説明

ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)組成物およびその成形体

【課題】 化学合成系脂肪族ポリエステルや澱粉などの天然物高分子で達成が困難な、加工性に優れ、廃棄時に好気性、嫌気性環境下で微生物などの作用により分解し、地球上の二酸化炭素を積極的に固定化して得られる植物由来の組成物、成形体を得ることを目的とする。
【解決手段】 木粉及び/又はセルロース粉末と、微生物から生産される式(1):[−CHR−CH2−CO−O−](ここに、RはCn2n+1で表されるアルキル基で、n=1、3の整数である。)で示される繰り返し単位からなる脂肪族ポリエステル共重合体からなる組成物をそのまま或いは成形体として用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工性に優れ、廃棄時に好気性、嫌気性環境下で微生物などの作用により分解し、地球上の炭素循環系に還る組成物、成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックは加工や使用しやすさや、再利用の困難さ、衛生上の問題などから使い捨てされてきた。しかし、プラスチックが多量に使用、廃棄されるにつれ、その埋め立て処理や焼却処理に伴う問題がクローズアップされており、例えばゴミ埋め立て地の不足、非分解性のプラスチックスが環境に残存することによる生態系への影響、燃焼時の有害ガス発生、大量の燃焼熱量による地球温暖化等、地球環境への大きな負荷が挙げられる。近年、プラスチック廃棄物の問題を解決できるものとして、生分解性プラスチックの開発が盛んになっている。一般的に生分解性プラスチックは、1)ポリヒドロキシアルカノエート(本発明においては特にポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)、以下P3HAと示す)といった微生物生産系脂肪族ポリエステル、2)ポリ乳酸やポリカプロラクトン等の化学合成系脂肪族ポリエステル、3)澱粉や酢酸セルロース等の天然高分子といった、3種類に大別される。化学合成系脂肪族ポリエステルの多くは嫌気性分解しないため廃棄時の分解条件に制約があり、ポリ乳酸、ポリカプロラクトンは耐熱性に問題がある。また、澱粉は非熱可塑性で脆く耐水性に劣るといった問題がある。
【0003】
一方、P3HAは好気性、嫌気性何れの環境下での分解性にも優れ、燃焼時には有毒ガスを発生せず、植物原料を使用した微生物に由来するプラスチックで高分子量化が可能であり、地球上の二酸化炭素を増大させない、カーボンニュートラルである、といった優れた特徴を有している。該P3HAは脂肪族ポリエステルに分類されるが、先に述べた化学合成系の脂肪族ポリエステル、天然高分子物とはポリマーの性質が大きく異なり、嫌気性下で分解する性質や、耐湿性に優れる点、高分子量化が可能である点は特筆すべき性能である。また、P3HAが共重合体の場合、構成するモノマーの組成比を制御することで、融点、耐熱性や柔軟性といった物性を変化させることが可能である。P3HAの中でもその融点、結晶化度が高いことからポリヒドロキシブチレート(以下、略してPHB)が最も耐熱性に優れる。一方、PHBはその高い結晶性のゆえに硬くて脆い性質を有する。
【0004】
この様にポリヒドロキシアルカノエートは、植物原料からなり、廃棄物の問題が解決され、環境適合性に優れるため、包装材料、食器材料、建築・土木・農業・園芸材料、自動車内装材、吸着・担体・濾過材等に応用可能な成形体が望まれている。
【0005】
一方、P3HAは加工性に関して二つの大きな問題を有する。一つは高温に加熱した場合の熱分解による分子量低下、もう一つは遅い結晶化速度に由来する加工性の悪さである。P3HAのなかでもPHBは、融点が約175℃と高温であり、加工温度が高くなる事から加熱加工時に非常に熱分解し易く、成形体の分子量が低下してしまうため、耐熱性が高くても、脆い成形体となりやすい。一方、P3HAの共重合体であるポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)(以下、略称PHBH)は、共重合成分のうち3−ヒドロキシヘキサノエート比率が増大することで融点が低下するため、加熱加工時の温度を下げることができ、熱分解を抑制しながら加工が出来るので、分子量を維持した加工ができる。一方、P3HAは遅い結晶化速度を改善するために結晶核剤の添加検討が多く行われており、好適に使用できる結晶核剤として窒化硼素や塩化アンモニウム、タルクなどの無機物がよく知られているが、本検討のような木粉やセルロース粉末の添加剤を結晶核剤として検討したものは無かった。
【0006】
ところで、生分解性プラスチックに木粉などを混合化する方法は古くから公知である。木粉等は主にプラスチックの増量の目的で混合されたり、生分解性促進剤として(特許文献1)、また耐熱性や弾性率、強度、寸法安定性の向上や、耐衝撃性改良添加剤として検討されている(特許文献2〜3)。例えば、P3HAの1種であるPHBに木粉やセルロース粉末を添加することで強度、弾性率、衝撃強度、耐熱性が向上するといった記載があるが(特許文献2)、本発明のように木粉などを核剤として検討した例は全く記載されていないし、実施例においても木粉と結晶核剤である窒化硼素を添加しており、木粉は加工性を改良するような結晶核剤ではなく強度や耐熱性を向上させる物性調整用の添加剤とされているし、本発明のようにP3HAに木粉だけを添加することで加工性を改善するか定かでない。また、融点の高いPHBを使用するため熱分解による加工性の問題がある。また、ポリ乳酸に木粉を使用したカード基材(特許文献3)に使用し、積層体のエンボス加工時の反りを改善しているが、これも単にフィラーとして素材の弾性を変化させる検討であり、木粉による核剤効果、加工性改良に関しては一切の記載がない。よって本発明のようにP3HAの一種であるPHBHと木粉やセルロース粉末からなる組成物で、加熱溶融加工時の熱分解による分子量低下をしにくく、PHBH押出溶融物の結晶化を促進する検討はなかった。
【0007】
また一方、プラスチックに混合される木粉の原料である針葉樹などは、その成長の際に、二酸化炭素を吸収、固定するため、木粉を使用、固定化することは、延いては地球温暖化防止効果が期待される。二酸化炭素固定化物質は非常に注目度が高く積極的使用が望まれている。
【特許文献1】特開平5−320524号公報
【特許文献2】特開2000−129143号公報
【特許文献3】特開2003−1987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ポリヒドロキシアルカノエートの加熱成形時の加工性改良、熱分解性を抑制し、廃棄時に好気性、嫌気性環境下で微生物などの作用により分解し、地球上の二酸化炭素を積極的に固定化して得られる植物由来の組成物、成形体を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、微生物から生産される特定のPHBHと、木粉および/またはセルロース粉末を混合した場合に、加熱加工時の結晶化速度が向上し加工性が改善され、PHBHを使用することで熱分解性を抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明の第1は、木粉及び/又はセルロース粉末と、微生物から生産される式(1):[−CHR−CH2−CO−O−](ここに、RはCn2n+1で表されるアルキル基で、n=1及び3の整数)で示される繰り返し単位からなる、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)を含有する組成物に関する。好ましい実施態様は、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)の共重合成分の組成比が、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)/ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート)=99/1〜80/20(mol/mol)であることを特徴とする上記記載の組成物に関する。より好ましくは、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)100重量部に対して、木粉及び/又はセルロース粉末を0.5〜100重量部含有する上記記載の組成物、更に好ましくは、示差走査熱量測定法によるDSC曲線において、木粉および/またはセルロース粉末とポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)からなる組成物をポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)単体の融点よりも30℃以上高い温度から200℃以下の温度で溶融させた後、10℃/minで0℃まで降温した場合に、降温時に結晶化に由来する発熱ピークが存在し、この発熱ピークの温度をTc1wとするとき、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)単体で同様の測定をした場合の発熱ピーク温度Tc1nとの関係が、Tc1w>Tc1n、若しくはTc1nは存在しない関係にあることを特徴とする上記記載の組成物、に関する。
【0011】
本発明の第2は、上記記載の組成物からなる成形体に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上述の化学合成系脂肪族ポリエステルを使用せず、澱粉などの天然物高分子で達成が困難な、加工性に優れた、植物由来の組成物及び成形体を得ることが出来る。また、廃棄時に好気性、嫌気性何れの環境下でも微生物などの作用により分解し、地球上の炭素循環系に還る組成物、成形体が得られる。さらには地球上の二酸化炭素を積極的に固定化して得られる植物由来の組成物、成形体であり地球温暖化防止が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート):略称PHBH)は、式(1)で示される3−ヒドロキシアルカノエートよりなる繰り返し構造を有し、かつ微生物から生産される脂肪族ポリエステルである。
[−CHR−CH2−CO−O−]………式(1)
ここで、RはCn2n+1で表されるアルキル基で、n=1及び3の整数である。
【0014】
本発明におけるn=1の3−ヒドロキシブチレート(3HBともいう)とn=3の3−ヒドロキシヘキサノエート(3HHともいう)の共重合体であるポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)(PHBHともいう)は、その組成比が3−ヒドロキシブチレート/3−ヒドロキシヘキサノエート=99/1〜80/20(mol/mol)であることが好ましい。
【0015】
また、本発明における木粉とは、特に限定はしないがマツやトガ等の針葉樹や竹等の木材を、機械的にミルやアトマイザーといった粉砕機で微粉化した物である。本発明におけるセルロース粉末とは、木粉に含まれるリグニン成分を取り除き、セルロースを精製した物である。また混練前の木粉およびセルロース粉末の粒子サイズ(メッシュ径)は特に限定されず、混練装置の能力により適宜調整されるが、通常は木粉やセルロース粉末の粒子は分散性の向上の観点から微細である方が好ましく、好ましくは50メッシュを通過できるもの、更に好ましくは200メッシュを通過できる物である。ただし、押出機等の混練装置で混合する場合、50メッシュを通過できないものでも混練装置の種類や条件によっては高剪断応力で更に粉砕が進むこともあるため、木粉およびセルロース粉末の粒子は押出機に投入できるサイズで、混練後の組成物に不分散塊状物が残存せず、力学的な物性を著しく低下させないレベルに粒子の粉砕が進むようであれば、サイズに特に限定はない。また、木粉やセルロース粉末は吸湿性があるため、PHBHに配合する際には乾燥する事が好ましく、乾燥は、組成物加熱成形時に水分の気化による気泡などを生じないレベルまで適宜実施すればよい。また、適度に乾燥している方が樹脂と混練する場合に粒子分散されやすい。但し160℃を越えるような高温で木粉やセルロース粉末を乾燥すると、セルロース中のフリーの水酸基が縮重、減少し変質するためPHBHとの親和性、接着性が悪化する場合がある。また、PHBHと混練する場合の押出温度も160℃を越えると木粉やセルロース粉末の変質が起こる可能性があるため、注意が必要である。この点からもPHBは融点が180℃近いため混練対象としては好ましくない。
【0016】
本発明の木粉及び/又はセルロース粉末とPHBHからなる組成物は、PHBH100重量部に対して、木粉及び/又はセルロース粉末の含有量は0.5重量部以上が好ましく、0.5重量部〜100重量部であることがより好ましい。0.5重量部未満の添加量の場合、木粉やセルロース粉末を添加することによって得られる核剤効果の発現が殆どない場合がある。ロール成形機や開放系ニーダーで混練する場合は木粉及び/又はセルロース粉末を多量に混合する事も可能であるが、汎用の押出成形機によって混練を実施する場合は、100重量部を越えると、混練物の粘度が高くなり過ぎ、熱可塑性樹脂として機能することが困難となり、押出組成物を安定して得られにくい場合がある。但し、100重量部を越える場合でも、低分子量で低粘度のPHBHを使用するか、或いは可塑剤及び/又は滑剤及び/又は他の低粘度樹脂等を混合する方法により押出成形機の負荷を下げたり、高混練可能で押出機内での組成物が均質性を有する押出機であれば組成物を得ることは可能である。また、木粉及び/又はセルロース粉末をPHBHに多量に添加した組成物やその成形体は、廃棄の際に最終的に全て生分解するため、P3HAにとって従来公知の無機系核剤を多量に添加する組成物やその成形体と比較して廃棄時の残存物の問題がない点で優れている。
【0017】
本発明の木粉及び/又はセルロース粉末とPHBHから得られる組成物は、示差走査熱量測定法による結晶固化性(核剤)評価において、PHBH単体の融点より30℃以上高い温度から200℃以下の温度で溶融させた後、10℃/minで0℃まで降温した場合に、結晶化に由来する発熱ピークTc1wが存在し、PHBH単体で同様の測定をした場合の発熱ピーク温度Tc1nとの関係が、Tc1w>Tc1n、若しくはTc1nは存在しない関係にあり、木粉及び/又はセルロース粉末が核剤として寄与することが好ましい。特にPHBH単独組成物の場合、融点を低下させる共重合成分(3HH成分)が増大した場合、融点が低下しただけ加工時の熱分解が抑制されるが、相対的に加熱加工時の結晶化が遅くなり加工性が悪化する場合があるため、核剤効果を有する物質、木粉及び/又はセルロース粉末を添加する必要がある。具体的に例示すると、3−ヒドロキシヘキサノエート単位の含有量がPHBH全体中6mol%になると融点は145℃±15℃になる(PHBホモポリマーの融点は175℃程度)が、上記示差走査熱量測定法による結晶固化性(結晶核剤)評価で、溶融させるため温度を200℃まで加熱した後、10℃/minで冷却する場合には再結晶化に由来する発熱ピークが存在しない。しかし木粉及び/又はセルロース粉末を添加すると、冷却時に結晶化に由来する発熱ピークが存在し、木粉及び/又はセルロース粉末には結晶化を促進する核剤効果があることが明かである。また、3−ヒドロキシヘキサノエート単位の含有量がPHBH全体中3mol%の場合、融点は150℃±15℃で、上記の結晶固化性評価において200℃で溶融後、冷却時に発熱ピークが存在(再結晶化)する場合もあり、木粉及び/又はセルロース粉末を添加しない場合でも結晶化しやすい共重合比率のものもある。しかし、3−ヒドロキシヘキサノエート単位の含有量がPHBH全体中3mol%の場合も、木粉及び/又はセルロース粉末添加により結晶化が促進され、冷却時の再結晶化に由来する発熱ピークTc1wがPHBH単独の再結晶化発熱ピークTc1nより融解温度に近い温度、Tc1w>Tc1nとなる。ただし、上記のDSC曲線による結晶固化性評価において再結晶化に由来する発熱ピークが上述の関係を満たさずとも、多くの場合、木粉及び/又はセルロース粉末添加による結晶化促進効果が押出加工時に見られ、成形性を改善する。これは木粉及び/又はセルロース粉末がPHBHと混練されることにより何らかの相互作用を示し、例えば木粉中の−OH基とPHBHの−C=O基等の分子間相互作用により擬似架橋が形成され、押出時に歪み回復による結晶核の誘起を促すこと等が考えられる。この様な結晶化誘起作用は木粉及び/又はセルロース粉末とPHBHから得られる組成物中の木粉及び/又はセルロース粉末の分散状態が良くないと、例えば組成物中に気泡が多数混入していたり、粉体が凝集塊を形成し、均一に分散していないと、従来の技術と同じく増量剤や生分解促進剤としての効果のみ示しているだけで、加熱加工時の成形性は改善されない場合がある。
【0018】
本発明の木粉及び/又はセルロース粉末とPHBHから得られる組成物は、公知の方法で作製することが出来る。例えば、加熱溶融して混合する方法としては、単軸押出機、2軸押出機、ニーダー、ギアポンプ、混練ロール、撹拌機を持つタンクなどの機械的撹拌による混合や、流れの案内装置により分流と合流を繰り返す静止混合器の応用が挙げられる。加熱溶融の場合、熱分解による分子量低下に注意して混合する必要があり、180℃以下の温度で溶融させることが好ましい。より好ましくはPHBHの融点±10℃であり、融点±10℃で一旦溶融した樹脂を、PHBHの結晶化温度40〜90℃の範囲で冷却しながら結晶化を促進させ、高粘度体で且つ粉末との密着性を高めた溶融物とすると、木粉及び/又はセルロース粉末とPHBHが高い親和性を有し、粉体の微分散が進むため更に好ましい。また、可溶溶媒中にPHBHを溶解して、木粉及び/又はセルロース粉末を混合してもよく、その場合、室温に放置するなどして、溶媒を除去し、本発明の樹脂組成物を得る方法もある。この場合の可溶溶媒とは、クロロホルムや酢酸エチルなどが挙げられる。この方法の場合、木粉及び/又はセルロース粉末を予め良く粉砕するなどした方が、溶媒揮発後における組成物中の木粉やセルロース粉末の分散状態が良好となる。また微生物菌体内からPHBHを抽出し微生物の殻等を取り除き精製する段階において得られるスラリーに木粉及び/又はセルロース粉末を添加してもよく、例えば、PHBHの精製段階の内、メタノール洗浄を行う工程中に木粉やセルロース粉末を添加する例などが挙げられる。
【0019】
本発明の木粉及び/又はセルロース粉末とPHBHから得られる組成物は、上記したような押出機成形機を用いてペレット状やブロック状、フィルム状、シート状に加工しても良いし、射出成形する事も可能である。PHBH中での木粉及び/又はセルロース粉末の分散性や、PHBHと木粉やセルロース粉末の密着(接着)性が良好となるように一旦ペレット化した後、再度押出成形機でフィルム状、シート状に加工したり射出成形してもよい。また前述したようにロール成形機を使用すれば木粉及び/又はセルロース粉末の混合比率が高い場合でも加熱混練し、フィルム化やシート化が可能である。
【0020】
本発明の組成物から得られたフィルムやシートは、単独のPHBHよりも溶融時のドローダウン性や離型性に優れるため、加熱による金型真空成形を実施しやすい。
【0021】
本発明の木粉及び/又はセルロース粉末とPHBHから得られる組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で公知の添加剤を添加することが出来る。公知の添加剤としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどポリオレフィン樹脂やポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル樹脂等汎用プラスチックやポリ乳酸系樹脂、その他、脂肪族ポリエステル系樹脂等他の生分解性樹脂において、増粘剤や結晶核剤として効果を示すものを本発明と併用しても良い。例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化ケイ素及びケイ酸塩、亜鉛華、ハイサイトクレー、カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、マイカ、タルク、石英粉、ケイ藻土、ドロマイト粉、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナ、ケイ酸カルシウム、窒化ホウ素、塩化アンモニウム、架橋高分子ポリスチレン、ロジン系金属塩や、ガラス繊維、ウィスカー、炭素繊維等の無機繊維や、人毛、羊毛、竹繊維、パルプ繊維の有機繊維が挙げられる。また、必要に応じて、顔料、染料などの着色剤、無機系または有機系粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤、滑剤、離型剤、撥水剤、抗菌剤その他の副次的添加剤を配合することができる。上記添加剤は、少なくとも1種用いても構わない。
【0022】
本発明の木粉及び/又はセルロース粉末とPHBHから得られる組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で可塑剤(滑剤)を併用することも可能である。可塑剤を使用することで、加熱加工時、特に押出加工時の溶融粘度を低下させ、剪断発熱等による分子量の低下を抑制することが可能であり、場合によっては結晶化速度の向上も期待でき、更にフィルムやシートを成形品として得る場合には伸び性などを付与できる。可塑剤としては、エーテル系可塑剤、エステル系可塑剤、フタル酸系可塑剤、リン系可塑剤などが好ましく、ポリエステルとの相溶性に優れる点からエーテル系可塑剤、エステル系可塑剤がより好ましい。エーテル系可塑剤としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール等を挙げることができる。また、エステル系可塑剤としては脂肪族ジカルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル類等を挙げることができ、脂肪族ジカルボン酸として、例えばシュウ酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸等を挙げることができ、脂肪族アルコールとして、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−ドデカノール、ステアリルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピレングリコール、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール等の2価アルコール、また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール等の多価アルコールを挙げることができる。また、上記ポリエーテルとポリエステルの2種以上の組み合わせからなる共重合体、ジ−コポリマー、トリ−コポリマー、テトラ−コポリマーなど、またはこれらのホモポリマー、コポリマー等から選ばれる2種以上のブレンド物が挙げられる。更にエステル化されたヒドロキシカルボン酸等も考えられる。上記可塑剤は、少なくとも1種用いても構わないし、これらに限定されるものでもない。
【0023】
本発明の木粉及び/又はセルロース粉末とPHBHから得られる組成物は紙、フィルム、シート、チューブ、板、棒、容器、袋、部品等の成形品となり、この組成物以外の単体物からなる各種繊維、糸、ロープ、織物、編物、不織布、紙、フィルム、シート、チューブ、板、棒、容器、袋、部品、発泡体等に複合化することで単体物性を改善できる。この様にして得られた成形品は、農業、漁業、林業、園芸、医学、衛生品、衣料、非衣料、包装、自動車、建材、その他の分野に好適に用いることができる。
【実施例】
【0024】
次に本発明の木粉やセルロース粉末とPHBHから得られる組成物およびその成形品について実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。本発明で使用した樹脂は以下のように略した。
PHBH:ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)。
HH率:PHBH中の3−ヒドロキシヘキサノエートのモル分率(mol%)。
組成物WX:木粉やセルロース粉末とPHBHから得られる組成物及びそれからなる成形体。
【0025】
<分子量測定法>
PHBHおよび本発明により得られる組成物の重量平均分子量Mw値を、GPC測定によりポリスチレン換算により求めた。GPC装置はCCP&8020システム(東ソー製)のものを使用し、カラムはGPC K−805L(昭和電工製)、カラム温度は40℃とし、対象物質20mgをクロロホルム10mlに溶解したものを、200μl注入し、Mwを求めた。
【0026】
<融解温度(Tm)、結晶化温度(Tc)測定法>
セイコー電子工業製DSC200を用いて、PHBH、組成物WXについて各々1〜10mg、10℃/分の昇温速度で、0℃から樹脂が十分に融解する200℃(Tm1+30℃以上)まで昇温し(1stRUN)、ついで10℃/分の降温速度で0℃まで降温した(COOLING)。この時の樹脂の1stRUNの融解に伴う吸熱曲線最大ピークを融解温度Tm1、COOLING時の再結晶化に伴う発熱曲線の最大ピークをTc1とした。Tc1が高温なほど、結晶化し易いといえる。まとめると、結晶化のし易さはTc1高温>Tc1低温>Tcが存在しない、の順になる。尚、本発明に使用するPHBH、組成物WXの場合、共重合体であるため吸熱曲線ピークは、単一又は複数のピークを示し、複数の場合、高温側のピークトップ温度を融解温度Tmとする。
【0027】
<使用した樹脂、木粉およびセルロース粉末>
木粉は針葉樹であるマツやトガを粉砕した物で、以下に示したものを用いた(表1参照)。
木粉200メッシュ、木粉アトマイザー100:日東粉化商事株式会社
木粉200メッシュ、木粉アトマイザー100:日東粉化商事株式会社
【表1】

セルロース粉末としては、以下の物を使用した。
セルロース粉末:MERCK、Cellulose Microcrystalline
樹脂として、市販品としては、以下に示したものを用いた。
PHB:三菱瓦斯化学社製、「ビオグリーン」
【0028】
(実施例1)
微生物として、Alcaligenes eutrophusにAeromonas caviae由来のPHA合成酵素遺伝子を導入したAlcaligenes eutrophus AC32(J.Bacteriol.,179,4821(1997))を用い、原料、培養条件を適宜調整して生産されたPHBH(HH率6.0mol%、Mw=59万)を使用した。PHBH100重量部に対して、60℃×3hrの条件で加熱乾燥機で乾燥させた木粉200メッシュを2重量部添加、ドライブレンドした後、ニーダー付き単軸押出成形機(笠松加工製ラボ万能押出機φ35mm、ぺレット化温度150℃、ダイス径φ4mm、吐出3kg/hr)で混合し押出ペレット化を実施した。ストランドは最適結晶化温度である60〜70℃に制御された水槽を通し、組成物W1ペレットを得た。この際、水槽中でストランドが硬くなる時間を触診測定したところ、35secであった。この組成物W1のペレットについて、Tm1、Tc1w、Mwの測定実施結果を表2に示す。木粉200メッシュを2重量部添加することで組成物W1は無添加物(比較例1)よりも結晶化速度が向上し押出溶融ペレット化も良好であった。また組成物W1ペレットのMw=55万で押出溶融加工で殆ど低下していなかった。
【0029】
【表2】

【0030】
(実施例2)
木粉200メッシュの添加量を10重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で組成物W2ペレットを得た。この際、水槽中でストランドが硬くなる時間を触診測定したところ、30secであった。組成物W2ペレットのTm1、Tc1w、Mwの測定結果を表2に示す。木粉200メッシュを10重量部添加することで組成物W2は無添加物(比較例1)、組成物W1よりも結晶化速度が向上し押出溶融ペレット化も良好であった。また組成物W2ペレットのMw=52万で押出溶融加工で殆ど低下していなかった。
【0031】
(実施例3)
木粉200メッシュの添加量を50重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で組成物W3ペレットを得た。この際、水槽中でストランドが硬くなる時間を触診測定したところ、22sec程度であった。組成物W3ペレットのTm1、Tc1w、Mwの測定結果を表2に示す。木粉200メッシュを50重量部添加することで組成物W3は無添加物(比較例1)、組成物W1〜2よりも結晶化速度が向上し押出溶融ペレット化も良好であった。また組成物W3ペレットのMw=48万で押出溶融加工で殆ど低下していなかった。
【0032】
(実施例4)
木粉アトマイザー100の添加量を2重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で組成物W4ペレットを得た。この際、水槽中でストランドが硬くなる時間を触診測定したところ、36sec程度であった。組成物W4ペレットのTm1、Tc1w、Mwの測定結果を表2に示す。木粉アトマイザー100を2重量部添加することで組成物W4は無添加物(比較例1)よりも結晶化速度が向上し押出溶融ペレット化も良好であった。また組成物W4ペレットのMw=56万で押出溶融加工で殆ど低下していなかった。
【0033】
(実施例5)
木粉アトマイザー100の添加量を10重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で組成物W5ペレットを得た。この際、水槽中でストランドが硬くなる時間を触診測定したところ、34sec程度であった。組成物W5ペレットのTm1、Tc1w、Mwの測定結果を表2に示す。木粉アトマイザー100を10重量部添加することで組成物W5は無添加物(比較例1)、組成物W1、W4よりも結晶化速度が向上し押出溶融ペレット化も良好であった。また組成物W5ペレットのMw=52万で押出溶融加工で殆ど低下していなかった。
【0034】
(実施例6)
木粉アトマイザー100の添加量を50重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で組成物W6ペレットを得た。この際、水槽中でストランドが硬くなる時間を触診測定したところ、29sec程度であった。組成物W6ペレットのTm1、Tc1w、Mwの測定結果を表2に示す。木粉アトマイザー100を50重量部添加することで組成物W6は無添加物(比較例1)、組成物W1〜W2、W4〜5よりも結晶化速度が向上し押出溶融ペレット化も良好であった。同じ添加量でも元の粒子径が細かい物(木粉200メッシュ、実施例3)が核剤効果が高い。また組成物W6ペレットのMw=49万で押出溶融加工で殆ど低下していなかった。
【0035】
(実施例7)
セルロース粉末の添加量を2重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で組成物W7ペレットを得た。この際、水槽中でストランドが硬くなる時間を触診測定したところ、35sec程度であった。組成物W7ペレットのTm1、Tc1w、Mwの測定結果を表2に示す。セルロース粉末を2重量部添加することで組成物W7は無添加物(比較例1)よりも結晶化速度が向上し押出溶融ペレット化も良好であった。また組成物W7ペレットのMw=55万で押出溶融加工で殆ど低下していなかった。
【0036】
(実施例8)
セルロース粉末の添加量を10重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で組成物W8ペレットを得た。この際、水槽中でストランドが硬くなる時間を触診測定したところ、31sec程度であった。組成物W8ペレットのTm1、Tc1w、Mwの測定結果を表2に示す。セルロース粉末を10重量部添加することで組成物W8は無添加物(比較例1)、組成物W1、W4〜5、W7よりも結晶化速度が向上し押出溶融ペレット化も良好であった。また組成物W8ペレットのMw=52万で押出溶融加工で殆ど低下していなかった。
【0037】
(実施例9)
セルロース粉末の添加量を50重量部とした以外は、実施例1と同様の方法で組成物W9ペレットを得た。この際、水槽中でストランドが硬くなる時間を触診測定したところ、29sec程度であった。組成物W9ペレットのTm1、Tc1w、Mwの測定結果を表2に示す。セルロース粉末を50重量部添加することで組成物W9は無添加物(比較例1)、組成物W1〜2、W4〜5、W7〜8よりも結晶化速度が向上し押出溶融ペレット化も良好であった。また組成物W9ペレットのMw=48万で押出溶融加工で殆ど低下していなかった。
【0038】
(比較例1)
原料、培養条件を適宜調整して生産されたPHBH(HH率6.0mol%)に木粉やセルロース粉末を添加せずに実施例1と同様の方法で押出ペレット化を実施したが、ストランドの固化が充分進まず、時折ペレタイザーの刃に付着するなどのトラブルが発生した。得られたHH率6.0mol%PHBH単独のペレットのTm1、Tc1n、Mwを測定したが、Tc1nは観測されなかった。HH率6.0mol%PHBH単独では木粉やセルロース粉末が無いため結晶化は促進されておらず、実施例1〜9よりも加工性の劣る物であった。
【0039】
(実施例10)
微生物として、Alcaligenes eutrophusにAeromonas caviae由来のPHA合成酵素遺伝子を導入したAlcaligenes eutrophus AC32(J.Bacteriol.,179,4821(1997))を用いて原料、培養条件を適宜調整して生産されたPHBH(HH率4.5mol%、Mw=85万)を使用した以外は実施例2と同様に木粉200メッシュ10重量部添加する方法で組成物W10ペレットを得た。この際、水槽中でストランドが硬くなる時間を触診測定したところ、22sec程度であった。組成物W10ペレットのTm1、Tc1w、Mwの測定結果を表2に示す。HH率4.5mol%のPHBHを使用した場合、HH率6.0mol%のPHBHに木粉200メッシュを50重量部添加した組成物W2と同レベル、無添加物(比較例1)より結晶化速度が向上し押出溶融ペレット化も良好であった。また組成物W10ペレットのMw=70万で押出溶融加工で殆ど低下していなかった。
【0040】
(比較例2)
原料、培養条件を適宜調整して生産されたPHBH(HH率4.5mol%)に木粉やセルロース粉末を添加せずに実施例1と同様の方法で押出ペレット化を実施しペレットを得た。この際、水槽中でストランドが硬くなる時間を触診測定したところ、34sec程度であった。Tm1、Tc1n、Mwの結果を表2に示す。実施例10のTc1wと比較すると、Tc1w>Tc1nであった。HH率6.0mol%PHBH単独では木粉やセルロース粉末が無いため結晶化は促進されておらず、実施例10よりも加工性の劣る物であった。
【0041】
(参考例1)
樹脂としてPHBホモポリマー(Mw=61万)を使用し、木粉やセルロース粉末を添加せずにペレット化温度180℃で実施例1と同様の方法で押出ペレット化を実施した。PHBはダイスから出て直ぐに固化していたが、硬くて脆く、ストランドペレット化が出来ないものであった。吐出物のTm1、Tc1n、Mwの結果を表2に示す。結晶固化は早いが押出加工性に劣る物であった。
【0042】
(参考例2)
参考例1の押出物を溶融不足と考え、ペレット化温度190℃で参考例1と同様の方法で押出ペレット化を実施した。この際、水槽中でストランドが硬くなる時間を触診測定したところ、30sec程度であった。Tm1、Tc1n、Mwの結果を表2に示す。PHBホモポリマー押出加工は可能であったが、得られたペレットのMw=28万で大きく低下していた。
【0043】
(実施例11)
実施例2で作製した組成物W2をロール成形機で加熱成形し、厚み600μmのシートを作製した。このシートを惣菜容器形状の金型を設置した真空加熱成形機を使用して成形した結果、加熱時のドローダウンが少なく、金型離型性も良好で、均一な惣菜容器が得られた。
【0044】
(比較例3)
比較例1で作製したPHBHペレットをロール成形機で加熱成形し、厚み600μmのシートを作製した。このシートを惣菜容器形状の金型を設置した真空加熱成形機を使用し成形した結果、成形体は得られるが、加熱時にドローダウンする場合や金型にシートが粘着する場合があり、場合によってはシートが破れることがあった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木粉及び/又はセルロース粉末と、微生物から生産される式(1):[−CHR−CH2−CO−O−](ここに、RはCn2n+1で表されるアルキル基で、n=1及び3の整数)で示される繰り返し単位からなる、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)を含有する組成物。
【請求項2】
ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)の共重合成分の組成比が、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)/ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート)=99/1〜80/20(mol/mol)であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)100重量部に対して、木粉及び/又はセルロース粉末を0.5〜100重量部含有する請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
示差走査熱量測定法によるDSC曲線において、木粉および/またはセルロース粉末とポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)からなる組成物をポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)単体の融点よりも30℃以上高い温度から200℃以下の温度で溶融させた後、10℃/minで0℃まで降温した場合に、降温時に結晶化に由来する発熱ピークが存在し、この発熱ピークの温度をTc1wとするとき、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)単体で同様の測定をした場合の発熱ピーク温度Tc1nとの関係が、Tc1w>Tc1n、若しくはTc1nは存在しない関係にあることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1〜4記載の組成物からなる成形体。

【公開番号】特開2006−45366(P2006−45366A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−228935(P2004−228935)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】