説明

ポリオレフィン系樹脂織成シート

【課題】 本発明は、容易に屈曲でき、屈曲後はその形状を保持でき且つ通気性及び機械的強度が優れたポリオレフィン系樹脂織成シートを提供する。
【解決手段】 180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下である形状保持性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートを経糸及び緯糸として織成してなることを特徴とするポリオレフィン系樹脂織成シート及び発泡倍率が1.2〜5倍の低発泡合成樹脂シ−トの両面に、上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなる積層低発泡樹脂シートを経糸及び緯糸として織成してなることを特徴とするポリオレフィン系樹脂織成シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状保持性を有するポリオレフィン系樹脂織成シートに関する。
【背景技術】
【0002】
一軸延伸された合成樹脂テープを縦横に交差するように配列してその交点を接合したシート又は織成した織布は、生産性に優れ、通気性が良く、安価であるので、農業用被覆材;ルーフィング材、屋外工事現場用保護壁、セメント養生シート、ハウスラッピング等の建築用資材又は土木用資材;書類用バッグ、衣類用カバー、ヘアーキャップ等の日用雑貨として広く使用されている。
【0003】
そして、高強度が必要な用途が多いので機械的強度をより向上させる提案が種々なされている。例えば、合成樹脂または合成樹脂製フラットヤーンを経、緯糸として織成した基布でフレキシブルコンテナーバッグ本体を形成し、このフレキシブルコンテナーバッグ本体の周囲に吊りベルトあるいは吊りベルト用フックを取付けたフレキシブルコンテナーバッグにおいて、フレキシブルコンテナーバッグ本体を、高織密度帯域と、この高織密度帯域よりも低い織密度である非高織密度帯域とで構成し、しかも前記両帯域は織成により一体に構成され、かつ高織密度帯域8の巾は50mm以上であり、相隣れる高織密度帯域との間隔は1000mm以内であることを特徴とする通気性に優れたフレキシブルコンテナーバッグ(例えば、特許文献1参照。)、熱可塑性合成樹脂からなる線条体を交差せしめて形成された布状体と熱可塑性合成樹脂からなる不織布とを積層してなる熱可塑性合成樹脂製通気シート において、熱可塑性合成樹脂からなる基層の少なくとも片面に基層の熱可塑性合成樹脂より融点の低い熱可塑性合成樹脂からなる接合層が積層された一軸延伸積層糸を線条体として、タテ、ヨコ、ナナメの少なくとも一方向に用い、線条体の交点を熱接合することによって布状体を形成すると共に、熱可塑性合成樹脂製シートの質量を15〜80g/m2としてなることを特徴とする熱可塑性合成樹脂製通気シート(例えば、特許文献2参照。)等が提案されている。
【特許文献1】特開平09−267890号公報
【特許文献2】特開2003−236962号公報
【0004】
上記フレキシブルコンテナーバッグ及び熱可塑性合成樹脂製通気シートは通気性に優れ、機械的強度が大きいので種々の用途に好適に使用できる。しかしながら、形状保持性がないので変形してその形状を保持することができなかった。例えば、袋やバッグのような容器とした場合、その容器を自立させることはできず、又、シートの端部を屈曲してパイプや紐等に固定しようとしてもすぐに元の形状に戻るので、粘着テープ、クリップ等の他の何らかの手段を使用しなければ固定できないという欠点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、容易に屈曲でき、屈曲後はその形状を保持でき且つ通気性及び機械的強度が優れたポリオレフィン系樹脂織成シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のポリオレフィン系樹脂織成シートは、180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下である形状保持性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートを経糸及び緯糸として織成してなることを特徴とする。
【0007】
上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが20度以下である形状保持性を有するシートである。
【0008】
上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートは形状保持性を有しているが、形状保持性は、延伸ポリオレフィン系樹脂シートを180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下であり、好ましくは180度折曲げ戻り角度θが20度以下で且つ90度折曲げ戻り角度θが20度未満、更に好ましくは180度折曲げ戻り角度θが20度以下で且つ90度折曲げ戻り角度θが15度以下である。180度及び90度折曲げ時の折曲げ戻り角度θのいずれか一方、特に90度折曲げ戻り角度θが20度を越えると、充分な形状保持性が得られないことがある。
【0009】
上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成するポリオレフィン系樹脂としては、フィルム形成能を有する任意のオレフィン系樹脂が使用でき、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン―酢酸ビニル共重合体、エチレン―(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン―塩化ビニル共重合体、エチレン―プロピレン―ブテン共重合体等が挙げられ、高密度ポリエチレン樹脂が好適に使用される。
【0010】
上記ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、重量平均分子量が10万未満の場合には、脆くなり、延伸性が低下したり、十分な機械的強度又は耐クリープ性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートを得ることができにくくなり、逆に、50万を超えると、溶融粘度が高くなり、熱溶融成形加工性が低下し、均一なシートが得られにくくなるので10万〜50万が好ましい。尚、本発明において、重量平均分子量はゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定された値である。
【0011】
又、上記ポリオレフィン系樹脂のメルトインデックス(以下、MI)はフィルム成形性が優れている0.1〜20(g/10分)が好ましく、より好ましくは0.2〜10(g/10分)である。尚、MIとは、JIS K 7210に規定されている熱可塑性樹脂の溶融粘度を表す指標である。更に、高密度ポリエチレン樹脂の場合は、密度は小さくなると延伸しても機械的強度が向上しなくなるので、0.94g/cm3 以上が好ましい。
【0012】
上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートとしては、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが延伸倍率5倍以上に一軸延伸された形状保持性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートが好ましい。
【0013】
この場合は、ポリオレフィン系樹脂としては極限粘度[η]3.5dl/g未満の高密度ポリエチレン樹脂が好ましく、ガラス繊維、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカアルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、珪酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭素繊維、カーボンブラック等の無機機充填材を添加するのが好ましい。
【0014】
延伸前のポリオレフィン系樹脂シートの厚みは特に限定されるものではないが、厚過ぎると、延伸が困難になるし、逆に、薄過ぎると、延伸後のポリオレフィン系樹脂シートの厚みが薄くなり過ぎ、形状保持性が低下するので、0.2〜5.0mmが望ましい。
【0015】
延伸倍率は5倍以上であって、延伸された延伸ポリオレフィン系樹脂シートが形状保持性を有していればよいが、10〜40倍が好ましい。又、延伸方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよく、例えば、ロール一軸延伸法、ゾーン一軸延伸法等の一軸延伸法により、ヒータや熱風により加熱しながら延伸する方法が挙げられる。
【0016】
一軸延伸する際に10〜40倍と高度に延伸する場合は、一軸延伸を複数回繰り返す多段一軸延伸する方法が好ましい。多段一軸延伸を行う場合の延伸回数は2〜20回が好ましく、より好ましくは3〜15回、更に好ましくは4〜10回である。
【0017】
又、ロール一軸延伸法により多段延伸を行う場合には、繰出ピンチロール、引取ピンチロール及びこれらのロール間に一定速度で回転する少なくとも1つの、好ましくは複数の接触ロールを設置することが望ましい。このような接触ロールを設置することにより、均一延伸性が高められ、安定な延伸成形を行うことができる。
【0018】
上記接触ロールは、ピンチされることなく、ポリオレフィン系樹脂シートに摩擦力を与えることにより一軸延伸を行う。又、接触ロールは繰出ロール及び/又は引取ロールに対し、ギア、チェーン、プーリー、ベルト若しくはこれらの組み合わせからなる連結部材により連結されていてもよい。
【0019】
一軸延伸温度は、低くなると均一に延伸できず、高くなるとシートが溶融切断するので、延伸するポリオレフィン系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、ポリオレフィン系樹脂の「融点−50℃」〜「融点−5℃」である。
【0020】
上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートの寸法安定性を向上させるために、延伸ポリオレフィン系樹脂シートはポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の温度でアニールされてもよい。
【0021】
アニール温度は、低くなると寸法安定性が向上せず、長時間使用するとそりが発生し、高くなるとポリオレフィン系樹脂が溶解して配向が消滅し引張弾性率、引張強度等が低下するので、ポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の温度でアニールされるのが好ましい。
【0022】
アニールとは生産ライン中で熱処理を行うことであり、アニールする際に、延伸ポリオレフィン系樹脂シートに大きな張力がかかっていると延伸され、張力がかかっていないか、非常に小さい状態では収縮するので、延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸方向の長さが実質的に変化しないようにした状態で行われることが好ましく、延伸ポリオレフィン系樹脂シートに圧力もかかっていないのが好ましい。即ち、アニールされた延伸ポリオレフィン系樹脂シートの長さが、アニール前の延伸ポリオレフィン系樹脂シートの長さの1.0以下になるようにアニールされるのが好ましい。
【0023】
従って、延伸ポリオレフィン系樹脂シートをピンチロール等のロールで加熱室内を移動しながら連続的にアニールする場合は、入口側と出口側のポリオレフィン系樹脂シートの送り速度比を1.0以下になるように設定してアニールするのが好ましい。
【0024】
アニールする際の加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風、ヒータ、加熱板、温水等で加熱する方法があげられる。アニールする時間は、特に限定されず、延伸されたポリオレフィン系樹脂シートの厚さやアニール温度により異なるが、一般に10秒以上が好ましく、より好ましくは30秒〜60分であり、更に好ましくは1〜20分である。
【0025】
又、異なる好ましい延伸ポリオレフィン系樹脂シートとして、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された後、総延伸倍率が10〜40倍に一軸延伸された延伸ポリオレフィン系樹脂シートが挙げられる。
【0026】
上記圧延前のポリオレフィン系樹脂シートの厚みは特に限定されるものではないが、厚過ぎると、延伸が困難になるし、圧延工程において、ポリオレフィン系樹脂シートを圧延ロールで押しつぶすのに大きな加圧力や引取力が必要となり、圧延ロールの撓みなどにより幅方向に均一な圧延が困難となることがある、逆に、薄過ぎると、圧延後のポリオレフィン系樹脂シートの厚みが薄くなり過ぎ、均一な圧延が困難となるだけでなく、圧延ロール同士が接触して圧延ロールの寿命が短くなることがあるので、0.2〜5.0mmが望ましい。
【0027】
上記ポリオレフィン系樹脂シートは、先ず、最初に圧延倍率5倍以上に圧延されるが、圧延温度は、低くなると均一に圧延できず、高くなると溶融切断するので、圧延する際のロール温度は、圧延するポリオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−40℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−30℃」〜「融点−5℃」である。尚、本発明において、融点とは示差走査型熱量測定機(DSC)で熱分析を行った際に認められる、結晶の融解に伴う吸熱ピークの最大点をいう。
【0028】
圧延ロールによりポリオレフィン系樹脂シートに負荷される加圧力(線圧)が小さ過ぎると所定の圧延倍率を得ることが出来なくなることがあり、逆に大き過ぎると圧延ロールの撓みが生じるだけでなく、圧延ロールと原反シートとの間ですべりが生じ易くなり、均一な圧延が困難となることがあるので加圧力は、100MPa〜3000MPaが好ましく、より好ましくは、300MPa〜1000MPaである。
【0029】
上記圧延倍率は、圧延倍率が5倍未満の場合には、後で行われる一軸延伸時のネッキングを抑制する効果が得られなかったり、高倍率一軸延伸を行うことができなかったり、一軸延伸工程に負担がかかることになるので、5倍以上であり、好ましくは7倍以上である。圧延倍率に特に上限はないが、圧延倍率が高いほど圧延設備に負荷がかかるので10倍以下が好ましい。
【0030】
尚、圧延倍率は(ポリオレフィン系樹脂シートの断面積)/(圧延後ポリオレフィン系樹脂シートの断面積)で定義されるが、圧延の前後においてポリオレフィン系樹脂シートの幅は殆ど変化しないので、(ポリオレフィン系樹脂シートの厚み)/(圧延後のポリオレフィン系樹脂シートの厚み)であってもよい。
【0031】
圧延されたポリオレフィン系樹脂シートは、次に、総延伸倍率が10〜40倍に一軸延伸される。一軸延伸方法は、特に限定されず、前述の一軸延伸方法が採用されればよい。 又、一軸延伸倍率は、総延伸倍率が10〜40倍であるから、圧延倍率を考慮し、総延伸倍率がこの範囲にはいるように決定すればよいが、一軸延伸が少ないと機械的強度が向上しないので、1.3倍以上が好ましく、より好ましくは1.5倍以上であり、更に好ましくは1.8倍以上である。又、上限は特に限定されるものではないが、4倍以下が好ましく、より好ましくは3.5倍以下である。尚、総延伸倍率は圧延倍率と一軸延伸倍率を乗じた数値である。
【0032】
又、更に異なる好ましい延伸ポリオレフィン系樹脂シートとして、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された延伸ポリオレフィン系樹脂シートが挙げられる。
【0033】
即ち、圧延のみで一軸延伸をしなくても、180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下である形状保持性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートも好適に使用できる。
【0034】
上記圧延工程を含む延伸方法で延伸された延伸ポリオレフィン系樹脂シートも寸法安定性を向上させるために、延伸ポリオレフィン系樹脂シートはポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点であって、圧延温度以下の温度でアニールされてもよい。
【0035】
アニール温度は、低くなると寸法安定性が向上せず、長時間使用するとそりが発生し、高くなるとポリオレフィン系樹脂が溶解して配向が消滅し引張弾性率、引張強度等が低下するので、ポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点であって、圧延温度以下の温度でアニールされるのが好ましい。その他のアニール方法は前述の通りである。
【0036】
アニールされた延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、更に、40℃〜ポリオレフィン系樹脂の融点の温度範囲でエージングされてもよい。エージングすることによりアニールされたポリオレフィン系樹脂シートの寸法安定性はより優れたものとなる。
【0037】
エージングとは、生産ライン中連続で処理するものではなく、延伸ポリオレフィン系樹脂シートをカット巻回等の一度加工した、枚葉物、巻物等の熱処理を、比較的長い時間(分、時間単位)じっくり寝かせて熱処理することを意味する。
【0038】
エージング温度は、低くなると常温で放置するのと同様になり、高くなると熱変形するので40℃〜ポリオレフィン系樹脂の融点の温度範囲であり、エージング時間は短時間では効果がなく、長時間しすぎても効果が増大することはないので12時間〜7日が好ましい。
【0039】
延伸ポリオレフィン系樹脂シートの厚みは特に限定されるものではないが、薄くなると形状保持性が低下し、厚くなると変形しにくくなるので0.04〜2mmが好ましい。又、延伸ポリオレフィン系樹脂シートの幅も特に限定されるものではないが、本発明のポリオレフィン系樹脂織成シートは延伸ポリオレフィン系樹脂シートを経糸及び緯糸として織成してなるポリオレフィン系樹脂織成シートであるから2〜200mmが好ましく、より好ましくは3〜100mmである。
【0040】
上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートの表面には、複数の延伸ポリオレフィン系樹脂シートを熱融着することにより積層したり、織成されたポリオレフィン織成シートの緯糸と経糸を熱融着するために第2のポリオレフィン系樹脂層が積層されてもよい。第2のポリオレフィン系樹脂層は延伸ポリオレフィン系樹脂シートの片面のみに積層されてもよいし、両面に積層されてもよい。
【0041】
上記第2のポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂としては、延伸ポリオレフィン系樹脂シートに積層するのであるから、前述の延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成するポリオレフィン系樹脂と同一種類のものが好ましいが、延伸ポリオレフィン系樹脂シートを熱融着する際に接着剤として作用するのであるから、延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成するポリオレフィン系樹脂の溶融温度より低い溶融温度のポリオレフィン系樹脂が好ましく、線状低密度ポリエチレン樹脂が好ましい。
【0042】
第2のポリオレフィン系樹脂層を延伸ポリオレフィン系樹脂シートに積層する方法は従来公知の任意の方法が採用されればよく、例えば、第2のポリオレフィン系樹脂層と延伸ポリオレフィン系樹脂シートを接着剤で接着する方法、延伸ポリオレフィン系樹脂シートに第2のポリオレフィン系樹脂を溶融押出して積層する方法等があげられる。
【0043】
又、第2のポリオレフィン系樹脂層の厚さは特に限定されるものではないが、薄くなりすぎると接着しにくくなり、厚すぎると延伸ポリオレフィン系樹脂シートの形状保持性が低下するので、一般に5〜150μmであり、好ましくは20〜80μmである。
【0044】
尚、第2のポリオレフィン系樹脂層を延伸ポリオレフィン系樹脂シートに積層した場合は、延伸ポリオレフィン系樹脂シートと第2のポリオレフィン系樹脂層の積層シートが180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下である形状保持性を有する。
【0045】
請求項1記載のポリオレフィン系樹脂織成シートは、上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートを経糸及び緯糸として織成してなるポリオレフィン系樹脂織成シートである。織成方法としては、従来公知の任意の方法が採用可能であり、例えば、平織、綾織、朱子織等があげられ、延伸ポリオレフィン系樹脂シートを織成するのであるから平織が好ましい。
【0046】
経糸である延伸ポリオレフィン系樹脂シートと緯糸である延伸ポリオレフィン系樹脂シートは共に長さ方向に延伸されているのが好ましく、こうすることにより経糸と緯糸の延伸方向は直交することになり、従って有する形状保持性の方向も直交することになり、任意の方向に折り曲げて形状保持することができるようになる。
【0047】
織成されたポリオレフィン系樹脂織成シートは、お互いに接する経糸である延伸ポリオレフィン系樹脂シートと緯糸である延伸ポリオレフィン系樹脂シートが接着されてもよい。
接着する方法は従来公知の任意の方法が採用可能であり、例えば、接着剤で接着する方法、熱融着する方法等があげられる。特に、延伸ポリオレフィン系樹脂シートに第2のポリオレフィン系樹脂層が積層されている場合は熱融着するのが好ましい。
【0048】
又、上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートが複数層積層されてなる積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートであってもよい。積層されている各延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸方向は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0049】
延伸方向が異なる延伸ポリオレフィン系樹脂シートが複数層積層された積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートとしては、例えば、延伸方向が直交するように2枚の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層された積層延伸ポリオレフィン系樹脂シート、延伸方向を60度ずつずらして3枚の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層された積層延伸ポリオレフィン系樹脂シート、延伸方向を45度ずつずらして4枚の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層された積層延伸ポリオレフィン系樹脂シート等があげられる。
【0050】
上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートは延伸方向と直交する方向に屈曲すると形状保持性を有しており、延伸方向が異なる2枚以上の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが接着すると2枚以上の延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸方向により任意の方向への形状保持性が向上し、延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸方向と屈曲方向が同一であっても延伸ポリオレフィン系樹脂シートが割れにくくなる。
【0051】
延伸ポリオレフィン系樹脂シートを積層する方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、接着剤で接着する方法、熱融着する方法等があげられる。特に、延伸ポリオレフィン系樹脂シートに第2のポリオレフィン系樹脂層が積層されている場合は熱融着するのが好ましい。
【0052】
延伸ポリオレフィン系樹脂シートを積層した際の厚みは特に限定されるものではないが、薄くなると形状保持性が低下し、厚くなると変形しにくくなるので積層した延伸ポリオレフィン系樹脂シートの厚みは0.04〜2mmが好ましい。
【0053】
尚、積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートは延伸ポリオレフィン系樹脂シートを積層しているので厚くなると形状保持性が低下するが、90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが20度以下であるのが好ましい。
【0054】
上記積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートが、延伸方向が同一になるように複数の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなる場合は、経糸である積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートと緯糸である積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートは共に長さ方向に延伸されているのが好ましく、こうすることにより経糸と緯糸の延伸方向は直交することになり、従って有する形状保持性の方向も直交することになり、任意の方向に折り曲げて形状保持することができるようになる。
【0055】
請求項5記載のポリオレフィン系樹脂織成シートは、発泡倍率が1.2〜5倍の低発泡合成樹脂シ−トの両面に、請求項1記載の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなる積層低発泡樹脂シートを経糸及び緯糸として織成してなることを特徴とする。
【0056】
上記低発泡合成樹脂シ−トを構成する合成樹脂としては、発泡しうる合成樹脂であればよく、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等があげられるが、延伸ポリオレフィン系樹脂シートと積層した際に形状保持性が低下したり、曲げにくくならない合成樹脂が好ましく、延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成するポリオレフィン系樹脂と同一のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0057】
上記低発泡合成樹脂シ−トの発泡倍率は、小さくなると硬く曲げにくくなり、大きくなると形状保持性が低下するので1.2〜5倍であり、好ましくは1.3〜2倍である。又、低発泡合成樹脂シ−トの厚さは、特に限定されるものではないが、薄くなるとポリオレフィン系樹脂織成シートに厚み性やクッション性を付与することできず、厚くなると形状保持性が低下するので0.5〜5mmが好ましい。
【0058】
上記低発泡合成樹脂シ−トは、低発泡合成樹脂層の両面に未発泡合成樹脂層が積層された積層シートでもよい。この低発泡合成樹脂シ−トの発泡倍率は、低発泡合成樹脂シ−ト全体として1.2〜5倍であり、好ましくは1.3〜2倍である。又、厚さは低発泡合成樹脂シ−ト全体として0.5〜5mmが好ましい。
【0059】
上記低発泡合成樹脂シ−トの製造方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、合成樹脂と化学分解型発泡剤、物理型発泡剤等の発泡剤との混合物を押出発泡することにより製造される。
【0060】
又、上記積層シートの製造方法も、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、合成樹脂と化学分解型発泡剤、物理型発泡剤等の発泡剤との混合物を押出発泡すると共にその両面に未発泡合成樹脂層を共押出することにより製造される。
【0061】
低発泡合成樹脂シ−トの両面に延伸ポリオレフィン系樹脂シートを積層する方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、接着剤で接着する方法、熱融着する方法があげられる。特に、延伸ポリオレフィン系樹脂シートに第2のポリオレフィン系樹脂層が積層されている場合は熱融着するのが好ましい。
【0062】
低発泡合成樹脂シ−トの両面に延伸ポリオレフィン系樹脂シートをそれぞれ1層積層する場合は、両面の延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸方向が90度異なっていると屈曲する際に、屈曲方向と延伸方向が同一の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが割れやすくなり、形状保持性が低下するので、両面の延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸方向は同一方向になるように積層されているのが好ましい。
【0063】
又、2枚以上の複数の延伸ポリオレフィン系樹脂シートを積層してもよく、この場合は前述の積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートが好適に使用できる。
【0064】
上記積層低発泡樹脂シートは、発泡倍率が1.2〜5倍の低発泡合成樹脂シ−トの両面に、請求項1記載の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなるので、形状保持性は請求項1記載の延伸ポリオレフィン系樹脂シートの形状保持性より低下するが、90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが20度以下であるのが好ましい。
【0065】
請求項5記載のポリオレフィン系樹脂織成シートは、上記積層低発泡樹脂シートを経糸及び緯糸として織成してなるポリオレフィン系樹脂織成シートである。織成方法としては、従来公知の任意の方法が採用可能であり、例えば、平織、綾織、朱子織等があげられ、延伸ポリオレフィン系樹脂シートを織成するのであるから平織が好ましい。
【0066】
上記積層低発泡樹脂シートが、低発泡樹脂シートの両面に延伸方向が同一になるようにそれぞれ1枚の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなる場合は、経糸である積層低発泡樹脂シートに積層された延伸ポリオレフィン系樹脂シートと、緯糸である積層低発泡樹脂シートに積層された延伸ポリオレフィン系樹脂シートは共に長さ方向に延伸されているのが好ましく、こうすることにより経糸と緯糸の延伸方向は直交することになり、従って有する形状保持性の方向も直交することになり、任意の方向に折り曲げて形状保持することができるようになる。
【0067】
織成されたポリオレフィン系樹脂織成シートは、お互いに接する経糸である積層低発泡樹脂シートと緯糸である積層低発泡樹脂シートは接着されてもよい。接着する方法は従来公知の任意の方法が採用可能であり、例えば、接着剤で接着する方法、熱融着する方法等があげられる。特に、延伸ポリオレフィン系樹脂シートに第2のポリオレフィン系樹脂層が積層されている場合は熱融着するのが好ましい。
【発明の効果】
【0068】
本発明のポリオレフィン系樹脂織成シートの構成は上述の通りであり、ポリオレフィン系樹脂織成シートを構成する延伸ポリオレフィン系樹脂シートは延伸方向と直角方向に容易に屈曲でき、屈曲した形状で優れた形状保持性を有し且つ機械的強度が高い。
【0069】
本発明のポリオレフィン系樹脂織成シートは、上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートを織成したものであるから、容易に屈曲変形することができ屈曲した形状で形状を保持することができる。又、機械的強度が大きく、通気性を有しているので、農業用被覆材;ルーフィング材、屋外工事現場用保護壁、セメント養生シート、ハウスラッピング等の建築用資材又は土木用資材として好適に使用できる。更に、成形することにより書類用バッグ、衣類用カバー、ヘアーキャップ等の日用雑貨として好適に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
重量平均分子量(Mw)33万、融点135℃の高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製)を、同方向二軸混練押出機(プラスチック工学研究所製)に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて、幅370mm、厚さ2.5mmにシート成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
【0071】
得られたポリエチレン樹脂シートを125℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率9.5倍に圧延し、厚さ0.27mmの圧延ポリエチレン樹脂シートを得た。得られた圧延ポリエチレン樹脂シートを110℃に加熱された熱風加熱式の多段延伸装置(協和エンジニアリング製)にて1.82倍の多段延伸を行い、総延伸倍率17倍、幅280mm、厚さ0.19mmの延伸ポリエチレン樹脂シートを得た。
【0072】
得られた延伸ポリエチレン樹脂シートをピンチロールが設置され、125℃に設定されているライン長19.25mの熱風加熱槽に、入口速度2.75m/minで供給し、出口速度2.75m/minに設定して7分間1次アニールを行い、続いて同様にして2次アニールを行って、アニールされた延伸ポリエチレン樹脂シートを得、その後60℃の恒温槽に供給し、24時間エージングして、エージングされた延伸ポリエチレン樹脂シートを得た。
【0073】
得られた延伸ポリエチレン樹脂シートを幅1cm、長さ15cmに切断し、延伸ポリエチレン樹脂シートの延伸方向と直交するように180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過時の折曲げ戻り角度θを測定したところ、それぞれ4度〜7度であった。
【0074】
得られた延伸ポリエチレン樹脂シートを幅5mmに切断し、得られたテープ状の延伸ポリエチレン樹脂シートを経糸及び緯糸として平織りして、図1及び図2に示したように平織りされたポリエチレン樹脂織成シートを得た。
【0075】
図1は得られたポリエチレン樹脂織成シートを示す平面図であり、図2は図1におけるA−A断面図である。経糸1、1・・及び緯糸2、2・・は共に長さ方向に延伸されており、両者の延伸方向は直交している。得られたポリエチレン樹脂織成シートを図1のA−Aに沿って180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過時の折曲げ戻り角度θを測定したところ4度及び7度であった。
【0076】
(実施例2)
重量平均分子量(Mw)33万、融点135℃の高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製)を、同方向二軸混練押出機(プラスチック工学研究所製)に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて、幅370mm、厚さ2.5mmにシート成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
【0077】
得られたポリエチレン樹脂シートを125℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率9.5倍に圧延し、厚さ0.27mmの圧延ポリエチレン樹脂シートを得た。得られた圧延ポリエチレン樹脂シートを110℃に加熱された熱風加熱式の多段延伸装置(協和エンジニアリング製)にて1.82倍の多段延伸を行い、総延伸倍率17倍、幅280mm、厚さ0.19mmの延伸ポリエチレン樹脂シートを得た。
【0078】
得られた延伸ポリエチレン樹脂シートをピンチロールが設置され、125℃に設定されているライン長19.25mの熱風加熱槽に、入口速度2.75m/minで供給し、出口速度2.75m/minに設定して7分間1次アニールを行い、続いて同様にして2次アニールを行って、アニールされた延伸ポリエチレン樹脂シートを得、その後60℃の恒温槽に供給し、24時間エージングして、エージングされた延伸ポリエチレン樹脂シートを得た。
【0079】
得られた延伸ポリエチレン樹脂シートを幅1cm、長さ15cmに切断し、延伸ポリエチレン樹脂シートの延伸方向と直交するように180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過時の折曲げ戻り角度θを測定したところ、それぞれ4度〜7度であった。
【0080】
得られた延伸ポリエチレン樹脂シートの両面に、線状低密度ポリエチレン樹脂(融点121℃)を押出し、厚さ30μmの線状低密度ポリエチレン樹脂層を積層して厚さ0.25mmの接着剤層を有する延伸ポリエチレン樹脂シートを得た。得られた接着剤層を有する延伸ポリエチレン樹脂シートを幅1cm、長さ15cmに切断し、延伸ポリエチレン樹脂シートの延伸方向と直交するように180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過時の折曲げ戻り角度θを測定したところ、それぞれ4度〜7度であった。
【0081】
得られた接着剤層を有する延伸ポリエチレン樹脂シートを幅5mmに切断し、経糸及び緯糸として平織りして、図1及び図2に示したように平織りされたポリエチレン樹脂織成シートを得た。経糸1、1・・及び緯糸2、2・・におけるポリエチレン樹脂シートは共に長さ方向に延伸されており、両者の延伸方向は直交している。
【0082】
得られたポリエチレン樹脂織成シートを図1のA−Aに沿って180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過時の折曲げ戻り角度θを測定したところ、それぞれ4度〜7度であった。
【0083】
(実施例3)
実施例2で得られた接着剤層を有する延伸ポリエチレン樹脂シートを、延伸方向が同一になるように発泡倍率1.5倍、厚さ0.5mmの低発泡ポリエチレン樹脂シ−トの両面に熱融着し、図3に示した積層低発泡樹脂シートを得た。図3は得られた積層低発泡樹脂シートの断面図であり、低発泡ポリエチレン樹脂シ−ト3の両面に、延伸ポリエチレン樹脂シート4、41が熱融着されている。
【0084】
低発泡ポリエチレン樹脂シ−ト3は、発泡倍率約2倍、厚さ0.3mmの高密度ポリエチレン樹脂層の両面に厚さ0.1mmの未発泡線状低密度ポリエチレン樹脂層が共押出により積層されており、総発泡倍率が1.5倍、厚さが0.5mmであった。
【0085】
得られた積層低発泡樹脂シートを延伸ポリエチレン樹脂シート4、41の延伸方向と直交するように90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過時の折曲げ戻り角度θを測定したところ10度〜15度であった。
【0086】
得られた積層低発泡樹脂シートを幅5mmに切断し、得られたテープ状の積層低発泡樹脂シートを経糸及び緯糸として平織りして、図1及び図2に示したように平織りされたポリエチレン樹脂織成シートを得た。経糸1、1・・及び緯糸2、2・・におけるポリエチレン樹脂シートは共に長さ方向に延伸されており、両者の延伸方向は直交している。
【0087】
得られたポリエチレン樹脂織成シートを図1のA−Aに沿って90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過時の折曲げ戻り角度θを測定したところ10度〜15度であった。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明のポリオレフィン系樹脂織成シートの1例を示す平面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】積層低発泡樹脂シートの1例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0089】
1 経糸
2 緯糸
3 積層低発泡樹脂シート
4 延伸ポリエチレン系樹脂シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下である形状保持性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートを経糸及び緯糸として織成してなることを特徴とするポリオレフィン系樹脂織成シート。
【請求項2】
延伸ポリオレフィン系樹脂シートが、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが延伸倍率5倍以上に一軸延伸されてなることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系樹脂織成シート。
【請求項3】
延伸ポリオレフィン系樹脂シートが、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された後、総延伸倍率が10〜40倍に一軸延伸されてなることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系樹脂織成シート。
【請求項4】
延伸ポリオレフィン系樹脂シートが、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延されてなることを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系樹脂織成シート。
【請求項5】
発泡倍率が1.2〜5倍の低発泡合成樹脂シ−トの両面に、請求項1記載の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなる積層低発泡樹脂シートを経糸及び緯糸として織成してなることを特徴とするポリオレフィン系樹脂織成シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−155755(P2009−155755A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335050(P2007−335050)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000198802)積水成型工業株式会社 (66)
【Fターム(参考)】