説明

ボールタップ

【課題】受水槽内で主弁からの給水により生じる波動により、副弁の開閉機構に発生する摩擦や疲労破壊を防止し、確実に止水させるボールタップを提供する。
【解決手段】ボールタップ1は、開閉弁を有する副弁2と、副弁2に取り付けられて開閉弁を動作させるアーム3と、アーム3の先端に設けられた連結部4と、連結部4に接続する2本の接続棒5a,5bと、各接続棒5a,5bの先端に設けられる複数のフロート6a,6bを備え、連結部4は主弁から受水槽に給水されることで生じた波動による複数のフロート6a,6bのそれぞれの上下動を平均化するリング14を備え、平均化した上下動をアーム3に伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールタップに係り、特に、受水槽に設けられた副弁と、副弁に取り付けられたアームと、アームの先端に取り付けられたフロートとから構成され、フロートの浮力によりアームを介して副弁を開閉させ、副弁の開閉により主弁を動作させ、受水槽に給水して水面制御するボールタップに関する。
【背景技術】
【0002】
受水槽は常に所定の範囲内に水を貯水しなければならない。このため、受水槽には、フロート弁と称されるボールタップが設けられて水面制御が行われる。ここで受水槽には、受水槽に限らず高架水槽(或いは高置水槽)も含まれ、さらにトイレの便器洗浄用のロータンク又はハイタンクも含まれる。
【0003】
図14に、従来のボールタップの1つの実施例を示す。また、図15に、従来のボールタップの副弁における開閉機構を示す。ボールタップ41は、副弁42、副弁42に取り付けられたアーム43、及びアーム43の先端に設けられたフロート(浮子)46から構成される。水道引込み管(水道本管)49から供給された水は、主弁(定水位弁)47から受水槽30に流入される。フロート46は、浮力により水面の高低の変化に応じて上下動し、その動作がアーム43に伝達されてレバー50を動作させる。そして、レバー50に連結された副弁42内の開閉弁48の開度が変化する。すなわち、フロート46が所定の最低水面位置より低い場合には、開閉弁48は全開する。フロート46が所定の最低水面位置より高くなるにつれて開閉弁48の開度が減少し、所定の最高水面位置に達すると開閉弁48が完全に閉じる。
【0004】
受水槽30への給水は副弁42においても行われるが、主として主弁47において行われて水面制御される。すなわち、副弁42の開閉弁48の動作が信号として主弁47に伝達され、主弁47の開閉弁(図示せず)が連動し、受水槽30への給水が行われる。副弁42の開閉弁48が全開すると、主弁47から最高の流量が受水槽30へ給水される。また、副弁42の開閉弁48が全閉すると、主弁47から受水槽30への給水が停止される。
【0005】
この主弁47から受水槽30への給水が行われると、受水槽30の水面は波立って波動10が生じる。この波動10はさらに受水槽30の壁面に衝突して反射し、水面には複雑な波が生じる。その水面の波動10を受けたフロート46は複雑な上下動をする。
【0006】
一方、特許文献1には、ボールタップを具備する受水槽構造が開示されている。ここでは、受水槽の内壁に一対の防波板を対向状態に一体成形し、両防波板の先端間に浮玉を支持するロッドを昇降可能とし、防波板の防波効果を確保したまま、防波板と浮玉との干渉を防止する構造が記載されている。
【0007】
【特許文献1】実開平5−34375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
主弁から受水槽への給水により発生した波動の影響によりフロートは上下動をするが、副弁の開閉機構がフロートの上下動により磨耗や疲労破壊を発生する虞がある。また、この波動により水面が急激に上下動し、副弁の開閉機構が衝撃を受けてフロートによる止水が確実に行われないという問題がある。
【0009】
本願の目的は、かかる課題を解決し、受水槽内で主弁からの給水により生じる波動により、副弁の開閉機構に発生する摩擦や疲労破壊を防止し、確実に止水させるボールタップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係るボールタップは、受水槽に設けられた副弁と、副弁に取り付けられたアームと、アームの先端に取り付けられたフロートとから構成され、フロートの浮力によりアームを介して副弁を開閉させ、副弁の開閉により主弁を動作させ、受水槽に給水して水面制御するボールタップにおいて、開閉弁を有する副弁と、副弁に取り付けられて開閉弁を動作させるアームと、アームの先端に設けられた連結部と、連結部に接続する複数の接続棒と、各接続棒の先端に設けられる複数のフロートを備え、連結部は、主弁から受水槽に給水されることで生じた波動による複数のフロートのそれぞれの上下動を平均化する回転機構を備え、平均化された上下動をアームに伝達することを特徴とする。
【0011】
これにより、複数のフロートは、それぞれ異なる位置で水面の波動を受け、確率的に異なる高さ位置となる場合が多いことから、連結部は水面の波動による平均化された上下動をアームに伝達できる。
【0012】
また、ボールタップは、連結部が、アームの軸回りに回転自在なリングを有し、先端にそれぞれフロートが接続された2本の接続棒がリングに固定されることが好ましい。これにより、連結部は2個のフロートの上下動が平均化された上下動をアームに伝達できる。
【0013】
また、ボールタップは、連結部が、アームの軸回りに回転自在な2個の独立したリングを有し、各リングには、先端にフロートが接続された接続棒と、その接続棒に対してリングの反対側に延びる調整棒とが固定され、2本の調整棒の先端同士はバネ材により連結されることが好ましい。これにより、フロートの上下動が緩衝材であるバネ材の復元力により緩和されて連結部に伝達される。
【0014】
また、ボールタップは、連結部が、球状のボールジョイント部を有し、少なくとも3本の接続棒がボールジョイント部に接続されることが好ましい。そして、ボールジョイント部が、球体のノードと、ノードを部分的に包み込み、ノードに対して回転自在なシェルと、を備え、3本の接続棒はシェルの異なる位置に接続されることが好ましい。これにより、連結部は3個のフロートの上下動が平均化された上下動をアームに伝達できる。
【0015】
また、本発明に係るボールタップは、受水槽に設けられた副弁と、副弁に取り付けられたアームと、アームの先端に取り付けられたフロートとから構成され、フロートの浮力によりアームを介して副弁を開閉させ、副弁の開閉により主弁を動作させ、受水槽に給水して水面制御するボールタップにおいて、開閉弁を有する副弁と、副弁に取り付けられて開閉弁を動作させるアームと、アームの先端に設けられた連結部と、連結部に接続される網状のカゴと、網状のカゴの内部に設けられて浮遊するフロートと、を備え、主弁から受水槽に給水されることで生じた波動によるフロートの上下動は網状のカゴを介して連結部に伝達されることを特徴とする。
【0016】
これにより、水面の波動はフロートに達する前に網に衝突してそのエネルギが減退される。さらに、連結部には、網による緩衝効果によりフロートの上下動が緩和されて伝達される。
【0017】
また、ボールタップは、網状のカゴが、上部に板状部を有し、フロートと板状部とはバネ材で連結されることが好ましい。また、ボールタップは、網状のカゴが、上部板状部及び下部板状部を有し、フロートと各板状部とはバネ材で連結されていることが好ましい。これにより、フロートの上下動がバネ材の圧縮力及び引張力に対する復元力により緩和されて伝達される。
【0018】
また、本発明に係るボールタップは、受水槽に設けられた副弁と、副弁に取り付けられたアームと、アームの先端に取り付けられたフロートとから構成され、フロートの浮力によりアームを介して副弁を開閉させ、副弁の開閉により主弁を動作させ、受水槽に給水して水面制御するボールタップにおいて、開閉弁を有する副弁と、副弁に取り付けられて開閉弁を動作させるアームと、アームの先端に設けられた連結部と、連結部に接続される接続棒と、接続棒に接続するフロートと、主弁から受水槽に給水されることで生じた波動によるフロートの上下動を復元力により緩和させるバネ材と、を備えることを特徴とする。
【0019】
また、ボールタップは、バネ材が、接続棒に代替して連結部とフロートとを接続することが好ましい。これにより、フロートの上下動がバネ材の軸と直交する方向の復元力により緩和されて連結部に伝達される。
【0020】
さらに、ボールタップは、連結部が、アームに取り付いて略鉛直方向に貫通して明けられた孔部を有する平板部を備え、接続棒は、平板部の孔部に挿入されてその上部にナットが係合され、バネ材は、接続棒を巻きつけて平板部とフロートとの間に挿入されることが好ましい。これにより、フロートの上下動が圧縮力を受けたバネ材の復元力により緩和されて伝達される。
【0021】
さらに、ボールタップは、連結部が、並列する回転自在な2つのピン機構を備え、第1のピン機構には接続棒と、接続棒に対してピン機構と反対側に延びる第1の調整棒とが固定され、第2のピン機構には、アームに対してリングと反対側に伸びる第2の調整棒とが固定され、第1の調整棒と第2の調整棒との先端同士はバネ材により連結されることが好ましい。これにより、フロートの上下動が引張力を受けたバネ材の復元力により緩和されて伝達される。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明に係るボールタップによれば、受水槽内で主弁からの給水により生じる波動により、副弁の開閉機構に発生する摩擦や疲労破壊を防止し、確実に止水させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、図面を用いて本発明に係るボールタップの実施の形態につき、詳細に説明する。
【0024】
図1に、ボールタップの第1の実施形態の概略構成を示す。本ボールタップ1は、副弁2、アーム3、連結部4、接続棒5a,5b、及びフロート6a,6bから構成される。アーム3に取り付く連結部4は、アーム3が貫通する環状のリング14、及びその両側からリング14を挟み込み、アーム3に設けられたネジと係合するナット13a,13bから構成される。このリング14はアーム3の軸回りに自在に回転する。2本の接続棒5a,5bの一端はそれぞれリング14の異なる位置に固定される。2本の接続棒5a,5bの他端にはフロート6a,6bがそれぞれ接続される。本実施形態では、2本の接続棒5a,5b及びフロート6a,6bは、アーム3に対して軸対象に設置される。
【0025】
図2に、図1のA−A方向からみた側面を示す。接続棒5a及び接続棒5bは、連結部4を頂点とする二等辺三角形の2つの辺となるように構成される。ここで、頂点での2つの接続棒5a,5bがなす角度をθとする。図2における破線は、水面が平坦な場合のフロート6a,6bの位置を示す。図2における実線は、水面が波立ち、フロート6aは元の位置に留まるが、フロート6bは、距離δだけ上昇した場合を示す。2つの接続棒5a,5bがなす角度θは固定され、リング14はアーム3の軸回りに回転自在であることから、連結部4は、[接続棒5aの上下動(=0)+接続棒5bの上下動(=δ)]/2だけ上下動する。すなわち、図2の場合には、δ/2だけ上昇する。このように、ボールタップ1の第1実施形態では、受水槽30内での連結部4の上下動はフロート6a,6bの上下動が平均化された値となる。
【0026】
従って、フロート6a,6bが同じ高さの波動によりその上下動の値が揃わない限り、単一のフロート6の場合と比較してその上下動を軽減できる。2個のフロート6a,6bは、それぞれ異なる位置で波動を受けることから、確率的に同じ高さ位置となる場合は稀であり、水面の波動による上下動を平均化させて減少させ得る。また、アーム3からそれぞれのフロート6a,6bまでの距離(L)を水面の波動周期に合わせて同じ波動を受けないように調節することで、上記効果を発揮させることができる。
【0027】
図3に、ボールタップ1の第2の実施形態の概略構成を示す。また、図4(a)に図3をB−B方向からみた側面を示し、図4(b)に図3をC−C方向からみた側面を示す。本ボールタップ1は、副弁2、アーム3、連結部4、接続棒5a,5b、バネ11、及びフロート6a,6bから構成される。アーム3に取り付く連結部4は、アーム3が貫通する2つの環状のリング14a及び14b、及びその両側からリング14a及び14bを挟み込み、アーム3に設けられたネジと係合するナット13a,13bから構成される。リング14a及び14bはアーム3の軸回りに自在に回転する。接続棒5aの一端はリング14aに固定され、他端にはフロート6aが接続される。接続棒5bの一端はリング14bに固定される。他端にはフロート6bが接続される。また、接続棒5aに対してリング14aと反対側に延びる調整棒12aがリング14aに固定され、接続棒5bに対してリング14bと反対側に延びる調整棒12bがリング14bに固定される。そして、2本の調整棒12a,12bの先端同士はバネ11により連結される。本実施形態では、2本の接続棒5a,5b、調整棒12a,12b、フロート6a,6b、及びバネ11は、アーム3に対して軸対象に設置される。
【0028】
この第2実施形態では、上述した第1実施形態と同様な効果が生じるとともに、水面の波動によるフロート6a,6bの上下動が、緩衝材であるバネの復元力により緩和されて連結部4に伝達される。また、受水槽30内での水面の波動による衝撃力に対しては瞬時に緩和させる効果がある。
【0029】
図5に、ボールタップ1の第3の実施形態の概略構成を示す。また、図6に、連結部4のボールジョイント部を示す拡大図を示す。本ボールタップ1は、副弁2、アーム3、ボールジョイント部15を備える連結部4、3本の接続棒5a,5b,5c、及び3個のフロート6a,6b,6cから構成される。図6に示すように、ボールジョイント部15は、球体のノード17、ノード17を部分的に包み込むシェル16、及び球面ナット18から構成される。球面ナット18はアーム3の先端部に設けられたアーム先端ネジ19と係合しアーム3にノード17を固定する。アーム3の先端はノード17に設けられた孔部20に差し込まれる。但し、アーム3の先端をノード17に直接固定して球面ナット18を省略しても良い。3本の接続棒5a,5b,5cの一端はそれぞれシェル16の異なる位置に固定される。また、3本の接続棒5a,5b,5cの他端にはフロート6a,6b,6cがそれぞれ接続される。本実施形態では、3本の接続棒5a,5b,5c及びフロート6a,6b,6cは、アーム3に対して軸対象に設置される。
【0030】
シェル16は、ノード17に対して3次元的に自在に回転する。これにより、アーム3に伝達される上下動は、第1実施形態と同様な原理により3個のフロート6a,6b,6cの上下動が平均化されたものとなり、水面の複雑な波動に対して効果を発揮できる。
【0031】
図7に、ボールタップ1の第4の実施形態の概略構成を示す。本ボールタップ1は、副弁2、アーム3、連結部4、網状カゴ21、及びフロート6から構成される。本実施形態では副弁2は図7から省略する。網状カゴ21は連結部4に接続され、網状カゴ21の中にフロート6が浮遊する。この場合、受水槽30内での水面の波動は、フロート6に達する前に網状カゴ21の網に衝突してその波動エネルギが減退されてフロート6に衝突する。さらに、連結部4には、網状カゴ21の柔らかに変形可能な網による緩衝効果により、フロート6の上下動が緩和されて伝達される。
【0032】
図8に、ボールタップ1の第5の実施形態の概略構成を示す。本ボールタップ1は、副弁2、アーム3、連結部4、網状カゴ21、平板22、バネ11及びフロート6から構成される。本実施形態では副弁2は図8から省略する。網状カゴ21は平板22を介して連結部4に接続される。平板22は略水平の状態に保持される。網状カゴ21内のフロート6は、平板22とバネ11により連結される。この場合、受水槽30内での水面の波動はフロート6に達する前に網状カゴ21の網に衝突してその波動エネルギが減退される。さらに、連結部4には、緩衝材としてのバネ11の復元力により、フロート6の上下動が緩和されて伝達される。また、このバネ11により波動の衝撃力に対して瞬時に緩和できるという効果が生じる。
【0033】
図9に、ボールタップ1の第6の実施形態の概略構成を示す。本ボールタップ1は、副弁2、アーム3、連結部4、網状カゴ21、上部平板23、下部平板24、上部バネ25、下部バネ26及びフロート6から構成される。本実施形態では副弁2は図9から省略する。網状カゴ21は上部平板23又は下部平板24を介して連結部4に接続される。上部平板23及び下部平板24は略水平の状態に保持される。網状カゴ21内のフロート6は、上部平板23と上部バネ25により連結され、下部平板24と下部バネ26により連結される。例えば、受水槽30内での水面の波動によりフロート6が上昇する場合には、上部バネ25には圧縮による復元力が発生し、下部バネ26には引張による復元力が生じる。一方、水面の波動によりフロート6が下降する場合には、その逆の復元力が発生する。
【0034】
この実施形態では、水面の波動は、フロート6に達する前に網状カゴ21の網に衝突してその波動エネルギが減退する。さらに、連結部4には、緩衝材としてのバネ25,26の一対の復元力により、フロート6の上下動が緩和されて伝達される。また、この上部バネ25及び下部バネ26により水面の波動の衝撃力に対して瞬時に緩和できるという効果が生じる。
【0035】
図10に、ボールタップ1の第7の実施形態の概略構成を示す。本ボールタップ1は、副弁2、アーム3、連結部4、バネ11、及びフロート6から構成される。本実施形態では副弁2は図10から省略する。バネ11は、連結部4とフロート6との間に挿入される。これにより、受水槽30内でのフロート6の上下動がバネ11の軸と直交する方向の復元力により緩和されて連結部4に伝達される。すなわち、フロート6の上下動をバネ11が復元力により緩和させる。
【0036】
図11に、ボールタップ1の第8の実施形態の概略構成を示す。図11(a)は水面が平坦な場合の位置関係を示し、図11(b)は波立った場合の位置関係を示す。ボールタップ1は、副弁2、アーム3、連結部4、板状部27、バネ11、及びフロート6から構成される。本実施形態では副弁2は図11から省略する。連結部4は、アーム3に取り付き、略鉛直方向に貫通して明けられた孔部29を有する板状部27を備える。この板状部27は、アーム3に設けられたピン32によりアーム3と接続され、略水平方向に保持される。接続棒5は、孔部29に挿入され、その上部に止めナット28が設けられる。この止めナット28は、図11(a)のように水面が平坦な状態のときに板状部27と接触する位置で接続棒5に固定される。バネ11は、接続棒5を巻きつけて板状部27とフロート6との間に挿入される。図11(b)のように水面が波立った際には、フローと6の上昇に伴い接続棒5が孔部29を上昇してバネ11を圧縮する。このとき、止めナット28は板状部27から離間する。受水槽30内でこのバネ11が圧縮されることでフロート6に対して復元力が発生し、連結部4の上下動を緩和させる。
【0037】
図12に、ボールタップ1の第9の実施形態の概略構成を示す。本ボールタップ1は、副弁2、アーム3、連結部4、接続部5、バネ11、及びフロート6から構成される。本実施形態では副弁2は図12から省略する。連結部4は、接続棒5が取り付く回転自在なピン31を備え、接続棒5の中間部とアーム3の中間部とはバネ11により連結される。これにより、受水槽30内でのフロート6の上下動が圧縮力を受けたバネ11の復元力により緩和されて伝達される。
【0038】
図13に、ボールタップ1の第10の実施形態の概略構成を示す。本ボールタップ1は、副弁2、アーム3、連結部4、接続部5、バネ11、及びフロート6から構成される。本実施形態では副弁2は図13から省略する。連結部4は、回転自在な2つのピン31a,31bを備える。そして、第1ピン31aには接続棒5と、接続棒5に対してピン31aと反対側に延びる第1調整棒12aとが固定される。また、第2ピン31bには、ピン31bを介してアーム3と反対側に伸びる第2調整棒12bとが固定される。そして、この第1調整棒12aと第2調整棒12bとの先端同士はバネ11により連結される。つまり、第1調整棒12aと第2調整棒12bとは、それぞれ独立なピン31a,31bにより独立して回転する。これにより、受水槽30内でのフロート6の上下動が引張力を受けたバネ11の復元力により緩和されて伝達される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係るボールタップの第1実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態を図1のA−A方向から見て連結部の上下動を説明した側面図である。
【図3】本発明に係るボールタップの第2実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図4】第2実施形態を図3のB−B及びC−C方向からみた側面図である。
【図5】本発明に係るボールタップの第3実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図6】第3実施形態のボールジョイント部を示す拡大した断面図である。
【図7】本発明に係るボールタップの第4実施形態の概略構成を示す側面図である。
【図8】本発明に係るボールタップの第5実施形態の概略構成を示す側面図である。
【図9】本発明に係るボールタップの第6実施形態の概略構成を示す側面図である。
【図10】本発明に係るボールタップの第7実施形態の概略構成を示す側面図である。
【図11】本発明に係るボールタップの第8実施形態の概略構成を示す断面図である。
【図12】本発明に係るボールタップの第9実施形態の概略構成を示す側面図である。
【図13】本発明に係るボールタップの第10実施形態の概略構成を示す側面図である。
【図14】従来のボールタップの1つの実施例を示す側面図である。
【図15】従来のボールタップの副弁における開閉機構を示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1,41 ボールタップ、2,42 副弁、3,43 アーム、4 連結部、5 接続棒、6,46 フロート、10 波動、11 バネ、12 調整棒、13 ナット、14 リング、15 ボールジョイント部、16 シェル、17 ノード、18 球面ナット、19 アーム先端ネジ、20,29 孔部、21 網状カゴ、22 平板、23 上部平板、24 下部平板、25 上部バネ、26 下部バネ、27 板状部、28 止めナット、30 受水槽、31,32 ピン、47 主弁(定水位弁)、48 開閉弁、49 水道引込み管(水道本管)、50 レバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受水槽に設けられた副弁と、副弁に取り付けられたアームと、アームの先端に取り付けられたフロートとから構成され、フロートの浮力によりアームを介して副弁を開閉させ、副弁の開閉により主弁を動作させ、受水槽に給水して水面制御するボールタップにおいて、
開閉弁を有する副弁と、
副弁に取り付けられて開閉弁を動作させるアームと、
アームの先端に設けられた連結部と、
連結部に接続する複数の接続棒と、
各接続棒の先端に設けられる複数のフロートを備え、
連結部は、主弁から受水槽に給水されることで生じた波動による複数のフロートのそれぞれの上下動を平均化する回転機構を備え、平均化された上下動をアームに伝達することを特徴とするボールタップ。
【請求項2】
請求項1に記載のボールタップであって、連結部は、アームの軸回りに回転自在なリングを有し、先端にそれぞれフロートが接続された2本の接続棒がリングに固定されることを特徴とするボールタップ。
【請求項3】
請求項1に記載のボールタップであって、連結部は、アームの軸回りに回転自在な2個の独立したリングを有し、各リングには、先端にフロートが接続された接続棒と、その接続棒に対してリングの反対側に延びる調整棒とが固定され、2本の調整棒の先端同士はバネ材により連結されることを特徴とするボールタップ。
【請求項4】
請求項1に記載のボールタップであって、連結部は、球状のボールジョイント部を有し、少なくとも3本の接続棒がボールジョイント部に接続されることを特徴とするボールタップ。
【請求項5】
請求項4に記載のボールタップであって、ボールジョイント部は、球体のノードと、ノードを部分的に包み込み、ノードに対して回転自在なシェルと、を備え、3本の接続棒はシェルの異なる位置に接続されることを特徴とするボールタップ。
【請求項6】
受水槽に設けられた副弁と、副弁に取り付けられたアームと、アームの先端に取り付けられたフロートとから構成され、フロートの浮力によりアームを介して副弁を開閉させ、副弁の開閉により主弁を動作させ、受水槽に給水して水面制御するボールタップにおいて、
開閉弁を有する副弁と、
副弁に取り付けられて開閉弁を動作させるアームと、
アームの先端に設けられた連結部と、
連結部に接続される網状のカゴと、
網状のカゴの内部に設けられて浮遊するフロートと、を備え、
主弁から受水槽に給水されることで生じた波動によるフロートの上下動は網状のカゴ
を介して連結部に伝達されることを特徴とするボールタップ。
【請求項7】
請求項6に記載のボールタップであって、網状のカゴは、上部に板状部を有し、フロートと板状部とはバネ材で連結されることを特徴とするボールタップ。
【請求項8】
請求項6に記載のボールタップであって、網状のカゴは、上部板状部及び下部板状部を有し、フロートと各板状部とはバネ材で連結されていることを特徴とするボールタップ。
【請求項9】
受水槽に設けられた副弁と、副弁に取り付けられたアームと、アームの先端に取り付けられたフロートとから構成され、フロートの浮力によりアームを介して副弁を開閉させ、副弁の開閉により主弁を動作させ、受水槽に給水して水面制御するボールタップにおいて、
開閉弁を有する副弁と、
副弁に取り付けられて開閉弁を動作させるアームと、
アームの先端に設けられた連結部と、
連結部に接続される接続棒と、
接続棒に接続するフロートと、
主弁から受水槽に給水されることで生じた波動によるフロートの上下動を復元力により緩和させるバネ材と、
を備えることを特徴とするボールタップ。
【請求項10】
請求項9に記載のボールタップであって、バネ材は、接続棒に代替して連結部とフロートとを接続することを特徴とするボールタップ。
【請求項11】
請求項9に記載のボールタップであって、連結部は、アームに取り付いて略鉛直方向に貫通して明けられた孔部を有する平板部を備え、接続棒は、平板部の孔部に挿入されてその上部にナットが係合され、バネ材は、接続棒を巻きつけて平板部とフロートとの間に挿入されることを特徴とするボールタップ。
【請求項12】
請求項9に記載のボールタップであって、連結部は、接続棒が取り付く回転自在なピン機構を備え、接続棒の中間部とアームの中間部とはバネ材により連結されることを特徴とするボールタップ。
【請求項13】
請求項9に記載のボールタップであって、連結部は、並列する回転自在な2つのピン機構を備え、第1のピン機構には接続棒と、接続棒に対してピン機構と反対側に延びる第1の調整棒とが固定され、第2のピン機構には、アームに対してリングと反対側に伸びる第2の調整棒とが固定され、第1の調整棒と第2の調整棒との先端同士はバネ材により連結されることを特徴とするボールタップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−281456(P2009−281456A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−132677(P2008−132677)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】