説明

ポイント・ベースの適応的弾性画像登録

第1の画像及び第2の画像を登録するポイント・ベースの弾性登録方法。いくつかの顕著な特徴が、第1の画像内でSIFTアルゴルリズムを用いて識別される(S1)。次いで、単一のコントロール・ポイントが、最も顕著なSIFT特徴におけるソース画像領域に配置され(S2)、それに対する最適なパラメータ設定が、第1の画像に対する弾性変形(S4)を行って類似度尺度を最適化するために判定される(S3)。更なるコントロール・ポイントが次いで、2番目に顕著なSIFT特徴において1つずつ加えられ(S6)、所定の停止基準が満たされるまで(例えば、類似度尺度において発生する改善がある所定の閾値をもう超えない状態になるまで)弾性変形処理が、新たなコントロール・ポイントの組に対して毎回繰り返される。よって、高速で高品質登録方法を、当初のコントロール・ポイントの数を規定する必要なく、提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタル撮像の分野に関する。特に、本発明は、第1の画像を第2の画像に登録する方法、並びに、第1の画像を第2の画像に登録する画像処理装置及びソフトウェア・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像登録(例えば、医療撮像アプリケーションにおける)の目標は、画像内の(例えば、患者の運動、スキャナの種々のモダリティ、解剖学的構造における変化等による)差を補償することである。剛体変換やアフィン変換などの大局登録手法は多くの場合、局所差に対処することが可能でない。これに対する解決策は、弾性登録として知られている。医療画像のロバストな弾性登録は、難しい課題であり、これは現在、集中的な研究の対象となっている。
【0003】
ポイント・ベースの弾性登録は、第1の画像に対してコントロール・ポイントの組を規定する工程と、前述のコントロール・ポイントにおいて第1の画像の弾性変形を行って、第1の画像を、第2の画像との最適な空間対応関係にある状態にする工程とを含み、アラインメントは、類似度尺度によって数量化される。パラメトリック幾何変換の場合、最適なアラインメントには、最適なパラメータ設定を計算することによって達する。これは、弾性登録の場合、一般に、コントロール・ポイントの最適な数及び位置、並びに前述のコントロール・ポイントにおける変位パラメータ(第1の画像の弾性変形の度合いを規定している)を表す。
【0004】
弾性画像登録に最も広く使用されている変換クラスは、Bスプラインであり、これは、正則コントロール・ポイント・グリッド上に規定される。一般に、第1の画像の高弾性変形が必要な場合、高密度のコントロール・ポイントを規定することが必要である。正則コントロール・ポイント・グリッドの場合、その小さな領域に対してしか前述の高弾性変形が必要でなくても、第1の画像全体に対してこの高密度を設けることが必要になる。少なくとも、各コントロール・ポイントに対する変位パラメータを判定する必要があり、この場合、膨大な数のパラメータを最適化することが必要になる。これは、長い計算時間を必要とする。
【0005】
前述の欠点は、非正則コントロール・ポイント・グリッドに基づいた変換を使用することにより、克服することができる。固定数のコントロール・ポイントの第1の画像上の位置は、(最適化する対象の)自由パラメータとみなされ、これは、最適化処理中に、コントロール・ポイント変位パラメータとともに変更することが可能である。これは、必要に応じてコントロール・ポイントを移動させることを可能にし、他の画像領域ではコントロール・ポイント密度がずっと低いことがあり得る一方で高密度のコントロール・ポイントを、高弾性変形が必要な第1の画像の領域に対して設けることを可能にする。例えば、国際公開第2005/057495号パンフレットには、力場をいくつかのコントロール・ポイントにおいて第1の画像に印加し、前述の力が印加されるコントロール・ポイントの最適な位置を自動的に求めて、第1の画像と第2の画像との間の差を最小にする弾性変形の手法が開示されている。
【0006】
しかし、コントロール・ポイントの数は、画像登録処理の開始時には固定されており、処理にわたって固定された状態に留まる。コントロール・ポイントの最適な数及び当初の相対位置は登録処理前に知ることが可能でないので、許容可能な画像登録結果を達成するためには、さもなければ必要でないより多い数のコントロール・ポイントが必要になる。これは、最適化処理を行うために必要な計算能力及び時間も不必要に大きいことを意味している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、画像登録の方法であって、使用されるコントロール・ポイントの数を最適化して、登録結果の品質が低下することなく、画像登録を行うために必要な計算能力及び時間を最小にすることが可能である方法を提供することである。本発明の目的には、対応する画像処理装置及びソフトウェア・プログラムを提供することもある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、第1の画像及び第2の画像を登録する方法を提供する。上記方法は、
第1の画像内の1つ又は複数の顕著な特徴を識別する工程と、
第1の画像内の顕著な特徴において少なくとも1つのコントロール・ポイントを配置し、少なくとも1つのコントロール・ポイントに対して位置及び変位パラメータを規定する第1のパラメータ設定を判定して、第1の画像を弾性変形し、それにより、第1の画像と第2の画像との間の類似度を改善し、
第1の画像内に少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントを配置し、位置及び変位パラメータを規定する少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントに対する第2のパラメータ設定を判定して、第1の画像を弾性変形し、それにより、第1の画像と第2の画像との間の類似度を更に改善する工程を所定の基準が満たされるまで繰り返す工程とを含む。
【0009】
よって、本発明の目的は、その顕著な特徴に対応して第1の画像内に配置される1つ又は複数のコントロール・ポイント(好ましくは単一のコントロール・ポイント)から始め、所定の基準が満たされるまで、各弾性変形処理後に新たなコントロール・ポイントを反復的に加えることにより、達成される。このようにして、コントロール・ポイントの数は事前に規定しなくてよく、変形場の複雑度に自動的に適合させることが可能である。好ましい実施例では、新たなコントロール・ポイントは、第1の画像と第2の画像との間の類似度が少なくとも所定のレベルに達するまで、好ましくは、第1の画像内の識別された顕著な特徴それぞれにおいて、各弾性変形処理後に反復的に加えられる。
【0010】
好ましくは、SIFT(スケール不変特徴変換)アルゴリズムを使用して、第1の画像内の顕著な構造を(好ましくは、一層広いガウス・カーネルで画像をぼかした場合に画像構造が耐え抜く長さを測定することによって)識別する。ぼかす手順を構造が耐え抜くのがより長いほど、画像においてこの構造はより目立ってみえる。SIFTアルゴリズムは、画像から情報を抽出するために使用することが可能な既知の強力なアルゴリズムである。画像があれば、これは、画像上の関心点(「特徴」)を識別し、前述の点毎の署名を供給することが可能である。SIFTは、サブ画素局所化及び複数スケール・キーポイント識別を使用するので、こうして識別されたキーポイントの位置は非常に正確であり、反復可能性が高い。
【0011】
好ましくは、1つ又は複数の更なるコントロール・ポイントが加えられる都度、第1の画像内のコントロール・ポイント全てに対する最適なパラメータ設定が判定される。よって、一般に、N個のコントロール・ポイントの組が最適化され、結果として生じる構成は、N+M個のコントロール・ポイントの組の次の最適化の開始点としての役目を担い、ここで、N及びNは整数である。本発明の例示的な一実施例では、M=1であり、単一の更なるコントロール・ポイントは好ましくは、次の最適化処理に先行して第1の画像内で識別された次の最も顕著な特徴において配置される。したがって、例示的な好ましい実施例では、第1の画像内で識別された最も顕著な特徴に1つ(N=1)のみが配置されるというコントロール・ポイントの初期構成から始めて、コントロール・ポイントは、第1の画像と第2の画像との間の類似度の(かなりの)更なる改善を達成することがもう可能でない状態になるまで1つずつ加えられる。
【0012】
効果的には、各コントロール・ポイントのパラメータ設定を最適化して、類似度尺度を最適化する(類似度尺度は、例えば、第1の画像と第2の画像との間の二乗差であり得るが、他の多くのタイプの類似度尺度(相互情報や交差相関を含む)を使用することができる。本発明は必ずしも、この点で限定されることが意図されているものでない。好ましい実施例では、類似度尺度を各弾性変形処理後に取得し、第1の画像と第2の画像との間の類似度が改善する量(すなわち、最も直近の反復によって生じた、類似度尺度における改善)を求め、所定の基準と比較することができ、所定の基準を満たさない場合にのみ、更なる1つ又は複数のコントロール・ポイントが加えられる。
【0013】
更に、本発明によれば、第1の画像及び第2の画像の登録を行う画像処理装置を提供し、この装置は、第2の画像を記憶するメモリと、第1の画像に対する画像データを受け取る手段と、
第1の画像内の1つ又は複数の顕著な特徴を識別し、
第1の画像内の顕著な特徴において少なくとも1つのコントロール・ポイントを当初、配置し、少なくとも1つのコントロール・ポイントに対して位置及び変位パラメータを規定する第1のパラメータ設定を判定して、第1の画像を弾性変形し、それにより、第1の画像と第2の画像との間の類似度を改善し、
第1の画像内に少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントを配置し、位置及び変位パラメータを規定する少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントに対する第2のパラメータ設定を判定して、第1の画像を弾性変形し、それにより、第1の画像と第2の画像との間の類似度を更に改善する機能を所定の基準が満たされるまで繰り返すよう構成された処理手段とを備える。
【0014】
更に本発明によれば、第1の画像及び第2の画像を登録するソフトウェア・プログラムを提供し、ソフトウェア・プログラムはプロセッサに、
第1の画像内の1つ又は複数の顕著な特徴を識別させ、
第1の画像内の顕著な特徴において少なくとも1つのコントロール・ポイントを当初、配置させ、少なくとも1つのコントロール・ポイントに対して位置及び変位パラメータを規定する第1のパラメータ設定を判定して、第1の画像を弾性変形し、それにより、第1の画像と第2の画像との間の類似度を改善させ、
第1の画像内に少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントを配置させ、位置及び変位パラメータを規定する少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントに対する第2のパラメータ設定を判定させて、第1の画像を弾性変形させ、それにより、第1の画像と第2の画像との間の類似度を更に改善させる機能を所定の基準が満たされるまで繰り返させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の前述及び他の局面は、以下に説明する実施例から明らかであり、そうした実施例を参照しながら明らかになるであろう。
【0016】
次に、本発明の実施例を例として挙げるに過ぎないが添付図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明による方法の例示的な実施例を実行するための、本発明による画像処理装置の例示的な実施例を表す。図1に描いた画像処理装置は、少なくとも、第1の画像及び第2の画像、コントロール・ポイントのパラメータ設定、並びに第1の類似度尺度及び第2の類似度尺度を記憶するメモリ2に接続された中央処理装置(CPU)又は画像プロセッサ1を備える。画像プロセッサ1は、複数の入出力ネットワーク又は診断装置(MR装置若しくはCT装置、又は超音波スキャナなど)に接続することができる。画像プロセッサ1は、画像プロセッサ1内で計算又は構成される情報若しくは画像を表示する表示装置4(例えば、コンピュータ・モニタ)に更に接続される。操作者は、キーボード5及び/又は他の出力装置(図1に図示せず)を介して画像プロセッサ1と相互作用することができる。
【0018】
本願の方法は以下に医療アプリケーションに関して説明するが、本発明は、登録することが必要な何れの多次元データ・セット又は画像にも適用することが可能である。例えば、本発明は、実際の製品の画像が基準製品の画像と比較される、製品の品質検査に適用することができる。更に、本願の方法は、材料検査に(例えば、特定の期間にわたって関心物体への変更を監視するために)適用することができる。
【0019】
図2は、本発明による、第1の画像及び第2の画像を登録する方法の例示的な実施例のフローチャートを示す。工程S1では、SIFTアルゴリズムを使用して、一層広いガウス・カーネルで画像をぼかした場合に画像構造が耐え抜く長さを測定することにより、第1の画像を規定するスケール空間内の極値を識別する。ぼかす手順を構造が耐え抜くのがより長いほど、画像においてこの構造はより目立ってみえる。SIFTアルゴリズムは公知であり、例えば、M. Brown及びD. G. Loweによる、「Recognising Panoramas, Proceedings of the 9th International Conference on Computer Vision, pp 1218−1225, 2005」に開示されている。工程S2では、単一のコントロール・ポイントが、最も顕著なSIFT特徴における第1の画像領域内に配置される。次に、単一のコントロール・ポイントの最適なパラメータ設定が工程S3で計算される。前述のパラメータ設定は、少なくとも、コントロール・ポイントの第1の画像領域内の最適な位置、及び、そうして配置されたコントロール・ポイントにおいて施す対象の弾性変形の度合いを規定する変位パラメータを含む。前述のパラメータ設定は、単一のコントロール・ポイントを使用して第1の画像及び第2の画像の最善のアラインメントを達成するために最適化される。工程S4で、単一のコントロール・ポイントにおいて第1の画像に、必要な弾性変形が施されると、単一のコントロール点を使用して達成される、第1の画像と第2の画像との間のアラインメントの度合いを表す類似度尺度が工程S5で算出される。適切な類似度尺度は第1の画像と第2の画像との間の二乗差であり、本発明のこの例示的な実施例の方法の目的は、画像登録を行うのに必要な計算能力及び時間を最小にする一方で、2つの画像間の最善のアラインメントを達成するように類似度尺度を最適化することである。
【0020】
次に、工程S6では、更なるコントロール・ポイントは、第1の画像領域内で2番目に顕著なSIFT特徴において配置され、第1の画像領域内のコントロール・ポイントの最適なパラメータ設定が工程S7で、第1の画像及び第2の画像の最善のアラインメントを達成するために計算される。
【0021】
適切に配置されたコントロール・ポイントによる第1の画像の弾性変形が工程S8で行われると、新たな類似度尺度が工程S9で算出される。新たな類似度尺度が工程S10で、ある所定の停止基準(例えば、差が閾値と比較される)による、以前に計算された類似度尺度と比較される。工程S11では、所定の停止基準が満たされない(例えば、現在の類似度尺度と、先行する類似度尺度との間の差が、少なくとも閾値に等しく、第1の画像と第2の画像との間の類似度が少なくとも所定の量、改善されていることを示している)場合、方法は工程S6に戻る。工程S6では、更なるコントロール・ポイントが、2番目に顕著なSIFT特徴において加えられ、前述の処理が繰り返される。停止基準が満たされる(例えば、現在の類似度尺度と、先行する類似度尺度との間の差が前述の閾値を下回る)場合、方法は工程S12で終了し、画像登録処理は完了する。
【0022】
一般に、2つの画像I、Iの登録は、所定の類似度尺度simにより、t(I)とIとの差が最小であるような変換tを求めることを含む。画像登録では、これは通常、理想的な変換tを表すパラメータ・ベクトルcが、目的関数f(c)=corr t(I),Iを最大にするような最適化問題として構成される。したがって、本発明の例示的な実施例では、最適化問題は、第1の画像内のコントロール・ポイントの特定の組の最適な位置、及びその最適な変位パラメータを各反復に対して求めるサーチとして定式化することが可能である。当業者に明らかになるように、別々の多くのタイプの変換を使用することができ、例として、例えばD.Rueckertらによる「Comparison and evaluation of rigid, affine and non−rigid registration of breast MR images. Journal of Computer Assisted Tomography 23(5), pp. 800− 805, 1999」及びV. Pekar、 E. Gladilin、 K. Rohrによる「An adaptive irregular grid approach for 3−D deformable image registration. Physics in Medicine and Biology 2005(印刷中)」でみることが可能である。
【0023】
定式化された最適な問題は、例えば、J.A. Nelder and R. Meadによる「A simplex method for function minimisation, Computer Journal,(7) 308−313, 1965」に開示された滑降シンプレックス法などの標準的な数値最適化手法を使用して解くことができる。
【0024】
よって、第1の画像領域内の顕著なSIFT特徴に配置された単一のコントロール点から始めて、局所収束最適化ストラテジを使用して、コントロール・ポイントの組の最適な構成を求める。(先行する工程で最適化されたものを含む)コントロール・ポイント全ての位置及び変位パラメータは自由パラメータとみなす。最初のいくつかの反復では、コントロール・ポイントのうちの1つ又はいくつかのみに対する最適化工程を、最適化する対象のパラメータの数が少ないことが理由で非常にすばやく行うことが可能である。画像登録に、固定数のコントロール・ポイントに基づいた局所最適化ストラテジを用いる従来技術の手法と比較すれば、本願で提案する方法は、ずっと少ないコントロール・ポイント数で、同等以上の結果をもたらす。よって、本願で提案する方法は、画像登録処理をかなり速め、アプリケーション特有の品質要件を満たすことが可能である。これは、アプリケーション特有の関心領域(クリニカル・フォーカス)のみにわたって最適な登録精度を実現しなければならない、手術中登録などの時間制約型アプリケーションにおいて特に重要である。更に、コントロール・ポイントの数における反復的な増加により、登録アルゴリズムのロバスト性が向上する。多数のコントロール・ポイントを使用してのみ達成することが可能な高い精度を必要とするアプリケーションの場合、終了基準を適切なやり方で規定することが可能である。
【0025】
要約すれば、最も顕著なSIFT特徴において配置された単一のコントロール・ポイントから始めることを提案している。このコントロール・ポイントから始めて、基準画像と、ワープした浮動画像との間の最適な類似度に達するまで位置及び変位が最適化される。次いで、この最適なコントロール・ポイント構成が、次の最適化ランの開始構成として使用され、更なるコントロール・ポイントが、次の顕著なSIFT特徴において配置される。全コントロール・ポイントは併せて、局所収束最適化ストラテジを使用して更に最適化される。類似度尺度のかなりの改善に達することが可能である限り、次に顕著なSIFT特徴における更なるコントロール・ポイントの反復的な配置が続けられる。
【0026】
コントロール・ポイントの完全にランダムな初期配置に対して、本願で提案する方法は、位置及び変位を調節しても類似度尺度がほとんど変わらず、よって、画像類似度を効率的に改善しない、顕著なグレイ値構造がない領域にコントロール・ポイントを配置することを避ける。更に、登録アルゴリズムがより決定的になり、再生可能になる(診療において受け入れられるために重要な局面に関して)。
【0027】
本発明は、CT画像、磁気共鳴画像(MRI)、陽電子放射断層撮影法画像(PET)、単光子放射断層撮影法画像(SPECT)又は超音波(US)のモダリティに施すことができる。更に、他のデータ・セットを使用することができる。
【0028】
上記実施例は本発明を限定するよりも例証するものであり、特許請求の範囲記載の本発明の範囲から逸脱しない限り、別の多くの実施例を当業者が企図することができるであろう。特許請求の範囲では、括弧内にある参照符号は何れも、本特許請求の範囲を限定するものとして解釈されないものとする。「comprising」及び「comprises」等の語は、何れかの請求項、又は明細書全体に記載されたもの以外の構成要素又は構成工程の存在を排除するものでない。構成要素の単数形の参照は、前述の構成要素の複数形の参照を排除するものでない。逆も同様である。本発明は、別個のいくつかの構成要素を備えるハードウェアによって、かつ、適切にプログラムされるコンピュータによって実現することができる。いくつかの手段を列挙した装置クレームでは、これらの手段のいくつかを、同一のハードウェア・アイテムによって実施することが可能である。単に特定の方策が互いに別々の従属請求項に記載されていることは、こうした方策の組み合わせを利用することが可能でないことを示すものでない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の例示的な実施例による方法を実行するよう適合された、本発明の例示的な実施例による画像処理装置を略示した図である。
【図2】本発明による方法の例示的な実施例の単純化されたフローチャートを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像及び第2の画像を登録する方法であって、
前記第1の画像内の1つ又は複数の顕著な特徴を識別する工程と、
前記第1の画像内の顕著な特徴において少なくとも1つのコントロール・ポイントを配置する工程と、前記少なくとも1つのコントロール・ポイントに対して位置及び変位パラメータを規定する第1のパラメータ設定を判定して、前記第1の画像を弾性変形し、それにより、前記第1の画像と前記第2の画像との間の類似度を改善し、
前記第1の画像内に少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントを配置し、前記少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントに対する第2のパラメータ設定を判定し、位置及び変位パラメータを規定して、前記第1の画像を弾性変形し、それにより、前記第1の画像と前記第2の画像との間の前記類似度を更に改善する工程を所定の基準が満たされるまで繰り返す工程とを含む方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントが前記第1の画像内の別の顕著な特徴において配置される方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、SIFTアルゴリズムは、前記第1の画像内の顕著な特徴を識別するよう使用される方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、前記所定の基準は、前記第1の画像と前記第2の画像との間の類似度が少なくとも所定のレベルに達していることを含む方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、前記方法の開始時に、単一のコントロール・ポイントが前記第1の画像にランダムに配置され、前記単一のコントロール・ポイントに対するパラメータ設定が判定される方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、1つ又は複数の更なるコントロール・ポイントが加えられる都度、前記第1の画像内のコントロール・ポイント全てに対する最適なパラメータ設定が判定される方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、コントロール・ポイントが前記第1画像に1つずつ加えられ、それぞれのコントロール・ポイントの組に対する弾性変形が、前記所定の基準が満たされるまで判定される方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、各コントロール・ポイントのパラメータ設定は、類似度尺度を最適化するよう最適化される方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法であって、各弾性変形処理後に類似度尺度が得られ、前記第1の画像と前記第2の画像との間の類似度が改善した量が求められ、停止基準と比較され、前記停止基準が満たされない場合にのみ、更なる1つ又は複数のコントロール・ポイントが加えられる方法。
【請求項10】
第1の画像及び第2の画像の登録を行う画像処理装置であって、前記第2の画像を記憶するメモリと、前記第1の画像に対する画像データを受け取る手段と、
前記第1の画像内の1つ又は複数の顕著な特徴を識別し、
前記第1の画像内に少なくとも1つのコントロール・ポイントを配置し、前記少なくとも1つのコントロール・ポイントに対して位置及び変位パラメータを規定する第1のパラメータ設定を判定して、前記第1の画像を弾性変形し、それにより、前記第1の画像と前記第2の画像との間の類似度を改善し、
前記第1の画像内に少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントを配置し、前記少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントに対する第2のパラメータ設定を判定し、位置及び変位パラメータを規定して、前記第1の画像を弾性変形し、それにより、前記第1の画像と前記第2の画像との間の前記類似度を更に改善する機能を所定の基準が満たされるまで繰り返すよう構成された処理手段とを備える画像処理装置。
【請求項11】
第1の画像及び第2の画像を登録するソフトウェア・プログラムであって、前記ソフトウェア・プログラムはプロセッサに、
前記第1の画像内の1つ又は複数の顕著な特徴を識別させ、
前記第1の画像内の顕著な特徴において少なくとも1つのコントロール・ポイントを配置させ、前記少なくとも1つのコントロール・ポイントに対して位置及び変位パラメータを規定する第1のパラメータを判定させて、前記第1の画像を弾性変形させ、それにより、前記第1の画像と前記第2の画像との間の類似度を改善させ、
前記第1の画像内に少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントを配置させ、前記少なくとも1つの更なるコントロール・ポイントに対して第2のパラメータ設定を判定させて、位置及び変位パラメータを規定して、前記第1の画像を弾性変形させ、それにより、前記第1の画像と前記第2の画像との間の類似度を更に改善させる機能を所定の基準が満たされるまで行わせるソフトウェア・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−520558(P2009−520558A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546818(P2008−546818)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054991
【国際公開番号】WO2007/072451
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】