説明

ポリグリコリシスされたグリセリドを含有するエアゾール薬処方物

【課題】非クロロフルオロカーボン噴射剤と相溶性であるエアゾール送給用薬処方物、特にそれらの中において有用である賦形剤に関して、ポリグリコリシスされたグリセリドを含む吸入可能な処方物及び製造方法の提供。
【解決手段】(a)薬物、(b)非クロロフルオロカーボン噴射剤および(c)ポリグリコリシスされたグリセリドまたは製薬上許容され得るその誘導体からなるエアゾール送給用製薬組成物、並びに該薬物の不所望な凝集が界面活性剤、保護コロイドまたは補助溶媒の使用なしで防がれるかかる組成物を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非クロロフルオロカーボン噴射剤と相溶性である、エアゾール送給用薬処方物、特にそれらの中において有用である賦形剤に関する。特に本発明は、ポリグリコリシスされたグリセリドを含む吸入可能な処方物であって種々の有利な性質を有する該処方物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
数多くの製薬化合物が優先的に計量投与量吸入(MDI)装置により送給され、しかして該装置において、操作毎に精確な量の薬物を排出させるために高蒸気圧の生理学的に不活性な噴射剤が用いられる。エアゾールまたは吸入器としても知られているこれらのMDI装置は、例えば一時的または慢性のぜん息に苦しんでいる患者の間で広く用いられている。選り抜きの噴射剤は、歴史的に、プロペラント11(トリクロロフルオロメタン)、プロペラント12(ジクロロジフルオロメタン)およびプロペラント114(ジクロロテトラフルオロエタン)のようなクロロフルオロカーボンであってきた。
【0003】
しかしながら、近年、クロロフルオロカーボン(CFC)噴射剤が有害な環境的影響を有すること、並びに特にそれらが保護的な上方大気のオゾン層を害することが、大きな関心事になりつつある。国際的協定(モントリオールプロトコル)下で、CFC噴射剤の使用は、2000年の始まりまでに、多分それより早くに禁止されよう。オゾン枯渇潜在力(ODP)をほとんどまたは全く示さない代用的噴射剤ビヒクルが開発されつつある。かかる代用的噴射剤は2種即ちHFC−134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)およびHFC−227ea(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)を含み、しかしてこれらは無視できるODPを有しそして現在安全性および環境についての試験を受けている。
【0004】
残念なことに、公知のMDI用処方物において一般に用いられる多くの界面活性剤は、これらの新しい非CFC噴射剤と非混和性でありそしてそれ故非相溶性であることが分かっている。かかる界面活性剤は、吸入器の貯蔵槽中において医薬的に活性な化合物の凝集(例えば、“ケーキ化”または結晶化の形態にて)を防ぐため、エアゾール投与時の均一な投薬を容易にするため並びに好都合な呼吸に適した画分(即ち、吸収が行われる肺胞に排出物の大部分が到達しそしてかくして高い肺付着効率をもたらすような粒度分布)を有するエアゾール噴霧排出物を与えるため必要である。この非相溶性を解消するために、非CFC噴射剤に対する補助溶媒(エタノールのような)を含めて界面活性剤を処方物中にブレンドすることが、以前に教示されている。別の提案された手法は、MDI用処方物を界面活性剤の存在下でポリヒドロキシアルコール例えばプロピレングリコールのような低蒸気圧の添加剤で乳化することであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる補助溶媒または添加剤は無論生理学的に活性であり得、またある場合にはMDI用薬物の使用者により許容され得ない。それ故、非CFC系の非オゾン枯渇性噴射剤と相溶性のMDI用処方物であって、補助溶媒または同様な担体添加剤を用いることなく薬粒子の凝集を防ぎ並びに投薬の均一性および好都合な呼吸に適した画分を与える該処方物に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、例えばラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM6、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)WL2609BS、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM8、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)M10、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)NA10、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM12、ラブラソール(Labrasol)(登録商標)(ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM14)および同様なもののような、ポリグリコリシスされたグリセリドが、(i)凝集を防ぎ、(ii)投薬の均一性を与えおよび(iii)界面活性剤または補助溶媒のいずれも必要とすることなく高い肺付着効率をもたらすよう、HFC−134aおよびHFC−227eaのような非オゾン枯渇性噴射剤を利用するMDI処方物を安定化することが可能である、ということが今般見出された。追加的に、該ポリグリコリシスされたグリセリドは、追加的な潤滑剤を必要とすることなくMDI用製品において用いられる弁に対して適切な潤滑性を与え、かくして該製品の全寿命を通じてエアゾール装置の信頼性のある機能を助勢するという予期されない有益性を有する。
【0007】
用いられるかかるポリグリコリシスされたグリセリドの有意的特性は、(i)それらが、薬と化学的に相互作用しない非イオン性界面活性剤であること、(ii)それらが、経口薬送給液状投与形態において以前に用いられていて、それによりそれらの生理学的許容性が確立されていること、(iii)それらの親水性−親油性バランス(HLB)値がソルビタントリオレエート(スパン85)よりもはるかに高く、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)の場合6〜14および興味のあるラブラフィル(Labrafil)(登録商標)製品の場合6〜10(スパン85についての4に比し)の範囲にあること並びに(iv)それらが、HFC134aに高度に可溶であること、である。ポリグリコリシスされたグリセリドを含む非CFC処方物は、(i)界面活性剤を処方物中にブレンドするためのエタノールのような補助溶媒、(ii)ソルビタントリオレエート(スパン85)、ソルビタンモノオレエートおよびオレイン酸のような慣用の界面活性剤または(iii)ナトリウムラウリルサルフェート、コレステロールおよびパルミチン酸のような保護コロイド、の添加を必要とせず、しかしそれでも高い肺付着効率並びに公知のCFC噴射剤処方物でもって得られるものに匹敵し得る呼吸に適した画分を与える。かくして、ポリグリコリシスされたグリセリドを含む非CFC処方物は、MDI送給が好ましいと認められるペプチドおよび非ペプチドの両方の製薬の薬物の送給にとって有用であろう、と予期される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、噴射剤HFC−134a中のシクロスポリンA(25mg/mL)およびラブラファク(Labrafac)(登録商標)を含有する本発明の処方物の薬含有率の均一性を例示する。
【図2】図2は、噴射剤HFC−134a中のシクロスポリンA(25mg/mL)およびラブラファク(Labrafac)(登録商標)(3mg/mL)を含有する本発明の処方物の投与量測定の再現性を例示する。
【図3】図3は、ロイプロリド(10mg/mL)および0.2%ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10および0.05%アスパルテームを含有する本発明の処方物を用いて得られた粒度分布を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一つの側面によれば、例えば吸入および肺吸収によるようなエアゾール送給にとって有用である製薬組成物が開示され、しかして該組成物は、治療的に有効な量の薬物、非クロロフルオロカーボン噴射剤、およびラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM6、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)WL2609BS、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM8、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)M10、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)NA10、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM12またはラブラソール(Labrasol)(登録商標)(ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM14)のようなポリグリコリシスされたグリセリドからなる。該組成物は、随意に、ヌトラスイート(Nutrasweet)(登録商標)(アスパルテーム)のような甘味料および/またはメントールのような味覚遮蔽剤を含み得る。かかる組成物中の噴射剤は、好ましくはフルオロカーボン一層好ましくはHFC−134aまたはHFC−227eaのような非オゾン枯渇性フルオロカーボンである。送給されるべき薬物は、好ましくはLHRH類似体、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、免疫抑制剤または気管支拡張剤である。特に好ましい薬物は、酢酸ロイプロリド、LHRHアンタゴニストAc−D−2−Nal−D−4−Cl−Phe−D−3−Pal−Ser−N−MeTyr−D−Lys(Nic)−Leu−Lys(N−Isp)−Pro−D−Ala−NH(以後“D−2−Nal”)、5−リポキシゲナーゼ阻害剤N−[3−[5−(4−フルオロフェニルメチル)−2−チエニル]−1−メチル−2−プロピニル]−N−ヒドロキシ尿素、免疫抑制剤シクロスポリンA、並びにアドレナリン作用性気管支拡張剤イソプロテレノールおよびアルブテロールを含む(ここにおいて用いられている用語“5−リポキシゲナーゼ阻害剤”または“5−LO阻害剤”は、リューコトリエン生合成に影響を及ぼすことの可能ないずれの生理学的に活性な化合物も指す。)。
【0010】
本発明において用いられるポリグリコリシスされたグリセリドは、約0.001重量%と約10重量%の間の濃度にて好ましくは約0.002重量%と約5重量%の間の濃度にて一層好ましくは0.01重量%と約1重量%の間の濃度にて存在し得る。
【0011】
アスパルテームのような甘味料および/またはメントールのような味覚遮蔽剤もまた各々約0.0001重量%と約10重量%の間の濃度にて存在し得る。
【0012】
本発明を具体化する特に好ましい製薬組成物は、0.05重量%と5重量%の間の濃度の酢酸ロイプロリド、0.01重量%と1重量%の間の濃度のラブラファク(Labrafac)(登録商標)、0.02重量%と0.5重量%の間の濃度のアスパルテームおよび0.01重量%と0.25重量%の間の濃度のメントールからなるものを含む。
【0013】
本発明を具体化する格別に好ましい製薬組成物は、0.125重量%と0.5重量%の間の濃度の酢酸ロイプロリド、0.1重量%と0.5重量%の間の濃度のラブラファク(Labrafac)(登録商標)、0.05重量%と0.2重量%の間の濃度のアスパルテームおよび0.025重量%と0.1重量%の間の濃度のメントールからなるものである。
【0014】
本発明を具体化する別の格別に好ましい製薬組成物は、0.5重量%と2重量%の間の濃度の酢酸ロイプロリド、0.2重量%と1重量%の間の濃度のラブラファク(Labrafac)(登録商標)、約0.1重量%の濃度のアスパルテームおよび約0.05重量%の濃度のメントールからなるものである。
【0015】
本発明の更なる側面において、液相の非クロロフルオロカーボンエアゾール噴射剤中の薬物の粒子の安定な懸濁液を製造する方法が開示され、しかして該方法は、(a)該薬物、該噴射剤、および該粒子の凝集を防ぐのに十分な量のポリグリコリシスされたグリセリドを一緒にして混合物を形成させ、そして(b)該混合物をかきまぜてそれらの種々の成分を完全にブレンドすることからなる(添加の順序は、択一的に、該薬物と該ポリグリコリシスされたグリセリド、または該噴射剤と該ポリグリコリシスされたグリセリド、または該薬物と該噴射剤が最初に混合された後第3の成分が添加されるよう変えられ得る。)。好ましくは、ポリグリコリシスされたグリセリドが、約0.001重量%と約5重量%の間の量にて添加され得る。一層好ましくは、ポリグリコリシスされたグリセリドは、約0.01重量%と約1重量%の間の量にて添加され得る。本発明の方法において用いるのに適した噴射剤、薬物およびポリグリコリシスされたグリセリドは、本発明の製薬組成物に関連して上記に記載されたものである。
本発明の詳細な記載
数多くの非オゾン枯渇性エアゾール噴射剤が本発明の組成物および方法に関して用いられ得る、と予想される。これらは、上記に記載されたHFC−134aおよびHFC−27eaのみならず、HCFC−123(1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタン)、HCFC−124(1,1,1,2−テトラフルオロクロロエタン)、HCFC−141b、HCFC−225、HFC−125、FC−C51−12(ペルフルオロジメチルシクロブタン)、ダイメル(DYMEL)A(ジメチルエーテル)およびダイメル(DYMEL)152a(1,1−ジフルオロエタン)のような一般的にハロゲン化アルカンを含む。好ましい噴射剤はHFC−134aおよびHFC−27eaであり、しかしてHFC−134aが格別に好ましい。
【0016】
ここにおいて用いられている用語“ポリグリコリシスされたグリセリド”は、約200ないし約2000の範囲の相対分子量のポリエチレングリコールを用いる水素添加植物油の部分アルコーリシスによりもしくは約200ないし約2000の範囲の相対分子量のポリエチレングリコールおよびグリセロールを用いる脂肪酸のエステル化により得られた、モノ、ジおよびトリグリセリドおよびポリエチレングリコールモノおよびジエステルの特定的混合物を指す。本発明のポリグリコリシスされたグリセリドは、6および14を含めて6と14の間の親水性−親油性バランス(HLB)値を有する。遊離グリセロール含有率は、3%未満である。適当なポリグリコリシスされたグリセリドの例は、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM6、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)WL2609BS、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM8、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)M10、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)NA10、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM12、ラブラソール(Labrasol)(登録商標)(ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM14)および同様なものを含む。
【0017】
ポリグリコリシスされたグリセリドの例は、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM6、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)WL2609BS、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM8、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)M10、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)NA10、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM12およびラブラソール(Labrasol)(登録商標)(ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM14)を含む。6および14を含めて6と14の間のHLB値を有しかつ中位の鎖(C〜C10)のトリグリセリドを含有する好ましいポリグリコリシスされたグリセリドは、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM6、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM8、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM12およびラブラソール(Labrasol)(登録商標)(ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM14)である。これらのうち、格別好ましくて本発明を実施する最良の態様とみなされるものは、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10であるポリグリコリシスされたグリセリドである。
【0018】
上記のポリグリコリシスされたグリセリドの類似体および誘導体は、本発明の組成物および方法において用いるために適合し得るものとして同定されるであろう、ということも予想される。これらの類似体および誘導体が該ポリグリコリシスされたグリセリドに構造上同様であるかもしくは該ポリグリコリシスされたグリセリドの化学的変性により容易に得られる一方、該ポリグリコリシスされたグリセリドの物理的性質を実質的に保持している限り、かかる類似体および誘導体は、本発明の組成物および方法の中に含まれるよう意図されている。
【0019】
本発明の組成物および方法は種々様々なペプチドおよび非ペプチドの薬の投与のために適するであろう、と予想される。このやり方で送給され得るペプチドの例は、リンフォカイン、ムラミルジペプチド(MDP)、γ−インターフェロン、およびインターフェロンaおよびbのようなインターフェロンおよび他のマクロファージ活性化因子、並びに関連の抗ウイルス剤および殺腫瘍剤,エンカファリン、エンドルフィンおよびダイノルフィンのようなオピオイドペプチドおよび神経ペプチド、並びに関連鎮痛剤,新世代の抗高血圧剤を含めてレニン阻害剤,CCK、セルレチドおよびエレドイシンのようなコレシストキニン(CCK類似体)、並びに関連の心臓血管およびCNSを標的とする薬剤,オキシトシンのようなリューコトリエンおよびプロスタグランジン、並びに関連の抗炎症性、子宮収縮性および流産促進性の化合物,エリトロポイエチンおよびその類似体、並びに関連造血剤,ロイプロリド、ブセレリンおよびナファレリンのようなLHRH類似体、並びに関連の下垂体のレセプターのダウンレギュレーション剤,副甲状腺ホルモンおよび他の成長ホルモン類似体,DNアーゼ、カタラーゼおよびアルファ−1−抗トリプシンのような酵素,シクロスポリンのような免疫抑制剤,GM−CSFおよび他の免疫調節剤,並びにインシュリンである。かかるペプチドまたはペプチド類似体は、しばしば、経口的に与えられるとき十分には吸収されない。本発明の処方物において用いるために好ましい薬物は酢酸ロイプロリドである。
【0020】
本発明の組成物および方法を用いて容易に送給され得る非ペプチドの例は、イソプロテレノール、アルブテロール、イソエテリンおよびメトプロテロノールのようなベータ−アゴニスト、並びに関連抗ぜん息剤,フルニソリドのようなステロイド、および同様な抗ぜん息剤,クロモリンのようなコリン作用剤、並びに関連抗ぜん息剤,並びにジロイトンおよび上記に記載されたヒドロキシ尿素化合物のような5−リポキシゲナーゼ阻害剤、並びに関連リューコトリエン阻害剤である。かかる非ペプチドは経口投与に役立ち得るが、しかし吸入により与えられるときアレルギー性の気道病およびぜん息の場合気管支収縮の速やかな逆転をもたらすことが分かる。また、これらの化合物は、経口的に与えられるときよりも頻繁にMDI用処方物として投与され得る。
【0021】
本発明の組成物において有用な薬物は、上記において特定的に名前を挙げたもののみならず、適切な場合製薬上許容され得るそれらの塩、エステル、アミドおよびプロドラッグを含む。“製薬上許容され得る塩、エステル、アミドおよびプロドラッグ”は、堅実な医学的判断の範囲内で、不適当な毒性、刺激、アレルギー反応および同様なものが妥当な有益性/リスクの比率と釣り合って目的の使用にとって有効であるとして、ヒトおよびより下等動物の組織と接触して用いるために適当であるような、化合物のカルボキシレート塩、アミノ酸付加塩、エステル、アミドおよびプロドラッグを意味する。特に、用語“塩”は、医薬用化合物の比較的無毒性の無機および有機酸付加塩を指す。これらの塩は当該化合物の最終的単離および精製中その場で製造され得、もしくは遊離塩基の形態の精製された当該化合物を別個に適当な有機または無機酸と反応させそしてかくして形成された塩を単離することにより製造され得る。代表的な塩は、臭化水素酸塩、塩化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシレート塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフトエ酸塩、メシレート塩、グルコヘプトン酸塩、ラクチオビオン酸塩およびラウリルスルホン酸塩、並びに同様なものを含む。これらは、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよび同様なもののようなアルカリおよびアルカリ土類金属に基づくカチオン、並びにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンおよび同様なものを含めて(しかし、これらに制限されない。)無毒性のアンモニウム、第4級アンモニウムおよびアミンのカチオンを含み得る(例えば「エス・エム・ベルゲ等,“製薬用塩”,ジェイ・ファーム・サイ(J.Pharm.Sci.),66:1〜19(1977)」(参照によりここにおいて組み込まれる。)を参照。)。
【0022】
化合物の製薬上許容され得る無毒性エステルの例は、アルキル基が直鎖または分枝鎖である(C〜Cアルキル)エステルを含む。許容され得るエステルはまた、(C〜Cシクロアルキル)エステル、並びにベンジルのような(しかし、これに制限されない。)アリールアルキルエステルを含む。(C〜Cアルキル)エステルが好ましい。
【0023】
医薬用化合物の製薬上許容され得る無毒性アミドの例は、アンモニア、第1級(C〜Cアルキル)アミンおよび第2級(C〜Cジアルキル)アミン(ここで、アルキル基は直鎖または分枝鎖である。)から誘導されるアミドを含む。第2級アミンの場合、該アミンはまた、1個の窒素原子を含有する5員または6員の複素環の形態にあり得る。アンモニアから誘導されるアミド、(C〜Cアルキル)第1級アミドおよび(C〜Cジアルキル)第2級アミドが好ましい。本発明の化合物のアミドは、慣用の方法により製造され得る。
【0024】
用語“プロドラッグ”は、例えば血液中で加水分解によってのように、生体内で速やかに変換されて母医薬用化合物(parent medicinal compound)を生じる化合物を指す。十分な論議が、「ティー・ヒグチおよびブイ・ステラ,“新規な送給系としてのプロドラッグ”,エイ・シー・エス・シンポジウム・シリーズ(A.C.S.Symposium Series)の第14巻」および「バイオリヴァーシブル・キャリヤーズ・イン・ドラッグ・デザイン(Bioreversible Carriers in Drug Design),エドワード・ビー・ロッチェ編,アメリカン・ファーマスーティカル・アソシエーション・アンド・パーガモン・プレス(1987)」(これらの両方共、参照によりここにおいて組み込まれる。)において与えられている。
【0025】
上記の組成物において用いられるとき、治療的有効量の本発明の薬物は、純粋な形態にてもしくは製薬上許容され得る塩、エステルまたはプロドラッグの形態(かかる形態が存在する場合)にて用いられ得る。“治療的有効量”の薬物は、医学的処置に適用可能な妥当な有益性/リスクの比率にて意図された治療的有益性を得るのに十分な量の当該化合物を意味する。しかしながら、本発明の薬物および組成物の毎日の総使用量は、堅実な医学的判断の範囲内で担当医により決定されるであろう、と理解されよう。特定の患者についての特定の治療的に有効な投与量レベルは、処置される疾患および疾患の重さ,用いられる特定の化合物の活性,用いられる特定の組成物,患者の年令、体重、全般的な健康度、性別および食事,投与の時機、投与の経路、および用いられる特定の化合物の排泄速度,処置の継続時間,用いられる特定の化合物と組み合わせてまたは同時に用いられる薬,並びに医学的技術において周知の同様な因子を含めて、種々の因子に左右されよう。例えば、所望の治療効果を達成するのに必要とされるよりも低いレベルにて投与量を始め、そして所望効果が達成されるまで投与量を徐々に増加することは、十分当該技術の技法内にある。
【0026】
本発明でもって用いるために意図されている薬物の毎日の総投与量、並びに従って各組成物中の該薬物の重量濃度は、広範に変動し得る。酢酸ロイプロリドのようなLHRH類似体の場合、意図された毎日の投与量は、約0.01〜約5mg/日の範囲にあり得る。従って、エアゾール吸入器が約5μLと約250μLの間の排出容量でもって毎日数回用いられることになっている場合、薬物の濃度は約0.2mg/mLと約20mg/mLの間にあろう。同様に、約0.01mg/kg/日ないし約10mg/kg/日の範囲の毎日の投与量にて投与されることが予想される5−リポキシゲナーゼ阻害剤の場合、その濃度は約0.001mg/mLと約100mg/mLの間にあろう。無論、これらの範囲外の薬物濃度もまた、異なる効力、投薬頻度および排出容量が用いられる場合適当であり得る。
【0027】
本発明の組成物は、ポリグリコリシスされたグリセリドを、所望の粒子サイズまで粉砕されたまたは他のやり方で減じられた薬物と一緒にし、そしてこの混合物を適当なエアゾール容器またはバイアル中に入れることにより調製され得る。この容器を封鎖した後、エアゾール噴射剤が導入されそしてこの系がかきまぜられてそれらの成分を完全にブレンドする。その代わり、ポリグリコリシスされたグリセリドおよび薬物が、噴射剤の添加の前または後のいずれかにおいて一緒に粉砕され得る。ある場合には、例えば薬物が液相のエアゾール噴射剤と混合されながら粉砕されるのを可能にする温度および圧力の条件下でのように、薬物を閉鎖系にて湿式粉砕することが必要であり得る。薬物、噴射剤およびポリグリコリシスされたグリセリドのいかなる特定の組合わせについても、成分の理想的順序並びにそれらが一緒にされるべき条件は容易に決定され得る、と予想される。
【0028】
本発明の組成物および方法は次の例と関連して一層十分理解されるであろうが、それらの例は本発明の例示として意図されているのであって、本発明の範囲の制限として意図されていない。以下においておよび本明細書全体を通じても、利用され得る文献への引用は参照により明示的に組み込まれることが意図されている。
【実施例】
【0029】
例1
ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10の特性
ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10は、中位の鎖(C8〜C10)のポリグリコリシスされたグリセリドであり、そして約10の親水性−親油性バランス値を有する。それは、微臭およびガードナースケールで<5の色を有する油状の液体である。20℃における比重は、1.000〜1.040である。20℃における屈折率は、1.430〜1.485である。20℃における粘度(mPa.s)は、20〜90である。20℃における溶解度:エタノール(H2O中95%),非常に可溶;クロロホルム,非常に可溶;メチレンクロライド,非常に可溶;水,分散可能;鉱油,不溶;植物油,非常に可溶。化学的特性:酸価(mgKOH/g),<2.00;ケン化価(mgKOH/g),160〜200;ヨウ素価(gI2/100g),<2;ヒドロキシル価(mgKOH/g),115〜155;過酸化物価(meqO/kg),<12.5;アルカリ不純物(ppmMaOH),<80;水含有率(%),<1.00;遊離グリセロール含有率(%),<3.0;モノグリセリド含有率(%),<15.0;硫酸灰分(%),<0.10;重金属(ppmPb),<10。
【0030】
例2
ラブラファク(Labrafac)(登録商標)を含有するMDI用処方物の物理的安定性
HFA−134aでもって調製された数種のMDI用処方物の物理的安定性に対するラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10の効果の決定を、次のように行った。ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10(ニュージャージー州ウエストウッドのガッテホッセ社)および処方される薬の各々を、示された量にて適切な透明なエアゾール容器(バイアル)中において一緒にした(酢酸ロイプロリドおよびその製造は、1977年1月25日に発行された米国特許第4,005,063号(参照によりここにおいて組み込まれる。)に記載されている。)。追加的に、該バイアルのいくつかに、甘味料アスパルテーム(イリノイ州スコキーのヌトラスイート・コープ社)を、0.2重量%の最終濃度をもたらすべき量にて添加した。該バイアルの端を曲げそしておおよそ10mLのHFC−134aを装填し、そしてかきまぜて成分をブレンドした。各調製物における分散品質を、次の基準を用いて24時間後目視的に評価した。即ち、
不良:相分離,上相は透明、底相は固形物を含有
普通:部分的相分離,上相において曇り
良好:粒状の外観,相分離なし
優秀:乳状の均質な外観,相分離なし
これらの試験の結果は、下記に表1および2において示されている。得られたデータは、本発明の処方物が24時間後さえ高い分散度を維持していることを示している。それらに比べて、試験化合物の各々の対照処方物(ポリグリコリシスされたグリセリドなしで調製された。)は許容され得ない分散品質(各場合において30秒未満後明白であった。)を有することが分かる。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
種々の分散剤の更なる比較を、前記のように行った。表3において示されているそれらの結果は、24時間後の本発明の処方物の分散品質が他の公知の分散剤を用いて得られた分散品質よりも優れていることを実証している。
【0034】
【表3】

【0035】
例3
性能試験のためのMDI用処方物の調製
各試験処方物について、7gと12gの間のガラスビーズを、100mgないし250mgの薬、所望の最終濃度をもたらすのに必要とされる量のラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10およびアスパルテームと共に、適当なガラス製エアゾール容器(バイアル)中に入れた。これらのバイアルの端を曲げて50μLまたは100μLのいずれかの送給値(1回のスプレー当たりの容量)を有する弁でもって閉じ、そして次いで10mLのHFA−134a噴射剤を装填した。これらの満たされたバイアルを次いで24時間振とうして薬を粉砕かつ分散させ、その後試験を下記に記載のように試験管内でまたは生体内で行った。
【0036】
例4
ロイプロリドを含有する組成物のMDI送給の均一性
ロイプロリドを含有する本発明の組成物の送給均一性および物理的安定性を、次のように試験した。各バイアルを振とうし、そして連続して5回エアゾール化することによりその弁を作動準備し、その後このバイアルを計量した。次いで各バイアルの弁を10回作動させた後、もう一度計量した。このプロセスを、噴射重量が100回のスプレーについて決定されるまで繰り返した。
【0037】
下記に表4において示されている噴射重量のデータは、本発明の組成物がMDI装置により送給される均一性を実証している。
【0038】
【表4】

【0039】
例5
シクロスポリンAを含有する組成物のMDI送給の均一性
シクロスポリンAを含有する本発明の組成物の送給均一性および物理的安定性を、次のように試験した。シクロスポリンAを上記に記載のように処方して、25mg/mlのシクロスポリンおよび示されているように3mg/mlまたは5mg/mlのいずれかのラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10を含有する組成物を作った。各バイアルを振とうし、そして連続して5回エアゾール化することによりその弁(1回のスプレー当たり0.1mlを送給する。)を作動準備し、その後このバイアルを計量した。次いで各バイアルの弁を10回作動させた後、もう一度計量した。このプロセスを、噴射重量が70回のスプレーについて決定されるまで繰り返した。
【0040】
図1において示されている薬含有率の均一性は、スプレーの回数に対してプロットされた10回のスプレー当たりのmgとして送給された薬の量を示す。これらの結果は、45回のスプレーを通じての値すべてが所望の目標範囲内に入ることにおいて本発明の組成物がMDI装置により送給される均一性を実証している。45回のスプレー後(即ち、“テールオフ(次第的消失)”中)のみ、値が下方の目標未満に落ちる。
【0041】
例6
シクロスポリンAを含有する組成物の投与量測定の再現性
シクロスポリンAを含有する本発明の組成物の投与量測定の再現性を、次のように試験した。シクロスポリンAを上記に記載のように処方して、HFC−134a中において25mg/mlのシクロスポリンおよび3mg/mlのラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10を含有する組成物を作った。各バイアルを振とうし、そして連続して5回エアゾール化することによりその弁(1回のスプレー当たり0.1mlを送給する。)を作動準備した。次いで、日数0において、各バイアルの弁をメタノールの入ったビーカー中に沈めそして5回作動させた後、送給された薬の量を定量HPLCを用いて検定した。このプロセスを、各バイアルについて日数3、7、10および12において繰り返した。
【0042】
図2において示されている結果は、3種の試験処方物の各々についてサンプリング日の各々において送給された薬の量を示す。これらの結果は、目標投与量との緊密な相関関係を実証しており、また本発明により達成される優秀な投与量の再現性を実証している。
【0043】
例7
ラブラファク(Labrafac)(登録商標)を含有するMDI用組成物の生物学的利用能
HFC−134a噴射剤中において10mg/mLの薬、0.2%(重量)のラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10および0.05%(重量)のアスパルテームを含有するロイプロリドの試験製剤を用いて、エアゾールで送給される薬の生物学的利用能を、静脈内に(IV)に送給される水性対照処方物および0.5%のソルビタントリオレエート(スパン85,NDA商用銘柄)を含有するCFC処方物の生物学的利用能と比較した。各グループについて、3頭または4頭の気管切開されたビーグル犬(4才の雌,マーシャル・ラブズ社)を用いた。IVグループの犬に対して、0.1mg/kgの薬を、水中60%PEG400(ポリエチレングリコール,ウエストバージニア州インスティテュートのユニオン・カーバイド・カンパニー社)中の1mg/mLの溶液として、1分間の時間をかけて静脈内に与えた。エアゾールグループの犬に対して、0.3mg/kgの薬を、送給される試験処方物を気管中にスプレーすることにより投与した。血液サンプルを特記された時間間隔にて採集し、そして高性能液体クロマトグラフィーを用いて薬濃度について分析した。
【0044】
下記に表5において示されているこれらの調査の結果は、本発明のMDI用処方物を用いて薬が有効的に投与されることを実証している。特に、エアゾール化された薬の24時間の期間にわたる生物学的利用能は、曲線下の面積(AUC)の算出に基づいて、静脈内に送給された同じ量の生物学的利用能の〜95%であった。薬の非吸収的損失(例えば、投薬装置における損失、気管におけるスプレーの慣性圧着、および吐き出された空気での放逐に因るような)について補正されるとき、正味の生物学的利用能は、静脈内投与を用いて得られる生物学的利用能の90%を越える。
【0045】
【表5】

【0046】
例8
ラブラファク(Labrafac)(登録商標)を含有する MDI用ロイプロリド組成物の呼吸に適した画分
フラウンホーファー光回折原理に基づいた方法を用いる光散乱により、粒子の分級を行った。すべてのサイズ級からの代表的なランダムに配向されたサンプルが測定されることを確実にするために合計200回掃く(sweeping)ことにより、参照標準分散体に関する粒子サイズデータを集めた。エアゾール化スプレーとして調製されたサンプルを、参照標準物並びに多数のロットのロイプロリドおよびデキストロースの処方物について測定した。すべてのサンプルについて、分布を解析するために対数正規モデルを用いた。
【0047】
呼吸に適した画分(RF)の測定を、粒度分布データから行った。この用語は、肺の周辺域において付着するべき生物物理学的測定から推定された薬の画分を指す。呼吸に適した画分は、直径が4.7μm未満である薬のmgでの量を、スプレーされた薬のmgでの総量で割ったものである。この画分は100倍されて、百分率としてのRFが与えられる。
【0048】
試験処方物は、0.2%(重量)のラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10および0.05%(重量)のアスパルテームを含有する10mg/mLの濃度を有するロイプロリドエアゾールであった。粒子サイズを、所与の粒子サイズにおけるまたはそれ未満における百分率に対してプロットした。それらの結果は、図3において示されている。好都合な呼吸に適した画分は、吸収が行われる肺胞に排出物の大部分が到達しそしてかくして高い肺付着効率をもたらすような粒度分布を有する。理想的な呼吸に適した範囲は、0.5μmと4.7μmの間である。データは、処方物の55%が呼吸に適した範囲内に入ることを示している。これは、該範囲内に25%しか入らない先行技術の多くの処方物と比較され得る。
【0049】
前記の詳細な記載および付随の例は単なる例示であり、本発明の範囲を制限するものと取られるべきでなく、しかして本発明の範囲は専ら添付の請求の範囲およびそれらの等価物により画定される、と理解される。開示された具体的態様の種々の変更および改変が、当業者に明らかであろう。かかる変更および改変は、本発明の代替物、製造手段および/または使用方法に関するものを無制限に含めて、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物、非クロロフルオロカーボン噴射剤およびポリグリコリシスされたグリセリドからなる、エアゾール送給用製薬組成物。
【請求項2】
噴射剤がハロゲン化アルカンである、請求の範囲第1項に記載の製薬組成物。
【請求項3】
噴射剤が、HFC−134aおよびHFC−227eaから成る群から選択される、請求の範囲第2項に記載の製薬組成物。
【請求項4】
ポリグリコリシスされたグリセリドが約6と約14の間の親水性−親油性バランス(HLB)を有する、請求の範囲第1項に記載の製薬組成物。
【請求項5】
ポリグリコリシスされたグリセリドが、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM6、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)WL2609BS、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM8、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)M10、ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)NA10、ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM12およびラブラソール(Labrasol)(登録商標)(ラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM14)から成る群から選択される、請求の範囲第2項に記載の製薬組成物。
【請求項6】
ポリグリコリシスされたグリセリドが約0.002重量%と約5重量%の間の濃度にて存在する、請求の範囲第2項に記載の製薬組成物。
【請求項7】
ポリグリコリシスされたグリセリドが約0.01重量%と約1重量%の間の濃度にて存在する、請求の範囲第2項に記載の製薬組成物。
【請求項8】
薬物が、LHRH類似体、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、免疫抑制剤および気管支拡張剤から成る群から選択される、請求の範囲第2項に記載の製薬組成物。
【請求項9】
薬物が、酢酸ロイプロリド、Ac−D−2−Nal−D−4−ClPhe−D−3−Pal−Ser−N−MeTyr−D−Lys(Nic)−Leu−Lys(N−Isp)−Pro−D−Ala−NH、シクロスポリンA、アルブテロールおよびイソプロテレノールから成る群から選択される、請求の範囲第2項に記載の製薬組成物。
【請求項10】
薬物が酢酸ロイプロリドである、請求の範囲第3項に記載の製薬組成物。
【請求項11】
噴射剤がHFC−134aである、請求の範囲第8項に記載の製薬組成物。
【請求項12】
ポリグリコリシスされたグリセリドが約0.01重量%と約1重量%の間の濃度にて存在する、請求の範囲第10項に記載の製薬組成物。
【請求項13】
約0.05重量%と約5重量%の間の濃度の酢酸ロイプロリド、約0.01重量%と約1重量%の間の濃度のラブラファク(Labrafac)(登録商標)、約0.02重量%と約0.5重量%の間の濃度のアスパルテームおよび約0.01重量%と約0.25重量%の間の濃度のメントールからなる、請求の範囲第9項に記載の製薬組成物。
【請求項14】
約0.125重量%と約0.5重量%の間の濃度の酢酸ロイプロリド、約0.1重量%と約0.5重量%の間の濃度のラブラファク(Labrafac)(登録商標)、約0.05重量%と約0.2重量%の間の濃度のアスパルテームおよび約0.025重量%と約0.1重量%の間の濃度のメントールからなる、請求の範囲第9項に記載の製薬組成物。
【請求項15】
約0.5重量%と約2重量%の間の濃度の酢酸ロイプロリド、約0.2重量%と約1重量%の間の濃度のラブラファク(Labrafac)(登録商標)、約0.1重量%の濃度のアスパルテームおよび約0.05重量%の濃度のメントールからなる、請求の範囲第9項に記載の製薬組成物。
【請求項16】
液相の非クロロフルオロカーボンエアゾール噴射剤中の薬物の粒子の安定な懸濁液を製造する方法であって、次の工程即ち
(a)該薬物、該噴射剤、および該粒子の凝集を防ぐのに十分な量のポリグリコリシスされたグリセリドを一緒にして混合物を形成させ、そして
(b)該混合物をかきまぜる
ことからなる上記方法。
【請求項17】
ポリグリコリシスされたグリセリドが約0.002重量%と約5%の間の量にて添加される、請求の範囲第16項に記載の方法。
【請求項18】
ポリグリコリシスされたグリセリドが約0.01重量%と約1%の間の量にて添加される、請求の範囲第16項に記載の方法。
【請求項19】
薬物が、LHRH類似体、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、免疫抑制剤および気管支拡張剤から成る群から選択される、請求の範囲第16項に記載の方法。
【請求項20】
噴射剤がハロゲン化アルカンである、請求の範囲第19項に記載の方法。
【請求項21】
噴射剤がHFC−134aおよびHFC−227eaから成る群から選択される、請求の範囲第16項に記載の方法。
【請求項22】
薬物が、酢酸ロイプロリド、Ac−D−2−Nal−D−4−ClPhe−D−3−Pal−Ser−N−MeTyr−D−Lys(Nic)−Leu−Lys(N−Isp)−Pro−D−Ala−NH、シクロスポリンA、アルブテロールおよびイソプロテレノールから成る群から選択される、請求の範囲第16項に記載の方法。
【請求項23】
ポリグリコリシスされたグリセリドがラブラファク(Labrafac)(登録商標)CM10である、請求の範囲第16項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−47587(P2010−47587A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−236134(P2009−236134)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【分割の表示】特願平8−508793の分割
【原出願日】平成7年8月16日(1995.8.16)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】