ホログラム記録媒体及びホログラム記録再生装置
【課題】
記憶容量を向上させつつ、高精度のサーボ及びアドレス管理を行うことができるホログラム記録媒体及びホログラム記録再生装置の提供。
【解決手段】
グルーブ10は、このグルーブに正確にトレースするための無変調のトラックグルーブ12とディスク状のホログラム記録媒体101上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有するアドレスグルーブ11で構成されており、例えばトラックグルーブ12が3本続いた後にアドレスグルーブ11を1本配置し、以下この組み合わせを繰り返した構成となっている。
記憶容量を向上させつつ、高精度のサーボ及びアドレス管理を行うことができるホログラム記録媒体及びホログラム記録再生装置の提供。
【解決手段】
グルーブ10は、このグルーブに正確にトレースするための無変調のトラックグルーブ12とディスク状のホログラム記録媒体101上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有するアドレスグルーブ11で構成されており、例えばトラックグルーブ12が3本続いた後にアドレスグルーブ11を1本配置し、以下この組み合わせを繰り返した構成となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム記録媒体及びホログラム記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィを使ってデータを記録するホログラム記録再生装置の開発が進められている。
【0003】
ホログラム記録再生装置では、変調された(データが重畳された)信号光、変調されない参照光の2つをレーザ光から生成し、これらをホログラム記録媒体の同一場所に照射する。その結果、ホログラム記録媒体上で信号光と参照光が干渉して照射点に回折格子(ホログラム)が形成され、ホログラム記録媒体にデータが記録される。
【0004】
記録済みのホログラム記録媒体に参照光を照射することで、記録時に形成された回折格子から回折光(再生光)が発生する。この再生光は記録時の信号光に重畳されたデータを含んでいるので、これを受光素子で受光して記録した信号を再生できる。
【0005】
特許文献1には、このようなホログラム記録再生装置に用いられるホログラム記録媒体の一例が開示されている。この特許文献1に開示されたホログラム記録媒体は、記録層と反射層とを備え、反射層にはエンボスビットによるサーボ領域とそれに続くアドレス領域が物理的に形成されている。アドレス領域には、レーザ光の照射位置を合わせるためのアドレス情報が記録されている。そして、このアドレス領域の後にはエンボスビットによる物理フォーマットが施されていないミラー領域が形成され、このミラー領域に対応する記録層にホログラムが記録されるようになっている。
【特許文献1】特開2003−178456号公報(段落[0016]〜[0019]、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたホログラム記録媒体では、サーボ領域及びアドレス領域に対応する記録層にはホログラムを記録できないことから、この領域が冗長な領域となり、記録容量が低下する、という課題がある。その一方、ミラー領域では、フォーカシングやトラッキングが行えなえず、またアドレスの管理も精密に行えない、という課題がある。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、記憶容量を向上させつつ、高精度のサーボ及びアドレス管理を行うことができるホログラム記録媒体及びホログラム記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
A.かかる課題を解決するため、本発明に係るホログラム記録媒体は、ディスク状のホログラム記録媒体であって、ホログラムが記録されるホログラム記録層と、無変調の第1のグルーブ及びディスク上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有する第2のグルーブが同心円状又はスパイラル状に設けられた反射層とを具備するものである。
【0009】
本発明では、反射層に無変調の第1のグルーブ及びディスク上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有する第2のグルーブが同心円状又はスパイラル状に設けられているので、第1のグルーブを用いて常にサーボをかけることができ、しかも第2のグルーブを用いて常にディスク上の位置を示すアドレス情報を得ることができる。従って、高精度のサーボ及びアドレス管理を行うことができる。
【0010】
また、反射層とは光学的に独立してホログラム記録層にホログラムを記録することで、第1のグルーブ及び第2のグルーブに対応するホログラム記録層の位置にホログラムを記録することができる。従って、ホログラム記録層に冗長な領域をなくし、記憶容量を向上させることができる。「反射層とは光学的に独立してホログラム記録層にホログラムを記録する」ことは、例えば反射層に対しては赤色レーザを用い、ホログラム記録層に対しては青色レーザを用い、かつ、ホログラム記録層を赤色レーザによって感光しない材料を用いることで実現することができる。
(1)前記反射層には、隣接する2本の前記第2のグルーブの間に3本の前記第1のグルーブが設けられていることが好ましい。
【0011】
3本の第1のグルーブによりトラッキングエラーに応じたトラッキングエラー信号を正確に得ることができ、トラキングサーボを高精度に行うことができる。
【0012】
特に、ホログラムの記録においては、ホログラムの直径に比べてグルーブ間の間隔が非常に小さいことから、このようにホログラムに対して多数のグルーブを対応させることが容易である。よって、上記の技術の適用が好ましい記録方式といえる。
(2)前記アドレス情報には、ディスク上の半径位置を示す第1の情報及びディスク上の円周位置を示す第2の情報が含まれるのが好ましい。
【0013】
これにより、アドレス管理を高精度に行うことができる。
(3)前記アドレス情報ごとに、シンクパターン及びクロックパターンが付加されるようにするのが好ましい。
【0014】
これにより、クロック生成用のグルーブを別に設ける必要がなくなる。
(4)前記ホログラム記録層と前記反射層との間には、前記ホログラム記録層に対して照射するための第1の波長のレーザ光は反射し、前記反射層に対して照射するための第2の波長のレーザ光は透過する波長選択反射層を具備することが好ましい。
【0015】
ホログラム記録層に対して照射される第1の波長のレーザ光が反射層に達して反射層で反射して再びホログラム記録層に戻りこれによりノイズが発生する。このノイズは記録再生信号を乱す。波長選択反射層を設けることで、このようなノイズの発生を防止することができる。
B.本発明の別の観点に係るホログラム記録再生装置は、ホログラムが記録されるホログラム記録層と、無変調の第1のグルーブ及びディスク上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有する第2のグルーブが同心円状又はスパイラル状に設けられた反射層とを有するディスク状のホログラム記録媒体に対してホログラムの記録及び/又はホログラムの再生を行うホログラム記録再生装置であって、前記ホログラム記録層に対して第1の波長のレーザ光を照射し、その反射光を受光するための第1の光学系と、前記反射層に対して前記ホログラム記録層では感光しない波長である第2の波長のレーザ光を照射し、その反射光を受光するための第2の光学系とが一体的に設けられ、前記ホログラム記録媒体に対する対物レンズが前記第1の光学系と前記第2の光学系とで共通の光学ユニットと、前記ホログラム記録媒体を回転駆動する第1の駆動系と、前記光学ユニットを半径方向に駆動する第2の駆動系と、前記第2の光学系を介して得られた前記アドレス情報に基づき前記第1及び第2の駆動系を制御する制御手段とを具備するものである。
【0016】
本発明では、第1の光学系と第2の光学系とが一体的に設けられ、ホログラム記録媒体に対する対物レンズが第1の光学系と前記第2の光学系とで共通の光学ユニットを有することで、第1の波長のレーザ光と第2の波長のレーザ光とが共通の光路を通ってホログラム記録媒体に対して照射されるので、所望のアドレスに対応するホログラム記録層に対してホログラムを高精度に記録することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、ホログラム記録層とは別の反射層に無変調の第1のグルーブ及びディスク上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有する第2のグルーブが同心円状又はスパイラル状に設けられているので、記憶容量を向上させつつ、高精度のサーボ及びアドレス管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(ホログラム記録媒体)
【0019】
図1は本発明に一実施形態に係るホログラム記録媒体の平面図、図2は図1に示したホログラム記録媒体の半径方向の一部断面図である。
【0020】
図1に示すように、ホログラム記録媒体101はディスク状であり、後述する反射層には同心円状にグルーブ10が例えば1.25μm間隔で設けられている。なお、このようなグルーブ10がスパイラル状に設けられていてもよい。
【0021】
図2に示すように、ホログラム記録媒体101は、反射防止膜層102、保護層103、記録層104、ギャップ層105、波長選択反射層106、ギャップ層107、反射層108をこの順番で積層した構造を有する。
【0022】
反射防止膜層102は、媒体101の表面から不要な反射光を減少させるために用いられる。
【0023】
保護層103は、記録層104を外界から保護するための層であり、例えばプラスチックからなる。
【0024】
記録層104は、この干渉縞を屈折率(あるいは、透過率)の変化として記録するものであり、光の強度に応じて屈折率(あるいは、透過率)の変化が行われる材料であれば、有機材料、無機材料の別を問うことなく利用可能である。但し、サーボ用の赤色レーザ光には感光しないものが用いられる。なお、無機材料として、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)のような電気光学効果によって露光量に応じ屈折率が変化するフォトリフラクティブ材料を用いることができる。有機材料として、例えば、光重合型フォトポリマを用いることができる。光重合型フォトポリマは、その初期状態では、モノマがマトリクスポリマに均一に分散している。これに光が照射されると、露光部でモノマが重合する。なお、ポリマ化するにつれて周囲からモノマが移動してモノマの濃度が場所によって変化する。以上のように、記録層104の屈折率(あるいは透過率)が露光量に応じて変化することで、符号Bで示すホログラム記録再生用の青色レーザ光(波長410nm)又は緑色レーザ光(波長532nm)の参照光と信号光との干渉によって生じる干渉縞を屈折率(あるいは透過率)の変化としてホログラム記録媒体101に記録できる。
【0025】
ギャップ層105、107は、記録層104と反射層108との間で所定の間隔を維持するための層であり、例えばプラスチックからなる。
【0026】
波長選択反射層106は、サーボ用の赤色レーザ光Rを通過させるが、記録再生用の青色又は緑色レーザ光Bは反射するようにされている。波長選択反射層106と用いることで、ホログラム記録再生用の青色又は緑色のレーザ光Bが波長選択反射層106より下の層に届かないために記録再生信号を乱す反射層108からの反射光が発生しないようにされており、青色又は緑色のレーザ光Bは記録層104のみに作用してホログラムの記録再生が行われる。
【0027】
反射層108は、例えばプラスチックの表面(ギャップ層107側の面)にアルミニウムの薄膜を形成して構成され、この反射層108を通過した赤色レーザ光Rがギャップ層反射層108の表面で反射される。反射層108の表面には、上述したグルーブ10が同心円状に形成されている。
(グルーブ10の構成)
【0028】
図3は図2に示した反射層108のグルーブ10を示す平面的模式図である。
【0029】
図3に示すように、グルーブ10は、このグルーブに正確にトレースするための無変調のトラックグルーブ12とディスク状のホログラム記録媒体101上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有するアドレスグルーブ11で構成されており、例えばトラックグルーブ12が3本続いた後にアドレスグルーブ11を1本配置し、以下この組み合わせを繰り返した構成となっている。
(アドレスグルーブ11の詳細)
【0030】
図4はアドレスグルーブ11の情報の内容を示した図である。
【0031】
図4に示すように、この実施形態では、ディスク状のホログラム記録媒体101の1周を24の領域20に分け、その領域は円周方向に「0」〜「23」の番号が付けられている。
【0032】
各領域20には、領域20の先頭からシンクパターン21、ブロックナンバー22(トラックナンバーに相当する。)、角度位置23(セクターに相当する。)、クロックパターン24の各情報が配置されている。
【0033】
図5(a)〜(e)はアドレスグルーブ11の各領域20の情報の詳細を示す図である。
【0034】
シンクパターン21は、それ以降の信号の同期を取るためのもので、その他の場所には存在しないユニークなパターンとしてある。図5(a)に示すように、例えばHレベル3ビット、Lレベル3ビットの構成となっている。
【0035】
ブロックナンバー22は、例えば最内周のアドレスグルーブを「0」とし、そこから外周に向かって存在するアドレスグルーブを「1」「2」「3」・・・と連続番号を付けてあり、この番号を例えば図5(c)に示すようにディジタルデータの14ビットで配置してある。このときのディジタルデータは、図5(b)に示すように、「0」はHLLの3ビットセルからなり、「1」はHHLの3ビットセルからなる。
【0036】
角度位置23は、ディスク1周を24の領域に分割した番号で、例えば図5(d)に示すように5ビットで構成されている。この部分のディジタルデータの「0」と「1」は上記ブロックナンバーと同じパターンである。
【0037】
クロックパターン24は、1ビットずつH、Lの繰り返しパターンで構成されている。
【0038】
なお、これらの構成については単に一例を示したもので、様々な例があることは勿論のことである。
(ホログラム記録再生装置)
【0039】
図6はホログラム記録再生装置の構成を示す模式図である。
【0040】
図1に示すように、ホログラム記録再生装置1000は、上記のホログラム記録媒体101への情報の記録、再生を行うものであり、光学ユニット100、光学ユニット100を駆動制御する駆動制御系200を備える。
【0041】
光学ユニット100は、記録再生用光源111,コリメートレンズ112,偏光ビームスプリッタ113,ミラー121,ピンホール122,空間光変調器123,ミラー124,ダイクロイックミラー125,凹レンズ126,対物レンズ127,ファラデー素子131、132,偏光ビームスプリッタ133,撮像素子134,ミラー141,遮蔽板142,位相変調素子143,サーボ用光源151,コリメートレンズ152,グレーティング153,ビームスプリッタ154,集光用レンズ155,シリンドリカルレンズ156,受光素子157,サーボ駆動ユニット158を有する。
【0042】
なお、ここでは、記録再生用光源111,コリメートレンズ112,偏光ビームスプリッタ113,ミラー121,ピンホール122,空間光変調器123,ミラー124,ダイクロイックミラー125,凹レンズ126,ファラデー素子131、132,偏光ビームスプリッタ133,撮像素子134,ミラー141,遮蔽板142,位相変調素子143が第1の光学系であり、サーボ用光源151,コリメートレンズ152,グレーティング153,ビームスプリッタ154,集光用レンズ155,シリンドリカルレンズ156,受光素子157が第2の光学系である。
【0043】
記録再生用光源111は、レーザ光源であり、例えば、波長405[nm](青色)のレーザダイオード(LD)や波長532[nm](緑色)のNd−YAGレーザを用いることができる。
【0044】
コリメートレンズ112は、記録再生用光源111から照射されたレーザ光を平行光に変換する光学素子である。
【0045】
偏光ビームスプリッタ113は、コリメートレンズ112から入射した平行光を信号光と参照光に分割する光学素子である。偏光ビームスプリッタ113からは、ミラー121に向かうs波の信号光とミラー141に向かうp波の参照光が出射される。
【0046】
ミラー121、124、141は、入射光を反射してその方向を変更する光学素子である。
【0047】
ピンホール122は、信号光のビーム径を絞る光学素子である。
【0048】
空間光変調器123は、信号光を空間的に(ここでは、2次元的に)変調して、データを重畳する光学素子である。空間光変調器123は、透過型の素子である透過型液晶素子を用いることができる。なお、空間光変調器に反射型の素子であるDMD (Digital micro mirror) や反射型液晶、GLV (Grating Light Value)素子を用いることが可能である。
【0049】
ダイクロイックミラー125は、記録再生に用いる光(記録再生用光源111からのレーザ光)とサーボに用いる光(サーボ用光源151からのレーザ光)とを同一の光路にするための光学素子である。ダイクロイックミラー125は、記録再生用光源111とサーボ用光源151とでレーザ光の波長が異なることに対応して、記録再生用光源111からの記録再生光を透過し、サーボ用光源151からのサーボ光を反射する。ダイクロイックミラー125は記録再生用の光は全透過し、サーボ用に用いる光は全反射するような薄膜処理がその表面に施されている。
【0050】
凹レンズ126は、信号光の収束性を参照光と異ならせるためのレンズである。信号光のみが凹レンズ126を通過することで、信号光と参照光のホログラム記録媒体101での集光深さが異なってくる。
【0051】
対物レンズ127は、信号光および参照光の双方をホログラム記録媒体101に集光するための光学素子である。
【0052】
ファラデー素子131、132は、偏光面を回転するための光学素子である。ファラデー素子131に入射したs偏光は偏光面が45°回転され、ファラデー素子132で元のs偏光に戻される。
【0053】
偏光ビームスプリッタ133は、ファラデー素子131から入射した偏光を透過し、ホログラム記録媒体101で反射されてファラデー素子132から戻ってきた戻り光(再生光)を反射するための光学素子である。これは、ファラデー素子131、132、と偏光ビームスプリッタ133との組み合わせにより実現される。
【0054】
撮像素子134は、再生光の画像を入力するための素子である。
【0055】
遮蔽板142は、参照光の一部を遮蔽して、記録光と重ならないようにするための光学素子である。
【0056】
位相変調素子143は、参照光にランダム位相またはある一定の位相パターンを持たせるための光学素子であり、位相マスクといってもよい。位相変調素子143には、すりガラスやデフューザ、空間位相変調器を用いても良い。また、位相パターンを記録したホログラム素子を用いることも可能である。ホログラム素子からの再生によって位相パターンを有する光が発生する。
【0057】
サーボ用光源151は、トラッキングサーボ、フォーカスサーボ等のサーボ制御やアドレスドレス情報の読み取りを行うための光源であり、記録再生用光源111とは波長の異なるレーザ光を出射する。サーボ用光源151は、例えば、レーザーダイオードであり、発振波長としてホログラム記録媒体101に対して感度が小さい、例えば、660nm(赤色)を使用する。
【0058】
コリメートレンズ152は、サーボ用光源151から照射されたレーザ光を平行光に変換する光学素子である。
【0059】
グレーティング153は、コリメートレンズ152から出射されたレーザ光を3つのビームに分割するための光学素子である。サーボ制御やアドレスドレス情報の読み取りのためにレーザ光の分割が行われる。
【0060】
ビームスプリッタ154は、グレーティング153から出射されたレーザ光を透過し、ホログラム記録媒体101から反射されて戻ってきた戻り光を反射するための光学素子である。
【0061】
集光用レンズ155は、ビームスプリッタ154からの戻り光を受光素子157に集光するための光学素子である。
【0062】
シリンドリカルレンズ156は、集光用レンズ155から出射されたレーザ光のビーム形状を円形から楕円形に変換するための光学素子である。
【0063】
受光素子157は、戻り光を受光し、トラッキングサーボ制御のためのトラッキングエラー信号とフォーカスサーボ制御のためのフォーカスエラー信号とアドレスドレス情報の読み取り信号を出力するための素子、例えば、フォトディテクタである。
【0064】
サーボ駆動ユニット158は、受光素子157からのトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号により対物レンズ127を駆動し、トラッキング制御およびフォーカス制御を行うための駆動機構であり、駆動用のコイル161,162を有する。
【0065】
図7は受光素子157の構成を示す平面図である。
【0066】
図7に示すように、受光素子157は、にA〜Hの8素子で構成され、素子A〜Dには3つのレーザービームの中央のスポットであるトラックグルーブ12からの反射光12aが、素子EとFにはアドレスグルーブ11からの反射光11aが、素子GとHにはもう一つのアドレスグルーブ11からの反射光11aが受光されるようになっている。
【0067】
受光素子157からの出力信号は信号演算回路201に入力され、ここでフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号が以下のように演算される。
【0068】
フォーカスエラー信号=(A+C)−(B+D)
【0069】
トラッキングエラー信号=(A+D)−(B+C)
【0070】
これらのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号は、それぞれフォーカスサーボ回路202、トラッキングサーボ回路203に入力される。
【0071】
フォーカスサーボ回路202及びトラッキングサーボ回路203は、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に基づき、それぞれフォーカスコイル162、トラッキングコイル161に電流を流し、対物レンズ127を最適な位置に制御する。
【0072】
信号演算回路201はアドレス信号を以下のように演算する。
【0073】
アドレス信号=E+F又はG+H
【0074】
アドレス信号は、アドレスデコーダ204へ入力されディスク上の位置データとして次のコントローラ205へ入力される。
【0075】
コントローラ205は上記アドレスデータやトラッキングサーボ回路203からの信号に基づいて、光学ユニット100をホログラム記録媒体101の半径方向へ移動させるための信号をスライドサーボ回路206に出力し、スライドサーボ回路206はスライドモータ207により光学ユニット100を最適な位置に制御する。
【0076】
コントローラ205からの信号はスピンドルサーボ回路208にも入力される。
【0077】
ホログラム記録媒体101はスピンドルモータ209に装着されておりスピンドルサーボ回路208により最適な回転数となるよう制御される。
【0078】
このような制御を行うことで、ホログラム記録媒体101上の所望の位置に良好なホログラムの記録再生が可能となる。
(ホログラム記録再生装置1000の動作)
【0079】
以下、ホログラム記録再生装置1000の動作の概要を説明する。
A.記録時
【0080】
記録時におけるホログラム記録再生装置1000の動作の概要を説明する。
【0081】
記録再生用光源111から出射されたレーザ光がコリメートレンズ112によって平行光になり偏光ビームスプリッタ113によってs波の信号光とp波の参照光とに分割される。
【0082】
信号光はミラー121によって反射され、ピンホール122によって所望のビーム径にされ、空間光変調器123によって空間的に強度変調される。空間光変調器123で光変調されたレーザ光はファラデー素子131、偏光ビームスプリッタ133,ファラデー素子132を通過し、ミラー124によって反射され、ホログラム記録媒体101上での焦点を調節する凹レンズ126を通過する。
【0083】
また偏光ビームスプリッタ113を透過した参照光はミラー141で反射され、遮蔽板142によってビームの中心部分のみが遮断され所望のビームの形にされる。このため、ミラー124では反射されず信号光と同一の光路となる。
【0084】
対物レンズ127が記録光と参照光とをホログラム記録媒体101上の略同一の箇所に集光することで、ホログラム記録媒体101上に干渉縞が形成される。この結果、空間光変調器123によって空間変調された情報をホログラム記録媒体101上にホログラムとして記録する。
【0085】
なお、受光素子157からサーボ信号及びアドレス信号が駆動制御系200に出力され、駆動制御系200はこのサーボ信号に基づきサーボ駆動ユニット158が動作することで、トラッキングおよびフォーカスのずれが解消される。また、駆動制御系200はこのアドレス信号に基づき光学ユニット100を動作することで、ホログラム記録媒体101上の所望の位置にホログラムの記録が可能となる。
B.再生時
【0086】
再生時におけるホログラム記録再生装置1000の動作の概要を説明する。
【0087】
再生時には信号光を遮断し、参照光のみをホログラム記録媒体101に入射させる。
【0088】
記録再生用光源111から出射し、偏光ビームスプリッタ113を透過した参照光がミラー141によって反射され、遮蔽板142によってビームの中心部分のみが遮断される。その後、参照光はダイクロイックミラー125を通過し、位相変調素子143によって記録時と同様の位相パターンを有する参照光となりホログラム記録媒体101に入射する。
【0089】
記録時と同じ位相パターンを持った参照光がホログラム記録媒体101に入射することにより、ホログラム記録媒体101に記録されたホログラムから回折光(再生光)が発生する。
【0090】
発生した再生光は信号光と逆の光路をたどり、対物レンズ127、凹レンズ126,ダイクロイックミラー125を透過して、ミラー124で反射される。
【0091】
ミラー124で反射された再生光は、ファラデー素子132によって偏光方向が回転される。その結果、ファラデー素子132を出射した再生光は、偏光ビームスプリッタ133で反射され、撮像素子134によって空間光変調器123での空間的な2次元データに対応する電気信号に変換される。撮像素子134からの出力は、図示しない信号処理部によって2値化され、時系列2値化データに変換される。
(ビームスポットの配置の例)
【0092】
図8はホログラム記録媒体101の反射層108上に照射される赤色レーザ光のビームスポットを示したものである。
【0093】
グレーティング153により3つに分離された赤色レーザ光のビームは、図8に示すように、それぞれホログラム記録媒体101の反射層108上の異なる3箇所に照射される(ビームスポット11b、12b、11b)。
【0094】
ビームスポット11b、12bの間隔はトラック10の間隔の2倍に相当し、ビームスポット11bを先頭として、ビームスポット12b、ビームスポット11bの順番で円周方向にずれている。
【0095】
ビームスポット12bは、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成するために用いられる。また、ビームスポット11b(図8の2つの11bのうち一方のスポット)は、アドレス信号を生成するために用いられる。
【0096】
図8の例は、トラッキングサーボが正常にかかっている状態を示している。すなわち、ビームスポット12bは、3本のトラックグルーブ12のうち中央のトラックグルーブ12に位置し、ビームスポット11bは、アドレスグルーブ11に位置している。
【0097】
ビームスポット12bが中央のトラックグルーブ12からずれていくと、フォトディテクタ12aの出力(トラッキングエラー信号)が弱くなっていき、その出力が強まる方向にトラッキングサーボをかければよい。また、ビームスポット12bが中央のトラックグルーブ12からさらにずれて隣のトラックグルーブ12に位置すると、ビームスポット11bがアドレスグルーブ11ではなく、トラックグルーブ12に位置することとなり、アドレス信号が得られなくなる。この場合には、ビームスポット12bが中央のトラックグルーブ12に位置するようにトラッキングサーボをかければよい。
(ホログラム記録媒体の他の例)
【0098】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で様々に変形して実施することが可能である。
(1)図9に示すように、グルーブ10を「1本のアドレスグルーブ11、3本のトラックグルーブ12、1本のクロックグルーブ13」の組み合わせを繰り返した構造としてもよい。そして、この場合には、アドレスグルーブ11からクロックパターンをなくし、クロックグルーブ13からクロックを得ればよい。このような構成とすることで、アドレスグルーブ11のアドレスに関する冗長性をなくし、より細やかなアドレス管理が可能となる。
(2)上記の実施形態では、3本のトラックグルーブ12を1組とするものであったが、1本或いは2本であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に一実施形態に係るホログラム記録媒体の平面図である。
【図2】図2は図1に示したホログラム記録媒体の半径方向の一部断面図である。
【図3】図2に示した反射層のグルーブを示す平面的模式図である。
【図4】アドレスグルーブの情報の内容を示した図である。
【図5】アドレスグルーブの各領域の情報の詳細を示す図である。
【図6】ホログラム記録再生装置の構成を示す模式図である。
【図7】図6に示した受光素子の構成を示す平面図である。
【図8】ホログラム記録媒体の反射層上に照射される赤色レーザ光のビームスポットを示した平面的模式図である。
【図9】反射層のグルーブの他の例を示す平面的模式図である。
【符号の説明】
【0100】
10 グルーブ
11 アドレスグルーブ
12 トラックグルーブ
100 光学ユニット
101 ホログラム記録媒体
102 反射防止膜層
103 保護層
104 記録層
105 ギャップ層
106 波長選択反射層
107 ギャップ層
200 駆動制御系
1000 ホログラム記録再生装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム記録媒体及びホログラム記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィを使ってデータを記録するホログラム記録再生装置の開発が進められている。
【0003】
ホログラム記録再生装置では、変調された(データが重畳された)信号光、変調されない参照光の2つをレーザ光から生成し、これらをホログラム記録媒体の同一場所に照射する。その結果、ホログラム記録媒体上で信号光と参照光が干渉して照射点に回折格子(ホログラム)が形成され、ホログラム記録媒体にデータが記録される。
【0004】
記録済みのホログラム記録媒体に参照光を照射することで、記録時に形成された回折格子から回折光(再生光)が発生する。この再生光は記録時の信号光に重畳されたデータを含んでいるので、これを受光素子で受光して記録した信号を再生できる。
【0005】
特許文献1には、このようなホログラム記録再生装置に用いられるホログラム記録媒体の一例が開示されている。この特許文献1に開示されたホログラム記録媒体は、記録層と反射層とを備え、反射層にはエンボスビットによるサーボ領域とそれに続くアドレス領域が物理的に形成されている。アドレス領域には、レーザ光の照射位置を合わせるためのアドレス情報が記録されている。そして、このアドレス領域の後にはエンボスビットによる物理フォーマットが施されていないミラー領域が形成され、このミラー領域に対応する記録層にホログラムが記録されるようになっている。
【特許文献1】特開2003−178456号公報(段落[0016]〜[0019]、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたホログラム記録媒体では、サーボ領域及びアドレス領域に対応する記録層にはホログラムを記録できないことから、この領域が冗長な領域となり、記録容量が低下する、という課題がある。その一方、ミラー領域では、フォーカシングやトラッキングが行えなえず、またアドレスの管理も精密に行えない、という課題がある。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、記憶容量を向上させつつ、高精度のサーボ及びアドレス管理を行うことができるホログラム記録媒体及びホログラム記録再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
A.かかる課題を解決するため、本発明に係るホログラム記録媒体は、ディスク状のホログラム記録媒体であって、ホログラムが記録されるホログラム記録層と、無変調の第1のグルーブ及びディスク上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有する第2のグルーブが同心円状又はスパイラル状に設けられた反射層とを具備するものである。
【0009】
本発明では、反射層に無変調の第1のグルーブ及びディスク上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有する第2のグルーブが同心円状又はスパイラル状に設けられているので、第1のグルーブを用いて常にサーボをかけることができ、しかも第2のグルーブを用いて常にディスク上の位置を示すアドレス情報を得ることができる。従って、高精度のサーボ及びアドレス管理を行うことができる。
【0010】
また、反射層とは光学的に独立してホログラム記録層にホログラムを記録することで、第1のグルーブ及び第2のグルーブに対応するホログラム記録層の位置にホログラムを記録することができる。従って、ホログラム記録層に冗長な領域をなくし、記憶容量を向上させることができる。「反射層とは光学的に独立してホログラム記録層にホログラムを記録する」ことは、例えば反射層に対しては赤色レーザを用い、ホログラム記録層に対しては青色レーザを用い、かつ、ホログラム記録層を赤色レーザによって感光しない材料を用いることで実現することができる。
(1)前記反射層には、隣接する2本の前記第2のグルーブの間に3本の前記第1のグルーブが設けられていることが好ましい。
【0011】
3本の第1のグルーブによりトラッキングエラーに応じたトラッキングエラー信号を正確に得ることができ、トラキングサーボを高精度に行うことができる。
【0012】
特に、ホログラムの記録においては、ホログラムの直径に比べてグルーブ間の間隔が非常に小さいことから、このようにホログラムに対して多数のグルーブを対応させることが容易である。よって、上記の技術の適用が好ましい記録方式といえる。
(2)前記アドレス情報には、ディスク上の半径位置を示す第1の情報及びディスク上の円周位置を示す第2の情報が含まれるのが好ましい。
【0013】
これにより、アドレス管理を高精度に行うことができる。
(3)前記アドレス情報ごとに、シンクパターン及びクロックパターンが付加されるようにするのが好ましい。
【0014】
これにより、クロック生成用のグルーブを別に設ける必要がなくなる。
(4)前記ホログラム記録層と前記反射層との間には、前記ホログラム記録層に対して照射するための第1の波長のレーザ光は反射し、前記反射層に対して照射するための第2の波長のレーザ光は透過する波長選択反射層を具備することが好ましい。
【0015】
ホログラム記録層に対して照射される第1の波長のレーザ光が反射層に達して反射層で反射して再びホログラム記録層に戻りこれによりノイズが発生する。このノイズは記録再生信号を乱す。波長選択反射層を設けることで、このようなノイズの発生を防止することができる。
B.本発明の別の観点に係るホログラム記録再生装置は、ホログラムが記録されるホログラム記録層と、無変調の第1のグルーブ及びディスク上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有する第2のグルーブが同心円状又はスパイラル状に設けられた反射層とを有するディスク状のホログラム記録媒体に対してホログラムの記録及び/又はホログラムの再生を行うホログラム記録再生装置であって、前記ホログラム記録層に対して第1の波長のレーザ光を照射し、その反射光を受光するための第1の光学系と、前記反射層に対して前記ホログラム記録層では感光しない波長である第2の波長のレーザ光を照射し、その反射光を受光するための第2の光学系とが一体的に設けられ、前記ホログラム記録媒体に対する対物レンズが前記第1の光学系と前記第2の光学系とで共通の光学ユニットと、前記ホログラム記録媒体を回転駆動する第1の駆動系と、前記光学ユニットを半径方向に駆動する第2の駆動系と、前記第2の光学系を介して得られた前記アドレス情報に基づき前記第1及び第2の駆動系を制御する制御手段とを具備するものである。
【0016】
本発明では、第1の光学系と第2の光学系とが一体的に設けられ、ホログラム記録媒体に対する対物レンズが第1の光学系と前記第2の光学系とで共通の光学ユニットを有することで、第1の波長のレーザ光と第2の波長のレーザ光とが共通の光路を通ってホログラム記録媒体に対して照射されるので、所望のアドレスに対応するホログラム記録層に対してホログラムを高精度に記録することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、ホログラム記録層とは別の反射層に無変調の第1のグルーブ及びディスク上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有する第2のグルーブが同心円状又はスパイラル状に設けられているので、記憶容量を向上させつつ、高精度のサーボ及びアドレス管理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(ホログラム記録媒体)
【0019】
図1は本発明に一実施形態に係るホログラム記録媒体の平面図、図2は図1に示したホログラム記録媒体の半径方向の一部断面図である。
【0020】
図1に示すように、ホログラム記録媒体101はディスク状であり、後述する反射層には同心円状にグルーブ10が例えば1.25μm間隔で設けられている。なお、このようなグルーブ10がスパイラル状に設けられていてもよい。
【0021】
図2に示すように、ホログラム記録媒体101は、反射防止膜層102、保護層103、記録層104、ギャップ層105、波長選択反射層106、ギャップ層107、反射層108をこの順番で積層した構造を有する。
【0022】
反射防止膜層102は、媒体101の表面から不要な反射光を減少させるために用いられる。
【0023】
保護層103は、記録層104を外界から保護するための層であり、例えばプラスチックからなる。
【0024】
記録層104は、この干渉縞を屈折率(あるいは、透過率)の変化として記録するものであり、光の強度に応じて屈折率(あるいは、透過率)の変化が行われる材料であれば、有機材料、無機材料の別を問うことなく利用可能である。但し、サーボ用の赤色レーザ光には感光しないものが用いられる。なお、無機材料として、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)のような電気光学効果によって露光量に応じ屈折率が変化するフォトリフラクティブ材料を用いることができる。有機材料として、例えば、光重合型フォトポリマを用いることができる。光重合型フォトポリマは、その初期状態では、モノマがマトリクスポリマに均一に分散している。これに光が照射されると、露光部でモノマが重合する。なお、ポリマ化するにつれて周囲からモノマが移動してモノマの濃度が場所によって変化する。以上のように、記録層104の屈折率(あるいは透過率)が露光量に応じて変化することで、符号Bで示すホログラム記録再生用の青色レーザ光(波長410nm)又は緑色レーザ光(波長532nm)の参照光と信号光との干渉によって生じる干渉縞を屈折率(あるいは透過率)の変化としてホログラム記録媒体101に記録できる。
【0025】
ギャップ層105、107は、記録層104と反射層108との間で所定の間隔を維持するための層であり、例えばプラスチックからなる。
【0026】
波長選択反射層106は、サーボ用の赤色レーザ光Rを通過させるが、記録再生用の青色又は緑色レーザ光Bは反射するようにされている。波長選択反射層106と用いることで、ホログラム記録再生用の青色又は緑色のレーザ光Bが波長選択反射層106より下の層に届かないために記録再生信号を乱す反射層108からの反射光が発生しないようにされており、青色又は緑色のレーザ光Bは記録層104のみに作用してホログラムの記録再生が行われる。
【0027】
反射層108は、例えばプラスチックの表面(ギャップ層107側の面)にアルミニウムの薄膜を形成して構成され、この反射層108を通過した赤色レーザ光Rがギャップ層反射層108の表面で反射される。反射層108の表面には、上述したグルーブ10が同心円状に形成されている。
(グルーブ10の構成)
【0028】
図3は図2に示した反射層108のグルーブ10を示す平面的模式図である。
【0029】
図3に示すように、グルーブ10は、このグルーブに正確にトレースするための無変調のトラックグルーブ12とディスク状のホログラム記録媒体101上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有するアドレスグルーブ11で構成されており、例えばトラックグルーブ12が3本続いた後にアドレスグルーブ11を1本配置し、以下この組み合わせを繰り返した構成となっている。
(アドレスグルーブ11の詳細)
【0030】
図4はアドレスグルーブ11の情報の内容を示した図である。
【0031】
図4に示すように、この実施形態では、ディスク状のホログラム記録媒体101の1周を24の領域20に分け、その領域は円周方向に「0」〜「23」の番号が付けられている。
【0032】
各領域20には、領域20の先頭からシンクパターン21、ブロックナンバー22(トラックナンバーに相当する。)、角度位置23(セクターに相当する。)、クロックパターン24の各情報が配置されている。
【0033】
図5(a)〜(e)はアドレスグルーブ11の各領域20の情報の詳細を示す図である。
【0034】
シンクパターン21は、それ以降の信号の同期を取るためのもので、その他の場所には存在しないユニークなパターンとしてある。図5(a)に示すように、例えばHレベル3ビット、Lレベル3ビットの構成となっている。
【0035】
ブロックナンバー22は、例えば最内周のアドレスグルーブを「0」とし、そこから外周に向かって存在するアドレスグルーブを「1」「2」「3」・・・と連続番号を付けてあり、この番号を例えば図5(c)に示すようにディジタルデータの14ビットで配置してある。このときのディジタルデータは、図5(b)に示すように、「0」はHLLの3ビットセルからなり、「1」はHHLの3ビットセルからなる。
【0036】
角度位置23は、ディスク1周を24の領域に分割した番号で、例えば図5(d)に示すように5ビットで構成されている。この部分のディジタルデータの「0」と「1」は上記ブロックナンバーと同じパターンである。
【0037】
クロックパターン24は、1ビットずつH、Lの繰り返しパターンで構成されている。
【0038】
なお、これらの構成については単に一例を示したもので、様々な例があることは勿論のことである。
(ホログラム記録再生装置)
【0039】
図6はホログラム記録再生装置の構成を示す模式図である。
【0040】
図1に示すように、ホログラム記録再生装置1000は、上記のホログラム記録媒体101への情報の記録、再生を行うものであり、光学ユニット100、光学ユニット100を駆動制御する駆動制御系200を備える。
【0041】
光学ユニット100は、記録再生用光源111,コリメートレンズ112,偏光ビームスプリッタ113,ミラー121,ピンホール122,空間光変調器123,ミラー124,ダイクロイックミラー125,凹レンズ126,対物レンズ127,ファラデー素子131、132,偏光ビームスプリッタ133,撮像素子134,ミラー141,遮蔽板142,位相変調素子143,サーボ用光源151,コリメートレンズ152,グレーティング153,ビームスプリッタ154,集光用レンズ155,シリンドリカルレンズ156,受光素子157,サーボ駆動ユニット158を有する。
【0042】
なお、ここでは、記録再生用光源111,コリメートレンズ112,偏光ビームスプリッタ113,ミラー121,ピンホール122,空間光変調器123,ミラー124,ダイクロイックミラー125,凹レンズ126,ファラデー素子131、132,偏光ビームスプリッタ133,撮像素子134,ミラー141,遮蔽板142,位相変調素子143が第1の光学系であり、サーボ用光源151,コリメートレンズ152,グレーティング153,ビームスプリッタ154,集光用レンズ155,シリンドリカルレンズ156,受光素子157が第2の光学系である。
【0043】
記録再生用光源111は、レーザ光源であり、例えば、波長405[nm](青色)のレーザダイオード(LD)や波長532[nm](緑色)のNd−YAGレーザを用いることができる。
【0044】
コリメートレンズ112は、記録再生用光源111から照射されたレーザ光を平行光に変換する光学素子である。
【0045】
偏光ビームスプリッタ113は、コリメートレンズ112から入射した平行光を信号光と参照光に分割する光学素子である。偏光ビームスプリッタ113からは、ミラー121に向かうs波の信号光とミラー141に向かうp波の参照光が出射される。
【0046】
ミラー121、124、141は、入射光を反射してその方向を変更する光学素子である。
【0047】
ピンホール122は、信号光のビーム径を絞る光学素子である。
【0048】
空間光変調器123は、信号光を空間的に(ここでは、2次元的に)変調して、データを重畳する光学素子である。空間光変調器123は、透過型の素子である透過型液晶素子を用いることができる。なお、空間光変調器に反射型の素子であるDMD (Digital micro mirror) や反射型液晶、GLV (Grating Light Value)素子を用いることが可能である。
【0049】
ダイクロイックミラー125は、記録再生に用いる光(記録再生用光源111からのレーザ光)とサーボに用いる光(サーボ用光源151からのレーザ光)とを同一の光路にするための光学素子である。ダイクロイックミラー125は、記録再生用光源111とサーボ用光源151とでレーザ光の波長が異なることに対応して、記録再生用光源111からの記録再生光を透過し、サーボ用光源151からのサーボ光を反射する。ダイクロイックミラー125は記録再生用の光は全透過し、サーボ用に用いる光は全反射するような薄膜処理がその表面に施されている。
【0050】
凹レンズ126は、信号光の収束性を参照光と異ならせるためのレンズである。信号光のみが凹レンズ126を通過することで、信号光と参照光のホログラム記録媒体101での集光深さが異なってくる。
【0051】
対物レンズ127は、信号光および参照光の双方をホログラム記録媒体101に集光するための光学素子である。
【0052】
ファラデー素子131、132は、偏光面を回転するための光学素子である。ファラデー素子131に入射したs偏光は偏光面が45°回転され、ファラデー素子132で元のs偏光に戻される。
【0053】
偏光ビームスプリッタ133は、ファラデー素子131から入射した偏光を透過し、ホログラム記録媒体101で反射されてファラデー素子132から戻ってきた戻り光(再生光)を反射するための光学素子である。これは、ファラデー素子131、132、と偏光ビームスプリッタ133との組み合わせにより実現される。
【0054】
撮像素子134は、再生光の画像を入力するための素子である。
【0055】
遮蔽板142は、参照光の一部を遮蔽して、記録光と重ならないようにするための光学素子である。
【0056】
位相変調素子143は、参照光にランダム位相またはある一定の位相パターンを持たせるための光学素子であり、位相マスクといってもよい。位相変調素子143には、すりガラスやデフューザ、空間位相変調器を用いても良い。また、位相パターンを記録したホログラム素子を用いることも可能である。ホログラム素子からの再生によって位相パターンを有する光が発生する。
【0057】
サーボ用光源151は、トラッキングサーボ、フォーカスサーボ等のサーボ制御やアドレスドレス情報の読み取りを行うための光源であり、記録再生用光源111とは波長の異なるレーザ光を出射する。サーボ用光源151は、例えば、レーザーダイオードであり、発振波長としてホログラム記録媒体101に対して感度が小さい、例えば、660nm(赤色)を使用する。
【0058】
コリメートレンズ152は、サーボ用光源151から照射されたレーザ光を平行光に変換する光学素子である。
【0059】
グレーティング153は、コリメートレンズ152から出射されたレーザ光を3つのビームに分割するための光学素子である。サーボ制御やアドレスドレス情報の読み取りのためにレーザ光の分割が行われる。
【0060】
ビームスプリッタ154は、グレーティング153から出射されたレーザ光を透過し、ホログラム記録媒体101から反射されて戻ってきた戻り光を反射するための光学素子である。
【0061】
集光用レンズ155は、ビームスプリッタ154からの戻り光を受光素子157に集光するための光学素子である。
【0062】
シリンドリカルレンズ156は、集光用レンズ155から出射されたレーザ光のビーム形状を円形から楕円形に変換するための光学素子である。
【0063】
受光素子157は、戻り光を受光し、トラッキングサーボ制御のためのトラッキングエラー信号とフォーカスサーボ制御のためのフォーカスエラー信号とアドレスドレス情報の読み取り信号を出力するための素子、例えば、フォトディテクタである。
【0064】
サーボ駆動ユニット158は、受光素子157からのトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号により対物レンズ127を駆動し、トラッキング制御およびフォーカス制御を行うための駆動機構であり、駆動用のコイル161,162を有する。
【0065】
図7は受光素子157の構成を示す平面図である。
【0066】
図7に示すように、受光素子157は、にA〜Hの8素子で構成され、素子A〜Dには3つのレーザービームの中央のスポットであるトラックグルーブ12からの反射光12aが、素子EとFにはアドレスグルーブ11からの反射光11aが、素子GとHにはもう一つのアドレスグルーブ11からの反射光11aが受光されるようになっている。
【0067】
受光素子157からの出力信号は信号演算回路201に入力され、ここでフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号が以下のように演算される。
【0068】
フォーカスエラー信号=(A+C)−(B+D)
【0069】
トラッキングエラー信号=(A+D)−(B+C)
【0070】
これらのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号は、それぞれフォーカスサーボ回路202、トラッキングサーボ回路203に入力される。
【0071】
フォーカスサーボ回路202及びトラッキングサーボ回路203は、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に基づき、それぞれフォーカスコイル162、トラッキングコイル161に電流を流し、対物レンズ127を最適な位置に制御する。
【0072】
信号演算回路201はアドレス信号を以下のように演算する。
【0073】
アドレス信号=E+F又はG+H
【0074】
アドレス信号は、アドレスデコーダ204へ入力されディスク上の位置データとして次のコントローラ205へ入力される。
【0075】
コントローラ205は上記アドレスデータやトラッキングサーボ回路203からの信号に基づいて、光学ユニット100をホログラム記録媒体101の半径方向へ移動させるための信号をスライドサーボ回路206に出力し、スライドサーボ回路206はスライドモータ207により光学ユニット100を最適な位置に制御する。
【0076】
コントローラ205からの信号はスピンドルサーボ回路208にも入力される。
【0077】
ホログラム記録媒体101はスピンドルモータ209に装着されておりスピンドルサーボ回路208により最適な回転数となるよう制御される。
【0078】
このような制御を行うことで、ホログラム記録媒体101上の所望の位置に良好なホログラムの記録再生が可能となる。
(ホログラム記録再生装置1000の動作)
【0079】
以下、ホログラム記録再生装置1000の動作の概要を説明する。
A.記録時
【0080】
記録時におけるホログラム記録再生装置1000の動作の概要を説明する。
【0081】
記録再生用光源111から出射されたレーザ光がコリメートレンズ112によって平行光になり偏光ビームスプリッタ113によってs波の信号光とp波の参照光とに分割される。
【0082】
信号光はミラー121によって反射され、ピンホール122によって所望のビーム径にされ、空間光変調器123によって空間的に強度変調される。空間光変調器123で光変調されたレーザ光はファラデー素子131、偏光ビームスプリッタ133,ファラデー素子132を通過し、ミラー124によって反射され、ホログラム記録媒体101上での焦点を調節する凹レンズ126を通過する。
【0083】
また偏光ビームスプリッタ113を透過した参照光はミラー141で反射され、遮蔽板142によってビームの中心部分のみが遮断され所望のビームの形にされる。このため、ミラー124では反射されず信号光と同一の光路となる。
【0084】
対物レンズ127が記録光と参照光とをホログラム記録媒体101上の略同一の箇所に集光することで、ホログラム記録媒体101上に干渉縞が形成される。この結果、空間光変調器123によって空間変調された情報をホログラム記録媒体101上にホログラムとして記録する。
【0085】
なお、受光素子157からサーボ信号及びアドレス信号が駆動制御系200に出力され、駆動制御系200はこのサーボ信号に基づきサーボ駆動ユニット158が動作することで、トラッキングおよびフォーカスのずれが解消される。また、駆動制御系200はこのアドレス信号に基づき光学ユニット100を動作することで、ホログラム記録媒体101上の所望の位置にホログラムの記録が可能となる。
B.再生時
【0086】
再生時におけるホログラム記録再生装置1000の動作の概要を説明する。
【0087】
再生時には信号光を遮断し、参照光のみをホログラム記録媒体101に入射させる。
【0088】
記録再生用光源111から出射し、偏光ビームスプリッタ113を透過した参照光がミラー141によって反射され、遮蔽板142によってビームの中心部分のみが遮断される。その後、参照光はダイクロイックミラー125を通過し、位相変調素子143によって記録時と同様の位相パターンを有する参照光となりホログラム記録媒体101に入射する。
【0089】
記録時と同じ位相パターンを持った参照光がホログラム記録媒体101に入射することにより、ホログラム記録媒体101に記録されたホログラムから回折光(再生光)が発生する。
【0090】
発生した再生光は信号光と逆の光路をたどり、対物レンズ127、凹レンズ126,ダイクロイックミラー125を透過して、ミラー124で反射される。
【0091】
ミラー124で反射された再生光は、ファラデー素子132によって偏光方向が回転される。その結果、ファラデー素子132を出射した再生光は、偏光ビームスプリッタ133で反射され、撮像素子134によって空間光変調器123での空間的な2次元データに対応する電気信号に変換される。撮像素子134からの出力は、図示しない信号処理部によって2値化され、時系列2値化データに変換される。
(ビームスポットの配置の例)
【0092】
図8はホログラム記録媒体101の反射層108上に照射される赤色レーザ光のビームスポットを示したものである。
【0093】
グレーティング153により3つに分離された赤色レーザ光のビームは、図8に示すように、それぞれホログラム記録媒体101の反射層108上の異なる3箇所に照射される(ビームスポット11b、12b、11b)。
【0094】
ビームスポット11b、12bの間隔はトラック10の間隔の2倍に相当し、ビームスポット11bを先頭として、ビームスポット12b、ビームスポット11bの順番で円周方向にずれている。
【0095】
ビームスポット12bは、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成するために用いられる。また、ビームスポット11b(図8の2つの11bのうち一方のスポット)は、アドレス信号を生成するために用いられる。
【0096】
図8の例は、トラッキングサーボが正常にかかっている状態を示している。すなわち、ビームスポット12bは、3本のトラックグルーブ12のうち中央のトラックグルーブ12に位置し、ビームスポット11bは、アドレスグルーブ11に位置している。
【0097】
ビームスポット12bが中央のトラックグルーブ12からずれていくと、フォトディテクタ12aの出力(トラッキングエラー信号)が弱くなっていき、その出力が強まる方向にトラッキングサーボをかければよい。また、ビームスポット12bが中央のトラックグルーブ12からさらにずれて隣のトラックグルーブ12に位置すると、ビームスポット11bがアドレスグルーブ11ではなく、トラックグルーブ12に位置することとなり、アドレス信号が得られなくなる。この場合には、ビームスポット12bが中央のトラックグルーブ12に位置するようにトラッキングサーボをかければよい。
(ホログラム記録媒体の他の例)
【0098】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で様々に変形して実施することが可能である。
(1)図9に示すように、グルーブ10を「1本のアドレスグルーブ11、3本のトラックグルーブ12、1本のクロックグルーブ13」の組み合わせを繰り返した構造としてもよい。そして、この場合には、アドレスグルーブ11からクロックパターンをなくし、クロックグルーブ13からクロックを得ればよい。このような構成とすることで、アドレスグルーブ11のアドレスに関する冗長性をなくし、より細やかなアドレス管理が可能となる。
(2)上記の実施形態では、3本のトラックグルーブ12を1組とするものであったが、1本或いは2本であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に一実施形態に係るホログラム記録媒体の平面図である。
【図2】図2は図1に示したホログラム記録媒体の半径方向の一部断面図である。
【図3】図2に示した反射層のグルーブを示す平面的模式図である。
【図4】アドレスグルーブの情報の内容を示した図である。
【図5】アドレスグルーブの各領域の情報の詳細を示す図である。
【図6】ホログラム記録再生装置の構成を示す模式図である。
【図7】図6に示した受光素子の構成を示す平面図である。
【図8】ホログラム記録媒体の反射層上に照射される赤色レーザ光のビームスポットを示した平面的模式図である。
【図9】反射層のグルーブの他の例を示す平面的模式図である。
【符号の説明】
【0100】
10 グルーブ
11 アドレスグルーブ
12 トラックグルーブ
100 光学ユニット
101 ホログラム記録媒体
102 反射防止膜層
103 保護層
104 記録層
105 ギャップ層
106 波長選択反射層
107 ギャップ層
200 駆動制御系
1000 ホログラム記録再生装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状のホログラム記録媒体であって、
ホログラムが記録されるホログラム記録層と、
無変調の第1のグルーブ及びディスク上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有する第2のグルーブが同心円状又はスパイラル状に設けられた反射層と
を具備することを特徴とするホログラム記録媒体。
【請求項2】
請求項1に記載のホログラム記録媒体であって、
前記反射層には、隣接する2本の前記第2のグルーブの間に3本の前記第1のグルーブが設けられている
ことを特徴とするホログラム記録媒体。
【請求項3】
請求項1に記載のホログラム記録媒体であって、
前記アドレス情報には、ディスク上の半径位置を示す第1の情報及びディスク上の円周位置を示す第2の情報が含まれる
ことを特徴とするホログラム記録媒体。
【請求項4】
請求項3に記載のホログラム記録媒体であって、
前記アドレス情報ごとに、シンクパターン及びクロックパターンが付加されている
ことを特徴とするホログラム記録媒体。
【請求項5】
請求項1に記載のホログラム記録媒体であって、
前記ホログラム記録層と前記反射層との間には、前記ホログラム記録層に対して照射するための第1の波長のレーザ光は反射し、前記反射層に対して照射するための第2の波長のレーザ光は透過する波長選択反射層
を具備することを特徴とするホログラム記録媒体。
【請求項6】
ホログラムが記録されるホログラム記録層と、無変調の第1のグルーブ及びディスク上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有する第2のグルーブが同心円状又はスパイラル状に設けられた反射層とを有するディスク状のホログラム記録媒体に対してホログラムの記録及び/又はホログラムの再生を行うホログラム記録再生装置であって、
前記ホログラム記録層に対して第1の波長のレーザ光を照射し、その反射光を受光するための第1の光学系と、前記反射層に対して前記ホログラム記録層では感光しない波長である第2の波長のレーザ光を照射し、その反射光を受光するための第2の光学系とが一体的に設けられ、前記ホログラム記録媒体に対する対物レンズが前記第1の光学系と前記第2の光学系とで共通の光学ユニットと、
前記ホログラム記録媒体を回転駆動する第1の駆動系と、
前記光学ユニットを半径方向に駆動する第2の駆動系と、
前記第2の光学系を介して得られた前記アドレス情報に基づき前記第1及び第2の駆動系を制御する制御手段と
を具備することを特徴とするホログラム記録再生装置。
【請求項1】
ディスク状のホログラム記録媒体であって、
ホログラムが記録されるホログラム記録層と、
無変調の第1のグルーブ及びディスク上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有する第2のグルーブが同心円状又はスパイラル状に設けられた反射層と
を具備することを特徴とするホログラム記録媒体。
【請求項2】
請求項1に記載のホログラム記録媒体であって、
前記反射層には、隣接する2本の前記第2のグルーブの間に3本の前記第1のグルーブが設けられている
ことを特徴とするホログラム記録媒体。
【請求項3】
請求項1に記載のホログラム記録媒体であって、
前記アドレス情報には、ディスク上の半径位置を示す第1の情報及びディスク上の円周位置を示す第2の情報が含まれる
ことを特徴とするホログラム記録媒体。
【請求項4】
請求項3に記載のホログラム記録媒体であって、
前記アドレス情報ごとに、シンクパターン及びクロックパターンが付加されている
ことを特徴とするホログラム記録媒体。
【請求項5】
請求項1に記載のホログラム記録媒体であって、
前記ホログラム記録層と前記反射層との間には、前記ホログラム記録層に対して照射するための第1の波長のレーザ光は反射し、前記反射層に対して照射するための第2の波長のレーザ光は透過する波長選択反射層
を具備することを特徴とするホログラム記録媒体。
【請求項6】
ホログラムが記録されるホログラム記録層と、無変調の第1のグルーブ及びディスク上の位置を示すアドレス情報により変調されたピット列を有する第2のグルーブが同心円状又はスパイラル状に設けられた反射層とを有するディスク状のホログラム記録媒体に対してホログラムの記録及び/又はホログラムの再生を行うホログラム記録再生装置であって、
前記ホログラム記録層に対して第1の波長のレーザ光を照射し、その反射光を受光するための第1の光学系と、前記反射層に対して前記ホログラム記録層では感光しない波長である第2の波長のレーザ光を照射し、その反射光を受光するための第2の光学系とが一体的に設けられ、前記ホログラム記録媒体に対する対物レンズが前記第1の光学系と前記第2の光学系とで共通の光学ユニットと、
前記ホログラム記録媒体を回転駆動する第1の駆動系と、
前記光学ユニットを半径方向に駆動する第2の駆動系と、
前記第2の光学系を介して得られた前記アドレス情報に基づき前記第1及び第2の駆動系を制御する制御手段と
を具備することを特徴とするホログラム記録再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2006−171416(P2006−171416A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−364384(P2004−364384)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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