説明

ボタン電話装置、着信制御方法、およびプログラム

【課題】コールバックの通話において、より確実に、着信側に課金させる。
【解決手段】記憶部42は、コールバックする相手である電話機14の電話番号を記憶する。判定部43は、コールバックで通話する相手である電話機14からの着信であるか否かを判定する。コールバック着信制御部41は、コールバック検出期間において、電話機14との回線が接続されているとき、無線ファンクショナル端末13の着信ランプを点灯させると共に、無線ファンクショナル端末13における着信音の出力を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボタン電話装置、着信制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のボタン電話装置には、自動コールバック機能を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。すなわち、自動コールバック機能において、登録された電話番号を発信者とする着信呼が所定時間以内に呼放棄され、かつその呼放棄の後にその着信呼への応答操作が行われたことを条件として、自動的にコールバックが行われる。
【0003】
従来の自動コールバック機能を備える従来のボタン電話装置では、コールバックの着信であっても、通常の着信と同様に、電話がかかってきた時点で、端末に対して着信制御を施し、端末に、ランプ表示による着信表示(可視通知)を行わせると共に、着信鳴動(すなわち、着信音を鳴らすこと)を行わせていた。
【0004】
また、登録された電話番号を発信者とする着信呼が所定時間以内に呼放棄され、かつその呼放棄の後にその着信呼への応答操作が行われたことを条件として、自動的にコールバックを行い、コールバックに応答した発信者の電話機に音声ガイダンスを送ってから外線への中継発信を受け付け、その中継発信先が応答したときにはその中継発信先と発信者との通話を中継するようにしているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、折り返し自動発信時に、少なくとも応答操作が行われた内線端末、あるいはすべての内線端末に、折り返し自動発信であることを表示するようにしているものもある(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−85816号公報
【特許文献2】特開2008−85817号公報
【特許文献3】特開2008−109619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、コールバックの着信の場合、コールバック検出時間内に相手から電話を切られる前に端末が応答してしまうとコールバックの自動発信とならないため、コールバックの相手に課金されてしまうことがあった。
【0008】
図4は、従来のボタン電話装置101の自動コールバック機能の処理を示すシーケンス図である。なお、ボタン電話装置101は、主装置111および無線ファンクショナル端末112からなる。無線ファンクショナル端末112は、ISDN(integrated services digital network)のユーザー・網インタフェース(user network interface)におけるDチャネル上の呼設定手順を規定するITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)勧告であるQ.931に準拠したインタフェースを備える。
【0009】
ステップS101において、コールバック相手が、コールバックにて通話を行うために外線から発信する発信操作を行うと、ステップS102において、通信事業者網は、コールバック相手からの発信を受けて、ボタン電話装置101の主装置111に発呼して、ボタン電話装置101の主装置111は着信する。
【0010】
そして、ボタン電話装置101の主装置111から見ると、ボタン電話装置101の主装置111は、コールバック相手からの着信であっても通常の着信と同様にボタン電話装置101の無線ファンクショナル端末112に対して着信の制御を行う。すなわち、ステップS103において、ボタン電話装置101の主装置111は、ボタン電話装置101の無線ファンクショナル端末112に着信ランプの表示を指示し、ステップS104において、無線ファンクショナル端末112は、着信ランプを点滅させる。
【0011】
ステップS103と同時に、ステップS105において、ボタン電話装置101の主装置111は、ボタン電話装置101の無線ファンクショナル端末112に、呼の設定開始を示すSETUP(呼設定)であるQ.931メッセージを送信する。ステップS106において、ボタン電話装置101の無線ファンクショナル端末112は、ボタン電話装置101の主装置111に、呼び出しが開始されたことを通知するALERT(呼出)であるQ.931メッセージを送信すると共に、着信音を鳴らす(着信鳴動する)。ALERT(呼出)であるQ.931メッセージが送信されてくると、ステップS107において、ボタン電話装置101の主装置111は、通信事業者網を介してコールバック相手を呼出する。コールバック相手の電話機は、呼出音を鳴らすので、コールバック相手は、呼出音を聴取する。
【0012】
従って、内線ユーザは、着信ランプの点滅を視認すると共に、着信音を聴取して、無線ファンクショナル端末112による呼び出しを知ることができる。
【0013】
ステップS108において、ボタン電話装置101の主装置111は、コールバック検出時間の計時を開始する。ボタン電話装置101の主装置111は、予め定められた所定の長さのコールバック検出時間において、コールバック相手から電話を切られた場合、コールバック検出を確定する。
【0014】
しかし、無線ファンクショナル端末112は、コールバック着信の場合、および通常着信の場合のいずれも、着信ランプを点滅させると共に、呼出音を鳴らすので、内線ユーザは、コールバック着信と通常着信とを区別することができない。
【0015】
コールバック検出時間内であって、コールバック相手から電話を切られる前に、ステップS109において、内線ユーザが、無線ファンクショナル端末112に応答の操作を行うと、ステップS110において、無線ファンクショナル端末112は、着信ユーザーが呼を受け入れたことを示すCONN(応答)であるQ.931メッセージを主装置111に送信する。すると、ステップS111において、ボタン電話装置101とコールバック相手の電話機とは、コールバック相手の課金で通話することになる。
【0016】
このように、コールバック検出時間内にコールバック相手が電話を切る前にボタン電話装置101が応答してしまうとコールバックにならない。
【0017】
そこで、本発明は、上記課題を解決すること、すなわち、コールバックの通話において、より確実に、着信側に課金させるボタン電話装置、着信制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、本発明のボタン電話装置の一側面は、端末と主装置とからなるボタン電話装置であって、コールバックで通話する相手の電話番号を記憶する記憶手段と、記憶されている電話番号と着信した電話番号とを比較して、コールバックで通話する相手からの着信であるか否かを判定する判定手段と、コールバックで通話する相手からの着信であると判定された場合、コールバック検出期間において、相手との回線が接続されているとき、上記端末の着信ランプを点灯させると共に、上記端末における着信音の出力を抑制し、コールバック検出期間中において、相手との回線が開放されたとき、回線が開放された以後、上記端末の着信ランプを点灯させると共に、上記端末に着信音を出力させるように、上記端末を制御する制御手段とを有するものとされている。
【0019】
また、本発明のボタン電話装置の一側面は、上述の構成に加えて、前記制御手段は、前記端末の着信ランプを点滅させるように、前記端末を制御するものとされている。
【0020】
さらに、本発明のボタン電話装置の一側面は、上述の構成に加えて、前記端末と前記主装置とは、無線により通信するものとされている。
【0021】
また、本発明の着信制御方法の一側面は、コールバックで通話する相手の電話番号を記憶する記憶手段と、判定手段と、制御手段とを備える主装置および端末からなるボタン電話装置の着信制御方法であって、上記判定手段により、上記記憶手段に記憶されている電話番号と着信した電話番号とを比較して、コールバックで通話する相手からの着信であるか否かを判定する判定ステップと、上記制御手段により、コールバックで通話する相手からの着信であると判定された場合、コールバック検出期間において、相手との回線が接続されているとき、上記端末の着信ランプを点灯させると共に、上記端末における着信音の出力を抑制し、コールバック検出期間中において、相手との回線が開放されたとき、回線が開放された以後、上記端末の着信ランプを点灯させると共に、上記端末に着信音を出力させるように、上記端末を制御する制御ステップとを含むものとされている。
【0022】
さらに、本発明のプログラムの一側面は、端末と共にボタン電話装置を構成する主装置のコンピュータに、記憶手段に記憶されているコールバックで通話する相手の電話番号と着信した電話番号とを比較して、コールバックで通話する相手からの着信であるか否かを判定する判定ステップと、コールバックで通話する相手からの着信であると判定された場合、コールバック検出期間において、相手との回線が接続されているとき、上記端末の着信ランプを点灯させると共に、上記端末における着信音の出力を抑制し、コールバック検出期間中において、相手との回線が開放されたとき、回線が開放された以後、上記端末の着信ランプを点灯させると共に、上記端末に着信音を出力させるように、上記端末を制御する制御ステップとを含む処理を行わせるものとされている。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一側面によれば、コールバックの通話において、より確実に、着信側に課金させるボタン電話装置、着信制御方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施の形態のボタン電話装置のシステム構成図である。
【図2】自動コールバック機能の処理を示すシーケンス図である。
【図3】コンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【図4】従来の自動コールバック機能の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施の形態のボタン電話装置について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施の形態のボタン電話装置のシステム構成図である。ボタン電話装置は、主装置11、無線基地局12、および無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3からなる。主装置11は、ISDN、アナログ電話回線、またはVoIP(Voice over Internet Protocol)を採用する通信網などの通信事業者網を介して、外部の電話機14と通信すると共に、無線基地局12による無線通信を介して、無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3と通信する。
【0027】
無線基地局12は、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.11a,IEEE802.11b,IEEE802.11g,またはIEEE802.11nなどの規格に準拠する無線LAN(local Area
Network)システムのアクセスポイントなどであり、無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3との間で無線により通信を行う。
【0028】
無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3は、Q.931に準拠したインタフェース、およびSIP(session initiation protocol)に準拠したインタフェースを備える。
【0029】
主装置11は、外線インタフェース部21、外線呼制御部22、および内線インタフェース23を備える。外線インタフェース部21は、通信事業者網を介して、外部の電話機14と通信する。外線呼制御部22は、外線インタフェース部21および通信事業者網を介した、電話機14からのボタン電話装置への呼を制御し、ボタン電話装置から電話機14への呼を制御する。内線インタフェース23は、無線基地局12を介して、無線通信により無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3と通信する。
【0030】
外線呼制御部22は、着信制御部31および発信制御部32を備える。着信制御部31は、外線インタフェース部21および通信事業者網を介した、電話機14からの着信を制御する。発信制御部32は、外線インタフェース部21および通信事業者網を介した、電話機14への発信を制御する。
【0031】
さらに、着信制御部31は、コールバック着信制御部41、記憶部42、および判定部43を備える。コールバック着信制御部41は、外線インタフェース部21および通信事業者網を介した、電話機14からの、無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3へのコールバックの着信を制御する。
【0032】
記憶部42は、コールバックで通話する相手の電話番号を記憶する。すなわち、記憶部42は、コールバックする相手である電話機14の電話番号を記憶する。判定部43は、記憶されている電話番号と着信した電話番号とを比較して、コールバックで通話する相手からの着信であるか否かを判定する。すなわち、判定部43は、記憶部42に記憶されている電話番号と着信した電話機14の電話番号とを比較して、コールバックで通話する相手である電話機14からの着信であるか否かを判定する。
【0033】
コールバック着信制御部41は、コールバックで通話する相手からの着信であると判定された場合、コールバック検出期間において、相手との回線が接続されているとき、端末の着信ランプを点灯させると共に、端末における着信音の出力を抑制し、コールバック検出期間中において、相手との回線が開放されたとき、回線が開放された以後、端末の着信ランプを点灯させると共に、端末に着信音を出力させるように、端末を制御する。
【0034】
すなわち、コールバック着信制御部41は、コールバックで通話する相手である電話機14からの着信であると判定された場合、コールバック検出期間において、電話機14との回線が接続されているとき、無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3の着信ランプを点灯させると共に、無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3における着信音の出力を抑制し、コールバック検出期間中において、電話機14との回線が開放されたとき、回線が開放された以後、無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3の着信ランプを点灯させると共に、無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3に着信音を出力させるように、無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3を制御する。
【0035】
以下、無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3を個々に区別する必要がない場合、単に、無線ファンクショナル端末13と称する。
【0036】
次に、本発明の一実施の形態のボタン電話装置のコールバックの処理について説明する。図2は、無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3がQ.931に準拠したインタフェースを備える場合の、自動コールバック機能の処理を示すシーケンス図である。
【0037】
ステップS1において、外線ユーザがコールバックにて通話を行うために外線から発信する発信操作を電話機14に行うと、電話機14は、通信事業者網に発信する。ステップS2において、通信事業者網は、電話機14からの発信を受けて、ボタン電話装置に発呼して、主装置11の外線インタフェース部21は着信する。このとき、外線呼制御部22の着信制御部31の判定部43は、記憶部42に記憶されている電話番号と着信した電話番号(着信電話番号)とを比較して、コールバックで通話する相手である電話機14からの着信であるか否かを判定する。
【0038】
以下、コールバックで通話する相手からの着信であると判定された場合の処理を例に説明する。
【0039】
ステップS3において、主装置11の外線呼制御部22の発信制御部32は、外線インタフェース部21を制御して、通信事業者網を介して電話機14を呼出する。電話機14は、呼出音を鳴らすので、外線ユーザは、呼出音を聴取する。
【0040】
ステップS4において、主装置11の外線呼制御部22の着信制御部31のコールバック着信制御部41は、内部インタフェース部23および無線基地局12を介して、無線ファンクショナル端末13に着信ランプの表示を指示し、ステップS5において、無線ファンクショナル端末13は、着信ランプを点滅させる(着信ランプを所定の期間点灯させ、その後、着信ランプを所定の期間消灯させ、これを繰り返す)。なお、ステップS4において、コールバック着信制御部41は、着信音の出力を指示する信号を送信しないか、または、着信音の出力の停止を指示する信号を送信することにより、無線ファンクショナル端末13の着信音の出力を抑制し、ステップS5において、無線ファンクショナル端末13は、着信音を出力しない。
【0041】
なお、この場合、着信ランプを継続的に点灯させるようにしてもよい。
【0042】
ステップS6において、主装置11の外線呼制御部22の着信制御部31のコールバック着信制御部41は、コールバック検出時間の計時を開始する。予め定められた所定の長さのコールバック検出時間中のステップS7において、外線ユーザがオンフック(電話を切る)操作を電話機14に行うと、ステップS8において、通信事業者網は、回線を開放する。コールバック検出時間において、電話機14から電話を切られた場合、外線インタフェース部21が回線の開放を検知して、外線呼制御部22の着信制御部31のコールバック着信制御部41は、コールバック着信を確定し、無線ファンクショナル端末13の鳴動を開始させる。
【0043】
すなわち、ステップS9において、コールバック着信制御部41は、内部インタフェース部23および無線基地局12を介して、ボタン電話装置の無線ファンクショナル端末13に、呼の設定開始を示すSETUP(呼設定)であるQ.931メッセージを送信する。ステップS10において、無線ファンクショナル端末13は、無線基地局12を介して、主装置11に、呼び出しが開始されたことを通知するALERT(呼出)であるQ.931メッセージを送信する。主装置11の内部インタフェース部23は、無線ファンクショナル端末13からのALERT(呼出)であるQ.931メッセージを受信し、外線呼制御部22に供給する。
【0044】
ボタン電話装置の無線ファンクショナル端末13は、ALERT(呼出)であるQ.931メッセージを送信した後、着信ランプを点滅させると共に、着信音を出力する。
【0045】
このように、コールバックで通話する相手である電話機14から着信してから、電話機14が回線を開放するまで(図2中Aで示す期間)、無線ファンクショナル端末13は、着信ランプを点滅させ、着信音を出力しない。また、コールバック検出期間中において、電話機14との回線が開放されたとき、電話機14との回線が開放された以後、無線ファンクショナル端末13は、着信ランプを点滅させると共に、着信音を出力する。
【0046】
コールバックで通話する相手である電話機14から着信してから、電話機14が回線を開放するまで、無線ファンクショナル端末13は、着信ランプを点滅させ、着信音を出力しないので、内線ユーザは、コールバックの着信であることを認識することができる。従って、電話機14が回線を開放する前に、無線ファンクショナル端末13において、誤って応答操作してしまうことを抑制することができる。
【0047】
なお、コールバック検出期間中において、電話機14との回線が開放されなかったとき、コールバック検出期間の経過後、コールバック着信制御部41が、内部インタフェース部23および無線基地局12を介して、ボタン電話装置の無線ファンクショナル端末13に、呼の設定開始を示すSETUP(呼設定)であるQ.931メッセージを送信するので、コールバック検出期間の経過後、無線ファンクショナル端末13は、着信ランプを点滅させると共に、着信音を出力する。
【0048】
また、無線ファンクショナル端末13が、SIPに準拠したインタフェースを備える場合、INVITEリクエストが送信される。
【0049】
無線ファンクショナル端末13が、着信ランプを点滅させると共に、着信音を出力すると、電話機14が回線を開放したことがわかるので、ステップS11において、内線ユーザは、応答操作を無線ファンクショナル端末13に行うと、ステップS12において、無線ファンクショナル端末13は、着信ユーザーが呼を受け入れたことを示すCONN(応答)であるQ.931メッセージを主装置11に送信する。主装置11の内部インタフェース部23は、無線ファンクショナル端末13からのCONN(応答)であるQ.931メッセージを受信し、外線呼制御部22に供給する。
【0050】
ステップS13において、コールバック着信制御部41は、外線インタフェース部21を制御して、通信事業者網に、電話機14宛てに発信する。電話機14は、着信すると、着信音を出力するので、外線ユーザは、着信音を聴取することができる。ステップS14において、外線ユーザが応答操作を電話機14に行うと、電話機14は、通信事業者網に応答し、ステップS15において、通信事業者網は、ボタン電話装置に応答する。
【0051】
その結果、ステップS16において、ボタン電話装置と電話機14とは、ボタン電話装置(システム)の課金で通話することになる。
【0052】
なお、外線インタフェース部21が、コールバックで通話する相手以外から着信すると、外線呼制御部22の着信制御部31の判定部43は、記憶部42に記憶されている電話番号と着信した電話番号とを比較して、コールバックで通話する相手以外からの着信であると判定する。この場合には、従来と同様に、外線呼制御部22は、無線ファンクショナル端末13に、着信ランプの表示を指示すると共に、呼の設定開始を示すSETUP(呼設定)であるQ.931メッセージを送信するので、無線ファンクショナル端末13は、着信後、即座に、着信ランプを点滅させると共に、着信音を出力する。
【0053】
従って、この場合、内線ユーザは、着信音を出力することなく、着信ランプを点滅させることがなかったので、コールバックではない着信であることを認識することができる。
【0054】
以上のように、コールバックの相手から着信があった場合、内線ユーザは、コールバックにて通話を行う外線ユーザがコールバック検出時間内に回線を開放したことを知ることができ、回線を開放した後に、応答することができるので、コールバックの通話において、より確実に、着信側に課金させることができる。
【0055】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0056】
図3は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0057】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)51,ROM(Read Only Memory)52,RAM(Random Access Memory)53は、バス54により相互に接続されている。
【0058】
バス54には、さらに、入出力インタフェース55が接続されている。入出力インタフェース55には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部56、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部57、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部58、ネットワークインタフェース、外線インタフェース部21、または内線インタフェース部23などよりなる通信部59、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア61を駆動するドライブ60が接続されている。
【0059】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU51が、例えば、記憶部58に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース55及びバス54を介して、RAM53にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0060】
コンピュータ(CPU51)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア61に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0061】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア61をドライブ60に装着することにより、入出力インタフェース55を介して、記憶部58に記憶することで、コンピュータにインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部59で受信し、記憶部58に記憶することで、コンピュータにインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM52や記憶部58にあらかじめ記憶しておくことで、コンピュータにあらかじめインストールしておくことができる。
【0062】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0063】
なお、無線基地局12と無線ファンクショナル端末13−1〜無線ファンクショナル端末13−3と無線通信は、無線LANシステムに限らず、専用の通信システム、またはPHS(personal handy-phone system)など、無線により通信できればよい。
【0064】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
11…主装置、13−1〜13−3,13…無線ファンクショナル端末、21…外線インタフェース部、22…外線呼制御部、23…内線インタフェース、31…着信制御部、32…発信制御部、41…コールバック着信制御部、42…記憶部、43…判定部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と主装置とからなるボタン電話装置において、
コールバックで通話する相手の電話番号を記憶する記憶手段と、
記憶されている電話番号と着信した電話番号とを比較して、コールバックで通話する相手からの着信であるか否かを判定する判定手段と、
コールバックで通話する相手からの着信であると判定された場合、コールバック検出期間において、相手との回線が接続されているとき、上記端末の着信ランプを点灯させると共に、上記端末における着信音の出力を抑制し、コールバック検出期間中において、相手との回線が開放されたとき、回線が開放された以後、上記端末の着信ランプを点灯させると共に、上記端末に着信音を出力させるように、上記端末を制御する制御手段と
を有することを特徴とするボタン電話装置。
【請求項2】
請求項1に記載のボタン電話装置において、
前記制御手段は、前記端末の着信ランプを点滅させるように、前記端末を制御する
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のボタン電話装置において、
前記端末と前記主装置とは、無線により通信する
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項4】
コールバックで通話する相手の電話番号を記憶する記憶手段と、判定手段と、制御手段とを備える主装置および端末からなるボタン電話装置の着信制御方法において、
上記判定手段により、上記記憶手段に記憶されている電話番号と着信した電話番号とを比較して、コールバックで通話する相手からの着信であるか否かを判定する判定ステップと、
上記制御手段により、コールバックで通話する相手からの着信であると判定された場合、コールバック検出期間において、相手との回線が接続されているとき、上記端末の着信ランプを点灯させると共に、上記端末における着信音の出力を抑制し、コールバック検出期間中において、相手との回線が開放されたとき、回線が開放された以後、上記端末の着信ランプを点灯させると共に、上記端末に着信音を出力させるように、上記端末を制御する制御ステップと
を含むことを特徴とする着信制御方法。
【請求項5】
端末と共にボタン電話装置を構成する主装置のコンピュータに、
記憶手段に記憶されているコールバックで通話する相手の電話番号と着信した電話番号とを比較して、コールバックで通話する相手からの着信であるか否かを判定する判定ステップと、
コールバックで通話する相手からの着信であると判定された場合、コールバック検出期間において、相手との回線が接続されているとき、上記端末の着信ランプを点灯させると共に、上記端末における着信音の出力を抑制し、コールバック検出期間中において、相手との回線が開放されたとき、回線が開放された以後、上記端末の着信ランプを点灯させると共に、上記端末に着信音を出力させるように、上記端末を制御する制御ステップと
を含む処理を行わせるプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−4222(P2011−4222A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146265(P2009−146265)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】