説明

ポータブル装置のための情報取得防止

ポータブル消費者装置が開示される。非接触型ポータブル消費者装置上で、一つまたはそれ以上の接触領域がポータブル消費者装置内に備えられる。情報取得装置が情報取得できるようにするために、それに近接してポータブル消費者装置を保持しながら、1つまたはそれ以上の接触領域に指を置くことを、ユーザが求められる。ユーザの指は、回路の開放部分を電気的にブリッジして、ポータブル消費者装置の動作を可能にするために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の諸実施例は非接触型(contactless)スマートカードなどのポータブル消費者装置が無線で情報取得(interrogate)されるのを防止するシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートカード、キー鎖(key fob)、無線周波数識別装置(RFID)、携帯電話などの非接触型ポータブル消費者装置は、一般に無線周波数(RF)信号を使用した無線通信に参加する方法を消費者に提供するように設計されている。
【0003】
非接触型ポータブル消費者装置は無線で操作できるので、他の装置およびシステムと通信するために物理的接触または物理的接続を必要とする他のタイプの装置と取って代わることが期待されている。非接触型ポータブル消費者装置の大きな利点は、使用に際して消費者の札入れ、書類カバン、リュックサックまたは財布から取り出す必要がないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
あいにくなことに、非接触型ポータブル無線装置の無線の性質により、非接触型装置の不正な情報取得(たとえばデータ・スキミング(data skimming))のために、非接触型読取り機が使用されるのは、全くあり得ることである。
【0005】
非接触型装置の無線情報取得を使用して、機密情報の盗み取りは、消費者と企業の共に重要な懸念事であるので、法律執行機関は、そうした活動が行われたときに発見する方法を、盛んに探究している。あいにく無線情報取得装置の高度化と無線信号の性質により、非承認の無線情報取得が起こり得る。
【0006】
本発明の諸実施例は、これらおよび他の実施例を個別的および集合的に目指すものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の諸実施例は、スマートカード、RFID、キーFOB、タグなどの非接触型ポータブル消費者装置が、非承認の情報取得装置により無線で情報取得されるのを防止する。
【0008】
1つの面において、本発明の実施例は、情報取得装置と無線で通信できるように構成された、ポータブル消費者装置に関する。このポータブル消費者装置は、金融情報などの情報を記憶するメモリ、メモリにより結合された近傍界(near field)送信アンテナなどの送信アンテナ、およびこの送信アンテナに結合された接触領域を含む。送信アンテナは、指が接触領域上にあるときに、情報取得装置へ情報を送信することができる。
【0009】
他の面において、本発明の実施例は、情報取得装置およびポータブル消費者装置を含むシステムに関する。ポータブル消費者装置は、情報を記憶するメモリ、メモリに結合された送信アンテナ、および送信アンテナに結合された接触領域を含む。送信アンテナは、接触領域上に指があるとき、およびポータブル消費者装置が情報取得装置に近接しているときに、作動可能となることができる。
【0010】
他の面において、本発明の実施例は、情報取得装置との安全な無線通信を供給する方法に関する。ポータブル消費者装置は、情報を記憶するメモリ、メモリに結合された送信アンテナ、および送信アンテナに結合された接触領域を含むように備えられる。消費者はポータブル消費者装置を、情報取得装置に近接して置くことができる。ポータブル消費者装置は、情報取得装置に近接してポータブル消費者装置がある間に、消費者が接触領域上へ指を置く場合にのみ、送信アンテナが作動するように構成される。
【0011】
本発明のこれらおよび他の実施例は、下記に一層詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】非接触型ポータブル消費者装置のセキュリティ・リスクを図示するシステムを示す。
【図2】本発明の実施例による例示的な回路を示す。
【図3】ポータブル消費者装置内の回路レイアウトを示す。
【図4】本発明の実施例による非接触型カードの外面図を示す。
【図5】本発明の実施例による非接触型カードの外面図を示す。
【図6】回路の開放部分をブリッジする圧力スイッチの略図である。
【図7】もう1つの実施例による回路図を示す。
【図8】本発明による方法を図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の諸実施例は、記憶された情報を含むポータブル消費者装置と情報取得装置の間の、無線通信を可能にする。本発明の諸実施例において、装置の記憶された情報について、装置が情報取得されることができるかどうかを制御する、1つまたはそれ以上の接触領域がポータブル消費者装置上に備えられる。ポータブル消費者装置の情報取得を動作可能にするために、ポータブル消費者装置が情報取得装置に近接している間に、消費者などのユーザが接触領域上に指を置くことが要求される。消費者の指が接触領域上になければ、ポータブル消費者装置は情報取得装置により情報取得されることができない。
【0014】
本発明の実施例によるポータブル消費者装置は、情報取得装置と無線すなわち非接触の通信をすることができる。それらは無線または非接触通信媒体を通じて信号とデータを伝送する、1つまたはそれ以上のアンテナを含む。
【0015】
例示的なポータブル消費者装置と例示的な情報取得装置は、好ましくは近距離無線通信すなわちNFC技術を使用して通信する。NFC技術は非常に近距離範囲(たとえば通常10インチ(25.4cm)未満)の双方向無線接続を使用し、またポータブル消費者装置が情報取得装置の近くにあるときに、読取り機などの情報取得装置が少量のデータを読取ることを可能にする短距離無線周波数(RF)技術である。
【0016】
NFC技術を使用したポータブル消費者装置は、ポータブル消費者装置に記憶した情報を伝送させるために、電磁誘導を利用する。典型的なNFC技術を使用した典型的なポータブル消費者装置は、少なくとも小さなプロセッサおよび典型的にワイヤーループの形式の送信アンテナを含む。ポータブル消費者装置が電磁界のような取得信号(たとえばRF信号)を有する情報取得装置に近接しているときに、ワイヤーループが端末の電磁界に入って、ワイヤーループ内に誘導を引き起こす。この誘導により発生される電圧が、プロセッサへ電力を供給する。ポータブル消費者装置が作動すると、それからプロセッサがワイヤーループを使用して、ポータブル消費者装置内のメモリに記憶された情報を、所定の周波数(たとえば13.56MHz)で端末へ伝送する。プロセッサへ組み込まれた命令セットもまた、伝送中にデータを暗号化する。
【0017】
上記の処理は誘導結合と呼ばれ、ポータブル消費者装置はプロセッサに電力を供給するのに内部電源が何も必要でないので、「バッテリーレス」と特徴づけることができる。このタイプのシステムは、プロセッサの能動的電力供給が存在しないので、受動システムと特徴づけることができる。
【0018】
ポータブル消費者装置は、あらゆる適切な形式であり得る。たとえばポータブル消費者装置は、手持ち式でコンパクトなポータブル消費者装置であるので、消費者の札入れまたはポケット(たとえばポケットサイズ)に差し込める。それらは商品またはサービスの支払い、金銭の受け渡し、または場所へのアクセスを得る(たとえばアクセス・バッジ)ために使用できる。ポータブル消費者装置は、スマートカード、通常のクレジットカードまたはデビットカード(磁気ストリップ付きでマイクロプロセッサなし)、キーチェーン装置(エクソン・モバイル社から商業的に利用可能なスピードパス(Speedpass)装置のような)、キー鎖(key fob)、携帯電話、電子手帳(PDA)、ポケットベル(pager)、支払いカード、セキュリティ・カード、アクセス・カード、スマート・メディア、トランスポンダなどである。
【0019】
例示的なポータブル消費者装置は、一つまたはそれ以上のメモリ・チップおよび/またはマイクロプロセッサ内のキャッシュメモリを含む。両方とも、ポータブル消費者装置の送信アンテナへ動作可能に結合されている。
【0020】
メモリは、コンピュータ読取り可能媒体(すなわち信号保持(signal− bearing)媒体)を含み、またRAM、ROM、EEPROM、磁気ストリップなどを含む揮発性または不揮発性メモリ装置の形態である。コンピュータ読取り可能媒体は、下記に説明する情報を表現するコンピュータ・コードを含む。
【0021】
メモリは、好ましくは金融情報、交通情報(たとえば地下鉄または列車の定期券の)、アクセス情報(たとえばアクセス・バッジの)などのような情報を記憶する。金融情報は銀行口座情報、銀行識別番号(BIN)クレジットカードまたはデビットカードの番号情報、勘定残高情報、有効期限、氏名、生年月日などの消費者情報を含む。この情報はいずれも、ポータブル消費者装置により伝送される。
【0022】
メモリ内の情報はまた、クレジットカードに伝統的に結びつけられているデータ・トラックの形式であり得る。そうしたトラックは、トラック1およびトラック2を含む。トラック1(「国際航空運輸協会(International Air Transport Assosiation)」)はトラック2よりも多くの情報を記憶し、またカード保持者の氏名とともに、口座番号および他の任意データを含む。このトラックは、ときにはクレジットカードによる予約確保の際に、航空会社により使用される。トラック2(「米国銀行協会(American Banking Association)」)は、現在最も普通に使用されている。これは、ATMおよびクレジットカード・チェッカーにより読取られるトラックである。ABA(米国銀行協会)がこのトラックの仕様を設計し、全世界の銀行はそれに従わなければならない。それはカード保持者の口座、暗号化したPIN、および他の任意データを含む。
【0023】
ポータブル消費者装置がデビットカード、クレジットカードまたはスマートカードの形式である場合は、このポータブル消費者装置はまた、オプションとして磁気ストライプなどの機能も搭載してもよい。そうした装置は、接触モードまたは非接触モードによって動作できる。
【0024】
本発明のポータブル消費者装置は、認可された情報取得装置(たとえば認可済みの読取り機)によって使用でき、それはまたアンテナと信号発生器を有する。そうした認可済みの識別装置は、ポイント・オブ・セール(POS)端末、ATM(現金自動預入支払機)、および類似のものとして存在する。そうした情報取得機は、ポータブル消費者装置メモリに記憶された情報を無線で読取り、またはそれに書き込むために使用される。
【実施例】
【0025】
図1は、無線通信システム100を示し、非接触型・ポータブル消費者装置に現在関連するセキュリティ事案を図示する。特にポータブル消費者装置110は、認可済みの情報取得装置120によって情報取得される。しかしながら、それはまたあいにく認可されていない情報取得装置130により、情報取得されることも有り得る。認可されていない情報取得装置によるポータブル消費者装置への情報取得を、防止する必要がある。
【0026】
図2は、本発明の1つの実施例による非接触型・ポータブル消費者装置302の略図である。ポータブル消費者装置302は、プロセッサ304(たとえばメモリを含むマイクロプロセッサ)および送信アンテナ306を含む。本発明の諸実施例において、送信アンテナ306は情報取得装置(図示なし)への電磁信号を送信し、またそれは情報取得装置からの情報取得信号を受信する。
【0027】
送信アンテナ306を含む回路はトリガ電子部品308を含む。トリガ・アンテナ310はトリガ部品308へ結合され、また回路の開放部分314および2つの電気接点312を含む接触領域を含む。
【0028】
この例においては、接触領域が互いに離れた2つの露出電気接点の形式になっているが、接触領域は本発明の他の実施例においては、他の形式であっても良い(たとえば圧力スイッチ、圧電装置、バブルスイッチなど)。2つの露出電気接点を含む接触領域が好ましいが、それはこのタイプの接触領域が動く部品を何も必要とせず、また機械式スイッチを有するポータブル消費者装置よりも製造の複雑さが少ないからである。それはまた動く部品がないので、機械式スイッチよりも故障しにくい。
【0029】
トリガ電子部品308はたとえばシリコン制御整流器(SCR)、交流用三端子素子(TRIAC)、またはMOSFETである。部品308は、トリガ・アンテナ回路310内の電流または電圧の変化により、トリガされる。部品308がトリガされる前には、部品308を電流が何も流れず、また送信アンテナ306の回路は部品308の位置において遮断されている。従って部品308がトリガされる前に、情報取得装置からの適当な情報取得信号が存在しても、送信アンテナは動作することができない。
【0030】
部品308がトリガされると、送信アンテナ306の回路が完結して、アンテナが動作可能になる。つまり磁界により、アンテナ306の完結した回路内に、ただちに電流が誘導される。誘導された電流は、それからプロセッサ308へ電力を供給し、プロセッサ308は返信信号を発生して、この返信信号は送信アンテナ306により情報取得装置へ伝送される。
【0031】
トリガ電子部品308をトリガするために、トリガ・アンテナ310の遮断されていた回路が完結される。詳しくは接点312の間で、トリガ・アンテナ回路310内に開放部分314が存在する。部品308をトリガするためには、情報取得装置からの情報取得信号が存在するときに、トリガ・アンテナ回路310内に、ある電流誘導を可能にするのに充分に誘導的な物質(たとえば指)により、この開放部分314がブリッジされる。外部磁界によりトリガ・アンテナ回路内に誘導される電流は、トリガ電子部品308をトリガするのに充分であるだけでよく、トリガ電子部品308は電流または電圧の変化に対して敏感である。
【0032】
図3は、図2に提示した略図を実施するレイアウトを示す。均等な部品を指示するために、図2と同じ数字を図3に使用している。図示のように、送信アンテナ306は、ポータブル消費者装置302の周辺を巡って延伸できる、より大きな回路の形式でも良く、一方トリガ・アンテナ310はそれより大きなワイヤーのコイルのなかにあるより小さなワイヤーのコイルの形式であっても良い。また図3に示すように、トリガ・アンテナ310、送信アンテナ306、同様に部品304、部品308は、1つのプラスチック基板50に装着される。
【0033】
1つの解決手段において、開放部分314は、消費者の手指の1本またはそれ以上を使ってブリッジされる。たとえば図4に示すように、ポータブル消費者装置302はクレジットカード500を有し、クレジットカード500は2つの接点312を有する。それらは接触領域以内に互いに比較的近接して配置され、それにより1つの指先が両方の接点312に接触して、開放部分314をブリッジする。接点312が位置する接触領域は、画像または他の指示(たとえばロゴ、ホログラムなど)を使用して、消費者へ指示される。指の組織は高度に導電的ではないが、接点312にまたがって指が置かれて情報取得装置から情報取得信号が受信されるときに、トリガ回路310内に小さな電流を誘導可能にするのに充分に誘電的である。消費者の指は、通常つかむ方法でポータブル消費者装置をつかむだけで、接点312をカバーすることができる。
【0034】
図4と図5に図示する他の例において、カード500の正面および背面を示すが、接点312、312’は、カード500の対向する面に配置され、それにより消費者がカード500を2本の指の間に保持するときに、指先により触れるように各点が構成されている。
【0035】
図5に示すもう一つの例において、接点312”は、微小破壊(microfracture)602により分離された導電物質の薄い層として、形成される。図6もまた、微小破壊602と共に使用されるまたは使用されないもう1つの接点312’を示す。
【0036】
代わりの解決手段において、スイッチまたは他の適当な電気機械式装置を使用して、開放部分314がブリッジされる。たとえば図6に示すように、ポータブル消費者装置を消費者が動作させるために、圧力スイッチ510が供給される。詳しくは、図6に示すように、スイッチ510が2つの接点312の間に配置され、それにより消費者がスイッチ510を押し下げたときに、誘電接点素子512が接点312をブリッジする。消費者がスイッチ510を押し下げたときにのみ接触がなされるようにスイッチ510がスプリング入りで、または他の方法でバイアスされる。
【0037】
図7に図示する他の解決手段において、接点312と開放部分314は送信アンテナ回路306内に含まれる。たとえば圧力スイッチ510(または他の作動部品)が2つの接点312の間に配置されて、消費者がこのスイッチに圧力をかけると直接にアンテナ回路306を完成する。この実施例において、トリガ・アンテナは必要でない。
【0038】
図8は、情報取得装置との安全な無線通信を提供する方法1000を図示するフローチャートである。この方法はステップ1010で開始され、そこでポータブル消費者装置は、情報を記憶するメモリ、送信アンテナおよび送信アンテナへ結合された接触領域を含んでいる。たとえばクレジットカード発行者は消費者に、安全な無線通信のために構成されたポータブル消費者装置を提供する。ステップ1020で、消費者はポータブル消費者装置を、情報取得装置に近接して置くことを許可される。たとえば消費者はポータブル消費者装置を、POS端末における認可された情報取得装置に近接して置くことを許可され、認可された情報取得装置は装置に電力を供給し通信するための情報取得信号を発する。ステップ1030で、ポータブル消費者装置が情報取得装置に近接している間に、消費者が接触領域に指を置いた場合にのみ、送信アンテナを作動するように、ポータブル消費者装置が構成されている。たとえば消費者の指がトリガ・アンテナ回路内の開放部分を電気的にブリッジして、トリガ・アンテナ回路内に電流を誘導可能にし、それにより送信アンテナの回路を完結する電子部品をトリガする。もう1つの実施例において、送信アンテナ回路の開放部分を直接にブリッジするスイッチに、消費者の指が圧力を加えるかまたは他の方法で動作させる。もう1つの実施例において、消費者の指が圧電装置に圧力を加え、圧電装置は電子部品をトリガする電流を発生する。
【0039】
上述のポータブル消費者装置は、あらゆる適切な方法を使用して作ることができる。1つの方法において、ポータブル消費者装置は最初に送信アンテナを、それからオプションとしてトリガ・アンテナを、形成することにより、作ることができる。基板は、クレジットカードのような支払いカードに典型的に使用されるもののような、絶縁性プラスチック基板であり得る。従来の回路印刷処理を使用して、金属パターンを基板上に形成できる。
【0040】
基板上に送信アンテナとオプションのトリガ・アンテナを形成する前または後に、送信アンテナへメモリを結合する。メモリは基板上に(標準的なチップ装着処理を使用して)装着される1つまたはそれ以上のチップの形式で置かれ、それにより1つまたはそれ以上のチップが送信アンテナへ電気的に結合される。上述のように、メモリはまた内部メモリを有するマイクロプロセッサ・チップの形式で置かれてもよい。その場合は、トリガ電子部品もまた基盤上に、トリガ・アンテナに近接して、形成または装着される。
【0041】
上述のように、接触領域も基板上に形成できる。これは単に、トリガ・アンテナの形成の間に形成される2つの間隔を空けた接点の形式であり得る。または接触領域は、トリガ・アンテナの部分へ取り付けられたスイッチの形式であり得る。接触領域の寸法は1平方インチ未満、または本発明の実施例において成人の指のサイズであり得る。
【0042】
希望するならば、追加のカバー絶縁シートをそれから基板上にラミネートまたは堆積して、それによりアンテナとメモリがこのシートと基板の間にサンドイッチされる。接触領域の露出接点は絶縁シートを通じて露出され、それにより消費者の指は上述のように接触領域と接触することができる。
【0043】
形成されたポータブル消費者装置は、接触領域上に指があるときに送信アンテナを使用して情報取得装置へ記憶された情報を伝送することができるが、しかし接触領域上に指がないときには送信アンテナを使用して情報取得装置へ記憶された情報を伝送することができない。
【0044】
本発明の諸実施例は多数の長所を有する。ポータブル消費者装置の上記の接触領域へ消費者が指を置くとき、消費者は意識的な決定をしてポータブル消費者が情報取得されるのを許可する。このポータブル消費者装置は消費者の指が接触領域上にないときには、情報取得されるのに成功することができない。従ってポータブル消費者装置内の情報は消費者が送信されるのを望むときには検索できるが、しかし情報の転送を消費者が望まないときには検索できない。その上本発明の諸実施例は比較的に製造が容易である。
【0045】
本発明の精神と範囲から離れることなく、本書の開示に対して種々の変更と修正が可能であり、また均等物を採用することが可能であることは、当業者に明らかである。いずれかの実施例について示された諸要素は、特定実施例のための例示的なものであり、本書の開示内の他の諸実施例について使用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶するメモリ、
前記メモリに結合された近傍界送信アンテナ、および
前記近傍界送信アンテナへ結合された接触領域を含むポータブル消費者装置であって、前記接触領域上に指があるときに前記近傍界送信アンテナを使用して情報取得装置へ前記記憶された情報を送信でき、しかし前記接触領域上に前記指がないときには前記近傍界送信アンテナを使用して前記情報取得装置へ前記記憶された情報を送信することができない前記ポータブル消費者装置。
【請求項2】
トリガ・アンテナを更に含み、前記接触領域の少なくとも部分が前記トリガ・アンテナの少なくとも部分を形成し、また前記接触領域が2つの間隔をあけた電気接点を含む請求項1記載のポータブル消費者装置。
【請求項3】
前記接触領域が回路の開放部分を含む請求項1記載のポータブル消費者装置。
【請求項4】
前記接触領域が圧力スイッチを含む請求項1記載のポータブル消費者装置。
【請求項5】
前記情報取得装置により発生される情報取得信号により、前記ポータブル消費者装置に情報取得することができる請求項1記載のポータブル消費者装置。
【請求項6】
前記ポータブル消費者装置が支払いカード、キー鎖、および携帯電話の内の1つを含む請求項1記載のポータブル消費者装置。
【請求項7】
前記ポータブル消費者装置がバッテリーレスである請求項1記載のポータブル消費者装置。
【請求項8】
前記送信アンテナの動作を可能にするためにトリガされることができるトリガ電子部品を前記近傍界送信アンテナが含む請求項1記載のポータブル消費者装置。
【請求項9】
前記トリガ電子部品へ結合されたトリガ・アンテナの少なくとも部分を更に含む請求項8記載のポータブル消費者装置。
【請求項10】
前記トリガ電子部品は、シリコン制御整流器(SCR)、交流用三端子素子(TRIAC)、または金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の内の少なくとも1つを含む請求項8記載のポータブル消費者装置。
【請求項11】
前記指が電気接触領域上にありまた電気ポータブル消費者装置が前記情報取得装置に近接しているときに、前記トリガ・アンテナ内の電流が誘導される請求項9記載のポータブル消費者装置。
【請求項12】
前記ポータブル消費者装置が支払いカードである請求項11記載のポータブル消費者装置。
【請求項13】
前記ポータブル消費者装置の対向する側に前記2つの接点が配置されている請求項12記載のポータブル消費者装置。
【請求項14】
前記ポータブル消費者装置の同一側に前記2つの接点が配置されている請求項12記載のポータブル消費者装置。
【請求項15】
前記情報取得装置、および
前記情報取得装置と通信する請求項1記載の前記ポータブル消費者装置を含むシステム。
【請求項16】
請求項1記載のポータブル消費者装置を使用する方法であって、
前記ポータブル消費者装置を入手することと、
前記接触領域上に前記指を置くことと、
前記情報取得装置に近接して前記ポータブル消費者装置を配置することとを含む前記方法。
【請求項17】
前記情報取得装置のほぼ10インチまたはそれ未満の範囲内に前記ポータブル消費者装置が配置される請求項16記載の方法。
【請求項18】
情報を記憶するためのメモリを基板へ取り付けることと、
前記基板上に近傍界送信アンテナを形成して、前記近傍界送信アンテナが前記ポータブル消費者装置の前記メモリに結合されることと、
前記基板上に接触領域を形成して、前記接触領域は前記ポータブル消費者装置内の前記近傍界送信アンテナに結合されることとを含み、
前記接触領域上に指があるときに前記近傍界送信アンテナを使用して情報取得装置へ前記記憶された情報を前記ポータブル消費者装置が送信することができるが、しかし前記接触領域上に前記指がないときには前記近傍界送信アンテナを使用して前記情報取得装置へ前記記憶された情報を送信することができないポータブル消費者装置の形成方法。
【請求項19】
金融情報を記憶するメモリと、
前記メモリに結合された送信アンテナと、
前記送信アンテナへ結合された接触領域とを含むポータブル消費者装置であって、前記接触領域上に指があるときに前記送信アンテナを使用して情報取得装置へ前記記憶された金融情報を送信することができるが、前記接触領域上に前記指がないときには前記送信アンテナを使用して前記情報取得装置へ前記記憶された情報を送信することができない前記ポータブル消費者装置。
【請求項20】
前記ポータブル消費者装置が携帯電話または非接触型支払いカードである請求項19記載のポータブル消費者装置。
【請求項21】
請求項19記載の前記ポータブル消費者装置と、
前記ポータブル消費者装置と通信する情報取得装置とを含むシステム。
【請求項22】
請求項19記載のポータブル消費者装置を入手することと、
前記接触領域上へ前記指を置くことと、
前記情報取得装置に近接して前記ポータブル消費者装置を配置することとを含む請求項1記載のポータブル消費者装置の使用方法。
【請求項23】
前記情報取得装置の約10インチまたはそれ未満の範囲以内に前記ポータブル消費者装置が配置される請求項22記載の方法。
【請求項24】
金融情報を記憶するメモリを基板へ取り付けることと、
送信アンテナを基板上に形成して、前記近傍界送信アンテナが前記ポータブル消費者装置内の前記メモリへ結合されることと、
基板上に接触領域を形成して、前記接触領域が前記ポータブル消費者装置内の前記送信アンテナへ結合されることとを含むポータブル消費者装置の形成方法であって、
前記基板領域上に指があるときに前記送信アンテナを使用して情報取得装置へ前記記憶された情報を送信することができるが、しかし前記接触領域上に前記指がないときには前記送信アンテナを使用して前記情報取得装置へ前記記憶された情報を送信することができない前記ポータブル消費者装置の形成方法。
【請求項25】
情報取得装置により安全な無線通信を提供する方法であって、
情報を記憶するメモリと、送信アンテナと、前記送信アンテナに結合された接触領域とを含む電子装置を供給することと、
前記情報取得装置に近接して前記電子装置をユーザが配置できるようにすることと、
前記情報取得装置に近接して前記電子装置がある間に、前記接触領域へ前記ユーザーが指を置く場合にのみ、前記送信アンテナが動作するように前記電子装置を構成することとを含む前記方法。
【請求項26】
前記送信アンテナが動作させられるときに、前記情報取得装置へ前記メモリに記憶された前記情報を送信することを更に含む請求項25記載の方法。
【請求項27】
無線周波数(RF)信号により前記電子装置が情報取得されるように構成することを更に含む請求項25記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−525460(P2010−525460A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504188(P2010−504188)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/060351
【国際公開番号】WO2008/130931
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(508168790)ビザ ユー.エス.エー.インコーポレイテッド (21)
【Fターム(参考)】