説明

ポリマー材料

ポリアリールエーテルケトンと、該ポリアリールエーテルケトンに密着して接触しているシリコーンエラストマーとを含む成形品を作製する方法は、該ポリアリールエーテルケトンを成形するステップと、該ポリアリールエーテルケトンが100℃を超える温度である間、および/または該ポリアリールエーテルケトンが十分に高温であり、該第2の材料を硬化させるために十分な潜熱を保持する間に、該成形材料を該シリコーンに接触させるステップとを備える。該第2の材料の硬化は、金型またはその中の材料に追加の熱を供給せずに行われてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー材料に関するものであり、排他的にではないが特に、成形ポリマー材料に関するものである。好ましい実施形態は、熱可塑性材料と、より軟質のゴム材料から成る成形材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
PBTまたはナイロンのような熱可塑性材料を射出成形し、その後、液状シリコーンゴム(LSR)と共成形またはオーバーモールドすることが知られている。かかる材料は、哺乳瓶のような品目、健康管理医療機器の構成要素/封止材、自動車用途における封止材/コネクタ、および電気的/電子的用途における絶縁/ケーブル付属品に使用される。
【0003】
既知のオーバーモールドプロセスには、熱可塑性物質から従来のやり方で硬質構成要素を成形するステップを伴う場合がある。その後、硬質構成要素は、それをオーバーモールドするのに好都合になるまで保存される場合がある。オーバーモールドでは、硬質構成要素をインサートとして第2の金型内に位置づけ、その上にシリコーンゴムを成形する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の好ましい実施形態の目的は、熱可塑性材料と、LSRのような、より軟質でもよい別の材料から成る構成要素を生産する装置および/または手順を簡略化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は次のような発見に基づいている。すなわち、熱可塑性ポリマーを成形し、その後、共成形またはオーバーモールドプロセスにより別のポリマー材料に接触させて、熱可塑性材料の潜熱が他方のポリマー材料を硬化させるほど高温であり、その結果として、他方のポリマー材料を硬化させるため追加の加熱器を設ける必要がなく、プロセス時間が短縮される場合がある。
【0006】
本発明の第1の態様に従って、第1のポリマー材料と、かかる第1の材料に密着して接触している第2のポリマー材料とを含む成形品を作製する方法を提供し、かかるプロセスは、
a)第1のポリマー材料を成形するステップと、
b)第1の材料が100℃を超える温度である間に、第1の材料を第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)に接触させるステップと備え、それにより、第1の材料の温度が第2のポリマー材料の硬化を助ける。
【0007】
第1のポリマー材料が前記第2の材料(またはその1つ以上の前駆体)に接触する時、第1のポリマー材料の温度は、少なくとも120℃、好ましくは少なくとも130℃、より好ましくは少なくとも140℃、特に少なくとも150℃であってもよい。いくつかの事例では、かかる温度は、前記第1の材料が前記第2の材料(またはその1つ以上の前駆体)に接触する時、少なくとも160℃または少なくとも170℃であってもよい。
【0008】
本発明の第2の態様に従って、第1のポリマー材料と、第1の材料に密着して接触している第2のポリマー材料とを含む成形品を作製する方法を提供し、かかるプロセスは、
a)第1の材料を成形するステップと、
b)第1の材料が、第2の材料を硬化するために十分な潜熱を保持するほど十分に高温である間に、第1の材料を第2の材料(またはその1つ以上の前駆体)に接触させるステップとを備え、好ましくは前記第2の材料(またはその1つ以上の前駆体)の温度の上昇も、前記第1の材料以外の熱源からの熱の印加も伴わないステップからなる。
【0009】
よって、第2の態様に従って、第2の材料(またはその1つ以上の前駆体)は第1の材料に接触してもよく、外部熱源からの熱の印加なしに、第1の材料からの熱が第2の材料を硬化させてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1および第2の態様に関するさらなる詳細を、以下に記載する。
前記第1のポリマー材料は、射出成形してもよい。前記第1のポリマー材料は、金型に接触する前、適切には300℃を超える、好ましくは350℃を超える、より好ましくは400℃を超える温度である。
【0011】
前記第1のポリマー材料に接触する前記金型の表面の表面温度は、前記第1のポリマー材料に接触する前、160℃〜200℃、好ましくは160℃〜190℃の範囲の温度であってもよい。
【0012】
前記第1のポリマー材料は、好ましくは第1の金型で成形される。前記第1のポリマー材料が前記第1の金型内にある間に、前記第1のポリマー材料と前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)との接触が行われてもよい。よって、この方法は、前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)を前記第1の金型内に射出するステップを備え、適切には、前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)が前記第1の材料の選択された位置に接触し、前記第2のポリマー材料が、前記第1のポリマー材料に密接に接触する成形構成要素を画定してもよい。
【0013】
前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)と前記第1のポリマー材料との接触は、実質的に、前記第1のポリマー材料の成形の直後に行われてもよい。例えば、第1の金型内への前記第1のポリマー材料の射出の完了から、前記第1のポリマー材料と第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)との接触までの経過時間は、30分未満、適切には15分未満、好ましくは5分未満、より好ましくは3分未満、特に1分未満であってもよい。前述の通りの前記第1のポリマー材料と第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)との接触は、好ましくは、前記第1のポリマー材料により画定された成形構成要素が十分に高温であり、十分な潜熱を保持する間に行われ、適切には第1の金型を加熱することなく硬化を行うために、かかる潜熱は前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)に移動することができる。
【0014】
前述の通りの第1の材料と第2の材料(またはその1つ以上の前駆体)との最初の接触は、前記第1のポリマー材料により画定された成形構成要素が、少なくとも100℃、適切には少なくとも110℃、好ましくは少なくとも120℃、より好ましくは少なくとも140℃、特に少なくとも160℃の温度である時に行われてもよい。好ましくは、第1の材料と第2の材料(またはその1つ以上の前駆体)との最初の接触は、第1の材料の温度が、第2の材料の硬化温度以上である時に行われる。
【0015】
いくつかの(好ましい)実施形態では、第2のポリマー材料は、第1の前駆体と第2の前駆体との反応により形成されてもよい。この場合、前記第1および第2の前駆体は、密接に混合してもよく、例えば前記第1の金型内で、前記第1のポリマー材料に接触してもよい。この場合、前記第1の材料の成形後、前記第1および第2の前駆体が第1の金型内に導入され第1のポリマー材料に接触してもよい。第1および第2の前駆体は、適切には
前記第1のポリマー材料に含まれる潜熱により、前記第2のポリマー材料を画定するように硬化されてもよい。
【0016】
さほど好ましくない代替実施形態では、前記第1のポリマー材料は、第1の金型内で成形してもよい。前記第1のポリマー材料と前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)との接触は、第2の金型内で行われてもよい。この場合、成形された第1のポリマー材料を、前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)との接触の前に前記第1の金型から第2の金型に移してもよい。
【0017】
当該移動は、適切には、成形された第1のポリマー材料が、前記第2の金型内にあって前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)に接触する時に行われ、当該ポリマー材料は十分な潜熱を含み、および/または本明細書に記載の温度であり、前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)の硬化を行うのに十分な温度で行われる。
【0018】
これらの方法では、前記第1のポリマー材料は、好ましくは前記第2のポリマー材料にオーバーモールドされる。
第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)が前記第1のポリマー材料に密接に接触した後は、その組み合わせを、適切には受動的に、周囲温度まで冷めるように放置してもよい。その後、第1および第2のポリマー材料の組み合わせを金型から外してもよい。
【0019】
有利なことに、前記第1のポリマー材料を、上記のまだ比較的高温である間に前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)に接触させることにより、第2のポリマー材料が第1のポリマー材料に驚くほどよく接着することが判明した。
【0020】
前記第2のポリマー材料は、好ましくはエラストマーである。
前記第2のポリマー材料は、好ましくは、前記第1のポリマー材料より軟質である。前記第2のポリマー材料は、ショアAスケールで測定された硬度が120未満、適切には110未満、好ましくは90未満、より好ましくは80未満、特に70以下であってもよい。前記ショアAスケールでの硬度は、5より大きく、好ましくは10以上であってもよい。
【0021】
前記第1のポリマー材料は、ロックウェルRスケールでの硬度が、70より大きく、適切には90より大きく、好ましくは100より大きく、より好ましくは110より大きく、特に120より大きくてもよい。好ましくは、前記第1のポリマー材料は、ロックウェルRスケールでの硬度が120〜130の範囲である。
【0022】
前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)は、硬化可能な温度が、適切には100〜250℃、好ましくは150〜250℃、より好ましくは160〜220℃、特に170〜210℃の範囲である。好ましくは、前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)は、これらの方法では前記範囲の温度に曝される。
【0023】
前記第1のポリマー材料に接触させるために金型内に導入される直前に、前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)は、100℃未満、好ましくは75℃未満、より好ましくは50℃未満、特に35℃未満の温度であってもよい。前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)は、前記導入の前、周囲温度であってもよい。
【0024】
前記第2のポリマー材料は、好ましくは、シリコーンゴムを有する。かかるシリコーンゴムは、そのポリマー鎖上にメチルおよび/またはビニル置換基があってもよい。前記第
2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)は、好ましくは50℃未満、より好ましくは30℃未満の温度で流動可能である。
【0025】
前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)は、前記第1のポリマー材料との接触後、適切には1分未満、好ましくは50秒未満、より好ましくは40秒未満、特に30秒未満で硬化するように配置される。好ましくは、前記第2のポリマー材料は後硬化する必要はない。
【0026】
前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)は、好ましくは液状シリコーンゴムを有する。かかるゴムは、第1および第2の構成要素から形成されてもよく、前記第1のポリマー材料が配置されている金型内に、これらの構成要素を(適切には0.3〜3、好ましくは0.75〜1.3の範囲の第1対第2の構成要素重量比で)導入してもよい。その後、これらの構成要素は、前記第1のポリマー材料からの潜熱の移動により硬化温度まで加熱されている間に硬化してもよい。硬化プロセスは、ヒドロシリル化反応を伴ってもよい。
【0027】
前記第1のポリマー材料は、第1のポリマーを有してもよい。
前記第1のポリマーは、Tg(ガラス転移温度)が260℃未満、例えば220℃未満または200℃未満であってもよい。いくつかの事例ではTgは、190℃、180℃または170℃未満であってもよい。
【0028】
前記第1のポリマーは、溶融粘度(MV)が、適切には少なくとも0.06kNsm−2、好ましくは少なくとも0.08kNsm−2、より好ましくは少なくとも0.09kNsm−2である。
【0029】
適切にはMVは、0.5×3.175mmの炭化タングステン金型を用い、1000s−1のずり速度で400℃で機能する毛管レオメトリーを用いて測定される。
前記第1のポリマーは、MVが1.00kNsm−2未満、好ましくは0.5kNsm−2未満、より好ましくは0.38kNsm−2未満、特に0.25kNsm−2未満であってもよい。
【0030】
前記第1のポリマーは、ASTMのD790に従って測定された引っ張り強さが、少なくとも40MPa、好ましくは少なくとも60MPa、より好ましくは少なくとも80MPaであってもよい。かかる引っ張り強さは、好ましくは80〜110MPa、より好ましくは80〜100MPaの範囲である。
【0031】
前記第1のポリマーは、ASTMのD790に従って測定された曲げ強さが、少なくとも145MPaであってもよい。かかる曲げ強さは、好ましくは145〜180MPa、より好ましくは145〜165MPaの範囲である。
【0032】
前記第1のポリマーは、ASTMのD790に従って測定された曲げモジュールが、少なくとも2GPa、好ましくは少なくとも3GPa、より好ましくは少なくとも3.5GPaであってもよい。かかる曲げモジュールは、好ましくは3.5〜4.5GPa、より好ましくは3.5〜4.1GPaの範囲である。
【0033】
前記第1のポリマーは、ASTMのD790に従って測定された引っ張り強さが、少なくとも20MPa、好ましくは少なくとも60MPa、より好ましくは少なくとも80MPaであってもよい。かかる引っ張り強さは、好ましくは80〜110MPa、より好ましくは80〜100MPaの範囲である。
【0034】
前記第1のポリマーは、ASTMのD790に従って測定された曲げ強さが、少なくとも50MPa、好ましくは少なくとも100MPa、より好ましくは少なくとも145MPaであってもよい。かかる曲げ強さは、好ましくは145〜180MPa、より好ましくは145〜164MPaの範囲である。
【0035】
前記第1のポリマーは、ASTMのD790に従って測定された曲げモジュールが、少なくとも1GPa、適切には少なくとも2GPa、好ましくは少なくとも3GPa、より好ましくは少なくとも3.5GPaであってもよい。かかる曲げモジュールは、好ましくは3.5〜4.5GPa、より好ましくは3.5〜4.1GPaの範囲である。
好ましくは前記第1のポリマーには、下記式Iの部分、
【0036】
【化1】

【0037】
および/または下記式IIの部分、
【0038】
【化2】

【0039】
および/または下記式IIIの部分があり、
【0040】
【化3】

【0041】
単位I、IIおよびIII内のフェニル部分は別個に、任意に置き換えられ、任意に架橋され、m、r、s、t、v、wおよびzは別個にゼロまたは正の整数を表し、EおよびE’は別個に酸素もしくは硫黄原子または直接結合を表し、Gは酸素もしくは硫黄原子、直接結合または−O−Ph−O−部分を表してPhがフェニル基を表し、Arは、下記部分(i)**、(i)〜(vi)の1つから選択され、その1つ以上のフェニル部分を介して隣接部分に結合される。
【0042】
【化4】

【0043】
本明細書に別段の記載のない限り、フェニル部分は、それが結合される部分に1,4−結合で結合する。
(i)では、中間のフェニルは、1,4−置換でも1,3−置換でもよい。好ましいのは1,4−置換である。
【0044】
前記第1のポリマーは、式Iの2種類以上の異なる繰り返し単位と、式IIの2種類以上の異なる繰り返し単位と、式IIIの2種類以上の異なる繰り返し単位とを含んでもよい。しかしながら好ましくは、式I、IIおよび/またはIIIの1種類だけの繰り返し単位が提供される。
【0045】
前記部分I、IIおよびIIIは、適切には繰り返し単位である。第1のポリマーでは、単位I、IIおよび/またはIIIは、適切には互いに結合する−すなわち、単位I、IIおよびIIIの間に、その他の原子または基は結合されない。
【0046】
単位I、IIおよびIII内のフェニル部分は、好ましくは置換されない。前記フェニル部分は、好ましくは架橋されない。
wおよび/またはzが1以上の場合、各フェニレン部分は別個に、式IIおよび/またはIIIの繰り返し単位内のその他の部分に対して1,4−または1,3−結合で結合してもよい。好ましくは、前記フェニレン部分は1,4−結合する。
【0047】
好ましくは、第1のポリマーのポリマー鎖は、−S−部分を含まない。好ましくは、Gは直接結合を表す。
適切には、「a」は、前記第1のポリマー内における式Iの単位のモル%を表して適切には各単位Iが同じであり、「b」は、前記第1のポリマー内における式IIの単位のモル%を表して適切には各単位IIが同じであり、「c」は、前記第1のポリマー内における式IIIの単位のモル%を表して適切には各単位IIIが同じである。aは、好ましくは45〜100、より好ましくは45〜55、特に48〜52の範囲である。b+cの和は、好ましくは0〜55、より好ましくは45〜55、特に48〜52の範囲である。a対b+cの比は、好ましくは0.9〜1.1の範囲、より好ましくは約1である。a+b+cの和は、適切には少なくとも90、好ましくは少なくとも95、より好ましくは少なくとも99、特に約100である。好ましくは、前記第1のポリマーは本質的に、部分I、IIおよび/またはIIIから成る。
【0048】
前記第1のポリマーは、下記一般式IVの繰り返し単位を有するホモポリマーであっても、
【0049】
【化5】

【0050】
下記一般式Vの繰り返し単位を有するホモポリマーであっても、
【0051】
【化6】

【0052】
または、IVおよび/またはVの、少なくとも2つの異なる単位のランダムもしくはブロック・コポリマーであってもよく、
A、B、CおよびDは別個に0または1を表し、E、E’、G、Ar、m、r、s、t、v、wおよびzは、本明細書の記述で説明される通りである。
【0053】
上記単位IVおよび/またはVを有する第1のポリマーの代替物として、前記第1のポリマーは、下記一般式IV*の繰り返し単位を有するホモポリマーであっても、
【0054】
【化7】

【0055】
下記一般式V*の繰り返し単位を有するホモポリマーであっても、
【0056】
【化8】

【0057】
または、IV*および/またはV*の、少なくとも2つの異なる単位のランダムまたはブロック・コポリマーであってもよく、A、B、CおよびDは別個に0または1を表し、E、E’、G、Ar、m、r、s、t、v、wおよびzは、本明細書に説明される通りである。
【0058】
mは、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、特に0〜1の範囲である。rは、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、特に0〜1の範囲である。tは、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2、特に0〜1の範囲である。sは、好ましくは0または1である。vは、好ましくは0または1である。wは、好ましくは0または1である。zは、好ましくは0または1である。
【0059】
好ましくは前記第1のポリマーは、一般式IVの繰り返し単位を有するホモポリマーである。
好ましくはArは、下記部分(vii)〜(xiii)および(xi)**から選択される。
【0060】
【化9】

【0061】
(vii)では、中間のフェニルは、1,4−置換でも1,3−置換でもよい。好ましいのは1,4−置換である。
好ましくは、(xi)は、1,2−、1,3−または1,5−部分から選択され、(xii)は、1,6−、2,3−、2,6−または2,7−部分から選択される。
【0062】
適切な部分Arは、部分(i)、(ii)、(iii)および(iv)であり、これらのうち、部分(i)、(ii)および(iv)が好ましい。その他の好ましい部分Arは、部分(vii)、(viii)、(ix)および(x)であり、これらのうち、部分(vii)、(viii)および(x)が特に好ましい。
【0063】
特に好ましい種類の第1のポリマーは、本質的にフェニル部分から成りケトンおよび/またはエーテル部分と合わさったポリマー(またはコポリマー)である。すなわち、好ましい種類の第1のポリマー材料には、−S−、−SO−、またはフェニル以外の芳香族
基を含む繰り返し単位は含まれない。上記の種類の好ましい第1のポリマーは、次のものを含む。
【0064】
(a)本質的に式IVの単位から成るポリマーであって、Arが部分(iv)を表し、EおよびE’が酸素原子を表し、mが0を表し、wが1を表し、Gが直接結合を表し、sが0を表し、AおよびBが1を表すもの(すなわち、ポリエーテルエーテルケトン)。
【0065】
(b)本質的に式IVの単位から成るポリマーであって、Eが酸素原子を表し、E’が直接結合を表し、Arが構造(i)の部分を表し、mが0を表し、Aが1を表し、Bが0を表すもの(すなわち、ポリエーテルケトン)。
【0066】
(c)本質的に式IVの単位から成るポリマーであって、Eが酸素原子を表し、Arが部分(i)を表し、mが0を表し、E’が直接結合を表し、Aが1を表し、Bが0を表すもの(すなわち、ポリエーテルケトンケトン)。
【0067】
(d)本質的に式IVの単位から成るポリマーであって、Arが部分(i)を表し、EおよびE’が酸素原子を表し、Gが直接結合を表し、mが0を表し、wが1を表し、rが0を表し、sが1を表し、AおよびBが1を表すもの(すなわち、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン)。
【0068】
(e)本質的に式IVの単位から成るポリマーであって、Arが部分(iv)を表し、EおよびE’が酸素原子を表し、Gが直接結合を表し、mが0を表し、wが0を表し、s、r、AおよびBが1を表すもの(すなわち、ポリエーテルエーテルケトンケトンケトン)。
【0069】
(f) 式IVの単位を有するポリマーであって、Arが部分(iv)を表し、EおよびE’が酸素原子を表し、mが1を表し、wが1を表し、Aが1を表し、Bが1を表し、rおよびsが0を表し、Gが直接結合を表すもの(すなわち、ポリエーテル−ジフェニル−エーテル−フェニル−ケトン−フェニル−)。
【0070】
前記第1のポリマーは非晶性でも半結晶性でもよい。例えば構成要素が使用中に過酷な化学的環境にさらされない、非晶性ポリマーを使用してもよい。
前記第1のポリマーは、好ましくは半結晶性である。好ましくは、ポリマーの結晶化度のレベルおよび程度は、例えばブランデルおよびオズボーン(ポリマー24、953、1983年)により説明された通り、広角X線回折(広角X線散乱またはWAXSともいう)により測定される。あるいは結晶化度は、示差走査熱量測定(DSC)により評価してもよい。
【0071】
前記第1のポリマーの結晶化度のレベルは、少なくとも1%、適切には少なくとも3%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%であってもよい。特に好ましい実施形態では、結晶化度は30%より大きく、より好ましくは40%より大きく、特に45%より大きくてもよい。
【0072】
前記第1のポリマー(結晶性の場合)の融解吸熱のメインピーク(Tm)は、少なくとも300℃であってもよい。
前記第1のポリマーは本質的に、上記単位(a)〜(f)の1つから成ってもよい。
【0073】
前記第1のポリマーは、好ましくは下記式(XX)の繰り返し単位を有し、より好ましくは、本質的にかかる繰り返し単位から成り、
【0074】
【化10】

【0075】
t1およびw1は別個に0または1を表し、v1は0、1または2を表す。好ましいポリマー材料では、前記繰り返し単位が、t1=1、v1=0およびw1=0であるか、t1=0、v1=0およびw1=0であるか、t1=0、w1=1およびv1=2であるか、またはt1=0、v1=1およびw1=0である。より好ましいものでは、t1=1、v1=0およびw1=0であるか、またはt1=0、v1=0およびw1=0である。最も好ましいものでは、t1=1、v1=0およびw1=0である。
【0076】
好ましい実施形態では、前記第1のポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトンおよびポリエーテルケトンケトンから選択される。より好ましい実施形態では、前記ポリマー材料は、ポリエーテルケトンおよびポリエーテルエーテルケトンから選択される。特に好ましい実施形態では、前記ポリマー材料は、ポリエーテルエーテルケトンである。
【0077】
前記第1のポリマーは、前記第1のポリマー材料内の熱可塑性ポリマーの総量の、少なくとも60重量%、適切には少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、特に少なくとも95重量%を占めてもよい。好ましくは、実質的に前記第1のポリマー材料内の熱可塑性ポリマーだけが、前記第1のポリマーである。
【0078】
前記第1のポリマー材料は、充填材手段を含むこともできる。
前記充填材手段は、繊維充填材または非繊維充填材を含んでもよい。前記充填材手段は、繊維充填材と非繊維充填材との両方を含んでもよい。
【0079】
前記繊維充填材は、連続的でも非連続的でもよい。好ましい実施形態では、前記繊維充填材は非連続的である。
前記繊維充填材は、無機繊維材料、アラミド繊維のような非融解性および高融解性の有機繊維材料、並びに炭素繊維から選択してもよい。
【0080】
前記繊維充填材は、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化珪素繊維、ホウ素繊維、フルオロカーボン樹脂繊維およびチタン酸カリウム繊維から選択してもよい。好ましい繊維充填材は、ガラス繊維および炭素繊維である。
【0081】
繊維充填材は、ナノ繊維を有してもよい。
前記非繊維充填材は、マイカ、シリカ、タルク、アルミナ、白土、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、フェライト、粘土、ガラス粉末、酸化亜鉛、炭酸ニッケル、酸化鉄、石英粉末、炭酸マグネシウム、フルオロカーボン樹脂、グラファイト、炭素粉末、ナノチューブおよび硫酸バリウムから選択してもよい。非繊維充填材は、粉末状または薄片状粒子の形で導入してもよい。
【0082】
好ましくは前記充填材手段は、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンブラックおよびフルオ
ロカーボン樹脂から選択された1つ以上の充填材を有する。より好ましくは前記充填材手段は、ガラス繊維または炭素、特に、不連続(例えば短)ガラス繊維または炭素繊維を有する。
【0083】
適切には、前記ポリマー材料内の充填材手段の総量は40%未満であり、好ましくは30重量%未満である。好ましくは前記第1のポリマー材料は、実質的に充填材手段を含まない。
【0084】
前記第1のポリマー材料は、次のものを含んでもよい。
(i)70〜100重量%の熱可塑性ポリマー、および、
(ii)0〜30重量%(適切には0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%、より好ましくは0〜10重量%、特に0〜5重量%)の充填材手段。
【0085】
前記第1のポリマー材料は、次のものを含んでもよい。
(i)70〜100重量%の前記第1のポリマー、好ましくは上記式(XX)のポリマー、
(ii)0〜30重量%の第2のポリマー、
(iii)0〜20重量%の充填材手段、
(iv)0〜10重量%のその他の添加剤(例えばその他のポリマー、加工助剤、顔料から選択してもよい)。
【0086】
前記第1のポリマー材料は、前記第1のポリマー、特に上記式(XX)のポリマーを、適切には少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、特に少なくとも99重量%、含む。
【0087】
本発明の第3の態様に従って、第1のポリマー材料と第2のポリマー材料とを含む成形品を作製する方法を提供し、かかる方法は、
a)第1のポリマー材料を成形するステップと、
b)第1のポリマー材料を、第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)に接触させるステップとを備え、前記第1のポリマー材料が、前記の諸態様に従って説明された通りの、例えば式(XX)の、第1のポリマーから成り、前記第2のポリマー材料が、前記第1のポリマー材料の硬度未満の硬度の材料を有するか、前記第2のポリマー材料がエラストマーから成るか、または前記第2のポリマー材料が液状シリコーン樹脂から成る。
【0088】
本発明の第4の態様に従って、第1のポリマー材料と、第1のポリマー材料に密着して接触している第2のポリマー材料から成る成形品が提供され、本成形品は好ましくは、前記第1のポリマー材料が、前記諸態様に従って説明された通りの、例えば式(XX)の、第1のポリマーから成り、前記第2のポリマー材料が、前記第1のポリマー材料の硬度未満の硬度の材料を含むか、前記第2のポリマー材料がエラストマーから成るか、または前記第2のポリマー材料が、液状シリコーン樹脂から成り、および/または液状シリコーン樹脂から誘導される。
【0089】
前記態様の成形品は、好ましくは、硬質プラスチック材料上へのエラストマーのオーバーモールドを有する。
好ましい実施形態では、本明細書記載の式XXの第1のポリマーから成る第1のポリマー材料を含む成形品が提供され、前記第1のポリマー材料は、第2のポリマー材料でオーバーモールドされ、前記第2のポリマー材料は、本明細書に説明される通りでもよいが、好ましくはシリコーンエラストマーである。
【0090】
本発明は、第2のポリマー材料でオーバーモールドした第1のポリマー材料から成る成
形品を作製する方法にまで及び、前記第1および第2のポリマー材料の成形が、同じ金型内で行われる。
【0091】
本明細書に記載の通りの成形品は、パッキン、封止材、衝撃吸収パッド、または高耐久電子もしくはその他のデバイスを有してもよい。
本明細書に記載の本発明の態様または実施形態の特徴を、必要な変更を加えて、本明細書で説明される他の発明の態様または実施形態の特徴と組み合わせてもよい。
【0092】
本発明の特定の実施形態を、以下に説明する。
次の材料は以下説明の通りものとみなす。
PEEK90GL30 − 溶融粘度(MV)が0.09kNsm−2で、30重量%ガラス繊維が充填されたポリエーテルエーテルケトンで、ビクトレックス社から入手したもの。
【0093】
PEEK150GL30 − ポリエーテルエーテルケトンの溶融粘度(MV)が0.15kNsm−2である点を除き、PEEK90GL30の通り。
エラストシルLR3070/40 − ワッカーケミー社から入手した液状シリコーンゴム(LSR)。
【0094】
PEEK90GL30を射出成形して第1の生成物を画定し、それにLSRをオーバーモールドした。
第1の実施形態では、PEEK150GL30を、第1の金型に射出成形する。このPEEKを、160℃〜190℃の範囲の温度である射出成形機キャビティ内に、400℃で射出する。その結果として、PEEKは、実質的にはかなりの量の熱エネルギーを含む。PEEKをある程度冷ました後、成形PEEKを金型から外すことなく、PEEK上の既定の位置にLSR(エラストシルLR3070/40)を射出成形してもよい。PEEKがまだ高温(例えば180℃)である時にLSRがPEEKに接触する場合、PEEKの潜熱は、LSRを急速に硬化させるのに十分であり、従って、金型内でLSRを追加加熱する必要はない。これにより、時間(例えば硬化時間)および費用が削減される。
【0095】
代替実施形態では、第1の実施形態の射出成形PEEKを、まだ高温(200℃を超える)である間に金型から外し、第2の金型に入れてもよい。その後、第2の金型内にLSRを射出して、まだ比較的高温(例えば180℃)であるPEEKに接触させ、その結果としてPEEKの潜熱は、上記と同じようにLSRを硬化させるために十分である。
【0096】
さらに、記載したプロセスでは、LSRがPEEKに非常に強く接着することが判明している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のポリマー材料と、前記第1のポリマー材料に密着して接触している第2のポリマー材料とを含む成形品を作製する方法であって、前記プロセスが、
a)前記第1のポリマー材料を成形するステップと、
b)前記第1のポリマー材料が100℃を超える温度である間に、前記第1のポリマー材料を、前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)に接触させ、それにより、前記第1のポリマー材料の温度が前記第2のポリマー材料の硬化を助けるステップとを備える方法。
【請求項2】
前記第1のポリマー材料の前記温度が、少なくとも150℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1のポリマー材料と、前記第1のポリマー材料に密着して接触している第2のポリマー材料とを含む成形品を作製する方法であって、前記プロセスが、
a)前記第1のポリマー材料を成形するステップと、
b)前記第1のポリマー材料が十分に高い温度であり、前記第2のポリマー材料を硬化させるために十分な潜熱を保持する間に、前記第1のポリマー材料を、前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)に接触させるステップとを備える方法。
【請求項4】
前記第1のポリマー材料が射出成形され、前記第1のポリマー材料が、金型に接触する前に300℃を超える温度である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のポリマー材料が、前記金型に接触する前に400℃を超える温度である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のポリマー材料に接触する前記金型の表面の表面温度が、前記第1のポリマー材料に接触する前に、160℃〜200℃の範囲の温度である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のポリマー材料が第1の金型内で成形され、前記第1のポリマー材料が前記第1の金型内にある間に、前記第1のポリマー材料と、前記第2のポリマー材料またはその1つ以上の前駆体との接触が行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の金型内への前記第1のポリマー材料の射出の完了から、前記第1のポリマー材料と前記第2のポリマー材料またはその1つ以上の前駆体との接触までの経過時間が30分未満である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のポリマー材料が、前記第2のポリマー材料の硬化温度以上の温度である時に、前記第1のポリマー材料と第2のポリマー材料またはその1つ以上の前駆体との最初の接触が行われる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のポリマー材料の成形後、前記第2のポリマー材料の第1および第2の前駆体が前記第1の金型内に導入され、前記第1のポリマー材料に接触する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のポリマー材料がエラストマーである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のポリマー材料の、ショアAスケールでの測定硬度が120未満である、請求項
1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のポリマー材料の、ショアAスケールでの測定硬度が10以上70未満である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のポリマー材料の、ロックウェルRスケールでの硬度が70を超える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のポリマー材料またはその1つ以上の前駆体が、150〜250℃の範囲の温度で硬化可能である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のポリマー材料がシリコーンゴムから成り、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のポリマー材料が第1のポリマーから成り、前記第1のポリマーが、下記一般式IVの繰り返し単位を有するホモポリマーであるか、
【化1】

下記一般式Vの繰り返し単位を有するホモポリマーであるか、
【化2】

IVおよび/またはVの、少なくとも2つの異なる単位のランダムもしくはブロック・コポリマーであるか、
または、下記一般式IV*の繰り返し単位を有するホモポリマーであるか、
【化3】

下記一般式V*の繰り返し単位を有するホモポリマーであるか、
【化4】

IV*および/またはV*の、少なくとも2つの異なる単位のランダムもしくはブロック・コポリマーであり、A、B、CおよびDが別個に0または1を表し、m、r、s、t、v、wおよびzが別個にゼロまたは正の整数を表し、EおよびE’が別個に酸素もしくは硫黄原子または直接結合を表し、Gが酸素もしくは硫黄原子、直接結合または−O−Ph−O−部分を表してPhがフェニル基を表し、Arが、下記部分
【化5】

(i)**、(i)〜(vi)の1つから選択され、その1つ以上のフェニル部分を介して隣接部分に結合される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のポリマーが、下記式(XX)の繰り返し単位を有し、
【化6】

t1およびw1が別個に0または1を表し、v1が0、1または2を表す、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のポリマーがポリエーテルエーテルケトンである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のポリマー材料、
(i)70〜100重量%の熱可塑性ポリマーと、
(ii)0〜30重量%の充填材手段とを含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
第1のポリマー材料と第2のポリマー材料とを含む成形品を作製する方法であって、前記方法が、
a)前記第1のポリマー材料を成形するステップと、
b)前記第1のポリマー材料を、前記第2のポリマー材料(またはその1つ以上の前駆体)に接触させるステップとを備え、前記第1のポリマー材料が第1のポリマーを有し、前記第2のポリマー材料が、前記第1のポリマー材料の硬度未満の硬度の材料を有するか、前記第2のポリマー材料がエラストマーから成るか、または前記第2のポリマー材料が液状シリコーン樹脂から成る、方法。
【請求項22】
第1のポリマー材料と、前記第1のポリマー材料に密着して接触している第2のポリマー材料と有する成形品であって、前記第1のポリマー材料が、下記式(XX)の第1のポリマーを有し、
【化7】

t1およびw1が別個に0または1を表し、v1が0、1または2を表し、前記第2のポリマー材料が、前記第1のポリマー材料の硬度未満の硬度の材料を含むか、前記第2のポリマー材料がエラストマーから成るか、または前記第2のポリマー材料が液状シリコーン樹脂から成り、および/または前記樹脂から誘導される、成形品。
【請求項23】
硬質プラスチック材料上へのエラストマーのオーバーモールドを有する、請求項22に記載の成形品。
【請求項24】
下記式(XX)の第1のポリマーを有する第1のポリマー材料を含み、
【化8】

t1およびw1が別個に0または1を表し、v1が0、1または2を表し、前記第1のポリマー材料が、第2のポリマー材料にオーバーモールドされ、前記第2のポリマー材料がシリコーンエラストマーである、成形品。
【請求項25】
第2のポリマー材料でオーバーモールドされた第1のポリマー材料を有する成形品を作製する方法であって、前記第1および第2のポリマー材料の成形が同じ金型で行われる、方法。

【公表番号】特表2010−506765(P2010−506765A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532886(P2009−532886)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【国際出願番号】PCT/GB2007/003921
【国際公開番号】WO2008/047091
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(501097318)ビクトレックス マニュファクチャリング リミテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】VICTREX MANUFACTURING LIMITED
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】