説明

ボルト締結器、及びボルト締結方法、並びに、ボルト塑性域締め判定装置、及びボルト塑性域締め判定方法

【課題】 ボルトを正確に塑性域まで締め付けるボルト締結器及びボルト締結方法を提供する。
【解決手段】 ボルト2を締め付ける締結手段1と、締結手段1がボルト2の締め付ける時に、ボルト2が放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出するセンサと、センサが検出した検出信号を解析してボルト2が塑性域まで締め付けられたか否かを判定する解析部と、ボルト2が塑性域まで締め付けられたことを解析部が判定した旨をユーザへ通知する通知手段とを備え、ユーザは、通知手段がボルト2が塑性域まで締め付けられたことを判定した旨を通知されると、ボルト2の締め付けを終えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルトの塑性域締めを行うボルト締結器及びボルト締結方法、並びに、ボルト塑性域締め判定装置、及びボルト塑性域締め判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
振動が問題となる自動車業界などでは、ボルトの緩みやボルトの疲労破壊の発生を低減することを目的として、ボルトの塑性域締めが行われている。塑性域締めとは、ボルトが弾性域を超えて塑性変形するまで締め付け力を高めて締結する方法である。一方、最も使用されているボルト締結力の管理法として、トルクレンチを用いてトルク管理をしながら締め付けるトルク管理法がある。この方法はトルクとボルトの軸力が線形関係であることを利用して締め付け力を制御する方法である。また、安定した塑性域締めを実施するには、トルクレンチと比較して大掛かりな装置や煩雑な手順を要する回転角法やトルク勾配法、若しくは超音波ボルト軸力計を使用する方法などを用いる必要がある。
【0003】
しかしながら、トルク管理法は、ボルトとトルクレンチとが嵌合される面に生じる摩擦係数によってトルクと軸力との関係が大きく変化するため、軸力を精度良く制御することが要求される塑性域締めに適していない。
【0004】
また、上述した回転角法やトルク勾配法は、安定した塑性域締めを行うことが可能であるが、大掛かりな装置や煩雑な手順を要することから、実際にボルトの締め付けを行う現場で使用することは困難である。
【0005】
【特許文献1】特開平05―203513号公報
【特許文献2】特開平06―079552号公報
【特許文献3】特開平07―040262号公報
【特許文献4】特開2000−094355号公報
【特許文献5】特開2000−114182号公報
【特許文献6】特開2004−114182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、正確且つ容易にボルトの塑性域締めを行うことができるボルト締結器及びボルト締結方法、並びにボルト塑性域締め判定装置及びボルト塑性域締め判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明に係るボルト締結器は、上記ボルトを締め付ける締結手段と、上記締結手段で上記ボルトを締め付ける時に、上記ボルトが放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出するセンサと、上記センサが検出した検出信号を解析して上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定する解析部と、上記ボルトが塑性域まで締め付けられたことを上記解析部が判定した旨を通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るボルト締結器は、上記ボルトを締め付ける締結手段と、上記締結手段を駆動する駆動手段と、上記締結手段で上記ボルトを締め付ける時に、上記ボルトが放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出するセンサと、上記センサが検出した検出信号を解析して上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定する解析部と上記駆動手段と上記解析部とを制御する制御部とを備え、上記制御部は、上記解析部からの判定結果に応じて、上記駆動手段を制御することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るボルト締結方法は、上記ボルトが締め付けられる時に放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出し、検出された上記弾性波を解析して上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るボルト締結方法は、上記ボルトを所定の駆動手段を用いて締め付け、上記ボルトが締め付けられる時に放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出し、検出された上記弾性波を解析して上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定し、上記判定された結果に応じて、上記駆動手段を制御することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るボルト塑性域締め判定装置は、上記ボルトが締め付けられる時に放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出するセンサと、上記センサが検出した検出信号を解析して上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定する解析部と、上記ボルトが塑性域まで締め付けられたことを上記解析部が判定した旨を通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るボルト塑性域締め判定方法は、上記ボルトが締め付けられる時に放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出し、上記弾性波を検出した検出信号を解析して上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定し、上記ボルトが塑性域まで締め付けられたことを判定した旨を通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ボルトが締め付けられるときにボルトから放出される弾性波(アコースティック・エミッション)を検出し、その検出された弾性波を解析することにより、ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定することができる。
【0014】
このことにより、本発明は、レンチに加わるトルクを計測してその計測結果に基づいて、ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定することと比較して、より正確にボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定することができる。
【0015】
また、本発明は、従来法と比べて、装置が大きくならず、簡単な手順で正確にボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明が適用されたボルト締結器について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、レンチ1を用いて、ボルト2の塑性域締めを行う作業を示した斜視図である。
【0018】
レンチ1は、本発明に係るボルト締結器であり、図1に示すように、2つの被締結材4を接合させる際に用いられるものであり、ボルト2とナット3とを締め付けるものである。また、レンチ1は雌ねじが切られた穴を有する構造物にボルトを締結させるようにしてもよい。レンチ1は、頭部1aと、柄部1bとソケット部1dとから構成されてなる。また、レンチ1は、ボルト2が塑性域まで締め付けられたか否かを判定して、その判定結果をユーザへ通知する塑性域締め判定通知部10を備えている。なお、本発明は上述のようにレンチ1に限らず、ボルト2の締め付けを行うことができるスパナなどのあらゆるボルト締結器に適用することができる。
【0019】
ボルト2は、六角柱形状を有する頭部と、外周面に雄ねじが形成され頭部を結合された棒状体からなる軸部とから構成される。塑性域締めを行うために、水素脆化割れを起こす可能性があるボルトは除く。また、塑性変形時に弾性波を放出しないボルトも除く。なお、ボルト2は、上述した条件を満たせば、いかなる形状や材質からなるボルトであってもよい。
【0020】
ナット3は、図1に示すように、ナット3の孔部の内周面に雌ねじが形成され、ナット3の雌ねじとボルト2の雄ねじとが、螺合される。
【0021】
また、被締結材4は、図1に示すように、例えば鋼板などであり、ボルト2とナット3との間に締結される部材である。
【0022】
レンチ1の頭部1aは、図1に示すように、円柱体の形状からなり、一方の端面にソケット部1dが着脱自在に連結されている。ソケット部1dは、円柱体の形状からなり、一方の端面が頭部1aと連結されており、ボルト2と相対向する他端面にボルト2の頭部が嵌合される凹部1cが設けられている。なお、ソケット部1dは、ボルト2の頭部に応じてそれぞれの大きさからなる凹部1cが設けられている。
【0023】
レンチ1の柄部1bは、図1に示すように、直方体の形状からなり、長手方向の一端が頭部1aの側面と結合されている。また、柄部1bは、凹部1cにボルト2の頭部とが嵌合された状態において、ボルト2の軸部を軸として回転することにより、ボルトを締め付けることができる。なお、柄部1aは、直方体の形状に限らず、ボルト2を締め付けることができるものであれば、いかなるものであってもよく、例えば円柱体の形状からなるようにしてもよい。
【0024】
また、頭部1aと柄部1bとは、互いに初めから結合されているものに限らず、所定の連結材を介して連結するようにしてもよい。
【0025】
図2は、塑性域締め判定通知部10の構成を模式的に示した図である。
【0026】
塑性域締め判定通知部10は、図2に示すように、ボルト2から放出される弾性波(アコースティック・エミッション)を検出するセンサ11と、センサ11が検出した検出信号を増幅する増幅器12と、増幅器12で増幅された検出信号をディジタル信号に変換するA/D変換器13と、A/D変換器13によってディジタル化された検出信号が供給され、この信号を解析してボルト2が塑性域まで締め付けられたか否かを判定する解析部14と、ボルト2が塑性域まで締め付けられたことを解析部14が判定した旨を音で通知するブザー15とを備えている。
【0027】
センサ11は、レンチ1の凹部1cがボルト2の頭部に嵌合された際に、ボルト2の頭部に接触するように凹部1cに取り付けられており、ボルト2が放出する弾性波を電気信号として検出するものである。具体的には、弾性波を検出できるアコースティックエミッションセンサ又は加速度センサといったセンサを用いる。なお、センサ11は、凹部1cに取り付けられる場合に限らず、ナット3又は被締結材4などに取り付ける。つまり、ボルト2に接し、ボルト2が放出する弾性波を検出できる位置に設置するようにしてもよい。しかし、センサ11をナット3又は被締結材4などに取り付ける場合は、凹部1cとボルト2とを嵌合する作業以外に、センサ11を取り付ける作業が必要である。これに対して、センサ11を凹部1cに取り付けることによって、凹部1cとボルト2の頭部とが嵌合されるとともに、ボルト2が放出する弾性波を検出できる位置に設置される。従って、センサ12が凹部1cに取り付けられることは、その他の位置にセンサを取り付ける場合に対して、締め付けを行うまでの準備作業が容易になるといった利点がある。
【0028】
解析部14は、増幅器12によって増幅され、A/D変換器13によりディジタル信号に変換された検出信号を解析して、ボルト2が塑性域まで締め付けられたことを判定する。
【0029】
ブザー15は、解析部14によりボルト2が塑性域まで締め付けられたと判定されると、解析部14の命令によって音を出力し、ユーザへボルト2が塑性域まで締め付けられた旨を通知する。なお、ブザー15を用いてユーザへボルト2が塑性域まで締め付けられた旨を通知する場合に限らず、LED(Light Emitting Diode)の点滅表示などを用いるようにしてもよい。
【0030】
次に、ボルト2を塑性域まで締め付ける動作について説明する。
【0031】
まず、ユーザは、被締結材4に設けられている孔部に、ボルト2の軸部を挿通させナット3をその軸部に締結させる。ユーザは、レンチ1の凹部1cとボルト2の頭部とを嵌合させ、柄部1bをボルト2の軸部を軸として回転してボルト2を締め付ける。ボルト2は、図3に示すように、締め付けられるとともに弾性波を放出し、ボルト2が塑性域まで締め付けられると、弾性波の放出回数が急激に増加する。センサ11は、ボルト2が締め付けられる時に放出する弾性波を検出する。センサ11によって検出された検出信号は、増幅処理とディジタル変換とが施される。解析部14は、ディジタル変換された検出信号が供給され、この検出信号を解析して、ボルト2が塑性変形するまで締め付けられたか否かを判定する。ボルト2が塑性域まで締め付けられたと判定すると、ブザー15は、解析部14の命令によって音を発生させ、ユーザにボルト2が塑性域まで締め付けられたと判定した旨を通知する。ユーザは、ブザー15が発生した音を聴き取り、ボルト2の締め付けを完了する。このようにして、ボルト2は塑性域まで締め付けられる。
【0032】
なお、ユーザが、手動でレンチ1の柄部1bを操作してブザー15による通知がなされるまで、ボルトの締め付けを行う場合に限らず、レンチ1は、モータなどの駆動手段とその駆動手段を制御する制御手段をさらに備えて、駆動手段によりボルトが塑性域まで締め付けられると、制御手段が検出信号に基づく判定結果に応じて締め付けを完了するようにしてもよい。
【0033】
このように、レンチ1は、ボルト2に加わる軸力又は伸長を計測しなくても、ボルト2を締め付ける時に放出する弾性波の検出結果を解析して、ボルト2が塑性域まで締め付けられたかを正確に判定することができるので、その他の手法を用いる場合に対して、容易に判定することができる。
【0034】
次に、ボルト2が放出した弾性波の検出信号に基づいて、解析部14が行うボルト2が塑性域まで締め付けられたことを判定する具体的な基準について説明する。
【0035】
具体例として用いるボルトは、強度区分10.9,M10のクロムモリブラン鋼製のボルトである。なお、この種類のボルトに限らず、塑性域締めが行われるその他の種類のボルトを用いるようにしてもよい。
【0036】
上述したように、ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定するには、ボルトの軸力とその伸長との関係である荷重−伸び線図から判定することができる。
【0037】
ここで、ボルト2を締め付けるとともに、ボルトの軸力とその伸長とを測定し、ボルト2の塑性変形開始点を判定することが望ましいが、ボルト2の締め付け時にこれらの値を正確に測定することは困難である。そこでボルトの引張試験を行い、ボルトの軸力と、ボルトの軸力に応じたボルトの伸長を測定して正確な塑性変形開始点を求めるとともに、センサ11で引張試験中にボルト2から放出される弾性波を計測し、塑性変形開始点との関係を明らかにした。
【0038】
ここで、引張試験に用いられる引張試験機は、その引張力と部材の伸長とを計測することができる。
【0039】
この実施例では、ボルトを締め付ける代わりに、引張試験機を用いてボルト2を伸長させ、ボルト2の軸力とその伸長を計測して、ボルト2の降伏点を算出し、この降伏点を塑性域まで締め付けられたか否かの判定指標とする。また、ボルトが引張試験機によって伸長される時に、レンチ1のセンサ11を用いて、ボルト2が放出する弾性波を検出する。検出された弾性波は図4のようになる。本例では、検出信号から解析部14で弾性波が放出した累積数を算出し、この累積回数を判定指標とする。
【0040】
図5において、ボルト2を引張試験機で伸長する時に、ボルト2に加わる軸力を横軸に示し、ボルト2の伸長を右軸に示す。ボルト2に加わる軸力とその伸長との関係は、図5に示すように、54kN以下ではボルトの軸力に対するボルトの伸長が比例関係であるが、54kN以上に締め付けられると、この比例関係から外れボルトの軸力に対するボルトの伸長が大きくなる。つまり、ボルトの軸力が54kNになる時をこのボルト部材の降伏点として、ボルトが塑性域まで締め付けられたと判定することができる。
【0041】
なお、この具体例では、降伏荷重が54kNのボルト2の例を示したが、その他の種類の塑性域締めを行うボルトの降伏荷重も、引張試験機を用いて、ボルトの軸力とその伸長との関係から容易に求めることができる。また、JIS規格やメーカーのカタログ等に記載されているボルトの降伏応力と有効断面積から降伏荷重を算出することも可能である。
【0042】
また、図5において、ボルト2を引張試験機で伸長する時にボルト2が放出する弾性波の放出累積数を左軸に示す。
【0043】
ボルト2が放出する弾性波の放出累積数と引張試験器によって計測されたボルト2の軸力との関係は、図5に示すように、ボルト2の軸力が54kNになる時を境界として、弾性波の放出累積数が急激に増加する。ここで、ボルト2の軸力とボルト2の伸長との関係から、ボルト2は、ボルト2の軸力が54kNになるのを境界としてボルトは塑性域まで締め付けられるので、弾性波の放出累積数が急激に増加する時のボルトの軸力とほぼ同じである。よって、ボルト2が塑性域まで締め付けられたことを判定することは、弾性波の放出累積数が急激に増加する累積数に基づいて判定を行うことができる。
【0044】
このようなボルトの降伏点と、弾性波の放出累積数との関係は、試行を多数回に亘って繰り返しても同様の結果を得られる。
【0045】
よって、ボルトから放出される弾性波の放出累積数は、ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを正確に判定できる有効な判定指標である。したがって、塑性域判定通知部10を備えるレンチ1は、ボルトの塑性域締めを正確且つ容易に行うことができる。
【0046】
なお、ボルト2が塑性域まで締め付けられたことを判定することは、ボルト2が放出する弾性波の放出累積回数に限らず、弾性波の放出割合又は、弾性波の累積振幅分布などを判定指標として用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】レンチを用いてボルトの締め付けを行う時の構成を模式的に示した図である。
【図2】塑性域締め解析部の構成を模式的に示した図である。
【図3】ボルトが放出する弾性波を模式的に示した図である。
【図4】ボルトが放出する弾性波の検出信号を示した図である。
【図5】ボルトの引張試験中に測定されるボルトの軸力とボルトの伸長、及び、ボルトが放出する弾性波の累積数を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 レンチ、2 ボルト、3 ナット、4 被締結材、10 塑性域締め判定通知部、11 センサ、12 増幅器、13 A/D変換器、14 解析部、15 ブザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルトの締め付けを行うボルト締結器において、
上記ボルトを締め付ける締結手段と、
上記締結手段で上記ボルトを締め付ける時に、上記ボルトが放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出するセンサと、
上記センサが検出した検出信号を解析して上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定する解析部と、
上記ボルトが塑性域まで締め付けられたことを上記解析部が判定した旨を通知する通知手段とを備えること
を特徴とするボルト締結器。
【請求項2】
上記解析部は、上記ボルトが放出する上記弾性波の累積数に基づいて、上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定する請求項1記載のボルト締結器。
【請求項3】
ボルトの締め付けを行うボルト締結器において、
上記ボルトを締め付ける締結手段と、
上記締結手段を駆動する駆動手段と、
上記締結手段で上記ボルトを締め付ける時に、上記ボルトが放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出するセンサと、
上記センサが検出した検出信号を解析して上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定する解析部と、
上記駆動手段と上記解析部とを制御する制御部とを備え、
上記制御部は、上記解析部からの判定結果に応じて、上記駆動手段を制御すること
を特徴とするボルト締結器。
【請求項4】
上記解析部は、上記ボルトが放出する上記弾性波の累積数に基づいて、上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定する請求項3記載のボルト締結器。
【請求項5】
ボルトの締結方法において、
上記ボルトが締め付けられる時に放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出し、
検出された上記弾性波を解析して上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定すること
を特徴とするボルト締結方法。
【請求項6】
上記ボルトが締め付けられる時に放出する上記弾性波の累積数に基づいて、上記ボルトが塑性域まで締め付けられたことを判定する請求項5記載のボルト締結方法。
【請求項7】
ボルトの締め付けを行うボルト締め付け方法において、
上記ボルトを所定の駆動手段を用いて締め付け、
上記ボルトが締め付けられる時に放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出し、
検出された上記弾性波を解析して上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定し、上記判定された結果に応じて上記駆動手段を制御すること
を特徴とするボルト締結方法。
【請求項8】
上記ボルトが締め付けられる時に放出する上記弾性波の累積数に基づいて、上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定する請求項7記載のボルト締結方法。
【請求項9】
ボルトが塑性域締めされたか否かを判定するボルト塑性域締め判定装置において、
上記ボルトが締め付けられる時に放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出するセンサと、
上記センサが検出した検出信号を解析して上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定する解析部と、
上記ボルトが塑性域まで締め付けられたことを上記解析部が判定した旨を通知する通知手段とを備えること
を特徴とするボルト塑性域締め判定装置。
【請求項10】
ボルトが塑性域締めされたか否かを判定するボルト塑性域締め判定方法において、
上記ボルトが締め付けられる時に放出する弾性波(アコースティック・エミッション)を検出し、
上記弾性波を検出した検出信号を解析して上記ボルトが塑性域まで締め付けられたか否かを判定し、
上記ボルトが塑性域まで締め付けられたことを判定した旨を通知すること
を特徴とするボルト塑性域締め判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−55989(P2006−55989A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214274(P2005−214274)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】