説明

ポンプディスペンサー及び同ポンプディスペンサーを備えた容器

【課題】内容物による弾性体の腐食を防止し、水回りで使用した場合でも、内容物に水分や微生物の混入を防止できるポンプディスペンサーを提供する。
【解決手段】容器の口部4のベースキャップ部5と、ベースキャップに垂下保持されるポンプ部6と、ベースキャップの上面側で前記ポンプ部のステムに連結されたノズルヘッド部7と、を有し、同ノズルヘッド部を上下動させることにより、ポンプ部を作動させて容器内の内容物を中空状のステム内部を介してノズルヘッド部より吐出させるポンプディスペンサーAにおいて、ポンプ部は、内容物と非接触状態を保ちながらステム8を上方へ付勢する弾性体25を備え、ベースキャップ部は、口部に止着される取付基部10と、同取付基部の天面よりステムを囲繞する状態で上方へ立ち上がる筒状壁体12と、を有し、ノズルヘッド部には、前記筒状壁体をさらに囲繞する筒状覆い体を垂設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に収容された内容物を吐出させるポンプディスペンサー及び同ポンプディスペンサーを備えた容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器内に収容された液状の内容物を注出するポンプディスペンサーは、専ら化粧料やシャンプー、リンス等の容器に設置されており、必要に応じてポンプ操作することで、ポンプ容量に応じた所定量を容器外に吐出させることができるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−70776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のポンプディスペンサーでは、未だ下記のような問題を有するものであった。
【0004】
すなわち、
(1)ポンプ内部に配設されている弾性体が内容物と接触する構造となっているため、弾性体が内容物によって腐食しやすい。
(2)同じく、ポンプ内部に配設されている弾性体が内容物と接触する構造となっているため、腐食した弾性体の破片が内容物とともに吐出されるおそれがある。
(3)口部に固定保持されるベースキャップ部を貫通するステム周囲に空隙が形成されているため、例えば、風呂や洗面所など水回りでポンプディスペンサーを使用した場合、内容物に水分が混入したり、内容物に雑菌が混入するいわゆるコンタミネーションが生じやすい。
という問題があった。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、内容物による弾性体の腐食を防止することができ、しかも、水回りで使用した場合でも、内容物に水分や微生物がコンタミネーションをするのを防止できるポンプディスペンサーを提供する。また、同ポンプディスペンサーを備えた容器についても提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来の課題を解決するために、請求項1に記載のポンプディスペンサーでは、容器の口部に固定保持されるベースキャップ部と、このベースキャップに垂下保持され容器内の内容物を吸引、加圧、圧送するポンプ部と、前記ベースキャップの上面側で前記ポンプ部のステムに連結されたノズルヘッド部と、を有し、同ノズルヘッド部を上下動させることにより、前記ポンプ部を作動させて容器内の内容物を中空状のステム内部を介してノズルヘッド部より吐出させるポンプディスペンサーにおいて、前記ポンプ部は、内容物と非接触状態を保ちながら前記ステムを上方へ付勢する弾性体を備え、前記ベースキャップ部は、前記口部に止着される取付基部と、同取付基部の天面より前記ステムを囲繞する状態で上方へ立ち上がる筒状壁体と、を有し、前記ノズルヘッド部には、前記筒状壁体をさらに囲繞する筒状覆い体を垂設した。
【0007】
また、請求項2に記載のポンプディスペンサーでは、前記ベースキャップ部には、前記筒状壁体が一体的に形成されていることを特徴とすることとした。
【0008】
また、請求項3に記載の容器では、請求項1または請求項2に記載のポンプディスペンサーを備えることとした。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載のポンプディスペンサーでは、ポンプ部は、内容物と非接触状態を保ちながら前記ステムを上方へ付勢する弾性体を備え、ベースキャップ部は、口部に止着される取付基部と、同取付基部の天面より前記ステムを囲繞する状態で上方へ立ち上がる筒状壁体と、を有し、ノズルヘッド部には、前記筒状壁体をさらに囲繞する筒状覆い体を垂設したため、弾性体が内容物によって腐食するのを防止でき、しかも、腐食した弾性体の破片や、ポンプ外部から浸入する水分や、微生物等による内容物のコンタミネーションを効果的に防止することができる。
【0010】
また、請求項2に記載のポンプディスペンサーでは、ベースキャップ部には、筒状壁体が一体的に形成されていることとしたため、ポンプ外部から浸入する水分や微生物等による内容物のコンタミネーションをより効果的に防止することができる。
【0011】
また、請求項3に記載の容器では、請求項1または請求項2に記載のポンプディスペンサーを備えることとしたため、腐食した弾性体の破片や、ポンプ外部に付着した水分や、ポンプ外部に存在する微生物等が容器内の内容物にコンタミネーションすることを効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、容器の口部に固定保持されるベースキャップ部と、このベースキャップに垂下保持され容器内の内容物を吸引、加圧、圧送するポンプ部と、前記ベースキャップの上面側で前記ポンプ部のステムに連結されたノズルヘッド部と、を有し、同ノズルヘッド部を上下動させることにより、前記ポンプ部を作動させて容器内の内容物を中空状のステム内部を介してノズルヘッド部より吐出させるポンプディスペンサーにおいて、前記ポンプ部は、内容物と非接触状態を保ちながら前記ステムを上方へ付勢する弾性体を備え、前記ベースキャップ部は、前記口部に止着される取付基部と、同取付基部の天面より前記ステムを囲繞する状態で上方へ立ち上がる筒状壁体と、を有し、前記ノズルヘッド部には、前記筒状壁体をさらに囲繞する筒状覆い体を垂設したことを特徴とするポンプディスペンサーを提供するものである。
【0013】
ここで、容器は、本発明に係るポンプディスペンサーで注出される液状の内容物を収容するものであり、例えば、所定の形状に成形した中空状のボトルや、可撓性素材により形成した袋状のいわゆるスタンディングパウチ等とすることができる。
【0014】
また、内容物は、液状、ゲル状、スラリー状など、流動性を有し、ポンプディスペンサーで注出可能な(ポンプ部により吸引、加圧、圧送可能な)ものであれば特に限定されるものではなく、美容液、化粧液、保湿液等の化粧料や、シャンプー、リンス、洗浄料などあらゆるものとすることができる。なお、以下の説明において、これらの美容液、化粧液、保湿液等の化粧料や、シャンプー、リンス、洗浄料などを「製剤」という場合もある。
【0015】
ところで、近年化粧料等を中心に、人体に使用する製剤には、微生物の繁殖を抑える静菌剤や製剤の経時変化を遅らせて保存性を向上させる保存料等の添加を避ける傾向がある。
【0016】
これらの静菌剤や保存料は、製剤の使用者の体質等により、肌荒れやかぶれを引き起こすおそれがあるとされており、手肌の弱い使用者には、静菌剤や保存料を添加していない製剤が大変喜ばれている。
【0017】
しかしながら、静菌剤や保存料が添加されていない製剤は、静菌剤や保存料を添加した製剤に比して品質が劣化しやすく、品質保持が困難となってしまう。
【0018】
特に、ポンプディスペンサーを使用して注出する製剤の場合、ノズルヘッド部の上下動に伴って、ベースキャップ部とステムとの間に形成された間隙から水分が浸入したり、この間隙に繁殖した微生物が水分とともに内容物に混入したりして、品質劣化を著しく早めるおそれがあった。
【0019】
そこで、本発明では、ベースキャップ部は、口部に止着される取付基部と、同取付基部の天面より前記ステムを囲繞する状態で上方へ立ち上がる筒状壁体と、を有し、ノズルヘッド部には、筒状壁体をさらに囲繞する筒状覆い体を垂設し、筒状壁体と筒状覆い体とを入れ子状に配することにより、例えば、ポンプディスペンサーの上方からシャワー状に水分が降り注いだ場合であっても、容器内部に水分が浸入し難い構成としている。
【0020】
これにより、内容物が静菌剤や保存料が添加されていない製剤であっても、比較的長きに亘って、品質を保持することができるのである。
【0021】
また、筒状壁体と、取付基部とは、一体的に形成することで、さらに水分や微生物の浸入を防止して内容物へのコンタミネーションを効果的に防ぐことができる。
【0022】
また、本発明に係るポンプディスペンサーを容器に備えることにより、腐食した弾性体の破片や、ポンプ外部に付着した水分や、ポンプ外部に存在する微生物等が容器内の内容物にコンタミネーションすることを効果的に防止することができる。
【0023】
以下、図面を参照しながら、本実施形態について更に詳細に説明する。
【0024】
図1は、本実施形態に係るポンプディスペンサーAを備えたポンプ付き容器1の一部断面図であり、図2は、本実施形態に係るポンプディスペンサーAの一部拡大断面図である。
【0025】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るポンプディスペンサーAは、容器2の口部4に螺合させて配設しており、容器2の内部に収容された美容液3を取出し可能に構成している。
【0026】
ポンプディスペンサーAは、容器2の口部4に固定保持されるベースキャップ部5と、このベースキャップ部5に垂下保持され容器2内に収容された美容液3を吸引、加圧、圧送するポンプ部6と、前記ベースキャップ部5の上面側で前記ポンプ部6のステム8に連結されたノズルヘッド部7とで構成している。
【0027】
ベースキャップ部5は、容器2の口部4に螺合させるためのネジ山を内周面に形成した取付基部10と、同取付基部10の上面11の略中央部に立設した中空状の筒状壁体12とで一体的に形成しており、内部には後述するポンプ部6のステム8を挿通させている。
【0028】
ポンプ部6は、シリンダ13と同シリンダ13内に内蔵したピストン部材14とを備えている。
【0029】
シリンダ13の上部には、係止フランジ15を形成しており、この係止フランジ15をベースキャップ部5の内周面上部に周方向へ向けて形成したフランジ嵌入溝16に嵌入することにより、ベースキャップ部5に対してポンプ部6を固定している。
【0030】
また、シリンダ13の下部は先細状として狭隘部17を形成しており、同狭隘部17には、逆止弁として機能する弁球18を自由に移動可能な状態で配設している。
【0031】
そして、シリンダの下端には、チューブ状の吸上管19を挿入固定しており、この吸上管19を容器2内に収容した美容液3中に入れて、吸上管19の吸上口20からポンプ部6へ美容液3を吸い上げるようにしている。
【0032】
また、シリンダ13の内部上方には、シリンダ13の内径よりもやや径の小さい内筒24を挿入固定している。この内筒24は後に詳述するが、ポンプ部6に配設したコイルスプリング25の下端部を支える役割を有するものである。
【0033】
一方、シリンダ13内に内蔵したピストン部材14は、円筒状のステム8と同ステム8の下端部に配設した摺動パッキン21と、ステム8の下端部開口22を閉塞したり開放する弁体23とを備えている。
【0034】
摺動パッキン21は、使用者がノズルヘッド部7を押下することにより、ステム8の下降動作に伴ってシリンダ13の内壁に沿って水密的に下方へ摺動し、同摺動パッキン21とシリンダ13とで構成されるポンプ空間26内部に吸い上げられた美容液3を圧搾する役割を果たすものである。
【0035】
弁体23は、摺動パッキン21により圧搾されたポンプ空間26内部の美容液3をステム8内部に送給する際には開放し、一方、ステム8内部に送給された美容液3がポンプ空間26へ逆流するのを防止するための弁である。
【0036】
ステム8は、その上端部にノズルヘッド部7が取り付けられており、ポンプ空間26に吸い上げられた美容液3をノズルヘッド部7へ送給する管として機能する。
【0037】
また、ステム8の上部近傍には、同ステム8を囲繞するスプリング収容壁27を形成しており、コイルスプリング25の上半部を収容するとともに、スプリング収容壁27の閉塞部28でコイルスプリング25と当接させている。
【0038】
さらに、スプリング収容壁27の下端部には、同スプリング収容壁27の周方向に半径方向外方に向けてストッパ部29を形成している。また、前述の内筒24の内周面上部には、周方向に半径方向内方へ向けて係合凸部30を形成している。
【0039】
そして、ステム8が上方向へ移動した際に、このストッパ部29と係合凸部30とが当接することにより、ステム8が内筒24から離脱するのを規制している。
【0040】
そして、本発明に特徴的には、ステム8と内筒24との間に形成される空間と、ステム8とスプリング収容壁27との間に形成される空間との両方を併せてスプリング収容空間Vとし、このスプリング収容空間V内にステム8に囲繞させた状態でコイルスプリング25を収容している。
【0041】
このコイルスプリング25は、圧縮バネとしており、前述のストッパ部29と係合凸部30とが当接した状態(ノズルヘッド部7が最も上昇した状態)で、弾性力を有するようにスプリング収容空間V内に収容されている。
【0042】
すなわち、コイルスプリング25は、内筒24の底面と、スプリング収容壁27の閉塞部28とにより下端部及び上端部が支えられて伸縮が行われる。
【0043】
ノズルヘッド部7は、ステム8の上端部に配設しており、ステム8の上端部に送られてきた美容液3を取出す取出し口の役割を有すると共に、ピストン部材14を下降動作させる際に、ステム8のステム開口32を手で塞ぐことなく押下可能とする役割を有している。
【0044】
具体的には、ノズルヘッド部7は、ステム8の上端部に嵌着させる略円筒状のステム取付壁33と、同ステム取付壁33から側方へ向けて連通させて配設し、ステム取付壁33内に送給された美容液3を側方へ向けて送給するための吐出路34とを備えており、同吐出路34の端部は美容液3が吐出する吐出口35としている。
【0045】
また、ノズルヘッド部7の上部を天面部36としており、使用者がピストン部材14を下降動作させる際に、ステム8のステム開口32を手で塞ぐことなく押下可能としている。
【0046】
そして、ノズルヘッド部7に特徴的な構成として、ステム取付壁33を更に囲繞するように筒状覆い体37が備えられており、ステム取付壁33と筒状覆い体37との間を筒状壁体収容空間Wとしている。
【0047】
この筒状壁体収容空間Wは、ノズルヘッド部7を押下した際に、筒状壁体12を収容する空間であり、次に図3を用いてその様子について説明する。
【0048】
図3は、ノズルヘッド部7及びベースキャップ部5の上部近傍の断面を示しており、図3(a)はノズルヘッド部7を押下していない状態、図3(b)はノズルヘッド部7を押下した状態を示している。
【0049】
図3(a)にも示すように、ノズルヘッド部7を押下していない状態では、コイルスプリング25が伸張し、ステム8が上方へ押し上げられており、かつ、ストッパ部29と係合凸部30とが当接してさらなる上方への移動が規制されている状態となっている。
【0050】
また、筒状覆い体37の下部と、筒状壁体12の上部とは、半径方向外方へ向けて一部重合するようにしている。それゆえ、ポンプディスペンサーAに対してシャワーなどにより水が浴びせられた場合であっても、筒状壁体12とステム8との隙間を介して水が美容液3内に浸入する(コンタミネーションする)ことを防止できる。
【0051】
次いで、ノズルヘッド部7の天面部36を押下すると、図3(b)に示すように、ステム8がコイルスプリング25の弾性力に抗して押し下げられることとなる。
【0052】
その際、筒状壁体収容空間Wには、筒状壁体12が挿入される。すなわち、筒状壁体12の上端部が、筒状壁体収容空間Wの深部に位置することとなるため、水の浸入をさらに防止することができる。
【0053】
次に、図4(a)〜(e)を用いて、ポンプ部6の動作について説明する。ここでは、説明の便宜上、ポンプ空間26には既に美容液3が充填されている状態としている。
【0054】
まず、ノズルヘッド部7が押下されていない状態では、図4(a)に示すように、コイルスプリング25が伸張してステム8が上方へ押し上げられているため、弁体23は摺動パッキン21と密着し、かつ、摺動パッキン21自身も弁体23に押し上げられて内筒24の底部に押しつけられている。
【0055】
なお、この状態において、摺動パッキン21の中心部近傍には、ステム8との間に遊び空間40が形成されるようにしている。この遊び空間40は、ステム8が下降動作する際に、摺動パッキン21と弁体23との間に隙間を形成するためのものであり、具体的には図4(b)を用いて説明する。
【0056】
次に、使用者がノズルヘッド部7を押下し始めると、コイルスプリング25の弾性力に抗してステム8が押し下げられ、ステム8が摺動パッキン21との間に形成された遊び空間40の分だけ下降する。
【0057】
この動作に伴って、弁体23は摺動パッキン21から離隔して、摺動パッキン21と弁体23との間に、流入経路Rが形成される。
【0058】
次いで、使用者がさらにノズルヘッド部7を押下すると、図4(c)に示すように、ステム8は摺動パッキン21とともに下降動作する。この際、狭隘部17では弁球18が吸上管19への流路を塞ぐこととなるため、ポンプ空間26内に充填されている美容液3は圧力上昇の逃げ場を求めて流入経路Rを介してステム8内部へと流入する。
【0059】
次に、使用者がノズルヘッド部7の押下を止めて手を離すと、スプリング収容空間Vに収容されたコイルスプリング25の弾性力により、ステム8の押上動作が開始される。
【0060】
すると、図4(d)に示すように、ステム8の先端に配設された弁体23は、再び摺動パッキン21に密着し、流入経路Rは閉塞される。
【0061】
そして、図4(e)に示すように、ステム8の上昇動作に伴って、摺動パッキン21は上方へ移動する。この際、ポンプ空間26内が陰圧となり、狭隘部17で流路を閉塞していた弁球18が浮遊して吸上管19から美容液3が吸い上げられることとなり、吸い上げられた美容液3はポンプ空間26内に充填されることとなる。
【0062】
図4(a)〜(e)を用いて説明してきたように、本実施形態に係るポンプディスペンサーAの一連の吸上動作では、吸い上げた美容液3がスプリング収容空間Vに浸入しないため、コイルスプリング25(弾性体)が内容物によって腐食したり、腐食したコイルスプリング25の破片が内容物とともに吐出されることを防止できる。
【0063】
次に、ポンプディスペンサーAを備えたポンプ付き容器の他の実施形態について図5を用いながら説明する。なお、以下の説明において、前述のポンプ付き容器1の説明と重複する箇所については同じ符号を付している。
【0064】
図5に示すポンプ付き容器50は、図1に示したポンプ付き容器1と基本的な構成を同じくしているが、容器51の容量と、容器51の口部4の直径と、ベースキャップ部5の直径とにおいて構成を異にしている。
【0065】
このポンプ付き容器50は、容器51内に市販されている美容液3などの詰め替え用スタンディングパウチ52を収容可能としており、スタンディングパウチ52に充填されている美容液3を容器51へ移し替える手間を省くことができるようにしている。
【0066】
また、容器51の肩部53は、容器51の外方へ向けてやや下り傾斜としているため、肩部53に水がたまることがなく、シャワー等により容器50に水が浴びせられた場合でも、口部4とベースキャップ部5との間から水分が浸入するのを防ぐことができる。
【0067】
上述してきたように、本発明に係るポンプディスペンサーによれば、ポンプ部は、内容物と非接触状態を保ちながら前記ステムを上方へ付勢する弾性体を備え、ベースキャップ部は、口部に止着される取付基部と、同取付基部の天面より前記ステムを囲繞する状態で上方へ立ち上がる筒状壁体と、を有し、ノズルヘッド部には、前記筒状壁体をさらに囲繞する筒状覆い体を垂設したため、弾性体が内容物によって腐食するのを防止でき、しかも、腐食した弾性体の破片や、ポンプ外部から浸入する水分や、微生物等による内容物のコンタミネーションを効果的に防止することができる。
【0068】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施形態に係るポンプ付き容器の断面説明図である。
【図2】本実施形態に係るポンプ付き容器の一部拡大断面図である。
【図3】本実施形態に係るポンプディスペンサーの一部拡大断面図である。
【図4】本実施形態に係るポンプディスペンサーの動きを示した説明図である。
【図5】他の実施形態に係るポンプ付き容器の断面説明図である。
【符号の説明】
【0070】
1 ポンプ付き容器
2 容器
3 美容液
4 口部
5 ベースキャップ部
6 ポンプ部
7 ノズルヘッド部
8 ステム
10 取付基部
11 上面
12 筒状壁体
13 シリンダ
14 ピストン部材
21 摺動パッキン
24 内筒
25 コイルスプリング
27 スプリング収容壁
36 天面部
A ポンプディスペンサー
R 流入経路
V スプリング収容空間
W 筒状壁体収容空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の口部に固定保持されるベースキャップ部と、このベースキャップに垂下保持され容器内の内容物を吸引、加圧、圧送するポンプ部と、前記ベースキャップの上面側で前記ポンプ部のステムに連結されたノズルヘッド部と、を有し、同ノズルヘッド部を上下動させることにより、前記ポンプ部を作動させて容器内の内容物を中空状のステム内部を介してノズルヘッド部より吐出させるポンプディスペンサーにおいて、
前記ポンプ部は、内容物と非接触状態を保ちながら前記ステムを上方へ付勢する弾性体を備え、
前記ベースキャップ部は、前記口部に止着される取付基部と、同取付基部の天面より前記ステムを囲繞する状態で上方へ立ち上がる筒状壁体と、を有し、
前記ノズルヘッド部には、前記筒状壁体をさらに囲繞する筒状覆い体を垂設したことを特徴とするポンプディスペンサー。
【請求項2】
前記ベースキャップ部には、前記筒状壁体が一体的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプディスペンサー。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のポンプディスペンサーを備えた容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−6418(P2010−6418A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167727(P2008−167727)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(507373520)株式会社ゼンシン (6)
【Fターム(参考)】