説明

ポリマー着色のための染料、それらの調製法、及びそれらの使用

本発明は、式(I)の染料、その調製法、及びその使用に関する。
【化1】


[式中、R、R、X、Y及びtはそれぞれ、請求項1において定義されたものである]

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
染料を用いて各種の方法によりポリマーを着色することができる。一つの方法は、ポリマーの大量着色であって、その方法では、たとえば顔料又は染料をポリマーと混合し、そのポリマーを溶融させて、その染料をポリマーのマトリックスの中に送り込む。その他のプロセスとしては、着色された、あるいはさらに詳しくは、溶液又は分散体からポリマーの中に拡散する染料によって染色されたポリマーが挙げられるが、それらの例は、たとえば、分散染料、カチオン染料、酸性染料、含金属染料又は反応性染料を用いた、たとえばポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、セルロース又はポリアミドからなるポリマー繊維の染色である。反応性染料を使用することによって、染料と基材との間に共有結合が生成し、それが染色/着色に特に高い堅牢性を与える。ポリマーを着色させるためのまた別な方法は、ポリマーを生成させるより前、又はポリマーを生成させている過程で、そのポリマーのモノマー又はオリゴマーに染料を添加する方法である。ポリマーの骨組みに対して共有結合を形成することが可能な染料では、同様にして、着色において高い堅牢性が得られるであろう。このために、それに使用される染料、より正確には、それらの染料発色団が重合条件下で充分な安定性を有していなければならない。
【0002】
市販されている顔料をポリマーの大量着色に使用したときには、極めて高い堅牢性を有する着色ポリマーを与えるが、その着色は艶消しである、すなわち透明性に欠ける。ポリマーのための市販されている染料は通常、分散染料又は油溶性染料であって、ポリマーを着色させるために使用すると、その中で染料が、ほんの低い耐ブリード堅牢性しか有さないような着色ポリマーが得られる場合が多い。さらに、公知の染料の多くのものは、ポリオレフィン中における耐光堅牢性が劣っていたり、あるいは熱安定性が低かったりする。
【0003】
ポリオレフィンにおいて、良好な耐ブリード堅牢性、良好な耐光堅牢性、良好な熱安定性、さらには高い彩度及び透明性を有し、しかも使用されたポリオレフィンの性質に悪影響を与えないような染料は、それほど多くは知られていない。
【0004】
したがって、前述の性質を有し、そのためにポリオレフィンを着色するのに有用であるような染料が必要とされている。
【0005】
1個又は複数のN−脂肪族アルキルスルファモイル基又はN−脂肪族アルキルアリールスルファモイル基を担持するフタロペリノン、及びさらには1,8−ナフタロペリノンが、ポリオレフィン及びその他の基材を染色するのに有用な染料を構成することが、今や見出された。それらは、適用条件下で高い安定性を有し、ポリマーに容易に可溶であり、そして極めて良好な堅牢性、特に高い耐ブリード堅牢性を有する、高度に透明性の高い着色を与える。
【0006】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5には、熱可塑性プラスチック物質、より詳しくはポリエステル、ポリアミド、又はビニルポリマーを溶液染色又は大量着色させるのに有用な、各種の置換されたフタロペリノン及びさらにはナフタロペリノンが開示されている。基材としては、ポリオレフィンは試験されてなく、それらの染料の堅牢性に関する情報は何も公開されていない。
【0007】
特許文献6にも同様に、繊維材料を染色又は捺染するための好適な染料として、ペリノン系の染料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第24 39 133A1号明細書
【特許文献2】独国特許第24 47 228号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第195 48 411A1号明細書
【特許文献4】国際公開第98/15533号パンフレット
【特許文献5】独国特許第3038899号明細書
【特許文献6】独国特許第2724951号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は式(I)の染料を提供する。
【化1】

[式中、Xは、式(II)又は式(III)の基を表し;
【0010】
【化2】

Yは、式(IV)の基を表し;
【0011】
【化3】

〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、N−モノ−(C〜C22)−アルキルカルバモイル、N,N−ジ−(C〜C22)−アルキルカルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;
は、水素、(C〜C22)−アルキル、又はフェニル−(C〜C22)−アルキルを表し;
14は、水素又は(C〜C)−アルキルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表し、
【0012】
【化4】

[式中、
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C12)−アルキル、トリフルオロメチル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、(C〜C)−アシルアミノ、カルバモイル、アミノ、モノ−(C〜C12)−アルキルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、ビニル、ヒドロキシエチル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノエチレンスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノエチレンスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル又はジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニルを表すが、ここで、いずれの場合においても、その(C〜C22)−アルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよい];
Bは、水素、又はメチルを表し;
p及びsはそれぞれ独立して、0〜22の数であり;
rは、0又は1であり;そして
tは、1〜6の数であり;
ここで、Yは、R及びRを担持しているナフタレン環に結合されるか、基Xに結合されるか、及び/又はR〜R基の構成成分であるアリール基に結合され、そして式(III)の基に結合されたYは、R、R、R、及び/又はRを表し;そして
r、s、p、及びR14は、式(I)の分子の内部で同一の意味を有するか又は異なった意味を有し;そして
Xが式(III)の基を表している場合には、sは2〜22の数であり、tは1であり、Rは水素を表し、pは0であり、rは1であり;そして
次の式(I)の染料は除く;
・Xが式(II)の基を表し、R及びRがそれぞれ水素を表し、R及びRがそれぞれヒドロキシルを表し、tが1であり、p及びsがそれぞれ0であり、rが1であり、Aが式(VI)の基を表し、そしてR、R12、R13及びBがそれぞれ水素を表している場合;及び
・Xが式(III)の基を表し、R〜Rがそれぞれ水素を表し、tが1であり、そしてYが−SON((C〜C)−アルキル)を表している場合。]
【0013】
上述の定義において、アルキル基は直鎖であっても、あるいは分岐していてもよく、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ヘキシルたとえばn−ヘキシル、ヘプチルたとえばn−ヘプチル、オクチルたとえばn−オクチル及びイソオクチル、ノニルたとえばn−ノニル、デシルたとえばn−デシル、ドデシルたとえばn−ドデシル、ヘキサデシルたとえばn−ヘキサデシル、及びオクタデシルたとえばn−オクタデシルであってもよい。同じことが、アルコキシ、アルキルチオ、及びアシル基の場合にも準用される。
【0014】
シクロアルキル基は、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルである。
ハロゲンは、具体的には、フッ素、塩素又は臭素である。
アリールは、具体的には、フェニル又はナフチルである。
フェニル−(C〜C22)−アルキルのRは、特にフェニル−(C〜C)−アルキル、好ましくはフェニル−(C〜C)−アルキルである。例としては、ベンジル及びフェネチルが挙げられる。
【0015】
式(I)の一つの分子の中でR14が異なった意味を有している場合には、それらの異なった意味、たとえば水素とメチル又は水素とエチルが、ランダムに分布していてもよいし、あるいは、ブロックポリマーの方式でR14がただ一つの意味しか有していない領域が交互に並んでいてもよい。
【0016】
pは好ましくは1、2、3又は4であり、それに対してtは好ましくは1、2又は3である。sは、好ましくは0〜18の数であるが、2〜22、5〜18、8〜18、又は12〜18の範囲とすることも可能である。本発明の一つの実施態様においては、rが0である。
【0017】
本発明による好ましい式(I)の染料は、式(Ia)に合致する。
【化5】

[式中、R〜R、R、R14、B、s及びtはそれぞれ、先に定義されたものである。]
【0018】
本発明による特に好ましい式(Ia)の染料においては、
〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;そして
は、水素又は(C〜C22)−アルキルを表し;そして
14、B、s、及びtはそれぞれ、先に定義されたものである。
【0019】
本発明による極めて特に好ましい式(Ia)の染料においては、
〜Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、又は(C〜C)−アシルを表し;
は、水素又は(C〜C18)−アルキルを表し;
14は、水素、メチル、又はエチルを表し;
Bは、水素、又はメチルを表し;
sは0〜17の数であり;そして
tは、1〜3の数である。
【0020】
上述の極めて特に好ましい式(Ia)の染料においては、R及びRがそれぞれ水素を表し、R及びRの内の一方が水素を表し、それに対して他方が水素、アセチル、メトキシ、塩素、モノ−(C〜C)−アルキルアミノスルホニル、又はジ−(C〜C)−アルキルアミノスルホニルを表しているのが、より好ましい。
【0021】
本発明による式(Ia)の染料の例は、式(Ia1)〜(Ia41)の染料である。
【化6】

【0022】
【化7】

【0023】
【化8】

【0024】
【化9】

【0025】
【化10】

【0026】
【化11】

【0027】
本発明によるさらに好ましい式(I)の染料は、式(Ib)に合致する。
【化12】

[式中、R〜R、R、R14、A、B、s、及びtはそれぞれ、先に定義されたものであり、pは1〜22の数である。]
【0028】
本発明による特に好ましい式(Ib)の染料においては、
〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表すが、ここで
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C12)−アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、(C〜C)−アシルアミノ、カルバモイル、アミノ、モノ−(C〜C12)−アルキルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、又はジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニルを表すが、そのアルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよく;
pは、1〜4の数であり;そして
sは0〜6の数であり;そして
B、R、R14、及びtはそれぞれ、先に定義されたものである。
【0029】
式(Ib)の極めて特に好ましい化合物においては、
〜Rはそれぞれ独立して、水素、モノ−(C〜C)−アルキルアミノスルホニル、又はジ−(C〜C)−アルキルアミノスルホニルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表すが、ここで
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、又はモノ−(C〜C18)−アルキルアミノスルホニル若しくはジ−(C〜C18)−アルキルアミノスルホニルを表すが、そのアルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよく;
Bは、水素、又はメチルを表し;
は、水素、(C〜C)−アルキル、又はフェニル−(C〜C)−アルキルを表し;
14は、水素又は(C〜C)−アルキルを表し;
pは、1〜4の数であり;
sは0〜4の数であり;そして
tは、1又は2である。
【0030】
上述の極めて特に好ましい式(Ib)の染料においては、R〜Rがそれぞれ、水素を表し、Rが、水素、モノ−(C〜C)−アルキルアミノスルホニル、又はジ−(C〜C)−アルキルアミノスルホニルを表しているのが、より好ましい。
【0031】
式(Ib)の染料の例は、式(Ib1)〜(Ib29)の染料である。
【化13】

【0032】
【化14】

【0033】
【化15】

【0034】
【化16】

【0035】
本発明によるさらに好ましい式(I)の染料は、式(Ic)に合致する。
【化17】

[式中、R〜R、R、R14、A、B、s及びtはそれぞれ、先に定義されたものである。]
【0036】
本発明による特に好ましい式(Ic)の染料においては、
〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表すが、ここで
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C12)−アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、(C〜C)−アシルアミノ、カルバモイル、アミノ、モノ−(C〜C12)−アルキルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ若しくは(C〜C)−アルキルスルホニル;又はモノ−(C〜C22)−アルキルアミノエチレンスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノエチレンスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル又はジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニルを表すが、ここで、いずれの場合においても、その(C〜C22)−アルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよく;そして
は、水素、(C〜C18)−アルキル、又はフェニル−(C〜C)−アルキルを表し;そして
B、R14、s、及びtはそれぞれ、先に定義されたものである。
【0037】
式(Ic)の極めて特に好ましい化合物においては、
〜Rは、それぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、(C〜C)−アシルアミノ、カルバモイル、アミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノスルホニル、ジ−(C〜C)−アルキルアミノスルホニル、又は(C〜C)−アルキルスルホニルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表すが、ここで
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C12)−アルキル、ハロゲン;シアノ;ニトロ;ヒドロキシル;(C〜C)−アルコキシ;(C〜C)−アシル;(C〜C)−アシルアミノ;カルバモイル;アミノ;モノ−(C〜C12)−アルキルアミノ;(C〜C)−アルキルチオ、若しくは(C〜C)−アルキルスルホニル;
又は、モノ−(C〜C18)−アルキルアミノエチレンスルホニル、ジ−(C〜C18)−アルキルアミノエチレンスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル若しくはジ−(C〜C18)−アルキルアミノスルホニルを表すが、その(C〜C18)−アルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよく;
Bは、水素、又はメチルを表し;
は、水素又は(C〜C)−アルキルを表し;
14は、水素又は(C〜C)−アルキルを表し;
sは、0〜18の数であり;そして
tは、1〜3の数である。
【0038】
上述の式(Ic)の極めて特に好ましい染料においては、R〜Rがそれぞれ、水素を表し、Rが、水素、アセチル、又はメトキシを表しているのが、より好ましい。
【0039】
式(Ic)の染料の例は、式(Ic1)〜(Ic29)の染料である。
【化18】

【0040】
【化19】

【0041】
【化20】

【0042】
【化21】

【0043】
本発明によるさらに好ましい式(I)の染料は、式(Id)に合致する。
【化22】

[式中、R〜R、R14、B、s及びtはそれぞれ、先に定義されたものである。]
【0044】
本発明による特に好ましい式(Id)の染料においては、
〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、N−モノ−(C〜C22)−アルキルカルバモイル、N,N−ジ−(C〜C22)−アルキルカルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;
は、水素又は(C〜C22)−アルキルを表し;そして
B、R14、s、及びtはそれぞれ、先に定義されたものである。
【0045】
式(Id)の極めて特に好ましい化合物においては、
〜Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン;カルバモイル、N−モノ−(C〜C)−アルキルカルバモイル、又はN,N−ジ−(C〜C)−アルキルカルバモイルを表し;
は、水素又は(C〜C18)−アルキルを表し;
14は、水素、メチル、又はエチルを表し;
Bは、水素、又はメチルを表し;
pは、0〜17の数であり;そして
tは、1〜3の数である。
【0046】
上述の極めて特に好ましい式(Id)の染料は、R及びRが水素を表し、R〜Rがそれぞれ独立して、水素、塩素、メチル、カルバモイル、N−モノ−(C〜C)−アルキルカルバモイル、又はN,N−ジ−(C〜C)−アルキルカルバモイルを表しているのが、より好ましい。
【0047】
式(Id)の染料の例は、式(Id1)〜(Id37)の染料である。
【化23】

【0048】
【化24】

【0049】
【化25】

【0050】
【化26】

【0051】
【化27】

【0052】
【化28】

【0053】
本発明によるさらに好ましい式(I)の染料は、式(Ie)に合致する。
【化29】

[式中、R〜R、R14、A、B、s、及びtはそれぞれ、先に定義されたものであり、pは1〜22の数である。]
【0054】
本発明による特に好ましい式(Ie)の染料においては、
〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、N−モノ−(C〜C22)−アルキルカルバモイル、N,N−ジ−(C〜C22)−アルキルカルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル;アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表すが、ここで
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C12)−アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、(C〜C)−アシルアミノ、カルバモイル、アミノ、モノ−(C〜C12)−アルキルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、又はジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニルを表すが、そのアルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよく;
は、水素、(C〜C18)−アルキル、又はフェニル−(C〜C)−アルキルを表し;
pは、1〜4の数であり;そして
sは0〜6の数であり;そして
B、R14、及びtはそれぞれ、先に定義されたものである。
【0055】
式(Ie)の極めて特に好ましい化合物においては、
〜Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン;カルバモイル、N−モノ−(C〜C)−アルキルカルバモイル、又はN,N−ジ−(C〜C)−アルキルカルバモイルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表すが、ここで
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、フェニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、又はモノ−(C〜C18)−アルキルアミノスルホニル若しくはジ−(C〜C18)−アルキルアミノスルホニルを表すが、その(C〜C18)−アルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよく;
Bは、水素、又はメチルを表し;
は、水素、(C〜C)−アルキル、又はフェニル−(C〜C)−アルキルを表し;
14は、水素又は(C〜C)−アルキルを表し;
pは、1〜4の数であり;
sは0〜4の数であり;そして
tは、1又は2である。
【0056】
上述の極めて特に好ましい式(Ie)の染料は、R及びRが水素を表し、R〜Rがそれぞれ独立して、水素、塩素、メチル、カルバモイル、N−モノ−(C〜C)−アルキルカルバモイル、又はN,N−ジ−(C〜C)−アルキルカルバモイルを表しているのが、より好ましい。
【0057】
式(Ie)の染料の例は、式(Ie1)〜(Ie26)の染料である。
【化30】

【0058】
【化31】

【0059】
【化32】

【0060】
【化33】

【0061】
本発明によるさらに好ましい式(I)の染料は、式(If)に合致する。
【化34】

[式中、R〜R、R14、A、B、s及びtはそれぞれ、先に定義されたものである。]
【0062】
本発明による特に好ましい式(If)の染料においては、
〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表すが、ここで
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C12)−アルキル、ハロゲン;シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、(C〜C)−アシルアミノ、カルバモイル、アミノ、モノ−(C〜C12)−アルキルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、又はモノ−(C〜C22)−アルキルアミノエチレンスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノエチレンスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル又はジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニルを表すが、ここで、いずれの場合においても、その(C〜C22)−アルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよく;
は、水素、(C〜C18)−アルキル、又はフェニル−(C〜C)−アルキレンを表し;そして
B、R14、s、及びtはそれぞれ、先に定義されたものである。
【0063】
式(If)の極めて特に好ましい化合物においては、
〜Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、カルバモイル、N−モノ−(C〜C)−アルキルカルバモイル、又はN,N−ジ−(C〜C)−アルキルカルバモイルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表すが、ここで
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C12)−アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、(C〜C)−アシルアミノ、カルバモイル、アミノ、モノ−(C〜C12)−アルキルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ若しくは(C〜C)−アルキルスルホニルを表すか、又はモノ−(C〜C18)−アルキルアミノエチレンスルホニル、ジ−(C〜C18)−アルキルアミノエチレンスルホニル、モノ−(C〜C18)−アルキルアミノスルホニル又はジ−(C〜C18)−アルキルアミノスルホニルを表すが、ここで、その(C〜C18)−アルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよく;
Bは、水素、又はメチルを表し;
は、水素又は(C〜C)−アルキルを表し;
14は、水素又は(C〜C)−アルキルを表し;
sは、0〜18の数であり;そして
tは、1〜3の数である。
【0064】
上述の極めて特に好ましい式(If)の染料は、R及びRがそれぞれ、水素を表し、R〜Rがそれぞれ独立して、水素又は塩素を表しているのが、より好ましい。
【0065】
式(If)の染料の例は、式(If1)〜(If30)の染料である。
【化35】

【0066】
【化36】

【0067】
【化37】

【0068】
【化38】

【0069】
本発明はさらに、本発明による式(I)の複数の染料の間の混合物、及びさらには、式(I)の1種又は複数の染料と、1種又は複数の混和性染料、より詳しくは顔料又は油溶性染料との混合物もまた提供する。それぞれの混合比は厳密なものではなく、広い範囲で変化させることができる。
【0070】
本発明はさらに、式(I)本発明による式(1)の染料を調製するためのプロセスも提供するが、そのプロセスには、式(VII)の化合物
【化39】

[式中、R、R、X、及びtはそれぞれ、先に定義されたものである]を、式(VIII)の化合物
【0071】
【化40】

[式中、A、B、R、R14、p、r、及びsはそれぞれ、先に定義されたものである]と、反応させることを含む。
【0072】
本発明の反応は、特に、25〜150℃、より好ましくは50〜100℃の温度で、塩基たとえば、ピリジン、ピペリジン、酢酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、又は水酸化ナトリウムの存在下又は不在下で実施するのが、より好ましい。有用な塩基としてはさらに式(VIII)の化合物が挙げられるが、これらは過剰に使用することも可能である。
【0073】
使用する反応媒体は、不活性溶媒、不活性溶媒の混合物、水、又は水と不活性溶媒との混合物であるのが好ましい。その縮合反応を溶融状態で実施することもまた可能である。
【0074】
特に好ましい溶媒は、アルコールたとえば、n−ペンタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エチルヘキサノール、2−メチル−1−ブタノール、イソアミルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール;グリコール及びそれらの誘導体たとえば、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール:エーテルたとえば、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジ−n−アミルエーテル;又はさらにその他の極性又は無極性不活性溶媒たとえば、エチルベンゼン、アニソール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、N−メチルピロリドン、トルエン、1,2−キシレン、1,3−キシレン、1,4−キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、又はそれらの混合物である。
【0075】
本発明の反応は、溶液中(1相中)か、又は反応条件下では相互に混和しない液状の2相又は多相を含む反応系の中で実施することができる。多相条件下で実施するならば、相間移動触媒を使用することができる。適切な相間移動触媒は、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンジルトリアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルホスホニウム塩、ベンジルトリアルキルホスホニウム塩、及びそれらの混合物の群である。本発明によるプロセスの目的のためには、ホスホニウム塩よりはアンモニウム塩の方が好ましく、特に適しているのは、クロリド、ブロミド及びヒドロサルフェートのアニオンを含む、テトラ−n−ブチルアンモニウム、トリ−n−ブチルメチルアンモニウム、及びベンジルトリエチルアンモニウム塩である。相間移動触媒として使用するのに極めて特に好ましいのは、テトラブチルアンモニウムブロミド(Aliquat100(登録商標))、トリカプリリルメチルアンモニウムクロリド(Aliquat336(登録商標))、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド(Aliquat134(登録商標))、メチルトリブチルアンモニウムクロリド(Aliquat175(登録商標))、ジベンゾ−18−クラウン−6(Aliplex186DB(登録商標))、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロミド、及びそれらの混合物である。
【0076】
式(VII)の化合物は、たとえば、式(IX)の化合物をスルホクロリネート化することによって得ることができる。
【化41】

[式中、R、R、及びXはそれぞれ、先に定義されたものである]
【0077】
スルホクロリネート化は、クロロスルホン酸中で、塩化チオニルの存在下又は不在下に、常法に従って実施することができる。スルホクロリネート化は、25〜150℃、より好ましくは50〜130℃の温度で実施するのが、より好ましい。典型的には、異性体の混合物が得られる。特に、反応条件を選択して、好ましくはtが1〜3の値をとるようにする。2個のスルホニルクロリド基を導入できるような条件が特に好ましい。
【0078】
式(IX)の化合物は公知であり、市販されてはいるが、公知の方法に倣って公知の出発物質から容易に得ることも可能である。
【0079】
市販されている式(IX)の化合物の例としては、たとえば、カラー・インデックス・ソルベント・オレンジ60、カラー・インデックス・ソルベント・レッド135、及びカラー・インデックス・ソルベント・レッド179、並びにさらには、DyStar Textilfarben GmbHから商品名ColyPlast(登録商標)として市販されている化合物、並びにさらにLanxess Deutschland GmbHから商品名Macrolex(登録商標)として市販されている化合物が挙げられる。
【0080】
式(IX)の化合物は、必要があれば、式(X)の芳香族無水物
【化42】

[式中、Xは先に定義されたものである]、又はそれに対応するジカルボン酸若しくはエステルを、式(XI)の化合物と縮合させることによって得ることができる。
【化43】

[式中、R及びRはそれぞれ、先に定義されたものである。]
【0081】
その縮合のために使用する反応媒体は、不活性溶媒、不活性溶媒の混合物、無機酸、有機酸、又はそれらの水溶液であるのが好ましい。その縮合反応を溶融状態で実施することもまた可能である。特に好ましい不活性溶媒は、グリコール及びそれらの誘導体たとえば、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール、エーテルたとえば、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジ−n−アミルエーテル、又はさらなる極性若しくは無極性不活性溶媒たとえば、アセトン、エチルベンゼン、アニソール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、N−メチルピロリドン、トルエン、1,2−キシレン、1,3−キシレン、1,4−キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、又はそれらの混合物などである。
【0082】
縮合反応のためのさらに好ましい反応媒体は、氷酢酸であるが、その場合には、その混合物の沸点で還流させながら反応を実施するのが好ましい。助剤たとえば分散剤又は湿潤剤の存在下又は不在下に、塩酸水溶液中又は硫酸水溶液中でその縮合反応を実施することも可能である。
【0083】
式(VIII)の化合物は公知であり、文献中の公知の方法に従って得ることができる。それらは、たとえばSigma−Aldrich Inc.、Merck KGaA、Chempur Feinchemikalien und Forschungsbedarf GmbH、又はAcros Organicsなどから市販もされている。
【0084】
本発明による式(I)の染料は、ポリマーの着色に直接使用することもできるし、あるいは、それらを仕上(コンディショニング)操作にかけることによりそれらを二次加工して、販売可能な染料調製物とする。
【0085】
仕上げ操作は、単一の式(I)の染料から、又は2種以上の式(I)の染料の混合物から、又は1種若しくは複数の式(I)の染料とその他の染料タイプたとえば顔料若しくは油溶性染料の染料との混合物から、適切であるならば、助剤たとえば表面変性剤及び分散剤の助けを借りて、液体若しくは固体のキャリヤー物質の中に分散、懸濁又は溶解させ、さらには適切であるならば、所望の色強度及び所望の色相に標準化させ、そして適切であるならばそのようにして得られた調製物を乾燥させることにより、実施することができる。
【0086】
ポリマー中に不溶性の顔料(たとえば、二酸化チタンを添加することによって、相応に価値のある隠蔽着色(hiding coloration)を得ることが可能である。二酸化チタンは、ポリマーの量を基準にして、0.01%〜10重量%、好ましくは0.1%〜5重量%の量で添加することができる。
【0087】
式(I)の染料を含む調製物には、粘度/流動性を変性するための助剤をさらに含んでいてもよい。
そのタイプの有用な助剤は、たとえば米国特許第6,605,126号明細書に記載されている。好適な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ラクトン、及び炭酸エステルが挙げられる。
したがって、本発明はさらに、1種若しくは複数の式(I)の染料と、粘度/流動性を改良するための1種若しくは複数の助剤とを含む染料調製物も提供する。
それらの染料調製物には、いずれも染料調製物を基準にして、5%〜100重量%の量の1種若しくは複数の式(I)の染料と、0%〜95重量%の量の粘度/流動性を改良するための1種若しくは複数の助剤とを含んでいるのが好ましい。
【0088】
本発明はさらに、ポリマーを着色するための、式(I)の染料の使用もまた提供する。適切なポリマーとしてはたとえば、ポリオレフィン、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、並びにシリコーン及び熱可塑性シリコーンが挙げられる。好適なポリマーは、ポリオレフィン、たとえばポリエチレン又はポリプロピレン、及びポリオレフィンとのコポリマーである。
【0089】
本発明による使用において可能な手順は、式(I)の染料をポリマーに混合することである。
さらに、本発明による式(I)の染料を、マスターバッチの形態で使用することもまた可能である。マスターバッチは、キャリヤー物質と着色剤とからなる染料コンセントレートであって、その着色剤が、最終用途の場合よりも高い濃度で存在しており、またそのキャリヤー物質は、着色される物質との相溶性を有するように構成されている。使用するキャリヤー物質は、ポリマーたとえば、ポリオレフィン、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート若しくはポリスチレン、又はシリコーン/シリコーン若しくは熱可塑性シリコーンとすることができる。好適なポリマーは、ポリオレフィン、たとえばポリエチレン又はポリプロピレン、及びポリオレフィンとのコポリマーである。有用なキャリヤー物質としては、パラフィンオイル及びポリグリコールがさらに挙げられる。それらの染料マスターバッチは特に、それらが、5%〜60重量%の量の1種若しくは複数の本発明による式(I)の染料と40%〜95重量%の量の1種若しくは複数のキャリヤー物質とを含むことを特徴としている。
【0090】
式(I)の染料は、市販されている油溶性染料に比較して、特にポリオレフィン物質の着色において、ブリード/移行堅牢性において利点を有している。それらの利点は、ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー及びポリプロピレンブレンド物の着色において特に顕著である。
【0091】
本発明を説明するために以下の実施例を挙げるが、本発明がそれらの実施例に限定されることはない。部及びパーセントは、特に記さない限り、重量基準である。重量部と容積部の関係は、キログラムとリットルの関係に等しい。
【実施例】
【0092】
実施例1
a)
31.4部の式(IXa)の化合物
【化44】

と、93部のクロロスルホン酸との混合物とを、60℃で2時間撹拌する。その反応混合物を冷却してから、31部の塩化チオニルと混合し、一夜撹拌し、次いで氷水の中に注ぐ。そうして単離された沈殿物を、水で中性になるまで洗浄し、乾燥させると、47.5部の式(VIIa)の染料の混合物が得られる。
【0093】
【化45】

[式中、tは、1又は2である。]
【0094】
a)
80部の水性ジオキサン、13.1部のヘキサデシルアミン(Merck KGaA製)、4.15部の炭酸ナトリウム、及び10.74部の式(VIIa)の化合物の混合物を、50℃で5時間撹拌する。反応が終了してから、その反応混合物をメタノールに混合する。そうして単離された沈殿物を精製し、乾燥させると、15部の式(Ig)の染料の混合物が得られる。
【0095】
【化46】

[式中、tは、1又は2である。]
【0096】
b)
1gのa)により得られた染料を乳鉢の中で微粉砕し、2kgのポリプロピレンペレット(Basell製のMoplen RP340R)の中にすべて添加する。ローラーミル上でこの混合物を均質になるまで粉砕してから、二軸スクリュー押出機(Leistritz製のZSE 18HP−D40)で押出加工して、ペレット化させる。得られたペレットを、射出成形機(Arburg製の420 C 1000−100)で加工して、透明でオレンジレッドのサンプルプラックを成形することができる。その染料は、prEN14469−4において高い耐ブリード堅牢性、EN12877−2において熱に対する高い色安定性、そしてISO 105−B01において高い耐光堅牢性を有している。
【0097】
実施例2
a)
80部の水性ジオキサン、13.5部のオクタデシルアミン(Chempur Feinchemikalien und Forschungsbedarf GmbH製)、4.15部の炭酸ナトリウム、及び10.70部の式(VIIa)の化合物の混合物を、50℃で5時間撹拌する。反応が終了してから、その反応混合物をメタノールに混合する。そうして単離された沈殿物を精製し、乾燥させると、15.1部の式(Ih)の染料の混合物が得られる。
【0098】
【化47】

[式中、tは、1又は2である。]
【0099】
b)
1.28gのa)により得られた染料を乳鉢の中で微粉砕し、2kgのポリプロピレンペレット(Basell製のMoplen RP340R)の中にすべて添加する。ローラーミル上でこの混合物を均質になるまで粉砕してから、二軸スクリュー押出機(Leistritz製のZSE 18HP−D40)で押出加工して、ペレット化させる。得られたペレットを、射出成形機(Arburg製の420 C 1000−100)で加工して、透明でオレンジレッドのサンプルプラックを成形することができる。その染料は、prEN14469−4において高い耐ブリード堅牢性、EN12877−2において熱に対する高い色安定性、そしてISO 105−B01において高い耐光堅牢性を有している。
【0100】
実施例3
a)
40部の水性ジオキサン、9.3部のドデシルアミン(Sigma−Aldrich Inc.製)、4.15部の炭酸ナトリウム、及び10.74部の式(VIIa)の化合物の混合物を、50℃で5時間撹拌する。反応が終了してから、その反応混合物をメタノールに混合する。そうして単離された沈殿物を精製し、乾燥させると、6.9部の式(Ii)の染料の混合物が得られる。
【0101】
【化48】

[式中、tは、1又は2である。]
【0102】
b)
1gのa)により得られた染料を乳鉢の中で微粉砕し、2kgのポリプロピレンペレット(Basell製のMoplen RP340R)の中にすべて添加する。ローラーミル上でこの混合物を均質になるまで粉砕してから、二軸スクリュー押出機(Leistritz製のZSE 18HP−D40)で押出加工して、ペレット化させる。得られたペレットを、射出成形機(Arburg製の420 C 1000−100)で加工して、透明でオレンジレッドのサンプルプラックを成形することができる。その染料は、prEN14469−4において高い耐ブリード堅牢性、EN12877−2において熱に対する高い色安定性、そしてISO 105−B01において高い耐光堅牢性を有している。
【0103】
実施例1〜3に記載の手順に倣って、式(Ia1)〜(Ia41)、(Ib1)〜(Ib29)、(Ic1)〜(Ic29)、(Id1)〜(Id37)、(Ie1)〜(Ie26)、及び(If1)〜(If30)の本発明の染料を調製することも可能である。それらは、prEN14469−4において高い耐ブリード堅牢性、EN12877−2において熱に対する高い色安定性、そしてISO 105−B01において高い耐光堅牢性を有している。
【0104】
比較例1
1gの構造(IXa)の染料を乳鉢の中で微粉砕し、2kgのポリプロピレンペレット(Basell製のMoplen RP340R)の中にすべて添加する。ローラーミル上でこの混合物を均質になるまで粉砕してから、二軸スクリュー押出機(Leistritz製のZSE 18HP−D40)で押出加工して、ペレット化させる。得られたペレットを、射出成形機(Arburg製の420 C 1000−100)で加工して、透明で赤色のサンプルプラックを成形することができる。
このようにして得られた製品、さらには実施例1、2、及び3によって得られた製品の、prEN14469−4における耐ブリード堅牢性を求めると、下記の結果が得られた。
【0105】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の染料。
【化1】

[式中、Xは、式(II)又は式(III)の基を表し;
【化2】

Yは、式(IV)の基を表し;
【化3】

〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、N−モノ−(C〜C22)−アルキルカルバモイル、N,N−ジ−(C〜C22)−アルキルカルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;
は、水素、(C〜C22)−アルキル、又はフェニル−(C〜C22)−アルキルを表し;
14は、水素又は(C〜C)−アルキルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表し、
【化4】

[式中、
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C12)−アルキル、トリフルオロメチル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、(C〜C)−アシルアミノ、カルバモイル、アミノ、モノ−(C〜C12)−アルキルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、ビニル、ヒドロキシエチル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノエチレンスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノエチレンスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル又はジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニルを表すが、ここで、いずれの場合においても、前記(C〜C22)−アルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよい];
Bは、水素、又はメチルを表し;
p及びsはそれぞれ独立して、0〜22の数であり;
rは、0又は1であり;そして
tは、1〜6の数であり;
ここで、Yは、R及びRを担持しているナフタレン環に結合されるか、基Xに結合されるか、及び/又はR〜R基の構成成分であるアリール基に結合され、そして式(III)の基に結合されたYは、R、R、R、及び/又はRを表し;そして
r、s、p、及びR14は、式(I)の分子の内部で同一の意味を有するか又は異なった意味を有し;そして
Xが式(III)の基を表している場合には、sは2〜22の数であり、tは1であり、Rは水素を表し、pは0であり、rは1であり;そして
次の式(I)の染料は除く;
・Xが式(II)の基を表し、R及びRがそれぞれ水素を表し、R及びRがそれぞれヒドロキシルを表し、tが1であり、p及びsがそれぞれ0であり、rが1であり、Aが式(VI)の基を表し、そしてR、R12、R13及びBがそれぞれ水素を表している場合;及び
・Xが式(III)の基を表し、R〜Rがそれぞれ水素を表し、tが1であり、そしてYが−SON((C〜C)−アルキル)を表している場合。]
【請求項2】
式(Ia)〜(If)の一つに合致する、請求項1に記載の式(I)の染料。
【化5】

【化6】

[式中、R〜R、R14、A、B、s、及びtはそれぞれ、請求項1において定義されたものであり、pは、式(Ib)及び(Ie)においては1〜22の数であり、そして式(Ia)、(Ic)、(Id)及び(If)においては、請求項1において定義されたものである。]
【請求項3】
〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;そして
は、水素又は(C〜C22)−アルキルを表し;そして
14、B、s、及びtはそれぞれ、請求項1において定義されたものである、
式(Ia)に合致する、請求項1又は2に記載の式(I)の染料。
【請求項4】
〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表すが、ここで
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C12)−アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、(C〜C)−アシルアミノ、カルバモイル、アミノ、モノ−(C〜C12)−アルキルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル若しくはモノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル若しくはジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニルを表すが、前記アルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよく;
pは、1〜4の数であり;そして
sは0〜6の数であり;そして
B、R、R14、及びtはそれぞれ、請求項1において定義されたものである、
式(Ib)に合致する、請求項1又は2に記載の式(I)の染料。
【請求項5】
〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表すが、ここで
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C12)−アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、(C〜C)−アシルアミノ、カルバモイル、アミノ、モノ−(C〜C12)−アルキルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、又はモノ−(C〜C22)−アルキルアミノエチレンスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノエチレンスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル又はジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニルを表すが、ここで、いずれの場合においても、前記(C〜C22)−アルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよく;そして
は、水素、(C〜C18)−アルキル、又はフェニル−(C〜C)−アルキレンを表し;そして
B、R14、s、及びtはそれぞれ、請求項1において定義されたものである、
式(Ic)に合致する、請求項1又は2に記載の式(I)の染料。
【請求項6】
〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、N−モノ−(C〜C22)−アルキルカルバモイル、N,N−ジ−(C〜C22)−アルキルカルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;そして
は、水素又は(C〜C22)−アルキルを表し;そして
B、R14、s、及びtはそれぞれ、請求項1において定義されたものである、
式(Id)に合致する、請求項1又は2に記載の式(I)の染料。
【請求項7】
〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、N−モノ−(C〜C22)−アルキルカルバモイル、N,N−ジ−(C〜C22)−アルキルカルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル;アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表すが、ここで
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C12)−アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、(C〜C)−アシルアミノ、カルバモイル、アミノ、モノ−(C〜C12)−アルキルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル若しくはモノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル若しくはジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニルを表すが、前記アルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよく;
は、水素、(C〜C18)−アルキル、又はフェニル−(C〜C)−アルキレンを表し;
pは、1〜4の数であり;そして
sは0〜6の数であり;そして
B、R14、及びtはそれぞれ、請求項1において定義されたものである、
式(Ie)に合致する、請求項1又は2に記載の式(I)の染料。
【請求項8】
〜Rはそれぞれ独立して、水素、(C〜C)−アルキル、トリフルオロメチル、シクロ−(C〜C)−アルキル、アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、アリールオキシ、(C〜C)−アシル、アリールカルボニル、(C〜C)−アシルオキシ、アリールカルボニルオキシ、(C〜C)−アシルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、モノシクロ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ(シクロ)−(C〜C)−アルキルアミノ、ジ−(C〜C)−アルキルアミノ、モノアリールアミノ、ジアリールアミノ、モノ−(C〜C)−アルキルモノアリールアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、アリールチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、アリールオキシスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル、又はアリールスルホニルを表し;
Aは、式(V)又は式(VI)の基を表すが、ここで
〜R13はそれぞれ独立して、水素、(C〜C12)−アルキル、ハロゲン;シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシル、(C〜C)−アシルアミノ、カルバモイル、アミノ、モノ−(C〜C12)−アルキルアミノ、(C〜C)−アルキルチオ、(C〜C)−アルキルスルホニル、又はモノ−(C〜C22)−アルキルアミノエチレンスルホニル、ジ−(C〜C22)−アルキルアミノエチレンスルホニル、モノ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニル又はジ−(C〜C22)−アルキルアミノスルホニルを表すが、ここで、いずれの場合においても、前記(C〜C22)−アルキル基は、1個若しくは複数の酸素原子によって中断されるか、及び/又は1個若しくは複数のヒドロキシル基を含んでいてもよく;
は、水素、(C〜C18)−アルキル、又はフェニル−(C〜C)−アルキレンを表し;そして
B、R14、s、及びtはそれぞれ、先に定義されたものである、
式(If)に合致する、請求項1又は2に記載の式(I)の染料。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)の染料を調製するためのプロセスであって、
式(VII)の化合物
【化7】

[式中、R、R、X、及びtはそれぞれ、請求項1において定義されたものである]を、式(VIII)の化合物
【化8】

[式中、A、B、R、R14、p、r、及びsはそれぞれ、請求項1において定義されたものである]と、反応させることを含む、プロセス。
【請求項10】
ポリマーを着色するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)の染料の使用。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)の化合物及びキャリヤー物質を含む、マスターバッチ。

【公表番号】特表2012−524825(P2012−524825A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506447(P2012−506447)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054953
【国際公開番号】WO2010/121943
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(310020183)ダイスター・カラーズ・ドイッチュラント・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (11)
【Fターム(参考)】