説明

ポケット付ビニールサイコロ

【課題】従来のサイコロは文字や数字、絵がサイコロに直接印刷されており、用途が印刷してある内容に限られ、使いまわしができなかった。カード交換用のポケットがついていても、ウレタンフォーム製のサイコロを、学校を巡回しながら教えるALT等の外部から来校する講師が、自宅から教室に持ち運び通勤するには重くて大きくかさばり、非常に不便であると同時に教室や自宅での収納場所の確保も困難である。宴会やパーティ会場へ持参するのも困難である。また上記のサイコロでは中のカードが飛び出て人を傷つける危険性も高い。
【解決手段】空気栓(3)を有するビニール製サイコロ本体(1)の少なくとも1つ以上の面に、文字や数字、絵カード(4)の出し入れ交換ができる透明なポケット(2)を設け、そのビニール製サイコロの本体(1)には起毛加工を施したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、文字や数字、絵カードの出し入れ交換ができる透明なポケットと空気栓付きのビニールサイコロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサイコロは、文字や数字、絵がサイコロに直接印刷してあった。また、ウレタンフォームの立体各面を布で覆い、カード交換用の透明なポケットを施したものがある。(例えば特許文献1参照)
【特許文献1】特開2000−140409
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら以上の技術によれば、以下のような欠点があった。
イ)サイコロに印刷してある内容に用途が限られ、使い回しがきかなかった。
ロ)カード交換用のポケットがついていても、ウレタンフォーム製のサイコロを、学校を 巡回しながら教えるALT等の外部から来校する講師が、自宅から教室に持ち運び通 勤するには重くて大きくかさばり、非常に不便である。
ハ)教室や自宅での収納場所の確保も困難である。
ニ)宴会やパーティ会場で娯楽用品として使用する場合も、持ち運び、収納が非常に不便 である。
ホ)中に入れたカードが外に飛び出し、人を傷つける可能性が高い。
そこでこの発明は、様々な用途に順応に対応でき、尚且つ、しぼませて膨らますことができる、軽くて携帯と収納に便利で、中のカードが飛び出しにくい安全なビニールサイコロを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一発明は、空気栓(3)を有するビニール製サイコロ本体(1)の少なくとも1つ以上の面に、文字や数字、絵カード(4)の出し入れ交換ができる透明なポケット(2)を設けたことを特徴とするビニールサイコロである。
第二発明は、ビニール製サイコロ本体(1)に起毛加工を施したことを特徴とする前記のビニールサイコロである。
【発明の効果】
【0005】
ビニール製サイコロ本体(1)の面に、透明なポケット(2)を設けたので、用途に応じてカード(4)の出し入れ交換ができる。また空気栓(3)を設けたので必要に応じてしぼませて膨らますことができ、非常に軽く、携帯と収納がとても便利になる。サイコロを膨らますと、サイコロ各側面に若干湾曲が生じ、ポケット内に入れたカードがポケットとサイコロ本体の二枚のビニール湾曲内にうまくフィットし、カードが飛び出しにくい仕組みになっている。またビニール製サイコロ本体(1)に起毛加工を施すことで、カードの出し入れが効率的に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明の一実施形態を、図1に示す。
(イ)カード(4)はPPC用紙に文字や数字、絵を印刷したものをフィルム厚100ミ クロンのラミネートフィルムでラミネート加工し、四隅を丸く切り落とす。出来上 がりのカードの大きさは、サイコロ本体より上下左右共幅0.5〜1cm小さいも のにする。
(ロ)ビニール製サイコロ本体(1)は、厚さ0.2mmで表面を起毛加工したPVCを 使った面(1A)と、それを取り囲む枠(1B)で構成する。枠は0.2mmのノ ンフタル酸PVCを使用する。枠(1B)は、起毛加工したPVCの面(1A)よ り幅1cm大きい縁になるように裁断し、(1A)の裏面に接合させる。
(ハ)透明なポケット(2)は厚さ0.2mmのノンフタル酸PVCを使用する。ポケッ トの高さはサイコロ本体より1cm程低くする。この透明なポケット(2)と枠( 1B)を接合させる。尚、空気栓(3)にポケットの生地が重ならないように、空 気栓の周囲のみ透明なポケットの端は扇形に切り取る。
(ニ)空気栓(3)はノンフタル酸PVCを使用し、弁と栓の二重構造にする。空気栓は カード(4)の邪魔にならないようにポケット下左隅にあたるサイコロ本体一箇所 に設ける。
【0007】
以下に(イ)〜(ニ)の効果について説明する。
(イ)の効果
カード(4)の角が丸く加工してあるのでサイコロをカードの角で傷つけたり、穴を 開けてしまうことが防げる。また、ラミネート加工したカードの表面はポリエチレン製 なのでビニールに引っ付きやすい。サイコロを膨らました時、透明なポケット(2)に ぴったりとフィットし、サイコロを転がした時もカードが飛び出すのを防ぐことができ る。カードはラミネート加工してあるので耐久性があり、サイコロのポケットに入れな い時はカルタ等、他の用途で繰り返し使用できる。
【0008】
(ロ)の効果
サイコロ本体とポケット両方が普通のビニール製だと、ラミネート加工したカードを 出し入れする際、全ての表面が似たような素材なのでお互い引っ付きあい、出し入れし にくい。しかし、起毛加工したPVCをサイコロ本体の表面に使用することでカードが スムーズに出し入れできるようになる。起毛加工したPVCは通常のPVCとは接合で きないが、枠(1B)を起毛加工したPVCを使った面(1A)から1cmはみ出るよ うに裏面に接合することで透明なポケット(2)との接合が可能になる。万が一破れた 時に備え、修繕用に同じ起毛加工したPVCと枠の生地10cm四方のものを添付する 。
【0009】
(ハ)の効果
透明なポケット(2)のカードの出し入れ口がサイコロ本体より少し下の位置に取り付けられているので、カードの出し入れ時、ポケットの口を持ち上げたりする必要がない。また、ポケットにカードを入れてサイコロを膨らました時、サイコロ本体の各側面と各ポケットは、少なくとも直線より外側に湾曲する。〔[図3]参照〕その際、中のカードがサイコロ本体とポケットの湾曲内にうまくフィットする。ラミネート加工されたカードの表面とビニール素材のポケットは似たような素材なので、お互いが更にぴったりと引っ付きあうことで、カードの飛び出しを防ぐことができる。しかし、ポケットは一番外側にあり、損傷を受けやすいので、万が一破れた時に備え、修繕用にポケットと同じ生地10cm四方のものを添付する。
【0010】
(ニ)の効果
弁と栓の二重構造の空気栓(3)により以下のようにカードの出し入れが効率的になる。空気が逆流しないので、サイコロ各側面に直線より外側に湾曲が生じる手前まで一旦膨らました所で栓はせずにカードを各ポケットに入れる。カードを入れ終えたら今度はサイコロ側面全体が外側に向けて若干湾曲し、カードがうまくフィットするまで空気を入れる。逆にカードを取り出す時は栓を開けても一気に空気が抜け出てサイコロがしぼみ、カードが折れ曲がることはない。外側に向けて生じた湾曲がなくなるまで空気を抜き、カードを取り出し、その後サイコロが平面になるまで空気を抜き、しぼませることができる。必要に応じてサイコロを膨らまし、しぼませることができるので、軽くて携帯と収納が大変便利になる。サイコロの中は空気なので、誤って人に当たっても痛くない。
【0011】
「実施形態の効果」
サイコロを学習教材として利用する場合
指導者は生徒が学習する内容に適したカード(4)をポケット(2)に入れる。サイコロを転がし、生徒は出た面のカードに関する歌を歌ったり、支持に従って行動したり、質問に答えていくことで、学びと遊びが一体化して効果的に学習できる。また同時に複数のサイコロを使用すれば、学習内容は更に広がる。例えば、英語に限らず、語学学習では、一つ目のサイコロに主語、二つ目のサイコロに動詞、三つ目以降のサイコロに目的格や副詞句として、乗り物や場所、曜日や月、時刻を表示した時計の絵等のカードを入れて転がすと、出た面のカードで文を組み立てる学習ができる。
【0012】
サイコロを娯楽用品として利用する場合
中に入れるカードを罰ゲームの罰の種類にしたり、色々な話題を順に皆で発表しあう為の題目にすると宴会やパーティ、レクリエーション等で子供から老人まで楽しめる。また同時に複数のサイコロを使えば楽しさも倍増する。例えば、一つ目のサイコロに動詞、二つ目のサイコロに体の部位のカードを入れておくとパーティゲームとして楽しめる。
【0013】
「他の実施形態」
図1の実施形態では、サイコロは正六面体であるが、他の実施形態では、六面以下、又は六面以上のサイコロでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】この発明の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図3】この発明の一実施形態に空気を入れた状態の正面図である。
【符号の説明】
【0015】
1 ビニール製サイコロ本体
1A 起毛加工したPVCを使った面
1B 枠
2 透明なポケット
3 空気栓
4 カード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気栓(3)を有するビニール製サイコロ本体(1)の少なくとも1つ以上の面に、文字や数字、絵カード(4)の出し入れ交換ができる透明なポケット(2)を設けたことを特徴とするビニールサイコロ。
【請求項2】
前記ビニール製サイコロ本体に起毛加工を施した請求項1記載のビニールサイコロ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−82662(P2009−82662A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279605(P2007−279605)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(507356095)
【Fターム(参考)】