいてはアッセイが成功したことを示している。これによって、得られた結果は信頼に足りるという確信が得られ、また、このような確実性は重要なものであることが分かる。
【0030】
センサの光学特性の変化は、肉眼又は光学式読み取り機で観察することができる。光学式読み取り機としては、1nmの分解能で数百のスペクトル帯を測定することができる分光測光器が挙げられる。一方、人間の目は三種類の視覚色素に対応した青、緑及び赤という三つのスペクトル帯に依存している。非常に高感度な結果を示す分光測光器は、ごくわずかな光学特性の変化も検知することができる。
【0031】
本発明はまた、上部に第一リガンドが固定され、内部あるいは上部にホログラムを有する支持媒体を含むホログラフィックセンサからなる基板と、標識を有する第二リガンドとからなる、本発明の方法で使用されるキットに関する。
【0032】
本発明は、様々異なるものに適用してもよい。医療分野においては、ある病状の指標となる生物種又は化学種を幅広く検知することができる。
【0033】
本発明はセキュリティ分野にも有用であり、被試験物品の真贋を確認できるように、基板が物品の一部となることができる。
【0034】
センサを含む基板は、本発明のキットに含まれる物品の上部又は内部に配置されている。物品の例としては、金融取引カード、銀行券、パスポート、身分証明証、スマートカード、運転免許証、株券、債務証書、小切手、チェックカード(cheque card)、タックス・バンダロール(tax banderole)、商品券、郵便切手、鉄道チケット若しくは航空チケット、テレフォンカード、宝くじ、イベントチケット、クレジットカード若しくはデビットカード、業務用名刺、又は、消費者、ブランド若しくは製品の保護目的で、正規品と偽造品とを区別したり盗品を特定したりするためのものが挙げられる。
【0035】
また、上記物品は、宝石、衣服(履物を含む)、布地、家具、玩具、進物、家庭用品(陶磁器類、ガラス製品を含む)、建造物(ガラス、タイル、塗料、金属、レンガ、セラミック、木材、プラスチック、他の内装及び外装を含む)、芸術品(絵画、彫刻、陶器、ライト・インスタレーションを含む)、文具(グリーティングカード、レターヘッド、販促品を含む)及びスポーツ用品から選択される、装飾要素を有する工業品又は手工芸品であってもよい。
【0036】
上記物品は、農学研究、環境学研究、医学若しくは獣医学の予後診断、治療的診断、診断学、治療又は化学分析などで使用される製品又は装置であってもよく、例えば、試験紙、チップ、カートリッジ、綿球、チューブ、ピペット、コンタクトレンズ、結膜下インプラント、皮下インプラント、飲酒検知器、カテーテル、又は、流体サンプリング装置若しくは分析機器が挙げられる。
【0037】
上記物品はインテリジェントパッケージ(Intelligent package)であってもよい。「インテリジェントパッケージ」とは、製品の情報若しくは品質、又は、製品の品質、保存期間若しくは安全性に影響を及ぼす環境条件を監視、表示又は検査するための容器、包装紙若しくは筐体の一部又はそれらの付属物と、時間−温度、鮮度、湿度、アルコール度数、ガス及び物理的損傷などを示すインジケーターなどの一般的なアプリケーションとを有するシステムを指す。
【0038】
本発明のキットでは、基板はホットスタンプテープなどの転写可能なホログラフィックフィルムの上部又は内部に配置されていてもよい。キットはセンサからデータを生成することができる。
【実施例】
【0039】
第一抗体はpH感受性ホログラフィックセンサの上部又は近傍に固定されている。センサの支持マトリックスは、5%エチレンジメタクリレート架橋剤と6%メタクリル酸とのポリヒドロキシエチルメタクリレート共重合体からなる。
【0040】
ヘモグロビンを含有するサンプルを、固定された抗体上に薄塗りする。サンプル中に存在する全てのヘモグロビン(ヘム又はヘムの分解物は除く)は、第一抗体と結合する。
【0041】
ペニシリナーゼタンパクで標識された第二抗体を、系の表面上に薄塗りする。
【0042】
第二抗体は、固定されたヘモグロビン(これは第一抗体と結合している)と結合して、サンドイッチ形状を形成する。
【0043】
ペニシリンを含有する溶液を系の表面上に薄塗りすると、第二抗体上に標識を形成するペニシリナーゼタンパクによって、ペニシリンがペニシロ酸に変化する。
【0044】
ペニシロ酸の形成によってpHが変化し、その変化はホログラムの回折信号が変化することで示される。ホログラムの回折信号は、ペニシロ酸が生成されpHが低下する(より酸性が強くなる)につれて、赤外帯(不可視)から赤色帯(可視)へと移行する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中の検体を検知する方法であって、
a)基板に固定され、かつ、検体と特異的に結合する第一リガンドに、サンプルを接触させる工程、及び、
b)工程(a)の前又は後に、標識を有し、かつ、検体と特異的に結合する第二リガンドに、サンプルを接触させる工程を含み、
基板は、内部又は上部にホログラムを有する支持媒体を含むホログラフィックセンサを備え、
センサと標識との相互作用、又は、基板と試薬とを接触させる追加工程後に起こる、センサと、標識と試薬との反応で生成された種との相互作用によって、標識がセンサの光学特性を変化させ、結合した検体の有無を示すことを特徴とする方法。
【請求項2】
サンプル及び/又は第二リガンドが基板と接触する時に、センサの光学特性がさらに変化する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第一リガンド及び/又は第二リガンドは抗体である請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
検体は非遺伝物質である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
検体はヘモグロビンである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
標識は有機又は無機触媒系である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
標識は酵素、人工酵素、抗体酵素、リボザイム又はデオキシリボザイムからなる群より選択される請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
標識は酵素である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
更に、触媒系との反応によってセンサと相互作用する種を生成する試薬と、基板とを接触させる工程を含む請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
試薬と触媒系との反応で生成された種は、試薬とは異なるpHを有している請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ホログラムは光の回折によって生成される請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ホログラムは拡大下でのみ視認可能である請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
ホログラフィック画像は物体像、又は、2若しくは3次元効果を有するものである請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
センサは、レーザー光が照射された場合に干渉効果を引き起こす手段を更に有している請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記手段は偏光解消層を有する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ホログラムは白色光、UV光又は赤外線下で視認可能である請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
ホログラムは特定の温度、磁力又は圧力条件下で視認可能である請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
標識とセンサとの反応は化学反応である請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
上部に固定された第一リガンドと、内部又は上部にホログラムを有する支持媒体を含むホログラフィックセンサとからなる基板、及び、
標識を有する第二リガンドが、
別個に又は一括して梱包されていることを特徴とするキット。
【請求項20】
基板は物品の一部である請求項19に記載のキット。
【請求項21】
物品は、金融取引カード、銀行券、パスポート、身分証明証、スマートカード、運転免許証、株券、債務証書、小切手、チェックカード、タックス・バンダロール、商品券、郵便切手、鉄道チケット若しくは航空チケット、テレフォンカード、宝くじ、イベントチケット、クレジットカード若しくはデビットカード、業務用名刺、又は、消費者、ブランド若しくは製品の保護目的で、正規品と偽造品とを区別したり盗品を特定したりするためのものである請求項20に記載のキット。
【請求項22】
物品は本願明細書で定義されるインテリジェントパッケージである請求項20に記載のキット。
【請求項23】
物品は、宝石;履物を含む衣服;布地;家具;玩具;進物;陶磁器類、ガラス製品を含む家庭用品;ガラス、タイル、塗料、金属、レンガ、セラミック、木材、プラスチック、その他内装及び外装を含む建造物;絵画、彫刻、陶器、ライト・インスタレーションを含む芸術品;グリーティングカード、レターヘッド、販促品を含む文具;及びスポーツ用品から選択される、装飾要素を有する工業品又は手工芸品である請求項20に記載のキット。
【請求項24】
物品は、農学研究、環境学研究、医学若しくは獣医学における予後診断、治療的診断、診断学、治療又は化学分析で使用される、製品又は装置である請求項20に記載のキット。
【請求項25】
物品は、試験紙、チップ、カートリッジ、綿球、チューブ、ピペット、コンタクトレンズ、結膜下インプラント、皮下インプラント、飲酒検知器、カテーテル、又は、液体サンプリング装置若しくは分析機器である請求項24に記載のキット。
【請求項26】
基板は転写可能なホログラフィックフィルムの上部又は内部にある請求項20に記載のキット。
【請求項27】
フィルムはホットスタンプテープの上に存在している請求項26に記載のキット。
【請求項28】
センサからデータを生成可能である請求項19に記載のキット。
【請求項29】
請求項26又は27に記載のキットを使用して製品の安全性を高める方法であって、フィルムから製品の基板に転写する工程を含むことを特徴とする方法。

【公表番号】特表2009−506312(P2009−506312A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527510(P2008−527510)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003156
【国際公開番号】WO2007/023282
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(507357900)ケンブリッジ エンタープライズ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】