説明

ポリ乳酸とポリオレフィンとを含む、ポリマー組成物及び物品

本発明は、ポリ乳酸(PLA)と、ポリオレフィンと、所望により非反応性溶融強度増強添加剤(NRMSEA)と、を含むポリマー組成物、並びに、この組成物から成形された物品及び組成物の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ乳酸(PLA)と、ポリオレフィンと、所望により非反応性溶融強度増強添加剤(NRMSEA)と、を含むポリマー組成物、並びに、この組成物から成形された物品及び組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィンは、現在、医療機器及び使い捨て消費者製品などの包装から機能製品までの多くの用途で広範に見られる。これらは、安全、軽量及び比較的安価である。ポリオレフィンは、種々の形成操作を介して比較的容易に溶融プロセスに入ってこれらの最終形態になり、これらはまた、これらの良好な熱安定性及び不活性特性に起因して容易にリサイクルされる。これらの多くの特性のために、これらは、現代社会に偏在する。
【0003】
市販のポリオレフィンは、現在、有限天然資源である石油及び/又は天然ガスから得られている。ポリオレフィン原料ストックの有限性に起因して、ポリオレフィンの費用は、原油及び天然ガスの価格変動に連動する。石油及び天然ガスなどの有限資源への依存性を削減し、これらに代えて再生可能な原料ストックから得られる材料を用いるための経済的、社会的、環境的及び政治的圧力が、現在大きくなってきている。好ましくは、このような再生可能な材料は、従来のポリオレフィンのものと同様の、加工性及び性能特性並びに費用構造を有する。このような再生可能な材料は、従来のポリオレフィンのリサイクル性を保持する一方で、高密度ポリエチレン(HDPE)のために、今日整えられているリサイクル設備を有意に変更しないこともまた望ましい。
【0004】
再生可能な熱可塑性材料の例は、再生可能な農産物から得られる脂肪族ポリエステルであるポリ乳酸(PLA)である。PLAは、ポリオレフィン又はポリエチレンテレフタレート(PET)に全体として置き換わるために、水ボトル及び生鮮食品用包装クラムシェルなどの多くの用途で使用されている。しかしながら、PLAは、その限定された加工性(すなわち、押出吹込み成形してボトル化することができない乏しい溶融強度)、限定されたリサイクル性(すなわち、専用のリサイクル流の欠如、これは以下に記載のように、PETリサイクル流に混入する恐れがある)及びこの材料の他の不利な特性(すなわち、低い熱変形温度、乏しい水遮断、非食品包装用途で遭遇する溶媒及び界面活性剤への乏しい耐性)に起因して、広範に使用されていない。
【0005】
低濃度(約50重量%未満)で他の成分をPLAに添加することにより、PLAのこうした特性(すなわち、乏しい溶融強度)のいくつかを修正するための努力がなされてきた。例えば、ポリオレフィン及びこれらのコポリマーが、PLAの衝撃特性を改善するために、約50重量%未満の濃度でPLAに添加されてきた。しかしながら、このようなPLA及びポリオレフィン混合物の処理は、HDPEなどのポリオレフィンの処理と異なり、連続PLA相中における少数のポリオレフィン相の適切な分散を得るために、追加的な前処理工程及び二軸押出機の使用並びに反応性溶融強度増強添加剤(RMSEA)を必要とする。前処理は、PLAペレット及びポリオレフィンペレットが溶融され、混合され、冷却され、固化され、PLA/ポリオレフィンペレットに切断されることを必要とし、これらは次に、二軸押出機中に供給される。二軸押出機及び/又はRMSEAの使用は、有意な費用及び複雑性を製造プロセスに加える。押出吹込み成形において、成形機は典型的には、二軸押出機ではなく、単軸押出機を組み込む。RMSEAに関し、これらの添加物の使用は、製造プロセスの監視及びより多くの制御を必要とする。RMSEAの使用はまた、未反応反応物質を除去するための精製工程を必要とすることがあり、これは揮発性生成物を生成することがあり、そのため、このような揮発性生成物を脱気するべく二軸押出機の使用を要する。それゆえに、先述のPLAとポリオレフィンとの混合物は、前処理又はRMSEAの使用なしに、単軸押出機を使用して、HDPEなどのポリオレフィンと単純に代替されて従来のポリオレフィン処理プラットフォーム(すなわち、従来の押出吹込み成形プラットフォーム)上で処理され得ない。
【0006】
更に、このようなPLAとポリオレフィン混合物から作製された製品は、主要なPETリサイクル流からこのような製品を分離するのが困難であることに起因して、現在、リサイクル可能ではない。HDPE流及びPET流という2つの主要なプラスチックリサイクル流が存在する(PETは透明なプラスチックであって、HDPEの混入はその透明性を損ない、すなわち、PETは不透明になる)。水系分離システムを使用して、リサイクルに先立って、2つのプラスチックを密度により分離する。PETの密度は水の密度1g/cm3を超え、PETは水系分離システム中で沈む。HDPEの密度は1g/cm3未満であり、HDPEは水系分離システム中で浮く。PLAがおよそ30%以上の濃度で存在するHDPEとPLAとのブレンドから作製される容器は、1g/cm3を超える密度を有する。このような容器は水系分離システム中で沈み、これによりPET流に混入する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それゆえに、加工性、性能、リサイクル性及び費用の点でポリオレフィンと同様であるが、再生可能なポリマーを含有するポリマー組成物に対する必要が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、物品に成形するために再生可能な材料、特にポリマー組成物、を含有する物品を製造するための組成物を目的とする。本組成物は、約0.1重量%を超える濃度のPLAと、約15重量%未満のポリオレフィンと、所望によりNRMSEAと、を含む。組成物中のPLAの濃度に依存して、NRMSEAは含まれてもよく、含まれなくてもよい。
【0009】
約0.1重量%を超える濃度のPLAと、約15重量%未満のポリオレフィンと、所望によりNRMSEAと、を含む物品の製造方法も提供される。PLAの濃度に依存して、NRMSEAは含まれてもよく、含まれなくてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書は、本発明を特に指摘し、明確に請求する請求項により結論とするが、本発明は以下の記載からよりよく理解されるであろうと考えられる。
【0011】
本発明は、PLAと、ポリオレフィンと、所望によりNRMSEAとの混合物を含むポリマー組成物に関する。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「再生可能」は、使用者による消費速度に匹敵する速度で自然プロセスにより補充される天然資源を指す。再生可能資源としての資格を有する天然資源には、酸素、真水、木材及び植物が挙げられる。
【0013】
百分率、部、及び比率は全て、特に指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。列記された成分に関するこうした重量は全て、活性物質のレベルに基づくものであり、したがって特に指定のない限り、市販材料に包含される可能性のある溶媒、触媒、残存モノマー、混入物質又は副産物を包含しない。用語「重量百分率」は、本明細書では「重量%」として表示されてもよい。
【0014】
特に指定される場合を除き、部、百分率、及び割合を含む全ての量は、「約」という言葉により加減されるものと理解され、量は有効数字を示すことを意図しない。特に断りのない限り、冠詞「a」、「an」及び「the」は「1つ以上の」を意味する。
【0015】
I.ポリ乳酸
本明細書に記載されるポリマー組成物は、ポリ乳酸(PLA)を含む。通常、PLAはホモポリマー又はコポリマーであり、トウモロコシ、サトウキビ、小麦及び米などの再生可能な富デンプン物質から得られる。細菌発酵は、このような富デンプン源から乳酸を生産するのに使用される。PLAは、典型的には、乳酸の重合により調製される。しかしながら、化学的に等価な物質が、乳酸の誘導体であるラクチドの重合により調製され得ると、当業者により認識される。このように、本明細書で使用するとき、「PLA」は、乳酸又はラクチドのいずれかの重合により調製されるポリマーを表すことが意図される。
【0016】
本発明での使用に好適であるPLAポリマーの例には、NatureWorks LLC(Minnetonka,Minnesota)から入手可能である様々なPLAポリマーが挙げられる。
【0017】
PLAが溶融処理可能であることが通常所望される。したがって、PLAは、約210℃において、好ましくは約0.1g/10分〜約1000g/10分、好ましくは約1g/10分〜約200g/10分、より好ましくは約5g/10分〜約50g/10分、の溶融流量を呈する。材料の溶融流量はASTM試験方法D1238−Eに従って決定され得、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0018】
所望の加工、機械的及びリサイクル特性を呈する組成物を得るために、PLAが有効量でポリマー組成物中に存在することが、通常、所望される。PLAがポリマー組成物中に過剰な濃度で存在する場合、本組成物は、乏しい加工特性(すなわち、溶融強度)及び乏しいリサイクル特性を、通常、呈する。
【0019】
特定の実施形態では、PLAは、ポリマー組成物中に、約0.1重量%〜10重量%、より好ましくは約1重量%〜約8重量%、好ましくは約2重量%〜約6重量%、より好ましくは約5重量%、の濃度で存在し、重量パーセントは全て、組成物中に存在するポリオレフィン、PLA、所望によりNRMSEA、及び任意の添加剤の総重量に基づく。
【0020】
いくつかの実施形態では、PLAは、ポリマー組成物中に、約10重量%〜約15重量%、好ましくは約11重量%〜約14重量%、好ましくは約13重量%、の濃度で存在する。典型的には、PLAがポリマー組成物中に約10重量%を超える濃度で存在するとき、本組成物はNRMSEAを更に含有する。NRMSEAは、PLA濃度が10重量%未満であるとき、存在してもよく、存在しなくてもよい。
【0021】
II.ポリオレフィン
通常、物品に製造可能な任意のポリオレフィンが、本明細書で用いるのに好適である。用語「ポリオレフィン」は、オレフィンのホモポリマー、又は、オレフィンと、オレフィンであってもよく、オレフィンでなくてもよい別のコモノマーと、のコポリマーを指す。ポリオレフィンには、直鎖又は分枝鎖ポリα−オレフィン及び環状ポリオレフィンが挙げられるが、これらに限定されない。直鎖ポリα−オレフィンの非限定的な例には、高密度ポリエチレン(HDPE)及びポリプロピレン(PP)が挙げられる。分枝鎖ポリα−オレフィンホモポリマーの非限定的な例は、低密度ポリエチレン(LDPE)である。分枝鎖ポリα−オレフィンコポリマーの非限定的な例は、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)である。ポリエチレンコポリマーの非限定的な例には、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)、ポリ(エチレン−無水マレイン酸)及びポリ(エチレン−ビニルアルコール)が挙げられる。
【0022】
HDPEは、通常、エチレンのホモポリマー又はエチレンと別のα−オレフィンとのコポリマーであり、最終固体状態ポリマー密度は、約0.945g/cm3〜0.968g/cm3である。PPは、通常、プロピレンのホモポリマー、又は、コモノマーとのプロピレンのコポリマーであり、プロピレンの含有量は約75モル%を超える。
【0023】
いくつかの実施形態では、ポリオレフィンは、ホモポリマー、又は、HDPE、LDPE、LLDPE及びこれらの混合物からなる群から選択されるコポリマーである。更なる実施形態では、ポリオレフィンは、HDPEホモポリマー又はコポリマーである。好適なHDPEポリマーは既知であり、例えば、表記B54−25H−127ポリエチレンコポリマーでINEOS Olefins & Polymers USA(League City,TX)から、又は、表記Paxon(商標)AA60−003でExxonMobil Corp.(Irving,TX)から入手され得る。
【0024】
所望の特性を呈する組成物を得るために、ポリオレフィンが有効量でポリマー組成物中に存在することが、通常、所望される。ポリオレフィンがポリマー組成物中に過少な濃度で存在する場合、本組成物は、乏しい押出加工特性を通常呈し、すなわち、低い溶融強度、押出物の粗さを呈し、ダイ又は成形型に粘着する。また、ポリオレフィンがポリマー組成物中に過少な濃度で存在する場合、本組成物から押出吹込み成形などの成形作業を介して製造される容器は、乏しい外観及び乏しい機械的特性を有し得る。
【0025】
特定の実施形態では、ポリオレフィンポリマーは、ポリマー組成物中に、約80重量%〜約99.9重量%、より好ましくは約85重量%〜約98重量%、好ましくは90重量%〜約95重量%、の濃度で存在し、重量パーセントは全て、ポリマー組成物中に存在するポリオレフィン、PLA、所望によりNRMSEA、及びあらゆる任意の添加剤の総重量に基づく。
【0026】
III.非反応性溶融強度増強添加剤
特定の実施形態では、本明細書に記載のポリマー組成物は、非反応性溶融強度増強添加剤(NRMSEA)を含む。本明細書で使用するとき、NRMSEAは、例えば、典型的な押出吹込み成形装置を使用して本組成物を容器に吹込み成形できるように、本組成物の溶融強度を改善する添加剤として定義される。このNRMSEAはまた、溶融した製品の表面仕上げを改善し得、最終的に、吹込み成形された部分の改善された表面の質を生じる。RMSEAと対照的に、NRMSEAは、本組成物の他の成分との永続的な共有結合を、通常、形成しない。
【0027】
NRMSEAの非反応性は、得られるポリマー組成物の加工性及びリサイクル性に寄与すると考えられている。NRMSEAは、PLAとポリオレフィンとを含有するポリマー組成物の加工性を、特に、PLAが約10重量%を超える濃度で存在するとき、又は、複雑な容器がこのポリマー組成物から製造されるとき、改善し得る。容器の複雑性は、容器の形状に関する。例えば、単純な容器であれば、湾曲の大きな半径について対称であり、鋭角はほとんどないであろう。複雑な容器であれば、楕円形のように非対称であり、数多くの鋭角部を有するであろう。また、いくつかの場合、押出吹込み成形プロセスに使用される単軸押出機から出るダイの設計は、ポリマー組成物の加工性を改善するために、NRMSEAの添加を推奨する。着色剤又は他の添加剤の包含もまた、NRMSEAの添加を推奨する。
【0028】
いくつかの実施形態では、NRMSEAは、エチレンとCH2=C(R1)CO22とCH2=C(R3)CO24とのエチレンコポリマーであり、式中、R1は水素又は1〜8個の炭素原子を有するアルキルであり、R2は1〜8個の炭素原子を有するアルキルであり、R3は水素又は1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、R4はグリシジルである。特定の実施形態では、NRMSEAは、エチレンとアクリル酸ブチルとメタクリル酸グリシジルとのエチレンコポリマー、又は、エチレンコポリマーとアイオノマーとのブレンド、又は、エチレンとアクリル酸エステル若しくは酢酸ビニルとのエチレンコポリマー、又は、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルとメタクリル酸ブチルと所望によりスチレンとのアクリル酸コポリマーである。好適であるNRMSEAの例には、商品名Biomax(登録商標)Strong 100及びBiomax(登録商標)Strong 120でE.I.DuPont De Nemours and Company(Wilmington,Delaware)から入手可能なエチレンコポリマー、並びに、商品名Biostrength(商標)130、Biostrength(商標)150及びBiostrength(商標)700でArkema Inc.,(Philadelphia,Pennsylvania)から入手可能なアクリル酸コポリマーが挙げられる。
【0029】
所望の特性、すなわち、溶融した製品の表面仕上げ及び溶融強度を呈する組成物を得るために、NRMSEAが有効量で本ポリマー組成物中に存在することが、通常、所望される。NRMSEAは、ポリマー組成物中にPLAに対して約1:1〜約1:25の重量比で、より好ましくは約1:8〜約1:12の重量比で、好ましくは約1:10の重量比で、通常、存在する。
【0030】
IV.任意成分
本ポリマー組成物の主成分を以上に記載したが、このような組成物はそれらに限定されず、組成物の所望される特性に悪影響を及ぼさない他の成分を含んでもよい。追加的な成分として使用され得る代表的な材料には、顔料、酸化防止剤、安定剤、界面活性剤、ワックス、流動促進剤、固体溶媒、可塑剤、成核剤、物理的及び化学的発泡剤、微粒子、デンプン、及び、ポリマー組成物の加工性を増強するために添加される物質が挙げられるが、これらに限定されない。このような追加的な成分がポリマー組成物に含まれる場合、このような追加的な成分が、好ましくは約5重量%未満、より好ましくは約3重量%未満、好ましくは約1重量%未満、の量で使用されることが通常所望され、重量パーセントは全て、本ポリマー組成物中に存在するポリオレフィン、PLA、所望によりNRMSEA、及び任意のこのような添加剤の総重量に基づく。
【0031】
V.ポリマー組成物の製造方法
通常、本発明のポリマー組成物の処理工程は、HDPEなどのポリオレフィンを処理するための当該技術分野において周知の工程とほぼ同一である。使用される装置、すなわち、押出吹込み成形機、ダイ及び成形型、並びに、処理条件、すなわち、時間、圧力、温度も、従来のポリオレフィン処理に採用される装置及び処理条件と同一である。
【0032】
最初の工程として、ポリマーと、PLAと、ポリオレフィンと、所望によりNRMSEAと、あらゆる他の任意成分とを一緒に物理的にブレンドしてもよく(任意の順番で)、各成分はペレット又は粉末形態で存在して、ポリマー組成物乾燥混合物を形成する。いくつかの実施形態では、次に、ほぼ室温で組成物乾燥混合物をかき回し、攪拌し、ないしは別の方法でブレンドし、本質的に巨視的に均質な混合物が形成されるように、成分を混合する。本明細書で使用するとき、用語「微視的に均質」は、電子顕微鏡により測定されたときに10〜50μmのサイズスケールで均質である混合物を指す。本明細書で使用するとき、用語「巨視的に均質」は、およそ1000ポリマーペレット又は粉末粒子のサイズスケールでは均質であるが、数ペレット又は粉末粒子のサイズスケールでは不均質である混合物を指す。次に、この混合物を、例えば、単軸押出機の中で溶融ブレンドして、実質的に微視的に均質な溶融混合物が形成されるように、成分を分配及び分散する。次に、実質的に微視的に均質な溶融混合物を、所望により、別々に、すなわち、焼入水タンクの中で、冷却してもよい。
【0033】
しかしながら、より典型的には、実質的に微視的に均質な溶融混合物は、単軸混合装置、すなわち、押出吹込み成形装置、により発生する圧力を使用して、ダイを通して溶融装置に直接移送され、ここで、混合物を成形し、冷却する。ポリマー組成物の溶融又は軟化温度が、ほとんどのプロセス用途において典型的に遭遇する範囲内であることが、通常、所望される。
【0034】
熱可塑性混合物の成分を混合、溶融及び成形する他の方法もまた可能であり、これらは当業者であれば容易に認識するであろう。例えば、NRMSEAがポリマー組成物に含まれるとき、ポリオレフィンとPLAポリマーとを最初に乾燥し、一緒に溶融混合してもよく、次に、溶融したポリオレフィン/PLA混合物にNRMSEAを添加してもよい(次に、NRMSEA/ポリオレフィン/PLA混合物を溶融混合してもよい)。あるいは、ポリオレフィン又はPLAとNRMSEAとを最初に乾燥させ、一緒に溶融混合してもよく、次に残りのポリマー(ポリオレフィン又はPLA)を溶融したポリマー/NRMSEA混合物に添加してもよい(次に、NRMSEA/ポリオレフィン/PLA混合物を溶融混合してもよい)。典型的には、NRMSEAがポリマー組成物乾燥混合物中に含まれるとき、混合物の3つの成分全て、ポリオレフィン、PLA及びNRMSEAは、一緒に乾燥及び溶融混合される。本発明の成分を一緒に混合する他の方法もまた可能であり、これらは当業者であれば容易に認識するであろう。
【0035】
種々の成分のいずれかを含むコポリマーが形成されないように、ポリオレフィンとPLAポリマーと所望によりNRMSEAとは、実質的に混合物中で互いに反応しないままであることが所望される。種々の成分が本質的に反応しないかどうかを判定するために、核磁気共鳴及び赤外線分析などの分析技術を使用して、最終ポリマー混合物の化学的特性を評価してもよい。
【0036】
成形に関し、ポリマー乾燥混合物の成分、ポリオレフィンとPLAと所望によりNRMSEAは、単軸押出機で成形される。二軸押出機などのより複雑な成形装置を使用してもよいが、所望の特性及び性能を有するポリマー組成物を製造するために必須ではない。ポリマー組成物の前処理、すなわち、特定成分の予備溶融もまた、必要とされない。通常、本ポリマー組成物は、特に、約15重量%を超えるPLAを含むポリマー組成物と比較して、改善された加工特性を呈する。
【0037】
VI.ポリマー組成物から作製される物品
本明細書に記載されているポリマー組成物は、製品及び製品包装、すなわち、容器、を含む種々の物品に成形され得る。製品又は包装に依存して、本組成物は、押出吹込み成形又は射出成形されてもよい。典型的には、本明細書に記載されている組成物は、押出吹込み成形プロセスで使用される。本発明のポリマー組成物は、パーソナルケア製品、家庭用洗浄製品及び洗濯洗剤製品などの物品の製造に、並びに、このような物品のための包装に、適している。パーソナルケア製品には、化粧品、毛髪ケア、スキンケア及び口腔ケア製品、すなわち、シャンプー、石鹸、練り歯磨き、が挙げられる。したがって、他の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリマー組成物を含む容器又はボトルなどの製品包装に関する。本明細書で使用するとき、用語「容器」は、容器の1つ以上の要素、すなわち、本体、蓋、ノズル、ハンドル、又は、容器全体、すなわち、本体と蓋、を指す。容器で使用するとき、ポリマー組成物が好適な機械的特性を呈することが、通常、所望される。
【0038】
本製品は、ポリマー組成物製の容器と、この容器について潜在的購買者に教示、すなわち、この容器が再生可能材料を含有することを教示する容器に関連するしるしと、を含んでもよい。容器に関連するこのようなしるしには、ラベル、折り込み、雑誌又は新聞のページ、ステッカー、クーポン、チラシ、通路における又は通路端のディスプレイ、並びに、見込みのある購買者により持って行かれるか又は製品に近接する区域にあるままのいずれかが意図された販売促進用アイテムが挙げられる。
【0039】
本明細書に記載のポリマー組成物製の製品は、既存のポリオレフィンリサイクル設備でリサイクル可能である。
【0040】
VII.試験方法
以下の手順を使用して、本発明の組成物及び容器を評価した。落下衝撃試験方法を使用して、容器の機械的特性を試験する。本発明のリサイクル後の容器の機械的性能の評価に、リサイクルシミュレーション方法を使用する。
【0041】
落下衝撃試験:
容器を周囲温度の水道水で(容器の上部からおよそ1.3cm(0.5インチ)まで)充填し、次に蓋をする。L.A.B.衝撃試験装置(Columbus McKinnon Corporation(Amherst,NY)製)のプラットフォーム上におよそ0.30m(1フィート)の初期落下高で容器を配置する。次に、L.A.B.装置のリリースアームを起動し、L.A.B.装置の制御表面上に容器を落下させる。容器が衝撃に耐えた(漏れなし)場合、次に、L.A.B.装置の高さを0.30m(1フィート)の増分で、最高2.13m(7フィート)まで上げる。同一の容器を、この容器が衝撃に耐えられなくなるまで、又は2.13m(7フィート)の落下高が達成される(すなわち、容器は2.13m(7フィート)の落下高における衝撃を耐える)まで、落下させる。容器が落下衝撃に耐えた最大高さ(最高2.13m(7フィート))として、落下高を記録する。次に、試験を以下の手順に従って最低2回繰り返す:L.A.B.装置をあらかじめ試験した容器の落下高マイナス0.61m(2フィート)に設定する(あらかじめ試験した容器が0.61m(2フィート)以上の落下高を達成しない場合には、L.A.B.装置を高さゼロに設定する)。3つ以上の容器を上記手順に従って試験した後、平均落下高を計算する。
【0042】
上記試験は、容器を水平又は垂直な向きで行い得る。水平な向きでは、容器をその側面でL.A.B.装置のプラットフォーム上に配置し、一方、垂直な向きでは、容器を装置のプラットフォームに直立させる。
【0043】
表1は、複数の異なるボトルの機械的特性(上記落下衝撃試験に従って)及び加工性を要約する。これらのボトルは、押出吹込み成形され(実施例1〜1hに記載の方法に従って)、様々な量のPLA及びNRMSEA、BioMax(登録商標)Strong 100を含有する(いくつかのボトルはPLA又はNRMSEAを含有しない)。押出品及びボトルの質を、良好、中程度、貧弱、非常に貧弱又は許容不可能として、定性的に評価する。良好な押出品及びボトルの質は、均一な壁厚、並びに、押出品(パリソン)及びボトルの内側及び外側表面の粗さの不在により、特徴付けられる。中程度の押出品及びボトルの質は、均一な壁厚だが、特にボトルの内側におけるいくつかの粗い表面により、特徴付けられる。貧弱な押出品及びボトルの質は、不均一な壁厚の領域及びより大きく広がった表面粗さにより、特徴付けられる。非常に貧弱な押出品及びボトルの質は、押出溶融物中の塊、全領域が不均一な壁厚であること、及び、大きく広がった表面粗さにより、特徴付けられる。最後に、許容不可能な押出品及びボトルの質は、押出品における低い溶融強度及びボトルにおける穴により、特徴付けられる。通常、溶融物における欠陥は、得られるボトルにおいて増幅される。
【0044】
【表1】

【0045】
実施例1a及び1bのボトルの加工性及び性能は、比較例1のボトルの加工性及び性能に匹敵する。実施例1cのボトルの加工性及び性能は、実施例1、1a及び1bと比較して、減少している。実施例1dのボトルの加工性は、実施例1、1a及び1bのボトルの加工性と同様であり、実施例1cのボトルよりも改善されている。実施例1dのボトルの機械的性能も、実施例1cのボトルよりも改善されている。実施例1eに関し、破裂(パリソンの破断)は一般的であり、製造されるボトルのおよそ75%が穴を有する。実施例1eのボトルの加工性及び性能は、実施例1cと比較して、減少している。実施例1fに関し、ボトルの加工性及び機械的性能は、実施例1eのボトルよりも有意に改善されており、ボトルの10%未満が穴を有する。実施例1gについては、破裂が優勢であり、製造される全てのボトルが穴を有する(落下試験は行わない)。実施例1gのボトルの加工性は、他の実施例全てと比較して、減少している。実施例1hのボトルは、実施例1gのボトルと比較して、改善された加工性を有する。しかしながら、押出品及びボトルの質は、実施例1gにおけるのと同様に、依然として許容不可能である(落下試験は行わない)。
【0046】
リサイクルシミュレーション:
リサイクルプロセスをシミュレートするために、粗砕機(Granutec(East Douglas,MA))からのModel TFG1624.50)を使用して、容器を粗砕する。粗砕された材料を85℃において30分間にわたって、0.1重量%のTriton−X界面活性剤を含有する1重量%のNaOH水溶液中で、洗浄する。次に、洗浄した細粒を冷水ですすぎ、一定温度及び湿度の空間(32℃(90°F)及び60%RH)に7日間にわたって定置した。次に、細粒を82℃(180°F)で1日間にわたって乾燥した。
【0047】
次に、このシミュレートされたリサイクル方法により製造される細粒を使用して、実施例2’〜2d’に記載の方法に従って、リサイクル後の容器を製造する。次に、リサイクル後の容器を上記落下衝撃試験にかける。
【0048】
表2は、複数の異なるリサイクル後のボトル(2a’〜2d’)の機械的特性(上記落下衝撃試験に従って)及び加工性を、未使用材料(2a〜2d)から作製される類似のボトルと比較して、要約する。
【0049】
ボトルは押出吹込み成形され、様々な量のPLA及びNRMSEA、BioMax(登録商標)Strong 100を含有する(いくつかのボトルはPLA又はNRMSEAを含有しない)。押出品及びボトルの質を上記のように定性的に評価する。
【0050】
【表2】

【0051】
全体として、表2のデータは、リサイクル後のボトルの加工性及び性能が、未使用ボトルの加工性及び性能と比較して、同様であるか又はわずかに改善さえしていることを示す。
【実施例】
【0052】
実施例1(比較)
100%のB54−25H−127 HDPEコポリマー(INEOS Olefins & Polymers USA(League City,TX))をKautex一個取り押出吹込み成形機(Kautex Maschinenbau GmbH(Bonn,Germany))の供給ホッパーに加える。押出機領域を160℃、171℃、182℃及び193℃(320°F、340°F、360°F及び380°F)の温度に設定し、パイナップル混練部分(pineapple kneading section)を有する一般用途スクリューを使用する。約400mLの容量と約30gの重量とを有するBoston丸形ボトルを製造する。
【0053】
(実施例1a)
95%のB54−25H−127 HDPEコポリマーと、5%の4042D PLAペレット(NatureWorks LLC製)(製造者の指示に従って乾燥させる)と、を機械的パドルミキサーに加える。パドルミキサーを60rpmで1分間にわたって操作し、良好なマクロ均質性を得る。ドライミックスをパドルミキサーからKautex吹込み成形機のホッパーに移す。押出機領域を160℃、171℃、182℃及び193℃(320°F、340°F、360°F及び380°F)に設定し、パイナップル混練部分を有する一般用途スクリューを使用する。約400mLのBoston丸形ボトルを約30gの目標重量で製造する。
【0054】
(実施例1b)
94.4%のB54−25H−127 HDPEコポリマーと、5.0%の4042D PLA(製造者の指示に従って乾燥させる)と、0.6%のBioMax(登録商標)Strong 100ペレット(E.I.DuPont De Memours and Company製)と、を機械的パドルミキサーに加え、次に、実施例1aに記載のように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0055】
(実施例1c)
90%のB54−25H−127 HDPEコポリマーと、10%の4042D PLAペレット(製造者の指示に従って乾燥させる)と、を機械的パドルミキサーに加え、次に、実施例1aに記載のように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0056】
(実施例1d)
88.8%のB54−25H−127 HDPEコポリマーと、10.0%の4042D PLA(製造者の指示に従って乾燥させる)と、1.2%のBioMax(登録商標)Strong 100ペレットと、を機械的パドルミキサーに加え、次に、実施例1aに記載のように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0057】
(実施例1e)
85%のB54−25H−127 HDPEコポリマーと、15%の4042D PLAペレット(製造者の指示に従って乾燥させる)と、を機械的パドルミキサーに加え、次に、実施例1aに記載のように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0058】
(実施例1f)
83.4%のB54−25H−127 HDPEコポリマーと、15.0%の4042D PLA(製造者の指示に従って乾燥させる)と、1.6%のBioMax(登録商標)Strong 100ペレットと、を機械的パドルミキサーに加え、次に、実施例1aに記載のように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0059】
(実施例1g)
80.0%のB54−25H−127 HDPEコポリマーと、20.0%の4042D PLAペレット(製造者の指示に従って乾燥させる)と、を機械的パドルミキサーに加え、次に、実施例1aに記載のように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0060】
(実施例1h)
77.8%のB54−25H−127 HDPEコポリマーと、20%の4042D PLA(製造者の指示に従って乾燥させる)と、2.2%のBioMax(登録商標)Strong 100ペレットと、を機械的パドルミキサーに加え、次に、実施例1aに記載のように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0061】
実施例2(比較)
100%のB54−25H−127 HDPEコポリマーペレットをKautex一個取り押出吹込み成形機の供給ホッパーに加える。押出機領域を160℃、171℃、182℃及び193℃(320°F、340°F、360°F及び380°F)に設定し、パイナップル混練部分を有する一般用途スクリューを使用する。約400mLのBoston丸形ボトルを約30gの目標重量で製造する。
【0062】
実施例2’(比較)
リサイクルプロセスをシミュレートするために、実施例2のボトルを上記方法に従って粗砕する。細粒をKautex一個取り押出吹込み成形機の供給ホッパーに加え、実施例2におけるように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0063】
(実施例2a)
90%のB54−25H−127 HDPEコポリマーと、10%の4042D PLAペレット(製造者の指示に従って乾燥させる)と、を機械的パドルミキサーに加え、次に、実施例2に記載のように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0064】
(実施例2a’)
リサイクルプロセスをシミュレートするために、実施例2aのボトルを上記方法に従って粗砕する。細粒をKautex一個取り押出吹込み成形機の供給ホッパーに加え、実施例2’におけるように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0065】
(実施例2b)
88.8%のB54−25H−127 HDPEコポリマーと、10.0%の4042D PLAペレット(製造者の指示に従って乾燥させる)と、1.2%のBioMax(登録商標)Strong 100ペレットと、を機械的パドルミキサーに加え、次に、実施例2に記載のように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0066】
(実施例2b’)
リサイクルプロセスをシミュレートするために、実施例2bのボトルを上記方法に従って粗砕する。細粒をKautex一個取り押出吹込み成形機の供給ホッパーに加え、実施例2’におけるように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0067】
(実施例2c)
85.0%のB54−25H−127 HDPEコポリマーと、15%の4042D PLAペレット(製造者の指示に従って乾燥させる)と、を機械的パドルミキサーに加え、次に、実施例2に記載のように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0068】
(実施例2c’)
リサイクルプロセスをシミュレートするために、実施例2cのボトルを上記方法に従って粗砕する。細粒をKautex一個取り押出吹込み成形機の供給ホッパーに加え、実施例2’におけるように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0069】
(実施例2d)
82.8%のB54−25H−127 HDPEコポリマーと、15.0%lbsの4042D PLA(製造者の指示に従って乾燥させる)と、2.2%のBioMax(登録商標)Strong 100ペレットと、を機械的パドルミキサーに加え、次に、実施例2に記載のように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0070】
(実施例2d’)
リサイクルプロセスをシミュレートするために、実施例2dのボトルを上記方法に従って粗砕する。細粒をKautex一個取り押出吹込み成形機の供給ホッパーに加え、実施例2’におけるように処理して400mLのBoston丸形ボトルを作製する。
【0071】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0072】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、その全てが本明細書中に参照により組み込まれる。いずれの文献の引用もこうした文献が本明細書中で開示又は特許請求の範囲に記載されるいずれかの発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のあらゆる参照文献との組合せにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更には、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、援用文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
【0073】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に成形するためのポリマー組成物であって、前記組成物は、0.1重量%を超えかつ10重量%未満、好ましくは1重量%を超えかつ8重量%未満、より好ましくは2重量%を超えかつ6重量%未満、の濃度のポリ乳酸ポリマーと、ポリオレフィンポリマーと、を含む、ポリマー組成物。
【請求項2】
前記組成物がNRMSEAを更に含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項3】
前記ポリオレフィンが、直鎖及び分枝鎖ポリα−オレフィンからなる群から選択されるポリα−オレフィンホモポリマー又はコポリマーである、請求項1又は2に記載のポリマー組成物。
【請求項4】
前記ポリα−オレフィンホモポリマー又はコポリマーが直鎖ポリα−オレフィンであり、好ましくは高密度ポリエチレン(HDPE)及びポリプロピレン(PP)からなる群から選択される直鎖ポリα−オレフィンであり、より好ましくは前記直鎖ポリα−オレフィンが高密度ポリエチレン(HDPE)である、請求項3に記載のポリマー組成物。
【請求項5】
前記ポリα−オレフィンホモポリマー又はコポリマーが分枝鎖ポリα−オレフィンである、請求項3に記載のポリマー組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の前記ポリマー組成物から製造される物品であって、前記物品が好ましくは容器である、物品。
【請求項7】
物品に成形するためのポリマー組成物であって、前記組成物が、10重量%を超えかつ15重量%未満の濃度のポリ乳酸ポリマーと、ポリオレフィンポリマーと、NRMSEAと、を含む、ポリマー組成物。
【請求項8】
前記NRMSEAが、エチレンと、CH2=C(R1)CO22と、CH2=C(R3)CO24と、のエチレンコポリマーであり、式中、R1は水素又は1〜8個の炭素原子を有するアルキルであり、R2は1〜8個の炭素原子を有するアルキルであり、R3は水素又は1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、R4はグリシジルである、請求項7に記載のポリマー組成物。
【請求項9】
前記NRMSEAが、エチレン、アクリル酸ブチル及びメタクリル酸グリシジルのエチレンコポリマー、エチレンコポリマーとアイオノマーとのブレンド、エチレンとアクリル酸エステルとのエチレンコポリマー、エチレンと酢酸ビニルとのエチレンコポリマー、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル及びメタクリル酸ブチルのアクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル及びスチレンのアクリル酸コポリマーからなる群から選択され、好ましくは前記NRMSEAがエチレンとアクリル酸エステルとのエチレンコポリマーである、請求項7に記載のポリマー組成物。
【請求項10】
前記NRMSEAが、前記ポリ乳酸ポリマーに対して、1:1〜1:25、好ましくは1:8〜1:12、より好ましくは1:10、の重量比で存在する、請求項7に記載のポリマー組成物。
【請求項11】
請求項7に記載の前記ポリマー組成物から製造される物品であって、前記物品が好ましくは容器である、物品。
【請求項12】
ポリマー物品を形成する方法であって、
約0.1重量%を超えかつ10重量%未満の濃度のポリ乳酸ポリマーとポリオレフィンポリマーとを混合すること、
ポリ乳酸ポリマーとポリオレフィンポリマーとの前記ブレンドを押し出すこと、及び、前記押し出されたブレンドを物品に成形すること、を含み、前記成形が好ましくは押出吹込み成形を含む、方法。
【請求項13】
前記ポリ乳酸ポリマーと前記ポリオレフィンポリマーがNRMSEAと混合される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ポリマー物品を形成する方法であって、
約10重量%を超えかつ約15重量%未満の濃度のポリ乳酸ポリマーとポリオレフィンポリマーとNRMSEAとを一緒に混合すること、
ポリ乳酸ポリマーとポリオレフィンポリマーとNRMSEAとの前記ブレンドを押し出すこと、及び、前記押し出されたブレンドを物品に成形すること、を含み、前記成形が好ましくは押出吹込み成形を含む、方法。

【公表番号】特表2011−516718(P2011−516718A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505266(P2011−505266)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/041762
【国際公開番号】WO2009/134704
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】