説明

ポリ(N−ビニルアミド)及びコポリ(N−ビニルアミド)、及び毛細管電気泳動におけるその使用

【課題】なし
【解決手段】本発明は、一般に、N-ビニルアミド型モノマーから構成されるポリマー及びコポリマー、それらポリマーの調製、及び該ポリマーを含む組成物(電気泳動分離媒体など)、それらポリマーを含む支持体(毛細管など)、及び毛細管電気泳動を用いる生体分子混合物(特にポリヌクレオチド)の分離方法に関する。このようなポリマーを含む分離媒体は、毛細管電気泳動による生体分子の分析及び分離において有利な性能をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件出願は、2003年5月15日出願の米国仮出願第60/471,519号の利益を主張するものであり、該仮出願の記述は、その全体について本願明細書で引用することで取り込んでいる。
(1.発明の分野)
本発明は、一般に、N-ビニルアミド型モノマーから構成されるポリマー及びコポリマー、それらポリマーの調製、及び該ポリマーを含む、電気泳動分離に有用な組成物、ならびに、該ポリマーを含有する支持体(毛細管など)、及び毛細管電気泳動を利用する生体分子(特にポリヌクレオチド)の混合物の分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.発明の背景)
毛細管電気泳動(CE)は、それが具備するいくつかの技術的利点のために、すなわち、(i)分離媒体を含む毛細管は、大きな表面/容積比を有し、熱を効率的に放散し、それによって、迅速な分離のために高圧電場を使用することが可能になり、(ii)必要なサンプル量が最小になり、(iii)優れた分解能が得られ、(iv)該技術の自動化が容易であるという利点のために、広く使用される分析方法である。例えば、Camilleriらの編集によるCapillary Electrophoresis:Theory and Practice(CRC Press,Boca Raton,1993)、Grossmanらの編集によるCapillary Electrophoresis(Academic Press,San Diego,1992)を参照されたい。これらの利点ゆえに、CEを生体分子の分離に、特に核酸分析に応用することが大きな関心を呼んでいる。ポリメラーゼ連鎖反応生成物の分析及びDNA配列決定の断片分析においては、核酸、特にデオキシリボ核酸(「DNA」)の迅速かつ正確な分離が必要となる。例えば、Williamsの論文、Methods,4:227〜232(1992)、Drossmanらの論文、Anal.Chem.,62:900〜903(1990)、Huangらの論文、Anal.Chem.,64:2149〜2154(1992)、Swerdlowらの論文、Nucleic Acids Research,18:1415〜1419(1990)を参照されたい。
しかし、CEを使用して、例えば生体分子特にポリヌクレオチドの混合物を分離するのに有効なポリマー及びコポリマー、並びに分離するのに有用なポリマーを含む組成物が今なお求められている。
本出願の第2章中のなんらかの参照文献を引用することは、その参照文献が本出願に対する先行技術であることを認めるものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、一般に、N-ビニルアミド型モノマーから構成されるポリマー及びコポリマー、それらポリマーの調製、及び該ポリマーを含む、電気泳動分離に有用な組成物、ならびに、該ポリマーを含有する支持体(毛細管など)、及び毛細管電気泳動を利用する生体分子(特にポリヌクレオチド)の混合物の分離方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(3.発明の要約)
本発明の第1の実施態様は、タイプM1に属する1種以上のモノマー、及び場合によりタイプM2に属する1種以上のモノマーを含む、ポリ(M1xM2y)形態を有するポリマー及びその塩に関するものであり、
ここで、
(a)該ポリマー中の各モノマーは、タイプM1又はM2に属し、
(b)xは、1乃至5の整数であり、該ポリマー中に存在する、タイプM1に属するモノマーサブタイプの数を表し、
(c)yは、0乃至5の整数であり、該ポリマーに存在する、タイプM2に属するモノマーサブタイプの数を表し、
(d)該ポリマー中のタイプM1に属する各モノマーサブタイプは、それぞれ独立に、式(I)
【0005】
【化1】

【0006】
を有し、式中、
各A1は、それぞれ独立に、=O、=S又は=NX1であり、
R1、R2、R3、及びR4のそれぞれは独立に、-H、-(C1-C10アルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、又は-(アリール)(C1-C10アルキル)であり;
各R5はそれぞれ独立に、-(H)、-(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(C3-C8シクロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(C3-C8シクロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(5〜10-員環ヘテロアリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C4アルキル)pNH2、-(C1-C4アルキル)pCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCOH、又は-(C1-C4アルキル)pNHCOCH3であり、ここで、各pは0又は1であり;
各X1はそれぞれ独立に、-H、-(C1-C10アルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C4アルキル)pNH2、-(C1-C4アルキル)pCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCONH2、-(C1-C4アルキル)pNHCOH、又は-(C1-C4アルキル)pNHCOCH3であり、ここで、各pは0又は1であり;
(e)yがゼロでない場合、該ポリマーにおけるタイプM2の各モノマーサブタイプはそれぞれ独立に下記のものである:
1-ビニル-ピロリジン-2、5-ジオン;
3-ビニル-オキサゾリジン-2-オン;
1-ビニル-イミダゾリジン-2-オン;
4-ビニル-モルフォリン-3,5-ジオン;
4-ビニル-モルフォリン-3-オン;
4-ビニル-モルフォリン;
2-ビニル-1,3-ジオキソラン;
2-ビニレンカーボネート;
メトキシエチレン;
酢酸ビニル;
ビニルアルコール;
式(II)のモノマー:
【0007】
【化2】

【0008】
式中、各A2はそれぞれ独立に、=O、=S、又は=NX2であり;
R6、R7、R8、及びR9のそれぞれは独立に、-H、-(C1-C10アルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、又は-(アリール)(C1-C10アルキル)であり;
各R10はそれぞれ独立に、-H、-OH、-(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(C3-C8シクロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(C3-C8シクロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(3-〜8-員環ヘテロシクロアルキル)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C4アルキル)qNH2、-(C1-C4アルキル)qCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCOH、-(C1-C4アルキル)qNHCOCH3、又は式(III)の基であり:
【0009】
【化3】

【0010】
式中、Bは-CH2-、-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-、-CH(CH3)-CH2、及び-CH2-CH(CH3)-であり、各qは0又は1であり;かつ
各X2はそれぞれ独立に、-H、-OH、-(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C4アルキル)qNH2、-(C1-C4アルキル)qCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCONH2、-(C1-C4アルキル)qNHCOH、又は-(C1-C4アルキル)qNHCOCH3であり(各qは0又は1である);又はこれらの混合物である;
(f)但し、A1及びA2の少なくとも1つはOでない。
【0011】
タイプM1に属する少なくとも1種のモノマー、及び場合によりタイプM2に属する1種以上のモノマーから構成されるポリマー、又はその塩(このポリマーが「本発明ポリマー」である)は、CEを利用する生体分子混合物の分離に役立つ。
本発明の第2の実施態様は、本発明ポリマーの製造方法に関するものであり、少なくとも1種の上記で定義したM1モノマーを、場合により1種以上の上記で定義したタイプM2のモノマーの存在下で重合させる段階を含む。従って、本発明ポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーでよいことを理解されたい。
本発明の第3の実施態様は、(a)本発明ポリマー及び(b)緩衝剤を含む組成物(この組成物が「本発明組成物」である)に関する。
本発明の第4の実施態様は、本発明組成物の製造方法に関するものであり、(a)本発明のポリマー及び(b)緩衝剤を混合することを含む。
本発明の第5の実施態様は、生体分子混合物の分離方法に関するものであり、
(a)本発明組成物を、生体分子を含む混合物と接触させること、及び
(b)該混合物から生体分子が分離するのを促進するのに十分な量で、該組成物に電場を印加することを含む。
本発明の第6の実施態様は、本発明組成物を含む毛細管、例えば毛細管チューブに関する。
本発明のこれら及びその他の目的、特徴及び利点は、以下の説明を参照することによってより明解に理解されるであろうが、該説明によって、本発明の実施態様を制約するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(4.発明の詳細な説明)
本発明は、一般に、「N-ビニルアミド型モノマー」すなわち式(I)のモノマーから構成される本発明ポリマー、これらポリマーの調製、これらポリマーを含む組成物、及びそれらの使用に関する。本発明は、また、これらのポリマーを含む支持体(毛細管など)、及びCEを使用する生体分子混合物(特にポリヌクレオチド)の分離方法に関する。
本明細書中で使用する場合、「コポリマー」とは、2種以上の異なるモノマーサブユニットから構成されるポリマーである。従って、3種の異なるモノマーから構成されるポリマー鎖(ターポリマーとして知られてもいる)は、3種を超える異なるモノマー単位から構成されるポリマー鎖と同様、用語「コポリマー」の中に包含される。本明細書中で使用する場合、用語「ポリマー」は、ホモポリマー及びコポリマーを包含する。従って、本発明ポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーでよい。
本発明ポリマーにおいて、xは1乃至5の整数であり、かつyは0乃至5の整数である。幾つかの実施態様において、xは1である。幾つかの実施態様において、yは0である。幾つかの実施態様において、yは1乃至5の整数である。さらなる実施態様については、本明細書の他の場所で考察する。
【0013】
本発明ポリマーは、(a)単一種のモノマーサブタイプに属するモノマーから(ポリマーは、例えば、ポリ(M11M20)(又はポリ(M11))形態を有し、すなわちM1ホモポリマーである)、(b)M1に属する1種を超えるサブタイプから選択されるモノマー群から(ポリマーは、例えば、ポリ(M12M20)(又はポリ(M12)形態を有し、第一サブタイプのM1モノマー及び第二サブタイプのM1モノマーを含むM1コポリマーである)、及び(c)タイプM1に属する1種以上のモノマーサブタイプのモノマー及びタイプM2に属する1種以上のモノマーサブタイプのモノマーから(ポリマーは、例えば、ポリ(M12M21)形態を有し、タイプM1に属する2種のモノマーサブタイプ及びタイプM2に属する1種のモノマーサブタイプを含み、すなわちM1/M2コポリマーである)構成できることを理解されたい。
【0014】
コポリマーは、当業者に周知の多くの方法を使用して、例えば、2種以上の異なるモノマーの共重合(共重合はランダム型、交互型、又はこれら2つの型の中間すなわち「中間型」でよい)によって、ブロック共重合によって、グラフト共重合(例えば、存在するポリマー鎖を異なるモノマーとさらに反応させる)によって、及び、重合後反応(例えば、ポリマーのエステル側鎖基を部分的に加水分解する)によって形成できる。コポリマーは、通常、成長ポリマー鎖末端の各々のモノマー単位から形成されたラジカルが、モノマー群のどちらに対してもほぼ同一の選択性を有する場合には「ランダム」又は「アイデアル」として、成長ポリマー鎖末端のある1つのモノマーから形成されたラジカルが別種のモノマーに付加することを選択する場合には「交互」として認識される。例えば、F.W.Billmeyer,Jr.著、Textbook of Polymer Science 330〜331(Wiley-Interscience,New York,2nd ed.1971)を参照されたい。
【0015】
コポリマーに対するIUPAC原料基準命名法は、接頭辞「poly」を使用し、それにモノマーの組合せを意味する用語が連結したモノマー名称が続く。通常、連結子「-co-」が使用され、これは、配列を特定しないモノマーからなるコポリマーを意味する。Kirk-Othmer Encyc. of Chem.Technol.Vol.7(4th ed.1993)中のC.A.Costello及びD.N.ShulzによるCopolymer(350頁)を参照されたい。例えば、ポリ(N-ビニルアミド-co-4-ビニル−モルホリン)は、N-ビニルアミド、及び4-ビニル-モルホリンのモノマー単位を含むコポリマーを意味し、ランダム型、交互型及び中間型コポリマーを包含する。同様に、ポリ(N-ビニルアミド-co-酢酸ビニル-co-N-ブトキシメチル−メタクリルアミド)は、N-ビニルアミド、酢酸ビニル及びN-ブトキシメチル−メタクリルアミドのモノマー単位を含むコポリマーを意味し、ランダム型、交互型及び中間型コポリマーを包含する。同様に、ポリ(N-ビニルアミド-co-N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-ブトキシメチル−メタクリルアミド)は、N-ビニルアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、及びN-ブトキシメチル-メタクリルアミドのモノマー単位を含むコポリマーを意味し、ランダム型、交互型及び中間型コポリマーを包含する。
【0016】
(4.1.本発明のポリマー)
本発明の第1の実施態様は、タイプM1に属する1種以上のモノマー、及び場合によりタイプM2に属する1種以上のモノマーを含む、ポリ(M1xM2y)形態を有する本発明ポリマー、又はその塩に関するものであり、
ここで、
(a)該ポリマー中の各モノマーは、タイプM1又はM2に属し、
(b)xは、1乃至5の整数であり、該ポリマー中に存在する、タイプM1に属するモノマーサブタイプの数を表し、
(c)yは、0乃至5の整数であり、該ポリマー中に存在する、タイプM2に属するモノマーサブタイプの数を表し、
(d)該ポリマー中のタイプM1に属する各モノマーサブタイプは、それぞれ独立に、式(I)
【0017】
【化4】

【0018】
を有し、式中、
各A1は、それぞれ独立に、=O、=S又は=NX1であり、
R1、R2、R3、及びR4のそれぞれは独立に、H、-(C1-C10アルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、又は-(アリール)(C1-C10アルキル)であり;
各R5はそれぞれ独立に、-(H)、-(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(C3-C8シクロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(C3-C8シクロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C4アルキル)pNH2、-(C1-C4アルキル)pCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCOH、又は-(C1-C4アルキル)pNHCOCH3であり、ここで、各pは0又は1であり、
各X1はそれぞれ独立に、-H、-(C1-C10アルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C4アルキル)pNH2、-(C1-C4アルキル)pCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCONH2、-(C1-C4アルキル)pNHCOH、又は-(C1-C4アルキル)pNHCOCH3であり、ここで、各pは0又は1であり;かつ
(e)yがゼロでない場合、該ポリマーにおけるタイプMの各モノマーサブタイプはそれぞれ独立に下記のものである:
1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン;
3-ビニル-オキサゾリジン-2-オン;
1-ビニル-イミダゾリジン-2-オン;
4-ビニル-モルフォリン-3,5-ジオン;
4-ビニル-モルフォリン-3-オン;
4-ビニル-モルフォリン;
2-ビニル-1,3-ジオキソラン;
2-ビニレンカーボネート;
メトキシエチレン;
酢酸ビニル;
ビニルアルコール;
式(II)のモノマー:
【0019】
【化5】

【0020】
式中、各A2はそれぞれ独立に、=O、=S、又は=NX2であり;
R6、R7、R8、及びR9のそれぞれは独立に、-H、-(C1-C10アルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、又は-(アリール)(C1-C10アルキル)であり;
各R10はそれぞれ独立に、-H、-OH、-(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(3-〜8-員環-ヘテロシクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(C3-C8シクロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(C3-C8シクロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C4アルキル)qNH2、-(C1-C4アルキル)qCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCOH、-(C1-C4アルキル)qNHCOCH3、又は式(III)の基であり:
【0021】
【化6】

【0022】
式中、Bは、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-、-CH(CH3)-CH2-、及び-CH2-CH(CH3)-であり、各qは0又は1であり;
各X2はそれぞれ独立に、-H、-OH、-(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C4アルキル)qNH2、(C1-C4アルキル)qCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCONH2、-(C1-C4アルキル)qNHCOH、又は-(C1-C4アルキル)qNHCOCH3であり(各qは0又は1である);又はこれらの混合物;
(f)但し、A1及びA2の少なくとも1つは0ではない。
【0023】
特定の実施態様において、xは1で、かつyは0であり、
特定の実施態様において、xは2で、かつyは0であり、
特定の実施態様において、xは3で、かつyは0であり、
特定の実施態様において、xは4で、かつyは0であり、
特定の実施態様において、xは5で、かつyは0であり、
特定の実施態様において、xは1で、かつyは1であり、
特定の実施態様において、xは2で、かつyは1であり、
特定の実施態様において、xは3で、かつyは1であり、
特定の実施態様において、xは4で、かつyは1であり、
特定の実施態様において、xは5で、かつyは1であり、
特定の実施態様において、xは1で、かつyは2であり、
特定の実施態様において、xは2で、かつyは2であり、
特定の実施態様において、xは3で、かつyは2であり、
特定の実施態様において、xは4で、かつyは2であり、
特定の実施態様において、xは5で、かつyは2であり、
特定の実施態様において、xは1で、かつyは3であり、
特定の実施態様において、xは2で、かつyは3であり、
特定の実施態様において、xは3で、かつyは3であり、
特定の実施態様において、xは4で、かつyは3であり、
特定の実施態様において、xは5で、かつyは3であり、
特定の実施態様において、xは1で、かつyは4であり、
特定の実施態様において、xは2で、かつyは4であり、
特定の実施態様において、xは3で、かつyは4であり、
特定の実施態様において、xは4で、かつyは4であり、
特定の実施態様において、xは5で、かつyは4であり、
特定の実施態様において、xは1で、かつyは5であり、
特定の実施態様において、xは2で、かつyは5であり、
特定の実施態様において、xは3で、かつyは5であり、
特定の実施態様において、xは4で、かつyは5であり、
特定の実施態様において、xは5で、かつyは5である。
特定の実施態様において、タイプM1の各モノマーサブタイプについて、yは0であり:
R1、及びR2はHであり、
各R3はそれぞれ独立に、H、又はメチルである。
【0024】
他の実施態様において、yは0であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
R1、及びR2は、Hであり、
各R3、R4、及びR5は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
別の実施態様において、yは0であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
R1、R2、R3、R4、及びR5は、Hである。
別の実施態様において、yは0であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
R1、R2、R3、及びR4はHであり、かつ
R5は、メチルである。
別の実施態様において、yは0であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
R1、R2、及びR3は、Hであり、かつ
R4、及びR5は、メチルである。
特定の実施態様において、yは0、xは2であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
他の実施態様において、yは0、xは2であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
R1、及びR2は、Hであり、
各R3、R4、及びR5は、それぞれ独立にH又はメチルである。
【0025】
別の実施態様において、yは0、xは2であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
R1、R2、R3、R4、及びR5は、Hである。
別の実施態様において、yは0、xは2であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
R1、R2、R3、及びR4は、Hであり、かつ
R5は、メチルである。
別の実施態様において、yは0、xは2であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
R1、R2、及びR3は、Hであり、かつ
R4、及びR5は、メチルである。
特定の実施態様において、yは0、xは1であり、かつ、M1に対して、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
他の実施態様において、yは0、xは1であり、かつ、M1に対して、
R1、及びR2は、Hであり、
各R3、R4、及びR5は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
別の実施態様において、yは0、xは1であり、かつ、M1に対して、
R1、R2、R3、R4、及びR5は、Hである。
別の実施態様において、yは0、xは1であり、かつ、M1に対して、
R1、R2、R3、及びR4は、Hであり、かつ
R5は、メチルである。
別の実施態様において、yは0、xは1であり、かつ、M1に対して、
R1、R2、およびR3は、Hであり、かつ
R4、及びR5は、メチルである。
【0026】
特定の実施態様において、
(a)タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルであり、
(b)yは、2であり、かつ
(c)式(II)のタイプM2に属する各モノマーサブタイプに対して、
R6、及びR7は、Hであり、かつ
各R8は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0027】
特定の実施態様において、
(a)タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルであり、
(b)yは、1であり、かつ
(c)式(II)のM2に対して、
R6、及びR7は、Hであり、かつ
各R8は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0028】
特定の実施態様において、
(a)xは2であり、
(b)タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルであり、
(c)yは2であり、かつ
(d)式(II)のタイプM2に属する各モノマーサブタイプに対して、
R6、及びR7は、Hであり、かつ
各R8は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0029】
特定の実施態様において、
(a)xは2であり、
(b)タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルであり、
(c)yは1であり、かつ
(d)式(II)のM2に対して、
R6、及びR7は、Hであり、かつ
各R8は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0030】
特定の実施態様において、
(a)xは1であり、
(b)M1に対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルであり、
(c)yは2であり、かつ
(d)式(II)のタイプM2に属する各モノマーサブタイプに対して、
R6、及びR7は、Hであり、かつ
各R8は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0031】
特定の実施態様において、
(a)xは1であり、
(b)M1に対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルであり、
(c)yは1であり、かつ
(d)式(II)のM2に対して、
R6、及びR7は、Hであり、かつ
各R8は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0032】
幾つかの実施態様において、x>1の場合、M1又はタイプM1の各モノマーサブタイプは、次のとおりである:N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルプロパミド、N-ビニルブタミド、N-ビニルペンタミド、N-ビニルヘキサミド、N-ビニルヘプタミド、N-ビニルオクタミド、N-ビニルノナミド、N-ビニルデカミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルプロパミド、N-メチル-N-ビニルブタミド、N-メチル-N-ビニルペンタミド、N-メチル-N-ビニルヘキサミド、N-メチル-N-ビニルヘプタミド、N-メチル-N-ビニルオクタミド、N-メチル-N-ビニルノナミド、N-メチル-N-ビニルデカミド、N-エチル-N-ビニルホルムアミド、N-エチル-N-ビニルアセトアミド、N-エチル-N-ビニルプロパミド、N-エチル-N-ビニルブタミド、N-エチル-N-ビニルペンタミド、N-エチル-N-ビニルヘキサミド、N-エチル-N-ビニルヘプタミド、N-エチル-N-ビニルオクタミド、N-エチル-N-ビニルノナミド、N-エチル-N-ビニルデカミド、N-n-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-n-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-n-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-n-プロピル-N-ビニルブタミド、N-n-プロピル-N-ビニルペンタミド、N-n-プロピル-N-ビニルヘキサミド、N-n-プロピル-N-ビニルヘプタミド、N-n-プロピル-N-ビニルオクタミド、N-n-プロピル-N-ビニルノナミド、N-n-プロピル-N-ビニルデカミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルブタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルペンタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルヘキサミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルヘプタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルオクタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルノナミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルデカミド、又はこれらの混合物である。
【0033】
幾つかの実施態様において、x>1の場合、M1又はタイプM1の各モノマーサブタイプは、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルプロパミド、N-ビニルブタミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルプロパミド、N-メチル-N-ビニルブタミド、N-エチル-N-ビニルホルムアミド、N-エチル-N-ビニルアセトアミド、N-エチル-N-ビニルプロパミド、N-エチル-N-ビニルブタミド、N-n-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-n-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-n-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-n-プロピル-N-ビニルブタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルブタミド、又はこれらの混合物である。
他の実施態様において、y>1の場合、M2又はタイプM2の各モノマーサブタイプは、N-ヒドロキシ-アクリルアミド、N-メトキシ-アクリルアミド、アクリオイル尿素、1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン、3-ビニル-オキサゾリジン-2-オン、1-ビニル-イミダゾリジン-2-オン、4-ビニル-モルフォリン-3,5-ジオン、4-ビニル-モルフォリン-3-オン、4-ビニル-モルフォリン、2-ビニル-1,3-ジオキソラン、2-ビニレンカーボネート、メトキシエチレン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、又はこれらの混合物である。
ビニルアルコールモノマー単位を含むポリマー又はコポリマーは、間接法を用いて調製するのが通常である。例えば、ビニルアルコールモノマー単位を含むポリマーは、例えば、酸又は塩基触媒と共にメタノール又はエタノールを使用して、ポリ(酢酸ビニル)の少なくとも部分的なアルコーリシスを実施することによって調製できる。例えば、F.W.Billmeyer,Jr.著、Textbook of Polymer Science,416(2nd ed.1971)を参照されたい。アルコーリシスは、通常通りに、例えば、ポリ(酢酸ビニル)を選択したアルコール中に溶解又は懸濁し、触媒を添加し、そして場合によっては加熱することによって実施される。
【0034】
他の実施態様において、y>1の場合、M2又はタイプM2の各モノマーサブタイプは、アクリルアミド、N-アセトアミド-アクリルアミド、N-アセチル-アクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド、N-2-アミノエチル-アクリルアミド塩酸塩、N-2-アミノエチル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-アクリルアミド、N-n-ブチル-アクリルアミド、N-tert-ブチル-アクリルアミド、N-2-シアノエチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-アクリルアミド、N,N-ジアリル-アクリルアミド、N,N-ジエチル-アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル-アクリルアミド、N,N-ジメチル-アクリルアミド、N,N'-エチレン-ビス-アクリルアミド、N-エチル-N-メチル-アクリルアミド、N-エチル-N-プロピル-アクリルアミド、N-2-グリコール酸アクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-N-メチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-アクリルアミド、N-イソ-プロピル-アクリルアミド、N,N'-イソ-プロピレン-ビス-アクリルアミド、N-2-メトキシエチル-アクリルアミド、N-メトキシメチル-アクリルアミド、N-メチル-アクリルアミド、N,N'-メチレン-ビス-アクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-N-メチル-アクリルアミド、N,N'-トリメチレン-ビス-アクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、又はこれらの混合物である。
【0035】
M2に対して、モノマー単位N,N'-トリメチレン−ビス−アクリルアミドの場合のように、R10が、式(III)の基である実施態様において、式(III)の基Bは、メチレン、エチレン、トリメチレン及びイソプロピレンである。この文脈で、本出願の目的に対して、「メチレン」はB基が-CH2-を意味し、「エチレン」はB基が-CH2-CH2-を意味し、「トリメチレン」は、B基が-CH2-CH2-CH2-を意味し、「イソプロピレン」はB基が-CH(CH3)-CH2-及び-CH2-CH(CH3)-を意味する。
【0036】
他の実施態様において、y>1の場合、M2又はタイプM2の各モノマーサブタイプは、アクリルアミド、N-アセトアミド-アクリルアミド、N-アセチル-アクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド、N-2-アミノエチル-アクリルアミド塩酸塩、N-2-アミノエチル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-アクリルアミド、N-n-ブチル-アクリルアミド、N-tert-ブチル-アクリルアミド、N-2-シアノエチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-アクリルアミド、N,N-ジアリル-アクリルアミド、N,N-ジエチル-アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル-アクリルアミド、N,N-ジメチル-アクリルアミド、N-エチル-N-メチル-アクリルアミド、N-エチル-N-プロピル-アクリルアミド、N-2-グリコール酸-アクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-N-メチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-アクリルアミド、N-イソ-プロピル-アクリルアミド、N-2-メトキシエチル-アクリルアミド、N-メトキシメチル-アクリルアミド、N-メチル-アクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-N-メチル-アクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、又はこれらの混合物である。
【0037】
他の実施態様において、y>1の場合、M2又はタイプM2の各モノマーサブタイプは、メタクリルアミド、N-アセトアミド-メタクリルアミド、N-アセチル-メタクリルアミド、N-アリル-メタクリルアミド、N-2-アミノエチル-メタクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-メタクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-メタクリルアミド、N-n-ブチル-メタクリルアミド、N-tert-ブチル-メタクリルアミド、N-2-シアノエチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-メタクリルミド、N,N-ジエチル-メタクリルアミド、N,N-ジメチル-メタクリルアミド、N-2-グリコール酸-メタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N-イソ-プロピル-メタクリルアミド、N,N'-イソ-プロピレン-ビス-メタクリルアミド、N-2-メトキシエチル-メタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、N-メチル-メタクリルアミド、N,N'-メチレン-ビス-メタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-メタクリルアミド、N,N'-トリメチレン-ビス-メタクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-メタクリルアミド塩酸塩、又はこれらの混合物である。
【0038】
他の実施態様において、y>1の場合、M2又はタイプM2の各モノマーサブタイプは、メタクリルアミド、N-アセトアミド-メタクリルアミド、N-アセチル-メタクリルアミド、N-アリル-メタクリルアミド、N-2-アミノエチル-メタクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-メタクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-メタクリルアミド、N-n-ブチル-メタクリルアミド、N-tert-ブチル-メタクリルアミド、N-2-シアノエチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N,N-ジエチル-メタクリルアミド、N,N-ジメチル-メタクリルアミド、N-2-グリコール酸メタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N-イソ-プロピル-メタクリルアミド、N-2-メトキシエチル-メタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、N-メチル-メタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-メタクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-メタクリルアミド塩酸塩、又はこれらの混合物である。
【0039】
他の実施態様において、y>1の場合、M2又はタイプM2の各モノマーサブタイプは、次のとおりである:アクリルアミド、N-アセトアミド-アクリルアミド、N-アセチル-アクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド、N-2-アミノエチル-アクリルアミド塩酸塩、N-2-アミノエチル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-アクリルアミド、N-n-ブチル-アクリルアミド、N-tert-ブチル-アクリルアミド、N-2-シアノエチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-アクリルアミド、N,N-ジアリル-アクリルアミド、N,N-ジエチル-アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル-アクリルアミド、N,N-ジメチル-アクリルアミド、N,N'-エチレン-ビス-アクリルアミド、N-エチル-N-メチル-アクリルアミド、N-エチル-N-プロピル-アクリルアミド、N-2-グリコール酸-アクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-N-メチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-アクリルアミド、N-イソ-プロピル-アクリルアミド、N,N'-イソ-プロピレン-ビス-アクリルアミド、N-2-メトキシエチル-アクリルアミド、N-メトキシメチル-アクリルアミド、N-メチル-アクリルアミド、N,N'-メチレン-ビス-アクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-N-メチル-アクリルアミド、N,N'-トリメチレン-ビス-アクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、メタクリルアミド、N-アセトアミド-メタクリルアミド、N-アセチル-メタクリルアミド、N-アリル-メタクリルアミド、N-2-アミノエチル-メタクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-メタクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-メタクリルアミド、N-n-ブチル-メタクリルアミド、N-tert-ブチル-メタクリルアミド、N-2-シアノエチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N,N-ジエチル-メタクリルアミド、N,N-ジメチル-メタクリルアミド、N-2-グリコール酸-メタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N-イソ-プロピル-メタクリルアミド、N,N'-イソ-プロピレン-ビス-メタクリルアミド、N-2-メトキシエチル-メタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、N-メチル-メタクリルアミド、N,N'-メチレン-ビス-メタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-メタクリルアミド、N,N'-トリメチレン-ビス-メタクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-メタクリルアミド塩酸塩、又はこれらの混合物である。
【0040】
他の実施態様において、y>1の場合、M2又はタイプM2の各モノマーサブタイプは、次のとおりである:アクリルアミド、N-アセトアミド-アクリルアミド、N-アセチル-アクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド、N-2-アミノエチル-アクリルアミド塩酸塩、N-2-アミノエチル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-アクリルアミド、N-n-ブチル-アクリルアミド、N-tert-ブチル-アクリルアミド、N-2-シアノエチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-アクリルアミド、N,N-ジアリル-アクリルアミド、N,N-ジエチル-アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル-アクリルアミド、N,N-ジメチル-アクリルアミド、N-エチル-N-メチル-アクリルアミド、N-エチル-N-プロピル-アクリルアミド、N-2-グリコール酸-アクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-N-メチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-アクリルアミド、N-イソ-プロピル-アクリルアミド、N-2-メトキシエチル-アクリルアミド、N-メトキシメチル-アクリルアミド、N-メチル-アクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-N-メチル-アクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、メタクリルアミド、N-アセトアミド-メタクリルアミド、N-アセチル-メタクリルアミド、N-アリル-メタクリルアミド、N-2-アミノエチル-メタクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-メタクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-メタクリルアミド、N-n-ブチル-メタクリルアミド、N-tert-ブチル-メタクリルアミド、N-2-シアノエチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N,N-ジエチル-メタクリルアミド、N,N-ジメチル-メタクリルアミド、N-2-グリコール酸-メタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N-イソ-プロピル-メタクリルアミド、N-2-メトキシエチル-メタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、N-メチル-メタクリルアミド、N-(トリヒドロキシメチル)メチル-メタクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-メタクリルアミド塩酸塩、又はこれらの混合物である。
【0041】
他の実施態様において、y>1の場合、M2又はタイプM2の各モノマーサブタイプは、次のとおりである:N-アセトアミド-アクリルアミド、N-アセチル-アクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド、N-2-アミノエチル-アクリルアミド塩酸塩、N-2-アミノエチル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-アクリルアミド、N-n-ブチル-アクリルアミド、N-2-シアノエチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-アクリルアミド、N,N-ジアリル-アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル-アクリルアミド、N-エチル-N-メチル-アクリルアミド、N-エチル-N-プロピル-アクリルアミド、N-2-グリコール酸-アクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-N-メチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-アクリルアミド、N-2-メトキシエチル-アクリルアミド、N-メトキシメチル-アクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-N-メチル-アクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-アセトアミド-メタクリルアミド、N-アセチル-メタクリルアミド、N-アリル-メタクリルアミド、N-2-アミノエチル-メタクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-メタクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-メタクリルアミド、N-n-ブチル-メタクリルアミド、N-tert-ブチル-メタクリルアミド、N-2-シアノエチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N,N-ジエチル-メタクリルアミド、N,N-ジメチル-メタクリルアミド、N-2-グリコール酸-メタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N-イソ-プロピル-メタクリルアミド、N-2-メトキシエチル-メタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、N-メチル-メタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-メタクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-メタクリルアミド塩酸塩、又はこれらの混合物である。
【0042】
他の実施態様において、y>1の場合、M2又はタイプM2の各モノマーサブタイプは、次のとおりである:N-ヒドロキシ-アクリルアミド、N-メトキシ-アクリルアミド、アクリロイル尿素、1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン、3-ビニル-オキサゾリジン-2-オン、1-ビニル-イミダゾリジン-2-オン、4-ビニル-モルフォリン-3,5-ジオン、4-ビニル-モルフォリン-3-オン、4-ビニル-モルフォリン、2-ビニル-1,3-ジオキソラン、2-ビニレンカーボネート、メトキシエチレン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、アクリルアミド、N-アセトアミド-アクリルアミド、N-アセチル-アクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド、N-2-アミノエチル-アクリルアミド塩酸塩、N-2-アミノエチル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-アクリルアミド、N-n-ブチル-アクリルアミド、N-tert-ブチル-アクリルアミド、N-2-シアノエチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-アクリルアミド、N,N-ジアリル-アクリルアミド、N,N-ジエチル-アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル-アクリルアミド、N,N-ジメチル-アクリルアミド、N,N'-エチレン-ビス-アクリルアミド、N-エチル-N-メチル-アクリルアミド、N-エチル-N-プロピル-アクリルアミド、N-2-グリコール酸-アクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-N-メチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-アクリルアミド、N-イソ-プロピル-アクリルアミド、N,N'-イソ-プロピレン-ビス-アクリルアミド、N-2-メトキシエチル-アクリルアミド、N-メトキシメチル-アクリルアミド、N-メチル-アクリルアミド、N,N'-メチレン-ビス-アクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-N-メチル-アクリルアミド、N,N'-トリメチレン-ビス-アクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウムプロピル)-アクリルアミド塩酸塩、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、メタクリルアミド、N-アセトアミド-メタクリルアミド、N-アセチル-メタクリルアミド、N-アリル-メタクリルアミド、N-2-アミノエチル-メタクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-メタクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-メタクリルアミド、N-n-ブチル-メタクリルアミド、N-tert-ブチル-メタクリルアミド、N-2-シアノエチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N,N-ジエチル-メタクリルアミド、N,N-ジメチル-メタクリルアミド、N-2-グリコール酸-メタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N-イソ-プロピル-メタクリルアミド、N,N'-イソ-プロピレン-ビス-メタクリルアミド、N-2-メトキシエチル-メタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、N-メチル-メタクリルアミド、N,N'-メチレン-ビス-メタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-メタクリルアミド、N,N'-トリメチレン-ビス-メタクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-メタクリルアミド塩酸塩、又はこれらの混合物である。
【0043】
他の実施態様において、y>1の場合、M2又はタイプM2の各モノマーサブタイプは、次のとおりである:N-ヒドロキシ-アクリルアミド,N-メトキシ-アクリルアミド、アクリロイル尿素、1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン、3-ビニル-オキサゾリジン-2-オン、1-ビニル-イミダゾリジン-2-オン、4-ビニル-モルフォリン-3,5-ジオン、4-ビニル-モルフォリン-3-オン、4-ビニル-モルフォリン、2-ビニル-1,3-ジオキソラン、2-ビニレンカーボネート、メトキシエチレン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、アクリルアミド、N-アセトアミド-アクリルアミド、N-アセチル-アクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド、N-2-アミノエチル-アクリルアミド塩酸塩、N-2-アミノエチル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-N-メチル-アクリルアミド 塩酸塩、N-ブトキシメチル-アクリルアミド、N-n-ブチル-アクリルアミド、N-tert-ブチル-アクリルアミド、N-2-シアノエチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-アクリルアミド、N,N-ジアリル-アクリルアミド、N,N-ジエチル-アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル-アクリルアミド、N,N-ジメチル-アクリルアミド、N-エチル-N-メチル-アクリルアミド、N-エチル-N-プロピル-アクリルアミド、N-2-グリコール酸-アクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-N-メチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-アクリルアミド、N-イソ-プロピル-アクリルアミド、N-2-メトキシエチル-アクリルアミド、N-メトキシメチル-アクリルアミド、N-メチル-アクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-N-メチル-アクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、メタクリルアミド、N-アセトアミド-メタクリルアミド、N-アセチル-メタクリルアミド、N-アリル-メタクリルアミド、N-2-アミノエチル-メタクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-メタクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-メタクリルアミド、N-n-ブチル-メタクリルアミド、N-tert-ブチル-メタクリルアミド、N-2-シアノエチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N,N-ジエチル-メタクリルアミド、N,N-ジメチル-メタクリルアミド、N-2-グリコール酸-メタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N-イソ-プロピル-メタクリルアミド、N-2-メトキシエチル-メタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、N-メチル-メタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-メタクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-メタクリルアミド塩酸塩、又はこれらの混合物である。
【0044】
他の実施態様において、y>1の場合、M2又はタイプM2の各モノマーサブタイプは、次のとおりである:N-ヒドロキシ-アクリルアミド、N-メトキシ-アクリルアミド、アクリロイル尿素、1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン、3-ビニル-オキサゾリジン-2-オン、1-ビニル-イミダゾリジン-2-オン、4-ビニル-モルフォリン-3,5-ジオン、4-ビニル-モルフォリン-3-オン、4-ビニル-モルフォリン、2-ビニレンカーボネート、メトキシエチレン、N-アセトアミド-アクリルアミド、N-アセチル-アクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド、N-2-アミノエチル-アクリルアミド塩酸塩、N-2-アミノエチル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-アクリルアミド、N-n-ブチル-アクリルアミド、N-2-シアノエチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-アクリルアミド、N,N-ジアリル-アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル-アクリルアミド、N-エチル-N-メチル-アクリルアミド、N-エチル-N-プロピル-アクリルアミド、N-2-グリコール酸-アクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-N-メチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-アクリルアミド、N-2-メトキシエチル-アクリルアミド、N-メトキシメチル-アクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-N-メチル-アクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-アセトアミド-メタクリルアミド、N-アセチル-メタクリルアミド、N-アリル-メタクリルアミド、N-2-アミノエチル-メタクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-メタクリルアミド-塩酸塩、N-ブトキシメチル-メタクリルアミド、N-n-ブチル-メタクリルアミド、N-tert-ブチル-メタクリルアミド、N-2-シアノエチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N,N-ジエチル-メタクリルアミド、N,N-ジメチル-メタクリルアミド、N-2-グリコール酸-メタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N-イソ-プロピル-メタクリルアミド、N-2-メトキシエチル-メタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、N-メチル-メタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-メタクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-メタクリルアミド塩酸塩、又はこれらの混合物である。
【0045】
他の実施態様において、M2に関する各実施態様において、x>1の場合、各M1又はタイプM1の各モノマーサブタイプは、独立にN-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、又はN-メチル-N-ビニルアセトアミドであり、また、それに代わり、x>1の場合、各M1又はタイプM1の各モノマーサブタイプは、独立にN-ビニルホルムアミド、又はN-メチル-N-ビニルアセトアミドである。
【0046】
他の実施態様において、本発明のポリマーは、コポリマーであって、該コポリマーは、次のとおりである:ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N,N-ジエチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシ-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-2-ビニレンカーボネート);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-酢酸ビニル-co-2-ビニレンカーボネート);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシ-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-2-ビニレンカーボネート);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-酢酸ビニル-co-2-ビニレンカーボネート);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジエチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシ-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-2-ビニレンカーボネート);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-酢酸ビニル-co-2-ビニレンカーボネート);又はそれらの塩である。
【0047】
他の実施態様において、本発明のポリマーは、コポリマーであって、該コポリマーは、次のとおりである:ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシ-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-2-ビニレンカーボネート);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシ-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-2-ビニレンカーボネート);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシ-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-2-ビニレンカーボネート);又はその塩である。
【0048】
他の実施態様において、本発明のポリマーは、コポリマーであって、該コポリマーは、次のとおりである:ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N,N-ジエチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシ-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-2-ビニレンカーボネート);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-酢酸ビニル-co-2-ビニレンカーボネート);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジエチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシ-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-2-ビニレンカーボネート);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-酢酸ビニル-co-2-ビニレンカーボネート);又はそれらの塩である。
【0049】
他の実施態様において、本発明のポリマーは、コポリマーであって、該コポリマーは、次のとおりである:ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシ-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド) ;ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-2-ビニレンカーボネート);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシ-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-2-ビニレンカーボネート);又はそれらの塩である。
【0050】
本発明で用いる「-(C1-C10アルキル)」は、炭素原子1〜10個を有する、飽和直鎖又は分枝非環式炭化水素を意味する。代表的な飽和直鎖-(C1-C10アルキル)には、次のものがある:-メチル、-エチル、-N-プロピル、-N-ブチル、-N-ペンチル、-N-ヘキシル、-N-ヘプチル-N-オクチル、-N-ノニル、及び-N-デシルがある。代表的な分枝炭化水素-(C1-C10アルキル)には、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソ-ブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、-2-メチルブチル,-3-メチルブチル、-2,2-ジメチルブチル、-2,3-ジメチルブチル、-2-メチルペンチル、-3-メチルペンチル、-4-メチルペンチル、-2-メチルヘキシル、-3-メチルヘキシル、-4-メチルヘキシル、-5-メチルヘキシル、-2,3-ジメチルブチル、-2,3-ジメチルペンチル、-2,4-ジメチルペンチル、-2,3-ジメチルヘキシル、-2,4-ジメチルヘキシル、-2,5-ジメチルヘキシル、-2,2-ジメチルペンチル、-2,2-ジメチルヘキシル、-3,3-ジメチルペンチル、-3,3-ジメチルヘキシル、-4,4-ジメチルヘキシル,-2-エチルペンチル、-3-エチルペンチル、-2-エチルヘキシル、-3-エチルヘキシル、-4-エチルヘキシル、-2-メチル-2-エチルペンチル、-2-メチル-3 -エチルペンチル、-2-メチル-4-エチルペンチル、-2-メチル-2-エチルヘキシル、-2-メチル-3-エチルヘキシル、-2-メチル-4-エチルヘキシル、-2,2-ジエチルペンチル、-3,3-ジエチルヘキシル、-2,2-ジエチルヘキシル、-3,3-ジエチルヘキシルなどである。
【0051】
本明細書中で使用する場合、「-(C1-C4アルキル)」は、1乃至4個の炭素原子を有する飽和の直鎖又は分枝の非環状炭化水素を意味する。代表的な飽和で直鎖の-(C1-C4アルキル)としては、-メチル、-エチル、-N-プロピル、及び-N-ブチルが挙げられる。代表的な飽和で分枝の-(C1-C4アルキル)としては、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソ-ブチル、及び-tert-ブチルが挙げられる。
本明細書中で使用する場合、「-(C1-C10へテロアルキル)」は、広義には、最大3個までの炭素原子がヘテロ原子で代替されかつ/又は置換された-(C1-C10アルキル)を指す。従って、-(C1-C10へテロアルキル)は、当業者であれば分かるように、鎖内にペンダント官能基及び/又は末端官能基を有する。鎖内官能基の例としてとしては、カルボニル基又は複数のカルボニル基(もちろん、これらは炭素の数に含まれる)、鎖内のヘテロ原子又は複数のヘテロ原子(少なくとも1個の酸素、硫黄、窒素、リン又はケイ素など)、エステル、アミド、ウレタン及びそれらのチオ誘導体(すなわち、少なくとも1個の酸素原子を硫黄原子で代替)が挙げられる。ペンダント、及び/又は末端官能基の例として挙げることができるものとして、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルデヒド、カルボキシル,カルボキシルのエステル、チオ、チオカルボキシル、チオカルボキシルのエステル、アミド及びハロゲンがある。したがって、典型的な(C1-C10ヘテロアルキル)基には、メトキシ;エトキシ;プロポキシ;ブトキシメチル;ジメトキシブチル;ジメトキシエチル;3-(トリメチルアンモニウムクロライド)-プロピル;アセチル;シアノメチル;シアノエチル;2-メトキシエチル;グリコール酸;グリコール酸エステル、例えばメチルエステル;ヒドロキシメチル;メトキシメチル;メトキシプロピル;2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル;トリ(ヒドロキシメチル)- メチル;ペンタフルオロエチル;3-ヨードプロピルなどがある。
【0052】
本明細書中で用いられている、「-(C3-C8シクロアルキル)」とは、炭素原子3〜8個を有する飽和環式を意味する。代表的な-(C3-C8シクロアルキル)には、-シクロプロピル、-シクロブチル、-シクロペンチル、-シクロヘキシル、-シクロヘプチル、及び-シクロオクチルがある。
本明細書中で用いられている「-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)」とは、広く3〜8員の脂肪族複素環をいい、ここで、少なくとも1の炭素原子が、それぞれ独立に窒素、酸素又は硫黄というヘテロ原子と置き換えられている。-(3員環ヘテロシクロアルキル)環は1のヘテロ原子を有することができる。-(4〜5員環ヘテロシクロアルキル)環は1、又は2のヘテロ原子を有することができる。-(6〜8員環-ヘテロシクロアルキル)環は1、2、又は3のヘテロ原子を有することができる。代表的な-(3〜8員環ヘテロシクロアルキル)には、エポキシド、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、モルフォリン、1H-アゼピン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロチオフェン、チオモルフォリンなどがある。
本明細書において、「アリール」とは、フェニル、ナフチル、アントリル、及びフェナントリルをいう。
本明細書において、「-(5〜10員環ヘテロアリール)」とは、5〜10員の複素環をいい、単環系及び2環系の双方を含む。ここで、単環系及び2環系の炭素原子の少なくとも1つが、それぞれ独立に窒素、酸素又は硫黄といったヘテロ原子と置き換わっている。-(5〜10員環ヘテロアリール)の環の一方、又は双方は少なくとも1の炭素原子を含む。代表的な(5〜10員環ヘテロアリール)には、ピリジル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルがある。
【0053】
本明細書中で使用する場合、「化合物用語」例えば、-(C3-C8シクロアルキル)(C1-C10へテロアルキル)は、広義には、先頭の一価の基(その原子価は炭素原子又はヘテロ原子から水素を引き抜くことによって得られる)(ここではC3-C8シクロアルキル)を指し、ここで該先頭の基は1個以上の別の基(ここではC1-C10へテロアルキル基、例えば、3-クロロメチルシクロヘキシル又は3,4-ジ(クロロメチル)シクロヘキシル)でさらに置換されている。さらなる説明として、-(C1-C10アルキル)(アリール)のような化合物用語は、先頭の基(ここではC1-C10アルキル)を指し、該先頭の基はさらに1個以上の別の基(ここではアリール基)で置換されている。ベンジル、及び2,2-ジフェニルエチルは、-(C1-C10アルキル)(アリール)基の実例である。
【0054】
本明細書において用いられる、ポリマーの「塩」とは、少なくとも1の陰荷電、陽荷電、又は、例えば両性ポリマーといった双方を有するポリマーをいい、ここで各荷電は対イオンを伴う。「対イオン」とは、ポリマーの陰荷電、又は陽荷電とバランスを取るイオンをいう。陽荷電を伴うポリマーへの典型的な対イオンを挙げると、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシド、アルコキシド、炭酸塩、炭化水素酸塩、オキシド、ギ酸塩、硫酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、p-ブロモベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、テトラフェニルホウ化物、硝酸塩 並びに芳香族及び脂肪族カルボン酸の陰イオンがある。陰荷電を伴うポリマーへの典型的な対イオンを挙げると、NH4+、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウムのような第4級ホスホニウム、ハロゲン化物、トリエチルアミン、トリメチルアミン、及び2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール("TRIS")、及びLi、Na、K、Rb、Cs、及びAgの陽イオンがある。特定の実施例において、対イオンには、塩素、p-トルエンスルホン酸塩、リチウム、ナトリウム及びカリウムがある。
【0055】
一実施態様において、本発明ポリマーは、ランダムなコポリマーである。別の実施態様において、本発明ポリマーは、実質的にランダムなコポリマーであり、換言すれば、本発明ポリマーは、交互コポリマー単位よりランダムなコポリマー単位を有する。別の実施態様において、本発明ポリマーは、ランダムに近いコポリマーであり、換言すれば、本発明ポリマーを形成する共重合を総モノマー含量の50モル%未満の変換で停止させると、本発明ポリマーは、交互コポリマー単位よりランダムなコポリマー単位を有する。
一実施態様において、本発明ポリマーは、大気圧下、約0.01乃至約1重量%の濃度、及び約20℃乃至約70℃の水中で、水溶性、水膨潤性、又はそれらの双方である。別の実施態様において、本発明ポリマーは、約25℃の水中で、水溶性、水膨潤性、又はそれらの双方である。本発明の目的にとって、本発明の水膨潤性ポリマーは、一般に、水中で膨潤はするが、溶解速度が極めて遅いために、完全には溶解しないポリマー(例えば、実質的に架橋していないが極端に大きな重量平均分子量(「Mw」)を有するポリマー)、又は、一定程度軽く架橋されているために水に完全には溶解できないポリマー(例えば、本発明ポリマーが、ある量の架橋剤又は分枝剤を含む場合)である。一実施態様において、本発明ポリマーは、加圧又は減圧の援助で又は援助なしで、毛細管に流入又は毛細管から流出できる。別の実施態様において、本発明ポリマーは架橋されていない。別の実施態様において、本発明ポリマーは実質的に架橋されていない。
【0056】
本発明ポリマーの分子量は、広範に変更できる。一実施態様で、本発明ポリマーのMwは少なくとも約150,000ダルトンである。別の実施態様において、本発明ポリマーのMwは少なくとも約200,000 Da(ダルトン)である。別の実施態様において、本発明ポリマーのMwは少なくとも約500,000 Daである。別の実施態様において、本発明ポリマーのMwは少なくとも約1 MDaである。別の実施態様において、本発明ポリマーのMwは少なくとも約2 MDaである。別の実施態様において、本発明ポリマーのMwは約150,000 Da乃至約20 MDaである。別の実施態様において、本発明ポリマーのMwは約500,000 Da乃至約10 MDaである。別の実施態様において、本発明ポリマーのMwは約1 MDa乃至約20 MDaである。別の実施態様において、本発明ポリマーのMwは約1 MDa乃至約5 MDaである。別の実施態様において、本発明ポリマーのMwは約500,000 Da乃至約5 MDaである。
【0057】
本発明ポリマーの分子量は、通常の方法を用いて測定できる。サイズ排除クロマトグラフィー、又はSECとしても知られている通常的なゲルパーミエーションクロマトグラフィー(「GPC」)法は、ポリマー及びコポリマーの分子量を測定するための1つの方法である。ポリマーを絶対的に特徴付ける(ポリマーの数平均及び重量平均分子量の測定など)ために、GPC装置にマルチアングルレーザー光散乱検出器を応用する原理([GPC-MALLS])は、通常的なものであり、例えば、Wyattの論文、Analytica Chimica Acta 272:1〜40(1993)を参照されたい。例えば、GPC-MALLSは、とりわけ、50,000 Da未満乃至1 MDaを超える分子量を有する幾つかの水溶性ポリマー及びコポリマーのMwを測定するのに使用されている。Nagyの学会報告、Proc.Int'l.GPC Symposium,Orlando,Florida,June 1994 95-0315:71〜95(1994)参照。さらに、分子量測定のためにGPC(特にGPC-MALLS)を使用することは、当技術分野でよく認識されている。例えば、全く同じポリマーサンプルについてGPC-MALLAを含む幾つかの異なる高度なオンライン検出システムを用いて得られた、GPCによる分子量の測定結果は、大差がない。S.Yauの論文、Chemtracts-Macromolecular Chemistry 1:1〜36(1990)参照。従って、GPC-MALLSは、本発明ポリマーの数平均(「Mn」)及び重量平均分子量を測定するための一般的な方法である。
【0058】
(4.2.本発明ポリマーの製造方法)
当技術分野では、多くのポリマー製造方法が知られており、それらを利用して本発明のポリマーを調製できる。このような重合は、バルク、溶液、懸濁、エマルジョン、又はマイクロエマルジョンの状態で実施することができ、広範な種類の重合開始剤が使用できる。例えば、このような方法の幾つかを次章で要約する。Kirk Othmer Encyc. of Chem.Technol.Vol.7(4th ed.1993)中のC.A.CostelloらによるCopolymers(349〜381頁)を参照されたい。
従って、本発明の第2の実施態様は、本発明ポリマーの製造方法に関するものであり、M1を(場合によってはM2の存在下で)重合させて本発明ポリマーを準備する段階を含む。本発明ポリマーはホモポリマー又はコポリマーでよいことを理解されたい。重合は、少なくとも1種のフリーラジカル、アニオン及び/又はカチオン開始剤で開始できる。別の実施例において、重合は、少なくとも1種のフリーラジカル開始剤によって開始される。重合を開始する際に、熱的又は光分解的にフリーラジカル開始剤を解離させることができる。別の実施態様において、本発明は、本明細書中の任意のポリマー製造法で作られる本発明ポリマーに関する。
重合反応は、通常の方法によって、例えば、本発明ポリマーを形成するモノマーのフリーラジカル開始によって実施できる。特定の理論に拘束されるものではないが、本発明の典型的なポリマーを産生する重合に対して提示される機構を、次のスキーム1に示す。例えば、重合を開始する際にフリーラジカル開始剤の熱又は光分解によって形成されるフリーラジカルは、モノマー(I)の重合を開始し、ポリマー(P)を形成することができる。
【0059】
【化7】

【0060】
本発明のポリマーを製造する方法の他の実施態様において、M1は、N-ビニルホルムアミド("VF")(III)、N-ビニルアセトアミド(IV)、N-メチル-N-ビニルアセトアミド("MVA")(V)又はこれらの混合物とすることができ、これらの各モノマーは下記スキーム2に図解する。
【0061】
【化8】

【0062】
別の実施態様において、本発明ポリマーを製造するためのコモノマーは、水溶性でよい。
別の実施態様において、本発明ポリマーを製造するためのフリーラジカル開始剤は、アゾ化合物、ジアゾ化合物、有機ペルオキシド、有機ヒドロペルオキシド、有機過硫酸塩、有機ヒドロ過硫酸塩、無機ペルオキシド、無機過硫酸塩、ペルオキシド−レドックス系、炭素−炭素開始剤、光開始剤、又はこれらの混合物から選択される、熱又は光で解離する開始剤である。
【0063】
例えば、アゾ及びジアゾ化合物(アゾ−ビス−イソブチロニトリル(「AIBN」)など)、有機のペルオキシド、ヒドロペルオキシド、過硫酸塩及びヒドロ過硫酸塩(ベンゾイルペルオキシドなど)、無機のペルオキシド及び過硫酸塩(ペルオキシド−レドックス系など)、炭素−炭素開始剤(六置換エタンなど)、及び光開始剤など、多くの種類のフリーラジカル開始剤を使用することが可能であり、当技術分野において極めて多くの例が知られている。Kirk-Othmer Encyc. of Chem.Technol.,Vol.14 (4th ed.1993)中のSanchezらによるInitiators(Free-Radical)(431〜460頁)を参照されたい。アニオン開始剤も当技術分野で周知であり、芳香族ラジカルアニオン(ナトリウムナフタレンなど)、アルキルリチウム化合物(t-ブチルリチウムなど)、フルオレニルカルバニオン、1,1-ジフェニルメチルカルバニオン、クミルカリウム、及びKirk-Othmer Encyc. of Chem.Technol.,Vol.14 (4th ed.1993年)中のQuirkらによるInitiators(Anionic)(461〜476頁)に記載のアニオン開始剤が挙げられる。カチオン開始剤も当技術分野で周知であり、プロトン酸、カチオン供与体(開始剤)/フリーデルクラフト酸(共開始剤)系、安定カチオン塩、及びKirk-Othmer Encyc. of Chem.Technol.,Vol.14,(4th ed.1995)中のFaustによるInitiators(Cationic)(476〜482頁)に記載のカチオン開始剤が挙げられる。フリーラジカル、アニオン又はカチオン開始剤は、重合を開始することが必要な場合に、任意の既知手段(例えば熱又は光分解)により、分解を受けることができる。
【0064】
別の実施態様において、本発明ポリマーは、水溶液中でのフリーラジカル重合を利用して調製できる。
別の実施態様において、本発明ポリマーは、少なくとも1種の水溶性アゾ開始剤を用いる水溶液フリーラジカル重合を利用して調製できる。
もちろん、重合を開始するために当技術分野で周知のその他の方法を利用して本発明ポリマーを製造することもできる。例えば、M1、及び場合によってはその他任意のモノマーとの組合せを、電子ビーム、紫外線に(通常は光開始剤の存在下で)、及び高エネルギーイオン化放射線源(例えば、60Co又は137Csからのγ線、α粒子、β粒子、高速中性子及びX線)に暴露することによって、フリーラジカル及び/又はイオンを生成させることが可能であり、それによって重合が開始する。Kirk-Othmer Encyc. of Chem.Technol.,Vol.13(3rd ed.1981)中の、Sanchezらの論文によるInitiators(Free-Radical)(454〜457頁)、SheppardらによるInitiators(367〜370頁)。
【0065】
本発明ポリマーの分子量は広範囲に変更できる。当業者は、特定の分子量を有する本発明のポリマーが、通常の方法を利用して、例えば連鎖移動剤(N-ブタノール又はイソプロパノールなど)を使用して、かつ/又は連鎖移動剤の存在量を変えることによって得ることができることを認識しているであろう。Mwは、出発モノマー濃度に対する開始剤濃度を低減することによって、及び/又は連鎖移動剤の存在量を低減すること、さらには連鎖移動剤を完全に排除することによって増加させることができる。
本発明ポリマーは、逆エマルジョン重合(「IEP」)を利用して調製できる。IEP法の多くの態様は、例えば、Barton著、Radical Polymerization in Disperse Systems、Ellis Horwood,New York(1994年)中の第4章「Inverse Emulsion(Microemulsion)Polymerization」(187〜215頁)、Candauらの論文、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,23:193〜214(1985)、及びProssらの論文、Polym.Int'l.,45:22〜26(1998)に詳細に記載されている。IEPは、逆マイクロ懸濁重合(Pross、22頁)、又は逆マイクロエマルジョン重合(Barton、上記)と呼ばれることもある。
【0066】
任意のオイルを使用して逆エマルジョンを形成できる。N-ビニルアミド型モノマーから本発明ポリマーを製造するには、N-ビニルアミドが水相中に存在すべきである。特定の理論で拘束されるものではないが、N-ビニルアミドは、当技術分野でIEP用の油相として一般的に使用されるオイルに部分的に可溶なので、このようなオイルを使用した場合に生成するポリマーの最大分子量は、そのオイルに対するN-ビニルアミドの溶解性によって制約されると考えられる。従って、本発明ポリマーを製造する場合、それらのモノマーは、選択したオイルに対して実質的に不溶であることが望ましいが、必須ではない。
適切なモノマー/オイルの組合せを選択することを目的として、「油不溶性」を以下のように定義する。選択したモノマー又はモノマー混合物1 mLを、選択したオイル6 mlに加え、初めから最後まで20℃で、1分間渦流混合する。混合を止め、液体を10分間放置する。10分後に肉眼で相分離(例えば、半透明、曇り及び/又は分離層)が観察できる場合、そのモノマーは油不溶性である。逆に、10分後に相分離が観察されず、すなわち透明溶液が観察される場合、そのモノマーは油不溶性ではない。
【0067】
例えば、この試験により、N-ビニルアミド類は、アセトニトリル、アセトン、メタノール、1-デカノール、エチルエーテル、ヘキサン、デカン、石油エーテル(通常の沸点範囲35〜60℃)、及び石油スペシャル(通常の沸点範囲180〜220℃)のそれぞれに対して、油不溶性でないと判定された。しかし、この試験により、N-ビニルアミド類は、例えば、少なくとも約15個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素に対して、油不溶性と判定された。さらに、この試験により、N-ビニルアミド類は、例えば、約270℃を超える規定沸点を有する脂肪族炭化水素に対して、油不溶性と判定された。N-ビニルアミド類からIEPによって本発明のN-ビニルアミドポリマー及びコポリマーを形成するためのオイルとして使用できる典型的な炭化水素としては、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、白色軽質ミネラル油又はパラフィン油、白色重質ミネラル油又はパラフィン油、及びヌジョール(Nujol)調製用のミネラル油又はパラフィン油が挙げられる。
上記試験によれば、N-ビニルアミド類は、例えば、シリコーン油、少なくとも部分的にフッ素化された炭化水素、及び液状過フッ化ポリエーテル(「PFPE」)(過フッ化ポリアルキルエーテル(「PFPAE」)としても知られている)に対しても、油不溶性である。
一般的であり、かつIEPにより本発明ポリマーを形成するためのオイルとして使用できる典型的なシリコーンとしては、DC200、DC510、DC550、及びDC710など、それぞれ各種の粘度等級(例えばDC200の場合、10 cSt乃至12,500 cSt)でDow Corningから入手可能な、ポリ(ジメチルシロキサン)をベースにしたオイル、及び、AR200など、やはりDow Corningから入手可能な、ポリ(メチルフェニルシロキサン)をベースにしたオイルが挙げられる。
【0068】
一般的であり、かつIEPによって本発明ポリマーを形成するためのオイルとして使用できる典型的な少なくとも部分的にフッ素化された炭化水素液体としては、3 Mから入手可能なFLUORINERTシリーズ、例えば、FC-40、FC-43、FC-70、FC-72、FC-77、FC-84、FC-87、FV-3283、FV-5312、及びFC-5320が挙げられる。一般的であり、かつIEPにより本発明ポリマーを形成するためのオイルとして使用できる典型的な液状PFPEとしては、ダイキン工業(株)から入手可能なDEMNUIMシリーズ、例えば、S-20、S-65、S-100、及びS-200、Dupontから入手可能なKRYTOXシリーズ、例えば、GPL100、GPL101、GPL102、GPL103、GPL104、GPL105、GPL106、GPL107、143AB、143AC、及びVPF1525、並びにAusimont Montedison Groupから入手可能なFOMBLIN Y、Z、及びMシリーズ、例えば、Y04、Y06、Y25、Y-L、VAC25/6、YR、YR1500、YR1800、Z03、Z15、Z25、Z60、M03、M15、M30、及びM60が挙げられる。例えば、Hamadaが論文Phys.Chem.Phys.,2:115〜122(2000)で開示しているように、DEMNUIM型PFPEは、式 F-[CF2CF2CF2O]n-Hを有し、KRYTOX型PFPEは、式 F-[CF(CF3)CF2O]l-Hを有し、FOMBLIN型PFPEは、式 F-[(CF2CF2O)2-(CF2O)]m-Hを有する(n、l、及びmを変化させて異なる鎖長及び粘度を得る)。
【0069】
一実施態様において、本発明ポリマーを得るための、N-ビニルアミドのIEP用オイルとしては、少なくとも約15個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素、約270℃、又はそれを超える規定沸点を有する脂肪族炭化水素、シリコーン油、少なくとも部分的にフッ素化された炭化水素、液状過フッ化ポリエーテル、又はこれらの混合物が挙げられる。別の実施態様において、本発明ポリマーを得るための、N-ビニルアミドのIEP用オイルとしては、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、白色軽質ミネラル油、白色重質ミネラル油、及びヌジョール(Nujol)調製用のミネラル油が挙げられる。別の実施態様において、本発明ポリマーを得るための、N-ビニルアミドのIEP用オイルは、ヌジョール調製用のミネラル油である。
【0070】
少なくとも1種の界面活性剤を使用して、逆エマルジョンを形成できる。さらなる界面活性剤が存在する場合、そのさらなる界面活性剤は、共−界面活性剤と呼ばれることもある。界面活性剤を、親水性-親油性バランス(「HLB」)、すなわち、該界面活性剤の水又は油に対する同時に起こる相対的引力の尺度によって特徴づけるのが一般的である。1乃至40の範囲のHLB尺度において、相対的に親油性である界面活性剤は、小さな数値を有し、一方、相対的に親水性である界面活性剤は、大きな数値を有する。
広範な種類の界面活性剤が利用可能であることが知られており、例えば、その多くは、McCutcheon's Emulsifiers & Detergents,North American Ed.,Manufacturing Confectioner Pub.Co.,Glen Rock,NJ,1988,pp1〜217に、HLBと共に列挙されている。界面活性剤は、非イオン性でもよく、あるいはアニオン電荷、カチオン電荷、又はその双方(例えば両性界面活性剤)の電荷を有していてもよく、ここで、各電荷は対イオンと会合しており、当技術分野では、それぞれの界面活性剤について極めて多くの例が知られている。Kirk-Othmer Encyc. of Chem.Technol.,Vol.23(4th ed.1997)中のLynn,Jr.らによるSurfactants(483〜541頁)を参照されたい。
【0071】
非イオン性界面活性剤は当該技術分野で公知であり、ポリオキシエチレン界面活性剤、アルコールエトキシレート、及びアルキルフェノールエトキシレートのようなポリオキシエチレン界面活性剤;グリセロールエステル、及びポリオキシエチレンエステルのようなカルボン酸エステル、ヒドロソルビトールエステル、ソルビタン、及び脂肪酸のモノ、ジ、及びトリエステルのようなエステル;ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー、及びポリ(オキシエチレン-co-オキシプロピレン)(非イオン性界面活性剤、同書、506〜523頁)。
陰イオン性界面活性剤は当該技術分野で公知であり、例えば、セッケン、ポリアルコキシカルボキシラート、及びN-アシルサルコシネートのようなカルボキシラート;アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩及び石油スルホン酸塩のようなスルホン酸塩;アルコール硫酸塩及びエトキシレートのような硫酸塩、及び硫酸塩アルコール;及びリン酸塩エステルのようなリン酸塩(同書、491〜505頁)がある。
カチオン界面活性剤は、当技術分野で周知であり、アミン(例えば、脂肪酸及びロジン酸から誘導される脂肪族モノ−、ジ−、及びポリアミン)、及び第四級アンモニウム塩(例えば、ジアルキルジメチル及びアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウム、ハロゲン化アルキルピリジニウムが挙げられる。前出524〜530頁参照。両性界面活性剤は、当技術分野で周知であって、アルキルベタイン、アミドプロピルベタイン及びイミダゾリニウム誘導体が挙げられる。前出530〜532頁参照。
【0072】
逆エマルジョンを形成するための界面活性剤又は界面活性剤ブレンド物を選択する際に通常考慮する事項は、典型的であり、例えば、Kirk-Othmer Encyc. of Chem.Technol.,Vol.8(3rd ed.1979)中のGriffinによるEmulsions(909〜919頁)に要約されている。さらに、幾つかのモノマー(例えばアクリルアミド)は、共−界面活性剤として作用できる場合もあることが認められている。Candauの論文204頁、Bartonの論文191頁参照。このような場合、エマルジョン系全体としてのHLBは、選択した界面活性剤又は界面活性剤ブレンド物のHLBと異なってもよい。Bartonの論文191頁参照。さらに、当業者であれば、界面活性剤を選択する際に、逆エマルジョン特有の特徴を考慮すべきであることを認識している。例えば、フッ素化油を使用する場合には、やはり、少なくとも部分的にフッ素化された界面活性剤を選択するのが望ましい。このような典型的要因を考慮することによって、当業者は、水溶性モノマーのIEPのために、個々に又は組み合わせて使用される広範な種類の界面活性剤を選択し、N-ビニルアミドからIEPによって高分子量ポリマー、特に本発明ポリマーを形成できる。
一実施態様において、N-ビニルアミドの本発明ポリマーへのIEPに使用する界面活性剤は、約7、又はそれ以下のHLBを有する。別の実施態様において、界面活性剤のHLBは、約6、又はそれ以下である。別の実施態様において、界面活性剤のHLBは、約3乃至約6である。別の実施態様において、N-ビニルアミドの本発明ポリマーへのIEPに使用する界面活性剤は、約4乃至約6のHLBを有する。別の実施態様において、界面活性剤としては、FlukaのSPAN-80、次の構造
【0073】
【化9】

【0074】
を有すると考えられるモノオレイン酸ソルビタン(分子量は約429 Da、HLBは約4.3)、BASFのTETRONIC1301、次の構造:
【0075】
【化10】

【0076】
を有すると考えられるアミンをベースにしたブロックコポリマー非イオン界面活性剤(分子量は約6,800 Da、HLBは約2.0)、又はこれらの混合物が挙げられる。
安定なエマルジョン又はマイクロエマルジョンが形成されるように、十分な量の界面活性剤を使用し、当業者による定型的実験を利用してその量を決定する。重合後にポリマー含有量の高いマイクロエマルジョンを得るためには、水相/油相の(重量)比を出来るだけ大きくなるように選択するのが通常である。この比は、例えば、約1:10乃至約4:1の範囲でよい。別の実施態様において、この比は、約1:2乃至約3:1の範囲で変更できる。別の実施態様において、固体ポリマー生成物の量は、エマルジョン総重量の約10重量%を超える。
例えば、フリーラジカル開始剤(アゾ化合物、有機のペルオキシド及び過硫酸塩、無機のペルオキシド及び過硫酸塩、及び炭素−炭素開始剤)並びにKirk-Othmer Encyc. of Chem.Technol.,Vol.20,(4th ed.1996)中のMcGinnissによるRadiation Curing(848〜850頁)に記載されているような光開始剤など、前記で考察した多種類の開始剤が、逆エマルジョン重合用に使用できる。重合は、もちろん、高エネルギーイオン化放射線源により実施することもできる。
【0077】
一実施態様において、逆エマルジョン重合開始剤としては、アゾ化合物(AIBNなどの油溶性型またはアゾブチロアミジンなどの水溶性型のいずれか)、油溶性ペルオキシド及び過硫酸塩(ジベンゾイルペルオキシドなど)、水溶性ペルオキシド及び過硫酸塩(過硫酸アンモニウム及び過硫酸カリウムなど)、レドックス開始系(ペルオキシレドックス型、及び例えばK2S2O8/Na2S2O5もしくは硫酸第一鉄アンモニウム/過硫酸アンモニウムを含む)、並びに光開始剤{Michlerのケトン、すなわち4,4-ビス-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、及びそれぞれ[25% ビスー(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド+75% 2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン]、及び2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンであると考えられるCiba-GeigyのIRGACURE-1700、及びDAROCURE-1173}が挙げられる。別の実施態様において、N-ビニルアミドからN-ビニルアミドポリマー、及び本発明コポリマーへのIEPに使用する開始剤としては、油溶性アゾ化合物、水溶性ペルオキシド及び過硫酸塩、レドックス開始系、光開始剤、又はこれらの混合物が挙げられる。別の実施態様において、N-ビニルアミドから本発明ポリマーへのIEPに使用される開始剤は、AIBN、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、Michlerのケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、又はこれらの混合物である。
【0078】
逆エマルジョン及び/又はその水相には、所望によりこのようなその他の添加剤を含めることができる。これらの添加剤としては、連鎖移動剤、pH調節剤、共−開始剤、増感剤、光開始を利用する場合には電荷移動錯体又は供与体−受容体錯体、重合阻止剤を除去するためのキレート剤、それらの通常比率で使用されるその他の通常的な添加剤が挙げられる。逆エマルジョン又はマイクロエマルジョンでの重合は、当業者に周知の任意方式、例えばGriffin、pp. 919〜923、Neffらに対する米国特許第5,530,069号、3欄39〜65行、5欄29行から6欄44行、及びその中で引用されている参照文献に概略的に記載されているような方式で実施できる。
別の実施態様において、本発明は、本発明ポリマー、該ポリマーの製造方法、及び本明細書中に開示された方法によって製造される本発明ポリマーに関する。
【0079】
(4.3.本発明の組成物)
本発明の第3の実施態様は、本発明ポリマー(例えば章4.1を参照)及び緩衝剤を含む組成物に関する。この組成物は、電気泳動の分離媒体として有用である。幾つかの実施態様において、組成物は、さらに、第二ポリマーまたはその塩を含む(以下でさらに詳細に説明する)。別の実施態様において、組成物は、さらに、変性剤を含む。組成物中、本発明ポリマーは、タイプM1に属する1種以上のモノマー、及び場合によりタイプM2に属する1種以上のモノマーを含み、
(a)該ポリマー中の各モノマーは、タイプM1又はM2に属し、
(b)xは、1乃至5の整数であり、該ポリマー中に存在する、タイプM1に属するモノマーサブタイプの数を表し、
(c)yは、0乃至5の整数であり、該ポリマー中に存在する、タイプM2に属するモノマーサブタイプの数を表し、
(d)該ポリマー中の、タイプM1に属する各モノマーサブタイプは、それぞれ独立に、式(I)
【0080】
【化11】

【0081】
を有し、式中、各A1は、それぞれ独立に、=O、=S、又は=NX1であり、
R1、R2、R3、及びR4のそれぞれは独立に、-H、-(C1-C10アルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、又は-(アリール)(C1-C10アルキル)であり;
各R5はそれぞれ独立に、-(H)、-(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(C3-C8シクロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(C3-C8シクロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C1Oヘテロアルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C4アルキル)pNH2、-(C1-C4アルキル)pCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCOH、又は-(C1-C4アルキル)pNHCOCH3であり、ここで、各pは0又は1であり;
各Xはそれぞれ独立に、-H、-(C1-C10アルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C4アルキル)pNH2、-(C1-C4アルキル)pCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCONH2、-(C1-C4アルキル)pNHCOH、又は-(C1-C4アルキル)pNHCOCH3であり、ここで、各pは0又は1であり;
(e)yがゼロでない場合、該ポリマーにおけるタイプM2の各モノマーサブタイプはそれぞれ独立に下記のものである:
1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン;
3-ビニル-オキサゾリジン-2-オン;
1-ビニル-イミダゾリジン-2-オン;
4-ビニル-モルフォリン-3,5-ジオン;
4-ビニル-モルフォリン-3-オン;
4-ビニル-モルフォリン;
2-ビニル-1,3-ジオキソラン;
2-ビニレンカーボネート;
メトキシエチレン;
酢酸ビニル;
ビニルアルコール;
式(II)のモノマー:
【0082】
【化12】

【0083】
式中、各A2はそれぞれ独立に、=O、=S、又は=NX2であり、
R6、R7、R8、及びR9のそれぞれは独立に、-H、-(C1-C10アルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、又は-(アリール)(C1-C10アルキル)であり;
各R10はそれぞれ独立に、-H、-OH、-(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(C3-C8シクロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(C3-C8シクロアルキル)、-(C4-C8シクロアルキル)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)、-(3-〜8-員環へテロシクロアルキル)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C10アルキル)(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C1-C4アルキル)qNH2、-(C1-C4アルキル)qCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCONH2、-(C1-C4アルキル)NHCOH、-(C1-C4アルキル)qNHCOCH3、又は式(III)の基であり:
【0084】
【化13】

【0085】
式中、Bは、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-、-CH(CH3)-CH2、又は-CH2-CH(CH3)-であり、各qは0又は1であり、
各X2はそれぞれ独立に、-H、-OH、-(C1-C10アルキル)、-(C1-C10ヘテロアルキル)、-(C3-C8シクロアルキル)、-(アリール)、-(5-〜10-員環ヘテロアリール)、-(C1-C10アルキル)(アリール)、-(アリール)(C1-C10アルキル)、-(C1-C4アルキル)qNH2、-(C1-C4アルキル)qCONH2、-(C1-C4アルキル)qNHCONH2、-(C1-C4アルキル)qNHCOH、若しくは-(C1-C4アルキル)qNHCOCH3(各qは0又は1である);又はこれらの混合物であり;
(f)但し、xが1で、かつyが0の場合、MはN-ビニルアセトアミド、N-ビニルプロパミド、N-ビニルブタミド、又はN-ビニルペンタミドではない。
特定の実施態様において、xが1で、かつyは0であり、
特定の実施態様において、xが2で、かつyは0であり、
特定の実施態様において、xが3で、かつyは0であり、
特定の実施態様において、xが4で、かつyは0であり、
特定の実施態様において、xが5で、かつyは0であり、
特定の実施態様において、xが1で、かつyは1であり、
特定の実施態様において、xが2で、かつyは1であり、
特定の実施態様において、xが3で、かつyは1であり、
特定の実施態様において、xが4で、かつyは1であり、
特定の実施態様において、xが5で、かつyは1であり、
特定の実施態様において、xが1で、かつyは2であり、
特定の実施態様において、xが2で、かつyは2であり、
特定の実施態様において、xが3で、かつyは2であり、
特定の実施態様において、xが4で、かつyは2であり、
特定の実施態様において、xが5で、かつyは2であり、
特定の実施態様において、xが1で、かつyは3であり、
特定の実施態様において、xが2で、かつyは3であり、
特定の実施態様において、xが3で、かつyは3であり、
特定の実施態様において、xが4で、かつyは3であり、
特定の実施態様において、xが5で、かつyは3であり、
特定の実施態様において、xが1で、かつyは4であり、
特定の実施態様において、xが2で、かつyは4であり、
特定の実施態様において、xが3で、かつyは4であり、
特定の実施態様において、xが4で、かつyは4であり、
特定の実施態様において、xが5で、かつyは4であり、
特定の実施態様において、xが1で、かつyは5であり、
特定の実施態様において、xが2で、かつyは5であり、
特定の実施態様において、xが3で、かつyは5であり、
特定の実施態様において、xが4で、かつyは5であり、
特定の実施態様において、xが5で、かつyは5であり、
特定の実施態様において、yは0であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0086】
他の実施態様において、yは0であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、
各R3、R4、及びR5は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0087】
別の実施態様において、yは0であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、かつ
R1、R2、R3、R4、及びR5は、Hである。
【0088】
別の実施態様において、yは0であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、R2、R3、及びR4は、Hであり、かつ
R5は、メチルである。
【0089】
別の実施態様において、yは0であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、R2、及びR3は、Hであり、かつ
R4、及びR5は、メチルである。
【0090】
特定の実施態様において、yは0、xは2であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0091】
他の実施態様において、yは0、xは2であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、
各R3、R4、及びR5は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0092】
別の実施態様において、yは0、xは2であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、かつ
R1、R2、R3、R4、及びR5は、Hである。
【0093】
別の実施態様において、yは0、xは2であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、R2、R3、及びR4は、Hであり、かつ
R5は、メチルである。
【0094】
別の実施態様において、yは0、xは2であり、かつ、タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、R2、及びR3は、Hであり、かつ
R4、及びR5は、メチルである。
【0095】
特定の実施態様において、yは0、xは1であり、かつ、M1に対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0096】
他の実施態様において、yは0、xは1であり、かつ、M1に対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、
各R3、R4、及びR5は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0097】
別の実施態様において、yは0、xは1であり、かつ、M1に対して、
A1はOであり、かつ
R1、R2、R3、R4、及びR5は、Hである。
【0098】
別の実施態様において、yは0、xは1であり、かつ、M1に対して、
A1はOであり、
R1、R2、R3、及びR4は、Hであり、かつ
R5は、メチルである。
【0099】
別の実施態様において、yは0、xは1であり、かつ、M1に対して、
A1はOであり、
R1、R2、及びR3は、Hであり、かつ
R4、及びR5は、メチルである。
【0100】
特定の実施態様において、
(a)タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルであり、
(b)yは、2であり、かつ
(c)式(II)のタイプM2に属する各モノマーサブタイプに対して、
A2はOであり、
R6、及びR7は、Hであり、かつ
各R8は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0101】
特定の実施態様において、
(a)タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルであり、
(b)yは、1であり、かつ
(c)式(II)のM2に対して、
A2はOであり、
R6、及びR7は、Hであり、かつ
各R8は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0102】
特定の実施態様において、
(a)xは2であり、
(b)タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルであり、
(c)yは2であり、かつ
(d)式(II)のタイプM2に属する各モノマーサブタイプに対して、
A2はOであり、
R6、及びR7は、Hであり、かつ
各R8は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0103】
特定の実施態様において、
(a)xは2であり、
(b)タイプM1に属する各モノマーサブタイプに対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルであり、
(c)yは1であり、かつ
(d)式(II)のM2に対して、
A2はOであり、
R6、及びR7は、Hであり、かつ
各R8は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0104】
特定の実施態様において、
(a)xは1であり、
(b)M1に対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルであり、
(c)yは2であり、かつ
(d)式(II)のタイプM2に属する各モノマーサブタイプに対して、
A2はOであり、
R6、及びR7は、Hであり、かつ
各R8は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0105】
特定の実施態様において、
(a)xは1であり、
(b)M1に対して、
A1はOであり、
R1、及びR2は、Hであり、かつ
各R3は、それぞれ独立にH、又はメチルであり、
(c)yは1であり、かつ
(d)式(II)のM2に対して、
A2はOであり、
R6、及びR7は、Hであり、かつ
各R8は、それぞれ独立にH、又はメチルである。
【0106】
幾つかの実施態様において、本発明組成物は、架橋ポリマーを含まない。幾つかの実施態様において、本発明組成物は、実質的に架橋ポリマーを含まない。
幾つかの実施態様において、x>1である場合、M1、又はタイプM1の各モノマーサブタイプは、次のとおりである:N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルプロパミド、N-ビニルブタミド、N-ビニルペンタミド、N-ビニルヘキサミド、N-ビニルヘプタミド、N-ビニルオクタミド、N-ビニルノナミド、N-ビニルデカミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルプロパミド、N-メチル-N-ビニルブタミド、N-メチル-N-ビニルペンタミド、N-メチル-N-ビニルヘキサミド、N-メチル-N-ビニルヘプタミド、N-メチル-N-ビニルオクタミド、N-メチル-N-ビニルノナミド、N-メチル-N-ビニルデカミド、N-エチル-N-ビニルホルムアミド、N-エチル-N-ビニルアセトアミド、N-エチル-N-ビニルプロパミド、N-エチル-N-ビニルブタミド、N-エチル-N-ビニルペンタミド、N-エチル-N-ビニルヘキサミド、N-エチル-N-ビニルヘプタミド、N-エチル-N-ビニルオクタミド、N-エチル-N-ビニルノナミド、N-エチル-N-ビニルデカミド、N-n-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-n-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-n-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-n-プロピル-N-ビニルブタミド、N-n-プロピル-N-ビニルペンタミド、N-n-プロピル-N-ビニルヘキサミド、N-n-プロピル-N-ビニルヘプタミド、N-n-プロピル-N-ビニルオクタミド、N-n-プロピル-N-ビニルノナミド、N-n-プロピル-N-ビニルデカミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルブタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルペンタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルヘキサミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルヘプタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルオクタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルノナミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルデカミド、又はこれらの混合物である。
【0107】
幾つかの実施態様において、x>1である場合、M1、又はタイプMの各モノマーサブタイプは、次のとおりである:N-ビニルホルムアミド、N-ビニルプロパミド、N-ビニルブタミド、N-ビニルペンタミド、N-ビニルヘキサミド、N-ビニルヘプタミド、N-ビニルオクタミド、N-ビニルノナミド、N-ビニルデカミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルプロパミド、N-メチル-N-ビニルブタミド、N-メチル-N-ビニルペンタミド、N-メチル-N-ビニルヘキサミド、N-メチル-N-ビニルヘプタミド、N-メチル-N-ビニルオクタミド、N-メチル-N-ビニルノナミド、N-メチル-N-ビニルデカミド、N-エチル-N-ビニルホルムアミド、N-エチル-N-ビニルアセトアミド、N-エチル-N-ビニルプロパミド、N-エチル-N-ビニルブタミド、N-エチル-N-ビニルペンタミド、N-エチル-N-ビニルヘキサミド、N-エチル-N-ビニルヘプタミド、N-エチル-N-ビニルオクタミド、N-エチル-N-ビニルノナミド、N-エチル-N-ビニルデカミド、N-n-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-n-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-n-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-n-プロピル-N-ビニルブタミド、N-n-プロピル-N-ビニルペンタミド、N-n-プロピル-N-ビニルヘキサミド、N-n-プロピル-N-ビニルヘプタミド、N-n-プロピル-N-ビニルオクタミド、N-n-プロピル-N-ビニルノナミド、N-n-プロピル-N-ビニルデカミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルブタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルペンタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルヘキサミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルヘプタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルオクタミド、-N-イソ-プロピル-N-ビニルノナミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルデカミド、又はこれらの混合物である。
【0108】
幾つかの実施態様において、yが0で、x>1である場合、M1、又はタイプMの各モノマーサブタイプは、次のとおりである:N-ビニルヘキサミド、N-ビニルヘプタミド、N-ビニルオクタミド、N-ビニルノナミド、N-ビニルデカミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルプロパミド、N-メチル-N-ビニルブタミド、N-メチル-N-ビニルペンタミド、N-メチル-N-ビニルヘキサミド、N-メチル-N-ビニルヘプタミド、N-メチル-N-ビニルオクタミド、N-メチル-N-ビニルノナミド、N-メチル-N-ビニルデカミド、N-エチル-N-ビニルホルムアミド、N-エチル-N-ビニルアセトアミド、N-エチル-N-ビニルプロパミド、N-エチル-N-ビニルブタミド、N-エチル-N-ビニルペンタミド、N-エチル-N-ビニルヘキサミド、N-エチル-N-ビニルヘプタミド、N-エチル-N-ビニルオクタミド、N-エチル-N-ビニルノナミド、N-エチル-N-ビニルデカミド、N-n-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-n-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-n-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-n-プロピル-N-ビニルブタミド、N-n-プロピル-N-ビニルペンタミド、N-n-プロピル-N-ビニルヘキサミド、N-n-プロピル-N-ビニルヘプタミド、N-n-プロピル-N-ビニルオクタミド、N-n-プロピル-N-ビニルノナミド、N-n-プロピル-N-ビニルデカミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルブタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルペンタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルヘキサミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルヘプタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルオクタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルノナミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルデカミド、又はこれらの混合物である。
【0109】
幾つかの実施態様において、x>1である場合、M1、又はタイプM1の各モノマーサブタイプは、次のとおりである:N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルプロパミド、N-ビニルブタミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルプロパミド、N-メチル-N-ビニルブタミド、N-エチル-N-ビニルホルムアミド、N-エチル-N-ビニルアセトアミド、N-エチル-N-ビニルプロパミド、N-エチル-N-ビニルブタミド、N-n-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-n-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-n-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-n-プロピル-N-ビニルブタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルブタミド、又はこれらの混合物である。
【0110】
他の実施態様において、y>1の場合、M2、又はタイプM2に属する各モノマーサブタイプは、発明の詳細な説明の中の章4.1に示した群の中の1つである。他の実施態様において、M2に対するこのような実施態様のそれぞれについて、x>1の場合、各M1、又はタイプM1に属する各モノマーサブタイプは、それぞれ独立に、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド又はN-メチル-N-ビニルアセトアミドであるか、或いは、x>1の場合、各M1、又はタイプM1に属する各モノマーサブタイプは、それぞれ独立に、N-ビニルホルムアミド又はN-メチル-N-ビニルアセトアミドである。
【0111】
他の実施態様において、本発明が該ポリマーは、次のコポリマーである:ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N,N-ジメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-酢酸ビニル);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-酢酸ビニル-co-ビニルアルコール);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-酢酸ビニル);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-酢酸ビニル-co-ビニルアルコール);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-酢酸ビニル;ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-酢酸ビニル-co-ビニルアルコール);又はこれらの塩である。
【0112】
他の実施態様において、本発明の該ポリマーは、次のコポリマーである:ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N,N-ジメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-酢酸ビニル);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-メタアクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-ビニルアセトアミド-co-酢酸ビニル);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-アクリルアミド);ポリ(N-メチル- N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-酢酸ビニル);又はこれらの塩である。
【0113】
他の実施態様において、本発明の該ポリマーは、次のコポリマーである:ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N,N-ジメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-酢酸ビニル);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-酢酸ビニル-co-ビニルアルコール);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-酢酸ビニル)、ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-酢酸ビニル-co-ビニルアルコール);又はこれらの塩である。
【0114】
他の実施態様において、本発明の該ポリマーは、次のコポリマーである:ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-アクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N,N-ジメチルアクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド) ;ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド)、ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-ビニルホルムアミド-co-酢酸ビニル);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-アクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-アクリルアミド)、ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N,N-ジメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-N-メトキシメチル-メタクリルアミド);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-1-ビニル-ピロリジン-2,5-ジオン);ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド-co-酢酸ビニル);又はそれらの塩である。
【0115】
幾つかの実施態様において、本発明組成物は、電気浸透又は電気浸透流(「EOF」)(電場によって誘発される毛細管流体の流れを意味する)を抑制又は排除できる。さらに、本発明組成物は、優れた電気泳動分解能を提供する。
【0116】
幾つかの実施態様において、本発明組成物は、有効量の本発明ポリマーを含む。本出願の目的において、「有効量の本発明ポリマー」とは、そのポリマーが、少なくとも1種の別の分子から生体分子を分離するのに十分な量又は濃度で、例えば、サンプル混合物中の少なくとも2種の生体分子成分がCEで異なる移動度を有するようになるのに有効な量で存在することを意味する。本発明組成物中に存在する本発明ポリマーの重量分率は、組成物の総重量を基準にして、約0.0001乃至約0.02である。別の実施態様において、本発明組成物中に存在する本発明ポリマーの重量分率は、約0.001乃至約0.015である。別の実施態様において、本発明組成物中に存在する本発明ポリマーの重量分率は、約0.001乃至約0.005である。
【0117】
(4.3.1.緩衝剤)
本発明組成物は、pHを調節するための緩衝剤を含んでいる。一実施態様において、該緩衝剤は水性緩衝液である。別の実施態様において、該緩衝剤は実質的に乾燥した緩衝剤である。別の実施態様において、該緩衝剤は乾燥した緩衝剤である。別の実施態様において、該緩衝剤は、約5乃至約11のpHで緩衝化された組成物を提供する。別の実施態様において、該緩衝剤は、約7乃至約10のpHで緩衝化された組成物を提供する。典型的な水性緩衝液としては、クエン酸、酢酸又はギ酸などの有機酸、N-トリス(ヒドロキシメチル)-2-アミノエタンスルホン酸(「TES」)、N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)グリシン(「BICINE」)、2-(2-アミノ-2-オキソエチル)-アミノ)エタンスルホン酸(「ACES」)又はグリシルグルシンなどの双生イオン、リン酸などの無機酸、及びTRISなどの有機塩基が挙げられる。実質的に乾燥した典型的な緩衝剤は、上記水性緩衝液のそれぞれから、水を十分に蒸発させることによって調製できる。典型的な乾燥した緩衝剤は、上記緩衝液のそれぞれから水を完全に蒸発させることによって調製できる。
緩衝剤の濃度は、例えば約1 mmol乃至約1 molで、広範に変更可能であり、約20 mM/Lの水を使用することが多い。通常のCEに用いるための典型的な緩衝溶液としては、次のもの、すなわち、一本鎖ポリヌクレオチドの分離には0.1M TRIS、0.25 Mホウ酸、7 M尿素(pHは約7.6)、二本鎖ポリヌクレオチドの分離には0.089M TRIS、0.089 Mホウ酸、0.005 Mエチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)が挙げられる。
【0118】
別の実施態様では、緩衝剤として、「GA」緩衝剤、「TTE」緩衝剤、又はこれらの混合物が挙げられる。GA緩衝剤は、3-((2-ヒドロキシ-1,1-ビス-(ヒドロキシメチル)エチル))-アミノ)-1-プロパンスルホン酸ナトリウム塩(「TAPS」)及びEDTAを含有し、その緩衝剤のpHが約8.0となるように、100 mMのTAPSに対して約1乃至約4 mMのEDTAが存在する。別の実施態様において、GA緩衝剤は、濃縮形態で、すなわち、100 mMのTAPSに対して約10乃至約40 mMのEDTAを含有する10 X GA緩衝剤を使用できる。TTE緩衝剤は、TRIS、TAPS及びEDTAを含有し、その緩衝剤のpHが約8.4となるように、50 mMのTRIS+50 mMのTAPSに対して約1 mMのEDTAが存在する。別の実施態様において、TTE緩衝剤は、濃縮形態で、すなわち、500 mMのTRIS+500 mMのTAPSに対して約10 mMのEDTAを含有する10X TTE緩衝剤を使用できる。
本発明組成物中に存在する水性緩衝液の有効濃度は、約10 mM乃至約300 mMである。一実施態様において、水性緩衝液の有効濃度は、約25 mM乃至約200 mMである。別の実施態様において、本発明組成物中に存在する水性緩衝液の濃度は、約50 mM乃至約100 mMである。
別の実施態様において、本発明の水性組成物は架橋されていない。別の実施態様において、本発明の水性組成物は実質的に架橋されていない。
【0119】
(4.3.2.篩い及び/又はEOF抑制ポリマー)
幾つかの実施態様において、CEに対して、本発明組成物は、ポリヌクレオチドなどの生体分子の分離を促進するのに有用な篩分け機能及び/又はEOF抑制機能を提供する。本発明組成物が、篩分け又はEOF抑制、或いはその双方を提供するか否かは、存在するポリマーの量又は濃度、複数のポリマーの存否及びそれらの相対的な量又は濃度、並びにその他の要因によって決まる。例えば、本発明ポリマーを低濃度で使用すると、EOFを抑制するのには有効であろうが、意味のある篩分けを示さない場合がある。しかし、篩分け機能を提供するために、別のポリマー、すなわち篩分け及び/又はEOF抑制ポリマーを含めることができる。本発明ポリマーは、篩分け機能を提供できるが、所望により、別法として、EOFを抑制するために、別のポリマー、すなわち篩分け及び/EOF抑制ポリマーを、通常は薄い濃度で含めることができる。さらに別の例では、本発明組成物(少なくとも1種の本発明ポリマーを含む)に2種以上のポリマーを含めることができ、そのポリマーは、篩分け又はEOF抑制、或いはその双方に寄与できる。例えば、2つの異なるポリマーを、それぞれ単独では意味のある篩分けには不十分な濃度であるが、2つのポリマーを合計すると一緒になって所望の篩分けレベルが得られるような濃度で存在させることができる。さらに別の例において、単一の本発明ポリマーは、特定の電気泳動分離のために十分な篩分け及びEOF抑制の双方を提供する。
【0120】
一実施態様において、篩い及び/又はEOF抑制ポリマーは、存在する場合、CEに対する動的、静的又は混成のポリマー壁コーティングの少なくとも1種である。
例えば、J. Horvathらの論文、Electrophoresis、22:644-655 (2001)で開示のポリマー及びコポリマー、例えば、ポリ(n-ウンデシル-α-D-グルコピラノシド)(PUG)、ポリオキシエチレンエーテル(BRIJ-35(登録商標(R)))、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウム塩素)(PDMAC)、-ポリ(エチレンイミン)(PEI)、ポリブレン(PB)、ポリ(アルギニン)(PA)、デキストラン、陽イオン性シクロデキストラン、40〜l40 nmポリスチレン粒子のα-ωジアミン誘導体、40-140 nmポリスチレン粒子のα-ωジアミン誘導体(そのアミノ官能基は-2,3-エポキシ-1-プロパノールで誘導体化されている)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、アルキレン-グリコールポリマー、ポリ(N-ビニルピロリドン)(PVP)、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、(ポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシド-ポリエチレンオキシド)トリブロックコポリマー、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)-g-ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アクリルアミド)、架橋ポリアクリルアミド(アクリルアミド+ビスアクリルアミド)、ポリ(アクリルアミド-co-アリルα-D-グルコピラノシド)(ポリ(AG-AA))、ポリ(アクリルアミド-co-アリルα-D-グルコピラノシド-co-アリルグリシジルエーテル)(エポキシポリ(AG-AA))、ポリ(N,N'-ジメチルアクリルアミド)(PDMA)、N,N'-ジメチルアクリルアミドのコポリマー、例えばポリ(N,N'-ジメチルアクリルアミド-co-アリルグリシジルエーテル)(EPPDMA)、N,N'-ジメチルアクリルアミドのグラフトコポリマー、ポリ(N-アクリロイルアミノエトキシエタノール)(polyAAEE)、ポリ(N-アクリロイルアミノプロパノール)(polyAAP)、ポリ(アクリロイルジエタノールアミン)、ポリ(2-アミノエチルメタアクリレート塩酸塩)(PALM)、親水性ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリアミド樹脂、ポリアミン(すなわち、eCAP(登録商標(R)))、ポリ(ビニルアミン)、ナトリウム-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸塩(NaAMPS)、フィブリノーゲン、酢酸セルロース、セルローストリアセテート、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、架橋ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、エポキシブタン修飾ヒドロキシプロプリルセルロース(EB-HPC)、及びHPCと2-ヒドロキシエチルメタクリレートとのコポリマーを使用できる。
【0121】
場合によっては、幾つかの実施態様において、本発明組成物は、さらに、十分な量で存在する1種以上の篩いポリマーを含むことができる。理論に拘束されるものではないが、異なる大きさの生体分子、例えばポリヌクレオチドに対する主なCE分離機構は、それら分子の電荷/摩擦抵抗の比によって決定される。従って、篩いポリマーの不存在下で2種以上の生体分子がCEで共−移動する、すなわち、ほぼ同一の移動度で移動する場合には、篩いポリマーを存在させることが望ましい。本出願の目的に関して、「篩いポリマーの有効量」、「EOF抑制ポリマーの有効量」及び「篩い及び/又はEOF抑制ポリマーの有効量」とは、サンプル混合物中の少なくとも2種の生体分子成分をCEで異なる移動度を有するようにするのに有効な量を意味する。
幾つかの実施態様において、本発明組成物は、篩分け及び/又はEOF抑制特性を具備する、ゲル化又は架橋ポリマーを含む。他の実施態様において、本発明組成物は、例えば、Bodeの論文Anal.Biochem.,83,204〜210(1977)、Bodeの論文Anal.Biochem.,83,364〜371(1977)、Bodeの論文Anal.Biochem.,92,99〜110(1979)、Hjertenらの論文J.Liquid Chromatography;12,2471〜2477(1989)、Grossmannに対する米国特許第5,126,021号、Tietzらの論文Electrophoresis,13,614〜616(1992)で開示されているような、ヒドロキシアルキルセルロース、アガロース、酢酸セルロース、線状ポリアクリルアミド(「PAAm」)などのいずれか又はすべてを含有する、非共有結合性架橋篩い及び/又はEOF抑制ポリマーを含む。
【0122】
幾つかの実施態様において、その篩い及び/又はEOF抑制ポリマーは、本発明組成物中に存在する場合、1種以上の実質的に非架橋のポリマーである。別の実施態様において、その篩い及び/又はEOF抑制ポリマーは、1種以上の実質的に線状のポリマーである。
別の実施態様において、その篩い及び/又はEOF抑制ポリマーは、大気圧下、約0.01乃至約1重量%の濃度、及び約20℃乃至約70℃で、水溶性である。別の実施態様において、その篩い及び/又はEOF抑制ポリマーは、大気圧下、約0.01乃至約1重量%の濃度、及び約25℃で、水溶性である。
一実施態様において、本発明組成物中に篩い及び/又はEOF抑制ポリマーが存在する場合、その篩い及び/又はEOF抑制ポリマーは、約100,000 Da乃至約5 MDaのMwを有する。別の実施態様において、その篩い及び/又はEOF抑制ポリマーは、約500,000 Da乃至約2 MDaのMwを有する。別の実施態様において、その篩い及び/又はEOF抑制ポリマーは、約800,000 Da乃至約2 MDaのMwを有する。
【0123】
1の実施態様において、該篩い、及び/又はEOF抑制ポリマー(suppressing polymer)は、モノマーユニットを含み、該モノマーユニットは、次のとおりである:アクリルアミド、N-アセチル-アクリルアミド、N-2-シアノエチル-アクリルアミド、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-アクリルアミド、N-4,4-ジメトキシブチル-アクリルアミド、N-2,2-ジメトキシエチル-アクリルアミド、N,N-ジメチル-アクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステルアクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-アクリルアミド、N-メトキシメチル-アクリルアミド、N-3-メトキシプロピル-アクリルアミド、N-メチル-アクリルアミド、N-メチル-,N-2,2-ジメトキシエチル-アクリルアミド、N-モルフォリノエチル-アクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)-メチル-アクリルアミド、メタクリルアミド、N-アセチル-メタクリルアミド、N-2-シアノエチル-メタクリルアミド、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-メタクリルアミド、N-4,4-ジメトキシブチル-メタクリルアミド、N-2,2-ジメトキシエチル-メタクリルアミド、N,N-ジメチル-メタクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステルメタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-メタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、N-3-メトキシプロピル-メタクリルアミド、N-メチル-メタクリルアミド、N-メチル-,N-2,2-ジメトキシエチル-メタクリルアミド、N-モルフォリノエチル-メタクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、若しくはN-トリ(ヒドロキシメチル)-メチル-メタクリルアミド、又はこれらの混合物である。
【0124】
他の実施態様において、該篩い、及び/又はEOF抑制ポリマーは、ポリ(ヒドロキシメチレン)、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(オキシエチレン-co-オキシプロピレン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)、ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)、ポリ((2-エチル-2-オキサゾリン)-co-(2-メチル-2-オキサゾリン))、ポリ(N-アセトアミドアクリルアミド)、ポリ(アクリルオキシル尿素)、ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシメチルセルロースのような水溶性多糖類、又はこれらの混合物である。
一実施態様において、その篩い及び/又はEOF抑制ポリマーは、アクリルアミドモノマー単位を含有する。別の実施態様において、その篩い及び/又はEOF抑制ポリマーのモノマー単位の少なくとも約80モル%が、アクリルアミド単位である。別の実施態様において、その篩い及び/又はEOF抑制ポリマーのモノマー単位の少なくとも約90モル%が、アクリルアミド単位である。別の実施態様において、その篩い及び/又はEOF抑制ポリマーのモノマー単位の少なくとも約95モル%が、アクリルアミド単位である。別の実施態様において、その篩い及び/又はEOF抑制ポリマーは、実質的に線状であるポリアクリルアミド、すなわち、分枝量が微量で、そのポリアクリルアミドの溶液粘度が、同一Mwを有する実質的に線状のポリアクリルアミドの溶液粘度と実質的に異ならないようなポリアクリルアミドである。
本発明組成物中の篩い及び/又はEOF抑制ポリマーの重量分率は、存在する場合、組成物の総重量を基準にして、約0.001乃至約0.1である。別の実施態様において、本発明組成物中の篩い及び/又はEOF抑制ポリマーの重量分率は、約0.005乃至約0.05である。別の実施態様において、本発明組成物中の篩い及び/又はEOF抑制ポリマーの重量分率は、約0.01乃至約0.03である(0.01重量分率=1重量%)。
【0125】
(4.3.3.変性剤)
例えば、ポリヌクレオチドの重複又は二次構造の形成を防止することが望ましい場合には、本発明組成物中に、変性剤など、任意の追加成分を含めることができる。一実施態様において、変性剤としては、ホルムアミド、尿素、ドデシル硫酸ナトリウムなどの洗剤、及びピロリドン及びN-メチルピロリドンなどの商業的に入手できるラクタム類、並びにそれらの混合物が挙げられる。電気泳動において変性剤を使用することは、通常的であり、例えば、SambrockらのMolecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory、New York、1989年)など、一般に認められた分子生物学の参考書中に記載されている。別の実施態様において、変性剤は、存在する場合、ホルムアミド、尿素、ピロリドン、N-メチルピロリドン、又はそれらの混合物である。別の実施態様において、変性剤は、存在する場合、尿素である。別の実施態様において、変性剤は、存在する場合、ホルムアミドである。
本発明組成物中の変性剤濃度は、存在する場合、約0.5 M乃至約8 Mである。別の実施態様において、変性剤濃度は約2 M乃至約8 Mである。別の実施態様において、本発明組成物中に存在する変性剤の濃度は、約6 M乃至約8 Mである。
【0126】
(4.4.組成物の製造方法)
本発明の第4の実施態様は、本発明組成物の製造方法に関するものであり、本発明ポリマーを緩衝剤と混合することを含む。この方法は、さらに、篩い及び/またはEOF抑制ポリマー又はそれらの塩、及び/又は変性剤と混合することを含む。本発明組成物は、電気泳動の分離媒体として有用である。例えば、本発明組成物は、本発明ポリマー、及び存在させるなら篩い及び/又はEOF抑制ポリマー又はそれらの塩を水に25℃で溶解すること、続いて濃縮状態の緩衝剤を添加することによって調製できる。別法としては、本発明ポリマーを水性緩衝液に直接溶解することが可能であり、場合によっては、その溶液に篩い及び/またはEOF抑制ポリマーを添加できる。変性剤は、任意の篩い及び/又はEOF抑制ポリマーを添加する前又は後のいずれかに存在できる。従って、本発明ポリマー、及び篩い及び/EOF抑制ポリマーは、存在させる場合、どの組合せを選択して使用するかに応じて、水、水性緩衝液、水+変性剤、又は水性緩衝液+変性剤に添加できる。さらに、篩い及び/またはEOF抑制ポリマーを存在させる場合、本発明ポリマーを導入する前に、それらを例えば緩衝液中に溶解できる。本発明組成物を製造するために成分を添加するいかなる順序も、本発明のこの実施態様の範囲である。
【0127】
(4.5.分離方法)
本発明の第5の実施態様において、本発明組成物は、サンプル又は分析物、例えば、生体分子又は生体分子混合物の検出方法又は分離方法において有用である。本明細書中で使用する場合、「分析物」には、特定のサンプル中の、例えば、サンプル中における存在及び/又はサンプル中の含有量を試験すべき物質が含まれる。
例えば、本発明組成物を用いて生体分子混合物を分離するための適切な方法は、
(a)本発明組成物を、生体分子を含有する混合物と接触させること、及び
(b)混合物から生体分子が分離するのを促進するのに十分な量で、該組成物に電場を印加すること、を含む。
別の実施態様において、本発明組成物は、さらに、篩い及び/またはEOF抑制ポリマー又はそれらの塩を含む。別の実施態様において、本発明組成物は、さらに、変性剤を含む。別の実施態様において、本発明組成物は、生体分子と接触するのに先立って、毛細管チューブ又はカラムなどの支持体中に存在する。
【0128】
生体分子は、1種のポリヌクレオチド又は複数のポリヌクレオチドでよい。一実施態様において、生体分子としては、タンパク質、糖たんぱく質、天然及び合成ペプチド、アルカロイド、多糖、ポリヌクレオチドなどが挙げられる。別の実施態様において、生体分子はポリヌクレオチドを指す。別の実施態様において、生体分子は、多糖でよい。別の実施態様において、生体分子は、負に帯電した多糖でよい。別の実施態様において、生体分子は、炭水化物でよい。別の実施態様において、生体分子は、負に帯電した炭水化物でよい。別の実施態様において、生体分子は、ポリヌクレオチド、多糖及び炭水化物を含有する混合物でよい。別の実施態様において、生体分子は、ポリヌクレオチド及び炭水化物を含有する混合物でよい。別の実施態様において、生体分子は、ポリヌクレオチド及び多糖を含有する混合物でよい。別の実施態様において、生体分子は、多糖及び炭水化物を含有する混合物でよい。
【0129】
用語「ポリヌクレオチド」は、本明細書中で使用する場合、二本鎖および一本鎖デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、そのα-アノマー型などを含む天然又は改変されたヌクレオシドモノマーからなる線状ポリマーを指す。通常、ヌクレオシドモノマーは、ホスホジエステル結合又はその類似結合によって連結して、少数のモノマー単位(例えば約8乃至約40個)から数千個のモノマー単位までの大きさの範囲のポリヌクレオチドを形成する。ポリヌクレオチドを「GTTACTG」などの文字配列で表す場合には、ヌクレオチドは、常に、左から右に5'→3'の順序であり、特記しない限り「A」はデオキシアデノシンを、「C」はデオキシシチジンを、「G」はデオキシグアノシンを、「T」はチミジンを意味する。ホスホジエステル結合の類似結合としては、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホロアニリデート、ホスホロアミデートなどが挙げられる。
【0130】
本明細書中で使用する場合、「ヌクレオシド」には、例えば、Komberg及びBaker著、DNA Replication,第2版(Freeman,San Francisco,1992)に記載されているように、2'-デオキシ及び2'-ヒドロキシ型を含む天然ヌクレオシドが含まれる。ヌクレオシドに関する「類似体」には、例えば、ScheitがNucleotide Analogs(John Wiley,New York)に概略的に記載している、改変された塩基部分及び/又は改変された糖部分を有する合成ヌクレオシドが含まれる。
サンプル、又は分析物の分離度に関して、CEでは「分解能」又は「Rs」を
Rs=0.59(Y2-Y1)/FWHM (1)
として定義するのが通常であり、ここで、Y1及びY2は、2つの隣接するCEピークの中央であり、FWHMは、双方のピークが実質的に同一の幅を有すると仮定した場合の半値幅である(例えば、Albarghouthiの論文、Electrophoresis,21,4096〜4111(2000)を参照のこと)。本明細書中で使用する場合、「クロスオーバー」は、(Y2-Y1)値がそのFWHM値に等しい塩基対における塩基対の数である。換言すれば、650塩基対(「bp」)のクロスオーバーは、650番目の塩基対の分解能が0.59であることを意味する。
【0131】
本発明組成物を用いる生体分子混合物の分離方法における一実施態様において、該方法は、少なくとも400 bpのクロスオーバーを生じる。本発明組成物を用いる生体分子混合物の分離方法における別の実施態様において、該方法は、少なくとも約600 bpのクロスオーバーを生じる。本発明組成物を用いる生体分子混合物の分離方法における別の実施態様において、該方法は、少なくとも約700 bpのクロスオーバーを生じる。本発明組成物を用いる生体分子混合物の分離方法における別の実施態様において、該方法は、少なくとも約800 bpのクロスオーバーを生じる。本発明組成物を用いる生体分子混合物の分離方法における別の実施態様において、該方法は、少なくとも約900 bpのクロスオーバーを生じる。本発明組成物を用いる生体分子混合物の分離方法における別の実施態様において、該方法は、少なくとも約1000 bpのクロスオーバーを生じる。本発明組成物を用いる生体分子混合物の分離方法における別の実施態様において、該方法は、少なくとも約1100 bpのクロスオーバーを生じる。本発明組成物を用いる生体分子混合物の分離方法における別の実施態様において、該方法は、少なくとも約1200 bpのクロスオーバーを生じる。
【0132】
(4.6.電気泳動装置)
電気泳動装置は、本発明組成物のための支持体、例えば毛細管を含む。一実施態様において、該支持体によって、電圧源の両極端子に両側の末端で接続可能な、本発明組成物(例えば分離媒体)を入れるための細長いチャネルの範囲を限定する。用語「毛細管」は、本明細書中で使用する場合、チューブ又はチャネル、或いは電気泳動を実施するのに有用なある量の本発明組成物を支持する能力のあるその他の構造体を指す。支持体又は毛細管の幾何学的形状は、広範に変更可能であり、円形、長方形または正方形の断面を有するチューブ、チャネル、溝、プレートなどが含まれ、そのそれぞれは広範囲の技術により作製することができる。例えば、支持体には、束になった毛細管チャネルのCEアレイを含めることができる。別法として、支持体は、例えばLiuらが、Anal. Chem.,71:566〜573(1999)に記載しているように、ガラスウェハーに化学的にエッチングされたチャネルなど、微小に作製した型でもよい。CEマイクロチップ装置を説明している代表的な参考文献としては、前記引用文献、及び、それぞれ幅が50μmで深さが8μmである複数の支持チャネルを開示しているWoolleyらの論文、Anal.Chem.,67:3676〜3680(1995)が挙げられる。
本発明組成物と共に使用される支持体の重要な特徴は、多量の本発明組成物と接触する支持体内表面の表面積/容積比である。この比が大きいと、電気泳動中における組成物からの良好な熱移動が可能になる。一実施態様において、約20,000乃至約200,000の範囲の値が採用される。それらの値は、内径が約200μm乃至約10μmの円形断面を有するチューブ状毛細管の表面積/容積比に相当する。
別の実施態様において、支持体は、約10乃至約200 cmの長さを有するチューブ状毛細管である。別の実施態様において、支持体は、約100 cm未満の長さを有するチューブ状毛細管である。別の実施態様において、支持体は、約10乃至約200μmの内径を有するチューブ状毛細管である。別の実施態様において、支持体は、約25乃至約75μmの内径を有するチューブ状毛細管である。
【0133】
本発明のための毛細管は、シリカ、融解シリカ、ケイ酸塩をベースにしたガラス(ホウケイ酸ガラスなど)、アルミナ含有ガラス、リン酸塩ガラス、水晶など、又はその他のシリカ様材料から作製できる。一実施態様において、毛細管は融解シリカを含む。毛細管は、その外側表面がコーティングされていなくてもよい。別の実施態様において、例えば、十分な機械的強度を提供しかつ/又は取扱い易さを増すために、毛細管の外側表面をポリイミド層でコーティングする。毛細管は、1つ又は複数の層で、典型的には、シラン由来のコーティング剤及び/又は例えばKargerらに対する米国特許第4,997,537号、5欄9行乃至6欄14行に記載されているようなPAAmでその内表面をコーティングできる。別の実施態様において、毛細管は、その内側表面がコーティングされていない。
毛細管電気泳動を実施するための装置は周知である。例えば、Applied Biosystems Inc.(ABI, Foster City, カリフォルニア州)の310型遺伝子分析装置、3700型及び3730型DNA分析装置、及びABI PRISM(登録商標)3100型遺伝子分析装置など、幾つかのCE装置が商業的に入手できる。CE装置及びそれらの操作について記載している代表的な参考文献としては、Colburn他編、Applied Biosystems Research News,Issue 1(Winter 1990)、Grossman他編、Capillary Electrophoresis(Academic Press,San Diego,1992)、Harrisonらの論文Science,261,895〜897頁(1993年)、Paceに対する米国特許第4,908,112号、Kambaraらに対する米国特許第5,192,412号、Seilerらの論文Anal.Chem.,65:1481〜1488(1993)が挙げられる。
【0134】
本発明組成物を支持体と接触させて、その支持体が該組成物を含むようにすることは、通常の方法を利用して、例えば、支持体の一端をシリンジに接続すること、及び圧力を調節しながら支持体中に組成物を注入することによって実施できる。支持体が毛細管である場合、注入圧力は、約50乃至約800 psiの範囲でよい。別の実施態様では、毛細管支持体への注入圧力は、約200乃至約400 psiである。別法として、本発明組成物を支持体と接触させて、その支持体が該組成物を含むようにすることは、毛細管支持体を充填チューブに接続すること、及び組成物の粘度に応じて約100乃至約500 psiの窒素又はヘリウムガス圧を約5乃至60分間印加することによって実施できる。Kargerらに対する米国特許第4,997,537号は、TEFLONチューブ及びシリンジを用いるPAAmの充填を開示している。
組成物を支持体に導入して、その支持体内に組成物が含まれるようにするもう1つの方法は、支持体の2つの末端の一方を本発明組成物の入った容器中に浸漬し、その組成物に加わる空気圧を大気圧を越えるまで増圧し、それによって、陽圧で組成物を支持体内に圧入することによるものである。別法として、浸漬した支持体末端と反対側の末端の空気圧を大気圧未満にまで減圧し、それによって、吸引で組成物を支持体内に引き込むことができる。
【0135】
使用する方法の如何に関わらず、含まれる組成物が、実質的に均一かつ均質に支持体を満たすべきであること、すなわち組成物が、支持体中のどこでも実質的に均一濃度であり、不連続性または空隙が実質的に存在すべきでないことは、当技術分野で周知である。例えば、Menchenらに対する米国特許第5,468,365号16欄33〜45行を参照されたい。本発明組成物のブルックフィールド粘度は、適切には約100乃至約1000 cPsである。別の実施態様において、本発明組成物のブルックフィールド粘度は、約200乃至約500 cPsである。本発明組成物は、「回転(ブルックフィールド型)粘度計による非ニュートン材料のレオロジー特性標準試験法(Standard Test Methods for Rheological Properties of Non-Newtonian Materials by Rotational(Brookfield type)Viscometer)」という表題のASTM D2196-99のA法によって適切に特徴付けられる。この試験及びその中に記載されている「A法」によって、液状組成物内で定速回転するスピンドルに加わるトルクを25℃の温度で実験的に測定することによって、見掛けの又はブルックフィールド粘度を測定する。これらの実験のすべてについて、ブルックフィールドRV型粘度計又はその同等装置において、スピンドル No.00を10 rpmの回転速度で使用する。
【0136】
本発明の第6の実施態様は、本発明組成物を含む支持体に関する。別の実施態様において、支持体は毛細管である。別の実施態様において、毛細管は毛細管チューブである。
別の実施態様において、所定の組成物/分析物の組合せに対して複数回のCE分析操作が行われる場合には、各CE分析操作の完了時点で、毛細管から組成物が実質的に除去され、すなわち99%が除去され、次回のCE分析操作を始める前に組成物の新しいアリコートを導入する。別の実施態様において、例えば、CE分析結果の信頼性及び再現性を増すために、全除去及び充填の操作は自動制御の下で実施される。
正極容器には、サンプルを添加する短時間を除いて、電気泳動中に正極及び毛細管の正極端を浸漬させる組成物を入れればよい。例えば、陽圧によって毛細管内に組成物を詰めるために、組成物に加わる空気圧を調節できる。負極容器には、電気泳動中に負極及び毛細管の負極端を浸漬させる組成物を入れればよい。例えば、減圧下で組成物を毛細管内に引き込むために、所望により組成物のこの部分に加わる空気圧を調節できる。別の実施態様において、正極容器中の組成物は、負極容器中の組成物とほぼ同一である。分離操作中は、CE装置の全体を前以て選択した一定温度に維持する。
【0137】
CE中、電極間に約2乃至約60 kVの範囲の分析操作電位が生じるように、正極と負極の間に高電圧電源を接続する。別の実施態様において、電位は、約5乃至約20 kVの範囲である。別法として、或いはさらに、所望により、選択周波数パルス電圧を電極間に印加できる。CE分析操作中に毛細管を通過する電流は、マイクロアンペアの範囲、典型的には約2乃至約100μAである。別の実施態様において、CE分析操作中に毛細管を通過する電流は、約5乃至約30μAである。
CEを用いて分析されるサンプル又は分析物は、生体分子の混合物を含む。CE分析操作を開始するためには、サンプルと本発明組成物を、任意の既知手段によって、例えば、シリンジ積層注入又は差圧によって接触させることができる。別の実施態様において、サンプルは、動電学的注入によって、例えば、正極及び毛細管の正極端をサンプル溶液中に入れ、次いで、毛細管の両端に注入電位と注入電流を短時間印加することによって添加できる。サンプルは、約0.5乃至約18 kVの電位において、約3乃至約150秒で動電学的に注入できる。分離は、正極及び毛細管の正極端を正極容器中に戻し、かつ分析操作電位及び電流を印加した後に開始できる。
【0138】
毛細管に隣接し、かつ毛細管の負極端に近接して配置されたオンライン検出器が、毛細管の検出領域を通って移動するサンプルの分離したバンドをモニタリングする。典型的には、光学検出領域は、分離された分析物をUV及び/又は可視光(例えば、蛍光)によって検出できるように、外側のコーティングをすべて除去した毛細管の領域を含んでいる。しかし、UV吸収、蛍光発光、レーザー誘導蛍光、電気伝導性、放射性発光など、広範な種類の検出機構を本発明と共に使用できる。例えば、蛍光性分析物のための検出系が、Zareらに対する米国特許第4,675,300号、及びFolestadらに対する米国特許第4,548,498号に記載されている。別法として、荷電結合デバイス検出器と連結して使用される、波長488 nm及び514 nmで光を放出する蛍光励起光源としてアルゴンイオンレーザーを利用する、DNA分析で通常的であるような4色検出系が、Madabhushiらに対する米国特許第5,916,426号に記載されている。
毛細管を、別の分析物及び/又は組成物に使用するに先立って、本発明組成物を毛細管に添加する前に、例えば、カラム容積の20倍の水、カラム容積の20倍のテトラヒドロフラン(THF)、カラム容積の20倍の1 M NaOHそしてカラム容積の20倍の水で毛細管を洗浄できる。例えば、信頼性がありかつ再現性のあるCE分析結果を提供するために、一実施態様において、使用済みの毛細管を、新しい組成物を含む未使用の毛細管に置き換え、上記のように動電学的注入によってサンプルを添加する。
【実施例】
【0139】
(5.実施例)
上で言及したように、本発明ポリマーは、生体分子の分析及び分離において有利なCE分析性能をもたらす。以下の実施例により、本発明の特定の実施態様をさらに例示する。これらの実施例は、単に例示の目的のために提供するのであって、決して本発明の範囲を限定するものではない。
(5.1.PVFを含む本発明の例示的組成物の調製)
一連の3種の組成物、IC1〜3は、ポリ(N-ビニルホルムアミド)(「PVF」)を含む。これらの組成物のそれぞれは、また、ポリ(N,N-ジメチルアクリルアミド)(「PDMA」)を含む。各組成物中に存在する成分のそれぞれに対する重量パーセントを表1に示す。
【0140】
【表1】

【0141】
IC1〜IC3のそれぞれは、GPC-MALLSで測定して約984 kDaのMwおよび約315 kDaのMnを有する実質的に線状のPDMAを用いて調製し、その使用に先立って透析し、凍結乾燥した。また、EOFを低減するためにPDMAを添加した。PDMAは、その使用に先立って、50K MWCO Spectra/Por-7再生セルロースメンブランを用い、水を2回替えて(各5ガロン)4日間透析し、凍結乾燥した。IC1〜3のそれぞれで使用する水は、MILLI-Q Water System(Millipore Corp. Bedford、マサチューセッツ州)を用いて精製した。
各組成物のブルックフィールド粘度は、前に考察したASTM D2196-99のA法で測定すると、約300乃至約500センチポイズの範囲であった。一般に、使用したPVFの分子量が小さいほど、組成物の粘度の低いことが観察された。
【0142】
(5.2.PVFを含む組成物を用いるDNAの毛細管電気泳動)
本発明の例示的ポリマーを含む組成物の、DNA配列決定における毛細管電気泳動の分離媒体としての有用性を評価した。以下の実施例において、本発明組成物のそれぞれを、長さが47 cm、内径が50μmのコーティングしていない融解シリカ毛細管を具備したABI310遺伝子分析装置を用い、CEに関して評価した。
各比較分離媒体(「CSM」)「対照」として、GA緩衝剤又はTTE緩衝剤のいずれかを使用した。尿素変性剤も存在させた。各分離媒体は、緩衝剤及び変性剤からなる溶液にポリマー成分を25℃で溶解して調製した。
分離媒体に対するCE配列決定の分析操作は、35、50、75、100、139、150、160、200、250、300、340、350、400、450、490、500、550、600、650、及び700塩基対の長さを有する、TET染料で標識化したフラグメントのラダーの存在下、数点の温度(通常は50、60、及び70℃)で、1.5 kVの注入電圧及び10秒の注入時間、及び9.5 kVの分析操作電圧で実施した。各温度においてクロスオーバー、及び分析操作時間を測定した。
分離媒体の組成、及び4回のCE分析操作データを平均して得られたCE配列決定の性能データを表2に要約する。
【0143】
【表2】

【0144】
表2の結果は、IC1、IC2、及びIC3のそれぞれの分析操作時間が、例えば50℃において好都合に短いことを示している。さらに、表2の結果は、IC1、IC2、及びIC3のそれぞれのクロスオーバー値が、例えば50℃において好都合に大きいことを示している。従って、本発明組成物は、例えば生体分子混合物の分離に有用である。
【0145】
(5.3.PMVAを含む本発明の例示的組成物の調製)
2つの組成物、IC4及びIC5は、ポリ(N-メチル-N-ビニルアセトアミド)(「PMVA」)を含む。各組成物中に存在する成分のそれぞれに対する重量パーセントを表3に示す。
【0146】
【表3】

【0147】
IC4は、実施例5.1.に記載したように、実質的に線状のPDMAを透析し、凍結乾燥して調製した。IC4〜5のそれぞれで使用する水は、MILLI-Q Water Systemを用いて精製した。各分離媒体は、緩衝剤及び変性剤からなる溶液にポリマー成分を25℃で溶解して調製した。
【0148】
(5.4.PMVAを含む組成物を用いるDNAの毛細管電気泳動)
本発明の例示的組成物、IC4、及びIC5のDNA配列決定性能を、実施例5.2.に記載したと同様にCEを用いて評価した。
分離媒体の組成、及び4回のCE分析操作データを平均して得られたCE配列決定の性能データを表4に要約する。
【0149】
【表4】

【0150】
表4の結果は、IC4、及びIC5のそれぞれの分析操作時間が、例えば50℃において好都合に短いことを示している。さらに、表4の結果は、IC4、及びIC5のそれぞれのクロスオーバー値が、例えば50℃において好都合に大きいことを示している。従って、本発明組成物は、例えば生体分子混合物の分離に有用である。
特定の実施態様に関して本発明を説明してきたが、本発明の精神、又は範囲から逸脱することなしに、種々の変更、及び修正を行うことができることを認識されるであろう。
本明細書中のすべての濃度は、特に言及しない限り、重量による。
すべての刊行物、及び特許出願は、それぞれ個々の刊行物、又は特許出願が参照により組み込まれることを具体的、かつ個別的に指摘したと同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緩衝剤、及びポリ(M1xM2y)形態を有するポリマー、又はその塩を含む組成物であって、1以上のタイプM1のモノマーを含み:
(a)yはゼロであり;
(b)該ポリマーにおける各モノマーはタイプM1であり;
(c)xは1乃至5の整数であり、かつ該ポリマーに存在するタイプM1のモノマーサブタイプの数を表し;かつ
(d)該ポリマーにおけるタイプM1の各モノマーサブタイプは下記から選ばれるものである、前記組成物:
N-ビニルヘキサミド、N-ビニルヘプタミド、N-ビニルオクタミド、N-ビニルノナミド、N-ビニルデカミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルプロパミド、N-メチル-N-ビニルブタミド、N-メチル-N-ビニルペンタミド、N-メチル-N-ビニルヘキサミド、N-メチル-N-ビニルヘプタミド、N-メチル-N-ビニルオクタミド、N-メチル-N-ビニルノナアミド、N-メチル-N-ビニルデカミド、N-エチル-N-ビニルホルムアミド、N-エチル-N-ビニルアセトアミド、N-エチル-N-ビニルプロパミド、N-エチル-N-ビニルブタミド、N-エチル-N-ビニルペンタミド、N-エチル-N-ビニルヘキサミド、N-エチル-N-ビニルヘプタミド、N-エチル-N-ビニルオクタミド、N-エチル-N-ビニルノナミド、N-エチル-N-ビニルデカミド、N-n-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-n-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-n-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-n-プロピル-N-ビニルブタミド、N-n-プロピル-N-ビニルペンタミド、N-n-プロピル-N-ビニルヘキサミド、N-n-プロピル-N-ビニルヘプタミド、N-n-プロピル-N-ビニルオクタミド、N-n-プロピル-N-ビニルノナミド、N-n-プロピル-N-ビニルデカミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルブタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルペンタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルヘキサミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルヘプタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルオクタアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルノナミド、及びN-イソ-プロピル-N-ビニルデカミドである。
【請求項2】
さらに、モノマーユニットである下記成分を含む、有効量の篩い及び/又はEOF抑制ポリマーを含む、請求項1記載の組成物:
アクリルアミド、N-アセチル-アクリルアミド、N-2-シアノエチル-アクリルアミド、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-アクリルアミド、N-4,4-ジメトキシブチル-アクリルアミド、N-2,2-ジメトキシエチル-アクリルアミド、N,N-ジメチル-アクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステルアクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-アクリルアミド、N-メトキシメチル-アクリルアミド、N-3-メトキシプロピル-アクリルアミド、N-メチル-アクリルアミド、N-メチル-,N-2,2-ジメトキシエチル-アクリルアミド、N-モルフォリノエチル-アクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)-メチル-アクリルアミド、メタクリルアミド、-N-アセチル-メタクリルアミド、N-2-シアノエチル-メタクリルアミド、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-メタクリルアミド、N-4,4-ジメトキシブチル-メタクリルアミド、N-2,2-ジメトキシエチル-メタクリルアミド、N,N-ジメチル-メタクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステルメタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-メタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、N-3-メトキシプロピル-メタクリルアミド、N-メチル-メタクリルアミド、N-メチル-,N-2,2-ジメトキシエチル-メタクリルアミド、N-モルフォリノエチル-メタクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)-メチル-メタクリルアミド、又はこれらの混合物である。
【請求項3】
該篩い及び/又はEOF抑制ポリマーのモノマーユニットが、アクリルアミドである、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
さらに、下記成分を含む、又はである、有効量の篩い及び/又はEOF抑制ポリマーを含む、請求項1記載の組成物:
ポリ(ヒドロキシメチレン)、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(オキシエチレン-co-オキシプロピレン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)、ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)、ポリ((2-エチル-2-オキサゾリン)-co-(2-メチル-2-オキサゾリン))、ポリ(N-アセトアミドアクリルアミド)、ポリ(アクリルオキシル尿素)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、又はこれらの混合物である。
【請求項5】
該ポリマーが、約150,000ダルトン乃至約20 Mダルトンの重量平均分子量を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
さらに、約1 Mダルトン乃至約5 Mダルトンの重量平均分子量を有する、篩い及び/又はEOF抑制ポリマーの有効量を含む、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
該篩い及び/又はEOF抑制ポリマーが、実質的に線状のポリアクリルアミドである、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
該組成物が水性組成物である、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
該組成物が約5乃至約11のpHを有する、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
該組成物が約7乃至約10のpHを有する、請求項8記載の組成物。
【請求項11】
yが0であり、かつ、各M1が、それぞれ独立にN-ビニルホルムアミド、又はN-メチル-N-ビニルアセトアミドである、請求項8記載の組成物。
【請求項12】
さらに、ホルムアミド、尿素、ピロリドン、N-メチルピロリドン、又はこれらの混合物を含む、請求項9記載の組成物。
【請求項13】
さらに、尿素を含む、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
さらに、ホルムアミドを含む、請求項12記載の組成物。
【請求項15】
乾燥した組成物である、請求項1記載の組成物。
【請求項16】
約5乃至約11のpHを有する、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
約7乃至約10のpHを有する、請求項15記載の組成物。
【請求項18】
yが0であり、かつ、タイプM1の各モノマーサブタイプが、それぞれ独立にN-ビニルホルムアミド、又はN-メチル-N-ビニルアセトアミドである、請求項15記載の組成物。
【請求項19】
さらに、ホルムアミド、尿素、ピロリドン、N-メチルピロリドン、又はこれらの混合物を含む、請求項16記載の組成物。
【請求項20】
さらに、尿素を含む、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
さらに、ホルムアミドを含む、請求項19記載の組成物。
【請求項22】
緩衝剤、及びポリ(M1xM2y)形態を有するポリマー、又はその塩を含む組成物であって、1以上のタイプM1のモノマーを含み、かつ任意に1以上のタイプM2のモノマーを含み:
(a)該ポリマーにおける各モノマーはタイプM1又はM2であり;
(b)xは1乃至5の整数であり、かつ該ポリマーに存在するタイプM1のモノマーサブタイプの数を表し;
(c)yは0乃至5の整数であり、かつ該ポリマーに存在するタイプM2のモノマーサブタイプの数を表し;
(d)該ポリマーにおけるタイプM1の各モノマーサブタイプはそれぞれ独立に下記のものであり、
N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルプロパミド、N-ビニルブタミド、N-ビニルペンタミド、N-ビニルヘキサミド、N-ビニルヘプタミド、N-ビニルオクタミド、N-ビニルノナミド、N-ビニルデカミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルプロパミド、N-メチル-N-ビニルブタミド、N-メチル-N-ビニルペンタミド、N-メチル-N-ビニルヘキサミド、N-メチル-N-ビニルヘプタミド、N-メチル-N-ビニルオクタミド、N-メチル-N-ビニルノナミド、N-メチル-N-ビニルデカミド、N-エチル-N-ビニルホルムアミド、N-エチル-N-ビニルアセトアミド、N-エチル-N-ビニルプロパミド、N-エチル-N-ビニルブタミド、N-エチル-N-ビニルペンタミド、N-エチル-N-ビニルヘキサミド、N-エチル-N-ビニルヘプタミド、N-エチル-N-ビニルオクタミド、N-エチル-N-ビニルノナミド、N-エチル-N-ビニルデカミド、N-n-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-n-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-n-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-n-プロピル-N-ビニルブタミド、N-n-プロピル-N-ビニルペンタミド、N-n-プロピル-N-ビニルヘキサミド、N-n-プロピル-N-ビニルヘプタミド、N-n-プロピル-N-ビニルオクタミド、N-n-プロピル-N-ビニルノナミド、N-n-プロピル-N-ビニルデカミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルホルムアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルアセトアミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルプロパミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルブタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルペンタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルヘキサミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルヘプタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルオクタミド、N-イソ-プロピル-N-ビニルノナミド、又はN-イソ-プロピル-N-ビニルデカミド;かつ
(e)yがゼロでない場合、該ポリマーにおけるタイプM2の各モノマーサブタイプはそれぞれ独立に下記のものである、前記組成物:
N-ヒドロキシ-アクリルアミド、N-メトキシ-アクリルアミド、アクリロイル尿素、1-ビニルピロリジン-2,5-ジオン、3-ビニル-オキサゾリジン-2-オン、1-ビニル-イミダゾリジン-2-オン、4-ビニルモルフォリン-3,5-ジオン、4-ビニル-モルフォリン-3-オン、4-ビニル-モルフォリン、2-ビニル-1,3-オキソラン、2-ビニレンカーボネート、メトキシエチレン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、アクリルアミド、N-アセトアミド-アクリルアミド、N-アセチル-アクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド、N-2-アミノエチル-アクリルアミド塩酸塩、N-2-アミノエチル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-アクリルアミド、N-n-ブチル-アクリルアミド、N-tert-ブチル-アクリルアミド、N-2-シアノエチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-アクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-アクリルアミド、N,N-ジアリル-アクリルアミド、N,N-ジエチル-アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル-アクリルアミド、N,N-ジメチル-アクリルアミド、N-エチル-N-メチル-アクリルアミド、N-エチル-N-プロピル-アクリルアミド、N-2-グリコール酸-アクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-N-メチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-アクリルアミド、N-イソ-プロピル-アクリルアミド、N-2-メトキシエチル-アクリルアミド、N-メトキシメチル-アクリルアミド、N-メチル-アクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-N-メチル-アクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-アクリルアミド塩酸塩、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-N-メチル-アクリルアミド塩酸塩、メタクリルアミド、N-アセトアミド-メタクリルアミド、N-アセチル-メタクリルアミド、N-アリル-メタクリルアミド、N-2-アミノエチル-メタクリルアミド塩酸塩、N-3-アミノプロピル-メタクリルアミド塩酸塩、N-ブトキシメチル-メタクリルアミド、N-n-ブチル-メタクリルアミド、N-tert-ブチル-メタクリルアミド、N-2-シアノエチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-メタクリルアミド、N-シアノメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N,N-ジエチル-メタクリルアミド、N,N-ジメチル-メタクリルアミド、N-2-グリコール酸-メタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-N-メチル-メタクリルアミド、N-イソ-プロピル-メタクリルアミド、N-2-メトキシエチル-メタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)メチル-メタクリルアミド、N-3-(トリメチルアンモニウム)プロピル-メタクリルアミド塩酸塩、又はこれらの混合物である。
【請求項23】
さらに、モノマーユニットである下記成分を含む、有効量の篩い及び/又はEOF抑制ポリマーを含む、請求項22記載の組成物:
アクリルアミド、N-アセチル-アクリルアミド、N-2-シアノエチル-アクリルアミド、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-アクリルアミド、N-4,4-ジメトキシブチル-アクリルアミド、N-2,2-ジメトキシエチル-アクリルアミド、N,N-ジメチル-アクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステルアクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-アクリルアミド、N-メトキシメチル-アクリルアミド、N-3-メトキシプロピル-アクリルアミド、N-メチル-アクリルアミド、N-メチル-,N-2,2-ジメトキシエチル-アクリルアミド、N-モルフォリノエチル-アクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-アクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)-メチル-アクリルアミド、メタクリルアミド、N-アセチル-メタクリルアミド、N-2-シアノエチル-メタクリルアミド、N,N-1,2-ジヒドロキシエチレン-ビス-メタクリルアミド、N-4,4-ジメトキシブチル-メタクリルアミド、N-2,2-ジメトキシエチル-メタクリルアミド、N,N-ジメチル-メタクリルアミド、N-2-グリコール酸メチルエステルメタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-ヒドロキシメチル-メタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、N-3-メトキシプロピル-メタクリルアミド、N-メチル-メタクリルアミド、N-メチル-,N-2,2-ジメトキシエチル-メタクリルアミド、N-モルフォリノエチル-メタクリルアミド、N-2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチル-メタクリルアミド、N-トリ(ヒドロキシメチル)-メチル-メタクリルアミド、又はこれらの混合物である。
【請求項24】
該篩い及び/又はEOF抑制ポリマーのモノマーユニットが、アクリルアミドである、請求項23記載の組成物。
【請求項25】
さらに、下記成分を含む、又はである、有効量の篩い及び/又はEOF抑制ポリマーを含む、請求項22記載の組成物:
ポリ(ヒドロキシメチレン)、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(オキシエチレン-co-オキシプロピレン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)、ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)、ポリ((2-エチル-2-オキサゾリン)-co-(2-メチル-2-オキサゾリン))、ポリ(N-アセトアミドアクリルアミド)、ポリ(アクリルオキシ尿素)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、又はこれらの混合物である。
【請求項26】
該ポリマーが、約150,000ダルトン乃至約20 Mダルトンの重量平均分子量を有する、請求項22記載の組成物。
【請求項27】
さらに、約1 Mダルトン乃至約5 Mダルトンの重量平均分子量を有する、篩い及び/又はEOF抑制ポリマーの有効量を含む、請求項26記載の組成物。
【請求項28】
該篩い及び/又はEOF抑制ポリマーが、実質的に線状のポリアクリルアミドである、請求項27記載の組成物。
【請求項29】
水性組成物である、請求項22記載の組成物。
【請求項30】
約5乃至約11のpHを有する、請求項29記載の組成物。
【請求項31】
約7乃至約10のpHを有する、請求項29記載の組成物。
【請求項32】
yが0であり、かつ各M1がそれぞれ独立に、N-ビニルホルムアミド、又はN-メチル-N-ビニルアセトアミドである、請求項29記載の組成物。
【請求項33】
さらに、ホルムアミド、尿素、ピロリドン、N-メチルピロリドン、又はこれらの混合物を含む、請求項30記載の組成物。
【請求項34】
さらに尿素を含む、請求項33記載の組成物。
【請求項35】
さらにホルムアミドを含む、請求項33記載の組成物。
【請求項36】
乾燥した組成物である、請求項22記載の組成物。
【請求項37】
約5乃至約11のpHを有する、請求項36記載の組成物。
【請求項38】
約7乃至約10のpHを有する、請求項36記載の組成物。
【請求項39】
yが0であり、かつ各M1がそれぞれ独立に、N-ビニルホルムアミド、又はN-メチル-N-ビニルアセトアミドである、請求項36記載の組成物。
【請求項40】
さらに、ホルムアミド、尿素、ピロリドン、N-メチル ピロリドン、又はこれらの混合物を含む、請求項37記載の組成物。
【請求項41】
さらに尿素を含む、請求項40記載の組成物。
【請求項42】
さらにホルムアミドを含む、請求項40記載の組成物。
【請求項43】
請求項1記載の組成物を含む毛細管。
【請求項44】
該毛細管が毛細管チューブである、請求項43記載の毛細管。
【請求項45】
請求項22記載の組成物を含む毛細管。
【請求項46】
該毛細管が毛細管チューブである、請求項45記載の毛細管。
【請求項47】
(a)請求項1記載の組成物を、生体分子を含む混合物と接触させること、及び
(b)該混合物から生体分子が分離するのを促進するのに十分な量で、該組成物に電場を印加することを含む、生体分子混合物の分離方法。
【請求項48】
該分離が、毛細管チューブ内で実施され、かつ2種以上の生体分子がポリヌクレオチドである、請求項47記載の方法。
【請求項49】
分離方法が、少なくとも約400塩基対のクロスオーバーを有する、請求項48記載の方法。
【請求項50】
(a)請求項22記載の組成物を、生体分子を含む混合物と接触させること、及び
(b)該混合物から生体分子が分離するのを促進するのに十分な量で、該組成物に電場を印加することを含む、生体分子混合物の分離方法。
【請求項51】
該分離が、毛細管チューブ内で実施され、かつ2種以上の生体分子がポリヌクレオチドである、請求項50記載の方法。
【請求項52】
該分離方法が、少なくとも約400塩基対のクロスオーバーを有する、請求項51記載の方法。

【公表番号】特表2007−513209(P2007−513209A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532979(P2006−532979)
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/014831
【国際公開番号】WO2004/104054
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(505418146)アップレラ コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】