説明

ポリマー組成物およびそれから作製されたプラスチック管

本発明は、ポリマー組成物であって、ポリマー組成物の総重量に対し、コポリエステルエラストマーを少なくとも50重量%と、グリース、油、および/またはワックス成分を少なくとも0.7重量%とを含むポリマー組成物に関する。本発明はまた、前記ポリマー組成物からなる外表面層を少なくとも備えるプラスチック管ならびに前記プラスチック管を含む延伸されたプラスチック管および前記プラスチック管の末端部分に挿入されたホース継手を備える自動車用ブレーキ系統にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ポリエステルエラストマーを含むポリマー組成物から得ることができるプラスチック管に関する。より詳細には、本発明は、自動車の真空ブレーキ系統およびエアブレーキ系統に使用するのに好適な延伸されたプラスチック管に関する。本発明はまた、本発明による延伸されたプラスチック管をそれから作製することができる、ポリエステルエラストマーを含むポリマー組成物にも関する。
【0002】
本発明の文脈におけるポリエステルエラストマーという用語は、高融点の結晶性または半結晶性の芳香族または半芳香族ポリエステルのブロックからなるハードセグメントと、低融点の高分子成分のブロックからなるソフトセグメントとを含むブロック共重合体と理解される。このようなポリエステルエラストマーはコポリエステルブロック共重合体としても周知であり、TPE−Eと略記される。
【0003】
管は、典型的には、2つの末端部分およびこの2つの末端部分の間の細長い部分を含む。その末端部分の少なくとも一部分を機械的に延伸することにより得られる少なくとも1つの延伸された末端部分を含む管を、本明細書においては、延伸されたプラスチック管とみなす。細長い部分および場合により末端部分の一方には、機械的延伸を施す必要がない。
【0004】
自動車の真空ブレーキ系統およびエアブレーキ系統に用いられるプラスチック管の基本的な要件は、これらの管が、可撓性および剛性のバランスが適切であり、十分な温度耐性を有しており、かつ乗用車のボンネット内に存在するオゾン等の化学的雰囲気に対する耐性を有していることである。従来、このような管はポリアミド12で作製されていた。数ある理由の中でも特に、より小型の乗用車の流行によって自動車のエンジン部がより高温になることから、ポリアミド12をこの用途に用いることが難しくなっている。このことを鑑み、より性能の高い材料が模索された。代替材料として、特に高温における剛性の保持に関しより高い性能を持つことから、ポリエステルエラストマーをこの用途に用いるという方法が見出された。一般に、自動車のエアブレーキ系統用プラスチック管に使用されるポリエステルエラストマーは、他の自動車エンジンルーム用途(under−the−bonnet application)に用いられる他の多くのプラスチック材料と同様、黒色のカーボンブラックが充填された材料である。一般に、これらのポリエステルエラストマー材料は、周囲環境による影響に対しても良好な耐性を示す。しかしながら、より要求の高い状況下においては、前記ポリエステルエラストマーから作製されたエアブレーキ管の耐オゾン性は十分ではなく、この管は、オゾンを含む環境に曝されると環境応力亀裂を起こす可能性があることも認められている。環境応力亀裂は、管末端の亀裂形成および脆化により視認することができる。前記環境応力亀裂は、管をエンジンブロックまたはブレーキ系統に装着する前に管が機械的延伸を受ける場所で起こる。このような機械的延伸は、例えば、バーブホース継手(barbed hose fitting)またはより厚肉の部分を含む他の種類のホース継手をプラスチック管の末端部分に挿入する際に起こる。
【0005】
バーブホース継手は、ホース継手が管から容易に抜けないようにするための後方に向けて突出した厚肉部分を備えるホース継手である。継手は、取り付け段階に必要である。バーブホース継手は製造および取り付けを経済的に行うことができるため、使用頻度が一層高くなっている。こうした理由から、自動車のエアブレーキ系統に使用するのに好適な、耐オゾン性がより高いプラスチック管が必要とされている。
【0006】
したがって、本発明の目的は、ポリエステルエラストマーを含むポリマー組成物から得ることができる、周知のプラスチック管と比較して耐オゾン性が改善されたプラスチック管、より詳細には、延伸されたプラスチック管を提供することにある。この目的は、本発明によるポリマー組成物および本発明によるポリマー組成物から作製されるプラスチック管により達成され、このプラスチック管は、延伸されたプラスチック管に変換することができる。
【0007】
本発明によるポリマー組成物は、コポリエステルエラストマーを、ポリマー組成物の総重量に対し少なくとも50重量%含む以外に、グリース、油、および/またはワックス成分を少なくとも0.7重量%含む。
【0008】
グリース、油、および/またはワックス成分を含む本発明によるポリマー組成物の効果は、それから作製された延伸プラスチック管の耐オゾン性がより高くなることにあり、これは、オゾンを含む環境下において環境応力亀裂を示す傾向が、グリース、油、および/またはワックス成分を含まないポリマー組成物を含む対応するポリエステルエラストマーから作製された周知の延伸プラスチック管よりも低減されていることによって示される。この効果は、特に、グリース、油、および/またはワックス成分が比較的低量でも起こるので、本当に意外である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】円筒形バーブホース継手の3次元略正面図である。
【0010】
耐オゾン性は、例えば、加硫された熱可塑性ゴムのオゾン亀裂に対する耐性に関するISO 1431および「オゾンの影響下における亀裂に対する耐性の測定(Bestimmung der Bestandigkeit gegen Rissbildung unter Ozone Einwirkung)」に関するDIN 53509−1に記載されているように、延伸されたプラスチック管をオゾンを含む環境に曝すことによって試験することができる。
【0011】
本明細書におけるワックスとは、パスト様構造〜硬質で脆い構造の間で変化することができる室温下で固体である材料と理解される。より詳細には、独国脂肪技術学会(German Society for Fat Technology)の定義によれば、ワックスは、以下の性質を有している:20℃で混練可能であり、脆いものから堅固なものまで、粗い結晶性から微細な結晶性のものまで、半透明から不透明なものまであり、融点をやや超えてさえも比較的低粘度であり、糸を引く傾向がなく、粘稠性を有し、溶解性が温度に依存し、かつ軽く押し付けながら研磨することができる(カーク・オズマー化学大辞典(Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレーテッド(John Wily&Sons Inc,)、第25巻、ワックス類(WAXES)、p.1参照)。
【0012】
本発明による組成物のワックス成分は、天然ワックスおよび/または合成ワックスであってもよい。好適には、天然ワックスは、化石系ワックス(fossil wax)および/または非化石系ワックスならびにその物理的および/または化学的に変性された誘導体である。天然ワックスに施すことが可能な物理的処理は、例えば、蒸留または抽出による精製である。水素添加、漂白、酸化等の化学的処理も用いることができる。
【0013】
物理的および化学的処理を組み合わせてもよい。これらの処理の目的は、可能な限り純度の高いワックスを得ることにある。本明細書においては、本明細書においてさらに述べる特定のワックスの名称に関し他に断りのない限り、その総称としてのワックスという名称には、その物理的および/または化学的に変性された誘導体も包含されると理解される。
【0014】
鉱物ワックスとも称される化石系の天然ワックスの好適な例は、石油ワックスおよび褐炭、泥炭およびモンタンワックスである。好適な非化石系天然ワックスは、例えば、ミツロウ等の動物系ワックス、カルナウバロウ等の植物系ワックス(vegetable wax、vegetal wax)、および細菌系ワックス(bacterial wax)である。
【0015】
好適には、合成ワックスは、半合成ワックスおよび/または全合成ワックスである。半合成ワックスは、天然ワックスまたはワックス様材料を、エステル化、アミド化、酸性ワックスの中和等の化学的処理により変性したものである。半合成ワックスの好適な例は、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミドワックス、および脂肪酸エステルワックスである。好適な全合成ワックスは、例えば、ポリオレフィンワックスおよびフィッシャー・トロプシュ(Fisher Tropsch)ワックスである。
【0016】
脂肪酸アミドワックスおよび脂肪酸エステルワックス中の脂肪酸は、好適には、C10〜C30脂肪酸である。炭素原子が10個未満または炭素原子が30個を超える脂肪酸も使用してもよい。例えば、脂肪酸ワックスは、ユニケマ(Unichema)からプリポール(Pripol)の商品名で入手可能な、炭素原子が36個の脂肪酸二量体から得ることができる脂肪酸ワックスであってもよい。好ましくは、脂肪酸は、12〜24個の炭素原子を有する。
【0017】
好適には、脂肪酸アミドワックスは、脂肪酸およびジアミンから得ることができるジアミドである。好適なジアミンは、エチレンジマイン(ethylene dimaine)、1,4−ジアミノブタン、および1,6−ジアミノヘキサンである。好適な脂肪酸アミドワックスの例は、ステアリルアミドおよびエチレンビスステアリルアミドである。
【0018】
好適には、脂肪酸ワックスは、脂肪酸およびポリオールから得ることができるエステルである。好適なポリオールは、エチレンジオール、グリセロール、およびペンタエリスリトールである。好適な脂肪酸エステルワックスの例は、ステアリン酸およびペンタエリスリトールのモノ−、ジ−、トリ−、およびテトラエステルならびにこれらの混合物ならびにステアリン酸およびグリセロールのモノ−、ジ−、およびトリエステルならびにこれらの混合物である。
【0019】
脂肪酸ワックスはまた、脂肪酸および直鎖または分岐のアルコールから得ることができるエステルであってもよい。好ましくは、アルコールは、少なくとも8個の炭素原子、好ましくは10〜24個の炭素原子、より好ましくは12〜18個の炭素原子を有する直鎖アルコールである。好適には、アルコールは、ラウリルアルコールまたはステアリルアルコールである。
【0020】
好適な油の例は、硬化ヒマシ油や硬化リシナス(rycinus)油等の硬化油である。
【0021】
本発明による組成物中に使用することができるワックスの概説に関しては、ウルマン:ワックス類(Ullman:Waxes)、ワイリー・VCH・フェルラーク・GmbH&Co.,KGaA(Wiley−VCH Verlag GmbH&Co.,KGaA)、ヴァインハイム(Weinheim)、10.1002/14356007.a28.103、pp.1〜59、カーク・オズマー化学大辞典、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレーテッド、第25巻、ワックス類、pp.1〜25を参照されたい。
【0022】
ワックス化合物の融解範囲および粘度を調整するために、金属石鹸(ステアリン酸カルシウム等)やフタル酸エステル等の他の化合物を添加してもよい。好適には、フタル酸エステルは、フタル酸および直鎖または分岐のアルコールのエステルである。好ましくは、アルコールは、少なくとも4個の炭素原子、好ましくは4〜24個の炭素原子、より好ましくは8〜12個の炭素原子を有する直鎖アルコールである。好適には、アルコールは、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、またはステアリルアルコールである。
【0023】
好ましくは、金属石鹸および/またはフタル酸エステルは、ワックス材料、グリース、および油の総重量に対し、総重量が0〜15重量%となる範囲内で存在する。
【0024】
より詳細には、ワックスの融解温度は、少なくとも25℃であり、融解温度を10℃超えた場合の粘度は最大で10000mPa.sである。
【0025】
本明細書における融解温度という用語は、DSCを用いて昇温速度10℃/分で測定した場合に、融解範囲内で最大融解速度を示す温度と理解される。
【0026】
本発明の好ましい実施形態においては、ポリマー組成物は、融解温度が少なくとも30℃であるワックス成分を含む。より好ましくは、融解温度は、35〜180℃、40〜150℃、45〜120℃、よりさらに好ましくは50〜100℃の範囲にある。最低融点がより高いことの利点は、組成物の製造中におけるワックスの加工がより容易になるだけではなく、特に、この組成物から作製された管からワックスが滲出する問題がより低減されることにある。
【0027】
同じく好ましくは、融解温度を10℃超えたワックス成分の溶融粘度は、最大で10000mPa.s、より好ましくは10〜5000mPa.sの範囲にある。
【0028】
好ましくは、ワックス成分は、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪族アルコール、脂肪酸およびポリオールの組合せ、天然ワックスおよびその誘導体、硬化油、パラフィン系油からなる群から選択され、より好ましくは、ポリオールおよび脂肪酸のエステル、ポリアミンおよび脂肪酸のアミド、ならびに硬化油からなる群から選択される。
【0029】
本発明によるポリマー組成物中に存在する、グリース、油、および/またはワックス成分の量は、幅広い範囲で変化してもよい。最小量がより高くなるほど耐オゾン性が向上するが、その量が非常に高くなると、耐オゾン性の向上は横這いになる。好ましくは、油、グリース、またはワックス成分の滲出等の他の性質を相殺しないように、その最大量の上限を維持する。好ましくは、前記成分が存在する量は、ポリマー組成物の総重量に対し、0.7〜4重量%、0.8〜3重量%、0.9〜2.5重量%であり、1.0〜2重量%でさえある。好ましくは、前記グリースまたはワックス成分の最小量は0.8重量%を超え、より好ましくは1.0重量%を超え、よりさらに好ましくは1.2重量%を超える。
【0030】
前記グリースまたはワックス成分の量がより多いことの利点は、耐オゾン性が高くなることと、亀裂が形成された場合は、亀裂が成長しにくくなるかまたは成長が完全に停止さえすることにある。
【0031】
本発明によるポリマー組成物中のコポリエステルエラストマーは、好適には、コポリエステル−エステルエラストマー、コポリエーテル−エステルエラストマー、および/もしくはコポリカーボネート−エステルエラストマーを含むかまたはコポリエステル−エステルエラストマー、コポリエーテル−エステルエラストマー、および/もしくはコポリカーボネート−エステルエラストマーであり、好ましくは、コポリエーテル−エステルエラストマーを含むかまたはコポリエーテル−エステルエラストマーである。
【0032】
コポリエステルエラストマーは、ポリマー組成物の総重量に対し、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、よりさらに好ましくは少なくとも85重量%、最も好ましくは少なくとも90重量%を構成する。コポリエステルエラストマー成分は耐オゾン性が改善されているので、コポリエステルエラストマーの比率が高いとポリマー組成物全体の耐オゾン性が高くなる。
【0033】
本明細書におけるコポリエーテルエステルエラストマーとは、高融点の結晶性もしくは半結晶性の芳香族または半芳香族ポリエステルのブロックからなるハードセグメントと、低融点のポリエーテルのブロックからなるソフトセグメントとを含むブロック共重合体と理解される。好適には、コポリエーテルエステルエラストマーは、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールから誘導された繰り返し単位から構成されるハードポリエステルセグメントと、ポリ(アルキレンオキシド)としても周知のポリグリコールエーテルから構成されるソフトセグメントとから作製されている。コポリエーテルエステルエラストマーの好適なソフトセグメントであるポリ(アルキレンオキシド)の例は、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、およびポリ(テトラメチレンオキシド)、ならびにそのランダム共重合体およびブロック共重合体である。
【0034】
好ましくは、コポリエーテルエステルエラストマーのソフトセグメントは、ポリ(テトラメチレンオキシド)から構成される。コポリエーテルエステルエラストマーおよびその調製に関する包括的な説明は、ポリマー科学技術大辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Technology)、第12巻、pp.76〜177(1985)およびそこに報告されている参考文献において見ることができる。
【0035】
本明細書におけるコポリエステルエステルエラストマーとは、高融点の結晶性または半結晶性の芳香族または半芳香族ポリエステルのブロックからなるハードセグメントと、低融点のポリエステルジオールのブロックからなるソフトセグメントとを含むブロック共重合体と理解される。好適には、コポリエステルエステルエラストマーは、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールから誘導された繰り返し単位から構成されるハードポリエステルセグメントと、脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸もしくはラクトンのいずれかまたはこれらの組合せから構成されるソフトセグメントとから作製されており、このハードセグメントおよびソフトセグメントは、ウレタン基で結合されていてもよい。例えば、欧州特許第0102115B1号明細書には、コポリエステルエステルエラストマーおよびその調製が記載されている。
【0036】
本明細書におけるコポリカーボネートエステルエラストマーとは、高融点の結晶性または半結晶性の芳香族または半芳香族ポリエステルのブロックからなるハードセグメントと、高分子成分を含む低融点ポリカーボネートのブロックからなるソフトセグメントとを含むブロック共重合体と理解される。好適には、コポリカーボネートエステルエラストマーは、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールから誘導された繰り返し単位から構成されるハードポリエステルセグメントと、脂肪族カーボネートの繰り返し単位から構成されるソフトセグメントならびに/または脂肪族カーボネートの繰り返し単位ならびに脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸もしくはラクトンのいずれかもしくはこれらの組合せの繰り返し単位がランダムに分布したものから構成されるソフトセグメントとから作製されており、このハードセグメントおよびソフトセグメントは、ウレタン基で結合されていてもよい。例えば、欧州特許第0846712B1号明細書には、コポリカーボネートエステルエラストマーおよびその調製が記載されている。
【0037】
コポリエステルエラストマーのハードセグメントの芳香族ジカルボン酸は、例えば、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、およびビフェニルジカルボン酸、またはこれらの混合物であってもよい。脂肪族ジオールは、例えば、エチレンジオール(エチレングリコールとしても周知)、プロピレンジオール、ブチレンジオール(1,4−ブタンジオールとしても周知)、ヘキサメチレンジオール、またはこれらの混合物であってもよい。熱可塑性ポリマー組成物中のコポリエステルエラストマーのハードセグメントは、好ましくは、テレフタル酸を含む芳香族ジカルボン酸ならびにエチレングリコールおよび/または1,4−ブタンジオールを含む脂肪族ジオールから誘導された繰り返し単位から構成される。より好ましくは、ハードセグメントは、テレフタル酸および1,4−ブタンジオールから作製される。
【0038】
熱可塑性ポリマー組成物中のコポリエステルエラストマーは、好ましくは、コポリカーボネートエステルエラストマーまたはコポリエステルエステルエラストマー、より好ましくはコポリカーボネートエステルエラストマーである。その利点は、耐オゾン性が一層改善されることにある。
【0039】
熱可塑性ポリマー組成物は、コポリエステルエラストマーならびにグリース、油、および/またはワックス成分以外に、他の成分も含んでいてもよい。存在していてもよい他の成分は、プラスチック管、より詳細には、真空およびエアブレーキ系統用プラスチック管に使用するのに好適な任意の添加剤であってもよい。
【0040】
好適には、ポリマー組成物は、分散した固体添加剤の粒子を含む。ポリマー組成物中に前記分散粒子をグリース、油、および/またはワックス成分と併用して含有させることの効果は、このような分散粒子が耐オゾン性を低下させる作用が、グリース、油、および/またはワックス成分を含まない対応する組成物と比較して、低減されることにある。
【0041】
本発明の好ましい実施形態においては、固体添加剤は、顔料、好ましくは、カーボンブラック(ピグメントブラック(Pigment black)7)、黒酸化鉄(ピグメントブラック11)、鉄チタンブラウン(iron titanium brown)(ピグメントブラック12)等の黒色顔料を含む。これらの黒色顔料に関するさらなる情報は、アルブレヒト・ミュラー(Albrecht Mueller)、プラスチックの着色(Coloring of Plastics)、ISBN1−56990−352−2、p.77において見ることができる。より好ましくは、黒色顔料は、カーボンブラックである。カーボンブラックは、耐オゾン性に対し明らかな悪影響を及ぼすことがわかっている。グリース、油、および/またはワックス成分を併用することにより、この悪影響が大幅に低減される。
【0042】
好ましくは、顔料、より詳細には、カーボンブラックは、ポリマー組成物中に、ポリマー組成物の総重量に対し0〜2.0重量%、より好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲の量で存在する。
【0043】
熱可塑性ポリマー組成物のカーボンブラック含有量は、例えば、ASTM 5630に準拠する方法を用いて、酸素を含まない環境、次いで酸素を含む環境下でTGA測定を実施することにより適切に測定することができる。
【0044】
好適には、熱可塑性ポリマー組成物は、安定剤、着色剤、および加工助剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含む。好適な加工助剤としては、潤滑剤および離型剤が挙げられる。好適な安定剤の例は、UV安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、およびオゾン劣化防止剤である。好適なオゾン劣化防止剤の例は、置換p−フェニレンジアミン(例えば、N,N’−ジフェニル−p−ジフェニレンジアミン)、環状アセタール(例えば、ブルカゾン(Vulkazon)(登録商標)AFS/LG)、およびエノールエーテル(例えば、ブルカゾン(登録商標)AFD)である。
【0045】
同じく好適には、ポリマー組成物は、有機着色剤、好ましくは有機黒色着色剤、より好ましくはニグロシンを含む。黒色のプラスチック管を作製しなければならない場合は、有利には、ニグロシン等の有機黒色物質(Organic black)を適用する。その利点は、それから作製された延伸プラスチック管の耐オゾン性が、カーボンブラックを含む対応する黒色のプラスチック管よりも優れることにある。ニグロシンは、様々な供給業者から供給されている市販品であり(例えば、インド国マハーラシュトラ州(Maharashtra,India)のPD Industries、米国ペンシルバニア州のランクセス(Lanxess,Pennsylvania,USA)、米国ニュージャージー州のロイス・アソシエーツ(Royce Associates,NewJersey,USA)、およびインド国西ベンガル州(WestBengal,India)のAnirox Pigments Ltd)、水溶性ニグロシン、油溶性ニグロシン、アルコール溶性ニグロシン等の様々な形態で提供される。好ましくは、着色剤は、油溶性ニグロシンである。
【0046】
好ましくは、有機着色剤、より詳細には、ニグロシンは、ポリマー組成物中に、ポリマー組成物の総重量に対し0〜2.0重量%、より好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲の量で存在する。
【0047】
好適には、本発明によるポリマー組成物は、顔料および着色剤のブレンド物を含む。
【0048】
同じく好適には、ポリマー組成物は、少なくとも1種のさらなる添加剤を含む。さらなる添加剤とは、コポリエステルエラストマー、グリース、油、および/またはワックス成分、着色剤、ならびに顔料とは異なる成分を意味する。
【0049】
さらなる添加剤は、熱可塑性エラストマー中およびそれから作製されたプラスチック管中に使用するのに好適な任意の添加剤であってもよい。さらなる添加剤が存在する量は、幅広い範囲内で変化してもよい。この量は、ポリマー組成物の総重量に対し0〜30重量%の範囲内またはそれさえも超えてもよく、好ましくは0〜20重量%である。さらに、好ましくは、少なくとも1種のさらなる添加剤は、ポリマー組成物の総重量に対し0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5、さらには0.2〜2重量の量で存在する。
【0050】
好適には、少なくとも1種のさらなる添加剤は、安定剤、加工助剤、難燃剤、核剤、無機充填剤、またはこれらの混合物である。
【0051】
好ましくは、ポリマー組成物は、少なくとも1種のさらなる添加剤として、少なくとも安定剤、より好ましくはオゾン劣化防止剤を含む。
【0052】
本発明の好ましい実施形態においては、ポリマー組成物は、
(a)コポリエステルエラストマーを、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは90重量%超と、
(b)ワックス材料を、少なくとも0.7重量%、好ましくは少なくとも0.8重量%と、
(c)顔料および/または着色剤を、0.01〜2重量%と、
(d)場合により少なくとも1種のさらなる添加剤と
を含み、ここで、重量百分率(重量%)は、ポリマー組成物の総重量に対するものである。
【0053】
他の好ましい実施形態においては、ポリマー組成物は、
(a)コポリエーテルエステルエラストマーを、少なくとも50重量%(好ましくは少なくとも60重量%)含むコポリエステルエラストマーと、
(b)グリース、油、および/またはワックス材料(ワックス材料は、ポリオールおよび脂肪酸のエステル、ポリアミンおよび脂肪酸のアミド、ならびに硬化油、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される)を、0.5〜5重量%(好ましくは0.7〜4重量%)と、
(c)顔料および/または着色剤を、0.01〜2重量%と、
(d)少なくとも1種のさらなる添加剤を、0〜10重量%と
からなり、ここで、重量百分率(重量%)は、ポリマー組成物の総重量に対するものであり、(a)〜(d)の合計は100である。
【0054】
本発明はまた、本発明によるコポリエステルエラストマー組成物から得ることができるプラスチック管にも関する。本発明によるプラスチック管は、本発明によるポリマー組成物または上述したその好ましい任意の実施形態からなる外表面層を少なくとも備える。本発明によるプラスチック管は、多層構造からなる複合プラスチック管であっても、完全に前記ポリマー組成物からなる単層管であってもよい。
【0055】
前記ポリマー組成物からなる外表面層を少なくとも備える本発明によるプラスチック管の利点は、上述したように、末端の少なくとも一方を延伸すると、その耐オゾン性が改善されることにある。
【0056】
前記ポリマー組成物からなる外表面層の厚みは幅広い範囲で変化してもよいが、実際、その最大値は、管の肉厚によって制限される。好ましくは、外表面層の厚みは、少なくとも0.025mm、好ましくは少なくとも0.05mmであり、少なくとも0.1mmでさえある。よりさらに好ましくは、厚みは、少なくとも0.2mmである。
【0057】
前記組成物の外表面層を備える本発明による複合プラスチック管は、外表面層以外に、内表面層ならびに場合により外表面層および内表面層の間に配された少なくとも1つの中間層をさらに備えていてもよい。
【0058】
好適には、内表面層および外表面層に加えて任意的な中間層も、すべてコポリエステルエラストマーを含むポリマー組成物からなる。
【0059】
複合プラスチック管が内表面層および外表面層からなる場合は、内表面層および外表面層は、ポリマー組成物を含む異なるコポリエステルエラストマーからなる。この組成物は、内層の組成物がグリース、油、および/またはワックス成分を含まない点で異なっていてもよく、かつ/または外表面層の組成物を構成しない他の成分を含むという点で異なっていてもよい。
【0060】
内層のポリマー組成物は、コポリエステルエラストマーを含む熱可塑性ポリマー組成物を含むかまたはコポリエステルエラストマーを含む熱可塑性ポリマー組成物からなるものであってもよい。これはまた、本発明による複合プラスチック管が耐オゾン性を失わせるものでない限りは、他のポリマー組成物を含むかまたは他のポリマー組成物からなるものであってもよい。
【0061】
本発明によるプラスチック管は、本発明による熱可塑性ポリマー組成物またはその好ましい実施形態から少なくとも外層が得られる押出ステップを含む方法を用いて作製してもよい。複合プラスチック管は、共押出ステップを含む方法を用いて作製してもよい。この種の方法においては、押出物が合一されて単一の生成物として一体化されるように配置された2つ以上のオリフィスを有する単一のダイから2種以上の材料が押し出され、本発明の場合、この生成物は、多層プラスチック管である。前記方法は、場合により、成形ステップを含んでいてもよい。このような成形ステップにおいては、目的とする自動車用ブレーキ系統に好適な様々な屈曲部および/または曲線を含む細長い部分を有する形態がプラスチック管に付与されてもよい。成形ステップは、プラスチック管を屈曲および成形するのに好適な任意の成形方法により実施してもよい。好適には、成形ステップは、熱成形ステップ、すなわち、成形工程にプラスチック管の加熱、変形、およびそれに続く冷却が含まれる成形ステップである。
【0062】
したがって、本発明は、場合により共押出ステップである押出ステップおよび場合により(熱)成形ステップを含む、本発明によるプラスチック管を作製する方法にも関する。
【0063】
本発明はまた、2つの末端部分およびその末端部分の間の細長い部分を含み、末端部分の少なくとも一方が、末端部分の少なくとも一部分を機械的に延伸することにより得られる延伸された末端部分である、延伸されたプラスチック管にも関する。本発明による延伸されたプラスチック管は、上述したように、本発明によるプラスチック管から得られる。このことの利点は、延伸されたプラスチック管の耐オゾン性がさらに改善されることにある。
【0064】
本発明によるプラスチック管およびその好ましい実施形態(複合プラスチック管だけでなく、本発明による熱可塑性ポリマー組成物から完全になるプラスチックであってもよい)は、延伸ステップ、すなわち、少なくとも1つの末端部分が機械的延伸されるステップを含む方法を用いて本発明による延伸されたプラスチック管に変換することができる。前記機械的延伸は、例えば、管に挿入される部分の外径がプラスチック管の内径よりも大きいホース継手を挿入することによって達成してもよい。ホース継手は、エアブレーキ系統管をエンジンに取り付けるのに適した任意の種類の管状継手であってもよい。好適には、ホース継手は、円筒形ホース継手または円錐形ホース継手である。同じく好適には、ホース継手は、テーパ部分、すなわち継手の細長い方向に向かって大きさが漸増または漸減する部分を含む。好適には、テーパ部分は、バーブ形状を有する、すなわち、管内に挿入されることを意図した、ホース継手の末端から後方に向かって突出した鋭い縁部を有する。
【0065】
前記機械的延伸を行った結果、延伸された末端部分は、プラスチック管の細長い部分および延伸前の末端部分の直径よりも大きい直径を有する延伸された部分を含むものとなる。好適には、細長い部分は、第1外径D1を有し、延伸された末端部分は、第2外径D2を有する延伸された部分を含み、D2は、D1よりも少なくとも1%大きい。好ましくは、D2は、D1を少なくとも2%、より好ましくは少なくとも5%、さらには少なくとも10%上回る。D2は、D1を少なくとも20%上回ってさえもよい。D1およびD2の差が大きいほど、本発明による耐オゾン性の改善が顕著である。
【0066】
本発明によるプラスチック管およびそれから作製された延伸プラスチック管は、幅広い範囲で変化する第1外径(D1)を有していてもよく、例えば3mmと小さくても、それを下回ってさえもよく、また、例えば25mmと大きくても、それを上回ってさえもよい。自動車用途の場合は、この直径は、好ましくは5〜20mm、より好ましくは8〜15mmの範囲にあり、9〜12.5mmの範囲であってさえもよい。一般に、D1が小さいほど、実際のD2の増加分が大きくなることとなり、本発明による効果も高くなるであろう。
【0067】
本発明によるプラスチック管だけでなく、それから作製された延伸プラスチック管の肉厚(T)も、幅広い範囲で変化してもよい。好適には、プラスチック管およびそれから作製された延伸プラスチック管の肉厚は、少なくとも0.2mm、好ましくは0.5〜3mmであり、1〜2mmでさえある。
【0068】
本発明はまた、本発明による延伸されたプラスチック管を作製する方法にも関する。本発明による方法は、延伸ステップを含む。この延伸ステップは、プラスチック管を作製する方法に統合してもよく、それによって、(共)押出ステップ、場合により(熱)成形ステップ、および延伸ステップをこの順序で含む方法となる。
【0069】
本発明はまた、本発明による延伸されたプラスチック管またはその任意の好ましい実施形態および延伸された末端部分に挿入されたホース継手を備える、自動車ブレーキ系統、特に、真空ブレーキ系統およびエアブレーキ配管系統にも関する。
【0070】
図1は、円筒形バーブホース継手を示す3次元略正面図である。円筒形バーブホース継手(1)は、円筒形部分(2)、中央部分(4)、およびねじ山部分(6)を備える。円筒形部分(2)は、末端(8)を有し、かつ漸減する直径(12)と、末端(8)と反対方向を指す鋭い縁部(14)とによって認識できる数個の別個のテーパ状バーブ形状部分(10)を備える。
【0071】
以下の実施例および比較実験を用いて本発明をさらに説明する。
【0072】
[材料]
TPE−E:アーニテル(Arnitel)EM630−H(オランダ国のDSMエンジニアリング・プラスチックスB.V.(DSM Engineerign Plastics B.V.,The Netherlands)から)
ワックスI:Paracera 45:カルナウバロウ(オランダ国BVのパラメルトB.V.(Paramelt B.V.,Netherlands BV)から)
ワックスII:ロキシオール(Loxiol)(登録商標)G32:エステルワックス(独国のコグニス・オレオケミカルズ・GmbH(Cognis Oleochemicals GmbH,Germany)から(
ワックスIII:ロキシオール(登録商標)EP12:モノステアリン酸グリセリル(独国のコグニス・オレオケミカルズ・GmbHから)
【0073】
TPE−Eベースのエラストマー組成物を調製するのに標準的な条件および慣例的な手順を用いて、TPE−Eおよびワックス成分を含むエラストマー組成物をZE−25押出機(独国バーストーフ(Berstorff,Germany))を用いて作製した。この組成物を、アーブルグ(Arburg)150射出成形機で射出成形することにより、寸法80×80×2mmの小板を形成した。小板から、射出成形方向と垂直に、寸法40×15×2mmの細片を裁断した。熱成形ステップを模擬するために、小板を190℃のオーブンに10分間入れた後、オーブンから取り出して冷却した。冷却された細片を直径15mmの鋼管の周囲に重ねて鋼線でしっかりと固定することにより、圧迫された細片を形成した。こうして生成した圧迫された細片をオゾン環境に曝した。オゾン試験は、ISO 1431に従い、英国ノーザンプトン(Northampton England)のHampden Test Equipment Ltd,のP3−C8型のオゾンキャビネット(ozone cabinet)で実施した。
【0074】
これと同一の組成物を押出成形することにより、直径9mm、肉厚2mmの管を形成した。熱成形ステップを模擬するために、この管を190℃のオーブンに10分間入れた後、オーブンから取り出して冷却した。テーパ継手を管の末端に挿入することにより管の末端を延伸した。挿入されたテーパ継手を備える管を上述したようにオゾン環境に曝した。
【0075】
組成に加えて試験条件およびオゾン処理時間ならびにその試験結果を以下の表1に示す。
【0076】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー組成物であって、前記ポリマー組成物の総重量に対し、コポリエステルエラストマーを少なくとも50重量%と、グリース、油、および/またはワックス成分を少なくとも0.7重量%とを含む、ポリマー組成物。
【請求項2】
前記成分が、融解温度が少なくとも30℃であるワックス成分である、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項3】
前記融解温度を10℃超えた前記ワックス成分の溶融粘度が、最大で10,000mPa.sである、請求項1または2に記載のポリマー組成物。
【請求項4】
前記ワックス成分が、ポリオールおよび脂肪酸のエステル、ポリアミンおよび脂肪酸のアミド、ならびに硬化油からなる群から選択される、請求項1〜3に記載のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項5】
前記グリース、油、および/またはワックス成分が、前記ポリマー組成物の総重量に対し0.7〜5重量%の量で存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項6】
前記コポリエステルエラストマーが、コポリエステル−エステルエラストマー、コポリエーテル−エステルエラストマー、および/またはコポリカーボネート−エステルエラストマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項7】
前記ポリマー組成物が、分散した固体添加剤の粒子を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項8】
前記固体添加剤が、顔料を含む、請求項7に記載のポリマー組成物。
【請求項9】
前記顔料が、前記ポリマー組成物の総重量に対し0〜2.0重量%の範囲の量で存在する、請求項8に記載のポリマー組成物。
【請求項10】
前記ポリマー組成物が、有機着色剤を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項11】
前記ポリマー組成物が、着色剤および顔料とは異なる、少なくとも1種のさらなる添加剤を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項12】
前記さらなる添加剤が、前記ポリマー組成物の総重量に対し0.01〜10重量%の量で存在する、請求項11に記載のポリマー組成物。
【請求項13】
(a)コポリエーテルエステルエラストマーを少なくとも50重量%含むコポリエステルエラストマーと、
(b)グリース、油、および/またはワックス材料を0.5〜5重量%と、
(c)顔料および/または着色剤を0.01〜2重量%と、
(d)少なくとも1種のさらなる添加剤を0〜10重量%と
からなるポリマー組成物であって、前記ワックス材料が、ポリオールおよび脂肪酸のエステル、ポリアミンおよび脂肪酸のアミド、ならびに硬化油、ならびにこれらの混合物からなる群から選択され、前記重量百分率(重量%)が、前記ポリマー組成物の総重量に対するものであり、かつ(a)〜(d)の合計が100である、ポリマー組成物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載のコポリエステルエラストマーを含むポリマー組成物からなる外表面層を少なくとも備えるプラスチック管。
【請求項15】
前記外表面層の厚みが少なくとも0.025mmである、請求項14に記載のプラスチック管。
【請求項16】
(i)請求項1に記載のポリマー組成物を押出成形する押出ステップと、場合により、これに続いて、
(ii)(熱)成形ステップと
を含む、請求項14または15に記載のプラスチック管の作製方法。
【請求項17】
2つの末端部分および前記末端部分の間の細長い部分を含み、前記末端部分の少なくとも一方が、その末端部分の少なくとも一部分を機械的に延伸することにより得られる延伸された末端部分である、延伸されたプラスチック管であって、前記延伸されたプラスチック管が、請求項14または15に記載のプラスチック管を延伸することにより得られる、延伸されたプラスチック管。
【請求項18】
請求項17のいずれか一項に記載の延伸されたプラスチック管の作製方法であって、(共)押出ステップ、場合により(熱)成形ステップ、および延伸ステップをこの順序で含む、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の延伸された末端部分を含む延伸されたプラスチック管および前記延伸された末端部分に挿入されたホース継手を備える自動車用ブレーキ系統。

【図1】
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【公表番号】特表2010−518215(P2010−518215A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548702(P2009−548702)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051678
【国際公開番号】WO2008/098931
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】