説明

ボルト接続用ナットおよびそれを用いたアンカー施工方法

【課題】例えば電気工事、空調工事、ダクト工事、給排水工事等においてアンカーボルトに吊りボルトや繋ぎボルト等の連結ボルトを接続する場合などに用いるボルト接続用ナットおよびそれを用いたアンカー施工方法に係り、ボルト接続用ナットに対するボルトのねじ込み量を各ボルト毎に異ならせたり、或いは各ボルトのねじ径やピッチ等の規格が異なる場合にも、上記ナットの方向を容易に且つ薄暗い現場でも識別できるようにする。
【解決手段】内方に雌ねじ孔11を有する略筒状のナットの両端部にそれぞれボルトをねじ込んで接続するボルト接続用ナット1において、上記ナット1の一端側と他端側とに、その各端部から所定長さ位置に該ナットの軸線方向と直角方向に貫通する貫通穴12a・12bを設け、その各貫通穴の径を異ならせたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気工事、空調工事、ダクト工事、給排水工事等においてアンカーボルトに吊りボルトや繋ぎボルト等の連結ボルトを接続する場合などに用いるボルト接続用ナットおよびそれを用いたアンカー施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電気工事、空調工事、ダクト工事、給排水工事等において建築物や構築物の天井や壁面等にケーブルや鋼管等を取付ける場合、上記の天井や壁面等に施工したアンカーボルトに吊りボルトや繋ぎボルト等の連結ボルトを介して上記ケーブルや鋼管等を取付け支持させるのが一般的であり、上記アンカーボルトと連結ボルトとは、通常ボルト同士を接続するための専用のボルト接続用ナットで接続するようにしている。
【0003】
ところが、上記のようなボルト接続用ナットは通常筒状に形成され、その筒状ナットの軸線方向一端側と他端側からそれぞれボルトをねじ込む構成であるから、その各端部にねじ込んだボルトのねじ込み状態等は外部からは見ることができない。そのため、下記特許文献1においては、上記のようなボルト接続用ナットの両端部近傍に、該ナットの軸線方向と直角方向に貫通する貫通穴を設けることによって、上記ナットにねじ込んだ各ボルトのねじ込み状態を外部から目視できるようにすることが提案されている。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のものは筒状ナットの両端部に、それぞれの端面から一定の長さ位置に同径の貫通穴を設けた構成であるから、上記各ボルトのねじ径やねじピッチ等の規格が同一で、ナットに対するねじ込み量に制約等がない場合には便利であるが、上記ナットに対するボルトのねじ込み量を各ボルト毎に異ならせて上記貫通穴でねじ込み量を規制したり、各ボルトのねじ径やねじピッチ等の規格が異なる場合には、上記ナットのいずれの側からそれぞれのボルトをねじ込んだらよいのか外部からは容易に識別できない等の不具合がある。
【0005】
そこで、上記特許文献1においては、上記のような不具合を解消するために、それぞれのボルトに対する雌ねじ孔の規格および寸法、アンカーボルトへの取付け方向等を表示したラベルを上記ナットの側面に貼り付けることが提案されているが、上記のようなラベルをナットに1つずつ貼るのは煩雑かつ面倒で製作コストが増大するおそれがある。また上記のようなラベルに記載した表示内容は、薄暗い現場では見づらく、識別が困難な場合も少なくない等の問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2000−87926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、ボルト接続用ナットに対するボルトのねじ込み量を各ボルト毎に異ならせて上記貫通穴でねじ込み量を規制したり、或いは各ボルトのねじ径やピッチ等の規格が異なる場合にも、上記ナットのいずれの側からそれぞれのボルトをねじ込んだらよいのか、薄暗い現場でも容易に識別可能なボルト接続用ナットおよびそれを用いたアンカー施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明によるボルト接続用ナットおよびそれを用いたアンカー施工方法は、以下の構成としたものである。すなわち、本発明によるボルト接続用ナットは、内方に雌ねじ孔を有する略筒状のナットの両端部にそれぞれボルトをねじ込んで接続するボルト接続用ナットにおいて、上記ナットの一端側と他端側とに、その各端部から所定長さ位置に該ナットの軸線方向と直角方向に貫通する貫通穴を設け、その各貫通穴の径を異ならせたことを特徴とする。なお、上記各貫通穴の上記各端部からの長さ位置を互いに異ならせてもよく、また上記ナットの両端部にボルトをねじ込むための雌ねじ孔の径を互いに異ならせてもよい。
【0009】
また本発明によるアンカー施工方法は、締付式アンカーのアンカーボルトに上記のようなボルト接続用ナットの一端をねじ込むことによって上記締付式アンカーをアンカー挿入孔内に施工した後、上記ボルト接続用ナットの他端に連結ボルトをねじ込んで接続する構成とし、上記アンカーボルトに上記ボルト接続用ナットをねじ込む際の該ナットの方向を上記の径の異なる貫通穴の配置状態で識別するようにしたことを特徴とする。
【0010】
さらに上記ボルト接続用ナットに対する上記アンカーボルトおよび連結ボルトのねじ込み状態を上記貫通穴から目視し得るように構成するとよく、また上記ボルト接続用ナットに対する上記アンカーボルトのねじ込み状態を上記貫通穴から目視することによって、上記締付式アンカーを施工するのに必要な最小限のねじ込み量が確保されたか否かを判別できるようにするとよい。さらに上記アンカーボルトと連結ボルトの色を互いに異ならせるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるボルト接続用ナットおよびそれを用いたアンカー施工方法によれば、上記の径の異なる貫通穴のいずれか一方の方向、例えば小径の貫通穴のある方向をアンカーボルトにねじ込む方向と決めておけば、上記の径の異なる貫通穴の大きさを目視で、或いは薄暗い現場等にあっては手探りで判別するだけで上記ナットの方法を知ることができる。それによって、例えばアンカーボルトに適するねじ込み量を上記貫通穴の配置位置で指示する場合、あるいは上記ナットの両端部にねじ込むボルトおよび雌ねじ孔の径やねじ規格が異なる場合にも、誤用なく適正に接続することが可能となる。また接続後の確認も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明によるボルト接続用ナットおよびそれを用いたアンカー施工方法を図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0013】
図1は本発明によるボルト接続用ナットの一実施形態を示すもので、本実施形態のボルト接続用ナット1は、通常の六角ナットと同様に外周面が六角形状を呈する筒状に形成され、その筒状のナット1の内方に雌ねじ孔11を形成したもので、図の場合は同一径で同一ピッチの雌ねじ孔11を上記筒状ナット1の内周面のほぼ全長にわたって連続的に設けたものである。
【0014】
そして、本発明は上記ナット1の一端側と他端側とに、その各端部からそれぞれ所定長さ位置に、上記ナット1の軸線方向と直角方向に貫通する貫通穴12a・12bを設けると共に、その各貫通穴12a・12bの径を互いに異ならせたものである。本実施形態は上記ナット1の両端部からそれぞれ異なる位置に貫通穴12a・12bを設けたもので、図の場合はナット1の一端側の端部1aから該ナット1の軸方向長さの約1/4程度の長さ位置に貫通穴12aを、また上記ナット1の他端側の端部1bから該ナット1の軸方向長さの約1/2程度の長さ位置に貫通穴12bをそれぞれ設けた構成である。また本実施形態は上記貫通穴12aの径よりも貫通穴12bの径を大きく形成したもので、図の場合は貫通穴12bの径は貫通穴12aの径の約1.5倍程度に形成されている。
【0015】
図2は上記のボルト接続用ナット1を用いてアンカーを施工したアンカー施工構造の一例を示すもので、特に図の場合は上記ボルト接続用ナット1を締付式アンカー2の締付用ナットとして使用すると共に、上記締付式アンカー2のアンカーボルト21に上記ボルト接続用ナット1を介して連結ボルト3を接続した構成である。その連結ボルト3のアンカーボルト21と反対側には、ケーブルや鋼管その他各種物品等が取付けられるが図には省略した。図中、hは上記アンカーを施工すべき壁面W等に形成したアンカー挿入孔、4は上記壁面Wとボルト接続用ナット1との間に介在させたワッシャで必要に応じて設ける。
【0016】
上記締付式アンカー2は、図3に示すように、一端側に雄ねじ21aを有するアンカーボルト21と、そのアンカーボルト21の上記雄ねじ21aと反対側の端部21bに設けた略筒状の拡開スリーブ22とよりなる。その拡開スリーブ22は、上記端部21bに形成した細径部21cに嵌合保持され、その細径部21cの一端側に設けたテーパ部21tで上記拡開スリーブ22の一端22a側を拡開する構成であり、そのスリーブ22の一端22a側にはスリット22sが設けられている。
【0017】
上記の締付式アンカー2をアンカー挿入孔h内に挿入した状態で、上記アンカーボルト21の雄ねじ21bにボルト接続用ナット1をねじ込むと、上記スリーブ22が孔hの内面に密着した状態でアンカーボルト本体21のみが上記ナット1側に引き寄せられ、それによって上記テーパ部21tが拡開スリーブ22内に進入して該スリーブ22の一端22a側が拡開し、その先端部がアンカー挿入孔hの内面に食い込んでアンカーボルト21が抜け止め係止される構成である。
【0018】
次に、上記のようなアンカー施工構造を施工する場合の手順の一例を図4および図5に基づいて説明する。先ず図4(a)に示すようにアンカーを施工すべき建築物や構築物その他の壁面W等に、ドリルD等でアンカー挿入孔hを形成する。次いで、その挿入孔h内に図4(b)にような送気ホースH等を介して空気を吹き付け若しくは吸引して上記挿入孔h内に残留する切削粉f等を除去する。そして上記アンカー挿入孔h内に、図4(c)のようにアンカー2を挿入して拡開スリーブ22を上記挿入孔hの内面に密着させ、そのアンカー2のアンカーボルト21に必要に応じてワッシャ4を嵌めた後、ボルト接続用ナット1をねじ込む。
【0019】
次いで、上記アンカーボルト21にねじ込んだボルト接続用ナット1のアンカーボルト21と反対側の端部に、図5(a)に示すようにレンチ等の手動工具TのソケットT1等を係合させて、上記ナット1を所定のねじ込み方向に回動させる。すると、上記アンカー2の拡開スリーブ22はアンカー挿入孔hとの摩擦力で周方向および軸方向には殆ど動くことなく上記アンカー挿入孔h内に挿入したときの位置でほぼ停止した状態にあり、一方アンカーボルト21はアンカー挿入孔hや拡開スリーブ22との摩擦力で周方向には殆ど回動することなく、上記ボルト接続用ナット1の回動で該ナット1の方向に徐々に移動して図5(b)のように上記ナット1内に引き込まれていく。
【0020】
それによって、上記アンカーボルト21の細径部21aの一端側に設けた前記テーパ部21tが徐々に拡開スリーブ22内に進入して行き、その拡開スリーブ22の一端22aが図5(b)のように拡開し、その先端部がアンカー挿入孔hの内面に食い込んで上記アンカーボルト21が抜け止め係止される。そして、そのアンカーボルト21が確実に抜け止め係止されたところで上記手動工具Tをナット1から外す。
【0021】
なお、本実施形態においては上記アンカーボルト21がボルト接続用ナット1内にねじ込まれる際のねじ込み状態を上記貫通穴12aから目視できるようにすると共に、それによって、上記締付式アンカー2を施工するのに必要な最小限のねじ込み量が確保されたか否かをも判別できるようにしたものである。特に、図の場合は上記締付式アンカー2のアンカーボルト21にワッシャ4を嵌めてボルト接続用ナット1をねじ込み、上記締付式アンカー2を施工するのに必要な最小限のねじ込み量が確保されて拡開スリーブ22が所定の基準値以上に拡開したとき、上記貫通穴12aの開口全面に上記アンカーボルト21の先端ねじ部21aが表れるようにしたもので、その状態を見れば必要最小限のねじ込み量が確保され、拡開スリーブ22が所定の基準値以上に拡開したことが分かる。そして必要に応じて更に上記ナット1をねじ込んで拡開スリーブ22を開けばアンカー挿入孔hの内面に適度な強度で抜け止め係止できるものである。
【0022】
上記のようにして締付式アンカー2のアンカーボルト21にボルト接続用ナット1をねじ込んで締付式アンカー2をアンカー挿入孔h内の所定の位置に抜け止め係止したところで、上記ボルト接続用ナット1の他端に、図5(c)のように連結ボルト3をねじ込んで接続するもので、そのとき上記連結ボルト3は少なくとも上記ナット1に形成した前記他方の貫通穴12bから該連結ボルト3の先端部が見えるまでねじ込めばよく、それによって、上記連結ボルト3のねじ込み状態を容易に確認することができるものである。
【0023】
なお、上記実施形態は締付式アンカー2のアンカーボルト21に単にワッシャ4とボルト接続用ナット1とを介して連結ボルト3を接続した構成であるが、必要に応じて例えば図6(a)および(b)に示すようにアンカー2を施工した壁面W等とワッシャ4との間もしくは上記ワッシャ4を省略して上記壁面W等とボルト接続用ナット1との間に各種パネルや帯板等の板状物Pを挟んで施工することもできる。また上記2つの貫通穴12a・12bのうちのいずれか一方、例えば大径の貫通穴12b内に、上記両方のボルト21・4の先端部が位置するようにして、上記貫通穴12bで上記両方のボルト21・4のねじ込み状態を識別することもできる。
【0024】
また上記実施形態は、ボルト接続用ナット1の内方に形成される雌ねじ孔11を、上記内周面の全長にわたって同一径で同一ピッチに形成したが、上記ナット1の両端部に互いに径や規格の異なるボルトを接続する場合には、それに合わせて例えば図7に示すようにナット1の内孔の両端部に径やピッチもしくは規格の異なる雌ねじ孔11a・11bを形成することもできる。
【0025】
さらに前記のような締付式アンカー2のアンカーボルト21にボルト接続用ナット1をねじ込む場合、従来は一般にレンチ等の手動工具、特にトルクレンチを用いて上記ナット1の締付トルクを一定にすることで上記アンカーボルト21に対するナット1のねじ込み量等を管理していたが、本発明においては上記のような貫通穴12a(12b)を設けたことで、その貫通穴12aから上記ナット1内へのアンカーボルト21の進入状態をみるだけで上記アンカーボルト21に対するナット1のねじ込み量、ひいては上記締付式アンカー2の施工状態を知ることができる。
【0026】
そのため、上記ナット1を回動させる手段としては、必ずしも上記のようなトルクレンチを用いなくてもよく、例えば通常のレンチやスパナ等の手動工具もしくは各種の電動工具等を用いることもできるものである。なお、電動工具を用いる場合には、例えば図8に示すように電動工具(不図示)のシャンクSを図のようなアダプタAを介してボルト接続用ナット1に係合させて回動すればよい。
【0027】
また上記実施形態は建築物や構築物の壁面W等に施工する場合を例にして説明したが、例えば建築物や構築物の天井面に上下方向のアンカー挿入孔hを形成して、その孔h内に上記と同様の締付式アンカー2を施工し、そのアンカー2のアンカーボルト21に上記と同様のボルト接続用ナット1を介して吊下ボルト等の連結ボルト3を接続する場合などにも適用できる。さらに上記のような締付式アンカーに限らず他の各種アンカーのアンカーボルトと連結ボルト、その他各種のボルトを接続する場合にも適用可能であり、それらのボルトとしては上記ボルト接続用ナット1と接続する端部にのみ雄ねじを有するものであってもよい。
【0028】
さらに上記のボルト接続用ナット1の両端部に接続されるボルトの色を変えておくと、目視施工管理を更に容易にすることができる。例えば前記の締付式アンカー2のアンカーボルト21をユニクロ(光沢クロメート)等で銀色(シルバー)に形成し、連結ボルト3はクロメート(有色クロメート)等で金色(ゴールド)に形成することによって、前記2つの貫通穴12a・12bからはそれぞれアンカーボルト21の銀色と連結ボルトの金色の雄ねじが表れるようにすれば、上記アンカーボルト21と連結ボルト3のねじ込み状態を一目瞭然で容易・迅速に確認することが可能となる。
【0029】
なお、上記のユニクロとクロメートの2種類の電気亜鉛メッキは、耐食性はほぼ同等であり、また着色顔料の違いだけで、メッキの特性は同じなので電食(異種金属を接触させた場合、一方がプラス、一方がマイナスの電位となって微量電流を生じ、その電流の電解作用によって腐食が起きる現象)の懸念はない。
【産業上の利用可能性】
【0030】
上記のように構成された本発明によるボルト接続用ナットおよびそれを用いたアンカー施工方法によれば、径の異なる貫通穴12a・12bのいずれか一方、例えば小径の貫通穴の側を一方のボルト用、例えばアンカーボルト用として決めておけば、上記の径の異なる貫通穴の大きさを目視で、或いは薄暗い現場等にあっては手探りで判別するだけで上記ナットの方法を知ることができる。それによって、上記ナットの両端部に接続されるボルトの種類や規格もしくは形やねじ込み量が異なる場合にも、上記ナットと各ボルトとを所定の接続方向および適正なねじ込み量で良好に接続することが可能となるもので、各種アンカーボルトはもとより、各種のボルトを接続する場合のボルト接続用ナットおよびそれを用いたアンカーボルト施工方法等に有効に適用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(a)は本発明によるボルト接続用ナットの一実施形態を示す平面図、(b)はその側面図、(c)は(a)におけるc−c断面図、(d)は(c)におけるd−d断面図、(e)は(c)におけるe−e断面図。
【図2】上記ボルト接続用ナットを用いてアンカーを施工した状態の正面図。
【図3】図の分解正面図。
【図4】(a)〜(d)はアンカーの施工プロセスの一例を示す前段の説明図。
【図5】(a)〜(d)はアンカーの施工プロセスの一例を示す後段の説明図。
【図6】(a)および(b)はアンカーの施工プロセスの他の例を示す説明図。
【図7】本発明によるボルト接続用ナットの他の実施形態を示す断面図。
【図8】電動工具でナット締付を行う場合の説明図。
【符号の説明】
【0032】
1 ボルト接続用ナット
11、11a、11b 雌ねじ孔
12a、12b 貫通穴
2 締付式アンカー
21 アンカーボルト
21a 雄ねじ
21b 細径部
22 拡開スリーブ
22a 端部
22s スリット
3 連結ボルト
4 ワッシャ
W 被施工部
h アンカー挿入孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内方に雌ねじ孔を有する略筒状のナットの両端部にそれぞれボルトをねじ込んで接続するボルト接続用ナットにおいて、上記ナットの一端側と他端側とに、その各端部から所定長さ位置に該ナットの軸線方向と直角方向に貫通する貫通穴を設け、その各貫通穴の径を異ならせたことを特徴とするボルト接続用ナット。
【請求項2】
上記各貫通穴の上記各端部からの長さ位置を互いに異ならせてなる請求項1に記載のボルト接続用ナット。
【請求項3】
上記ナットの両端部にボルトをねじ込むための雌ねじ孔の径を互いに異ならせてなる請求項1または2に記載のボルト接続用ナット。
【請求項4】
締付式アンカーのアンカーボルトに上記請求項1〜3のいずれかに記載のボルト接続用ナットの一端をねじ込むことによって上記締付式アンカーをアンカー挿入孔内に施工した後、上記ボルト接続用ナットの他端に連結ボルトをねじ込んで接続する構成とし、上記アンカーボルトに上記ボルト接続用ナットをねじ込む際の該ナットの方向を上記の径の異なる貫通穴の配置状態で識別するようにしたことを特徴とするアンカー施工方法。
【請求項5】
上記ボルト接続用ナットに対する上記アンカーボルトのねじ込み状態を上記貫通穴から目視することによって、上記締付式アンカーを施工するのに必要な最小限のねじ込み量が確保されたか否かを判別し得るように構成してなる請求項4に記載のアンカー施工方法。
【請求項6】
上記アンカーボルトと連結ボルトの色を互いに異ならせてなる請求項4または5に記載のアンカー施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−185076(P2008−185076A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17330(P2007−17330)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000129758)株式会社ケー・エフ・シー (120)
【Fターム(参考)】