説明

ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

【課題】ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる成形品の振動疲労特性を改良する。
【解決手段】重量平均分子量(Mw)が70000〜130000でありかつ、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が3.50〜6.50のポリフェニレンエーテル樹脂(A)5〜95質量部、スチレン系樹脂(B)0〜90質量部、シラン化合物で表面処理した無機フィラー(C)5〜60質量部、を含有してなるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂およびシラン化合物で表面処理した無機フィラーからなり、無機フィラー、特にガラス繊維との密着性に優れると共に、耐熱性、成形流動性、機械物性、振動疲労特性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリフェニレンエーテル系樹脂は耐熱性、耐酸アルカリ性、耐熱水性等が優れるため、水回り、特にポンプ部品に使用されてきた。これらのポンプ部品は曲げ強度、引張強度、耐衝撃性等の一般的な機械物性の他に、長期間に渡る繰り返し応力に耐えるための振動疲労特性に優れることも要求され、無機フィラー、特にガラス繊維を配合したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が多く用いられている。近年、地下水くみ上げや床暖房、24時間風呂等の水周りに使用されるポンプのカバー、ケーシング、インペラー等の用途においては、よりいっそう優れた振動疲労特性や長期熱水安定性が付与された材料が望まれるようになっている。
【0003】
従来、ポンプ部品に使用するポリフェニレンエーテル系樹脂組成物において、その機械物性や振動疲労特性を向上させるために無機フィラー、特にガラス繊維の配合量を増やしたり、使用するガラス繊維の繊維径を極力細いものを使用したり、ガラス繊維長をなるべく長く保持するような押出条件で生産するなどの方法が行われてきたが、これらの方法は生産性の低下や、成形時の成形流動性や成形品外観の低下を招くなどの問題もあった。またシラン化合物で表面処理した無機質充填剤を用いて、不飽和カルボン酸等で官能化されたポリフェニレンエーテル樹脂を配合することにより、無機質充填剤表面と樹脂成分との界面密着性が改良されて曲げ強度、引張強度、耐衝撃性等の機械物性や耐久性が優れ、ポンプ部品用途に適したポリフェニレンエーテル系強化樹脂組成物を得るための技術が既に開示されている(例えば特許文献1、2参照)。
これらの方法により、ある程度の機械物性と振動疲労特性の改良が可能ではあったが必ずしも十分ではなく、より高度な要求には更なる改良が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】特開平5−148416号公報
【特許文献2】特開平11−1609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ジェットバス、浄水器、地下水くみ上げや床暖房等の水回りにおいて有効に使用可能な耐熱性と成形流動性とのバランス、引張強度、曲げ強度、耐衝撃性等の機械物性および、振動疲労特性に優れた、ポリフェニレンエーテル系樹脂と無機フィラーからなる無機フィラー、特にガラス繊維との密着性の改良されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、無機フィラー、特にガラス繊維で強化したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物において、成形流動性をさほど低下させることなく、耐熱性や機械物性、振動疲労特性に優れるポンプ部品用樹脂組成物を開発するために鋭意検討した結果、特定範囲の重量平均分子量および、特定範囲の重量平均分子量と数平均分子量の比を有するポリフェニレンエーテル樹脂を配合することにより、無機フィラー、特にガラス繊維との密着性が改良されて、成形流動性と耐熱性のバランスに優れ、かつ引張強度、曲げ強度、曲げ弾性
率、更には振動疲労特性が著しく改良されて、なおかつポンプ部品として有効に使用することが可能であることを見出し、本発明を提供できるに至った。
【0007】
即ち、本発明は、
〔1〕重量平均分子量(Mw)が70000〜130000でありかつ、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が3.50〜6.50のポリフェニレンエーテル樹脂(A)(以下(A)成分)5〜95質量部、スチレン系樹脂(B)(以下(B)成分)0〜90質量部、シラン化合物で表面処理した無機フィラー(C)(以下(C)成分)5〜60質量部、を含有してなるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
〔2〕前記(A)成分が、事前に二軸押出機で押出されたペレット形状であることを特徴とする、上記〔1〕に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
〔3〕前記(A)成分が、スラリー析出重合法で重合して得られた粉体状であることを特徴とする、上記〔1〕または〔2〕に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
【0008】
〔4〕前記(A)成分が、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体であることを特徴とする、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
〔5〕前記(A)成分が、2,6−ジメチルフェノール65〜95質量%と2,3,6−トリメチルフェノール35〜5質量%とを重合してなるポリフェニレンエーテル共重合体であることを特徴とする、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
〔6〕前記(C)成分の無機フィラーがガラス繊維であることを特徴とする、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物、
〔7〕上記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる、ポンプ部品、
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は無機フィラー、特にガラス繊維との密着性が良好で、耐熱性と流動性のバランス、振動疲労特性に優れ、特に井戸、床暖房の水回りポンプ部品として有効に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を更に詳細に説明する。
本発明の(A)成分である、ポリフェニレンエーテル樹脂とは、次に示す一般式(1)を繰り返し単位とし、構成単位が一般式(1)の〔a〕または〔b〕からなる単独重合体、あるいは共重合体が使用できる。
【0011】
【化1】


(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6は炭素1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲン、水素等の一価の残基であり、R5,R6は同時に水素ではない)
【0012】
ポリフェニレンエーテルの単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のホモポリマーが挙げられ、その中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましい。
【0013】
ポリフェニレンエーテル共重合体としては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体あるいは2,3,6−トリメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体等、ポリフェニレンエーテル構造を主体としてなるポリフェニレンエーテル共重合体を包含する。その中でも、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、物性改良の観点から2,6−ジメチルフェノール95〜65質量%と2,3,6−トリメチルフェノール5〜35質量%とを共重合して得られたものがより好ましく、更には2,6−ジメチルフェノール90〜70質量%と2,3,6−トリメチルフェノール10〜30質量%とを共重合して得られたものが特に好ましい。
【0014】
また、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂には、本発明の主旨に反しない限り、他の種々のフェニレンエーテルユニットを部分構造として含んでいても構わない。これらフェニレンエーテルユニットとしては、例えば、特開平01−297428号公報及び特開昭
63−301222号公報に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや、2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等が挙げられる。
また、ポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖中にジフェノキノン等が少量結合したものも含まれる。
更に例えば、その一部または全部を不飽和カルボン酸或いはその官能的誘導体で変性した官能化ポリフェニレンエーテルで置き換えることも可能である。この場合、変性は不飽和カルボン酸やその官能的誘導体の中の1種により行われても良いし、2種以上の組み合わせによって行われても良い。
【0015】
本発明の(A)成分であるポリフェニレンエーテル樹脂の、本発明組成物中の重量平均分子量(Mw)は70000〜130000の範囲から選ばれる。好ましくは80000〜120000であり、より好ましくは85000〜110000の範囲である。十分な振動疲労特性改良の観点から70000以上が望ましく、成形加工性の観点から130000以下が望ましい。
本発明の(A)成分であるポリフェニレンエーテル樹脂の、本発明組成物中における重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は3.50〜6.50の範囲から選ばれる。好ましくは4.00〜6.00であり、より好ましくは4.40〜5.80の範囲である。成形流動性と耐熱性のバランス、振動疲労特性改良の観点から3.50以上が望ましく、十分な機械物性保持の観点から6.50以下が望ましい。
【0016】
本発明における(A)成分の使用形態は、重合後の乾燥粉体をそのまま使用しても特に問題ないが、取扱性や振動疲労特性向上の観点から予め二軸押出機を用いて溶融混練後、ペレット形状に加工したものを使用することが好ましい。必要に応じてスチレン系樹脂や添加剤成分を配合することも可能であるが、よりいっそうの振動疲労特性改良の観点から、(A)成分のみを予め二軸押出機を用いて溶融混練後、ペレット形状にしたものを使用することが、特に好ましい。
【0017】
本発明(A)成分の、二軸押出機による重量平均分子量(Mw)および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)の調整は、押出機のバレル設定温度、スクリュー回転数を変更することによって調整可能である。バレル設定温度は280℃〜350℃の範囲から選ばれ、好ましくは280〜330℃、より好ましくは300〜320℃の範囲である。十分な押出加工性の観点から280℃以上が望ましく、十分な機械物性保持の観点から350℃以下が望ましい。スクリュー回転数は200〜800rpmの範囲から選ばれ、好ましくは250〜600rpm、より好ましくは400〜550rpmの範囲である。十分なMwおよびMw/Mn向上の観点から400rpm以上が望ましく、最終組成物の十分な機械物性保持の観点から800rpm以下が望ましい。従来、ポリフェニレンエーテルのような溶融粘度の高い樹脂を、二軸押出機で押出して樹脂組成物を作成しようとする場合、溶融粘度の上昇によって押出自体が困難な傾向となることや押出樹脂温度の高温化によって樹脂が熱劣化することを懸念して、多量のスチレン系樹脂や難燃剤などを配合して溶融粘度を低下させて押出温度を下げ、押出時の熱履歴を少なくする方向で押出を行なう方法が一般的であった。そのため本発明のような、ポリフェニレンエーテル単独、またはポリフェニレンエーテル濃度が極めて高い樹脂組成物を、あえてこのような過酷な条件下で押出を行い、分子量分布の調整を試みた例は過去になく、また、このような方法で得られた本発明の樹脂組成物が、ポリフェニレンエーテル本来の耐熱性と成形流動性のバランスを保持して、なおかつ従来の技術では得られない振動疲労特性が付与される事実は、過去のいかなる文献、技術情報等をもってしても想到しうることは容易ではないといえる。
【0018】
本発明の(A)成分であるポリフェニレンエーテル樹脂の重合は、モノマー溶液に触媒
存在下で酸素含有ガスを吹き込むことによる酸化カップリング重合で行なうことが可能である。重合終了時における重合液の形態は溶液重合、スラリー析出重合いずれも可能であるが、本発明に用いる(A)成分としては特にスラリー析出重合で作成したものが、振動疲労特性改良の観点から好ましい。
本発明(A)成分の還元粘度(クロロホルム溶媒で30℃にて測定)は0.55〜0.90の範囲が好ましく、より好ましくは0.60〜0.70の範囲にあることである。十分な機械物性と振動疲労特性発現の観点から0.55以上が好ましく、成形加工性の観点から0.90以下が好ましい。
本発明の(B)成分として使用されるスチレン系樹脂とは、スチレン系化合物またはスチレン系化合物と共重合可能な化合物を、ゴム質重合体存在下または非存在下に重合して得られる重合体である。
【0019】
スチレン系化合物とは、一般式〔2〕で表される化合物を意味する。
【化2】


(式中、Rは水素、低級アルキルまたはハロゲンを示し、Zはビニル、水素、ハロゲン及び低級アルキルよりなる群から選択され、pは0〜5の整数である。)
【0020】
これらの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。また、スチレン系化合物と共重合可能な化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、スチレン系化合物と共に使用される。また、ゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムおよび共役ジエンと芳香族ビニル化合物のコポリマーまたはこれらの水添物あるいはエチレン−プロピレン共重合体系ゴム等が挙げられる。本発明のために好適なポリスチレン系樹脂は、ゴム質重合体成分で強化されたハイイインパクトポリスチレンであり、特にゴム質重合体成分が部分水添された部分水添ハイインパクトポリスチレンが好ましい。
【0021】
本発明の(C)成分であるシラン化合物で表面処理した無機フィラーとは、熱可塑性樹脂を強化するために一般的に用いられるものであり、具体例としては、ガラス繊維、ガラスフレーク等のガラスフィラーや炭素繊維、シリカ、ワラストナイト、アルミナ、タルク、マイカ、クレー類、硫酸バリウム等が挙げられる。その中でも本願組成物における樹脂成分との密着性および振動疲労特性改良の観点から、ガラス繊維と炭素繊維が好ましく、特にガラス繊維が好適に用いられる。ガラス繊維のガラスの種類としては、公知のものが使用でき、例えばEガラス、Cガラス、Sガラス、Aガラスが挙げられる。本発明(C)成分として使用されるガラス繊維の平均繊維径は5〜12μmが好ましく、更に好ましくは7〜11μmの範囲内である。押出、成形時の繊維破損による成形品の剛性、耐熱性、耐衝撃性、耐久性等の低下や生産安定性の観点から5μm以上が好ましく振動疲労特性付与の観点から12μm以下が好ましい。本発明の(C)成分において無機フィラーを表面処理するに用いられるシラン化合物は通常ガラスフィラーやミネラルフィラー等を表面処
理するに用いられるものである。その具体例としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン化合物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン化合物、ビスー(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド等の硫黄系シラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン化合物、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン化合物等が挙げられる。本発明の目的のために特に好ましいシラン化合物はアミノシラン化合物である。これらのシラン化合物は2種類以上を併用して用いても良い。またこれらシラン化合物と、エポキシ系、或いはウレタン系等の収束剤とを予め混合したもので表面処理してもよい。
【0022】
本発明の(A)成分である、ポリフェニレンエーテル共重合体の配合量は、(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、5〜95質量部の範囲から選ばれ、好ましくは15〜70質量部、より好ましくは25〜50質量部の範囲より選ばれる。無機フィラー、特にガラス繊維との密着性、機械物性および振動疲労特性改良の観点から5質量部以上の配合が望ましく、成形加工性の観点から95質量部以下の配合が望ましい。
本発明の(B)成分である、スチレン系樹脂の配合量は、(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、0〜90質量部の範囲から選ばれ、好ましくは20〜80質量部、より好ましくは30〜60質量部の範囲より選ばれる。十分な耐熱性保持と振動疲労特性付与の観点から90質量部以下の配合が望ましい。
本発明の(C)成分であるシラン化合物で表面処理した無機フィラーの添加量は、(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、5〜60質量部の範囲から選ばれ、好ましくは15〜50質量部、より好ましくは20〜40質量部、特に好ましくは25〜40質量部の範囲より選ばれる。機械物性および振動疲労特性保持の観点から5質量部以上の配合が望ましく、成形加工性および、良好な成形品外観保持の観点から60質量部以下の配合が望ましい。
【0023】
本発明の樹脂組成物には必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の安定剤類や着色剤、離型剤(例えば、ポリオレフィンエラストマー(三井化学社製 商品名「タフマーPO680J」)等も添加することができる。本発明の組成物の調整方法は特に限定されるものではないが、樹脂組成物を大量に安定して製造するには単軸または二軸の押出機が好適に用いられる。
本発明樹脂組成物を用いて成形する場合、特に成形法に制限は無いが、射出成形、押出成形、真空成形、圧空成形など既に広く知られた成形法が好適に用いられる。
【実施例】
【0024】
本発明について、実施例に基づき以下具体的に説明する。本発明がこれらの例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の用いる部は質量部である。
実施例および比較例中の各測定値は以下の方法によって求めた。
(1)ポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp/c)の測定
重合体を0.5g/dlのクロロホルム溶液として、30℃においてウベローデ粘度計を用いて測定した。単位はdl/gで表す。
【0025】
(2)ポリフェニレンエーテルの分子量(Mw、Mn)の測定方法
樹脂組成物の成形品をクロロホルムに溶解して、ガラス繊維を分離した樹脂成分の溶液を150℃の真空乾燥機中で1時間乾燥させた後、得られた樹脂成分をクロロホルムで溶解して約0.2g/dlのクロロホルム溶液を作成して、昭和電工(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーSystem21で、標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した後、測定を行なった。標準ポリスチレンの分子量は、3650000、2170000、1090000、681000、204000、52000、30200、138
00、3360、1300、550のものを用いて、カラムは昭和電工(株)製K−805Lを2本直列につないで使用した。また、溶媒はクロロホルム、溶媒の流量は1.0ml/min、カラムの温度は40℃、検出部のUVの波長は、標準ポリスチレンの場合は254nm、ポリフェニレンエーテルの場合は283nmである。
【0026】
(3)荷重たわみ温度(HDT)
ASTM D648に従い、厚み0.64cmの試験片を用いて荷重18.6kg/cmで測定した。
(4)成形流動性(SSP)
東芝機械社製の射出成形機IS−80C(成形温度300℃、金型温度85℃)を用いて、厚み0.32cmのダンベル成形片のショートショットプレッシャー(SSP)をゲージ圧で測定した。
【0027】
(5)振動疲労試験
ASTM D671のB法に準じた方法で、「TYPE A」の片持ち曲げ疲労試験片を、下記の試験条件で試験片に周期的に変動する曲げ応力をかけ、繰り返し応力を30〜90MPaの範囲で変化させ、それぞれの破壊までの繰り返し回数を1つの組成物当たりテストピース約20枚使用して測定した。得られたデータをプロットして繰り返し応力と破壊までの繰り返し回数の関係を示すグラフを作成した後、累乗近似曲線の計算式から求めた繰り返し応力50MPaと70MPaの時の破断繰り返し回数を示した。
試験機:(株)東洋精機製作所製 繰り返し曲げ振動疲労試験機 B−70
繰り返し周波数:30Hz(繰り返し速度1800回/min)
測定温度:室温(23℃)
繰り返し応力:30〜80MPa
【0028】
(6)ガラス繊維の樹脂密着性
振動疲労試験で使用した、測定後の試験片の破断面(約2.9×2.9mm)をイオンスパッタリング装置で白金蒸着を行った後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて350倍の倍率で破断面上のガラス繊維表面の観察を行ない、樹脂の密着状態を評価した。破断面上に観察される、露出したガラス繊維円筒側面の全表面積の内、樹脂の被覆面積の割合が50%未満を×、50%以上90%未満を△、90%以上を○、とした。
【0029】
原材料1 ポリフェニレンエーテル(I)
(I−1)還元粘度(クロロホルム、30℃)0.53dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルを、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度300℃、スクリュー回転数250rpmで溶融混練してニートペレットとした。得られたニートペレットの還元粘度は0.64dl/gであった。
【0030】
(I−2)還元粘度(クロロホルム、30℃)0.53dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルを、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度320℃、スクリュー回転数500rpmで溶融混練してニートペレットとした。得られたニートペレットの還元粘度は0.65dl/gであった。
【0031】
(I−3)ポリフェニレンエーテル(スラリー析出重合品)の作成および調整
重合槽低部に酸素ガス導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼およびバッフル、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却機を備えた20リットルのジャケット付き重合槽に1000ml/minの流量で窒素ガスを吹き込みながら、2.209gの塩化第二銅2水和物、9.460gの36%塩酸、84.379gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、63.646gのジ−n−ブチルアミン、2528gのn−ブタノール、1088gのメタノール、7584gのキシレン、320gの2,6−ジメチルフェノールを入れ、均一溶液となり、かつ反応機の内温が40℃になるまで攪拌した。また貯蔵槽に窒素ガス導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼およびバッフル、貯蔵槽上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた8リットルの貯蔵槽に、400ml/minの流量で窒素ガスを吹き込みながら1440gのメタノール、2800gの2,6−ジメチルフェノールを入れ、均一溶液となるまで攪拌し、(B)混合溶液とした。次いで、激しく攪拌した重合槽へ2000Nml/minの流量で酸素ガスをスパージャーより導入を始めると同時に、貯蔵槽から送液ポンプを用い、(B)混合溶液を33.1g/minの速度で逐次添加した。290分通気し、反応機の内温が40℃になるようにコントロールしながら重合した。なお、酸素ガスを供給開始140分後に共重合体が析出しスラリー状の形態を示した。重合終結時の重合液の形態は沈殿析出重合である。酸素ガスの通気をやめ、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の50%水溶液を23.0g添加して60分間、重合混合物を攪拌し、次いでハイドロキノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテル共重合体が白色となるまで攪拌を続けた。反応機の内温は40℃になるようコントロールした。その後、濾過して濾残の湿潤ポリフェニレンエーテル共重合体をメタノール12800gと共に20リットル洗浄槽にいれて分散させ、30分攪拌した後再度濾過し、湿潤ポリフェニレンエーテル共重合体を得た。洗浄槽の内温は40℃にコントロールした。これを3回繰り返し、次いで140℃で240分乾燥して、還元粘度(クロロホルム、30℃)0.51dl/gのポリフェニレンエーテル粉体を得た。その後、この粉体を、スクリュー回転数を250rpmから450rpmに変えた以外は前記I−1と同様な条件で押出を行ない、溶融混練してニートペレットを得た。得られたニートペレットの還元粘度は0.60dl/gであった。
【0032】
(I−4)ポリフェニレンエーテル共重合体(2,3,6−トリメチルフェノール30質量%配合、スラリー析出重合品)の作成および調整
重合槽低部に酸素ガス導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼およびバッフル、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却機を備えた20リットルのジャケット付き重合槽に1000ml/minの流量で窒素ガスを吹き込みながら、2.163gの塩化第二銅2水和物、9.263gの36%塩酸、82.628gのN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、62.324gのジ−n−ブチルアミン、2529gのn−ブタノール、1089gのメタノール、7586gのキシレン、224gの2,6−ジメチルフェノール、96gの2,3,6−トリメチルフェノールを入れ、均一溶液となり、かつ反応機の内温が40℃になるまで攪拌した。また貯蔵槽に窒素ガス導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼およびバッフル、貯蔵槽上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた8リットルの貯蔵槽に、400ml/minの流量で窒素ガスを吹き込みながら1440gのメタノール、2016gの2,6−ジメチルフェノール、864gの2,3,6−トリメチルフェノールを入れ、均一溶液となるまで攪拌し、(B)混合溶液とした。次いで、激しく攪拌した重合槽へ2000Nml/minの流量で酸素ガスをスパージャーより導入を始めると同時に、貯蔵槽から送液ポンプを用い、(B)混合溶液を33.8g/minの速度で逐次添加した。285分通気し、反応機の内温が40℃になるようにコントロールしながら重合した。なお、酸素ガスを供給開始126分後に共重合体が析出しスラリー状の形態を示した。重合終結時の重合液の形態は沈殿析出重合である。酸素ガスの通気をやめ、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸3カリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の50%水溶液を23.0g添加して60分間、重合混合物を攪拌し、次いでハイドロ
キノン(和光純薬社製試薬)を少量ずつ添加し、スラリー状のポリフェニレンエーテル共重合体が白色となるまで攪拌を続けた。反応機の内温は40℃になるようコントロールした。その後、
前記I−2と同様の後処理を行なった後、140℃で240分乾燥して、還元粘度(クロロホルム、30℃)0.51dl/gのポリフェニレンエーテル共重合体の粉体を得た。この粉体を前記I−3と同様な条件で押出を行ない、溶融混練してニートペレットを得た。得られたニートペレットの還元粘度は0.63dl/gであった。
【0033】
(I−5)還元粘度(クロロホルム、30℃)0.51dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルを、前記I−1と同様な条件で溶融混練してニートペレットとした。得られたニートペレットの還元粘度は0.59dl/gであった。
(I−6)前記1−1でニートペレットの作成に用いたポリフェニレンエーテル粉体をそのまま使用した。
【0034】
(I−7)還元粘度(クロロホルム、30℃)0.51dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル100質量部と無水マレイン酸3質量部、ジクミルパーオキシド0.5質量部を、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度320℃、スクリュー回転数250rpmで溶融混練して変性ポリフェニレンエーテルのペレットを得た。ナトリウムメチラートの滴定によって求めた、該変性ポリフェニレンエーテル100質量部あたりの無水マレイン酸付加量は1.5質量部であった。また還元粘度は0.54dl/gであった。
【0035】
原材料2 ポリスチレン(II)
(II−1)ハイインパクトポリスチレン(商品名:PS6200、米国ノバケミカル社製)
(II−2)ゼネラルパーパスポリスチレン(商品名:スタイロン660、米国ダウケミカル社製)
原材料3 無機フィラー(III)
(III−1)アミノシラン化合物で表面処理された平均繊維径10μmのガラス繊維(商品名:EC10 3MM 910、NSGヴェトロテックス社製)
【0036】
[実施例1]
ポリフェニレンエーテル(I−1)27部、ハイインパクトポリスチレン(II−1)20部、ゼネラルパーパスポリスチレン(II−2)22.5部、三井化学社製のポリオレフィンエラストマー(商品名:タフマーP0680J)0.5部とを、独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mmのZSK25二軸押出機(ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の最上流部(トップフィード)から供給し、途中のバレル6から無機フィラー(III−1)30部をサイドフィードして、シリンダー温度300℃、スクリュー回転数250rpmで溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物中の、ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量(Mw)は82000、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は4.76であった。該樹脂組成物の物性試験結果を表−1に示す。
【0037】
[実施例2]
ポリフェニレンエーテルを(I−1)から(I−2)に置き替えた以外は、実施例1の操作を繰り返して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物中の、ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量(Mw)は92400、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/M
n)は5.42であった。該樹脂組成物の物性試験結果を表−1に示す。
[実施例3]
ポリフェニレンエーテルを(I−1)から(I−3)に置き換えた以外は、実施例1の操作を繰り返して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物中の、ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量(Mw)は78700、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は4.87であった。該樹脂組成物の物性試験結果を表−1に示す。
[実施例4]
ポリフェニレンエーテルを(I−1)から(I−4)に置き換えた以外は、実施例1の操作を繰り返して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物中の、ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量(Mw)は89700、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は5.56であった。該樹脂組成物の物性試験結果を表−1に示す。
【0038】
[比較例1]
ポリフェニレンエーテルを(I−1)から(I−5)に置き替えた以外は、実施例1を繰り返して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物中の、ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量(Mw)は66300、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は3.29であった。該樹脂組成物の物性試験結果を表−2に示す。
[比較例2]
ポリフェニレンエーテル(I−1)を、(I−6)に置き換えた以外は、実施例1の操作を繰り返して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物中の、ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量(Mw)は53000、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は2.19であった。該樹脂組成物の物性試験結果を表−2に示す。
[比較例3]
ポリフェニレンエーテル(I−1)27部を、(I−6)22部と(I−7)5部とに置き換えた以外は、実施例1の操作を繰り返して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物中の、ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量(Mw)は53000、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は2.15であった。該樹脂組成物の物性試験結果を表−2に示す。
【0039】
[比較例4]
ポリフェニレンエーテル(I−6)22部とポリスチレン(II−2)10部とを、ZSK25二軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mm、ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)を用いて、バレル設定温度320℃、スクリュー回転数250rpm、全量トップフィードで溶融混練後ペレタイズして得られたペレット32部と、ポリフェニレンエーテル(I−7)5部、ポリスチレン(II−1)20部、ポリスチレン(II−2)12.5部および三井化学社製のポリオレフィンエラストマー(商品名:タフマーP0680J)0.5部とを、独国Werner&Pfleiderer社製、バレル数10、スクリュー径25mmのZSK25二軸押出機(ニーディングディスクL:2個、ニーディングディスクR:6個、ニーディングディスクN:2個を有するスクリューパターン)の最上流部(トップフィード)から供給し、途中のバレル6から無機フィラー(III−1)30部をサイドフィードして、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数250rpmで溶融混練して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物中の、ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量(Mw)は67000、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は3.04であった。該樹脂組成物の物性試験結果を表−2に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂として、特定の重量平均分子量(Mw)を有して、かつ特定の重量平均分子量と数平均分子量
の比(Mw/Mn)を有するものを配合することによって、無機フィラー、特にガラス繊維との密着性が改良されて、成形流動性と耐熱性のバランスに優れ、振動疲労特性、耐熱水性が著しく改良されるため、樹脂成形体、特に地下水くみ上げや床暖房に使用されるポンプカバーやポンプケーシング材として有効に使用することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量平均分子量(Mw)が70000〜130000でありかつ、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が3.50〜6.50のポリフェニレンエーテル樹脂(A)(以下(A)成分)5〜95質量部、スチレン系樹脂(B)(以下(B)成分)0〜90質量部、シラン化合物で表面処理した無機フィラー(C)(以下(C)成分)5〜60質量部、を含有してなるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項2】
前記(A)成分が、事前に二軸押出機で押出されたペレット形状であることを特徴とする、請求項1に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項3】
前記(A)成分が、スラリー析出重合法で重合して得られた粉体状であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項4】
前記(A)成分が、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項5】
前記(A)成分が、2,6−ジメチルフェノール65〜95質量%と2,3,6−トリメチルフェノール35〜5質量%とを重合してなるポリフェニレンエーテル共重合体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項6】
前記(C)成分の無機フィラーがガラス繊維であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなる、ポンプ部品。

【公開番号】特開2008−280532(P2008−280532A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101178(P2008−101178)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】