説明

ホース用クランプ

【課題】締め付け力を強化しながらホースの損傷を防止できるホース用クランプを提供する。
【解決手段】ホース用クランプは、弾性を有するステンレススティール材質の板状部材を曲げて具備するクランプボディーと、クランプボディーの一端に固定される締め付けハウジングにヘッドを有し結合になる締め付けスクリューと、クランプボディーの他端で内側方向に形成して締め付けスクリューと結合になるピアシングホールを含み、ホース用クランプにピアシングホールまたはクランプボディーの幅方向のへりがホースを取り締まる過程でホースを食い込んでホース表面を損傷させることを防止するための損傷防止手段と、クランプボディーに一体で形成して長期間使用によってホースの直径が縮まる時、縮まるほど弾性でホースを取り締まって堅固な状態で締めてくれることができる補正手段を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホース用クランプに関する。詳しくは、例えば、ホースの締め付けを容易にしながら、長期間の使用による老化によって、ホースの直径が縮まっても、締め付ける力を持続させることができる補正機能を有するように改善した、ホース用クランプの提供に係るものである。
【背景技術】
【0002】
ホース用クランプは自動車のブレーキやエアコンシステム、パワーステアリングあるいはエンジンルームに流体や気体を、流通させることができるように使われるホースそして、その他、産業現場で流体や気体の流通のために連結されるホースを取り締まって離脱現象などがないようにするために使われるものである。
【0003】
このようなホース用クランプは従来にも様々な種類のものたちが使われており、最近では長期間の使用で老化されてホースの直径に変化がある場合、これを補正して固定力(締め付ける力)を失わないようにする補正機能を有するクランプが開発されて使われており、その代表的な例を図6及び図7と共に見れば次のようである。
【0004】
従来技術による補正機能を有するホース用クランプ1は所定の幅を有して、弾性を有する板状部材を円形に曲げてクランプボディー2を備え、前記クランプボディー2の右側端部には取り締まりハウジング3を固定して締め付けボルト4を結合する。
【0005】
前記クランプボディー2の左側端部から内側方向に、クランプボディー2の直径を縮小拡大するようにピアシングホール6を形成する。前記ピアシングホール6は、締め付けボルト4の軸部に形成されるスクリュー5と結合されて締め付けボルト4の正逆回転によって右側端部に対して出入する。
【0006】
前記締め付けボルト4は、規定トルクの以上で過度にホース7が取り締まられることを防止するためのトルク制限手段8を具備し、前記クランプボディー2の中ほどには長期間の使用でホース7の直径が縮まる時、縮まるほど弾性でホースを取り締まることができる補正手段9を具備する。
【0007】
前記トルク制限手段8は締め付けボルト4の外側端に道具使用のためのヘッド10を具備し、前記ヘッド10と軸部の間に直径が縮まる形態の破断部11を形成して設定トルク以上の力が伝われば破断されて更に締め付けすることができないようにしている。
【0008】
前記補正手段9はクランプボディー2の内側面に円弧形象の補正ボディー12を維持し、前記補正ボディー12とクランプボディー2の間にはW形象の板スプリング13を内蔵して構成している。
【0009】
また、例えば特許文献1には、自動車のルーフパネルを補強するサイドルーフパネルのフランジに掛止され、ホースを保持するホース用クランプにおいて、ホースを保持する挟持部と、フランジに掛止される掛止部と、挟持部と掛止部を連結し、掛止部をフランジに掛止させた際、挟持部をサイドルーフパネルへ押し付ける弾性体と、を有することを特徴とするホース用クランプが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−159663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記のような従来技術では、トルク制限手段と補正手段を独立して分離した状態で具備するから、ホース用クランプの構造が複雑になるにつれて、初期投資費用が過多に掛かり、生産原価を上昇させる原因になる。
【0012】
初期にホースを締め付ける時、設定されたトルク以上で締め付けることになれば、トルク制限手段を構成する破断部が破断されて、道具使用のためのヘッドが締め付けボルトから分離するから、安全な締め付け状態を保持することができる長所はあるが、締め付けてから再使用または維持補修のために、クランプを分離しようとする場合は、ヘッドが破断されてない状態から再使用が不可能で維持補修が難しくなる。
【0013】
更に、補正手段がクランプボディーから別に構成した後、取り付ける形態を有するので生産性が良くないだけではなく、補正手段がクランプボディーに比べて相対的にとても強く構成されるために、ホースの変化に対応する時、補正手段が位置した部位のホースを急激に変形させて流体の流れに差し支えをもたらす原因になる。
【0014】
そして、クランプボディーの幅方向の両端部が、直角で切断されて鋭い状態で、クランプボディーにスクリューと結合されることができるように形成するピアシングホールがクルラムピングされる過程で、ホースの表面と直接的に連接される。ところで、締め付け力によってクルラムピングボディーの両端部とピアシングホールがホースを食い込む現象を誘発するようになる。
【0015】
このようにクランプボディーとピアシングホールが、ホースの表面を食い込みながらホースの表面を損傷させる場合は、疲労の累積などによってホースの損傷を加速させる原因になり、ホースの損傷がある場合は、流体の漏出現象が発生して安定した状態の供給が不可能になるなど多くの問題点が発生している。
【0016】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、締め付け力を強化しながらホースの損傷を防止できるホース用クランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明のホース用クランプは、弾性を有するステンレススティール材質の板状部材を曲げて具備するクランプボディーと;前記クランプボディーの一端に固定される締め付けハウジングにヘッドを有し結合される締め付けスクリューと;前記クランプボディーの他端から内側方向へ形成して締め付けスクリューと結合されるピアシングホールを含むホース用クランプにおいて;前記ホース用クランプにピアシングホールあるいはクランプボディーの幅方向のへりがホースを取り締まる過程でホースを食い込んでホースの表面を損傷させることを防止するための損傷防止手段と;前記クランプボディーに一体で形成して長期間使用によってホースの直径が縮まる時、縮まるほど弾性でホースを取り締まって堅固な状態で締めることができる補正手段を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明のホース用クランプにおいて、損傷防止手段はクランプボディーの終端部を延長してピアシングホールがホースと連接されないようにホールカバー部を更に形成することができる。
【0019】
また、本発明のホース用クランプにおいて、損傷防止手段はクランプボディーとホールカバー部の幅方向の両側のへりにはクランプボディーの幅方向の両側の終端部がホースの方向に食い込むように形成した加圧部と;前記加圧部の外側でホースと反対方向に向けるようにした回避部を円周方向に形成してホースの損傷を防止しながら、ホースを経由する流体が加圧部の方向に押し出そうとする相互作用の圧力によって締め付け力を高めるようにした損傷防止ビーズを更に形成することができる。
【0020】
また、本発明のホース用クランプにおいて、補正手段は、ピアシングホールが終わる位置にホースを取り締まる時、開かれ、ホースの老化がある時、復元されようとする力によって補正機能を遂行するようにクランプボディーの円周方向に形成する半円形象の補正ビーズとすることができる。
【0021】
また、本発明のホース用クランプにおいて、補正手段はホールカバー部にホースを取り締まる時、開かれた後、ホースの老化がある時、復元されようとする力によって補正機能を遂行するようにクランプボディーの幅方向に補助ビーズを更に形成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るホース用クランプは、締め付け力を強化しながらホースの損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の技術が適用されたホース用クランプの第1実試例を表した斜視図である。
【図2】本発明の技術が適用されたホース用クランプでA−A線によって切断された面を表した断面図である。
【図3】本発明の技術が適用されたホース用クランプでB−B線によって切断された面を表した断面図である。
【図4】本発明の技術が適用されたホース用クランプでC−C線によって切断された面を表した断面図である。
【図5】本発明の技術が適用されたホース用クランプのD部分の変形状態を表した一部省略状態の断面図である。
【図6】従来の技術が適用されたホース用クランプを表した斜視図である。
【図7】従来の技術が適用されたホース用クランプを表した使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付される図面と係わって前記目的を果たすための本発明の望ましい構成と作用に対して説明する。
【0025】
図1は本発明の技術が適用されたホース用クランプの第1実試例を表した斜視図、図2は本発明の技術が適用されたホース用クランプでA−A線によって切断された面を表した断面図、図3は本発明の技術が適用されたホース用クランプでB−B線によって切断された面を表した断面図、図4は本発明の技術が適用されたホース用クランプでC−C線によって切断された面を表した断面図、図5は本発明の技術が適用されたホース用クランプのD部分の変形状態を表した一部省略状態の断面図として共に説明する。
【0026】
一般的なホース用クランプ100は、所定の幅と弾性を有するステンレススティール材質の板状部材を円形で曲げてクランプボディー101を具備し、前記クランプボディー101の一端には締め付けハウジング102を固定して道具使用のためのヘッド103を有する締め付けスクリュー104を内部に結合する。
【0027】
前記締め付けスクリュー104は、クランプボディー101の他端から内側方向へ所定の長さにかけて形成するピアシングホール105と結合されて締め付けスクリュー104の正回転、逆回転によってピアシングホール105を引いたり、押したりしてクランプボディー101の直径を拡大または縮小するようにする。
【0028】
前記ピアシングホール105を形成するクランプボディー101の直径を最大として締め付けするホース106の結合を容易にしながら、クランプボディー101の直径を縮めてホース106を堅固に締めて、取り締まりさせることに差し支えがないようにすることは自明である。
【0029】
本発明では、ホース用クランプ100にピアシングホール105またはクランプボディー101の幅方向のヘリがホース106を取り締まる過程で、ホース106を食い込んでホース106の表面を損傷させることを防止するための損傷防止手段110と、長期間使用でホース106の直径が縮まる時、縮まるほど弾性でホースを取り締まって堅固な状態で締めてくれることができる補正手段120を一体で形成することを特徴とする。
【0030】
前記損傷防止手段110は、クランプボディー101の終端部を延長してホース106を最大の大きさで取り締まった時にもピアシングホール105がホース106と連接されないようにホールカバー部111を更に形成する。
【0031】
更に、クランプボディー101とホールカバー部111の幅方向の両側のへりにはクランプボディー101の幅方向の両側終端部が、ホース106の方向に食い込むように形成した加圧部112と前記加圧部112の外側からホース106と反対方向に向けるようにした回避部113を円周方向につれて形成した概略W形象の損傷防止ビーズ115を形成してホース106の損傷を防止しながら、ホース106を経由する流体が加圧部112の方向に押し出そうとする相互作用の圧力によって締め付け力も高めるようにする。
【0032】
前記補正手段120はピアシングホール105が終わる位置にクランプボディー101の円周方向につれて概略半円形象の補正ビーズ121を一つまたは一つ以上を形成してホース106を取り締まる時、補正ビーズ121が開かれた後、ホース106の老化がある時、補正ビーズ121が復元されようとする力によって、補正機能を遂行するようにする。
【0033】
前記ホールカバー部111にもクランプボディー101の幅方向に一つまたは一つ以上の補助ビーズ122を更に形成して、ホース106を取り締まる時、補助ビーズ122が開かれた後、ホース106の老化がある時、補助ビーズ122が復元されようとする力によって補正機能を遂行するようにする。
【0034】
前記損傷防止ビーズ115は図面に例示したように、クランプボディー101の全体にかけて形成することができるが、望ましいことはピアシングホール105が形成される部位と補正手段120が形成される部位には形成しないようにすることが、クランプボディー101をホース106の直径に当たるように縮小及び拡大させることを容易にするだけではなく、補正手段120が開かれ、復元されることに差し支えをもたらさないようにする。
【0035】
前記のような本発明の技術が適用されたホース用クランプ100の使用状態は次のとおりである。
【0036】
締め付けハウジング102に結合された締め付けスクリュー104をスクリュードライバーなどのような道具を利用して解除方向に回転させてクランプボディー101の直径を拡大させてホース106を収容させた後、締め付けスクリュー104を取り締まり方向に回転させてホース106を取り締まる。この過程で締め付けスクリュー104と結合されてクランプボディー101の直径を縮小及び拡大するように形成したピアシングホール105は、クランプボディー101の終端部を延長して形成するホールカバー部111によってホース106と直接的に触れるようにすることが防止される。
【0037】
更に、クランプボディー101の幅方向の両側のへりには、損傷防止ビーズ115を形成してあり、特に損傷防止ビーズ115を構成する回避部113がホース106とは反対方向に向けているから、ホース用クランプ100によってホース106が損傷されることが基本的に防止される。特に、損傷防止ビーズ115を構成する加圧部112の場合は、ホース106の軸中心に対して、直角方向に加圧するからホース106を経由する流体の圧力と相反されて、加圧部112はホース106を加圧する力を発生し、流体は加圧部112によって加圧されたホース106を押し出そうとする力が発生して、この二つの力によってホース106が更に堅固な状態の結合力を保持することができる。
【0038】
そして、ホース106を締め付けして取り締まる時は、補正手段120を構成する補正ビーズ121は、ホース106の軸中心に対して直角方向(ホースの円周方向)に、締め付け力によって開かれるようになって、ホールカバー部111に形成する補助ビーズ122はホース106の軸方向に開かれた状態で締め付け力を発揮するようになる。
【0039】
このようにホース106を堅固に締め付けした状態で長期間の経過によってホース106が老化して、ホース106の直径が減る場合は、クランプボディー101とホールカバー部111に形成した補正ビーズ121と補助ビーズ122が、元々の状態に復元されようとする力を発生し、この力によってクランプボディー101の直径が減るので、減るホース106の直径に当たるように補正機能を遂行することができる。
【0040】
前記のような本発明はホース用クランプがホースを締め付けする過程で、ホースを損傷させないだけではなく、ホースの老化時、補正機能の遂行をクランプボディーに一体で具備することで長期間使用してもホースを堅固な状態で締め付けすることができる。更に、厚みが薄い素材を利用しながらも堅固な締め付け力を得ることができるだけではなく、加工の容易性を提供することができて、生産原価の節減に寄与することができ、ホースの損傷を防止しながらもクランプの全体的な品質を進めて対外的な競争力において優位になり得るという長所がある。
【0041】
本発明は、ホースが老化した時にも作業者または管理者が別途の作業をすることなく、自主的に補正を遂行して甘くなったホースを堅固に締めてくれる補正手段をクランプボディーに一体で形成して生産の容易性を提供しながら、生産原価を上昇させることなく、ピアシングホールによってホース表面が損傷されることを防止してホース用クランプの品質を進めることができるなどの様々な効果を有する発明である。
【符号の説明】
【0042】
100 ホース用クランプ
101 クランプボディー
102 締め付けハウジング
103 ヘッド
104 締め付けスクリュー
105 ピアシングホール
106 ホース
110 損傷防止手段
111 ホールカバー部
112 加圧部
113 回避部
115 損傷防止ビーズ
120 補正手段
121 補正ビーズ
122 補助ビーズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有するステンレススティール材質の板状部材を曲げて具備するクランプボディーと;
前記クランプボディーの一端に固定される締め付けハウジングにヘッドを有し結合される締め付けスクリューと;
前記クランプボディーの他端から内側方向へ形成して締め付けスクリューと結合されるピアシングホールを含むホース用クランプにおいて;
前記ホース用クランプにピアシングホールあるいはクランプボディーの幅方向のへりがホースを取り締まる過程でホースを食い込んでホースの表面を損傷させることを防止するための損傷防止手段と;
前記クランプボディーに一体で形成して長期間使用によってホースの直径が縮まる時、縮まるほど弾性でホースを取り締まって堅固な状態で締めることができる補正手段を含む
ことを特徴とするホース用クランプ。
【請求項2】
前記損傷防止手段は、クランプボディーの終端部を延長してピアシングホールがホースと連接されないようにホールカバー部を更に形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のホース用クランプ。
【請求項3】
前記損傷防止手段は、クランプボディーとホールカバー部の幅方向の両側のへりにはクランプボディーの幅方向の両側の終端部がホースの方向に食い込むように形成した加圧部と;
前記加圧部の外側でホースと反対方向に向けるようにした回避部を円周方向に形成してホースの損傷を防止しながら、ホースを経由する流体が加圧部の方向に押し出そうとする相互作用の圧力によって締め付け力を高めるようにした損傷防止ビーズを更に形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のホース用クランプ。
【請求項4】
前記補正手段は、ピアシングホールが終わる位置にホースを取り締まる時、開かれ、ホースの老化がある時、復元されようとする力によって補正機能を遂行するようにクランプボディーの円周方向に形成する半円形象の補正ビーズである
ことを特徴とする請求項1に記載のホース用クランプ。
【請求項5】
前記補正手段は、ホールカバー部にホースを取り締まる時、開かれた後、ホースの老化がある時、復元されようとする力によって補正機能を遂行するようにクランプボディーの幅方向に補助ビーズを更に形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のホース用クランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−256999(P2011−256999A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287424(P2010−287424)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(510339854)株式会社東亜金属 (4)
【氏名又は名称原語表記】DONG METAL CO.,Ltd.
【Fターム(参考)】