説明

ボタンケース用ロック装置

【課題】ローコストで生産可能であり、小型化にすることができ、構造が簡単であり、組付作業が容易であるボタンケース用ロック機構を提供する。
【解決手段】ケース20は、本体21と、制御回路板22と、制御スイッチ23と、ボタン24と、を含む。ロック機構30は、制御スイッチ23の制御回路板22の電子回路のオン・オフ状態の制御を制限する。ロック機構30は、ロックスイッチ31と、枢着ボタン32と、ロック体とを有する。ロックスイッチ31は、制御スイッチ23と電気的に直列接続し、オン位置とオフ位置のうちの一つの位置に位置する。ロック体は、枢着ボタン32のピンの軸心からずれるようにピンの一端に凸設され、枢着ボタン32の自転に従ってロック位置と解放位置との間に移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作インターフェースの安全メカニズムに関し、特に、ボタンケース用ロック機構を有する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業機器または医療機器の制御は、ボタンケースに通じて施し、ユーザは、ボタンケースを介して、産業機器または医療機器を有線または無線で制御することができる。
【0003】
従来のボタンケースにユーザが不意にタッチすることにより、ボタンケースに制御される産業機器または医療機器が誤作動することを回避するために、図1及び図2に示すPCT特許第WO2005036576号のボタンケース安全機構1が提案された。このようなボタンケース安全機構1は、ボタンケースの本体に蝶々形状を呈する翼2を枢着し、翼2の両端にある開口3は、それぞれ触覚スイッチ(tactile switch)に対応するピン4に嵌め設けられ、翼2を回転することにより開口3のより小径な部位の壁面がピン4を囲み、そうすると、ボタン5が下へ移動不能になり、不意のタッチによる誤動作を防止することができる。上記の構成によれば、安全をある程度に確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】PCT特許第WO2005036576号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これは次のような欠点があった。
(1)翼2が回動すると、二つの開口3内にあるピン4が同期に制御され、単一の翼2により、より多い、又はより少ない触覚スイッチに対する不意のタッチを防止することができない。
【0006】
(2)ピン4に対するタッチを防止する構成は、積層回路板6と本体にあるボタンの間に設けられる翼2によるが、このような構成によれば、大きすぎる外力がボタンに加えると、ピン4に対するタッチを防止できず、誤作動が発生する可能性がある。
【0007】
(3)一つの翼2は、二つの触覚スイッチだけの誤作動を防止でき、且つ積層回路板6とボタンの間に設けることが必要であるため、組付作業が複雑になり、製造コストが増加する。
【0008】
本発明の主な目的は、ローコストで生産可能であり、小型化にすることができ、構造が簡単であり、組付作業が容易であるボタンケース用ロック機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載のボタンケース用ロック装置は、ケースと、ロック機構と、を含む。ケースは、本体と、本体の内部に設けられる制御回路板と、制御スイッチと、ボタンと、を含む。制御スイッチは、制御回路板に設けられ、手動でオン位置とオフ位置の何れかの一つの位置に位置することが可能である。制御スイッチにより制御回路板の制御スイッチに対応する電子回路のオン・オフ状態が制御される。ボタンは、本体に設けられ、制御スイッチに対応し、ユーザがボタンを介して制御スイッチのオン・オフ状態を制御可能である。ロック機構は、制御スイッチの制御回路板の電子回路のオン・オフ状態の制御を制限する。また、ロック機構は、ロックスイッチと、枢着ボタンと、ロック体と、を有する。ロックスイッチは、本体の内部に設けられ、制御スイッチと電気的に直列接続し、オン位置とオフ位置のうちの一つの位置に位置する。枢着ボタンは、本体に枢着される。ロック体は、枢着ボタンのピンの軸心からずれるようにピンの一端に凸設され、枢着ボタンの自転に従ってロック位置と解放位置との間に移動可能であり、ロック体がロック位置に位置するときに、ロックスイッチの電子回路がオフ状態になり、これにより、制御スイッチの電子信号が制御回路板に伝送不能になり、なお、ロック体が解放位置に位置するときに、ロックスイッチの電子回路がオン状態になり、これにより、制御スイッチの電子信号が制御回路板に伝送可能になることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に記載のボタンケース用ロック装置によると、ボタンケースは、更に、枢着穴を含み、枢着穴は、本体の一側面に設けられ、枢着ボタンを収容可能である。 ロック装置は、更に、規制部を含み、規制部により、枢着ボタンがロック位置と解放位置との間だけに自転可能であり、規制部は、予定長さを有し円弧形状を呈する規制溝と、規制溝に挿入され規制溝を摺動可能である挿入体と、を含み、規制溝の曲率中心は枢着穴の曲率中心と同じである。
【0011】
本発明の請求項3に記載のボタンケース用ロック機構によると、更に、定位部を含み、定位部は、枢着穴と枢着ボタンの間に設けられ、枢着ボタンの軸方向への変位を規制する。
【0012】
本発明の請求項4に記載のボタンケース用ロック機構によると、定位部は、撓み性を有するOリングであり、枢着ボタンのピンに嵌め設けられ、その周面が枢着穴の壁面に緊密に押付ける。
【発明の効果】
【0013】
本発明のボタンケース用ロック機構によれば、次のような効果がある。
(1)電子回路の制御によるロックおよび解放が極めて正確であり、大きすぎる外力によるロック不能は発生しない。
【0014】
(2)ロック機構の各ロックスイッチは、回路を電気的に直列接続することにより、単一のロックスイッチの制御可能な制御スイッチの数量を決めることができ、すなわち、単一のロックスイッチは、一つだけの制御スイッチを制御でき、又は全部の制御スイッチを制御できる。
【0015】
(3)ロック機構は、ケースを組立てた後、定位部に枢着ボタンを嵌め設けて、ケースの外部から枢着穴に押入れるだけで済むため、ローコストで生産可能であり、小型化にすることができ、構造が簡単であり、組付作業が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来のボタンケース安全機構の斜視図である。
【図2】従来のボタンケース安全機構の平面図である。
【図3】本発明の一実施形態のロック装置の一部の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態のロック装置の分解斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態のロック装置の組合状態の斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態のロック装置のロックスイッチと制御スイッチとの間に設けられる直列接続回路を示し、(A)はロックスイッチのオンの状態を示す模式図であり、(B)はロックスイッチのオフの状態を示す模式図である。
【図7】図5のa-a線の断面図である。
【図8】図5のb-b線の断面図である。
【図9】本発明の一実施形態のロック装置の使用状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
まず、図3から図9を参照する。本発明の一実施形態のボタンケース用ロック機構10は、ケース20と、ロック機構30と、から構成される。
【0018】
ケース20は、本体21と、積層回路板22と、複数の制御スイッチ23と、若干のボタン24と、を含む。本体21は、立方体の形状を呈し、下ケース211と上ケース212をドッキングして構成される。積層回路板22は、本体21の内部に設けられる。制御スイッチ23は、制御回路板22に設けられ、手動でオン位置とオフ位置の何れかの一つの位置に位置することができ、制御スイッチ23により制御回路板22の制御スイッチ23に対応する電子回路のオン・オフ状態が制御される。ボタン24は、本体21に設けられ、ユーザはボタン24を介してボタン24に対応する制御スイッチ23を制御可能であり、これらのボタンと制御スイッチは本体21の上面に配設される。触覚スイッチを制御スイッチとする制御技術は、従来の技術であるため、説明を省略した。ここで、説明したいのは、本体21には、更に、複数の枢着穴25が設けられ、枢着穴25は本体21の上ケース212に設けられ、対になる二つのボタン24の間に介在する。
【0019】
ロック機構30は、若干のロックスイッチ31と、複数の枢着ボタン32と、複数の定位部33と、複数の規定部34と、複数のロック体35と、複数の回動部36と、を有する。ロックスイッチ31は、例えばマイクロスイッチ(micro switch)などの電子部品から採用し、それぞれ制御回路板22に設けられ、それに対応する制御スイッチ23と電気的に直列接続する。ロック機構30がオフ位置に位置するときに、ロックスイッチ31の電子回路がオフ状態になり、これにより、制御スイッチ23の電子信号が制御回路板22に伝送不能になり、なお、ロック機構30がオフ位置に位置するときに、ロックスイッチ31の電子回路がオン状態になり、これにより、制御スイッチ23の電子信号が制御回路板22に伝送可能になる。枢着ボタンは、枢着穴25に収容され、ロック位置と解放位置との間に自転可能である。定位部33は、撓み性を有するOリングであり、枢着ボタン32のピンに嵌め設けられ、Oリングの周面が枢着穴25の壁面に緊密に押付ける。定位部33の半径方向への圧縮による弾力により、枢着ボタン32が枢着穴25に定位され、枢着ボタン32の軸方向への変位により、枢着ボタン32が枢着穴25から離脱することを回避できる。規制部34は、枢着ボタン32のロック位置と解放位置との間の回動を規制するためのものである。ロック体35は、枢着ボタン32のピンの軸心からずれるようにピンの一端に凸設され、一つのロックスイッチ31に隣接し、枢着ボタン32がロック位置に位置するときに、枢着ボタン32に対応するロック体35がそれに隣接するロックスイッチ31の伝動軸311に押付け、これにより、ロックスイッチ31がオフ位置に位置し、ロックスイッチ31の内部のスイッチ回路がオフ状態になり、なお、枢着ボタン32が解放位置に位置するときに、ロックスイッチ31の伝動軸311が解放され、ロックスイッチ31の内部のスイッチ回路がオン状態になる。回動部36は、未溝形状を呈し、枢着ボタン32に対応するピンの他端面に凹設され、挿入片40をそれに挿入可能である。回動部36により、枢着ボタン32はロック位置と解放位置との間に自転可能である。
【0020】
規制部34は、予定長さを有し円弧形状を呈する規制溝341と、条形状を呈する規制体342と、二つの凸条343と、を有する。規制溝341は、上ケース212に凹設され、一つの枢着穴25に隣接する。規制体342は、一端が規制溝341に挿入され、他端が一つの枢着ボタン32に固定され、枢着ボタン32の自転角度を規制可能である。二つの凸条343は、規制溝341の両側の円弧形状を呈する端部の内壁面にそれぞれ設けられ、規制体342と係合することにより、枢着ボタン32を定位することができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、ボタンケースに適用することができる。
【符号の説明】
【0022】
10:ボタンケース用ロック装置、20:ケース、21:本体、22:制御回路板、23:制御スイッチ、24:ボタン、25:枢着穴、30:ロック機構、31:ロックスイッチ、32:枢着ボタン、33:定位部、34:規制部、35:ロック体、36:回動部、40:挿入片、211:下ケース、212:上ケース、311:伝動軸、341:規制溝、342:規制体、343:凸条。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記ケースは、本体と、前記本体の内部に設けられる制御回路板と、制御スイッチと、ボタンと、を含み、前記制御スイッチは、前記制御回路板に設けられ、手動でオン位置とオフ位置の何れかの一つの位置に位置することが可能であり、前記制御スイッチにより前記制御回路板の前記制御スイッチに対応する電子回路のオン・オフ状態が制御され、前記ボタンは、前記本体に設けられ、前記制御スイッチに対応し、ユーザが前記ボタンを介して前記制御スイッチのオン・オフ状態を制御可能であるケースと、
前記制御スイッチの前記制御回路板の電子回路のオン・オフ状態の制御を制限するロック機構と、
を備え、
前記ロック機構は、ロックスイッチと、枢着ボタンと、ロック体と、を有し、
前記ロックスイッチは、前記本体の内部に設けられ、前記制御スイッチと電気的に直列接続し、オン位置とオフ位置のうちの一つの位置に位置し、
前記枢着ボタンは、前記本体に枢着され、
前記ロック体は、前記枢着ボタンのピンの軸心からずれるように前記ピンの一端に凸設され、前記枢着ボタンの自転に従ってロック位置と解放位置との間に移動可能であり、前記ロック体がロック位置に位置するときに、前記ロックスイッチの電子回路がオフ状態になり、これにより、前記制御スイッチの電子信号が前記制御回路板に伝送不能になり、なお、前記ロック体が解放位置に位置するときに、前記ロックスイッチの電子回路がオン状態になり、これにより、前記制御スイッチの電子信号が前記制御回路板に伝送可能になることを特徴とするボタンケース用ロック装置。
【請求項2】
前記ボタンケースは、更に、枢着穴を含み、前記枢着穴は、前記本体の一側面に設けられ、前記枢着ボタンを収容可能であり、
前記ロック機構は、更に、規制部を含み、前記規制部により、前記枢着ボタンがロック位置と解放位置の間だけに自転可能であり、前記規制部は、予定長さを有し円弧形状を呈する規制溝と、前記規制溝に挿入され前記規制溝を摺動可能である挿入体と、を含み、前記規制溝の曲率中心は前記枢着穴の曲率中心と同じであることを特徴とする、請求項1に記載のボタンケース用ロック装置。
【請求項3】
更に、定位部を含み、前記定位部は、前記枢着穴と前記枢着ボタンの間に設けられ、前記枢着ボタンの軸方向への変位を規制することを特徴とする、請求項2に記載のボタンケース用ロック装置。
【請求項4】
前記定位部は、撓み性を有するOリングであり、前記枢着ボタンのピンに嵌め設けられ、その周面が前記枢着穴の壁面に緊密に押付けることを特徴とする、請求項3に記載のボタンケース用ロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−129298(P2011−129298A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285094(P2009−285094)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(599105160)大銀微系統股▲分▼有限公司 (12)
【Fターム(参考)】