説明

ポートシステム

本発明は、有効成分を活性部位へ提供するためのカテーテルのための埋植可能なアクセス器具に関する。本発明のアクセス器具は、前記有効成分を収容するためのハウジング(2)内に配列されていて穿刺可能な膜(10)で閉鎖されているチャンバーを備えている。それにカテーテルを接続できる接続ピース(18)は、チャンバーと流体接続されている。カテーテルは、好ましくは弾性固定アーム(28、29)によってハウジング(1)へ固定可能な2つのクランプ(19、20)によって固定される。前記有効成分を収容するチャンバー(12)は、挿入エレメントが前記膜に対する圧力を生じさせるような方法で膜(10)の中間層の中間クランピングによってハウジングの凹所(9)内に配列されている挿入エレメント(11)内に組み込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それに有効成分が向かって前進すべき遠方に位置する作用部位へのアクセスを提供するために植え込まれるポートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本ポートシステムは、その中に有効成分を収容するためのチャンバーが配置されている皮下埋植可能なハウジングを有する。ポート内のチャンバーは、皮膚の下方に配置されている穿刺可能な膜によって閉鎖されている。有効成分を注射するためには、皮膚および膜が針で穿刺され、有効成分がチャンバー内に注射される。チャンバーから、有効成分は次にカテーテルを介して作用部位へ前進する。
【0003】
ドイツ国特許第4129782号は、ポートおよびカテーテルを含むポートシステムについて記載している(特許文献1を参照)。ポートは、有効成分を収容するための底部の開口部と膜を受け入れるための上部の開口部とを有するハウジングを有する。膜は膜に圧力を加えるクランプリングによって開口部に保持されるので、膜は外側に向かって湾曲する。膜を適合させるのが困難であるのが短所である。接着もしくは溶接接続するためには、圧力下にあるクランプリングを正しい位置に保持することが不可欠である。例えばクランプリングをその上に接着しなければならない場合は、接着剤が硬化し終えている時点までハウジングに接触させて保持しなければならない。
【0004】
カテーテルを接続するために、知られているポートは、ハウジング内の中央開口部と流体連絡しているテーパ付き接続ピースを有する。カテーテルはテーパ付き接続ピースへ装着させられる。カテーテルは、ハウジングにネジ入れられるクランプスリーブによって接続ピースへ固定される。柔軟性ラインのためのこの種の継ぎ手は、ドイツ国公開特許4129781号に記載されている(外国特許文献2を参照)。クランプスリーブが取り付けられると、カテーテルがテーパ付き接続ピースに向かってどの程度遠方へ推し進められたかを見ることができないことが欠点である。しかし、正しく取り付けられていないと、柔軟性のカテーテルが接続ピースから緩んでしまうリスクが生じる。個別アイテムであるため、クランプスリーブが行方不明になり易いことも短所である。このために、取扱いはより困難になる。
【0005】
針を用いて有効成分を注射するときは、十分な注意を払って皮膚の下に配置された膜を正確に目標としていることを確かめなければならない。しかし万一針が膜ではなくハウジングにぶつかると、針がハウジングから滑り落ち、ハウジングから出ているカテーテルを損傷させるリスクが生じる。
【特許文献1】ドイツ国特許第4129782号
【特許文献2】ドイツ国公開特許4129781号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、費用のかかる、あるいは複雑な組み立て作業を何ら必要とせずに容易に組み立てられるカテーテルのためのポートを提供することである。本発明の目的は、詳細には、膜をハウジング内の正しい位置へ容易に固定することができ、そしてカテーテルを接続ピースへ容易に固定することのできるポートを提供することである。
本発明のまた別の目的は、有効成分を注射するときにカテーテルが損傷するリスクが減少させられるカテーテルのためのポートを提供することである。
これらの目的は、本発明によると、請求項1、15および29の特徴によって達成される。有益な実施形態は、従属請求項の主題を形成する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるカテーテルのためのポートは、カテーテルを接続ピースへ固定するために、ハウジングに接続されていて相互に対向して位置するクランプ面を有する2つのクランプジョー(留め顎)を有する。クランプジョーは、それらがハウジングから外向きに間隔をあけて離れている第1位置から、クランプジョーが留め作用によってそれらのクランプ面間でカテーテルを正しい位置に固定する第2位置まで移動することができる。
【発明の効果】
【0008】
クランプジョーは、それらがハウジングから外向きに間隔をあけて離れている場合は、カテーテルが接続ピースへ押し付けられているときに視界を妨げないという長所を有する。したがって、接続ピースへのカテーテルの取り付けをチェックすることができる。さらに、医師がクランプジョーに妨害されずにカテーテルを押せることも有益である。カテーテルを接続ピースへ固定するためには、単にクランプジョーを第2位置へ移動させさえすればよい。この方法で取扱いが単純になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、クランプジョーは弾性形態の締め付けアームによってハウジングへ固定される。一方ではクランプジョーが弾性締め付けアームによってハウジングへしっかりと固定され、他方では前記ジョーが容易に移動させられるのが有益である。弾性締め付けアームが複雑な締め付け技術の使用を必要としないことも有益である。しかし基本的には、クランプジョーをジョイントもしくはスライダーによってハウジングへ固定することもできる。
【0010】
さらにまた別の好ましい実施形態では、締め付けアームはハウジングの側面を取り囲んで適合して接続ピースとは反対側の端でハウジングに固定される留め具を形成する。これはさらに、構造の複雑さを単純化する。留め具の形状にある締め付けアームは、例えば射出成形品などの個別アイテムとして製造でき、後の段階にハウジングへ接続することができる。しかし、留め具をハウジングと一緒に製造することも同等に可能である。接続ピースとは反対側でのハウジング端部への留め具の固定は、クランプジョーが相当に大きな可動範囲を有することを可能にする。その結果として、クランプジョーは第1位置ではハウジングから外向きに相当に長い距離をあけていてよいので、したがって接続ピースの領域内で可能な限り大きい自由空間を作り出す。
【0011】
また別の好ましい実施形態では、第2位置で掛け止めによってクランプジョーがハウジングへ固定されることが用意されている。クランプジョーはハウジング上に固定用グリップを有するので、接続が緩まないことが保証される。
ハウジングは、有益にもその中にクランプジョーが誘導される側方ガイド溝を有する。これは、クランプジョーを外向きに間隔をあけて離すことができるので、それでもハウジングを十分良好につかむことを保証する。
【0012】
掛け止めによってクランプジョーをハウジングへ固定するために、段差が有益にもガイド溝内に形成されており、クランプジョーはラッチフックを有する。クランプジョーへ相互に結び付いているスピゴットおよび穴を用意することによって、追加して固定することができる。クランプジョーが一緒に押されると、スピゴットは穴にかみ合うので、相互係合結合が生じる。
【0013】
ポートの組み立てはさらにまた、チャンバーが挿入エレメント内に固定され、挿入エレメントは、前記挿入エレメントが膜に接触圧力を加えるような方法で、間に挟まれてクランプ固定される膜を用いて前記ハウジング内の開口部に固定されるという事実によって促進される。そこで挿入エレメントは、有効成分のためのチャンバーを形成するだけではなく、それによって膜が圧力下で正しい位置に固定される組み立て部品でもある。膜が正しい位置に固定されると、挿入エレメントおよび膜はどちらもハウジングへ溶接もしくは接着することができる。決定的な長所は、追加の締め付け器具を使用せずに膜に前負荷できることにある。
【0014】
好ましい実施形態では、挿入エレメントおよびハウジングは差し込み接続を形成する。差し込み接続は、挿入エレメントをハウジング内に容易に、しかし確実に固定することを可能にする。しかし基本的には、挿入エレメントおよびハウジングを接続するまた別の方法もまた考えられる。挿入エレメントは、例えば同等にハウジングへしっかりとネジ入れることができる。
挿入エレメントは、有益にも突出した段差を有し、ハウジング内の開口部は側方逃げ溝を有する溝を有しており、その逃げ溝では、挿入エレメントがハウジング内に固定されると突出した段差が挿入エレメント上に着座する。
【0015】
好ましい実施形態では、挿入エレメントは、接続ピースがハウジングおよび挿入エレメント内の相互に整列する孔に挿入されるカニューラであるという事実によってハウジング内にしっかりと保持される。そこでカニューラは挿入エレメントがハウジング内でねじれるのを抑えるので、このため突出した段差は側方逃げ溝内にしっかりと着座させられる。カニューラ、挿入エレメント、およびハウジングは、それらが接着されるとわずかなクランプ作用で正しい位置に保持されるのもまた有益である。
シールは、好ましくは挿入エレメント、膜とハウジングとの間隙に接着剤を注入することによって入手される。接着剤は、ハウジング内の溝の中に注入されてよい。カニューラの接着も単純化するためには、溝から始まってハウジングおよび挿入エレメント内の相互に整列する孔へ走るチャネルが挿入エレメントの壁の中に提供されてよい。
【0016】
ハウジングおよび挿入エレメント内の逃げ溝および相互に整列する孔は、有益には相互に正反対に配列されており、これは製造時に型からの加工中の製品の取り外しを単純化する。
カテーテルが注射針によって損傷するリスクは、膜と接続ピースとの間でポートの上側に突出した段差を用意することによって回避される。万一注射針が膜ではなくハウジングにぶつかった場合は、針がポートから滑り落ちてカテーテルを穿刺するのを突出した段差が阻止する。
好ましい実施形態では、接続ピースへ押し付けられたカテーテルの周囲にぴったりと適合するクランプジョー上に突出した段差が形成される。そこでクランプジョーは、カテーテルを正しい位置に固定するだけではなくカテーテルを保護するためにも機能する。
【0017】
本発明の1つの実施形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、ポート1およびカテーテル38を含む、ポート−カテーテルの拡大上面図である。ほぼ指サックのサイズであってよいポート1は、皮下にある浅いハウジング2を有する。皮下にあるハウジング1の、その上側は参照数字3、その下側は参照数字4、その前端は参照数字5、その後端は参照数字6、そしてその長手方向側辺は参照数字7および8によって特定されている。ハウジング1の長手方向側辺7、8は、浅い角度でハウジングの前端5へ走っている。したがってハウジングは、コンピュータマウスのような形状である。
【0018】
ハウジング2は、例えば射出成形品としてプラスチック材料から製造されてよい。しかし基本的には、例えば金属もしくはセラミック材料などの他の適合性材料から同等に良好に構成することができる。ハウジングは、環状の穿刺可能な膜(隔膜)10によって閉鎖されている中央円筒形開口部9を有する。開口部内に挿入され、ほぼ開口部の直径に相当する直径の膜10は、開口部の上端で丸く伸びる接合部(図示していない)に押し付けて支持されている。膜10の上側はハウジングの上側で露出しているので、したがって注射針によって穿刺することが可能になる。
【0019】
円筒形挿入エレメント11は、ハウジング内の中央円筒形開口部9の中にぴったり適合するように挿入されている(図2)。挿入エレメント11内には、投与すべき有効成分を収容するための円筒形チャンバー12aが形成されている(図6)。
挿入エレメント11が、ハウジング2とは無関係に、例えばプラスチック材料もしくは金属、および詳細にはチタン、もしくはセラミック材料などの相違する適合性材料から、ポート全体を変化させる必要なく製造できるのは長所である。これは特に、例えば、挿入エレメントがカテーテルを介して採取された血液と接触する可能性がある場合は、相違する材料は血液との適合性に関して相違するレベルの容認可能性を有するので、重要な検討事項である。
【0020】
挿入エレメントは、ハウジング2との差し込み接続を形成する。このために、挿入エレメント11は突出した円筒形段差12を有し、開口部9はその壁の中に軸方向溝13を有しており、その中に段差13をぴったり適合するように押し入れることができる。段差12を固定するために、溝13は側方逃げ溝13を有しており、その中で段差12がねじられる挿入エレメント11に係合する(図4)。差し込み接続は、挿入エレメント11が膜10を外向きへ湾曲させるために膜10へ適正な接触圧力を加えるように設計されている。
【0021】
後端6では、ハウジング2は、挿入エレメントがハウジング内に挿入されてねじることによって固定されると挿入エレメント11の円筒形壁内の同一直径の孔16と整列する孔15を有する。ハウジングおよび挿入エレメント11内の孔15および16は、逃げ溝14の正反対に位置しているので、溝13はこのために横向きに偏っている。この配列から型からの取り外しの時点に製造にとっての長所が生じる。
【0022】
挿入エレメント11およびハウジング2の中の相互に整列する孔15、16にはチューブ状カニューラ17が取り付けられており、その突出している端部分は、カテーテル38の端部分がそこへ押し付けられるポートの接続ピース18を形成している。接続ピース18の端部は、外側でテーパ付けされている。2つの孔15、16を通って伸びるカニューラ17は、チャンバー12aと接続ピース18との間で流体接続を作り出すだけではなく、挿入エレメントをねじれから守るためにも作用する。これは、組み立ての時点に下記の長所を有する。
【0023】
組み立てるためには、挿入エレメント11はハウジングの開口部9の中に挿入かつ固定される。そこで、挿入エレメント11内の穴40に係合する突出部を有する適切なツールを用いて実施できる。カニューラ17は、次に孔15、16に押し入れられる。今度は接着剤が溝13の中に注入され、ハウジングの開口部9の壁の中に用意されている環状チャネル(図示していない)を介して自然に均一に分布し、したがって接着剤が挿入エレメント11、膜10、カニューラ17およびハウジング1の間の間隙を完全に満たすことを引き起こす。そこで挿入エレメント、膜およびカニューラはハウジングへシールされる。挿入エレメントは差し込み接続具およびカニューラ7によって開口部9の中の正しい位置に固定されるので、接着剤の硬化中に追加の締め付け器具などは必要とされない。
【0024】
接続ピース18へ推し付けられたカテーテル38をクランピングによって正しい位置へ固定するために、ポートは、カニューラの直径に対応する各クランプ面21、22を有する2つのクランプジョー19、20を有する。2つのクランプジョー19、20は、図3から5に示されている第1位置と第2位置との間で可動性である(図1および2)。第2位置では、クランプジョーはカテーテル38の周囲にぴったりと適合するので、カテーテルは接続ピース18にしっかりと取り付けられる。他方第1位置では、クランプジョー19、20はハウジングから外向きに間隔をあけて離れているので、一方ではカテーテルを接続ピースへ押し付けるために十分な自由空間があり、そして他方では接続ピースへ押し付けられる時点にカテーテル上で目視チェックを行うことができる。
【0025】
クランプジョー19、20は、弾性形態の各締め付けアーム27、28によってハウジング1へ固定される。締め付けアーム27、28は、ハウジング1の前端5から長手方向側辺7、8に沿って伸びるガイド溝30内に着座させられるU形締め具29を形成する。そのアーチ状中央部分31によって、留め具29はハウジングの前端5にのみ固定されるので、したがって締め具の側方部分は外側に広がることができる。
【0026】
それらの内側では、クランプジョー19、20は、締め付けアーム27、28が相互に離れて広がるとガイド溝30内に滑り入る各ラッチフック32、33を有する。ガイド溝30は各々が2つの部分に分かれており、それの1つの部分30aはハウジングの長手方向側辺7、8に沿って伸び、他方の部分30bはハウジングの後端6に沿って伸びる。2つの部分30a、30bの間の移行領域では、ガイド溝30は突出した段差34、35を形成する。クランプジョー19、20が外向きに間隔をあけて離れている第1位置では、ラッチフック32、33の内面は段差34、35に接触させて支持されている。
【0027】
ハウジングの後端6でのガイド溝30の部分30bには、クランプジョー19、20が、クランピングによってカテーテルを正しい位置に固定する第2位置にあるときにそれに接触してラッチフック32、33が支持される各段差36、37が形成されている。1つのクランプジョー19の端面23には、他方のクランプジョー20の端面26上に用意されたスピゴット25が係合する穴24が用意されている。クランプ面21、22上には、クランプネジ山40、41もまた用意されている。
【0028】
留め具30の輪郭およびラッチフック32、33を有するクランプジョー19、20の輪郭は、ガイド溝30の輪郭およびハウジングの輪郭に適合し、これは締め具およびクランプジョーおよびハウジングが良好に組み合わされることを意味する。ハウジングの前端5およびクランプジョーには、ポートシステムを縫い付けることを可能にする織物のための固定孔が用意されている。
【0029】
膜10と接続ピース18との間でクランプジョー19、20の上側には、ハウジングにぶつかった注射針がハウジングから滑り落ちてカテーテルを損傷させることを阻止する突出した段差39が用意されている。突出した段差39は2つの部分39a、39bに分かれており、それらの各々は接続ピース18の長手方向軸に対して実質的に垂直に当該クランプジョーの上側を超えて伸びる。
注射針が膜と接続ピース18との間でポート1のハウジング2の上側にぶつかると、注射針は接続ピース18の方向に滑り落ちて柔軟性カテーテルチューブを穿孔する可能性がある。このためにポートシステムを交換することが必要になるが、これは外科的に複雑な作業である。穿孔が検出されない場合は、有効成分が作用部位へ進んでいかない、あるいは十分な量では進んでいかないというリスクも生じる。有効成分が、さらに間違った作用部位で、すなわち穿孔部位で出現する可能性もある。突出した段差39は、注射針が所定量の力でハウジングにぶつかり、そして接続ピース18の方向に滑り落ちた場合は、接続ピースに対して実質的に垂直な段差39によって横向きに方向転換させられるので、これを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明のポートシステムは 産業上利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】カテーテルを締め付けて、ハウジングへ押し付けて静止させることによってハウジングへ接続して正しい位置で固定するためのクランプジョーを示している、ポートの1つの実施形態についての上面図である。
【図2】図1のポートの底面図である。
【図3】ハウジングから間隔をあけて離れているクランプジョーを伴う、ポートの拡大底面図である。
【図4】間隔をあけて離れているクランプジョーを伴う、相違する方向からのポートの拡大底面図である。
【図5】間隔をあけて離れている標題クランプジョーを伴う、ポートの上面図である。
【図6】有効成分を収容するためのチャンバーを有する挿入エレメントを通る区間の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルのためのポートであって、
有効成分を収容するためのチャンバーであって、前記チャンバー(12)がハウジング(2)内に配列されていて穿刺可能な膜(10)で閉鎖されているチャンバー(12)と、
前記カテーテルに接続するための接続ピース(18)であって、前記接続ピース(18)が前記チャンバーと流体接続している接続ピースと、および
前記カテーテルを前記接続ピースへ固定するための手段と、を有しており、
前記カテーテルを前記接続ピースへ固定するための手段が、前記ハウジング(2)へ接続されていて相互に対向するクランプ面(23、24)を有する2つのクランプジョー(19、20)を有しており、前記クランプジョーが前記ハウジングから外向きに間隔をあけて離れている第1位置から、前記クランプジョーが前記カテーテルをそれらのクランプ面間でクランプ作用によって正しい位置に固定する第2位置へ前記クランプジョーが移動可能であることを特徴とするポート。
【請求項2】
前記クランプジョー(19、20)が、弾性形態の締付けアーム(27、28)によって前記ハウジング(2)へ固定されることを特徴とする、請求項1に記載のポート。
【請求項3】
前記締付けアーム(27、28)は留め具(29)を形成し、前記ハウジング(2)の側面を取り囲んでおり、前記接続ピース(18)との反対側の端で前記ハウジングに固定されることを特徴とする、請求項2に記載のポート。
【請求項4】
前記クランプジョー(19、20)が、前記第2位置で掛け止めによって前記ハウジング(2)へ固定されることを特徴とする、請求項1〜3の何れかの1項に記載のポート。
【請求項5】
前記ハウジングが、その中に前記クランプジョー(19、20)が誘導されるガイド溝(30)を有することを特徴とする、請求項1〜4の何れかの1項に記載のポート。
【請求項6】
前記ガイド溝(30)内に段差(36、37)が形成され、そして前記クランプジョー(19、20)が、第2位置で掛け止めによって前記段差へ係止されるフックを有することを特徴とする、請求項5に記載のポート。
【請求項7】
前記クランプジョー(19、20)が、相互に結び付いていて第2位置で相互係合するスピゴット(25)および穴(25)を有することを特徴とする、請求項1〜6の何れかの1項に記載のポート。
【請求項8】
前記チャンバー(12a)が、挿入エレメント(11)内に形成され、前記挿入エレメントが前記膜に接触圧力を加えるような方法で、間に挟まれてクランプ固定される膜(10)を用いて前記ハウジング(2)内の開口部(9)に固定されることを特徴とする、請求項1〜7の何れかの1項に記載のポート。
【請求項9】
前記挿入エレメント(11)および前記ハウジング(2)が差し込み接続を形成することを特徴とする、請求項8に記載のポート。
【請求項10】
前記挿入エレメント(11)が突出し段差(12)を有し、前記ハウジング内の開口部(9)が、その中に前記挿入エレメント上の前記突出した段差が着座する側方逃げ溝(14)を有する溝(13)を有することを特徴とする、請求項8または9に記載のポート。
【請求項11】
相互に整列する孔(15、16)が前記ハウジング(2)および前記挿入エレメント(11)内に用意されており、そして前記接続ピース(18)が前記ハウジングおよび前記挿入エレメント内の孔の中に挿入されるカニューラ(17)であることを特徴とする、請求項8〜10の何れかの1項に記載のポート。
【請求項12】
前記逃げ溝(14)と前記相互に整列する孔(15、16)が相互に反対側に配列されていることを特徴とする、請求項10または11に記載のポート。
【請求項13】
前記膜(10)および/または前記挿入エレメント(11)および/または前記接続ピース(18)が前記ハウジング(2)へ接着させられていることを特徴とする、請求項8〜12の何れかの1項に記載のポート。
【請求項14】
前記ポートが射出成形品であることを特徴とする、請求項1〜13の何れかの1項に記載のポート。
【請求項15】
カテーテルのためのポートであって、
前記有効成分を収容するためのチャンバー(12)であって、前記チャンバーがハウジング(2)内に配されていて穿刺可能な膜(10)で閉鎖されるチャンバーと、および
前記カテーテルに接続するための接続ピース(18)であって、前記接続ピース(18)が前記チャンバーと流体接続している接続ピースと、を有しており、
前記チャンバー(12)は前記ハウジング内の開口部に固定された挿入エレメント(11)内に前記膜(10)と共に形成され、該挿入エレメントが該膜を押圧するようにしていることを特徴とするポート。
【請求項16】
前記挿入エレメント(11)および前記ハウジング(2)が差し込み接続を形成することを特徴とする、請求項15に記載のポート。
【請求項17】
前記挿入エレメント(11)が突出した段差(12)を有し、前記ハウジング内の開口部(9)が、その中に前記挿入エレメント上の前記突出した段差が着座する側方逃げ溝(14)を有する溝(13)を有することを特徴とする、請求項15または16に記載のポート。
【請求項18】
相互に整列する孔(15、16)が前記ハウジング(2)および前記挿入エレメント(11)内に用意されており、そして前記接続ピース(18)が前記ハウジングおよび前記挿入エレメント内の孔の中に挿入されるカニューラ(17)であることを特徴とする、請求項15〜17の何れかの1項に記載のポート。
【請求項19】
前記逃げ溝(14)と前記相互に整列する孔(15、16)が相互に反対側に配列されることを特徴とする、請求項18に記載のポート。
【請求項20】
前記膜(10)および/または前記挿入エレメント(11)および/または前記接続ピース(18)が前記ハウジング(2)へ接着させられていることを特徴とする、請求項15〜19の何れかの1項に記載のポート。
【請求項21】
前記カテーテルを前記接続ピース(18)へ固定するために、前記ハウジング(2)へ接続されていて相互に対向するクランプ面(23、24)を有する2つのクランプジョー(19、20)が用意され、前記クランプジョーが前記ハウジングから外向きに間隔をあけて離れている第1位置から、前記クランプジョーが前記カテーテルを留め作用によって該クランプ面間で正しい位置に固定する第2位置へ前記クランプジョーが移動可能であることを特徴とする、請求項15〜20の何れかの1項に記載のポート。
【請求項22】
前記クランプジョー(19、20)が、弾性形態の各締め付けアーム(27、28)によって前記ハウジング(2)へ固定されることを特徴とする、請求項21に記載のポート。
【請求項23】
前記締付けアーム(27、28)は留め具(29)を形成し、前記ハウジング(2)の側面を取り囲んでおり、前記接続ピース(18)との反対側の端で前記ハウジングに固定されることを特徴とする、請求項21または22に記載のポート。
【請求項24】
前記クランプジョー(19、20)が、第2位置で掛け止めによって前記ハウジング(2)へ固定されることを特徴とする、請求項21〜23の何れかの1項に記載のポート。
【請求項25】
前記ハウジングが、その中に前記クランプジョー(19、20)が誘導されるガイド溝(30)を有することを特徴とする、請求項21〜24の何れかの1項に記載のポート。
【請求項26】
前記ガイド溝(30)内に段差(36、37)が形成され、前記クランプジョー(19、20)が、第2位置で掛け止めによって前記段差へ固定されるフックを有することを特徴とする、請求項25に記載のポート。
【請求項27】
前記クランプジョー(19、20)が、相互に結び付いていて第2位置で相互係合するスピゴット(25)および穴(24)を有することを特徴とする、請求項21〜26の何れかの1項に記載のポート。
【請求項28】
前記ポートが射出成形品であることを特徴とする、請求項15〜27の何れかの1項に記載のポート。
【請求項29】
カテーテルのためのポートであって、
有効成分を収容するためのチャンバー(12)であって、前記チャンバーが穿刺可能な膜(10)で閉鎖されているチャンバー(12)と、および
前記カテーテルに接続するための接続ピース(18)であって、前記接続ピース(18)が前記チャンバーと流体接続している接続ピースとを有しており、
前記ポートは、前記膜が露出されている上側と前記膜とは反対の下側とを有する接続ピースと、を有しており、
突出した段差(39)が前記膜(10)と前記接続ピース(18)との間で前記ポートの上側に用意されていることを特徴とするポート。
【請求項30】
前記接続ピース(18)へ固定すべき前記カテーテルを正しい位置へ固定するために、相互に対向するクランプ面(23、24)を有する2つのクランプジョー(19、20)が用意されており、前記クランプジョーが前記ハウジングから外向きに間隔をあけて離れている第1位置から、前記クランプジョーが前記カテーテルを留め作用によって該クランプ面間で正しい位置に固定する第2位置へ前記クランプジョーが移動可能であることを特徴とする、請求項29に記載のポート。
【請求項31】
前記突出した段差(39)が前記クランプジョー(19、20)上に形成されていることを特徴とする、請求項29または30に記載のポート。
【請求項32】
前記ポートが射出成形品であることを特徴とする、請求項29〜31の何れかの1項に記載のポート。
【請求項33】
前記突出した段差(39)が実質的に垂直に形成され、前記膜(10)と前記段差との間にぶつかった注射針が前記接続ピース(18)から横向き方向転換させられてなることを特徴とする、請求項29〜32の何れかの1項に記載のポート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−507262(P2007−507262A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529967(P2006−529967)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009834
【国際公開番号】WO2005/032645
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(503117612)フレゼニウス カビ ドイッチュラント ゲー・エム・ベー・ハー (3)
【Fターム(参考)】