説明

ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマーを含むマニキュア

【課題】爪上に光沢のある皮膜が得られるマニキュア組成物を提供する。
【解決手段】下式のブロックコポリマー。


[式中、n、m及びpは独立に、1〜1000の整数であり、xは厳密には3〜10の整数であり、コポリマーは前記組成物の総重量に対して、0.1重量%以上の量で存在する。]及び、少なくとも1つのゲル化剤を含むマニキュア組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオキシ−アルキレンブロックコポリマーを含むマニキュアに関する。本発明はまた、爪のメイクアップ方法又はケア方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
マニキュア用組成物は、マニキュアベース若しくは「ベースコート」として用いられてもよく、爪のメイクアップ製品として用いられてもよく、爪のメイクアップ製品上に適用される仕上げ用組成物(「トップコート」としても知られる)として用いられてもよく、又は爪の美容ケア製品として用いられてもよい。これらの組成物は、ヒトの爪又は付け爪に適用されてよい。
【0003】
マニキュア用組成物は、固体粒子、例えば、顔料、真珠光沢顔料(nacres)及びフィラーなどを通常含み、これらは、組成物の水性連続媒体又は有機溶媒系の媒体中に分散している。
【特許文献1】欧州特許第1411069号明細書
【特許文献2】国際公開第04/028488号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これらの粒子は、その密度が、粒子が分散している連続媒体の密度よりも大きいために、時間とともに沈殿する傾向にある。これらの沈殿により、組成物の肉眼的外観の変化がもたらされ、とりわけ、有色のマニキュアである場合には、マニキュアの色が不均一となり、爪上のマニキュア皮膜の保持力を劣化させることになる。
【0005】
組成物の安定化を向上させるために、配合者は増粘剤又はゲル化剤、例えばベントンなどを用いることができる;しかし、マニキュアの安定化に必要とされる量でこれらの作用剤を組み込むと、マニキュア皮膜をつや消しにする傾向となり、これはマニキュアの場合、好ましくなく、マニキュアには爪上に光沢のある皮膜が得られることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、有機溶媒系の媒体のマニキュアに、特定のポリオキシアルキレンブロックコポリマーを組み込むことにより、長期間に亘り優れた安定性及び色均一性を示すマニキュア用組成物を製造することができ、かつ爪上に、長期間に亘り優れた保持力を示す光沢のある皮膜を形成できることを本出願人は発見した。
【0007】
本発明の1つの主題は、マニキュア用組成物であって、より詳細には、有機溶媒系の媒体を含む化粧品として許容可能な媒体中に、
− 少なくとも1の下記式(I)のブロックコポリマー:
【0008】
【化1】

[式中:
n、m及びpは、独立に、1〜1000の整数であり、xは、厳密には、3〜10の整数であり、前記ポリマーは、前記組成物の総重量に対して、0.1重量%以上の量で存在する]、及び
− 少なくとも1のゲル化剤、
を含むマニキュア用組成物である。
【0009】
本発明の主題はまた、有機溶媒系の媒体を含む化粧品として許容可能な媒体中に、少なくとも1のポリエチレングリコールブロックと少なくとも1のポリプロピレングリコールブロックとを含む少なくとも1のコポリマーを含み、前記コポリマーの分子量が1000g/mol以上であって、前記ポリマーが前記組成物の総重量に対して0.1重量%以上の量で存在し、かつ少なくとも1のゲル化剤を含む、マニキュア用組成物でもある。
【0010】
これらの特定のポリオキシアルキレンブロックコポリマーにより、本発明の組成物を安定化することが可能となり、標準的なゲル化剤、例えば、ベントン又はシリカなどに対し、これらの特定のポリオキシアルキレンブロックコポリマーを補完的に配合してもよく、この場合、マニキュア皮膜の光沢が失われるという、ベントンを多量に添加することによる欠点を有さないものとなる。
【0011】
本発明の目的上、「化粧品として許容可能な媒体」という用語は、ヒトの顔面皮膚、外皮、又は唇に適用されてよい非毒性の媒体を意味する。
【0012】
本発明の主題はまた、上述で定義されたとおりのマニキュア用組成物の少なくとも1のコートを爪へと適用する工程を含む、爪をメイクアップ又はケアするための非治療的美容方法でもある。
【0013】
本発明の主題はまた、少なくとも1の下記式(I):
【0014】
【化2】

[式中:
n、m及びpは、独立に、1〜1000の整数であり、xは、3〜10の整数である]
のブロックコポリマーを、有機溶媒系の媒体と共にマニキュア用組成物中で使用することでもあって、これにより、長期間に亘り優れた安定性及び色均一性を示し、かつ爪上に、優れた保持力を有する光沢のある皮膜を形成するマニキュアを得ることが可能となる。
【0015】
本発明の主題はまた、長期間に亘り優れた安定性及び色均一性を示し、かつ爪上に、優れた保持力を有する光沢のある皮膜を形成するマニキュアを得るために、少なくとも1のポリエチレングリコールブロックと少なくとも1のポリプロピレングリコールブロックとを含む少なくとも1のコポリマーであって、1000g/mol以上の分子量である前記コポリマーを、有機溶媒系の媒体と共にマニキュア用組成物中で使用することでもある。
【0016】
[ブロックコポリマー]
「ブロックコポリマー」という用語は、少なくとも2の異なるブロック、好ましくは少なくとも3の異なるブロックを含むポリマーを意味する。
【0017】
本発明の組成物のブロックコポリマーは、ポリオキシアルキレン化されているブロックを含み、特に下記式(I):
【0018】
【化3】

[式中:
n、m及びpは、独立に、1〜1000の整数であり、xは、厳密には、3〜10の整数である]
に該当する。
【0019】
別の実施態様では、ブロックコポリマーは、少なくとも1のポリエチレングリコールブロックと少なくとも1のポリプロピレングリコールブロックとを含む。この場合、下記式:
【0020】
【化4】

[式中:
n及びmは、1〜1000の整数であり、xは、厳密には、3〜9の整数である]
に該当する。
【0021】
前記組成物のブロックコポリマーの分子量は、有利には1000g/mol以上、好ましくは1500g/mol以上、より好ましくは2000g/molより大きいものである。
【0022】
本発明の組成物中で使用してもよいコポリマーとして以下を挙げることができる:EO/PO重縮合物としても公知のプロピレンオキシドとエチレンオキシドとのコポリマー、例えば、Synperonicという商品名で市販されているポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールトリブロック重縮合物、例えば、ICI社製のSynperonicPE/L44、SynperonicPE/L64(13EO/13PO/13EO)(分子量=2900)及びSynperonicPE/F127、並びにこれらの混合物。
【0023】
ブロックコポリマー(1以上)は、組成物の総重量に対して、0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上の量で存在する。
【0024】
これらのブロックコポリマー(1以上)は、組成物の総重量に対して、0.1重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、より好ましくは1重量%〜8重量%の量で存在してもよい。
【0025】
[有機溶媒系の媒体]
本発明の化粧用組成物の化粧品として許容可能な媒体には、有機溶媒又は有機溶媒の混合物を含む有機溶媒系の媒体が含まれる。
【0026】
有機溶媒は以下から選択されてよい:
− 室温で液体のケトン類、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、又はアセトンなど;
− 室温で液体のアルコール類、例えば、エタノール、イソプロパノール、ジアセトンアルコール、2−ブトキシエタノール、又はシクロヘキサノールなど;
− 室温で液体のプロピレングリコールエーテル類、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、又はジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなど;
− 環状エーテル類、例えば、γ−ブチロラクトンなど;
− 短鎖エステル類(全部で3〜8個の炭素原子を含む)、例えば、エチルアセテート、メチルアセテート、プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、n−ブチルアセテート、イソペンチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、又はブチルラクテートなど;
− 室温で液体のエーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、又はジクロロジエチルエーテルなど;
− 室温で液体のアルカン類、例えば、デカン、ヘプタン、ドデカン、又はシクロヘキサンなど;
− アルキルスルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシドなど;
− 室温で液体のアルデヒド類、例えば、ベンズアルデヒド、又はアセトアルデヒドなど;
− 3−エトキシプロピオン酸エチル;
− カーボネート類、例えば、プロピレンカーボネート、又はジメチルカーボネートなど;及び、
− アセタール類、例えば、メチラールなど;並びに、
− これらの混合物。
【0027】
好ましくは、前記溶媒は、全部で3〜8個の炭素原子を含む短鎖エステル類から選択され、例えば、エチルアセテート、メチルアセテート、プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、n−ブチルアセテート、イソペンチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、又はブチルラクテート、及びこれらの混合物などである。
【0028】
有機溶媒系の媒体は、組成物の総重量に対して、10重量%〜95重量%、好ましくは15重量%〜80重量%、より好ましくは20重量%〜60重量%であってよい。
【0029】
本発明の組成物は、場合により水性媒体を含んでもよい:この場合、水性媒体は、前記組成物の総重量に対して、2重量%以下、好ましくは1重量%以下の含有量で存在する。
【0030】
[皮膜形成ポリマー]
本組成物は、有利には、皮膜形成ポリマーを含んでよい。
【0031】
本発明では、「皮膜形成ポリマー」という用語は、それ自身によって、又は補助の皮膜形成剤の存在下で、支持体上、特にケラチン物質上に連続的かつ接着性の皮膜を形成できるポリマーを意味する。
【0032】
本発明の組成物中で使用されてよい皮膜形成ポリマー類のうち、以下を挙げることができる:フリーラジカルタイプ又は重縮合タイプの合成ポリマー類、及び天然起源のポリマー類、並びにこれらの混合物。
【0033】
皮膜形成ポリマーは、特に以下から選択されてよい:セルロース系ポリマー類、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート、セルロースアセトプロピオネート、若しくはエチルセルロースなど、ポリウレタン類、アクリル系ポリマー類、ビニルポリマー類、ポリビニルブチラール類、アルキド樹脂類、アリールスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂類などのアルデヒド縮合物由来の樹脂類、例えば、トルエンスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂など、アリールスルホンアミドエポキシ樹脂類、又はエチルトシルアミド樹脂類。
【0034】
特に使用されてよい皮膜形成ポリマー類には、以下が含まれる:ニトロセルロースRS1/8sec.;RS1/4sec.;1/2sec.;RS5sec.;RS15sec.;RS35sec.;RS75sec.;RS150sec.;AS1/4sec.;AS1/2sec.;SS1/4sec.;SS1/2sec.;SS5sec.(これらは、特に、Hercules社から市販されている);Akzo社製のトルエンスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂類「Ketjentflex MS80」、又はFaconnier社製の「Santolite MHP」及び「Santolite MS80」、又はPan Americana社製の「Resimpol 80」;Dainippon社製のアルキド樹脂「Beckosol ODE 230−70−E」;Rohm&Haas社製のアクリル系樹脂「Acryloid B66」;及びBaxenden社製のポリウレタン樹脂「Trixene PR 4127」。
【0035】
本発明の1つの実施態様では、皮膜形成ポリマーは、皮膜を形成する直鎖状のブロックのエチレン系ポリマーであって、好ましくは、異なるガラス転移温度(Tg)を有する、少なくとも1の第一ブロックと少なくとも1の第二ブロックとを含み、前記第一及び第二ブロックは、第一ブロックの少なくとも1の構成モノマーと第二ブロックの少なくとも1の構成モノマーとを含む中間ブロックを介して一緒に連結されている。
【0036】
有利には、前記ブロックポリマーの第一及び第二ブロックは、互いに非相容である。
【0037】
このようなポリマー類は、例えば、欧州特許第1411069号明細書又は国際公開第04/028488号パンフレットなどに記載されている。
【0038】
追加の皮膜形成ポリマーは、組成物中に、組成物の総重量に対して、0.1重量%〜60重量%、好ましくは2重量%〜40重量%、より好ましくは5重量%〜25重量%の含有量で存在してよい。
【0039】
[補助の皮膜形成剤]
マニキュア用組成物の皮膜形成特性を高めるために、補助の皮膜形成剤が用いられてもよい。
【0040】
このような補助の皮膜形成剤は、所望する機能を満たすことが可能であるものとして当業者に既知の任意の化合物から選択されてよく、特に、皮膜形成ポリマー(1以上)のための可塑剤及びコアレッサーから選択されてよい。
【0041】
従って、本組成物はまた、少なくとも1の可塑剤及び/又は少なくとも1のコアレッサーを含んでもよい。特に、単独で、又は混合物として、一般的な可塑剤及びコアレッサーを挙げることができ、例えば:
− グリコール類及びそれらの誘導体類、例えば、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、又はジエチレングリコールヘキシルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、又はエチレングリコールへキシルエーテルなど;
− ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールコポリマー類、及びそれらの混合物、特に、高分子量、例えば、500〜15000の分子量などであるポリプロピレングリコール類;
− グリコールエステル類;
− プロピレングリコール誘導体類、特に、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールブチルエーテル;
− 酸エステル類、特にカルボン酸エステル類、例えば、クエン酸エステル類、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、炭酸エステル類、酒石酸エステル類、リン酸エステル類、及びセバシン酸エステル類など;
− 式:R11COOHのモノカルボン酸と、式:HOR12OHのジオールとの反応に由来するR11及びR12を有するエステル類であって、R11及びR12は、同一又は異なってもよく、直鎖状、分枝状、又は環状の飽和又は不飽和炭化水素系の鎖を意味し、好ましくは3〜15個の炭素原子を含み、場合により1以上のヘテロ原子、例えば、N、O、又はSなどを含んでもよく、特に、イソ酪酸とオクタンジオール、例えば、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどとの反応により生成されるモノエステルであって、例えば、Eastman Chemical社からTexanol Ester Alcoholという商品名で市販されている製品などが挙げられる;
− オキシエチレン化された誘導体類、例えば、オキシエチレン化された油類、特に、ひまし油などの植物油類;及び、
− ジメチコンコポリオール類、特に、α、ω−プロピルポリオキシプロピレン基を含むもの;並びに、
− これらの混合物。
【0042】
[増粘剤]
ブロックコポリマーに加えて、本組成物は増粘剤を含み、増粘剤は特に以下から選択されてよい:シリカ類、特に疎水性のシリカ類、例えば、欧州特許出願公開第898960号(A)に記載されているもの、及び市販されているもの、例えば、Degussa社製の「Aerosil R812(登録商標)」、Cabot社製の「Cab−O−Sil TS−530(登録商標)」、「Cab−O−Sil TS−610(登録商標)」、及び「Cab−O−Sil TS−720(登録商標)」、Degussa社製の「Aerosil R972(登録商標)」及び「Aerosil R974(登録商標)」など;モンモリロナイトなどのクレー類、ベントン類などの改質クレー類、例えば、ステアラルコニウムヘクトライト及びステアラルコニウムベントナイトなど、ポリサッカライドアルキルエーテル類(特に、アルキル基には、1〜24個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子、とりわけ1〜3個の炭素原子が含まれる)、例えば、欧州特許出願公開第898958号(A)に記載されているものなど。
【0043】
本発明の組成物中の増粘剤(1以上)の総割合は、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜15重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.1重量%〜15重量%であってよい。
【0044】
特定の実施態様では、本組成物中の増粘剤(1以上)の総割合は、組成物の総重量に対して、5重量%未満、好ましくは3重量%未満である。
【0045】
1つの特定の実施態様では、本組成物は、ベントン類から選択される増粘剤を、組成物の総重量に対して2重量%以下の含有量で含む。
【0046】
[染料]
本発明の組成物はまた、水溶性染料、及び粉末染料、例えば、当業者に周知の、顔料、真珠光沢顔料及びフレークなどから選択される1以上の染料を含んでもよい。染料は、前記組成物中に、前記組成物の総重量に対して、0.01重量%〜50重量%、好ましくは0.01重量%〜30重量%の含有量で存在してよい。
【0047】
「顔料」という用語は、任意の形状の、白色又は有色の、無機粒子又は有機粒子を意味するものと理解されるべきであり、これは、生理的媒体には不溶であり、組成物を着色するためのものである。
【0048】
「真珠光沢顔料」という用語は、任意の形状の真珠光沢粒子を意味するものと理解されるべきであり、特に、ある種の貝殻中で軟体動物によって産生されるか、あるいはまた合成されるものである。
【0049】
顔料は、白色又は有色であってよく、無機物及び/又は有機物であってよい。無機顔料のうち以下を挙げることができる:場合により表面処理されている二酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、及び酸化亜鉛、酸化鉄(黒、黄色、又は赤)又は酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物及びフェリックブルー、並びに、アルミニウム粉末又は銅粉末などの金属粉末類。
【0050】
有機顔料のうち以下を挙げることができる:カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、コチニールカルミン系レーキ、バリウム系レーキ、ストロンチウム系レーキ、カルシウム系レーキ、及びアルミニウム系レーキ。
【0051】
真珠光沢顔料は、以下から選択されてよい:白色真珠光沢顔料、例えば、チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆されているマイカ、有色真珠光沢顔料、例えば、酸化鉄で被覆されているチタニウムマイカ、特にフェリックブルー又は酸化クロムで被覆されているチタニウムマイカ、上記のタイプの有機顔料で被覆されているチタニウムマイカ、及びオキシ塩化ビスマス系の真珠光沢顔料。
【0052】
水溶性染料は、例えば、ビートの根の汁及びメチレンブルーなどである。
【0053】
本発明の組成物は、1以上のフィラーをさらに含んでもよく、特に、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜50重量%、好ましくは0.01重量%〜30重量%の含有量であってよい。「フィラー」という用語は、無色又は白色の、任意の形状の無機粒子又は合成粒子を意味するものと理解されるべきであり、これは、組成物が製造される温度に関係なく、組成物の媒体中に不溶である。これらのフィラーは、特に組成物のレオロジー又はテクスチャーを変更するために役立つ。
【0054】
フィラーは、その結晶形態(例えばリーフレット形、立方晶形、六方晶形、及び斜方晶形など)に関らず、板状、球状又は長方形といった任意の形状の無機物又は有機物であってよい。フィラーとして以下を挙げることができる:タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリアミド(ナイロン(登録商標))粉末(Atochem社のOrgasol(登録商標))、ポリ−β−アラニン粉末及びポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー(テフロン(登録商標))の粉末類、ラウロイルリシン、スターチ、窒化ホウ素、ポリビニリデンクロリド/アクリロニトリルのものなどの中空ポリマーミクロスフェア、例えば、Expancel(登録商標)(Nobel Industrie)、又はアクリル酸コポリマー類(Dow Corning社製のPolytrap(登録商標))、及びシリコーン樹脂マイクロビーズ(例えば、東芝社製のTospearls(登録商標)など)、エラストマー性ポリオルガノシロキサン粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカミクロスフェア(Maprecos社製のSilica Beads(登録商標))、ガラス又はセラミックマイクロカプセル、並びに8〜22個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を含む有機カルボン酸由来の金属石鹸、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、又はミリスチン酸マグネシウムなど。
【0055】
[他の添加剤]
本組成物はまた、化粧用組成物で通常使用されている他の成分を含んでもよい。このような成分は以下から選択されてよい:展着剤、湿潤剤、分散剤、消泡剤、保存料、紫外線安定剤、活性剤、界面活性剤、保湿剤、香料、中和剤、安定化剤、及び酸化防止剤。
【0056】
言うまでもなく、当業者は、本発明での使用における本組成物の有利な特性が、想定される添加によって損なわれないように、又は実質的に損なわれないように、場合により添加される化合物(1以上)及び/又はこれらの化合物の量を注意深く選択するであろう。
【0057】
別の側面では、本発明の対象は、i)少なくとも1の区画で区切られている容器であって、閉鎖部材を用いて閉鎖される容器、及びii)前記区画の内部に受容されている本発明の組成物、を含むマニキュア製品である。
【0058】
前記容器は、任意の適した形態であってよい。前記容器は、特にボトルの形態であってよく、少なくとも一部分がガラスなどの物質でできていてもよい。しかし、ガラス以外の物質が使用されてもよく、例えば、PP又はPEなどの熱可塑性物質、又は金属などが使用されてもよい。
【0059】
閉鎖部材は、容器が閉鎖位置にある場合に、ねじ込み(screwing)によって区画に連結されていてもよい。別法として、閉鎖部材と容器との連結は、ねじ込み以外によるものであってもよく、特にはめ込み(click-fastening)によるものであってもよい。
【0060】
容器は、好ましくは、塗布具を備えており、塗布具は、少なくとも1の毛房から成るブラシの形態であってよい。別法として、塗布具は、ブラシ以外の形態であり、例えば、スパチュラ又はフォームチップの形態などである。
【0061】
下記の実施例は、本発明を非限定的に例証するものである。特記のない限り、示されている量は、重量パーセンテージである。
【0062】
実施例1:マニキュア
【0063】
【表1】

【0064】
マニキュアの光沢を以下のプロトコルに従って測定した:
平均光沢を評価したい組成物の300μmの厚さの濡れたコートを、自動スプレッダーを用いて、Leneta(商標名)のForm 1A Penopacのコントラストカード上に広げる。コートは、カードの白色バックグラウンド及び黒色バックグラウンドをカバーする。サーモスタットで30℃に維持したベンチ上で本組成物を24時間放置して乾燥させ、ついでByk Gardner(商標名)のmicroTri−Gross光沢計を用いて、20°及び60°での光沢を白色バックグラウンド上(3回測定)及び黒色バックグラウンド上(3回測定)で測定する。
【0065】
実施例1のマニキュアは、20°での測定では74の光沢を有し、60°での測定では89の光沢を有している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品として許容可能な媒体中に、
− 少なくとも1の下記式(I)のブロックコポリマー:
【化1】

[式中:
n、m及びpは、独立に、1〜1000の整数であり、xは、厳密には、3〜10の整数であり、前記コポリマーは、前記組成物の総重量に対して、0.1重量%以上の量で存在する]、及び
− 少なくとも1のゲル化剤、
を含むマニキュア用組成物。
【請求項2】
有機溶媒系の媒体を含む化粧品として許容可能な媒体中に、少なくとも1のポリエチレングリコールブロックと少なくとも1のポリプロピレングリコールブロックとを含む少なくとも1のコポリマーを含み、前記コポリマーの分子量が1000g/mol以上であって、前記コポリマーが組成物の総重量に対して0.1重量%以上の量で存在し、かつ少なくとも1のゲル化剤を含む、マニキュア用組成物。
【請求項3】
前記ポリマーが下記式:
【化2】

[式中:
n及びmは、1〜1000の整数であり、xは、厳密には、3〜10の整数である]
に該当することを特徴とする、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記ブロックコポリマーが、前記組成物の総重量に対して、0.1重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%、より好ましくは1重量%〜8重量%の量で存在することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項記載の組成物。
【請求項5】
前記有機溶媒系の媒体が、前記組成物の総重量に対して、10重量%〜95重量%、好ましくは15重量%〜80重量%、より好ましくは20重量%〜60重量%であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項記載の組成物。
【請求項6】
前記増粘剤が、シリカ類、特に疎水性シリカ類、モンモリロナイトなどのクレー類、ベントン類などの改質クレー類、及びポリサッカライドアルキルエーテル類、並びにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項記載の組成物。
【請求項7】
前記増粘剤が、前記組成物の総重量に対して、0.01重量%〜15重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.1重量%〜15重量%の含有量で存在することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物中の前記増粘剤(1以上)の総割合が、前記組成物の総重量に対して、5重量%未満、好ましくは3重量%未満であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項記載の組成物。
【請求項9】
ベントン類から選択される増粘剤を、前記組成物の総重量に対して、2重量%以下の含有量で含むことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項記載の組成物。

【公開番号】特開2007−39456(P2007−39456A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−206925(P2006−206925)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】