説明

ポータルサイト生成システム、ポータルサイト生成方法、及びコンピュータプログラム

【課題】ポータルサイト上に表示される情報のうちユーザにとって重要な情報の見落としを抑制するための枠組みを提供する。
【解決手段】本発明のポータルサイト生成システムは、ポートレットに関連するポートレットデータをデータ提供元から取得し、ポータルサイトの生成要求をユーザから受信した場合に、前記取得したポートレットデータを用いてポートレットを生成する。次いで、ユーザの識別情報と該ユーザが入力したキーワードとを対応付けて記憶するキーワード記憶手段が記憶している情報を参照し、前記生成したポートレットがポータルサイトの生成要求元であるユーザの識別情報に対応するキーワードを含む場合に、該キーワードを含む文字が強調表示されるように、該ポートレットを変更する。そして、前記生成したポートレット又は前記変更したポートレットを用いてポータルサイトを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポートレットを含むポータルサイトの生成技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、下記非特許文献1に開示されているように、複数のシステム等の外部の情報源それぞれが提供する情報を1つのウェブ画面上に統合して表示するポータルサイトが利用されている。このようなポータルサイトは、コンテンツと該コンテンツを提示するウィンドウとから成る1以上のポートレットを配置して構成され、各情報源から提供される情報は、ポートレット中のコンテンツとして表示される。ユーザは、ポートレットの追加、削除、表示サイズの変更、及びレイアウトの変更を自由に行って、ユーザ独自のポータルサイトを作成することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】日本電気株式会社発行のSOAに関する製品紹介資料、http://www.nec.co.jp/WebOTX/download/info/WebOTX_V8soa.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ポータルサイト上に表示する情報(例えば、ポートレットの数やポートレット中の文字の数)が多い場合、ユーザにとって重要な情報を見落とす場合や発見が困難な場合がある。
【0005】
本発明は、ポータルサイト上に表示される情報のうちユーザにとって重要な情報の見落としを抑制するための枠組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のポータルサイト生成システムは、ユーザの識別情報と該ユーザが入力したキーワードとを対応付けて記憶するキーワード記憶手段と、ポートレットに関連するポートレットデータをデータ提供元から取得するデータ取得手段と、ポートレットを含むポータルサイトの生成要求をユーザから受信した場合に、前記取得したポートレットデータを用いてポートレットを生成するポートレット生成手段と、前記生成したポートレットが前記ポータルサイトの生成要求元であるユーザの識別情報に対応するキーワードを含む場合に、該キーワードを含む文字が強調表示されるように、前記生成したポートレットを変更するポートレット変更手段と、前記生成したポートレット又は前記変更したポートレットを用いてポータルサイトを生成する画面生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明のポータルサイト生成方法は、ポートレットに関連するポートレットデータをデータ提供元から取得するステップと、ポートレットを含むポータルサイトの生成要求をユーザから受信した場合に、前記取得したポートレットデータを用いてポートレットを生成するステップと、ユーザの識別情報と該ユーザが入力したキーワードとを対応付けて記憶するキーワード記憶手段が記憶している情報を参照し、前記生成したポートレットが前記ポータルサイトの生成要求元であるユーザの識別情報に対応するキーワードを含む場合に、該キーワードを含む文字が強調表示されるように、前記生成したポートレットを変更するステップと、前記生成したポートレット又は前記変更したポートレットとを用いてポータルサイトを生成するステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明のコンピュータプログラムは、上記のポータルサイト生成方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムである。
【0009】
なお、本発明において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の手段や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ポートレット中の所定の情報がユーザにとって重要な情報であると推定し、かかる文字を強調表示することにより、ポータルサイト上に表示する情報(例えば、ポートレットの数やポートレット中の文字の数)が多い場合でも、ユーザは、自らにとって重要な情報をより確実に見る(或いは、読む)ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態のポータルサイト生成システムの全体構成を示す図である。
【図2】ポートレットの配置や重要度を示すマッピング表の一例を示す図である。
【図3】ポータルサイト生成処理のフローチャートである。
【図4】ポータルサイト生成処理のフローチャートである。
【図5】ポータルサイト生成処理のフローチャートである。
【図6】第1実施形態のポータル生成処理を適用せずに生成されるポータルサイトの一例を示す図である。
【図7】第1実施形態のポータル生成処理を適用して生成されるポータルサイトの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態として、企業内で利用される複数のポートレットを含むポータルサイトにおいて、ポータルサイトユーザにとって重要な情報をポートレット内で強調表示するための枠組みについて、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、第1実施形態のポータルサイト生成システム1の全体構成を示す。
【0014】
ポータルサイト生成システム1は、イントラネットやインターネット等の通信回線を介して通信可能に接続される、クライアント端末2と、複数の情報提供サーバ3a〜3dと、ポータルサーバ4とを含んで構成される。
【0015】
クライアント端末2は、CPUがHDDに記憶されているプログラム(例えばWebブラウザのプログラム)をRAM上に読み出して実行することにより機能的に実現されるWeb閲覧部6を備える。なお、図ではクライアント端末2が1つのみ表わされているが、複数のクライアント端末が通信可能に接続されていてもよい。
【0016】
Web閲覧部6は、ユーザ(ここでは、ポータルサイトを運用する企業の社員など)による操作に基づいて、ポータルサーバ3に対してポータルサイトの生成を要求し、処理結果として受信したポータルサイトをディスプレイに表示するなど、周知のWebブラウザと同様の機能を有する。
【0017】
情報提供サーバ3a〜3dは、ポータルサーバ4からの要求に応じで、ポータルサイトに含まれるポートレットに表示するためのデータ(以下「ポートレットデータ」という。)を送信する。情報提供サーバ3a〜3dとしては、インターネット上でWebサイトやWebサービスを提供するWebサーバや、イントラネット上で各種のシステム(例えば、グループウェアシステム、文書管理システム、スケジュール管理システム、顧客管理システムなど)を提供するサーバを用いることができる。
【0018】
ポータルサーバ4は、周知のサーバコンピュータを用いて構成することができ、ポートレットデータ記憶手段7、キーワード記憶手段8、時間情報記憶手段9、配置情報記憶手段10、データ取得手段11、キーワード取得手段12、時間情報取得手段13、ポートレット生成手段14、ポートレット変更手段15、重要度判定手段16、及び画面生成手段17を備える。なお、ポートレットデータ記憶手段7、キーワード記憶手段8、時間情報記憶手段9、及び配置情報記憶手段10は、HDD等の記憶装置によって機能的に実現され、データ取得手段11、キーワード取得手段12、時間情報取得手段13、ポートレット生成手段14、ポートレット変更手段15、重要度判定手段16、及び画面生成手段17は、CPUがHDD等の記憶装置に記憶されている所定のプログラムをRAM上に読み出して実行することにより機能的に実現される。以下、各手段について説明する。
【0019】
ポートレットデータ記憶手段7は、後述のデータ取得手段11からの要求に応じて情報提供サーバ3a〜3dが提供するポートレットデータを記憶する。
【0020】
キーワード記憶手段8は、ユーザの識別情報(例えば、ユーザIDなど)と該ユーザが入力したキーワードとを対応付けて記憶する。かかるキーワードは、例えば、ユーザごとの興味のある情報や重要な情報を特定するためのキーワードである。
【0021】
時間情報記憶手段9は、ポートレットの少なくとも1つ(第1実施形態では、すべてのポートレット)にそれぞれ対応付けて所定の時間帯を表す情報(以下「時間情報」と称する。)を記憶する、すなわちポートレットの識別情報と、時間情報とを1対1に対応付けて記憶する。かかる時間帯は、例えば、より重要な情報が表示されると思われるポートレットごとの時間帯や、ポータルサイトを運用する企業がユーザに情報を見せたい時間帯や、多くのユーザの嗜好や業務により特定のポートレットに表示される情報を見たい又は見なければならない時間帯などが考えられる。
【0022】
より詳細には、第1実施形態では、時間情報は、所定の情報提供サーバ3a〜3dからポートレットデータを定期的に取得するなどの機能を実現するためのプログラム(以下「ポートレットアプリケーション」と称する。)ごとに、ポートレットアプリケーション開発者によって予め設定されているものとする。例えば、時間情報は、ポートレットアプリケーションのメタ情報として設定することが考えられる。なお、ポートレットアプリケーションは、HDD等の記憶装置に格納されるものとする。
【0023】
配置情報記憶手段10は、ポータルサイトにおけるポートレットの配置情報として、ユーザの識別情報と、ポータルサイト内に表示されるポートレットの識別情報と、ポータルサイトに表示される各ポートレットのレイアウトを示す情報とを対応付けて記憶する。かかる配置情報に基づき、ユーザによって自由に配置されたポートレットを含むポータルサイトを生成することができる。
【0024】
データ取得手段11は、ポータルサーバ4にインストールされた、複数のポートレットそれぞれに対応するポートレットアプリケーション18a〜18cに基づいて(該アプリケーションを実行することにより)、各ポートレットに対応するポートレットデータを適宜の情報提供サーバ3a〜3dから受信し、ポートレットデータ記憶手段7に格納する。データ取得手段11としては、例えば、周知のポートレットコンテナを用いて実現することができる。なお、図では、ポートレットアプリケーション18a〜18cを3つ示したが、より多くのポートレットアプリケーションを配備する(HDD等の記憶装置に格納)することで、ポータルサイト上に表示可能なポートレットの選択肢を増やすことができる。
【0025】
キーワード取得手段12は、ユーザがクライアント端末2を操作して入力したキーワードを受信した場合に、該受信したキーワードを、該ユーザの識別情報に対応付けてキーワード記憶手段8に格納する。
【0026】
時間情報取得手段13は、ポートレットアプリケーション18a〜18cがデータ取得手段11によって実行され得るようにHDD等の記憶装置に格納された場合に、該格納されたポートレットアプリケーション18a〜18cから時間情報を取得し、時間情報記憶手段9に格納する。第1実施形態では、記憶装置に格納されたポートレットアプリケーション18a〜18cのメタ情報から時間情報を抽出するものとする。
【0027】
ポートレット生成手段14は、ポートレットを含むポータルサイトの生成要求をユーザ(より詳細には、クライアント端末2)から受信した場合に、ポートレットデータをポートレットデータ記憶手段7から取得し、該取得したポートレットデータを用いて、生成要求の対象となるポータルサイトに含まれる1以上のポートレットを生成する。
【0028】
より詳細には、配置情報記憶手段10を参照して、該ユーザに対応するポータルサイトで用いるポートレットを特定し、該特定したポートレットについて、データ取得手段11が情報提供サーバ3a〜3dから取得したポートレットデータをポートレットデータ記憶手段7から取得し、該取得したポートレットデータを用いてポートレットを生成する。
【0029】
ポートレット変更手段15は、ポータルサイトの生成要求元であるユーザの識別情報に対応するキーワードをキーワード記憶手段8から取得し、該取得したキーワードを含むポートレット中の文字が強調表示されるように、該ポートレットを変更する。なお、文字の強調方法の詳細については、図4を参照して後述する。
【0030】
重要度判定手段16は、ユーザが操作するクライアント端末2からポータルサーバ4がポータルサイトの生成要求を受信した場合に、該ポータルサイトに表示するポートレットごとに重要度(例えば、強調表示するかどうかなど)を判定し、判定結果を用いて図2に示すマッピング表を生成する。なお、マッピング表は、HDD等の記憶装置に格納されるものとする。
【0031】
具体的には、該ユーザの識別情報を配置情報記憶手段10に格納されている情報と照合することにより、ポータルサイトに用いるポートレットと該ポートレットの配置情報とを特定する。これとともに、時間情報記憶手段9からポートレットごとに設定されている時間情報を取得し、ポータルサイトに表示するポートレットのうち、ポータルサイトの生成要求の受信時刻を含む時間情報(時間帯)が設定されているポートレットの重要度が高い(強調表示の対象とする)と判定する。なお、ポータルサイトの生成要求の受信時刻は、例えば、ポータルサーバ4が有する時計機能を用いて取得することができる。
【0032】
画面生成手段17は、ポートレット生成手段14が生成したポートレット又は、ポートレット変更手段15によって変更されたポートレットを用いてポータルサイトを生成し、生成要求元のユーザが操作するクライアント端末2へ送信する。例えば、生成対象となるポータルサイトが複数のポートレットを含む場合において、例えば、少なくとも1つのポートレットについて、所定の文字が強調表示されるように変更された場合には、該変更されたポートレットと変更されていないポートレットとを用いてポータルサイトを生成する。
【0033】
また、画面生成手段17は、ポータルサイトを生成する際に、該ポータルサイトに表示するポートレットごとに予め設定された時間情報記憶手段9に格納されている時間情報(時間帯)それぞれのうち、ポータルサイトの生成要求を受信した時刻を含む時間帯に対応するポートレットが強調表示されるようにポータルサイトを生成する。ポータルサイトに表示するポートレットや、重要度の高い(強調表示の対象となる)ポートレットは、例えば重要度判定手段17が生成したマッピング表を参照することにより、特定することができる。なお、ポートレットの強調方法の詳細については、図4及び図5を参照して後述する。
【0034】
図3乃至5は、ポータルサイト生成システム1によるポータルサイト生成処理の流れを示すフローチャートである。以下、図3乃至5等を参照して、かかる処理の内容を説明する。なお、本明細書において、フローチャート等に示す各工程(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0035】
まず、ポータルサイト生成処理の前提として、データ取得手段11は、ユーザからのポータルサイト生成要求の有無にかかわらず、自動的に所定の情報提供サーバ3a〜dからポートレットデータを取得し、ポートレットデータ記憶手段7に格納(例えば、最新のデータを用いて上書き)しているものとする。また、キーワード取得手段12は、ユーザがクライアント端末2のWeb閲覧部6を介して送信したキーワードをキーワード記憶手段8に格納しているものとする。また、時間情報取得手段13は、ポートレットアプリケーション18a〜18bがデータ取得手段11によって実行可能にHDD等に格納された場合に、該格納されたポートレットアプリケーションのメタ情報として設定されている時間情報を取得し、時間情報記憶手段9に格納しているものとする。また、ポータルサーバ4は、クライアント端末2のWeb閲覧部6からユーザの識別情報及びパスワードを受信し、ログイン処理を実行しているものとする。
【0036】
かかる前提の下で、ポータルサーバ4の時間情報取得手段13は、ユーザが操作するクライアント端末2からポータルサイトの生成要求を受信すると、該生成要求の受信時刻をポータルサーバ4が有する時計機能を用いて取得する(S301)。
【0037】
重要度判定手段16は、時間情報格納手段9から、ポータルサイトに表示するポートレットごとに予め設定されている時間情報を取得し(S302)、ポータルサイトに表示するポートレットごとに、ポートレットの重要度を判定する(S303〜206)。なお、ポータルサイトに表示するポートレットは、配置情報記憶手段10に格納されている情報を参照することにより特定することができる。以下、S303〜206の処理について説明する。
【0038】
重要度判定手段16は、1つのポートレットについて、現在時刻、すなわちポータルサイトの生成要求の受信時刻が、S302で取得した時間情報(時間帯)に含まれない場合(S303の判断がNoの場合)、かかるポートレットの重要度が低い、すなわち強調表示の対象ではないポートレット(以下「縮小表示ポートレット」と称する。)と判定し、判定結果をマッピング表(図2)に格納する(S304)。
【0039】
一方、現在時刻、すなわちポータルサイトの生成要求の受信時刻が、S302で取得した時間情報(時間帯)に含まれる場合(S303の判断がYesの場合)、かかるポートレットの重要度が高い、すなわち強調表示の対象となるポートレット(以下「拡大表示ポートレット」と称する。)と判定し、判定結果をマッピング表(図2)に格納する(S305)。
【0040】
重要度判定手段16は、ポータルサイトに表示するすべてのポートレットについて、S303〜205の判定処理を繰り返し(S306)、マッピング表を完成させる。
【0041】
次に、ポートレット生成手段14は、データ取得手段11を介し、ポートレットデータ記憶手段7から、ポータルサイトに含まれるポートレットに対応するポートレットデータを取得し、該取得したポートレットデータを用いて、ポートレットを生成する(S401)。例えば、htmlを用いてポートレットの表示内容を生成する。
【0042】
そして、ポートレット変更手段15は、キーワード記憶手段8から、ユーザが入力したキーワードを取得し(S402)、ポータルサイトに含まれるポートレットごとに、強調対象となる文字が含まれるかの判断処理(S403)及び含まれる場合には強調処理(S404)を実行する。
【0043】
具体的には、1つのポートレット(詳細には、該ポートレットのhtml)について、上記取得したキーワードが含まれる場合(S403の判断がYesの場合)、少なくとも該キーワードを含む行内のすべての文字が強調表示(例えば、拡大表示)されるように、ポートレットを変更する(S404)。第1実施形態では、ポートレットのhtmlを書き換えることにより、所定のキーワードを含む行とその前後の行におけるすべての文字が強調表示されるようにポートレットを変更する。
【0044】
そして、画面生成手段17は、ポータルサイトの生成用いるすべてのポートレットについて、S403の判断処理及び必要に応じてS404の強調処理を繰り返す(S405)。
【0045】
次に、画面生成手段17は、強調対象となる文字を含まないポートレットと、ポートレット変更手段15が生成した第2のポートレットとを配置してポータルサイトを生成する(S501〜S505)。以下、詳細に説明する。
【0046】
画面生成手段17は、例えば重要度判定手段16が生成したマッピング表を参照し、列ごとにポートレットを1つずつ配置する。例えば、左端の列の上から順に、配置されるポートレットを参照し、全ての列において他に未配置の縮小表示ポートレット(判定結果が"縮小"のポートレット)が存在する場合(S501の判断がYes)、同じ列(現在参照中の列内)に拡大表示ポートレット(判定結果が"拡大"のポートレット)が存在するかどうかを判断する(S502)。
【0047】
同じ列に拡大表示ポートレットが存在しない場合(S502の判断がNoの場合)、画面生成手段17は、参照しているポートレットについて、縮小表示されるように配置する(S503)。縮小表示の方法としては、例えば、ポートレットの識別情報(名前など)だけが表示されるようにポートレットを小さく表示することが考えられる。所定のポートレットを小さく表示するのは、例えば、予め設定された複数のポートレットのレイアウトが、ユーザにとって、常に使い勝手がよいとは限らないことが理由の一つである。例えば、毎日決まった時間に閲覧する情報については、その時間にのみ表示されればよく、必ずしも常に表示する必要はない。第1実施形態のポータルサイト生成システム1によれば、このような場合でも、ユーザは、手作業(例えば、マウスを操作すること)でポートレットのレイアウトや表示サイズを変更しなくても、ユーザやポータルサイトを運用する企業のニーズに応じた態様でポートレットを表示することができる。
【0048】
一方、同じ列に拡大表示ポートレットが存在する場合(S502の判断がYesの場合)、画面生成手段17は、参照しているポートレットについて、予め設定されたサイズで表示されるように配置する(S504)。
【0049】
このように、画面生成手段17は、ポータルサイトに含まれるポートレットのうちの全ての縮小表示ポートレットについて、表示サイズの決定が完了した場合(S501の判断がNoの場合)、列ごとに、表示可能領域の残りの部分に拡大表示ポートレットそれぞれが均等なサイズで表示されるように、拡大表示ポートレットを配置してポータルサイトを生成し(S505)、生成要求元であるユーザが操作するクライアント端末2へ前記生成したポータルサイト(例えば、htmlファイル)を送信する。
【0050】
これにより、文字の強調処理(図4のS404)とポートレットのサイズ変更処理(図5のS503,S505)とを行わない場合には図6のように表示されるポータルサイトであっても、図3乃至5で説明した処理により、図7に示すような、予め設定されたキーワードを含む文字が強調表示され、ポータルサイトの生成要求時刻に対応する時間帯が設定されているポートレットが強調表示される。
【0051】
以上のように、本発明によれば、ユーザが予め設定したキーワードと、ポートレットに含まれる文字とを比較して、ポートレット中に前記キーワードが含まれる場合には、かかるポートレットが表示する情報がユーザにとって重要な情報であると推定し、かかる文字を強調表示することができる。これにより、ポータルサイト上に表示する情報(例えば、ポートレットの数やポートレット中に表示される文字の数)が多い場合でも、ユーザは、自らにとって重要な情報をより確実に見る(或いは、読む)ことができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。
【0053】
[変形例]
例えば、第1実施形態では、ポートレット変更手段15は、強調対象となる文字を拡大表示することにより、該文字を相対的に強調しているが、該文字又はそれ以外の文字について、他の文字と異なるフォントで表わすこと、下線付きで表わすこと、太字で表わすこと、斜体で表わすこと、点滅表示すること、縮小表示すること、若しくは拡大表示することのうちの1つ又は複数の方法を適用することによって、強調対象となる文字が強調表示されるように第2のポートレットを生成してもよい。なお、強調表示の態様として、文字を縮小表示する例を示したが、これは、強調対象となる文字が相対的に少ない場合には、他の文字より小さく表示されることにより、該文字が強調される(相対的に目立つ)ということである。
【0054】
また例えば、第1実施形態では、画面生成手段17は、強調対象となるポートレットを拡大表示することによって、該ポートレットが強調表示されるようにポータルサイトを生成しているが、強調対象となるポートレット又はそれ以外のポートレットについて、点滅表示すること、内容をポップアップウインドウに表示すること、縮小表示すること、若しくは拡大表示することのうちの1つ又は複数の方法を適用することにより、強調対象となるポートレットが強調表示されるようにポータルサイトを生成してもよい。なお、強調表示の態様として、ポートレットを縮小表示する例を示した理由は、文字を縮小表示する場合と同様である。
【0055】
また例えば、ポートレット変更手段15は、少なくともキーワードを含む行内のすべての文字(第1実施形態では、キーワードを含む行とその前後の行内のすべての文字)が強調表示されるようにポートレットを変更しているが、キーワードを含む段落内のすべての文字が強調表示されるようにポートレットを変更してもよい。
【0056】
また例えば、第1実施形態では、文字の強調処理(図4のS404)とポートレットのサイズ変更処理(図5のS503,S505)とを両方とも実行する例を示したが、いずれか一方の処理のみを実行することにより、文字又はポートレットを強調してもよい。
【0057】
また例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限定されない。
【0058】
(付記1)
ユーザの識別情報と該ユーザが入力したキーワードとを対応付けて記憶するキーワード記憶手段と、
ポートレットに関連するポートレットデータをデータ提供元から取得するデータ取得手段と、
ポートレットを含むポータルサイトの生成要求をユーザから受信した場合に、前記取得したポートレットデータを用いてポートレットを生成するポートレット生成手段と、
前記生成したポートレットが前記ポータルサイトの生成要求元であるユーザの識別情報に対応するキーワードを含む場合に、該キーワードを含む文字が強調表示されるように、前記生成したポートレットを変更するポートレット変更手段と、
前記生成したポートレット又は前記変更したポートレットを用いてポータルサイトを生成する画面生成手段と、
を備えることを特徴とするポータルサイト生成システム。
【0059】
(付記2)
前記ポートレット生成手段は、強調対象となる文字又はそれ以外の文字について、他の文字と異なるフォントで表わすこと、下線付きで表わすこと、太字で表わすこと、斜体で表わすこと、点滅表示すること、縮小表示すること、若しくは拡大表示することのうちの1つ又は複数の方法を適用することによって、前記強調対象となる文字が強調表示されるようにポートレットを変更する、付記1に記載のポータルサイト生成システム。
【0060】
(付記3)
前記ポートレット生成手段は、前記キーワードを含む段落内のすべての文字が強調表示されるようにポートレットを変更する、付記1又は2に記載のポータルサイト生成システム。
【0061】
(付記4)
前記ポートレット生成手段は、少なくとも前記キーワードを含む行内のすべての文字が強調表示されるようにポートレットを変更する、付記1又は2に記載のポータルサイト生成システム。
【0062】
(付記5)
ポートレットの少なくとも1つに対応付けて所定の時間帯を表す情報を記憶する時間情報記憶手段を備え、
前記画面生成手段は、前記時間帯のうち前記ポータルサイトの生成要求を受信した時刻を含む時間帯に対応するポートレットが強調表示されるように前記ポータルサイトを生成する、付記1乃至4のいずれかに記載のポータルサイト生成システム。
【0063】
(付記6)
前記画面生成手段は、強調対象となるポートレット又はそれ以外のポートレットについて、点滅表示すること、内容をポップアップウインドウに表示すること、縮小表示すること、若しくは拡大表示することのうちの1つ又は複数の方法を適用することにより、前記強調対象となるポートレットが強調表示されるように前記ポータルサイトを生成する、付記5に記載のポータルサイト生成システム。
【0064】
(付記7)
ポートレットに関連するポートレットデータをデータ提供元から取得するステップと、
ポートレットを含むポータルサイトの生成要求をユーザから受信した場合に、前記取得したポートレットデータを用いてポートレットを生成するステップと、
ユーザの識別情報と該ユーザが入力したキーワードとを対応付けて記憶するキーワード記憶手段が記憶している情報を参照し、前記生成したポートレットが前記ポータルサイトの生成要求元であるユーザの識別情報に対応するキーワードを含む場合に、該キーワードを含む文字が強調表示されるように、前記生成したポートレットを変更するステップと、
前記生成したポートレット又は前記変更したポートレットとを用いてポータルサイトを生成するステップと、
を含むことを特徴とするポータルサイト生成方法。
【0065】
(付記8)
付記7に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【0066】
(付記9)
ポートレットの少なくとも1つに対応付けて所定の時間帯を表す情報を記憶する時間情報記憶手段と、
1以上のポートレットに関連するそれぞれのポートレットデータをデータ提供元から取得するデータ取得手段と、
前記取得したポートレットデータを用いてポートレットを生成するポートレット生成手段と、
前記生成したポートレットの少なくとも1つに対応する時間帯に、ポータルサイトの生成要求の受信時刻が含まれる場合に、該ポートレットが強調表示されるように、前記生成したポートレットを用いてポータルサイトを生成する画面生成手段と、
を備えることを特徴とするポータルサイト生成システム。
【符号の説明】
【0067】
1…ポータルサイト生成システム、2…クライアント端末、3a〜d…情報提供サーバ、4…ポータルサーバ、6…Web閲覧部、7…ポートレットデータ記憶手段、8…キーワード記憶手段、9…時間情報記憶手段、10…配置情報記憶手段、11…データ取得手段、12…キーワード取得手段、13…時間情報取得手段、14…ポートレット生成手段、15…ポートレット変更手段、16…重要度判定手段、17…画面生成手段、18a〜c…ポートレットアプリケーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの識別情報と該ユーザが入力したキーワードとを対応付けて記憶するキーワード記憶手段と、
ポートレットに関連するポートレットデータをデータ提供元から取得するデータ取得手段と、
ポートレットを含むポータルサイトの生成要求をユーザから受信した場合に、前記取得したポートレットデータを用いてポートレットを生成するポートレット生成手段と、
前記生成したポートレットが前記ポータルサイトの生成要求元であるユーザの識別情報に対応するキーワードを含む場合に、該キーワードを含む文字が強調表示されるように、前記生成したポートレットを変更するポートレット変更手段と、
前記生成したポートレット又は前記変更したポートレットを用いてポータルサイトを生成する画面生成手段と、
を備えることを特徴とするポータルサイト生成システム。
【請求項2】
前記ポートレット変更手段は、強調対象となる文字又はそれ以外の文字について、他の文字と異なるフォントで表わすこと、下線付きで表わすこと、太字で表わすこと、斜体で表わすこと、点滅表示すること、縮小表示すること、若しくは拡大表示することのうちの1つ又は複数の方法を適用することによって、前記強調対象となる文字が強調表示されるようにポートレットを変更する、請求項1に記載のポータルサイト生成システム。
【請求項3】
前記ポートレット変更手段は、前記キーワードを含む段落内のすべての文字が強調表示されるようにポートレットを変更する、請求項1又は2に記載のポータルサイト生成システム。
【請求項4】
前記ポートレット変更手段は、少なくとも前記キーワードを含む行内のすべての文字が強調表示されるようにポートレットを変更する、請求項1又は2に記載のポータルサイト生成システム。
【請求項5】
ポートレットの少なくとも1つに対応付けて所定の時間帯を表す情報を記憶する時間情報記憶手段を備え、
前記画面生成手段は、前記時間帯のうち前記ポータルサイトの生成要求を受信した時刻を含む時間帯に対応するポートレットが強調表示されるように前記ポータルサイトを生成する、請求項1乃至4のいずれかに記載のポータルサイト生成システム。
【請求項6】
前記画面生成手段は、強調対象となるポートレット又はそれ以外のポートレットについて、点滅表示すること、内容をポップアップウインドウに表示すること、縮小表示すること、若しくは拡大表示することのうちの1つ又は複数の方法を適用することにより、前記強調対象となるポートレットが強調表示されるように前記ポータルサイトを生成する、請求項5に記載のポータルサイト生成システム。
【請求項7】
ポートレットに関連するポートレットデータをデータ提供元から取得するステップと、
ポートレットを含むポータルサイトの生成要求をユーザから受信した場合に、前記取得したポートレットデータを用いてポートレットを生成するステップと、
ユーザの識別情報と該ユーザが入力したキーワードとを対応付けて記憶するキーワード記憶手段が記憶している情報を参照し、前記生成したポートレットが前記ポータルサイトの生成要求元であるユーザの識別情報に対応するキーワードを含む場合に、該キーワードを含む文字が強調表示されるように、前記生成したポートレットを変更するステップと、
前記生成したポートレット又は前記変更したポートレットとを用いてポータルサイトを生成するステップと、
を含むことを特徴とするポータルサイト生成方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−180909(P2011−180909A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45666(P2010−45666)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】