説明

マイクロカプセル付きフィルム

物品であって、機能化基材であって、水性攻撃を受けやすい組成物であって、水溶性物質、一部水溶性物質、水分散性物質、水崩壊性物質、及びこれらの混合物から選択される組成物と、機能性組成物を封入する複数個のマイクロカプセルと、を含み、前記複数個のマイクロカプセルが前記機能化基材に組み込まれる、機能化基材を含む、物品。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
家庭での洗濯プロセスは、洗浄及び/又はすすぎサイクル間に、布地に望ましい効果を付与できる多数の物質で布地を処理する機会を、消費者に提供する。芳香感は、これらの所望の効果のうちの1つである。従来の洗濯製品における1つの問題は、芳香感が、洗濯物洗剤及び/又は布地コンディショナーにおいて利用できる香りの種類によって制限されるということである。従来の洗濯製品における別の問題は、芳香感の強さが、使用される洗剤及び/又は布地柔軟剤の量により、決定されることが多いことである。従来の洗濯製品における更に別の問題は、布地上の芳香感の寿命であり、すなわち、香りは十分に長く続かない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従来の洗濯製品が消費者に提供する香りの選択肢には限りがある。1つの問題は、洗剤及び布地柔軟剤のような従来の洗濯製品が、組み合わせて使用されるときに不適合である可能性がある異なる種類の香りを備えて販売されることが多いことである。最近の進歩により、消費者が、調和した香りを持つ異なる洗濯製品、例えば、同一の香り又は類似の香りを有する洗剤及び布地柔軟剤を選択することが可能になった。香りのある多くの異なる種類の洗濯製品が入手可能であるにもかかわらず、洗剤及び/又は布地柔軟剤において利用できる香り又は香料に制限されることなく、芳香感を更にカスタマイズするための簡単で手頃な方法を消費者に提供する必要性が残る。
【0003】
従来の洗濯製品においては、消費者の、布地上に沈着する香り強度を制御する能力が制限されている。投与の増加及び投与の減少は、布地上に沈着する香りの強さを制御するために、消費者が使用する方法である。投与の増加及び投与の減少によって香り強度を制御することによる1つの問題は、洗浄及び柔軟化のような他の効果が有効であるために特定の投与量が要求される可能性があることである。1つの場合には、従来の布地柔軟剤の著しい投与増加は、綿パイル地タオルの水吸収性を低減し得る。このように、消費者が芳香感の強さを制御できる新しい方法の必要性が残る。
【0004】
洗濯中に望ましい効果を布地に提供するために、多くの組成物及び物品が存在する。例えば、米国特許第3,936,538号(マーシャル(Marshall)ら);米国特許第7,049,274号(レナード(Renade)ら);米国特許第7,015,186号(オーサント(Aussant)ら);米国特許出願2005/0226826(イーソン(Eason)ら);及び米国公開特許出願2006/0019866(ブリッグス(Briggs)ら)を参照。これらの改善及び他の改善にもかかわらず、消費者が洗浄及び/又はすすぎを通して、消費者の芳香感をカスタマイズ及び制御できるであろう布地処理組成物を、消費者に提供する必要性が残る。更に、布地上により長持ちする香りを提供する必要性がいまだ存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様においては、物品であって、機能化基材であって、水性攻撃を受けやすい組成物であって、水溶性物質、一部水溶性物質、水分散性物質、水崩壊性物質、及びこれらの混合物から選択される組成物と、機能性組成物を封入する複数個のマイクロカプセルと、を含み、前記複数個のマイクロカプセルが前記機能化基材に組み込まれる、機能化基材を含む、物品が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
機能化基材
本発明の1つの態様に従うと、水性攻撃を受けやすい組成物、及び機能性組成物を封入する複数個のマイクロカプセルを含む機能化基材が提供され、複数個のマイクロカプセルは、機能化基材に組み込まれる。本明細書で使用するとき、「機能化基材に組み込まれる」とは、複数個のマイクロカプセルが、機能化基材内にある、機能化基材の表面に接触する、機能化基材の表面の少なくとも一部に接触する、又は別の方法で機能化基材に接続することを意味する。別の実施形態においては、複数個のマイクロカプセルは、機能化基材の至るところに分散される。更に別の実施形態では、複数個のマイクロカプセルは、機能化基材の至るところに均一に分散される。
【0007】
本発明の機能化基材は、多数の用途及び使用方法を有する。本明細書に記載される機能性基材のための1つの用途は、布地ケアの分野にある。1つの使用方法は、洗浄サイクル及び/又はすすぎサイクルのいずれにおいても、自動又は手動洗濯洗浄機の洗濯槽に、機能化基材を投与することを提供する。別の使用方法は、乾燥機に機能化基材を投与することを提供する。更に別の使用方法は、手洗い状況において、タブ、たらい、バケツ又は容器に、機能化基材を投与する。機能化基材は、手洗い工程、すすぎ工程、又は両方において添加できるが、好ましくはすすぎ工程である。
【0008】
本発明に従う機能化基材は、布地を洗濯するとき、ユーザーの芳香感をカスタマイズするために使用できる。芳香感をカスタマイズする1つの方法においては、ユーザーは、使用される洗濯洗剤及び/又は布地柔軟剤と類似の香り又は相補的な(complimentary)香りを有する香料を含む1つ以上の機能化基材を選択する。更に別の方法では、1つ以上の機能化基材が、香りのない洗濯物洗剤及び/又は布地柔軟剤と組み合わせて使用される。更に別の方法では、1つ以上の機能化基材は、いかなる洗濯洗剤又は布地柔軟剤も添加せずに使用される。
【0009】
加えて、本発明に従う機能化基材は、布地を洗濯するとき、香りの強度を制御するために使用されることができる。ユーザーは、それによってユーザーの布地上における香りの強度を制御するために、1つ以上の基材を香りのある又は香りのない洗濯製品に投与してよい。一実施形態においては、物品は、これらの及び他の使用方法についての指示を更に含む。更に別の実施形態では、本発明に従う機能化基材は、香りに加えて又香りの代わりに、他の効果を布地に提供するために使用されることができる。更に別の実施形態では、ユーザーは、複数個の機能化基材を投与してよく、各機能化基材は、異なる香料を有し、それら自体のカスタマイズされた芳香感を作る。更に、本発明の機能化基材を使用すると、ユーザーは、洗濯された布地上での香りの寿命を延長することができる。
【0010】
機能化基材組成物
1.水性攻撃
本発明に従う機能性基材は、水性攻撃を受けやすい組成物を含む。本明細書で使用するとき、「水性攻撃」とは、組成物が水溶液と接触するとき、溶解する、変形する、崩壊する、可溶化する、ないしは別の方法で物理的に劣化することを意味する。用語「水溶液」は、本発明の目的のために広く解釈されるべきであり、水を含む任意の混合物を包含する。一実施形態においては、水溶液の水分含有量は、水溶液の少なくとも約10重量%、あるいは少なくとも20重量%、あるいは少なくとも約30重量%、あるいは少なくとも約40重量%、あるいは約99重量%超過でさえある。別の実施形態においては、水溶液は1つ以上の機能性物質を含む。更に別の実施形態では、水溶液は、スラリー及び分散体(液体/固体)、泡(液体−気体)、ゲル、及びエマルション(液体/液体)並びにこれらの混合物を含む。
【0011】
2.水性攻撃を受けやすい組成物
一実施形態においては、水性攻撃を受けやすい組成物は、水溶性物質、一部水溶性物質、水分散性物質、水崩壊性物質、及びこれらの混合物を含む。
【0012】
a.水溶性及び一部水溶性物質
本発明の一実施形態においては、水性攻撃を受けやすい組成物は、水溶性又は一部水溶性物質を含む。本明細書で使用するとき、水溶性物質は一部水溶性物質を包含する。水溶性物質を使用するところでは、機能化基材は、本明細書に提供されるような水溶解度法にて測定して、少なくとも50%、あるいは少なくとも75%、又は更に少なくとも95%の水溶解度を有する。
【0013】
水溶解度法:50グラム±0.1グラムの機能化基材物質を、予め計量した400mLビーカーに添加し、245mL±1mLの蒸留水(温度=16℃(60゜F))を添加する。この組成物を、600rpmに設定された電磁攪拌器で30分間激しく攪拌する。次に混合物を、以上に定義されたような孔径(最大20ミクロン)を有する折り畳み定性焼結ガラスフィルターを通して濾過する。収集された濾液から任意の従来の方法によって水を蒸発させ、残った物質の重量を測定する(これが溶解又は分散した画分である)。その後、水溶解度%を計算する。
【0014】
好適な水溶性物質としては、フィルム又はシート若しくは積層体に形成することができる、又は押出成形することができる(あるいは3次元形状に押出成形又は圧縮成形することができる)、又は発泡体にブロー成形することができる水溶性高分子物質(ポリマー)が挙げられる。一実施形態においては、機能化基材中のポリマーの量は、その機能化基材の少なくとも約5重量%である。別の実施形態においては、ポリマーの量は、その機能化基材の約10重量%〜約99重量%、あるいは約15重量%〜約90重量%、あるいは約20重量%〜約85重量%である。ポリマーで形成されるフィルムは、例えば、当該技術分野において既知であるような、高分子物質の鋳造、吹込成形、押出成形又は押出ブロー成形により得ることができる。ポリマーで形成される好適な発泡体及びこうした発泡体の形成方法の非限定的な実施例は、米国特許第7,056,877号に開示されている。
【0015】
水溶性物質として使用するのに好適なポリマー、コポリマー又はこれらの誘導体の例としては、ポリビニルアルコール(PVA)、変性PVA;ポリビニルピロリドン;PVA/ポリビニルピロリドンのようなPVAコポリマー;一部が加水分解したポリビニルアセテート;ポリエチレンオキシドのようなポリアルキレンオキシド;アクリルアミド;アクリル酸;セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース及びプロピルセルロースのようなアルキルセルロース;セルロースエーテル;セルロースエステル;セルロースアミド;ポリビニルアセテート;ポリカルボン酸及び塩;ポリアミノ酸又はペプチド;ポリアミド;ポリアクリルアミド;マレイン酸/アクリル酸のコポリマー;デンプン、加工デンプンを包含する多糖類;ゼラチン;アルギン酸塩;キシログルカン、キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、マンナン、グルコマンナン及びガラクトグルコマンナンを包含する他のヘミセルロース多糖類;並びにペクチン、キサンタン、及びカラギーナン、ローカスビーン、アラビア、トラガカントのような天然ガム;並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態においては、ポリマーは、ポリアクリレート、特にスルホン酸化ポリアクリレート、及び水溶性アクリレートコポリマー;並びにメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、変性カルボキシメチルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートのようなアルキルヒドロキシセルロースを含む。更に別の実施形態では、ポリマーは、PVA;PVAコポリマー;ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);及びこれらの混合物を含む。
【0016】
組成物がPVAを含む場合、機能化基材は、本明細書で定義されるような急速溶解速度を含み、この場合機能化基材は、少なくとも一部が、洗浄サイクル及び/又はすすぎサイクルにおいて、低温、すなわち、約4℃(40°F)又は10℃(50°F)未満にて水溶液に溶解する。典型的な洗浄及び/又はすすぎサイクルは、約10分間、あるいは約5分間かかるはずである。一実施形態においては、全ての機能化基材は、洗浄及び/又はすすぎサイクル間に溶解する。一実施形態においては、PVAは、別のポリマーと混合又はブレンドされ、所望の溶解速度を得る。平均分子量及び/又は加水分解の程度に基づいてポリマーを選択すると、異なる溶解速度が可能になると考えられている。
【0017】
理論に束縛されることを意図しないが、平均分子量に基づいてPVAを選択すると、低温における溶解速度を上昇できると考えられている。一実施形態においては、PVAの平均分子量(すなわち、モル質量の平均重量)は、約6,000〜約78,000、あるいは約78,000超過である。
【0018】
加えて、加水分解の程度に基づいてPVAを選択すると、低温における溶解速度を上昇できると考えられていた。別の実施形態においては、PVAは、様々な程度の加水分解を含む。一実施形態においては、PVAは、約90%未満、あるいは約85%未満、あるいは約80%未満加水分解されたポリマーを含むが、約60%超過、あるいは少なくとも約70%加水分解されたポリマーであるだろう。別の実施形態においては、PVAは、約60モル%〜約98モル%加水分解され、あるいは約80モル%〜約90モル%加水分解される。
【0019】
一実施形態においては、組成物は、2つ以上のPVA樹脂の組み合わせ又は混合物を含む。別の実施形態においては、PVA樹脂の重量平均分子量は、約55,000〜約65,000の範囲、及び数平均分子量、約27,000〜約33,000の範囲である。更なる好適な樹脂としては、ポリ(エチレンオキシド)及びセルロース由来水溶性炭水化物が挙げられ、前者は、ユニオンカーバイド社(Union Carbide, Inc.)により製造され、商標名ポリオックス(Polyox)として販売されている;後者は、ダウ・ケミカル社(Dow Chemical, Inc.)により製造され、商標メトセル(Methocel)として販売されている。典型的に、セルロース由来水溶性ポリマーは、容易に溶融加工可能ではない。更に別の実施形態では、組成物は、溶融加工可能なPVA樹脂を含む。好適な溶融加工可能なPVA樹脂は、とりわけ、エアープロダクト・アンド・ケミカルズ社(Air Products and Chemicals, Inc.)から認可を受けて、テキサスポリマーサービス社(Texas Polymer Services, Inc.)により商標名ビネックス(Vinex)として、及びモノソルLLC(MonoSol LLC)(米国、インディアナ州)により製造されている。
【0020】
更に別の実施形態では、組成物は、低分子量を有するポリマー及び/又は化学的に改質したポリラクチドを含む;こうしたポリマーは、クロノポール社(Chronopol,Inc.)により製造されてきており、商標ヘプロン(Heplon)として販売されている。
【0021】
一実施形態においては、機能化基材はPVAフィルムを含む。好適なPVAフィルムは、商品照会名モノソル(MonoSol)M8630として知られており、モノソル(MonoSol)により販売されている。本明細書で使用するために好適な他のフィルムとしては、アイセロ(Aicello)により供給される商品照会名PTフィルム若しくはフィルムのK−シリーズとして既知のフィルム、あるいはクラレ(Kuraray)により供給されるVF−HPフィルムとして既知のフィルムが挙げられる。
【0022】
b.ポリマーの混合物/ブレンド
本発明の一実施形態においては、組成物は、ポリマーの混合物(又はブレンド)を含む。本明細書において定義されるように、「混合物」及び「ブレンド」は、2つ以上の組成物の組み合わせが、第三組成物、混合物又はブレンドを形成することを述べるために、交換可能に使用することができる。理論に束縛されることを意図しないが、ポリマーのブレンドは、その用途及び所要の必要性に依存して、機能化基材の機械的及び/又は溶解特性を制御する際に有益であると考えられている。一実施形態においては、異なる重量平均分子量を有するポリマーのブレンドが使用される。例えば、1)約10,000〜約40,000、あるいは約20,000の重量平均分子量を有するPVA又はそのコポリマー、及び2)約100,000〜約300,000、あるいは約150,000の重量平均分子量を有するPVA又はそのコポリマーのブレンド。
【0023】
別の実施形態においては、組成物は、例えば、ポリラクチド及びPVAのような加水分解で分解可能である水溶性ポリマーブレンドを含む、ポリマーブレンド組成物を含む。加水分解で分解可能である水溶性ポリマーブレンドは、ポリラクチドとPVAを混合することにより得ることができ、典型的に約1重量%〜約35重量%のポリラクチドと約65重量%〜約99重量%のPVAを含む。これらの種類のポリマーブレンドは、水溶性及び/又は水分散性であることができる。
【0024】
更に、ポリマーの特定のブレンドは、本発明の溶解速度を持つフィルム又は発泡体の溶解を提供し、これはその後の取扱い及び製造された物品への変換のために、良好な機械的特性を持って製造されることができると考えられている。例えば、異種の分子量を有する少なくとも2種類のポリマーを含有するブレンドを、冷水条件下において、本明細書に開示されるような溶解速度で溶解する基材を調整するために使用することができる。一実施形態においては、こうしたブレンドは、約50,000超過、あるいは約60,000超過、あるいは約70,000超過の分子量を含む第一ポリマー、及び約30,000未満、あるいは約15,000未満、あるいは約10,000未満の平均分子量を含む第二ポリマー又はポリマーの混合物を少なくとも含有する。
【0025】
c.PVAブレンド
一実施形態においては、組成物はポリマーブレンドを含む。別の実施形態においては、ポリマーブレンドは、2つ以上のPVAを含む;PVA及びポリビニルピロリドン;PVA及びポリエチレンオキシド;PVA及びヒドロキシメチルセルロース;PVA及びヒドロキシエチルセルロース;ポリビニル;並びにPVA及びヒドロキシプロピルメチルセルロース。追加の好適なポリマーブレンドとしては、ピロリドン及びヒドロキシエチルセルロース;ポリビニルピロリドン及びポリエチレンオキシド;ポリエチレンオキシド及びヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。更に別の実施形態では、ブレンド比は、重量で80/20、60/40及び50/50である。
【0026】
低/高分子量ポリマーの80/20、60/40、及び50/50混合比の高分子量ポリマー及び低分子量ポリマーのブレンドが、特定の用途のために評価されてもよい。一実施形態においては、組成物は、約78,000以上の分子量を有する少なくとも1つのPVAと、約6,000以下の分子量を有する第二のPVAとのブレンドを含む。この実施形態は、冷水条件下において、本明細書に定義されるような速度で溶解するフィルムを製造することが見出された。更に、より高い分子量のPVAが低率であると、すなわち約50%未満あるいは約40%未満、あるいは約30%未満であると、ポーチ、サッシェ又はコーティングに加工するために十分な強度を持つフィルムが製造されるであろう。より高い分子量のPVAが高率であると、すなわち約50%超過、あるいは約60%超過、あるいは約70%超過であると、真空成形操作に望ましい強度及び弾性の改善を提供するであろうが、このように高分子量ポリマーがより高率であると、ますますより長い溶解時間を伴う。
【0027】
本発明の一実施形態は、本明細書において定義された速度にて溶解する特定のPVAブレンドを含む基材を提供する。このPVAブレンドは、平均分子量約3,000〜約30,000のPVAを約60%〜約95%、及び平均分子量約30,000〜約200,000のPVAを約5%〜約40%含む。このPVAブレンドの加水分解の程度は、約90モル%未満、あるいは約85モル%未満、あるいは約80モル%未満であることができる。このPVAのブレンドを含む約2グラム〜約1グラムの重量の基材試料は、約20℃(68°F)未満の温度において、攪拌しながら、ビーカーの水に約5分間未満で溶解することができる。
【0028】
d.水分散性物質及び水崩壊性物質
別の実施形態においては、水性攻撃を受けやすい組成物は、水分散性物質を含む。こうした水分散性物質の非限定的な実施例としては、米国公開特許出願2006/0293419A1(2006年12月28日公開)、米国特許第7,094,817号(2006年4月22日発行)、PCT国際公開特許出願WO0131103A3(2001年5月3日公開)、米国特許第6,211,309号(2001年4月3日発行)、及び米国特許第5,224,601号(1993年7月6日発行)に開示されているものが挙げられ、全ては参照として本明細書に組み込まれる。
【0029】
更に別の実施形態では、水性攻撃を受けやすい組成物は、水崩壊性物質を含む。こうした水崩壊性物質の非限定的な実施例としては、日本特許第3525174号(チッソ社(Chisso Corp.)(日本)に譲渡)(日本特許出願H09−279457)、及び日本特許出願H10−008364(チッソ社(Chisso Corp.)(日本)に譲渡)に開示されているものが挙げられる。
【0030】
複数個のマイクロカプセル
本発明の機能化基材は、複数個のマイクロカプセルを更に含む。用語「マイクロカプセル」は、本明細書においては最も広い意味で使用され、典型的に約300ミクロン未満の直径を有する小さいカプセル(すなわち、マイクロカプセル)への香料又は他の物質又は活性物質の封入を包含する。典型的に、これらのマイクロカプセルは、非水溶性又は少なくとも部分的に非水溶性物質の、典型的に高分子物質の球形状中空シェルを含み、これらの中には香料のような活性物質が含有される。マイクロカプセルの非限定的な実施例は、以下の参照文献から得られる:US2003/215417A1;US2003/216488A1;US2003/158344A1;US2003/165692A1;US2004/071742A1;US2004/071746A1;US2004/072719A1;US2004/072720A1;EP1,393,706A1;US2003/203829A1;US2003/195133A1;US2004/087477A1;US2004/0106536A1;米国特許第6,645,479号;米国特許第6,200,949号;米国特許第4,882,220号;米国特許第4,917,920号;米国特許第4,514,461号;米国再発行特許第32,713号;米国特許第4,234,627号。
【0031】
一実施形態においては、複数個のマイクロカプセルは、砕けやすいマイクロカプセルを含む。砕けやすさとは、直接外圧又は剪断力を受けるとき、破裂又は破断するマイクロカプセルの傾向を指す。本発明の目的のために、マイクロカプセルは、処理した布地に付着している間、カプセル含有布地が着用又は取り扱いによって扱われるとき、マイクロカプセルが、遭遇する力によって破裂し得る(それによってカプセルの内容物を放出する)ならば「砕けやすい」。別の実施形態においては、複数個のマイクロカプセルは、β−シクロデキストリンのような水分活性化マイクロカプセルを含む。更に別の実施形態では、複数個のマイクロカプセルは、熱活性化マイクロカプセルを含む。本明細書で定義する場合、熱活性化マイクロカプセルは、体熱によって、及び/又は機械乾燥機の熱によって破裂するものである。更に別の実施形態では、複数個のマイクロカプセルは、砕けやすいマイクロカプセル、水分活性化マイクロカプセル、熱活性化マイクロカプセル、又はこれらの組み合わせを含む。追加のマイクロカプセルの非限定的な実施例としては、米国特許第5,246,603号に記載されるようなワックスを含むマイクロカプセル、また米国特許第5,246,603号に記載されるようなデンプン系マイクロカプセルが挙げられる。
【0032】
マイクロカプセルは、界面重合及び重縮合のような当業者が既知のシェルカプセル製造用の従来の方法の範囲を使用して、調製されてよい。例えば、米国特許第3,516,941号、米国特許第4,520,142号、米国特許第4,528,226号、米国特許第4,681,806号、米国特許第4,145,184号;英国特許第2,073,132号;PCT国際公開特許WO99/17871;及びマイクロカプセル化:方法及び工業用途(MICROENCAPSULATION: Methods and Industrial Applications)(ベニータ(Benita)及びシモン(Simon)編集)(マーセル・デッカ−社(Marcel Dekker, Inc.)1996年)を参照。しかし、材料及びプロセス工程に関して、多くの変更が可能であると認識されている。マイクロカプセルのシェルを製造するのに好適な物質の非限定的な実施例としては、ユリアホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、フェノール−ホルムアルデヒド、ゼラチン、ゼラチン/アラビアゴムブレンド、ポリウレタン、ポリアミド、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0033】
一実施形態においては、マイクロカプセルのシェルは、アミノプラスト樹脂を含む。こうしたシェルカプセルの形成方法としては、重縮合が挙げられる。アミノプラスト樹脂は、1以上のアミンと1以上のアルデヒド、典型的にはホルムアルデヒドとの反応生成物である。好適なアミンの非限定的な例として、尿素、チオ尿素、メラミン及びその誘導体、ベンゾグアナミン及びアセトグアナミン、並びにアミンの組み合わせが挙げられる。好適な架橋剤(例えば、トルエンジイソシアネート、ジビニルベンゼン、ブタンジオールジアクリレート等)も使用することができ、二次壁ポリマーも、例えば、無水物及びそれらの誘導体、特にUS2004/0087477A1に開示されるような無水マレイン酸のポリマー及びコポリマーを必要に応じて使用してよい。別の実施形態においては、マイクロカプセルシェルは、アルデヒド及びアミン官能基を架橋させることにより形成される。
【0034】
一実施形態においては、複数個のマイクロカプセルの平均直径は、約1マイクロメートル〜約100マイクロメートル、あるいは約5マイクロメートル〜約80マイクロメートル、あるいは約10マイクロメートル〜約75マイクロメートル、あるいは約15マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲である。粒径分布を、狭く、広く、又は多峰性にすることができる。
【0035】
別の実施形態においては、複数個のマイクロカプセルは、約5ミクロン〜約300ミクロン、あるいは約10ミクロン〜約200ミクロンの最大直径を有するサイズで変化する。理論に束縛されることを意図しないが、マイクロカプセルの直径が約300ミクロン(例えば約250ミクロン)に近づくと、布地に取り込まれるマイクロカプセルの数の減少が観察される可能性があると考えられている。
【0036】
別の実施形態においては、複数個のマイクロカプセルの平均シェル厚さは、約0.1ミクロン〜約50ミクロン、あるいは約1ミクロン〜約10ミクロンである。
【0037】
1.機能性組成物
本発明の機能性基材は、機能性組成物を封入する複数個のマイクロカプセルを含む。本明細書で使用するとき、「機能性組成物」とは、1つ以上の機能性物質を含む組成物を意味する。本明細書で使用するとき、「機能性物質」とは、基材の溶解後、機能を実行する又は効果を提供する、あるいは、審美的外見以外の基材の物理的又は化学的特性を改質する任意の物質を意味する。例えば、インク、装飾用染料、及び顔料は、機能性物質と見なされない。しかし、布地の白色外見を改善するための色相染料は、機能性物質と見なされる。
【0038】
本発明の機能化基材は、多量の機能性組成物を装填するのに好適である。一実施形態においては、機能化基材は、機能化基材の少なくとも約1重量%、あるいは少なくとも約5重量%、あるいは少なくとも約10重量%、あるいは少なくとも約25重量%、あるいは少なくとも約50重量%の機能性組成物を含む。更に別の実施形態では、機能性組成物のコーティングを、マイクロカプセルを既に含有する機能性基材に適用することができる。コーティングは、同一の又は異なるマイクロカプセルを含有することができる。好適なコーティングの非限定的な実施例は、米国特許出願60/798,158(ワール(Wahl)ら)に開示されている。
【0039】
一実施形態においては、機能性組成物は、以下が挙げられるがこれらに限定されない1つ以上の機能性物質を含む:香味料、香料、柔軟化剤、静電気防止剤、クリスプ剤(crisping agents)、水/染み忌避剤、染み放出剤、清涼剤、抗菌剤、消毒剤、しわ抵抗剤、しわ解放剤、臭気抵抗剤、悪臭制御剤、磨耗耐性及び保護剤、溶媒、虫/ペット忌避剤、湿潤剤、紫外線保護剤、皮膚/布地コンディショニング剤、皮膚/布地養護剤(skin/fabric nurturing agents)、色保護剤、染料固着剤、移染防止剤、シリコーン、防腐剤及び抗菌剤、布地収縮低減剤、香料マイクロカプセル、光沢剤、色相染料(hueing dyes)、漂白剤、キレート剤、消泡剤、抗スカム剤、増白剤、及びこれらの組み合わせ。これらの及び他の一般的に使用される機能性物質を封入するマイクロカプセルを、本発明に従って使用することができる。
【0040】
別の実施形態においては、機能性物質は、香料原材料、シリコーンオイル及びシリコーンワックス、ワックス、炭化水素、イソパラフィン(例えば、チェシャム・スペシャリティ・イングレディエント社(Chesham Specialty Ingredients LTD)から入手可能なペルメチルス(Permethyls))、高級脂肪酸、精油、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤及び漂白剤粒子、漂白活性化剤、漂白触媒、汚れ懸濁ポリマー、湿潤剤、二酸化ケイ素粒子、悪臭低減剤、染料、光沢剤、抗菌性活性物質、制汗性活性物質、カチオン性ポリマー、ポリジメチルシロキサン(PDMS又は誘導体化PDMS;一例はシリコーンポリオール)、アミノ機能性シリコーン、スクロースポリエステル、ポリグリセロールエステル、ポリエチレンワックス、ビタミンE、酵素、アミノ酸、シアバター、アロエベラ、ワセリン、レチノール、キュウリ抽出物、カモミール抽出物、アーモンドミルク、シルクタンパク、ケラチンタンパク及びケラチンアミノ酸、天然石鹸、ユーカリ、天然オート麦、海鉱物、ラベンダー、ローズ、バニラ抽出物、麻の花、シトラス、レモン、ライム、オレンジ、及びこれらの混合物を含む。
【0041】
他の好適な機能性物質としては、洗濯洗浄活性物質、障壁剤、溶解度変性剤、カチオン性界面活性剤を包含する布地柔軟化活性剤、第四級アンモニウム化合物、及び帯電防止活性剤、シリコーン、消泡剤及びこれらの混合物が挙げられる。
【0042】
2.香料マイクロカプセル
一実施形態においては、機能性物質は香料組成物を含む。好適な香料組成物の非限定的な実施例としては、ブルーミング香料、香料油、並びにアルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ニトリル、アルケン、及びこれらの混合物を含む香料原材料が挙げられる。
【0043】
別の実施形態においては、複数個のマイクロカプセルの負荷/錯化レベルは、香料組成物の約50重量%〜約90重量%、あるいは約60重量%〜約85重量%、あるいは約65重量%〜約75重量%である。本発明のこの負荷/錯化特性は、β−シクロデキストリンのような他の技術に対して有利である。有利点としては、次の1点以上が挙げられる可能性があると考えられているが、これらに限定されない:(i)例えば純香料(neat perfume)において(直接添加)、香料マイクロカプセルにおいて、又はこれらの組み合わせにおいて、低減された総量の香料を使用できる可能性;(ii)加工の費用及び加工を通じた材料の浪費を避けること;(iii)プロセス生成物の性質(process product disposition)又はプロセスパラメータ又は製品安定性又は製品物理特性(一例は粘度)に影響せず、高レベルの香料を供給すること;並びに(iv)消費者に嫌われる高レベルの純生成物(neat product)臭気を避ける一方で、高レベルの香料を布地に供給すること;(v)純香料と比較して改善された布地臭気寿命性能を供給すること;並びに(vi)応力条件下(一例は、身体的活動又は運動中に、衣類を着ている間)で布地からの改善された臭気を供給すること。
【0044】
本発明の別の態様は、以下の少なくとも1つを含む香料組成物を含む機能性組成物を提供する:(a)香料担体を含む香料マイクロカプセル及び封入された香料組成物、ここでこの香料マイクロカプセルは、水分活性化マイクロカプセル、熱活性化マイクロカプセル、砕けやすいマイクロカプセル、あるいはこれらの混合又は組み合わせから選択される;(b)プロ香料(pro-perfume);(c)低臭気検出閾値香料成分;(d)純香料;及び(e)これらの組み合わせ。一実施形態においては、物品には、上述の任意の1つ以上の香料構成要素がない、又は実質的にない。水分活性化香料マイクロカプセルの非限定的な実施例としては、シクロデキストリンを含むものが挙げられる。
【0045】
好適なマイクロカプセルの供給元としては、アップルトン(Appleton)(ウィスコンシン州、アップルトン)、インターナショナルフレーバー&フレグランス(International Flavors & Fragrances)(IFF)(ニューヨーク州、ニューヨーク)、リードパシフィック(Reed Pacific)(オーストラリア)が挙げられる。好適なマイクロカプセルの例としては、アップルトン(Appleton)からの香料マイクロカプセル(PMCs)、IFFからのエバーラスト(EVERLAST)、及びリードパシフィック(Reed Pacific)からのウィザード(WIZARD)が挙げられる。
【0046】
一実施形態においては、香料組成物は、単一の香料原材料を含む。別の実施形態においては、香料組成物は、特定の芳香感を提供するように選択される2つ以上の香料原材料を含む。更に別の実施形態では、香料組成物は、ブルーミング香料組成物を含む。一実施形態においては、ブルーミング香料組成物は、約3〜約300の異なる香料成分を含む。
【0047】
本発明の香料組成物を含有する砕けやすいマイクロカプセルが、処理される布地に一旦付着したら、マイクロカプセルを破裂させることによって香料組成物を放出するのに十分な方法で、処理された布地を操作することが必要である。本明細書において利用される種類のマイクロカプセルは砕けやすい特徴を有するので、処理された布地を着用する又は使用するときに起こる通常の布地操作は、付着したマイクロカプセルが顕著な臭気を布地に付与するために十分である。処理された衣類を着用するとき、著しい数の付着したマイクロカプセルは、遭遇する通常の力によって崩壊し得る。着用されない布地物品については、折り畳み、丸め等のような通常の家庭での取り扱い操作が、付着したマイクロカプセルを破裂させるのに十分な布地操作として役立ち得る。崩壊した又は破裂したマイクロカプセルでさえ、香料「シンク(sink)」を提供し得り、芳香は、時間とともにゆっくり放出されて、布地効果に長続きする臭気を与える。驚くべきことに、本発明の香料組成物は、マイクロカプセルの破裂の際に「ブルーム」する香料組成物を提供することによって、破裂するマイクロカプセルの効果を最大にする。
【0048】
a.ブルーミング香料
本発明は、布地に沈着した砕けやすいマイクロカプセルが破裂するとき、着用中、折り畳み、及び洗濯物の保存後でさえ、本発明のブルーミング香料組成物が、消費者の独特の芳香感の機会を最大にするということの発見に一部基づく。一実施形態においては、香料マイクロカプセルは、ブルーミング香料組成物を封入し、ブルーミング香料組成物は、水が存在しないとき、香料マイクロカプセル及び封入された香料組成物の総重量の約5%〜約95%、あるいは約20%〜約90%;あるいはこの場合も水が存在しないときでさえも約30%〜約85%、あるいは約40%〜約80%を構成する。
【0049】
本明細書で使用するとき、用語「ブルーミング香料組成物」とは、香料組成物の少なくとも約25重量%、あるいは少なくとも約35重量%、あるいは少なくとも約45重量%、あるいは少なくとも約55重量%、あるいは少なくとも約65重量%のブルーミング香料成分を含む香料組成物を意味し、ブルーミング香料成分は、約250℃以下の沸点(B.P.)を有するものであり、B.P.は、通常の標準圧力において測定される。
【0050】
多くの香料成分の沸点は、例えば「香料及び風味料化学(Perfume and Flavor Chemicals)(アロマケミカルズ(Aroma Chemicals))」、S.アークタンダー(S. Arctander)、著者により出版、1969年、に報告されている。他の沸点の値は、バイルスタイン・ハンドブック(Beilstein Handbook)、ランゲの化学ハンドブック(Lange's Handbook of Chemistry)、並びに化学及び物理学のCRCハンドブック(CRC Handbook of Chemistry and Physics)のような様々な化学ハンドブック及びデータベースから得ることができる。沸点が、異なる圧力で、通常は標準圧力(101kPa(760mmHg))より低い圧力でのみ与えられるときには、標準圧力での沸点は、「化学者の手引き(The Chemist's Companion)」、A.J.ゴードン(A. J. Gordon)及びR.A.フォード(R. A. Ford)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・パブリッシャーズ(John Wiley & Sons Publishers)、1972年、30〜36頁に記載されるもののような沸点−圧力の計算図表を使用することにより、およそ推定することができる。適用できる場合、沸点値は、「ピラン及びピロールの標準沸点のコンピューター支援の予測(Computer-Assisted Prediction of Normal Boiling Points of Pyrans and Pyrroles)」、D.T.スタントン(D. T. Stanton)ら、J.Chem.Inf.Comput.Sci.、32(1992年)、306〜316頁、「フランの標準沸点のコンピューター支援の予測(Computer-Assisted Prediction of Normal Boiling Points of Furans)」、「テトラヒドロフラン及びチオフェン」、D.T.スタントン(D. T. Stanton)ら、J.Chem.Inf.Comput.Sci.、31(1992年)、301〜310頁、及びこれらに引用される参考文献、並びに「分子構造からの物理特性の予測(Predicting Physical Propertie
s from Molecular Structure)」、R.モルガン(R. Murugan)ら、Chemtech、1994年6月、17〜23頁に記載されるもののような分子構造データに基づいて、コンピュータープログラムにより計算することもできる。
【0051】
本発明の物品において有用なブルーミング香料成分の非限定的な実施例は、米国公開特許出願2005/0192207A1、29〜31頁に与えられる。
【0052】
一実施形態においては、本発明のブルーミング香料組成物は、少なくとも約3つの異なるブルーミング香料成分、あるいは少なくとも約4つの異なるブルーミング香料成分、あるいは少なくとも約5つの異なるブルーミング香料成分、あるいは少なくとも約6つの異なるブルーミング香料成分を含む。
【0053】
別の実施形態においては、香料は、約250℃以上の沸点、及び約3.0以上のClogPを有する恒久的な香料成分を含み、より好ましくは香料の少なくとも約25重量%の量である。好適な香料、香料成分、及び香料担体は、米国特許第5,500,138号;及び米国特許出願2002/0035053A1に記載されている。
【0054】
香料技術では、臭気のない又はきわめてかすかな臭気を有するいくつかの物質が希釈剤又は展延剤として使用される。これらの物質の非限定的な実施例は、ジプロピレングリコール、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルである。これらの物質は、例えば、いくつかの他の香料成分を希釈及び安定化するために用いられる。本発明の目的のためには、これらの物質は、「ブルーミング香料成分」として見なされない。
【0055】
一実施形態においては、本発明の物品においてブルーミング香料組成物の一部として使用できる実質的な香料成分は、約250℃超過のB.P.を有するものである。こうした香料成分の非限定的な実施例としては、米国公開特許出願2005/0192207A1(2005年9月1日公開)、36頁に記載されているものが挙げられる。
【0056】
3.他の機能性物質
a.洗濯洗浄活性物質
一実施形態においては、機能性物質は、洗濯洗浄活性物質を含む。洗濯洗浄活性物質は、洗濯の洗浄プロセスにおいて活発な役割を果たす物質である。洗浄活性物質としては、洗浄性界面活性剤(アニオン性、非イオン性、カチオン性、双極性、及び両性界面活性剤)、研磨剤(無機及び有機研磨剤物質)、漂白剤、漂白活性化剤、漂白安定剤、漂白触媒、酵素、汚れ懸濁又は分散ポリマー、キレート剤、又はこれらの組み合わせのような物質が挙げられるがこれらに限定されず、該用語は、これらの物質群に限定されない。一実施形態においては、用語「洗浄活性物質」には、1つ以上の上記の識別される活性物質がない、又は実質的にない可能性がある。一実施形態においては、洗濯洗浄活性物質は、マイクロカプセル内に封入されない。
【0057】
障壁剤は、保護機能を果たす。例えば、それらは、不相溶の洗浄活性物質を互いに、洗浄活性物質又は溶解度変性剤を外部環境から、フィルムを外的環境等から、相互に保護することができる。またそれらは、フィルム及び/又は機能性物質の手触り感触を変えることもできる。それらは、基材の手触りをより快適にすることができる。好適な障壁剤としては、ゼオライト、ベントナイト、タルク、雲母、カオリン、シリカ、シリコーン、デンプン、シクロデキストリン、ニス、セラック、ラッカー、ポリオレフィン、パラフィン、ワックス、ポリアクリレート、ポリウレタン、PVA、ポリビニルアセテート、紫外線吸収剤(例えば、マカッチャンの2巻、機能性物質、北アメリカ版、製菓業者出版社(Manufacturing Confectioner Publishing Company)出版(1997年)を参照)、蛍光染料(例えば、EP1,141,207、米国特許第5,082,578号を参照)、又はこれらの組み合わせが挙げてもよい。
【0058】
一実施形態においては、機能性組成物は、以下の物質(単数又は複数)の1つ以上を含んでよい:汚れ放出ポリマー、酸化防止剤、着色剤、防腐剤、蛍光増白剤、不透明化剤、グアーガム及びポリエチレングリコールのような安定剤、抗収縮剤、抗しわ剤、汚れ放出剤、布地クリスプ剤、還元剤、スポッティング剤、殺菌剤、殺真菌剤、抗腐食剤、消泡剤、色相染料、及び同類のもの。一実施形態においては、機能性組成物には、上記に識別された任意成分の任意の1つ以上がない、又は実質的にない。
【0059】
別の実施形態においては、機能化基材は審美的薬剤を含む。審美的薬剤は、装飾的な目的を有することができ、フィルム上の機能性物質の存在を示すことができる。またそれは、機能性物質が放出されるとき、又は製品が「耐用期間を終える」ときに、色の変化、及び/又は図形、模様、商標の出現/消失等を通してそれを知らせることもできる。
【0060】
b.布地柔軟化活性剤
本発明の一実施形態においては、機能性物質は、布地柔軟化活性剤を含む。好ましくは、こうした布地柔軟化活性剤は、(すすぎ時添加に対して)「洗浄時添加」状況で効果的であるが、機能性物質としての第四級アンモニウム化合物の使用は、本発明から除外されない。非限定的な実施例としては、シリコーン、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリグリセロールエステル、ポリエチレンワックス、スクロースエステル、粘土、トリグリセリド、カチオンデンプン、及びカチオン性ポリマーが挙げられる。次の同時係属特許出願におけるシリコーンと他の柔軟化活性剤とのコアセルベートが参照として包含される:US2005/0020476A1及びUS2006/0217288A1。一実施形態においては、布地柔軟化活性剤は、マイクロカプセルに封入されない。別の実施形態においては、機能化基材には、布地柔軟化活性剤がない、又は実質的にない。追加の好適な布地柔軟化活性剤は、US2006/0058214A1に開示されており、これは本明細書に参照として組み込まれる。
【0061】
c.沈着剤
一実施形態においては、機能性物質は、I)(a)主鎖又はペンダント基に窒素部分を有するアクリルポリマー又はコポリマー、あるいは(b)ペンダント基に窒素複素環を有するビニルポリマー又はコポリマーである非四級物質;II)非多糖類ポリクアテルニウム及び他の高分子カチオン性四級物質;並びにこれらの混合物を包含するがこれらに限定されない沈着剤を含む。
【0062】
本明細書において使用するのに好適な沈着剤は、一般に約1000〜約1,000,000、又は約1000〜約200,000、又は約2500〜約1,000,000、又は約5000〜約500,000の範囲内の重量平均分子量を有する高分子物質である。一実施形態においては、沈着助剤は、ポリアクリルアミド又はそれらの誘導体であり、重量平均分子量は、約1,000,000〜約15,000,000である。
【0063】
存在する場合、各沈着剤は、組成物の総重量を基準として、約0.01重量%〜約20重量%、あるいは約0.1重量%〜約15重量%、あるいは約0.2重量%〜約10重量%、あるいは約0.5重量%〜約5重量%を構成する。
【0064】
好適な沈着剤の例は、アミン、イミン、アミド、イミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アミノ酸、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない、窒素部分を有するモノマーから誘導されるアクリルポリマー又はコポリマーである。追加の好適な沈着剤は、米国公開特許出願2006/0058214A1、及び米国特許出願60/921371に開示されており、これらは本明細書に参照として組み込まれる。
【0065】
d.カチオン性ポリマー
用語「カチオン性ポリマー」は、最も広義に、カチオン電荷を有する任意のポリマー(一実施形態においては、カチオン性界面活性剤を包含する)を包含するように本明細書において使用される。次の節に記載されるように、いくつかのカチオン性ポリマーは沈着助剤として機能し得る;又はあるいは、着色布地の外見を改善するために、それら自体に磨耗防止効果のような布地ケア効果を提供する。
【0066】
本明細書の機能性組成物は、典型的には約500〜約5,000,000の分子量(但し、一部のカチオンデンプンは10,000,000程度の高分子量であることができる)、あるいは約1,000〜約2,000,000、あるいは約1,000〜約1,000,000、あるいは約2,000〜約500,000の分子量を有し、少なくとも約0.01meq/g、及び約23meq/gまで、あるいは約0.05〜約8meq/g、あるいは約0.08〜約7meq/g、更にはあるいは約0.1〜約1ミリ当量/g(meq/g)の電荷密度を有するカチオン性ポリマーを、約0.001%〜約10%。あるいは約0.01%〜約5%、あるいは約0.1%〜約2%含有できる。
【0067】
本発明のカチオン性ポリマーは、アミン塩又は第四級アンモニウム塩であることができる。第四級アンモニウム塩が好ましい。それらには、天然のポリマーのカチオン性誘導体、例えばいくつかの多糖類、ガム、デンプン及び特定のカチオン性合成ポリマー、例えばカチオン性ビニルピリジン又はハロゲン化ビニルピリジニウムのポリマー及びコポリマーが挙げられる。好ましくは、ポリマーは水溶性であり、例えば、20℃で少なくとも0.5重量%程度まで水に可溶性である。好ましくはポリマーは、約500〜約5,000,000、好ましくは約1,000〜約2,000,000、より好ましくは約1,000〜約1,000,000、更により好ましくは約2,000〜約500,000、特に約2000〜約100,000の分子量(ダルトン)を有する。一般的に、分子量が低いほど、カチオン基による、通常は四級基による望ましい置換度(D.S.)が高く、又は、同様に、置換度が低いほど望ましい分子量は高いが、厳密な関係は存在しないようである。一般に、カチオン性ポリマーは、少なくとも約0.01meq/g、好ましくは約0.05〜約8meq/g、より好ましくは約0.08〜約7meq/g、更により好ましくは約0.1〜約1meq/gの電荷密度を有していてよい。カチオン性ポリマーは、米国特許第6,492,322号の第6欄65行〜第24欄24行に開示されている。他のカチオン性ポリマーは、CTFA「国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)」、第10版、タラE.ゴットシャルク(Tara E. Gottschalck)及びゲラルドN.マキューエン・ジュニア(Gerald N. McEwen, Jr.)編、米国化粧品工業会(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association)出版、2004年、に開示されている。更に他のカチオン性ポリマーは、米国公開特許出願2003/0139312A1(2003年7月24日公開)、第317段落〜第347段落に記載されている。カチオン性ポリマーの非限定的な実施例としては、米国特許出願60/921371に開示されるものが挙げられ、これは、本明細書に組み込まれる。
【0068】
一実施形態では、カチオン性ポリマーは、多糖類ガムを含む。多糖類ガムのうち、ガラクトマンナンガムであるグアーガム及びイナゴマメガムは市販されており、好ましい。別の実施形態では、カチオン性ポリマーはカチオン性グアーガムを含む。グアーガムは、メイホール・アンド・ステインホール(Meyhall and Stein−Hall)により商標名CSAA M/200、CSA200/50として販売されており、ヒドロキシアルキル化グアーガムは同じ供給元から入手可能である。市販されている他の多糖類ガムとしては、以下のものが挙げられる。キサンタンガム、ガティガム、タマリンドガム、アラビアゴム、及び寒天。商標名N−ハンス(N-Hance)のカチオン性グアーガムはアクアロン(Aqualon)から入手可能である。
【0069】
一実施形態においては、機能性組成物には、任意のカチオン性ポリマーがない、又は実質的にない。
【0070】
e.カチオンデンプン
一実施形態においては、機能性物質は、カチオン性多糖類を含むカチオン性ポリマーを含む。別の実施形態においては、カチオン性多糖類は、カチオンデンプンを含む。用語「多糖類」及び「カチオンデンプン」は、本明細書では広い意味で用いられる。またカチオンデンプンは、布地ケア活性物質として、例えば柔軟性及びコンディショニングのためにも使用できる。カチオンデンプンの非限定的な実施例は、米国公開特許出願2004/0204337及び米国特許出願11/712,173に開示されており、これらは本明細書に参照として組み込まれる。
【0071】
補助組成物
1.粘度/疎水性変性剤
一実施形態においては、機能化基材は、粘度又は疎水性変性剤を包含する変性剤を更に含む。一実施形態においては、変性剤は最小限である。典型的な粘度変性剤としては、シリコーンオイル、ガム、及びワックスが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な疎水性変性剤としては、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、ジプロピレンメチルエーテル(DPM)が挙げられるが、これらに限定されない。こうした変性剤は、香料組成物全体の50重量%未満、あるいは40重量%未満、あるいは30重量%未満、あるいは20重量%未満、あるいは10重量%未満、あるいは5重量%未満、あるいは1重量%未満、あるいは約0重量%、あるいは少なくとも0.1重量%であるが50重量%以下で使用されてよい。理論に束縛されるものではないが、変性剤の過剰使用は、本発明の香料マイクロカプセルによって与えられる芳香感の効率を低減する。
【0072】
2.溶解度変性剤
一実施形態においては、機能性基材は、溶解度変性剤を更に含む。溶解度変性剤は、例えばその溶解度を遅らせる又は促進することにより、あるいは溶解度をpH、温度、イオン強度、酸化還元電位、界面活性剤濃度等のような外的要因に依存させることにより、フィルム及び/又は機能性物質の溶解度を変性する物質である。溶解度変性剤の一例は、選択された程度のアセチル化を有するアミノアセチル化多糖類である。他の好適な溶解度変性剤としては、US2003/0158072A1に記載されるポリマーを挙げてもよく、その水溶解度は、pH、塩濃度、界面活性剤の濃度、又は両方の組み合わせの変化によって誘発される可能性がある。ポリマーは、脂肪酸で中和されたプロトン化アミン機能性を2〜60モル%含有するコポリマー又はターポリマーである。PCT国際公開特許WO02/26928は、洗濯物のように、制御放出目的のために使用されることができる好適な複合ポリマーの非限定的な実施例を提供する。
【0073】
所与のpH範囲において可溶性の追加の好適な溶解度変性剤は、メタクリル酸コポリマー、スチレンヒドロキシスチレンコポリマー、アクリレートコポリマー、ポリエチレングリコールポリビニルアセテート、ジエチルフタレート、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(dioctyl sodium sulfocuccinate)、ポリ−dl−ラクチド−コ−グリコリド(PLG)、ビニルピリジン/スチレンコポリマーに基づく。
【0074】
特定の化学環境において可溶性である溶解度変性剤も市販されている。例えば、苛性可溶性障壁剤は、アルコア(Alcoa)から商標名ハイドラコート−5(Hydra-Coat-5)で市販されている。水分散性の障壁剤は、グリコール酸ナトリウムデンプン、ポリプラスドンをベースとし、FMCコーポレーション(FMC Corporation)から商標名Ac−ジ−ソル(Ac-di-sol)、エドワード・メンデル・コーポレーション(Edward Mendell Corporation)から商標名エキスプロタブ(Explotab)、ISPから商標名クロスポビドン(Crospovidone)で市販されている。
【0075】
3.構造剤
別の実施形態においては、機能性基材は構造剤を更に含む。理論に束縛されることを意図しないが、構造剤の追加は、機能化基材中でのマイクロカプセルの懸濁の助けになると考えられている。本明細書に用いるのに許容可能であるのは、ポリアクリレート及びそれらの誘導体;多糖類及びそれらの誘導体;高分子ガム及びこれらの組み合わせからなる群から選択される高分子構造剤である。ポリアクリレート型構造剤は、特にポリアクリレートポリマー、及びアクリレートとメタクリレートとのコポリマーを含む。好適なポリアクリレート型構造剤の例は、B.F.グッドリッジ・カンパニー(B.F. Goodridge Company)から入手可能なカーボポール・アクア(Carbopol Aqua)30である。本明細書の構造剤として使用してもよい高分子ガムの例は、海生植物、陸生植物、微生物多糖類及び多糖類誘導体として特徴付けることができる。海生植物ガムの例としては、寒天、アルギネート、カラギーナン、及びファーセレランが挙げられる。陸生植物ガムの例としては、グアーガム、アラビアゴム、トラガカントゴム、カラヤゴム、イナゴマメゴム、及びペクチンが挙げられる。微生物多糖類の例としては、デキストリン、ジェランガム、ラムサンガム、ウェランガム、及びキサンタンガムが挙げられる。多糖類誘導体の例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコール、及びヒドロキシプロピルグアーが挙げられる。第二の構造剤は、上記の列挙又はそれらの組み合わせから選択される。許容可能な高分子ガムとしては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、ジウタン(Diutan)(登録商標)ゴム(例えば、CPケルコ(CP Kelco))、及びグアーガムが挙げられる。高分子ガム構造剤が本明細書で採用される場合、この種類の許容できる物質はジェランガムである。ジェランガムは、グルコース、グルクロン酸、グルコース及びラムロース残基を含有する四糖類繰返し単位であり、シュードモナスロディア(Pseudomonaselodea)ATCC31461の発酵によって調製される。ジェランガムは、CPケルコU.S.社(CP Ke
lco U.S.,Inc.)によってケルコゲル(KELCOGEL)の商標名で市販されている。
【0076】
更に別の実施形態では、機能化基材は、可塑剤、例えばグリセロール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール及びこれらの混合物を更に含む。グリセロールは、好ましい可塑剤の1つである。他の有用な添加物としては、崩壊助剤が挙げられる。
【0077】
機能化基材の特性
1.マイクロカプセルの分布
一実施形態においては、複数個のマイクロカプセルが機能化基材に組み込まれる。別の実施形態においては、複数個のマイクロカプセルは、機能性基材の至るところに分散する。本明細書で使用するとき、「分散する」とは、マイクロカプセルが、機能性組成物中に存在することを意味し、秩序及び非秩序分散パターンを包含する。一実施形態においては、機能性基材の全体に分散した複数個のマイクロカプセルは、完全にランダムである。更に、分散したマイクロカプセルは、機能性基材上に印刷、積層、コーティングされず、むしろ複数個のマイクロカプセルは、機能性基材内の全体に存在する。別の実施形態においては、複数個のマイクロカプセルは、機能性基材の全体に均一に分散される。更に別の実施形態では、マイクロカプセルは、機能性基材の全体に分散した複数個のマイクロカプセルを既に含有する機能性基材上に印刷される、積層される、又はコーティングされる。機能性基材上に印刷される、積層される、又はコーティングされるマイクロカプセルは、機能性基材の全体に分散した複数個のマイクロカプセルと同一であることができ、又は異なることができる。
【0078】
一実施形態においては、複数個のマイクロカプセルは、パターン又はデザイン、あるいはランダムな別個の領域のような機能化基材の控えめな(discrete)領域(単数又は複数)に局在化される。別の実施形態においては、複数個のマイクロカプセルは、機能化基材の任意の控えめな(discreet)領域に局在化されない。
【0079】
2.体積分率
本発明の一実施形態においては、機能化基材は、本明細書において定義される体積分率計算により計算して、マイクロカプセルの機能化基材に対する体積分率が約0.1〜約0.8、あるいは約0.2〜約0.7、あるいは約0.3〜約0.6、あるいは約0.4〜約0.5である。
【0080】
体積分率の計算方法:
微粒子が視覚的に検出されなくなるまで、物品を水又は水溶液に溶解する。事前に計量した等級番号44の定量的濾紙(3μmに至るまで粒子保持、ワットマン(Whatman)(ニュージャージー州、フロールハムパーク(Florham Park))から入手可能)を使用して、水溶液を濾過する。当該技術分野において開示される方法により、ろ液中の他の不溶性物質からマイクロカプセルを分離する。マイクロカプセルを含む濾紙を風乾させ、全ての水及び/又は溶媒を蒸発させる。保持されたマイクロカプセルの重量を決定するために乾燥濾紙を計量する。濾過したマイクロカプセルの少量を回収して、粒子寸法測定器(例は、光学顕微鏡検査及びレーザー光線散乱法である)並びに製造業社の指示に従って分析し、平均粒子直径を得る。平均カプセルの容量(VPMC)を決定する。粒子密度が水と等しいと仮定し、平均カプセルの重量を決定する。ろ液中のカプセルのおよその数を計算する(NPMC)。これらの値を使用して、マイクロカプセル含有物品中のカプセルの体積分率を計算する。
【数1】

当技術者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の体積分率の計算方法を使用できることを認識するであろう。
【0081】
3.マイクロカプセル濃度
本発明の一実施形態においては、機能化基材のマイクロカプセル濃度は、機能化基材100グラム当たり約1×10のマイクロカプセル〜機能化基材100グラム当たり約5×1010のマイクロカプセル、あるいは機能化基材100グラム当たり約1×10のマイクロカプセル〜機能化基材100グラム当たり約1×1010のマイクロカプセル、あるいは機能化基材100グラム当たり約1×10のマイクロカプセル〜機能化基材100グラム当たり約5×10のマイクロカプセルである。
【0082】
4.引張特性
本発明の一実施形態においては、機能化基材の破断時の伸びは、約0パーセント〜約800パーセント、あるいは約1パーセント〜約200パーセント、あるいは約2パーセント〜約50パーセントである。別の実施形態においては、最大荷重時の引張応力は、約0MPa〜約15MPa、あるいは約1MPa〜約5MPa;あるいは約1.2MPa〜約3MPaである。
【0083】
5.溶解速度
本明細書において定義されるように、溶解速度とは、物品が水溶液に浸漬されるとき、溶解する速度を意味する。一実施形態においては、機能化基材は、その機能化基材が、低温、すなわち4℃(40°F)又は10℃(50°F)、及び標準大気圧において、水溶液に浸漬されるとき、急速溶解速度を含む。本明細書で使用するとき、急速溶解とは、機能化基材が、約0.1グラム/分〜約0.5グラム/分、あるいは約0.15グラム/分〜約0.4グラム/分、あるいは約0.2グラム/分〜約0.3グラム/分の速度で溶解することを意味する。別の実施形態においては、機能化基材の溶解速度は、従来の洗浄機を使用する洗浄及び/又はすすぎサイクル間に、機能化基材が水溶液に浸漬されるとき、機能化基材が洗浄及び/又はすすぎサイクルの完了前に溶解する程度である。
【0084】
溶解速度は、本明細書において実施例に記載される溶解速度決定法に従って、決定できる。
【0085】
6.坪量
一実施形態においては、機能化基材は坪量を含む。機能化基材がフィルムを含む場合、機能化基材は、約25g/m〜約150g/m、あるいは約50g/m〜約100g/mの秤量を有する。
【0086】
機能化基材の形態
一実施形態においては、機能化基材は、従来の洗浄機における洗浄及び/又はすすぎサイクルに物品を投与するために使用できる任意の形態である。好適な形態の例としては、フィルム、粉末、固体、バー、発泡体、空気安定性発泡体、積層フィルム、液体、ムース、又はゲルが挙げられる。別の実施形態においては、機能化基材は、タブレット、ポーチ、カプセル、及びサッシェを包含する1回用量形態である。
【0087】
本発明の洗濯製品の実施形態において、機能化基材は、機能性物質を互いに分離するために(特定の機能性物質の相性が合わない場合)、並びに特定の機能性物質の放出又は相対量を制御するために、使用できる。機能化基材は、複数個の機能性物質を含む層若しくは複数の層、又は異なる機能性物質を含む別個の領域に、2つ以上の機能性物質を含むことができる。
【0088】
1.フィルム寸法
本発明の一実施形態においては、機能性基材はフィルムを含む。一実施形態においては、フィルムは、薄層又は実質的に平面形態又はシートを含む。本明細書において定義されるように、「実質的に平面」とは、フィルムが、一般に平らなシートの形態であり、曲げることができる、折ることができる、又は別の方法で変形することができるが、それでも平らなシートの一般形状を有することを意味する。
【0089】
一実施形態においては、フィルムの平均厚さは、約1mm未満、あるいは約0.5mm未満、あるいは約0.15mm未満、あるいは約0.1mm未満、あるいは約0.05mm未満、あるいは約0.04mm未満、あるいは約0.01mm超過である。一実施形態においては、機能化基材の平均厚さは、約0.025mm〜約0.160mm、あるいは約0.060mm〜約0.130mmである。
【0090】
別の実施形態においては、機能化基材は、ウエファー、発泡体、スポンジ、バー、麺及びパスタ形状、あるいは他の三次元の形態を含む。これらの場合、機能化基材の平均厚さは、約10センチメートルまでも大きい;あるいは約1cm未満;あるいは約0.5cm未満であることができる。
【0091】
理論に束縛されることを意図しないが、一般に、より厚い基材は、より薄い基材よりも、水溶液に溶解するのにより長時間かかると考えられている。通常、香料の遅延放出が望まれるが、機能化基材は、染み洗濯物に関して、溶解にそれほど長くかかり得ない。一実施形態においては、機能化基材は、ひと山の洗濯物内に設置すると、洗濯洗浄サイクルの時間枠内に完全に溶解する(水温に関わりなく)。別の実施形態においては、機能化基材は、ひと山の洗濯物内に設置すると、洗濯物すすぎサイクルの時間枠内に完全に溶解する(水温に関わりなく)。
【0092】
一実施形態においては、機能化基材は、独立型製品として又は別の製品の一部として、一実施形態においては、最大線寸法約0.2mm〜約100mm、あるいは約0.5mm〜約50mm、あるいは約1〜約20mmを有する小片の形態に、切断又は調製される。基材は、粉末、液体又はゲル組成物の一部として添加される又は組み込まれる「コンフェティ」に切断又は調製されてもよい。別の実施形態においては、機能化基材は、花、花びら、又は葉が挙げられるが、これらに限定されないものに似ている形状に切断又は形成される。別の実施形態は、フィルムの断片を切り離すことができるように、穿孔を持つテープのように分与する、ロール上のフィルムストリップの形態であることができる。一実施形態においては、フィルムのロールは、別個の容器内に又は封鎖の区画内に含有されることができる;例えば、液体布地コンディショナー及び/又は液体洗剤製品のビンの封鎖。機能化フィルムは、機能性物質の供給を制御するだけでなく、敏感な成分を保護するのに効果的な方法である。追加の保護を提供するために、機能性物質が切片の縁部で露出する可能性がないように、切断操作を行うことができる。これは、切断片の縁部に暴露した機能性物質と反応する可能性のある液体/ゲル形態の製品に、機能化された切断片を導入するときに特に有利である。
【0093】
一実施形態においては、フィルムは、約0.5グラム〜約5グラム、あるいは約1グラム〜約3グラム、あるいは約1.5グラム〜約2グラムの重量の片に切断される。
【0094】
一実施形態においては、基材の小片は、洗濯物洗剤製品(例えば、乾燥、液体又は他の形態)の一部として組み込まれる。あるいは、基材の小片は、液体、すすぎ時添加、布地柔軟化製品の一部として組み込まれる。小片は、製品の組成物の全体に実質的に均一に分配されてもよい。小片は、供給される異なる効果を識別するために、異なるサイズ、色、及び形状であってもよい。組成物における構造剤又は増粘剤の使用は、基材の小片を懸濁させ、組成物の全体に実質的に均一に分配させておく1つの方法である。一実施形態においては、液体洗濯洗剤製品及び/又は液体布地柔軟化製品は、透明又は半透明である。透明又は半透明の液体は、基材の小片をよりはっきり見せることができる。洗濯物組成物は、組成物中の小片をユーザーに示すために、透明、実質的に透明、半透明、又は実質的に半透明である複数の1回用量容器(例えば、ビン)あるいは単一単位容器に含有されてよい。洗濯物組成物は、2以上の相からなってもよく、基材片は、相のいずれかの1つ、いくつか、又は全てに分配されてもよい。一実施形態においては、容器の表面積の少なくとも10%、あるいは少なくとも20%、あるいは少なくとも30%、あるいは少なくとも40%、あるいは少なくとも50%、あるいは少なくとも75%、あるいは少なくとも90%、しかし、あるいは99.9%以下は、透明、実質的に透明、半透明、又は実質的に半透明である。こうした物質としては、ポリエチレンテレフタレート(すなわち、PET、PETE、又はPETP)が挙げられる。小片は、均一又は実質的に均一な形状又はサイズであってよく、あるいは製品設計に基づいて異なってよい。小片は、正方形、三角形、長方形、円、球形状ビーズ又は他の幾何学的形状、あるいは完全にランダム、あるいはこれらの組み合わせであってよい。各小片は、同じ色を有してよく、又は異なる色を有してよい。
【0095】
2.基材層化
一実施形態においては、機能化基材は単層基材である。一実施形態においては、フィルムは多層基材を含む。
【0096】
フィルムが多層を含む一実施形態においては、フィルムの第一層の組成物は、フィルムの第二層の組成物とは異なる。別の実施形態においては、フィルムの第一層の機能性物質は、フィルムの第二層の機能性物質とは異なる。異なる機能性物質の例としては、第一機能性物質がPMCを含み、第二機能性物質がPMC以外の機能性物質であり得る実施形態;あるいは第一機能性物質が第一PMCを含み、第二機能性物質が第二PMCを含む実施形態を挙げることができ、これにおいて封入された香料構成要素は異なる。これらの異なる封入香料構成要素は、異なる化学式を有することができ、又は異なる香り効果を作ることができる。別の実施形態においては、本発明は2より多い数の層を有し、各層は機能性物質を含み、少なくとも2つの層は異なる機能性物質を有する。
【0097】
2つ以上の層を有することの利点の1つは、比較的安価であるフィルムを、より高価なフィルムのまわりに設置でき、それによって総費用を下げることができることである。更に、特定の基材は、より多量の特定の機能性物質に適合できる可能性がある。多層系を提供することによって、機能性物質への基材層の組み合わせは、層が特定の機能性物質によりよく適合するように、最適化されることができる。多層系の効果としては、より高い装填量を提供すること、基材安定性を促進すること、特定の機能性物質間の相互作用を単離すること等が挙げられるが、これらに限定されない。更に、特定の層中に特定の機能性物質を設置することによって、洗浄及び/又はすすぎへの、機能性物質の放出を制御することができる。例えば、洗浄及び/又はすすぎの初期に望ましく放出される機能性物質は、外層(単数又は複数)上に設置されることができ、洗浄及び/又はすすぎの後期に望ましく放出される機能性物質は、内層(単数又は複数)上に設置されることができる。
【0098】
別の実施形態においては、物品は、第一機能化基材及び第二機能化基材を含む。物品が2つ以上の機能性基材を含む場合、水性攻撃を受けやすい組成物、マイクロカプセル、及び/又は機能性組成物は、制御放出を提供するだけでなく、適合性を制御するために異なる基材間で異なることができる。
【0099】
3.発泡体
本発明の一実施形態においては、機能化基材は、空気安定性である発泡体の形態であるが、水と接触すると、すなわち水に溶解すると、不安定である。好適な発泡体の実施形態は、物品中の、又は物品を内包する又はコーティングするためのシート形態内の、結合剤として使用されるスポンジ様構造の粒子形態であってよい。
【0100】
高分子物質及び本発明に従う機能性組成物を含む特定の発泡体構成要素を使用するとき、活性物質の有効供給及び活性物質の保護は、空気中の湿気及び化学反応に対してだけでなく、物理的力に対しても、達成されることが見出された。発泡体構成要素は、常湿保存条件下において空気安定性であるが、水不安定性(水性攻撃に対して)であるため、 水に崩壊又は溶解し、活性物質を供給することが見出される。更に、発泡体は、その表面上で活性物質を吸収する、又は発泡体のセルに活性物質を吸着する、活性物質のための基材として使用される可能性がある。機能的な活性物質は、マイクロカプセルの形態又は遊離活性物質又は両方であることができ、2以上の活性物質を使用することができる。加えて、発泡体構成要素は、物品に構造一体化を提供する結合剤の働きをすることができる。更に、発泡体は、物品を保護し、物品の早期離解又はダスティングを防ぐ、外側コーティングとして使用されてよい。
【0101】
好ましくは、発泡体構成要素は、安定な可撓性発泡体である。発泡体構成要素が、空気と接触するとき安定であり、水と接触する際に不安定であることは、重要である。好ましくは、発泡体構成要素は、水との接触の際、活性成分又はその一部を放出し、好ましくは発泡体構成要素は、水との接触の際、一部が又は完全に崩壊する、分散する、変性する、及び/又は溶解する。好ましくは、発泡体構成要素は、組成物に組み込まれることができる粒子の形態、又はシートの形態であってもよく、好ましくは、組成物のための保護コーティングとして使用できる発泡体シートを形成できる。
【0102】
発泡体構成要素の製造方法
発泡体構成要素は、当該技術分野において既知の発泡体構成要素を製造する任意の方法により製造されてよく、好ましくは少なくとも水性攻撃を受けやすい組成物と複数個のマイクロカプセルとを混合する工程を包含する。一実施形態においては、方法は以下の工程を含む:
a)水性攻撃を受けやすい組成物を得る工程;
b)その組成物に化学的又は物理的に気体を導入する工程;
c)工程b)の前に、及び/又は工程b)と同時に、及び/又は工程b)の後に、機能性物質を封入する複数個のマイクロカプセルを添加する工程;
d)所望により、a)、b)又はc)の1つ以上の工程において、好ましくは可塑剤を包含する更なる成分を、及び/又は水溶液と共に添加する工程;並びに
e)所望によりb)、c)又はd)の1つ以上の工程後、水溶液又はその一部を除去する工程。
【0103】
好適な高分子物質の発泡体、並びにこうした発泡体及び/又はスポンジの形成方法の非限定的な実施例は、米国特許第7,056,877号、同第4,824,582号、及び同第6,033,729号に開示されており、これらは本明細書に組み込まれる。
【0104】
4.他の形態
本発明の一実施形態においては、機能化基材は、皮膚上での化粧用途、あるいは硬質表面(例えば、食器又は床)若しくは皮膚の洗浄に適した界面活性剤を更に含む。好適な界面活性剤としては、石鹸、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。更に、一実施形態においては、機能化基材は、担体物質を更に含む。好適な担体物質としては、可溶性又は一部可溶性デンプン、水溶性非晶質固体、又は半結晶性水溶性固体、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態においては、担体物質はポリエチレングリコールである。更に別の実施形態では、物品は、皮膚上での化粧用途に適した界面活性剤、並びに担体物質及び香料を封入するマイクロカプセルを含む機能性物質を含む機能化基材を含む。この担体物質の非限定的な例は、デンプン又はデンプン誘導体、石鹸、及びこれらの組み合わせである。一実施形態においては、物品は、プロピレングリコール、ソルビトール、グリセリン、ラウレス硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ココイルイセチオネートナトリウム、トリエタノールアミン、水、及び香料マイクロカプセルを更に含む。
【0105】
5.1回用量を含む基材
本発明の一実施形態においては、機能化基材は、1回用量洗浄又は布地コンディショニング製品を含む。製品は、単区画又は多区画1回用量製品であることができ、所望により真空又は熱成形された多区画水溶性ポーチであり、区画の1つは、所望により固体粉末組成物を含有する。1回用量手法のための許容可能な製造方法は、US2005/0065051A1;US2005/0061703A1に記載されている。単区画ポーチは、第1フィルム片を型に入れて、真空手段によってフィルムを延伸してポケットを形成し、形成されたポケットにゲスト−ホスト錯体を包含する布地ケア活性物質を充填してから、形成されたポケットに別のフィルム片を配置して封止することにより作製できる。
【0106】
粉末及び液体組成物を含む多区画ポーチは、第1フィルム片を型に入れて、真空手段によってフィルムを延伸してポケットを形成し、そのフィルムをピンで留め、粉末組成物を投入して詰めてから、第2フィルム片を第1ポケット上に配置して新しいポケットを形成し、この新しいポケットに液体組成物を充填し、一枚のフィルム片をこの液体を充填したポケット上に配置して、3枚のフィルムを合わせて封止して二重区画のポーチを形成することによって作製できる。本明細書に開示される任意の機能性物質は、単区画又は多区画ポーチ内に含有されることもできる。
【0107】
基材形状及び効果の調和
本発明の一実施形態においては、上記に開示される形態の任意の機能化基材は、形状を有し、これにおいて形状及び効果及び/又は少なくとも1つの機能性物質とが調和される。形状により、機能化基材の形態が、当該技術分野において既知の任意の方法によって、機能化基材上に設置できる任意の図面、文言、及び/又は配色を包含できることも意味する。これは、香り及び形状名、並びに商標を包含する。本明細書で使用するとき、「調和された」とは、形状と、消費者所望の効果及び/又は機能性物質との間の任意の関係を意味するので、消費者は、形状が効果(香り又は他の効果)並びに/若しくは機能性物質を表し、あるいは逆もまた同様であることを理解する。例えば、調和の一種としては、効果がシトラスの香りである場合に機能化基材がオレンジとして成形される、又は効果がフローラルの香りである場合に基材が花として成形される。一実施形態においては、複数個のマイクロカプセルが香料を封入する場合、及び香料が特定の芳香感を提供する場合、機能化基材の形状は、香料によって発生する芳香感と調和する。
【0108】
調和された形状及び芳香感の非限定的な実施例は、形状及び香りの任意の天然又は人工の組み合わせ、一般に花(flower blossoms)又は花びら(flower petals)を包含する。形状及び香りの他の天然由来の組み合わせとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ローズ、ローズの花びら、ラベンダー、ライラック、ヒマワリ、キャノーラ花、デイジー、チュ−リップ、スイセン、ダリア、スイカズラ、蜂巣、アサガオ、ジャスミン、スイレン、ユリ、カーネーション、ラン、白ラン、ハスの花、モクレン、バイオレット、パンジー、オレンジ、レモン、ライム、アプリコット、タンジェリン、プラム、マンダリン、マンゴー、キウイ、リンゴ、桃、ナシ、チェリー、グレープ、キュウリ、ラベンダー、バニラ、バニラビーン、コーヒー豆、アロエベラ植物、カモミール、ユーカリ、ボタン、クチナシ、白クチナシ、イラン、スズラン、ヒアシンス、リンデン花、モクセイ、チュベローズ、オレンジフラワー、カキ、ベルガモット、バナナ、イチゴ、ブルーベリー、グズベリー、ラズベリー、クロイチゴ、ジュニパーベリー、ダイオウ、パパイヤ、グアバ、パッションフルーツ、グレープフルーツ、ホワイトグレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ、ボイゼンベリー、スイカ、ハネデューメロン、カンタロープ、ザクロ、茶の葉、白茶、松/松ぼっくり、スギ、カエデ葉、オーク、トネリコ、ニレ、雨滴、上述の任意の果物又は野菜のスライス、ヤシの木、桜の花、クローバー、シナモンスティック、ツタ、水滴、海洋波、白ライラック、レモンバーベナ、米花、ショウガ花、綿の花、ミルクと蜂蜜、麻の花、オート麦、及びスイトピー。形状及び香りの人工的な組み合わせとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:タルク粉体の香りと赤ん坊のおくるみ、ビン、ぬいぐるみの動物、リンネル、枕、及び寝具、浴室及びタオルの形状;自動車形状の小型新車、朝露の香りと雨滴、露滴、太陽、月、星、又は雲の形状。
【0109】
別の実施形態においては、機能化基材は、包装材料の一部として、又は包装材料中に同封される内容物の一部として、1回用量布地ケア製品を(例えばパウチ、カプセル及びサッシェ)含む。一実施形態においては、包装材料は、機能化基材の少なくとも一部で形成される。例えば、典型的に、単区画1回用量形態は、包装材料の分離した底層及び上層を有し、この実施形態に従うと、1層又は両層が、本発明の機能化基材を含むことができる、あるいは本発明の機能化基材からなることができる。同じことが多区画1回用量形態にも当てはまり、包装材料の上層、底層、及び/又は任意の中間層が、本発明の機能化基材を含むことができる、あるいは本発明の機能化基材からことができる。
【0110】
共鋳造基材の製造方法
本発明の別の態様に従うと、本発明に従う機能化基材の製造方法が提供される。方法は以下の工程を含む:
a.水性攻撃を受けやすい組成物と複数個のマイクロカプセルとを組み合わせて、組み合わせ物を形成する工程;
b.組み合わせ物を低剪断攪拌にて混合し、混合物を形成する工程;
c.混合物を脱気して、少なくとも一部が脱気された混合物を形成する工程;
d.少なくとも一部が脱気された混合物を鋳造して、鋳造された少なくとも一部が脱気された混合物を形成する工程;及び
e.鋳造された少なくとも一部が脱気された混合物を乾燥して、機能化基材を製造する工程。
【0111】
本明細書で定義されるように、「少なくとも一部が脱気された混合物」とは、混合物に存在する空泡が存在するならば、混合物中に取り込まれる空気の少なくともいくらかが漏れ、それによって混合物中での空泡形成の発生が減少することを意味する。一実施形態においては、機能化基材には、約1cm〜約1ミクロン、あるいは約1mm〜約5ミクロン、あるいは約0.5mm〜約25ミクロン、あるいは約0.1mm〜約50ミクロン、あるいは約0.05mm〜約200ミクロン、あるいは約0.01mm〜約300ミクロンの空泡直径を有する任意の空泡がない。別の実施形態においては、低剪断攪拌は、複数個のマイクロカプセルの最小量の破裂を引き起こす任意の程度の混合、例えばビーカー内で300rpm未満のような低速で電磁攪拌棒にて混合物を混合することを含む。機能化基材を発泡体又はスポンジの形態に製造する別の実施形態においては、脱気工程は省略されてもよい。更に、一実施形態においては、水性攻撃を受けやすい組成物は、以下の工程によって入手可能である。
a)水溶性フィルムを得る工程;
b)その水溶性フィルムを水溶液に溶解する工程;及び
c)少なくとも一部の水溶液を蒸発させて、所望の組成物を得る工程。
【実施例】
【0112】
1.PVAを含む機能化基材の製造
装置:
本発明に従う機能性基材を製造するのに使用できる装置は、ガードコ・オートマティック・ドローダウンマシーン(Gardco Automatic Drawdown Machine)DP−8201(ポールN.ガードナー社(Paul N. Gardner Company, Inc.)(フロリダ州、ポンパノビーチ(Pompano Beach))から入手可能)である。ガードコ・オートマティック・ドローダウンマシーン(Gardco Automatic Drawdown Machine)のキャスティングテーブルは、様々な深さのキャスティングバー及びスライドガラスを備える。
【0113】
水性攻撃を受けやすい組成物を得る:
● 点大量のポリビニルアルコール(PVA)樹脂を得る。あるいは、M8630ポリビニルアルコール1.5mL厚さフィルム(モノソル(MonoSol)LLC(インディアナ州、メリルビル(Merrillville))から入手可能)を、金属ビーカーにフィルムと水を添加することによって、PVA溶液に変換することができる。大部分のフィルムが溶解するまで、スパチュラで手作業にて混合する。ビーカーを水浴に入れて、70℃に加熱し、フィルムが水に完全に溶解するまで、オーバーヘッドミキサーを使用して混合する。フィルムがより速く溶解するのを促進するために、水を過剰に添加することができる。一旦、フィルムが溶解したら、水を所望の重量まで蒸発させる。混合物を室温まで冷却する。
● PVA樹脂溶液又はPVAフィルム溶液をマイクロカプセルスラリーに添加する。
● 低速(300rpm未満)で10分間混合する。
● フィルム内での空泡の形成を避けるために、処方を一晩脱気させる。
【0114】
フィルム鋳造:
● 鋳造されたフィルムのための担体シートとしての役目を果たすように、スライドガラス上に透明性シートを(光沢のある側を上にして)置く。
● 透明性シート(寸法24.5cm×20.0cm)の境界のまわりに、5層のマスキングテープを箱形状に置く。テープ層の数がフィルムの厚さを決定する。
● 透明性の表面をイソプロピルアルコールで処理し、油性残留物を取り除く。
● フィルムの解放を補助するために、透明性の表面を非イオン性界面活性剤の薄層(例えば、BASF社(BASF Corporation)(ニュージャージー州、マウントオリーブ(Mount Olive))から入手可能なポリ−タージェント(Poly-Tergent)SLF18)で被覆する。
● キャスティングテーブル上にスライドガラスを設置し、クランプを使用してそれを固定して、テープボックスの右側の内側縁部で60〜65グラムのスラリーを分与する。
● 電源ボタンをオンに切り替えることにより、ドローダウンマシーンをオンにする。
● ワイヤの巻きついた58/90キャスティングバーの末端部を、バーホルダーに備えられるスロットに固定して、それをスラリーの隣のテープボックスの右側に平らに置くように転がす。
● ドローダウンマシーン設定を以下に設定する:
○ 速度調整−11.5設定
○ ストローク長−30cm(12インチ)
● 試験開始ボタンを押してスライドガラスを通じてキャスティングバーをスライドさせ、スラリーを塗り広げる。スラリーが均一に塗り広げられなければ、手動リセットボタンを押し、後方にスラリーを塗り広げる。
● スライドガラスをクランプから取り除き、鋳造されたフィルムを4〜6時間風乾させる。
● スライドガラスからテープを剥離し、鋳造されたフィルムを担体シートから注意深く解放する。フィルムが容易に剥離されなければ、かみそりの刃を使用して、透明性に対して滑らかに切り、フィルムを剥離する。
【表1】

アクチ−ケム・スペシャリティーズ社(Acti-Chem Specialties Inc.)(コネチカット州、トランバル(Trumbull))から入手可能なイソチアゾリノンに基づく殺菌剤。
ローディア・ノベケア(Rhodia Novecare)(ニュージャージー州、クランブリー(Cranbury))から入手可能な典型的な分子量900,000〜1,000,000を持つ水性カチオン性コポリマー。
シグマ・アルドリッチ(ミズーリ州、セントルイス(St. Louis))から入手可能なガラクトマンナンから構成される高分子量(50,000−8,000,000)多糖類から主に成る陸生植物ガム。
【0115】
2.デンプンを含む機能化基材の製造
デンプン系機能性基材の製造方法は、PVA系機能性基材の製造方法と類似している。一例としては、以下が挙げられる:水及びデンプンをガラスビーカーに添加し、電磁攪拌棒で攪拌しながら1時間、90℃で加熱する。可塑剤及びM8630PVAフィルム(又はPVA樹脂)を熱いデンプン溶液に添加し、混合する。溶液を室温まで冷却する。PMC及び全ての他の成分を添加し、低速(約300rpm未満)で約10分間混合する。フィルム中において空泡の形成を避けるために、処方を12時間まで脱気させる。
【表2】

カーギル社(Cargill Inc.)(ミネソタ州、ミネアポリス(Minneapolis))から入手可能な酸化コーンスターチ。
【0116】
3.フィルム溶解試験
溶解速度決定方法:
装置:
● 直径100mmの600mLビーカー
● 電磁攪拌器
● 電磁攪拌棒(5cm)
● 精度1℃の温度計(0〜100℃)
● 最も近い秒に正確なタイマー
● ポラロイド35mm×23mmスライド枠(外寸:50mm×50mm)
● スライド搭載ホルダー
● 蒸留水
【0117】
試薬及び溶液:工業用水/水道用水
手順:
水溶性フィルムの崩壊時間を評価する手順は、モノソル(MonoSol)試験方法205(ASTM205)に準拠した。
【0118】
機能化基材試料から3つの試験片を切断する。各フィルム試料の厚さをマイクロメーターを使用して測定する。別個の35mmスライド枠に各試験片を置き、フィルムのしわを避ける。枠内のフィルムの向きは、測定に影響を及ぼさない。
【0119】
600mLビーカーを500mLの水道用水/工業用水で満たす。水温を温度計で測定し、必要ならば、温度を約4℃(40°F)に維持するために加熱又は冷却する。温度を±1℃に制御する。水の温度を記録する。
【0120】
ビーカーを電磁攪拌器上に置き、電磁攪拌棒をビーカーに添加し、攪拌機をオンにして、最終水レベルが、最初の水高の5分の4であるように、渦高を制御して攪拌速度を調整する(渦の底が400mLマークである)。渦の深さをマークする。
【0121】
スライド枠の長い端が水表面と平行であるように、スライド搭載ホルダーのワニ口クランプに35mmスライド枠を固定する。フィルム表面が水の流れに対して垂直であるように、スライドを置くべきである。
【0122】
1つの動作で、固定されたスライド及びクランプを水中に落とし、タイマーを開始する。スライドは、壁から5mm±約1mm離れていなければならない。枠の短辺は、ビーカーの側面と平行でなければならない。フィルムは、水に完全に浸漬していなければならない。
【0123】
フィルムの最初の破壊までの時間は、崩壊時間(又は破裂時間)と呼ばれる。実質上全てのフィルム断片がもはや見えないときに「溶解」が起こる。フィルムがスライドマウントから水中に遊離粒子として離れる時間は、分散時間と呼ばれる。溶解時間に影響するであろうので、試験が終わるまで、水からスライドを取り除かない。各フィルム試料から、3回の繰り返しについて崩壊及び溶解時間を記録する。
【0124】
4℃(40°F)での溶解試験結果
【表3】

【0125】
4.花びら形成
実施例I〜VIからのフィルムを、長さ約100mm、最広点の幅約70mmを持つ、重量およそ1〜2グラムの花びら形状にダイカッターにて切断する。
【0126】
5.物品性能試験
標準北アメリカ洗浄条件下における洗浄サイクルを通して、実施例Iからの花びらの形態に切断した物品を添加し、乾燥機を使用した:
装置:
○ 洗浄機:ケンモア(Kenmore)80シリーズ(モデル26−26952)
○ 乾燥機:ケンモア(Kenmore)(モデル26−66922)
洗浄機設定:
○ 64L(17ガロン)水充填
○ 単回すすぎ
○ 12分間サイクル
○ 攪拌を「通常」(遅い、早い)に設定
○ 洗浄サイクルにおいては32℃(90°F)の水道用水
○ すすぎサイクルにおいては16℃(60°F)の水道用水
乾燥機設定:
○ 綿高熱設定
○ 50分間タイマー
99.4gのタイドフリー(Tide Free)(登録商標)液体洗剤
2.5kg(5.5ポンド)の剥離布地バラスト
【0127】
花びらの異なる3つの量(1、3、及び5花びら)を、花びらなしの対照処理と比較し、100%綿タオルのぬれた状態及び乾燥状態の布地臭気性能について評価した。この評価からの結果は、洗浄サイクルへの花びらの添加が、ぬれた状態及び乾燥状態の布地臭気を著しく向上することを示した。洗浄液に投与する花びらの数を増やすと、布地臭気に付加的な効果が提供される。加えて、花びらで処理したタオルは、乾燥した状態の著しい布地臭気効果を2週間まで提供し続け、香り寿命を増加した。
【0128】
同一の花びら投与を、洗濯プロセスの洗浄サイクルの代わりにすすぎサイクル中に花びらを添加することによって、同一の洗浄条件下で評価した。すすぎサイクルに添加された花びらについての布地臭気評価は、洗浄サイクル中に投与された花びらについて観察される布地臭気評価よりもぬれた状態及び乾燥状態の布地臭気をより高く向上した。
【0129】
物品の使用方法
また本発明は、一般に水性洗濯槽内に、本発明に従う1つ以上の物品を分与することによって調製される洗濯槽溶液をも提供する。得られる溶液は、自動洗浄機、手動洗浄機器、タブ又は他の容器において調製される予浸又は洗浄又はすすぎサイクル溶液を含んでよい。溶液は、所望により洗剤及び/又は布地柔軟化組成物を含有してよい。
【0130】
布地ケア組成物を洗濯溶液中に分散させた後、洗濯溶液は、約0.1ppm〜約500ppmの機能性組成物を含有することが好ましい。
【0131】
機能性組成物、物品、及び投与は、この開示を通して詳細に記載される通りである。1回用量又は物品は、洗浄及び/又はすすぎ槽溶液に直接分与されてよい。本発明に従う物品は、温水及び冷水溶液の両方において、及び溶液中に他の物質が存在するとき、広範囲のpH値に渡って、水溶液中で適用できる。
【0132】
すすぎ槽溶液に物品を分与するべきであるが、分与が洗浄サイクルの開始時に望まれる場合、物品又は投与を、遅延分与のために分配手段に設置してよい。分配手段は、分与引き出し及び上面荷重攪拌ディスペンサーのような、市販の洗浄機に組み入れられる分与機器を包含するであろう。同様に、分配手段は、洗浄サイクルの開始時に機械のタブに設置されてよい内蔵型分与機器も包含するであろう(一例はダウニー(Downy)(登録商標)ボール)。前述のように、本発明の方法において特に有用な内蔵型分与機器は、洗浄に続きすすぎサイクルに先行するスピンサイクル中に、開くように設計されているものである。内蔵型分与機器を、物品又は投与を分与するために使用するとき、布地ケア組成物の溶解及び分与を助けるために、水又は液体布地柔軟化組成物をもディスペンサーに添加することが好ましい。より具体的には、約5mL〜約150mLの水及び/又は液体布地柔軟剤を内蔵型機器に添加することが好ましい。
【0133】
カスタマイズされた洗濯溶液の調製方法は、所望により、香りのある若しくは香りのない洗剤及び/又は布地柔軟剤組成物の使用を包含するであろう。消費者が、自分の布地に沈着するであろう芳香を選択する機会が欲しいであろうことが予期されるので、こうした洗剤及び布地柔軟化組成物には香りがないことが好ましい。任意の洗剤及び/又は布地柔軟化組成物は、当該技術分野において既知である任意の洗剤又は布地柔軟剤であってよく、ユニット化された又は計量された量のバルク組成物であってよい。
【0134】
従来の洗濯製品の追加の使用の有無にかかわらず、本発明は、基材が異なる香料を含有できる2つ以上の機能化基材をブレンドすることによって、ユーザーが彼ら自身のカスタマイズされた芳香感を設計できるようにする。例えば、ユーザーは、シトラスの香り付きの第一機能化基材(対応する形状の有無にかかわらず)、及びフローラルの香り付きの第二機能化基材(対応する形状の有無にかかわらず)を選択することができる。加えて、ユーザーは、所望の効果の混合を選択するために、柔軟性、静電気防止、抗しわ、繊維洗浄等のような香り以外の効果を提供するために選択される1つ以上の機能化基材と共に、特定のカスタマイズされた芳香感を提供するために選択される1つ以上の機能化基材を使用するといったように、1つ以上の機能化基材を組み合わせて使用することができる。
【0135】
カスタマイズされた洗濯溶液の調製方法は、所望の布地ケア効果を供給するであろう布地ケア組成物あるいはこうした組成物を含有する物品又は投与を消費者が選択するのを援助する可能性がある情報を、消費者に提供する工程を所望により包含するであろう。好ましくは、この情報は、本明細書に記述されてきたように、本発明の物品及び洗濯キットと共に、消費者を導くために使用される可能性がある指示の形態で提供される。
【0136】
本発明の物品は、自動食器洗浄機に投与するために設計されてよい。こうした物品は、洗浄プロセスに香り(すなわち、キッチン内の芳香)、並びに/又は他の機能的効果(例えば、界面活性剤、漂白剤、酵素、溶媒、汚れ(soli)分散ポリマー、キレート剤、及び同類のものからの洗浄)を供給することができる。他の機能的効果は、すすぎ補助剤(水染みを避けるために)及び消泡剤(より多量の洗浄界面活性剤を使用できる)であることができる。効果活性剤は、マイクロカプセル内、並びに遊離、又はこれらの組み合わせであることができる。好ましくは機能化基材は、洗浄サイクルの開始時に添加され、事前すすぎサイクルにおいて溶解及び/又は分散する。あるいは機能化基材は、洗浄サイクル又は最終すすぎサイクルにおいて、溶解及び/又は分散する。
【0137】
本明細書を通じて与えられる全ての最大数値限定は、それより低い全ての数値限定を、こうしたそれより低い数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含すると理解されるべきである。本明細書を通じて与えられる全ての最小数値限定は、それより高い全ての数値限定を、こうしたそれより高い数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書を通じて与えられる全ての数値範囲は、こうしたそれより広い数値範囲内にある全てのより狭い数値範囲を、こうしたそれより狭い数値範囲が本明細書に明確に記載されているかのように包含する。
【0138】
特に指定がない限り、明細書、実施例、及び特許請求の範囲における全ての部、比、及び百分率は重量基準であり、全ての数値限定は、当該技術分野により提供される通常の程度の精度で使用される。
【0139】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0140】
「発明を実施するための最良の形態」において引用する全ての文献は、その関連部分において参照として本明細書に組み込まれるものであるが、いずれの文献の引用も、こうした引用が本発明の先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献におけるいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0141】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるこうした全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0142】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるこうした全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品であって、
a.機能化基材であって、
i.水性攻撃を受けやすい組成物であって、水溶性物質、一部水溶性物質、水分散性物質、水崩壊性物質、及びこれらの混合物から選択される組成物と、
ii.機能性組成物を封入する複数個のマイクロカプセルと、
を含み、前記複数個のマイクロカプセルが前記機能化基材に組み込まれる、機能化基材
を含む、物品。
【請求項2】
前記機能性組成物が、香料を含む第一機能性物質を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記機能性組成物が、香味料、柔軟化剤、静電気防止剤、クリスプ剤、水/染み忌避剤、染み放出剤、清涼剤、抗菌剤、消毒剤、しわ抵抗剤、しわ解放剤、臭気抵抗剤、悪臭制御剤、磨耗耐性及び保護剤、溶媒、虫/ペット忌避剤、湿潤剤、紫外線保護剤、皮膚/布地コンディショニング剤、皮膚/布地養護剤、色保護剤、染料固着剤、移染防止剤、シリコーン、防腐剤及び抗菌剤、布地収縮低減剤、香料マイクロカプセル、光沢剤、色相染料、漂白剤、キレート剤、消泡剤、抗スカム剤、増白剤、及びこれらの組み合わせから選択されるものを含む第二機能性物質を含む、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項4】
前記複数個のマイクロカプセルが、砕けやすいマイクロカプセル、水分活性化マイクロカプセル、熱活性化マイクロカプセル、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記組成物が、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの誘導体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの誘導体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリオキシエチレン、デンプン、デンプン誘導体、界面活性剤、石鹸、ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記組成物が、沈着助剤、可塑剤、及びこれらの混合物を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記機能化基材が形状物に形成され、前記形状物及び前記香料が調和される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記機能化基材が、1mm未満の全体的な平均厚さ及び0.2mm〜100mmの最大線寸法を含む実質的に平面的なシートである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記機能化基材がサッシェ又はポーチを形成する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の機能化基材の製造方法であって、
a.前記水性攻撃を受けやすい組成物と前記複数個のマイクロカプセルとを組み合わせて、組み合わせ物を形成する工程と、
b.前記組み合わせ物を低剪断攪拌にて混合する工程と、
c.前記混合物を脱気して、少なくとも一部が脱気された混合物を形成する工程と、
d.前記少なくとも一部が脱気された混合物を鋳造して、鋳造された少なくとも一部が脱気された混合物を形成する工程と、
e.前記鋳造された少なくとも一部が脱気された混合物を乾燥して、機能化基材を製造する工程と、
を含む、方法。

【公表番号】特表2009−536252(P2009−536252A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509789(P2009−509789)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/011064
【国際公開番号】WO2007/130685
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ポラロイド
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】