マイクロストレイン誘発マニホールドを用いた減圧創傷治療システムおよび方法
マイクロストレイン誘発マニホールド、システムおよび方法が提示され、それらは、マイクロストレインを生じさせる複数の成形突起を含むマイクロストレイン誘発マニホールドを伴う。成形突起は先細の突起とすることができる。システムは、組織部位の上に配置する密封部材と、マイクロストレイン誘発マニホールドと、密封部材に減圧を送達する減圧サブシステムとを含むことができる。減圧は、組織部位で成形突起にマイクロストレインを生じさせる。その他のシステム、方法および構造が提示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に治療システムに関し、より詳細には、マイクロストレイン誘発マニホールドを用いた減圧創傷治療システムおよび方法に関するものである。
【0002】
[関連出願]
本発明は、35 U.S.C.§119(e)に基づき、2008年12月24日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure Wound Treatment Systems and Methods Employing A Microstrain−Inducing Manifold”とする米国仮特許出願第61/140,662号の出願の利益を主張するものである。この仮出願は事実上、引用により本明細書に援用されるものである。また、この出願は、2009年12月16日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure Wound Treatment Systems and Methods Employing Manifold Structures”とする米国出願第12/392,288号(VAC.0904US)との同時係属出願である。
【背景技術】
【0003】
臨床研究および実践は、組織部位の近傍に減圧を付与することが組織部位における新たな組織の成長を拡大および促進することを示している。この現象の応用は多数あるが、減圧の適用は、創傷の治療において特に成果を上げている。この治療(医学界では、“陰圧創傷療法”、“NPWT”、“減圧療法”あるいは“吸引療法”としばしば呼ばれる。)は、多くの恩恵を与え、その中には、より速い治癒および肉芽組織形成の増加が含まれる。
【0004】
陰圧療法あるいは減圧療法は、幅広い種類の創傷の治癒を促進するために使用されている。典型的には、連続気泡発泡体が、創傷床内に直接置かれる。その後、ドレッシングを覆って創傷を密封するために、ドレープが使用される。その後、密封部材が減圧療法療ユニットに流体結合されて、発泡体を介して創傷に陰圧または減圧が与えられる。この手法は、有意義な結果をもたらすが、改善が望ましい欠点および部分が依然として残っている。
【発明の概要】
【0005】
創傷ケアシステムおよび方法に関連する欠点は、本明細書の例示的な実施形態によって対処される。例示的な一実施形態によれば、患者の組織を治療する減圧創傷治療システムは、組織の近傍に配置されて、組織内でマイクロストレイン(microstrain)を生じさせる複数の成形突起(shaped projection)を含むマイクロストレイン誘発マニホールド(microstrain-inducing manifold)と、組織およびマイクロストレイン誘発マニホールドの上に配置されて、組織およびマイクロストレイン誘発マニホールドの上に流体シールを形成するように機能する密封部材と、密封部材に減圧を供給する減圧サブシステムとを含む。成形突起は、先細の突起を含む。
【0006】
別の例示的な実施形態によれば、患者の組織を治療するマイクロストレイン誘発マニホールドは、組織内でマイクロストレインを生じさせる複数の成形突起を含む。成形突起は、先細の突起を含む。
【0007】
別の例示的な実施形態によれば、患者の組織を治療する減圧創傷治療システムは、組織の近傍に配置するマイクロストレイン誘発マニホールドを含む。マイクロストレイン誘発マニホールドは、複数の相互結合ノードを含む。相互結合ノードの少なくとも一つが、組織内でマイクロストレインを生じさせる少なくとも1の成形突起を含む。成形突起は、角度のある突起とすることができる。このシステムはさらに、組織およびマイクロストレイン誘発マニホールドの上に配置される密封部材を含む。密封部材は、組織およびマイクロストレイン誘発マニホールドの上に流体シールを形成するように機能する。このシステムはさらに、密封部材に減圧を送達する減圧サブシステムを含む。
【0008】
別の例示的な実施形態によれば、患者の組織を治療するマイクロストレイン誘発マニホールドは、複数の相互結合ノード(interconnected nodes)を含む。相互結合ノードの少なくとも一つは、組織内でマイクロストレインを生じさせる少なくとも1の成形突起を含む。成形突起は、角度のある突起とすることができる。
【0009】
別の例示的な実施形態によれば、患者の組織を治療する方法は、患者の組織の近傍にマイクロストレイン誘発マニホールドを配置するステップを含む。マイクロストレイン誘発マニホールドは、組織内でマイクロストレインを生じさせる複数の成形突起を含む。成形突起は、先細の突起とすることができる。この方法はさらに、マイクロストレイン誘発マニホールドおよび患者の表皮の上に密封部材を配置するステップと、密封部材と患者の表皮との間に流体シールを形成するステップと、マイクロストレイン誘発マニホールドに減圧を与え、その結果として複数の成形突起が組織内でマイクロストレインを生じさせるステップとを含む。
【0010】
例示的な実施形態のその他の特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を参照することにより明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明のより完全な理解は、添付図面と併用して、以下の詳細な説明を参照することにより得ることができる。
【図1】図1は、患者の創傷を治療するための減圧創傷治療システムの例示的で非限定的な実施形態の概略斜視図であり、当該システムは創傷の上に示されている。
【図2】図2は、図1の2−2線に沿った図1のシステムの一部の概略断面図である。
【図3A】図3Aは、減圧創傷治療システムの例示的で非限定的な実施形態の一部として、患者の創傷のような組織部位の治療に使用するマイクロストレイン誘発マニホールドの例示的で非限定的な実施形態の概略斜視図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの斜視図の拡大詳細図である。
【図3C】図3Cは、図3Aおよび図3Bに示すマイクロストレイン誘発マニホールドの相互結合ノードおよび成形突起の一部の側面図である。
【図4A】図4Aは、組織部位の治療に使用するマイクロストレイン誘発マニホールドの例示的で非限定的な実施形態の概略斜視図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのマイクロストレイン誘発マニホールドの概略平面図である。
【図5A】図5Aは、患者の創傷の治療に使用するマイクロストレイン誘発マニホールドの例示的で非限定的な実施形態の概略斜視図である。
【図5B】図5Bは、図5Aのマイクロストレイン誘発マニホールドの部分拡大図である。
【図6A】図6Aは、減圧創傷治療システムの例示的で非限定的な実施形態の一部として、患者の創傷の治療に使用するマイクロストレイン誘発マニホールドの例示的で非限定的な実施形態の概略斜視図である。
【図6B】図6Bは、図6Aのマイクロストレイン誘発マニホールドの部分拡大図である。
【図7】図7は、マイクロストレイン誘発マニホールドの例示的で非限定的な実施形態の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明においては、その一部を構成する添付図面に対して参照がなされ、その図面においては、本発明が実施される具体的な実施形態が例示を目的に示されている。それらの実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に十分詳細に記載されており、また、その他の実施形態が利用可能であるとともに、本発明の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で、論理構造的、機械的、電気的および化学的な変更が可能であることを理解されたい。当業者により本発明を実施可能とするのに必要のない細部説明を避けるために、当業者に既知の一部の情報を説明から省略することがある。したがって、以下の詳細な説明は、限定の意味で捉えるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0013】
ここで図1乃至図3Bを主に参照すると、患者の組織部位103を治療するための減圧創傷治療システム100の例示的で非限定的な実施形態が示されている。組織部位103は、例えば、患者の創傷102または組織の損傷領域であってもよい。組織部位103は、あらゆる人間、動物またはその他生物の体組織であってもよく、それには、骨組織、脂肪組織、筋組織、皮膚組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱、靭帯またはその他の任意の組織が含まれる。本明細書で使用される“or(または)”は、他に記載がない限り、相互排他性を必要とするものではない。創傷102との関連で減圧創傷治療システム100を示しているが、当然のことながら、減圧創傷治療システム100は、面創傷、切開傷、内部創傷またはその他の組織部位を含む、数多くの様々な種類の組織部位103および創傷を治療するために使用することができる。減圧創傷治療システム100は、創傷102の上に示されており、この創傷は、表皮104あるいは一般には皮膚、および真皮106を貫通して、下皮あるいは皮下組織108に達している。
【0014】
減圧創傷治療システム100は、概して、密封部材110、マイクロストレイン誘発マニホールド112および減圧サブシステム114を含む。後でさらに詳細に説明するように、操作に際して、マイクロストレイン誘発マニホールド112は、マイクロストレインを誘発する。このため、マイクロストレイン誘発マニホールドと称することができる。マイクロストレイン誘発マニホールド112は、第1の面113と、第2の患者向きの面115とを有する。
【0015】
減圧創傷治療システム100の数多くの利点の中には、創傷102内のマイクロストレインによって開始される生物学的反応がある。マイクロストレインは、マイクロストレイン誘発マニホールド112により、創傷102の創傷表面105のような組織部位103に分配される圧力によって生じる。この作用が、細胞表面歪み(cell surface strain)または微小変形(microdeformation)の領域を形成すると考えられている。細胞は、細胞表面に特別な受容体(receptors)を発現して、治癒活動を促進する細胞の遺伝経路を刺激することにより、歪みに反応するように見える。治癒活動には、代謝活動の増加、線維芽細胞遊走の刺激、細胞増殖の増加、追加の細胞マトリックス生成および肉芽組織の形成の他に、組織部位103における浮腫の減少とそれに続くかん流の改善も含まれる。創傷102に関しては、やがて肉芽組織が創傷102を塞ぎ、それにより、ボリュームを低減するとともに、二次癒合または遅れた一次癒合によって、創傷102の最終的な閉塞の備えをする。
【0016】
密封部材110は、一般に軟質シートから形成される。密封部材110は、第1の面120と、患者向きの面122とを含む。密封部材110は、ドレープ外延部116が創傷102の周縁端部を越えて延びるような態様で当該密封部材110が創傷102と重なり合うように、サイズ設定することができる。
【0017】
密封部材110は、流体シールを与える任意の材料から形成することができる。本明細書で使用される“流体シール”または“シール”は、特定の減圧源が含まれると仮定した場合に、所望部位、例えば、組織部位で減圧を維持するのに十分な密封を意味するものである。密封部材は、例えば、不透過性または半透過性のエラストマー材料とすることができる。“Elastomeric(エラストマーの)”は、エラストマーの性質を有することを意味する。エラストマーは、一般に、ゴムのような性質を有する高分子材料のことをいう。より具体的には、ほとんどのエラストマーは、100%より高い伸び率および非常に高い弾性を有する。材料の弾性とは、弾性変形から回復する材料の能力のことをいう。エラストマーの例には、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コポリエステルおよびシリコーンが含まれるが、それらに限定される訳ではない。密封部材の材料の具体的な例には、シリコーンドレープ、3M社のTegaderm(登録商標)ドレープ、Avery Dennisonから入手可能なアクリルドレープのようなアクリルドレープ、インサイズ(incise)ドレープが含まれる。
【0018】
取付部材118または手段を密封部材110に結合させるようにしてもよい。取付部材118は、密封部材110を患者の表皮104に取外し可能に結合することができる。本明細書で使用される“結合される”という用語には、別個の物体を介して結合することと、直接結合することが含まれる。また、“結合される”という用語は、各々の構成要素が同じ材料片から形成されることにより互いに連続することとなる2またはそれ以上の構成要素を包含する。また、“結合される”という用語には、化学結合によるような化学的、機械的、熱的または電気的結合が含まれる。流体結合は、流体が指定の部分または位置との間で流通することを意味する。密封部材110および取付部材118は、互いに協働して、患者の表皮104の上に流体シールを形成する。取付部材118は、密封部材110を患者の表皮104に結合するのを補助するのに適した任意の材料とすることができる。例えば、取付部材118は、粘着材、感熱接着剤、シールテープ、両面シールテープ、のり、親水コロイド、ヒドロゲル、フック、縫合糸などであってもよい。
【0019】
例示的な実施形態では、取付部材118は、ドレープ外延部116の患者向きの面122に結合された接着層119である。取付部材118は、密封部材110の患者向きの面122の全幅または一部に及ぶものとすることができる。あるいは、シールテープの場合には、取付部材118は、密封部材110の第1の面120の全体の上に、またはドレープ外延部116の第1の面の上に、貼り付けることができる。
【0020】
マイクロストレイン誘発マニホールド112は、典型的には、密封部材110の第2の患者向きの面122と、組織部位103、例えば、創傷102との間に配置される。マイクロストレイン誘発マニホールド112は、異なる用途でより大きいまたは小さいサイズが使用される可能性があるが、創傷102の推定領域に近付けるようにサイズ設定することができる。例示的な実施形態では、マイクロストレイン誘発マニホールド112は、相互に結合された複数のノード124を含む。この相互結合ノード124は、実質的に円形の断面を有するものであってもよいが、当然のことながら、当該相互結合ノード124は、任意の適当な断面とすることができ、その形状には、限定される訳ではないが、三角形、正方形、長方形、六角形、八角形、楕円などが含まれる。
【0021】
相互結合ノード124の各々は、1またはそれ以上の成形突起126を含むことができる。成形突起126は、組織部位103、例えば、創傷102内の細胞レベルでマイクロストレインを引き起こすように機能する。例示的な実施形態では複数の成形突起126をそれぞれ有する相互結合ノード124を示しているが、当然のことながら、特定の領域でマイクロストレインを引き起こさないように幾つかの相互結合ノード124を形成することもできる。例えば、1またはそれ以上の成形突起126を、特定の領域において、より低い外形で形成するようにしたり、あるいは特定の領域において、すべて一緒になくすようにしてもよい。さらに、特定の領域で歪みが生じるのを防ぐために、成形突起を有さない追加的なマニホールド、例えば、平滑な薄層マニホールドを、マイクロストレイン誘発マニホールド112の成形突起126の少なくとも一部と、組織部位103の少なくとも一部との間に配置するようにしてもよい。特定の領域においてマイクロストレインを避けることが、全般的な患者のケアに有益であると考えられている。例えば、マイクロストレイン誘発マニホールド112の一部が静脈、動脈、移植片、補助治療または療法に使用される物(例えば、ステント)、露出した臓器(例えば、心臓または腸)などの上に置かれる場合には、突起126のないマイクロストレイン誘発マニホールド112、あるいは特定の領域でマイクロストレインを引き起こさないマイクロストレイン誘発マニホールドを有していることが望ましいことがある。
【0022】
成形突起126は、実質的に同じサイズであってもよい。あるいは、他のものよりも大きいまたは小さい突起126が含まれていてもよい。一代替例では、幾つかの成形突起126が他のものよりも大きい傾斜を有する。“傾斜(pitch)”は、図3Cの断面に示すように、成形突起126の長手軸129と直角をなす基準線127との間の角度128により規定される。各成形突起126は、外面130および基部132を有する。例示的な実施形態の成形突起126は円錐形状であるが、当然のことながら、成形突起126は、創傷102内にマイクロストレインを引き起こすことができる任意の適当な形状を持つことができ、例えば、成形突起126は、実質的に立方体形状、ピラミッド状、半球状、円筒状、三角形状、遠位の凹所を有する半円筒状、先細状、より複雑な形状などであってもよい。成形突起126は、典型的には角度を有するか、大きい近位端から細い遠位端へと先細になるか、あるいはその逆である。一実施形態では、成形突起126が相互結合ノード124と同じ材料から作られる。代替的には、成形突起126のうちの少なくとも幾つかは、相互結合ノード124またはその他の成形突起126とは、異なる材料、または異なる性質を有する同じタイプの材料から形成することができる。材質選定によって、創傷102の特定領域に他よりも多くのマイクロストレインが与えられるように、相互結合ノード124の剛性を制御することができる。相互結合ノード124、成形突起126およびマイクロストレイン誘発マニホールド112は、一般に、発泡材料または非発泡材料から形成することができる。
【0023】
相互結合ノード124は、連結部材網134を使用して相互に連結することが可能である。例えば、連結部材網134は、複数の部材136を含み、各部材136が、隣接する相互結合ノード124を互いに連結するものであってもよい。例示的な実施形態では、部材136は実質的に円形の断面を有しているが、当然のことながら、部材136は適当な任意の断面を有することができ、その形状には、限定される訳ではないが、三角形、正方形、長方形、六角形、八角形、楕円などが含まれる。また、後述するように、連結部材134は、マイクロストレイン誘発マニホールド112が減圧に曝されたときに異方的に作用するように構成されるものであってもよい。
【0024】
相互結合ノード124、連結部材134および成形突起126は、マイクロストレイン誘発マニホールド112が相互結合ノード124間に複数の流路140(図3B)または経路を含むように、配置されている。流路140は、マイクロストレイン誘発マニホールド112の周囲の組織の領域に供給する流体、およびその領域から除去する流体の流通を改善する。このため、マイクロストレイン誘発マニホールド112は、組織部位103に減圧を加えること、当該組織部位に流体を供給すること、あるいは当該組織部位から流体を除去することを補助するように機能する。さらに、マイクロストレイン誘発マニホールド112のデザインは、内部成長により生じる、すなわち肉芽組織の成長がマニホールド内で生じたときの、取り除く際の痛みを避けるのを助けるとともに、組織部位103から容易に除去することを可能にする。
【0025】
マイクロストレイン誘発マニホールド112は、任意の適当な材料から形成することができる。限定ではなく、単なる一例として、マイクロストレイン誘発マニホールド112は、エラストマー、生体吸収性/生分解性の重合体などから形成することができる。また、創傷102からマイクロストレイン誘発マニホールド112を取り除く試みが行われた後にマイクロストレイン誘発マニホールド112の残余物が創傷102に残留しているか否かを判定するために創傷102をX線またはUV光で走査することができるよう、マニホールド材料は、放射線不透過性材料またはUV蛍光材料から、それ自体を形成することもできるし、あるいはそれら材料と組合わせることもできる。また、成形突起126またはマイクロストレイン誘発マニホールド112全体を、薬剤(例えば、抗凝血剤)、抗菌剤(例えば、銀または銅)、親水性材料などで覆うようにしてもよい。任意には、マイクロストレイン誘発マニホールド112に、追加の構成要素、例えば、供給管(図示省略)を設けて、それにより、薬剤または抗菌剤がマイクロストレイン誘発マニホールド112を介して創傷102に運ばれるようにすることも可能である。
【0026】
マイクロストレイン誘発マニホールド112は、任意の適当なプロセスによって形成することができ、そのプロセスには、微小成形(micromolding)、射出成形、鋳造などが含まれるが、それらに限定されるものではない。成形突起126は、対応する相互結合ノード124と実質的に一体に形成することもできるし、あるいは、それに限定される訳ではないが、機械的固定、溶接(例えば、超音波またはRF溶接)、ボンディング、接着剤、セメントなどを含む任意の適当な技術によって、対応する相互結合ノード124に結合させることもできる。
【0027】
マイクロストレイン誘発マニホールド112は、点圧力(point pressure)を生成するか、あるいはマイクロストレインを引き起こす数多くの手段を含むことができる。例示的で非限定的な一実施形態では、マイクロストレイン誘発マニホールド112が、組織部位103との限られた接触点を含む。接触点は、組織部位103においてマイクロストレインの誘発に寄与する。このため、例示的で非限定的な一実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの40%(40%X)未満とすることができる。本明細書で使用される“投影表面積”は、様々なアイテムの投影が平面上に形成することとなる面積を意味している。
【0028】
例示的で非限定的な別の実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの30%(30%X)未満とすることができる。例示的で非限定的な別の実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの20%(20%X)未満とすることができる。例示的で非限定的な一実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの10%(10%X)未満とすることができる。例示的で非限定的な一実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの5%(5%X)未満とすることができる。
【0029】
例示的で非限定的なさらに別の実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの2%(2%X)未満とすることができる。例示的で非限定的な一実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの1%(1%X)未満とすることができる。例示的で非限定的な一実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの0.5%(0.5%X)未満とすることができる。
【0030】
例示的で非限定的な一実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの0.2%(0.2%X)未満とすることができる。図2を参照すると、組織部位103,103、例えば、創傷表面105に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112は、創傷表面105を覆うことができ、投影表面積Xを有することができるが、創傷表面105に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、Xの0.2%のみとすることができる。図3Cに示すように、当然のことながら、当接部分を、複数の成形突起126の各々の外面130の一部のみとすることができる。
【0031】
マイクロストレイン誘発マニホールド112は、相互結合ノード124が創傷表面105と係合するように、創傷102の近傍に配置することができる。例示的な一実施形態では、マイクロストレイン誘発マニホールド112が、創傷102を実質的に満たすために、互いの上に積み重ねられる。しかしながら、当然のことながら、単一のマイクロストレイン誘発マニホールド112を用いるようにしても、あるいは多層のマイクロストレイン誘発マニホールドを形成して使用するようにしてもよい。マイクロストレイン誘発マニホールド112は、成形突起126を有する単一の相互結合ノード124、または成形突起126を有する複数の独立した相互結合ノード124、または連結部材134で相互に結合された、成形突起126を含む相互結合ノード124のグループから形成することができる。
【0032】
また、当然のことながら、単一のマイクロストレイン誘発マニホールド112は、創傷102を満たすために、巻いたり、あるいはそれ自体の上に折り重ねるようにしてもよい。さらに、当然のことながら、単一のマイクロストレイン誘発マニホールド112を創傷102内に入れて、このマニホールド112の上に追加的なマニホールドを置くようにしてもよい。マイクロストレイン誘発マニホールド112の上に置くことができる追加のマニホールドの例には、流路を形成するように配列された構造要素を有する手段、連続気泡発泡体および多孔質組織収集体のような多孔性発泡体、流路を含むまたは流路を含むように保持する、液体、ゲルおよび発泡体が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0033】
図1を再び参照すると、減圧サブシステム114は、減圧源142を含むが、それは様々な形態を取ることができる。減圧源142は、減圧創傷治療システム100の一部として減圧を提供する。本明細書で使用される“reduced pressure(減圧)”は、一般に、治療を受ける組織部位の周囲圧力未満の圧力のことをいう。多くの場合、この減圧は、患者がいる位置の大気圧未満となるであろう。若しくは、減圧は、組織部位における静水圧未満であってもよい。減圧は、最初に、マイクロストレイン誘発マニホールド112、管路150および組織部位103の近傍に、流体の流れを生成する。組織部位103周囲の静水圧が所望の減圧に接近したとき、流体の流れが弱まり、減圧が維持される。特に記載がなければ、本明細書で述べる圧力の値は、ゲージ圧である。送達される減圧は、一定であっても、あるいは(パターン化されたまたはランダムな)変化を生じるものであってもよく、また、連続的または間欠的に送達されるものであってもよい。“真空”および“陰圧”といった用語が組織に加えられる圧力を説明するのに使用されるかもしれないが、組織部位に加えられる実際の圧力は、完全真空に通常付随する圧力よりも大きくなる可能性がある。本明細書における使用と一致するように、減圧または真空圧の増加は、典型的には絶対圧の相対的な低下のことをいう。
【0034】
減圧サブシステム114は、減圧を提供する。減圧サブシステム114は、減圧源142を含み、この減圧源は、真空ポンプ、壁面吸い込みなどのような任意の減圧源とすることができる。組織部位に加えられる減圧の量と性質は、一般に用途に応じて変わるものとなるが、典型的には、減圧は、−5mmHgと−500mmHgとの間になるであろう。圧力は、その他の方法でもマイクロストレイン誘発マニホールド112に同様に加えることができ、例えば、圧力ラップ(pressure wrap)を使用することもできる。
【0035】
図1の例示的な実施形態では、減圧源142は、バッテリコンパートメント144と、キャニスタ領域146とを備えて示され、キャニスタ領域は、キャニスタ146内の流体のレベルの視覚表示を与えるウィンドウ148を有する。また、疎水性または油分をはじくフィルタのような挿入薄膜フィルタを、管路150またはチューブと、減圧源142との間に介在させるようにしてもよい。
【0036】
減圧源142によって供給された減圧は、管路150を通って、減圧インタフェース152に送達される。この減圧インタフェースはエルボーポート154とすることができる。例示的な一実施形態では、ポート154が、テキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Inc.から入手可能なTRAC(登録商標)技術ポートとなっている。減圧インタフェース152は、減圧が密封部材110に送達されて、当該密封部材110の内部およびマイクロストレイン誘発マニホールド112に実現されることを可能にする。この例示的な実施形態では、ポート154は、密封部材110を通って延びて、マイクロストレイン誘発マニホールド112に至る。
【0037】
使用に際して、減圧創傷治療システム100は、患者の組織部位103、例えば、創傷102上の表皮104に適用することができる。マイクロストレイン誘発マニホールド112は、組織部位103の近傍、例えば、創傷102内に配置することができ、あるいは創傷102の一部を覆うことができる。密封部材110は、ドレープ外延部116が創傷102の外縁を越えて伸びるように、マイクロストレイン誘発マニホールド112の最上部の上に置くことができる。ドレープ外延部116は、創傷102の上に流体シールを形成するために、取付部材118によって患者の表皮104(または創傷縁部を取り囲むオーバードレープの追加片のようなガスケット部材)に固定されている。本明細書で言及される、患者の表皮への流体シールの形成には、創傷102近傍のガスケットにシールを形成することも含まれると見なされる。
【0038】
減圧インタフェース152は、まだ取り付けられていない場合には、適用され、この減圧インタフェース152に、管路150の一端が連結される。管路150の他端は、減圧源142に流体流通可能に連結されている。減圧源142は、減圧が密封部材110およびマイクロストレイン誘発マニホールド112に送達されるように、作動させることができる。減圧は、組織部位103に減圧治療を与え、流体を取り除き、成形突起が創傷102内において細胞レベルでマイクロストレインを引き起こすように、マイクロストレイン誘発マニホールド112の成形突起126を創傷102に押し付けることができる。前述したように、マイクロストレインは、細胞増殖、肉芽組織の形成およびその他の有益な効果を促進することができる。あるいは、マイクロストレイン誘発マニホールド112を組織部位103の近傍に配置して、その後に、マイクロストレイン誘発マニホールド112またはその他の圧力源の上にラップを使って圧力を加えるようにしてもよい。
【0039】
ここで、図4Aおよび図4Bを主に参照すると、図1の減圧創傷治療システム100のような減圧創傷治療システムの一部として使用されるマイクロストレイン誘発マニホールド212の例示的で非限定的な実施形態が示されている。マイクロストレイン誘発マニホールド212は、相互結合ノード224を含み、それら相互結合ノード224は、当該相互結合ノードから延出する成形突起226を含む。例示的な実施形態では、成形突起226は円錐形状であるが、当然のことながら、成形突起226は、前述したように、創傷内にマイクロストレインを引き起こすことができる任意の適当な形状を持つことができる。また、例示的な実施形態の各相互結合ノード224は、2つの突起226(図4Aに示される向きに対して上を向く突起と、下を向く突起)を含むが、当然のことながら、各相互結合ノード224から任意の数の突起224を延出させることができ、あるいは突起224を有さない相互結合ノード224を設けることもできる。また、例示的な実施形態では、各突起226は、対応する相互結合ノード224からほぼ垂直に延びるが、当然のことながら、各突起226を、対応する相互結合ノード224から任意の角度で延出させることもできる。
【0040】
相互結合ノード224は、図4Bに明確に示されるように、間隔を空けて配置されて、連結部材網234によって相互に結合されている。連結部材網234は、複数の湾曲部材236を含む。複数の流路240が、相互結合ノード224と部材236との間に形成されている。部材236は、曲面290を有し、この曲面は、マイクロストレイン誘発マニホールド212が減圧に曝されたときにマイクロストレイン誘発マニホールド212が二方向(例えば、x軸286およびy軸288に沿う方向)に(部分的または完全に)潰れるが第3の方向(例えば、z軸284)には全く潰れないか、潰れる程度がより少なくなるように、互いに協調して、あるいは1またはそれ以上の対応する相互結合ノード224の半径と協調して、湾曲している。マイクロストレイン誘発マニホールド212が潰れるとき、各部材236の各曲面290は、隣接する部材236の曲面290または少なくとも1の対応する相互結合ノード224に接するか、接近する。これは、減圧創傷治療システムが減圧治療中に創傷を結合させるのを補助するように構成されている場合に、特に有効である。
【0041】
ここで、図5Aおよび図5Bを主に参照すると、マイクロストレイン誘発マニホールドの形態のマニホールド構造体412の例示的で非限定的な実施形態が提示されている。マニホールド構造体412は、図1の減圧創傷治療システム100のような減圧創傷治療システムとともに使用するものとして示されている。マニホールド構造体412は、1またはそれ以上の縦部材456を含む。縦部材456は、横連結部材460によって、間隔を空けた状態で結合させることができる。横連結部材460は、縦部材456に連結することができる。縦部材456および横連結部材460は、円形の断面を有するものとして示されているが、縦部材456および横連結部材460は、当然のことながら、任意の適当な断面形状とすることができる。ここでは縦部材および横部材に言及しているが、部材456,460は互いに直交する必要は無く、その他の相対角を有するものであってもよい。
【0042】
マニホールド構造体412の各縦部材456は、創傷内にマイクロストレインを引き起こすための1またはそれ以上の成形突起426を含む。縦部材456および成形突起426は、マニホールド構造体412が隣接する縦部材456間または突起426間に複数の流路440または経路を含むように、配置されている。流路440は、マニホールド構造体412の周囲の組織の領域に与えられる流体、およびその領域から除去される流体の流通を促進する。当然のことながら、縦部材456および横方向部材460の任意の組合せを使用することができる。例えば、マニホールド構造体412は、突起426を有する縦部材456が縦に連結されたグループによって形成することができる。図5Aにはそのような8の縦のグループが示されており、横連結部材460とともに示されているが、幾つかの実施形態では、横連結部材460を省略することが可能である。また、横連結部材460のみが端部に示されているが、当然のことながら、任意の数の置換が可能であり、横方向部材460は、縦部材456間の様々な位置に分布させることができる。
【0043】
例示的な実施形態では、各成形突起426が、対応する縦部材456からほぼ垂直(法線方向)に突出している。ここで使用される“法線”は、その表面に対して垂直なベクトルである。非平面については、法線ベクトルは、点で捉えられ、その点における接平面に対する法線と同じである。しかしながら、当然のことながら、各成形突起426は、対応する縦部材456に対して任意の角度で突出させることができる。各成形突起426は、第1外径(D1)を有する柱状体427と、第2外径(D2)を有する拡大部429とを含むことができる。各拡大部429は、関連する柱状体427の遠位端に配置されている。各柱状体429は、任意の形状とすることができ、例えば、その断面は、円形、正方形、楕円形、不規則形状などであってもよく、また、その長手方向に沿って変化するものであってもよい。拡大部429は、図示のような球状部とすることもできるし、あるいは円筒部、立方体部または不規則形状のようなその他の形態を取ることもできる。拡大部429の第2外径(D2)は、柱状体427の第1外径(D1)より大きく、D2>D1である。これに関して、成形突起426は、より大きな遠位端からより小さな近位端へと先細になると見なすことができる。
【0044】
各成形突起426は、成形突起426が創傷に当接するときに創傷内にマイクロストレインを引き起こすことができる任意の適当な形状を持つことができる。さらに、例示的な実施形態では、成形突起426が実質的に均等な高さを有しているが、成形突起426は、当然のことながら、各縦部材456に沿って、または複数の縦部材456間で、高さが変化するものであってもよい。また、当然のことながら、マイクロストレインが創傷内の特定の領域に与えられないように、特定の縦部材456の特定部分が、成形突起426を有さないものとすることもできる。前述したマイクロストレイン誘発マニホールドと同様に、任意の適当なプロセスによってマニホールド構造体412を形成することができ、そのプロセスには、微小成形、射出成形、鋳造などが含まれるが、それらに限定されるものではない。成形突起426は、対応する縦部材456と実質的に一体に形成することもできるし、あるいは、それに限定される訳ではないが、機械的固定、溶接(例えば、超音波またはRF溶接)、ボンディング、接着剤、セメントなどを含む任意の適当な技術によって、対応する縦部材456に結合させることもできる。
【0045】
使用に際して、マニホールド構造体412は、組織部位、例えば、創傷の近傍に配置させることができ、密封部材をマニホールド構造体412および組織部位の上に広げることができる。その後、減圧が加えられるか、あるいは代替的には、直圧が加えられる。ある実施形態、例えば、広く間隔を空けた横方向部材460を有する実施形態では、マニホールド構造体412が減圧に曝されたときに、マニホールド構造体412が異方的に作用するものであってもよい。換言すれば、マニホールド構造体412が減圧に曝されたときに、成形突起426が創傷内に押し当てられてマイクロストレインを引き起こすのに加えて、縦部材456は互いに近接するように横方向に移動するものであってもよい。各縦部材456は、減圧を導入する前に隣接する縦部材456があった位置よりも、隣接する縦部材456により接近する。同時に、マニホールド構造体412は、縦部材456と実質的に平行な方向には、実質的に接触しない。
【0046】
横連結部材460が省略される場合には、更なる収縮も可能である。マニホールド構造体412は、縦部材456と平行な方向に比例変形が生じることなく、(図5Aの矢印458によって示されるように)縦部材456と実質的に垂直な方向により変形することができる。変形は、典型的には、同じ平面内で生じる。これは、システムが、例示的なマニホールド構造体412が収縮する減圧治療中に創傷を結合させるために、それを補う形で異方性ドレープまたは別のマニホールドのようなその他の構成要素を用いる場合に、有効である。間隔を空けた横連結部材460が、十分な数量使用される場合に、収縮が殆ど生じないことがある。代替的な実施形態では、幾つかの縦部材456がその他の縦部材456とほぼ垂直に配置されて、減圧に曝されたときに同一平面内の二方向に、マニホールド構造体412が部分的に収縮するか、より限られた形で収縮するように、マニホールド構造体412が構成されている。
【0047】
ここで図6Aおよび図6Bを主に参照すると、減圧創傷治療システム100(図1)のような減圧創傷治療システムとともに使用されるマイクロストレイン誘発マニホールド512の例示的で非限定的な別の実施形態が示されている。マイクロストレイン誘発マニホールド512は、マット558または基部を含み、そこから複数の成形突起526が延出している。マット558は、第1の面513と、第2の患者向きの面515とを有する。例示的な実施形態では、成形突起526が先細とされ、特に、ほぼ円錐形状となっているが、当然のことながら、成形突起526は、創傷内にマイクロストレインを引き起こすことができる任意の適当な形状を持つことができる。また、例示的な実施形態では、マット558からほぼ垂線方向に、すなわち垂直に延びる突起526を示しているが、当然のことながら、突起526は、マット558から任意の適当な角度で延出させることができる。さらに、例示的な実施形態では、突起526は実質的に等しい高さを有しているが、マット558は、様々な高さの突起526を含むことができる。マイクロストレインが創傷内の特定領域に与えられないように、マット558の一部に突起を設けないようにすることも可能である。また、成形突起526の剛性および成形突起526の傾斜は、突起526によって引き起こされるマイクロストレインが創傷の特定の領域においてその他の領域よりも多くなるように、マット558に沿って変化させるようにしてもよい。
【0048】
成形突起526は、マット558の一体部分として形成することもできるし、あるいは、それに限定される訳ではないが、機械的固定、溶接(例えば、超音波またはRF溶接)、ボンディング、接着剤、セメントなどを含む任意の適当な技術によって、マット558に結合させることもできる。また、マット558は、マイクロストレイン誘発マニホールド512の周囲の組織の領域に与えられる流体、およびその領域から除去する流体の流通を改善するために、突起526間に配置された複数の開口部560(図6B)を含むことができる。代替的な実施形態では、成形突起526をマット558上の変性蜂蜜(modified honey)から形成することができる。蜂蜜は、それが固体か部分的に固体であり、創傷と係合している少なくとも一定の期間その形状を保持するように、変性される。有利なことに、蜂蜜は抗菌剤として機能することがあり、また暫くすると、患者に吸収される。その他の吸収性物質も同様に使用することができる。
【0049】
操作に際して、マイクロストレイン誘発マニホールド512は、典型的には、第2の患者向きの面515が患者を向いて密封部材を覆う状態で、組織部位の近傍に置かれる。その後、減圧がマイクロストレイン誘発マニホールド512に送達される。減圧に曝されると、マイクロストレイン誘発マニホールド512が創傷に当接し、その結果、成形突起526が創傷内にマイクロストレインを引き起こす。さらに、滲出液およびその他の流体が開口部560を介してマット558を通り抜ける。また、幾つかの例では、成形突起526によって創傷内のマイクロストレインが増加しないようにすることが望ましい場合もある。そのような例では、マット558の第1の面513が創傷に当接して配置されて成形突起526が密封部材(図示省略)の方に延びるように、マイクロストレイン誘発マニホールド512を裏返しにするようにしてもよい。このため、マイクロストレイン誘発マニホールド512は、成形突起526によって創傷内にマイクロストレインを増加させることもなく、かん流および流体除去(開口部560を介して)を補助することができる。
【0050】
ここで図7を主に参照すると、図1の減圧創傷治療システム100のような減圧創傷治療システムとともに使用されるマイクロストレイン誘発マニホールド624の例示的で非限定的な別の実施形態が示されている。マイクロストレイン誘発マニホールドは、複数のマイクロストレイン誘発マニホールド624によって構成することができる。各マイクロストレイン誘発マニホールド部材624は、表面631から延びる1またはそれ以上の成形突起626を有する。図1乃至図3Bの圧力創傷治療システム100とは異なり、マイクロストレイン誘発マニホールド部材624は、連結部材網によって相互に結合されていない。すなわち、複数のマイクロストレイン誘発マニホールド部材624が創傷内に投入されて、その結果、それらが互いに協働して創傷内に(その場で)マイクロストレイン誘発マニホールド部材を形成するとともに、マイクロストレイン誘発マニホールド部材624の成形突起626が創傷と接触してそこでにマイクロストレインを引き起こす。複数のマイクロストレイン誘発マニホールド部材624は、創傷全体を埋めることができる。あるいは、複数のマイクロストレイン誘発マニホールド部材624は部分的に創傷を埋めることができ、任意には、創傷を埋めるために、代替的なマニホールドをマイクロストレイン誘発マニホールド部材624の上に載置することができる。
【0051】
別の代替例では、マイクロストレイン誘発マニホールド部材624が、材料のコーティングを有し、このコーティングによって、マイクロストレイン誘発マニホールド部材624がその場で互いに結合または焼結して単一の一体マニホールドを形成することが可能となっている。コーティングの非限定的な例としては、任意の水溶性、膨潤性または軟化性材料を含むことができ、それには、ポリビニルアルコールとその共重合体、ポリビニルピロリドンとその共重合体、ポリエチレンオキシドとその共重合体、ポリプロピレンオキシドとその共重合体、ヒドロキシル基、カルボキシル基およびスルホニル基を含む重合体(例えば、ヒドロキシエチルアクリラート、カルボキシルメチルセルロース、アクリルアミドメチルプロパン・スルホン酸およびその塩)、アルギン酸塩、ゴム(例えば、キサンタンおよびグァー)、その他ヒドロゲルおよび親水コロイドのような重合体が含まれる。
【0052】
特定の例示的で非限定的な実施形態との関連で本発明とその利点を開示してきたが、添付の請求項によって定義されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、置き換え、置換および修正をなし得ることに留意されたい。当然のことながら、何れかの実施形態との関係で示した任意の特徴は、任意のその他の実施形態にも適用可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に治療システムに関し、より詳細には、マイクロストレイン誘発マニホールドを用いた減圧創傷治療システムおよび方法に関するものである。
【0002】
[関連出願]
本発明は、35 U.S.C.§119(e)に基づき、2008年12月24日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure Wound Treatment Systems and Methods Employing A Microstrain−Inducing Manifold”とする米国仮特許出願第61/140,662号の出願の利益を主張するものである。この仮出願は事実上、引用により本明細書に援用されるものである。また、この出願は、2009年12月16日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure Wound Treatment Systems and Methods Employing Manifold Structures”とする米国出願第12/392,288号(VAC.0904US)との同時係属出願である。
【背景技術】
【0003】
臨床研究および実践は、組織部位の近傍に減圧を付与することが組織部位における新たな組織の成長を拡大および促進することを示している。この現象の応用は多数あるが、減圧の適用は、創傷の治療において特に成果を上げている。この治療(医学界では、“陰圧創傷療法”、“NPWT”、“減圧療法”あるいは“吸引療法”としばしば呼ばれる。)は、多くの恩恵を与え、その中には、より速い治癒および肉芽組織形成の増加が含まれる。
【0004】
陰圧療法あるいは減圧療法は、幅広い種類の創傷の治癒を促進するために使用されている。典型的には、連続気泡発泡体が、創傷床内に直接置かれる。その後、ドレッシングを覆って創傷を密封するために、ドレープが使用される。その後、密封部材が減圧療法療ユニットに流体結合されて、発泡体を介して創傷に陰圧または減圧が与えられる。この手法は、有意義な結果をもたらすが、改善が望ましい欠点および部分が依然として残っている。
【発明の概要】
【0005】
創傷ケアシステムおよび方法に関連する欠点は、本明細書の例示的な実施形態によって対処される。例示的な一実施形態によれば、患者の組織を治療する減圧創傷治療システムは、組織の近傍に配置されて、組織内でマイクロストレイン(microstrain)を生じさせる複数の成形突起(shaped projection)を含むマイクロストレイン誘発マニホールド(microstrain-inducing manifold)と、組織およびマイクロストレイン誘発マニホールドの上に配置されて、組織およびマイクロストレイン誘発マニホールドの上に流体シールを形成するように機能する密封部材と、密封部材に減圧を供給する減圧サブシステムとを含む。成形突起は、先細の突起を含む。
【0006】
別の例示的な実施形態によれば、患者の組織を治療するマイクロストレイン誘発マニホールドは、組織内でマイクロストレインを生じさせる複数の成形突起を含む。成形突起は、先細の突起を含む。
【0007】
別の例示的な実施形態によれば、患者の組織を治療する減圧創傷治療システムは、組織の近傍に配置するマイクロストレイン誘発マニホールドを含む。マイクロストレイン誘発マニホールドは、複数の相互結合ノードを含む。相互結合ノードの少なくとも一つが、組織内でマイクロストレインを生じさせる少なくとも1の成形突起を含む。成形突起は、角度のある突起とすることができる。このシステムはさらに、組織およびマイクロストレイン誘発マニホールドの上に配置される密封部材を含む。密封部材は、組織およびマイクロストレイン誘発マニホールドの上に流体シールを形成するように機能する。このシステムはさらに、密封部材に減圧を送達する減圧サブシステムを含む。
【0008】
別の例示的な実施形態によれば、患者の組織を治療するマイクロストレイン誘発マニホールドは、複数の相互結合ノード(interconnected nodes)を含む。相互結合ノードの少なくとも一つは、組織内でマイクロストレインを生じさせる少なくとも1の成形突起を含む。成形突起は、角度のある突起とすることができる。
【0009】
別の例示的な実施形態によれば、患者の組織を治療する方法は、患者の組織の近傍にマイクロストレイン誘発マニホールドを配置するステップを含む。マイクロストレイン誘発マニホールドは、組織内でマイクロストレインを生じさせる複数の成形突起を含む。成形突起は、先細の突起とすることができる。この方法はさらに、マイクロストレイン誘発マニホールドおよび患者の表皮の上に密封部材を配置するステップと、密封部材と患者の表皮との間に流体シールを形成するステップと、マイクロストレイン誘発マニホールドに減圧を与え、その結果として複数の成形突起が組織内でマイクロストレインを生じさせるステップとを含む。
【0010】
例示的な実施形態のその他の特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を参照することにより明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明のより完全な理解は、添付図面と併用して、以下の詳細な説明を参照することにより得ることができる。
【図1】図1は、患者の創傷を治療するための減圧創傷治療システムの例示的で非限定的な実施形態の概略斜視図であり、当該システムは創傷の上に示されている。
【図2】図2は、図1の2−2線に沿った図1のシステムの一部の概略断面図である。
【図3A】図3Aは、減圧創傷治療システムの例示的で非限定的な実施形態の一部として、患者の創傷のような組織部位の治療に使用するマイクロストレイン誘発マニホールドの例示的で非限定的な実施形態の概略斜視図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの斜視図の拡大詳細図である。
【図3C】図3Cは、図3Aおよび図3Bに示すマイクロストレイン誘発マニホールドの相互結合ノードおよび成形突起の一部の側面図である。
【図4A】図4Aは、組織部位の治療に使用するマイクロストレイン誘発マニホールドの例示的で非限定的な実施形態の概略斜視図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのマイクロストレイン誘発マニホールドの概略平面図である。
【図5A】図5Aは、患者の創傷の治療に使用するマイクロストレイン誘発マニホールドの例示的で非限定的な実施形態の概略斜視図である。
【図5B】図5Bは、図5Aのマイクロストレイン誘発マニホールドの部分拡大図である。
【図6A】図6Aは、減圧創傷治療システムの例示的で非限定的な実施形態の一部として、患者の創傷の治療に使用するマイクロストレイン誘発マニホールドの例示的で非限定的な実施形態の概略斜視図である。
【図6B】図6Bは、図6Aのマイクロストレイン誘発マニホールドの部分拡大図である。
【図7】図7は、マイクロストレイン誘発マニホールドの例示的で非限定的な実施形態の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明においては、その一部を構成する添付図面に対して参照がなされ、その図面においては、本発明が実施される具体的な実施形態が例示を目的に示されている。それらの実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に十分詳細に記載されており、また、その他の実施形態が利用可能であるとともに、本発明の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で、論理構造的、機械的、電気的および化学的な変更が可能であることを理解されたい。当業者により本発明を実施可能とするのに必要のない細部説明を避けるために、当業者に既知の一部の情報を説明から省略することがある。したがって、以下の詳細な説明は、限定の意味で捉えるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0013】
ここで図1乃至図3Bを主に参照すると、患者の組織部位103を治療するための減圧創傷治療システム100の例示的で非限定的な実施形態が示されている。組織部位103は、例えば、患者の創傷102または組織の損傷領域であってもよい。組織部位103は、あらゆる人間、動物またはその他生物の体組織であってもよく、それには、骨組織、脂肪組織、筋組織、皮膚組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱、靭帯またはその他の任意の組織が含まれる。本明細書で使用される“or(または)”は、他に記載がない限り、相互排他性を必要とするものではない。創傷102との関連で減圧創傷治療システム100を示しているが、当然のことながら、減圧創傷治療システム100は、面創傷、切開傷、内部創傷またはその他の組織部位を含む、数多くの様々な種類の組織部位103および創傷を治療するために使用することができる。減圧創傷治療システム100は、創傷102の上に示されており、この創傷は、表皮104あるいは一般には皮膚、および真皮106を貫通して、下皮あるいは皮下組織108に達している。
【0014】
減圧創傷治療システム100は、概して、密封部材110、マイクロストレイン誘発マニホールド112および減圧サブシステム114を含む。後でさらに詳細に説明するように、操作に際して、マイクロストレイン誘発マニホールド112は、マイクロストレインを誘発する。このため、マイクロストレイン誘発マニホールドと称することができる。マイクロストレイン誘発マニホールド112は、第1の面113と、第2の患者向きの面115とを有する。
【0015】
減圧創傷治療システム100の数多くの利点の中には、創傷102内のマイクロストレインによって開始される生物学的反応がある。マイクロストレインは、マイクロストレイン誘発マニホールド112により、創傷102の創傷表面105のような組織部位103に分配される圧力によって生じる。この作用が、細胞表面歪み(cell surface strain)または微小変形(microdeformation)の領域を形成すると考えられている。細胞は、細胞表面に特別な受容体(receptors)を発現して、治癒活動を促進する細胞の遺伝経路を刺激することにより、歪みに反応するように見える。治癒活動には、代謝活動の増加、線維芽細胞遊走の刺激、細胞増殖の増加、追加の細胞マトリックス生成および肉芽組織の形成の他に、組織部位103における浮腫の減少とそれに続くかん流の改善も含まれる。創傷102に関しては、やがて肉芽組織が創傷102を塞ぎ、それにより、ボリュームを低減するとともに、二次癒合または遅れた一次癒合によって、創傷102の最終的な閉塞の備えをする。
【0016】
密封部材110は、一般に軟質シートから形成される。密封部材110は、第1の面120と、患者向きの面122とを含む。密封部材110は、ドレープ外延部116が創傷102の周縁端部を越えて延びるような態様で当該密封部材110が創傷102と重なり合うように、サイズ設定することができる。
【0017】
密封部材110は、流体シールを与える任意の材料から形成することができる。本明細書で使用される“流体シール”または“シール”は、特定の減圧源が含まれると仮定した場合に、所望部位、例えば、組織部位で減圧を維持するのに十分な密封を意味するものである。密封部材は、例えば、不透過性または半透過性のエラストマー材料とすることができる。“Elastomeric(エラストマーの)”は、エラストマーの性質を有することを意味する。エラストマーは、一般に、ゴムのような性質を有する高分子材料のことをいう。より具体的には、ほとんどのエラストマーは、100%より高い伸び率および非常に高い弾性を有する。材料の弾性とは、弾性変形から回復する材料の能力のことをいう。エラストマーの例には、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コポリエステルおよびシリコーンが含まれるが、それらに限定される訳ではない。密封部材の材料の具体的な例には、シリコーンドレープ、3M社のTegaderm(登録商標)ドレープ、Avery Dennisonから入手可能なアクリルドレープのようなアクリルドレープ、インサイズ(incise)ドレープが含まれる。
【0018】
取付部材118または手段を密封部材110に結合させるようにしてもよい。取付部材118は、密封部材110を患者の表皮104に取外し可能に結合することができる。本明細書で使用される“結合される”という用語には、別個の物体を介して結合することと、直接結合することが含まれる。また、“結合される”という用語は、各々の構成要素が同じ材料片から形成されることにより互いに連続することとなる2またはそれ以上の構成要素を包含する。また、“結合される”という用語には、化学結合によるような化学的、機械的、熱的または電気的結合が含まれる。流体結合は、流体が指定の部分または位置との間で流通することを意味する。密封部材110および取付部材118は、互いに協働して、患者の表皮104の上に流体シールを形成する。取付部材118は、密封部材110を患者の表皮104に結合するのを補助するのに適した任意の材料とすることができる。例えば、取付部材118は、粘着材、感熱接着剤、シールテープ、両面シールテープ、のり、親水コロイド、ヒドロゲル、フック、縫合糸などであってもよい。
【0019】
例示的な実施形態では、取付部材118は、ドレープ外延部116の患者向きの面122に結合された接着層119である。取付部材118は、密封部材110の患者向きの面122の全幅または一部に及ぶものとすることができる。あるいは、シールテープの場合には、取付部材118は、密封部材110の第1の面120の全体の上に、またはドレープ外延部116の第1の面の上に、貼り付けることができる。
【0020】
マイクロストレイン誘発マニホールド112は、典型的には、密封部材110の第2の患者向きの面122と、組織部位103、例えば、創傷102との間に配置される。マイクロストレイン誘発マニホールド112は、異なる用途でより大きいまたは小さいサイズが使用される可能性があるが、創傷102の推定領域に近付けるようにサイズ設定することができる。例示的な実施形態では、マイクロストレイン誘発マニホールド112は、相互に結合された複数のノード124を含む。この相互結合ノード124は、実質的に円形の断面を有するものであってもよいが、当然のことながら、当該相互結合ノード124は、任意の適当な断面とすることができ、その形状には、限定される訳ではないが、三角形、正方形、長方形、六角形、八角形、楕円などが含まれる。
【0021】
相互結合ノード124の各々は、1またはそれ以上の成形突起126を含むことができる。成形突起126は、組織部位103、例えば、創傷102内の細胞レベルでマイクロストレインを引き起こすように機能する。例示的な実施形態では複数の成形突起126をそれぞれ有する相互結合ノード124を示しているが、当然のことながら、特定の領域でマイクロストレインを引き起こさないように幾つかの相互結合ノード124を形成することもできる。例えば、1またはそれ以上の成形突起126を、特定の領域において、より低い外形で形成するようにしたり、あるいは特定の領域において、すべて一緒になくすようにしてもよい。さらに、特定の領域で歪みが生じるのを防ぐために、成形突起を有さない追加的なマニホールド、例えば、平滑な薄層マニホールドを、マイクロストレイン誘発マニホールド112の成形突起126の少なくとも一部と、組織部位103の少なくとも一部との間に配置するようにしてもよい。特定の領域においてマイクロストレインを避けることが、全般的な患者のケアに有益であると考えられている。例えば、マイクロストレイン誘発マニホールド112の一部が静脈、動脈、移植片、補助治療または療法に使用される物(例えば、ステント)、露出した臓器(例えば、心臓または腸)などの上に置かれる場合には、突起126のないマイクロストレイン誘発マニホールド112、あるいは特定の領域でマイクロストレインを引き起こさないマイクロストレイン誘発マニホールドを有していることが望ましいことがある。
【0022】
成形突起126は、実質的に同じサイズであってもよい。あるいは、他のものよりも大きいまたは小さい突起126が含まれていてもよい。一代替例では、幾つかの成形突起126が他のものよりも大きい傾斜を有する。“傾斜(pitch)”は、図3Cの断面に示すように、成形突起126の長手軸129と直角をなす基準線127との間の角度128により規定される。各成形突起126は、外面130および基部132を有する。例示的な実施形態の成形突起126は円錐形状であるが、当然のことながら、成形突起126は、創傷102内にマイクロストレインを引き起こすことができる任意の適当な形状を持つことができ、例えば、成形突起126は、実質的に立方体形状、ピラミッド状、半球状、円筒状、三角形状、遠位の凹所を有する半円筒状、先細状、より複雑な形状などであってもよい。成形突起126は、典型的には角度を有するか、大きい近位端から細い遠位端へと先細になるか、あるいはその逆である。一実施形態では、成形突起126が相互結合ノード124と同じ材料から作られる。代替的には、成形突起126のうちの少なくとも幾つかは、相互結合ノード124またはその他の成形突起126とは、異なる材料、または異なる性質を有する同じタイプの材料から形成することができる。材質選定によって、創傷102の特定領域に他よりも多くのマイクロストレインが与えられるように、相互結合ノード124の剛性を制御することができる。相互結合ノード124、成形突起126およびマイクロストレイン誘発マニホールド112は、一般に、発泡材料または非発泡材料から形成することができる。
【0023】
相互結合ノード124は、連結部材網134を使用して相互に連結することが可能である。例えば、連結部材網134は、複数の部材136を含み、各部材136が、隣接する相互結合ノード124を互いに連結するものであってもよい。例示的な実施形態では、部材136は実質的に円形の断面を有しているが、当然のことながら、部材136は適当な任意の断面を有することができ、その形状には、限定される訳ではないが、三角形、正方形、長方形、六角形、八角形、楕円などが含まれる。また、後述するように、連結部材134は、マイクロストレイン誘発マニホールド112が減圧に曝されたときに異方的に作用するように構成されるものであってもよい。
【0024】
相互結合ノード124、連結部材134および成形突起126は、マイクロストレイン誘発マニホールド112が相互結合ノード124間に複数の流路140(図3B)または経路を含むように、配置されている。流路140は、マイクロストレイン誘発マニホールド112の周囲の組織の領域に供給する流体、およびその領域から除去する流体の流通を改善する。このため、マイクロストレイン誘発マニホールド112は、組織部位103に減圧を加えること、当該組織部位に流体を供給すること、あるいは当該組織部位から流体を除去することを補助するように機能する。さらに、マイクロストレイン誘発マニホールド112のデザインは、内部成長により生じる、すなわち肉芽組織の成長がマニホールド内で生じたときの、取り除く際の痛みを避けるのを助けるとともに、組織部位103から容易に除去することを可能にする。
【0025】
マイクロストレイン誘発マニホールド112は、任意の適当な材料から形成することができる。限定ではなく、単なる一例として、マイクロストレイン誘発マニホールド112は、エラストマー、生体吸収性/生分解性の重合体などから形成することができる。また、創傷102からマイクロストレイン誘発マニホールド112を取り除く試みが行われた後にマイクロストレイン誘発マニホールド112の残余物が創傷102に残留しているか否かを判定するために創傷102をX線またはUV光で走査することができるよう、マニホールド材料は、放射線不透過性材料またはUV蛍光材料から、それ自体を形成することもできるし、あるいはそれら材料と組合わせることもできる。また、成形突起126またはマイクロストレイン誘発マニホールド112全体を、薬剤(例えば、抗凝血剤)、抗菌剤(例えば、銀または銅)、親水性材料などで覆うようにしてもよい。任意には、マイクロストレイン誘発マニホールド112に、追加の構成要素、例えば、供給管(図示省略)を設けて、それにより、薬剤または抗菌剤がマイクロストレイン誘発マニホールド112を介して創傷102に運ばれるようにすることも可能である。
【0026】
マイクロストレイン誘発マニホールド112は、任意の適当なプロセスによって形成することができ、そのプロセスには、微小成形(micromolding)、射出成形、鋳造などが含まれるが、それらに限定されるものではない。成形突起126は、対応する相互結合ノード124と実質的に一体に形成することもできるし、あるいは、それに限定される訳ではないが、機械的固定、溶接(例えば、超音波またはRF溶接)、ボンディング、接着剤、セメントなどを含む任意の適当な技術によって、対応する相互結合ノード124に結合させることもできる。
【0027】
マイクロストレイン誘発マニホールド112は、点圧力(point pressure)を生成するか、あるいはマイクロストレインを引き起こす数多くの手段を含むことができる。例示的で非限定的な一実施形態では、マイクロストレイン誘発マニホールド112が、組織部位103との限られた接触点を含む。接触点は、組織部位103においてマイクロストレインの誘発に寄与する。このため、例示的で非限定的な一実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの40%(40%X)未満とすることができる。本明細書で使用される“投影表面積”は、様々なアイテムの投影が平面上に形成することとなる面積を意味している。
【0028】
例示的で非限定的な別の実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの30%(30%X)未満とすることができる。例示的で非限定的な別の実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの20%(20%X)未満とすることができる。例示的で非限定的な一実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの10%(10%X)未満とすることができる。例示的で非限定的な一実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの5%(5%X)未満とすることができる。
【0029】
例示的で非限定的なさらに別の実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの2%(2%X)未満とすることができる。例示的で非限定的な一実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの1%(1%X)未満とすることができる。例示的で非限定的な一実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの0.5%(0.5%X)未満とすることができる。
【0030】
例示的で非限定的な一実施形態では、組織部位103に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112が、第2の患者向きの面と関連するXcm2の投影表面積を有することができるが、組織部位103に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、表面積Xの0.2%(0.2%X)未満とすることができる。図2を参照すると、組織部位103,103、例えば、創傷表面105に隣接するマイクロストレイン誘発マニホールド112は、創傷表面105を覆うことができ、投影表面積Xを有することができるが、創傷表面105に直接当接するマイクロストレイン誘発マニホールド112の部分を、Xの0.2%のみとすることができる。図3Cに示すように、当然のことながら、当接部分を、複数の成形突起126の各々の外面130の一部のみとすることができる。
【0031】
マイクロストレイン誘発マニホールド112は、相互結合ノード124が創傷表面105と係合するように、創傷102の近傍に配置することができる。例示的な一実施形態では、マイクロストレイン誘発マニホールド112が、創傷102を実質的に満たすために、互いの上に積み重ねられる。しかしながら、当然のことながら、単一のマイクロストレイン誘発マニホールド112を用いるようにしても、あるいは多層のマイクロストレイン誘発マニホールドを形成して使用するようにしてもよい。マイクロストレイン誘発マニホールド112は、成形突起126を有する単一の相互結合ノード124、または成形突起126を有する複数の独立した相互結合ノード124、または連結部材134で相互に結合された、成形突起126を含む相互結合ノード124のグループから形成することができる。
【0032】
また、当然のことながら、単一のマイクロストレイン誘発マニホールド112は、創傷102を満たすために、巻いたり、あるいはそれ自体の上に折り重ねるようにしてもよい。さらに、当然のことながら、単一のマイクロストレイン誘発マニホールド112を創傷102内に入れて、このマニホールド112の上に追加的なマニホールドを置くようにしてもよい。マイクロストレイン誘発マニホールド112の上に置くことができる追加のマニホールドの例には、流路を形成するように配列された構造要素を有する手段、連続気泡発泡体および多孔質組織収集体のような多孔性発泡体、流路を含むまたは流路を含むように保持する、液体、ゲルおよび発泡体が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0033】
図1を再び参照すると、減圧サブシステム114は、減圧源142を含むが、それは様々な形態を取ることができる。減圧源142は、減圧創傷治療システム100の一部として減圧を提供する。本明細書で使用される“reduced pressure(減圧)”は、一般に、治療を受ける組織部位の周囲圧力未満の圧力のことをいう。多くの場合、この減圧は、患者がいる位置の大気圧未満となるであろう。若しくは、減圧は、組織部位における静水圧未満であってもよい。減圧は、最初に、マイクロストレイン誘発マニホールド112、管路150および組織部位103の近傍に、流体の流れを生成する。組織部位103周囲の静水圧が所望の減圧に接近したとき、流体の流れが弱まり、減圧が維持される。特に記載がなければ、本明細書で述べる圧力の値は、ゲージ圧である。送達される減圧は、一定であっても、あるいは(パターン化されたまたはランダムな)変化を生じるものであってもよく、また、連続的または間欠的に送達されるものであってもよい。“真空”および“陰圧”といった用語が組織に加えられる圧力を説明するのに使用されるかもしれないが、組織部位に加えられる実際の圧力は、完全真空に通常付随する圧力よりも大きくなる可能性がある。本明細書における使用と一致するように、減圧または真空圧の増加は、典型的には絶対圧の相対的な低下のことをいう。
【0034】
減圧サブシステム114は、減圧を提供する。減圧サブシステム114は、減圧源142を含み、この減圧源は、真空ポンプ、壁面吸い込みなどのような任意の減圧源とすることができる。組織部位に加えられる減圧の量と性質は、一般に用途に応じて変わるものとなるが、典型的には、減圧は、−5mmHgと−500mmHgとの間になるであろう。圧力は、その他の方法でもマイクロストレイン誘発マニホールド112に同様に加えることができ、例えば、圧力ラップ(pressure wrap)を使用することもできる。
【0035】
図1の例示的な実施形態では、減圧源142は、バッテリコンパートメント144と、キャニスタ領域146とを備えて示され、キャニスタ領域は、キャニスタ146内の流体のレベルの視覚表示を与えるウィンドウ148を有する。また、疎水性または油分をはじくフィルタのような挿入薄膜フィルタを、管路150またはチューブと、減圧源142との間に介在させるようにしてもよい。
【0036】
減圧源142によって供給された減圧は、管路150を通って、減圧インタフェース152に送達される。この減圧インタフェースはエルボーポート154とすることができる。例示的な一実施形態では、ポート154が、テキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Inc.から入手可能なTRAC(登録商標)技術ポートとなっている。減圧インタフェース152は、減圧が密封部材110に送達されて、当該密封部材110の内部およびマイクロストレイン誘発マニホールド112に実現されることを可能にする。この例示的な実施形態では、ポート154は、密封部材110を通って延びて、マイクロストレイン誘発マニホールド112に至る。
【0037】
使用に際して、減圧創傷治療システム100は、患者の組織部位103、例えば、創傷102上の表皮104に適用することができる。マイクロストレイン誘発マニホールド112は、組織部位103の近傍、例えば、創傷102内に配置することができ、あるいは創傷102の一部を覆うことができる。密封部材110は、ドレープ外延部116が創傷102の外縁を越えて伸びるように、マイクロストレイン誘発マニホールド112の最上部の上に置くことができる。ドレープ外延部116は、創傷102の上に流体シールを形成するために、取付部材118によって患者の表皮104(または創傷縁部を取り囲むオーバードレープの追加片のようなガスケット部材)に固定されている。本明細書で言及される、患者の表皮への流体シールの形成には、創傷102近傍のガスケットにシールを形成することも含まれると見なされる。
【0038】
減圧インタフェース152は、まだ取り付けられていない場合には、適用され、この減圧インタフェース152に、管路150の一端が連結される。管路150の他端は、減圧源142に流体流通可能に連結されている。減圧源142は、減圧が密封部材110およびマイクロストレイン誘発マニホールド112に送達されるように、作動させることができる。減圧は、組織部位103に減圧治療を与え、流体を取り除き、成形突起が創傷102内において細胞レベルでマイクロストレインを引き起こすように、マイクロストレイン誘発マニホールド112の成形突起126を創傷102に押し付けることができる。前述したように、マイクロストレインは、細胞増殖、肉芽組織の形成およびその他の有益な効果を促進することができる。あるいは、マイクロストレイン誘発マニホールド112を組織部位103の近傍に配置して、その後に、マイクロストレイン誘発マニホールド112またはその他の圧力源の上にラップを使って圧力を加えるようにしてもよい。
【0039】
ここで、図4Aおよび図4Bを主に参照すると、図1の減圧創傷治療システム100のような減圧創傷治療システムの一部として使用されるマイクロストレイン誘発マニホールド212の例示的で非限定的な実施形態が示されている。マイクロストレイン誘発マニホールド212は、相互結合ノード224を含み、それら相互結合ノード224は、当該相互結合ノードから延出する成形突起226を含む。例示的な実施形態では、成形突起226は円錐形状であるが、当然のことながら、成形突起226は、前述したように、創傷内にマイクロストレインを引き起こすことができる任意の適当な形状を持つことができる。また、例示的な実施形態の各相互結合ノード224は、2つの突起226(図4Aに示される向きに対して上を向く突起と、下を向く突起)を含むが、当然のことながら、各相互結合ノード224から任意の数の突起224を延出させることができ、あるいは突起224を有さない相互結合ノード224を設けることもできる。また、例示的な実施形態では、各突起226は、対応する相互結合ノード224からほぼ垂直に延びるが、当然のことながら、各突起226を、対応する相互結合ノード224から任意の角度で延出させることもできる。
【0040】
相互結合ノード224は、図4Bに明確に示されるように、間隔を空けて配置されて、連結部材網234によって相互に結合されている。連結部材網234は、複数の湾曲部材236を含む。複数の流路240が、相互結合ノード224と部材236との間に形成されている。部材236は、曲面290を有し、この曲面は、マイクロストレイン誘発マニホールド212が減圧に曝されたときにマイクロストレイン誘発マニホールド212が二方向(例えば、x軸286およびy軸288に沿う方向)に(部分的または完全に)潰れるが第3の方向(例えば、z軸284)には全く潰れないか、潰れる程度がより少なくなるように、互いに協調して、あるいは1またはそれ以上の対応する相互結合ノード224の半径と協調して、湾曲している。マイクロストレイン誘発マニホールド212が潰れるとき、各部材236の各曲面290は、隣接する部材236の曲面290または少なくとも1の対応する相互結合ノード224に接するか、接近する。これは、減圧創傷治療システムが減圧治療中に創傷を結合させるのを補助するように構成されている場合に、特に有効である。
【0041】
ここで、図5Aおよび図5Bを主に参照すると、マイクロストレイン誘発マニホールドの形態のマニホールド構造体412の例示的で非限定的な実施形態が提示されている。マニホールド構造体412は、図1の減圧創傷治療システム100のような減圧創傷治療システムとともに使用するものとして示されている。マニホールド構造体412は、1またはそれ以上の縦部材456を含む。縦部材456は、横連結部材460によって、間隔を空けた状態で結合させることができる。横連結部材460は、縦部材456に連結することができる。縦部材456および横連結部材460は、円形の断面を有するものとして示されているが、縦部材456および横連結部材460は、当然のことながら、任意の適当な断面形状とすることができる。ここでは縦部材および横部材に言及しているが、部材456,460は互いに直交する必要は無く、その他の相対角を有するものであってもよい。
【0042】
マニホールド構造体412の各縦部材456は、創傷内にマイクロストレインを引き起こすための1またはそれ以上の成形突起426を含む。縦部材456および成形突起426は、マニホールド構造体412が隣接する縦部材456間または突起426間に複数の流路440または経路を含むように、配置されている。流路440は、マニホールド構造体412の周囲の組織の領域に与えられる流体、およびその領域から除去される流体の流通を促進する。当然のことながら、縦部材456および横方向部材460の任意の組合せを使用することができる。例えば、マニホールド構造体412は、突起426を有する縦部材456が縦に連結されたグループによって形成することができる。図5Aにはそのような8の縦のグループが示されており、横連結部材460とともに示されているが、幾つかの実施形態では、横連結部材460を省略することが可能である。また、横連結部材460のみが端部に示されているが、当然のことながら、任意の数の置換が可能であり、横方向部材460は、縦部材456間の様々な位置に分布させることができる。
【0043】
例示的な実施形態では、各成形突起426が、対応する縦部材456からほぼ垂直(法線方向)に突出している。ここで使用される“法線”は、その表面に対して垂直なベクトルである。非平面については、法線ベクトルは、点で捉えられ、その点における接平面に対する法線と同じである。しかしながら、当然のことながら、各成形突起426は、対応する縦部材456に対して任意の角度で突出させることができる。各成形突起426は、第1外径(D1)を有する柱状体427と、第2外径(D2)を有する拡大部429とを含むことができる。各拡大部429は、関連する柱状体427の遠位端に配置されている。各柱状体429は、任意の形状とすることができ、例えば、その断面は、円形、正方形、楕円形、不規則形状などであってもよく、また、その長手方向に沿って変化するものであってもよい。拡大部429は、図示のような球状部とすることもできるし、あるいは円筒部、立方体部または不規則形状のようなその他の形態を取ることもできる。拡大部429の第2外径(D2)は、柱状体427の第1外径(D1)より大きく、D2>D1である。これに関して、成形突起426は、より大きな遠位端からより小さな近位端へと先細になると見なすことができる。
【0044】
各成形突起426は、成形突起426が創傷に当接するときに創傷内にマイクロストレインを引き起こすことができる任意の適当な形状を持つことができる。さらに、例示的な実施形態では、成形突起426が実質的に均等な高さを有しているが、成形突起426は、当然のことながら、各縦部材456に沿って、または複数の縦部材456間で、高さが変化するものであってもよい。また、当然のことながら、マイクロストレインが創傷内の特定の領域に与えられないように、特定の縦部材456の特定部分が、成形突起426を有さないものとすることもできる。前述したマイクロストレイン誘発マニホールドと同様に、任意の適当なプロセスによってマニホールド構造体412を形成することができ、そのプロセスには、微小成形、射出成形、鋳造などが含まれるが、それらに限定されるものではない。成形突起426は、対応する縦部材456と実質的に一体に形成することもできるし、あるいは、それに限定される訳ではないが、機械的固定、溶接(例えば、超音波またはRF溶接)、ボンディング、接着剤、セメントなどを含む任意の適当な技術によって、対応する縦部材456に結合させることもできる。
【0045】
使用に際して、マニホールド構造体412は、組織部位、例えば、創傷の近傍に配置させることができ、密封部材をマニホールド構造体412および組織部位の上に広げることができる。その後、減圧が加えられるか、あるいは代替的には、直圧が加えられる。ある実施形態、例えば、広く間隔を空けた横方向部材460を有する実施形態では、マニホールド構造体412が減圧に曝されたときに、マニホールド構造体412が異方的に作用するものであってもよい。換言すれば、マニホールド構造体412が減圧に曝されたときに、成形突起426が創傷内に押し当てられてマイクロストレインを引き起こすのに加えて、縦部材456は互いに近接するように横方向に移動するものであってもよい。各縦部材456は、減圧を導入する前に隣接する縦部材456があった位置よりも、隣接する縦部材456により接近する。同時に、マニホールド構造体412は、縦部材456と実質的に平行な方向には、実質的に接触しない。
【0046】
横連結部材460が省略される場合には、更なる収縮も可能である。マニホールド構造体412は、縦部材456と平行な方向に比例変形が生じることなく、(図5Aの矢印458によって示されるように)縦部材456と実質的に垂直な方向により変形することができる。変形は、典型的には、同じ平面内で生じる。これは、システムが、例示的なマニホールド構造体412が収縮する減圧治療中に創傷を結合させるために、それを補う形で異方性ドレープまたは別のマニホールドのようなその他の構成要素を用いる場合に、有効である。間隔を空けた横連結部材460が、十分な数量使用される場合に、収縮が殆ど生じないことがある。代替的な実施形態では、幾つかの縦部材456がその他の縦部材456とほぼ垂直に配置されて、減圧に曝されたときに同一平面内の二方向に、マニホールド構造体412が部分的に収縮するか、より限られた形で収縮するように、マニホールド構造体412が構成されている。
【0047】
ここで図6Aおよび図6Bを主に参照すると、減圧創傷治療システム100(図1)のような減圧創傷治療システムとともに使用されるマイクロストレイン誘発マニホールド512の例示的で非限定的な別の実施形態が示されている。マイクロストレイン誘発マニホールド512は、マット558または基部を含み、そこから複数の成形突起526が延出している。マット558は、第1の面513と、第2の患者向きの面515とを有する。例示的な実施形態では、成形突起526が先細とされ、特に、ほぼ円錐形状となっているが、当然のことながら、成形突起526は、創傷内にマイクロストレインを引き起こすことができる任意の適当な形状を持つことができる。また、例示的な実施形態では、マット558からほぼ垂線方向に、すなわち垂直に延びる突起526を示しているが、当然のことながら、突起526は、マット558から任意の適当な角度で延出させることができる。さらに、例示的な実施形態では、突起526は実質的に等しい高さを有しているが、マット558は、様々な高さの突起526を含むことができる。マイクロストレインが創傷内の特定領域に与えられないように、マット558の一部に突起を設けないようにすることも可能である。また、成形突起526の剛性および成形突起526の傾斜は、突起526によって引き起こされるマイクロストレインが創傷の特定の領域においてその他の領域よりも多くなるように、マット558に沿って変化させるようにしてもよい。
【0048】
成形突起526は、マット558の一体部分として形成することもできるし、あるいは、それに限定される訳ではないが、機械的固定、溶接(例えば、超音波またはRF溶接)、ボンディング、接着剤、セメントなどを含む任意の適当な技術によって、マット558に結合させることもできる。また、マット558は、マイクロストレイン誘発マニホールド512の周囲の組織の領域に与えられる流体、およびその領域から除去する流体の流通を改善するために、突起526間に配置された複数の開口部560(図6B)を含むことができる。代替的な実施形態では、成形突起526をマット558上の変性蜂蜜(modified honey)から形成することができる。蜂蜜は、それが固体か部分的に固体であり、創傷と係合している少なくとも一定の期間その形状を保持するように、変性される。有利なことに、蜂蜜は抗菌剤として機能することがあり、また暫くすると、患者に吸収される。その他の吸収性物質も同様に使用することができる。
【0049】
操作に際して、マイクロストレイン誘発マニホールド512は、典型的には、第2の患者向きの面515が患者を向いて密封部材を覆う状態で、組織部位の近傍に置かれる。その後、減圧がマイクロストレイン誘発マニホールド512に送達される。減圧に曝されると、マイクロストレイン誘発マニホールド512が創傷に当接し、その結果、成形突起526が創傷内にマイクロストレインを引き起こす。さらに、滲出液およびその他の流体が開口部560を介してマット558を通り抜ける。また、幾つかの例では、成形突起526によって創傷内のマイクロストレインが増加しないようにすることが望ましい場合もある。そのような例では、マット558の第1の面513が創傷に当接して配置されて成形突起526が密封部材(図示省略)の方に延びるように、マイクロストレイン誘発マニホールド512を裏返しにするようにしてもよい。このため、マイクロストレイン誘発マニホールド512は、成形突起526によって創傷内にマイクロストレインを増加させることもなく、かん流および流体除去(開口部560を介して)を補助することができる。
【0050】
ここで図7を主に参照すると、図1の減圧創傷治療システム100のような減圧創傷治療システムとともに使用されるマイクロストレイン誘発マニホールド624の例示的で非限定的な別の実施形態が示されている。マイクロストレイン誘発マニホールドは、複数のマイクロストレイン誘発マニホールド624によって構成することができる。各マイクロストレイン誘発マニホールド部材624は、表面631から延びる1またはそれ以上の成形突起626を有する。図1乃至図3Bの圧力創傷治療システム100とは異なり、マイクロストレイン誘発マニホールド部材624は、連結部材網によって相互に結合されていない。すなわち、複数のマイクロストレイン誘発マニホールド部材624が創傷内に投入されて、その結果、それらが互いに協働して創傷内に(その場で)マイクロストレイン誘発マニホールド部材を形成するとともに、マイクロストレイン誘発マニホールド部材624の成形突起626が創傷と接触してそこでにマイクロストレインを引き起こす。複数のマイクロストレイン誘発マニホールド部材624は、創傷全体を埋めることができる。あるいは、複数のマイクロストレイン誘発マニホールド部材624は部分的に創傷を埋めることができ、任意には、創傷を埋めるために、代替的なマニホールドをマイクロストレイン誘発マニホールド部材624の上に載置することができる。
【0051】
別の代替例では、マイクロストレイン誘発マニホールド部材624が、材料のコーティングを有し、このコーティングによって、マイクロストレイン誘発マニホールド部材624がその場で互いに結合または焼結して単一の一体マニホールドを形成することが可能となっている。コーティングの非限定的な例としては、任意の水溶性、膨潤性または軟化性材料を含むことができ、それには、ポリビニルアルコールとその共重合体、ポリビニルピロリドンとその共重合体、ポリエチレンオキシドとその共重合体、ポリプロピレンオキシドとその共重合体、ヒドロキシル基、カルボキシル基およびスルホニル基を含む重合体(例えば、ヒドロキシエチルアクリラート、カルボキシルメチルセルロース、アクリルアミドメチルプロパン・スルホン酸およびその塩)、アルギン酸塩、ゴム(例えば、キサンタンおよびグァー)、その他ヒドロゲルおよび親水コロイドのような重合体が含まれる。
【0052】
特定の例示的で非限定的な実施形態との関連で本発明とその利点を開示してきたが、添付の請求項によって定義されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、置き換え、置換および修正をなし得ることに留意されたい。当然のことながら、何れかの実施形態との関係で示した任意の特徴は、任意のその他の実施形態にも適用可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の組織部位を治療する減圧創傷治療システムにおいて、
前記組織部位の近傍に配置するマイクロストレイン誘発マニホールドと、
前記組織および前記マイクロストレイン誘発マニホールドの上に配置されて、前記組織および前記マイクロストレイン誘発マニホールドの上に流体シールを形成するように機能する密封部材と、
前記密封部材に減圧を供給する減圧サブシステムとを備え、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、前記組織内でマイクロストレインを生じさせる複数の成形突起を有し、前記成形突起が先細に形成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、ほぼ直円錐形状に形成されていることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記複数の成形突起の少なくとも一つが、第1傾斜を有し、前記複数の成形突起の少なくともその他の一つが、第2傾斜を有し、前記第1傾斜が前記第2傾斜よりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、減圧に曝されたときに、第2方向よりも第1方向において、より大きく変形することを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムにおいて、
前記第1方向および前記第2方向が実質的に同一平面上にあることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記複数の成形突起が、連結部材網により相互に結合されていることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、少なくとも部分的に薬品により被覆されていることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、少なくとも部分的に抗菌性材料により被覆されていることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、生体吸収性材料から形成されていることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、生体吸収性材料から形成されていることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドの少なくとも一部が、親水性材料により被覆されていることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記複数の成形突起の少なくとも一つが、第1剛性を有し、前記複数の成形突起の少なくともその他の一つが、第2剛性を有し、前記第1剛性が前記第2剛性よりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記複数の成形突起の少なくとも一つが、第1高さを有し、前記複数の成形突起の少なくともその他の一つが、第2高さを有し、前記第1高さが前記第2高さよりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、40%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、30%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、20%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、10%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、5%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、2%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、1%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、0.5%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、0.2%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項23】
患者の組織部位を治療するマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記組織内でマイクロストレインを生じさせる複数の成形突起を備え、前記成形突起が先細の突起を含むことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項24】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記成形突起の少なくとも一つが、ほぼ直円錐形状に形成されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項25】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記複数の成形突起の少なくとも一つが、第1傾斜を有し、前記複数の成形突起の少なくともその他の一つが、第2傾斜を有し、前記第1傾斜が前記第2傾斜よりも大きいことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項26】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、減圧に曝されたときに、第2方向よりも第1方向において、より大きく変形することを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項27】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記第1方向および前記第2方向が実質的に同一平面上にあることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項28】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記複数の成形突起が、連結部材網により相互に結合されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項29】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、少なくとも部分的に薬品により被覆されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項30】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、少なくとも部分的に抗菌性材料により被覆されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項31】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記成形突起の少なくとも一つが、生体吸収性材料から形成されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項32】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、生体吸収性材料から形成されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項33】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドの少なくとも一部が、親水性材料により被覆されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項34】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記複数の成形突起の少なくとも一つが、第1剛性を有し、前記複数の成形突起の少なくともその他の一つが、第2剛性を有し、前記第1剛性が前記第2剛性よりも大きいことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項35】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記複数の円錐状の成形突起の少なくとも一つが、第1高さを有し、前記複数の円錐状の成形突起の少なくともその他の一つが、第2高さを有し、前記第1高さが前記第2高さよりも大きいことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項36】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、40%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項37】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、30%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項38】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、20%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項39】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、10%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項40】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、5%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項41】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、2%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項42】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、1%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項43】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、0.5%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項44】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、0.2%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項45】
患者の組織部位を治療する減圧創傷治療システムにおいて、
前記組織の近傍に配置するマイクロストレイン誘発マニホールドであって、複数の相互結合ノードを有し、前記相互結合ノードの少なくとも一つが、前記組織内でマイクロストレインを生じさせる少なくとも1の成形突起を含み、前記少なくとも1の成形突起が、角度のある突起を含むマイクロストレイン誘発マニホールドと、
前記組織および前記マイクロストレイン誘発マニホールドの上に配置されて、前記組織および前記マイクロストレイン誘発マニホールドの上に流体シールを形成するように機能する密封部材と、
前記密封部材に減圧を供給する減圧サブシステムとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項46】
請求項45に記載のシステムにおいて、
少なくとも1の相互結合ノードが、マイクロストレインを生じさせる少なくとも2の成形突起を含むことを特徴とするシステム。
【請求項47】
請求項45に記載のシステムにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、第1傾斜を有し、前記成形突起の少なくともその他の一つが、第2傾斜を有し、前記第1傾斜が前記第2傾斜よりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項48】
請求項45に記載のシステムにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、第1剛性を有し、前記成形突起の少なくともその他の一つが、第2剛性を有し、前記第1剛性が前記第2剛性よりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項49】
請求項45に記載のシステムにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、第1高さを有し、前記成形突起の少なくともその他の一つが、第2高さを有し、前記第1高さが前記第2高さよりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項50】
請求項45に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、減圧に曝されたときに、第2方向よりも第1方向において、より大きく変形することを特徴とするシステム。
【請求項51】
請求項50に記載のシステムにおいて、
前記第1方向および前記第2方向が実質的に同一平面上にあることを特徴とするシステム。
【請求項52】
請求項45に記載のシステムにおいて、
前記複数の相互結合ノードが、連結部材網により相互に結合されていることを特徴とするシステム。
【請求項53】
患者の組織を治療するマイクロストレイン誘発マニホールドであって、
複数の相互結合ノードを備え、
前記相互結合ノードの少なくとも一つが、前記組織内でマイクロストレインを生じさせる少なくとも1の成形突起を含み、
前記少なくとも1の成形突起が、角度のある突起を含むことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項54】
請求項53に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
少なくとも1の相互結合ノードが、マイクロストレインを生じさせる少なくとも2の成形突起を含むことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項55】
請求項53に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、第1傾斜を有し、前記成形突起の少なくともその他の一つが、第2傾斜を有し、前記第1傾斜が前記第2傾斜よりも大きいことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項56】
請求項53に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、第1剛性を有し、前記成形突起の少なくともその他の一つが、第2剛性を有し、前記第1剛性が前記第2剛性よりも大きいことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項57】
請求項53に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、第1高さを有し、前記成形突起の少なくともその他の一つが、第2高さを有し、前記第1高さが前記第2高さよりも大きいことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項58】
請求項53に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、減圧に曝されたときに、第2方向よりも第1方向において、より大きく変形することを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項59】
請求項58に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
前記第1方向および前記第2方向が実質的に同一平面上にあることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項60】
請求項53に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
前記複数の相互結合ノードが、連結部材網により相互に結合されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項61】
患者の組織を治療する方法において、
患者の組織の近傍にマイクロストレイン誘発マニホールドを配置するステップであって、前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、前記組織内でマイクロストレインを生じさせる複数の成形突起を有し、前記複数の成形突起が複数の先細の突起を含むものであるステップと、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドおよび患者の表皮の一部の上に密封部材を配置するステップと、
前記密封部材と患者の表皮との間に流体シールを形成するステップと、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドに減圧を与え、その結果として前記複数の成形突起が前記組織内でマイクロストレインを生じさせるステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項62】
請求項61に記載の方法において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、減圧に曝されたときに、第2方向よりも第1方向において、より大きく変形することを特徴とする方法。
【請求項63】
請求項62に記載の方法において、
前記第1方向および前記第2方向が実質的に同一平面上にあることを特徴とする方法。
【請求項1】
患者の組織部位を治療する減圧創傷治療システムにおいて、
前記組織部位の近傍に配置するマイクロストレイン誘発マニホールドと、
前記組織および前記マイクロストレイン誘発マニホールドの上に配置されて、前記組織および前記マイクロストレイン誘発マニホールドの上に流体シールを形成するように機能する密封部材と、
前記密封部材に減圧を供給する減圧サブシステムとを備え、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、前記組織内でマイクロストレインを生じさせる複数の成形突起を有し、前記成形突起が先細に形成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、ほぼ直円錐形状に形成されていることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記複数の成形突起の少なくとも一つが、第1傾斜を有し、前記複数の成形突起の少なくともその他の一つが、第2傾斜を有し、前記第1傾斜が前記第2傾斜よりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、減圧に曝されたときに、第2方向よりも第1方向において、より大きく変形することを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムにおいて、
前記第1方向および前記第2方向が実質的に同一平面上にあることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記複数の成形突起が、連結部材網により相互に結合されていることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、少なくとも部分的に薬品により被覆されていることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、少なくとも部分的に抗菌性材料により被覆されていることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、生体吸収性材料から形成されていることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、生体吸収性材料から形成されていることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドの少なくとも一部が、親水性材料により被覆されていることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記複数の成形突起の少なくとも一つが、第1剛性を有し、前記複数の成形突起の少なくともその他の一つが、第2剛性を有し、前記第1剛性が前記第2剛性よりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記複数の成形突起の少なくとも一つが、第1高さを有し、前記複数の成形突起の少なくともその他の一つが、第2高さを有し、前記第1高さが前記第2高さよりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、40%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、30%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、20%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、10%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、5%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、2%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、1%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、0.5%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、第2の患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記第2の患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールドの部分が、0.2%X未満であることを特徴とするシステム。
【請求項23】
患者の組織部位を治療するマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記組織内でマイクロストレインを生じさせる複数の成形突起を備え、前記成形突起が先細の突起を含むことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項24】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記成形突起の少なくとも一つが、ほぼ直円錐形状に形成されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項25】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記複数の成形突起の少なくとも一つが、第1傾斜を有し、前記複数の成形突起の少なくともその他の一つが、第2傾斜を有し、前記第1傾斜が前記第2傾斜よりも大きいことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項26】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、減圧に曝されたときに、第2方向よりも第1方向において、より大きく変形することを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項27】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記第1方向および前記第2方向が実質的に同一平面上にあることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項28】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記複数の成形突起が、連結部材網により相互に結合されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項29】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、少なくとも部分的に薬品により被覆されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項30】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、少なくとも部分的に抗菌性材料により被覆されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項31】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記成形突起の少なくとも一つが、生体吸収性材料から形成されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項32】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、生体吸収性材料から形成されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項33】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドの少なくとも一部が、親水性材料により被覆されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項34】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記複数の成形突起の少なくとも一つが、第1剛性を有し、前記複数の成形突起の少なくともその他の一つが、第2剛性を有し、前記第1剛性が前記第2剛性よりも大きいことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項35】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記複数の円錐状の成形突起の少なくとも一つが、第1高さを有し、前記複数の円錐状の成形突起の少なくともその他の一つが、第2高さを有し、前記第1高さが前記第2高さよりも大きいことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項36】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、40%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項37】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、30%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項38】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、20%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項39】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、10%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項40】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、5%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項41】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、2%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項42】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、1%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項43】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、0.5%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項44】
請求項23に記載のマイクロストレイン誘発マニホールド部材において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材が、患者向きの面と関連する投影表面積Xを有し、前記患者向きの面が組織部位に隣接して配置されるものであり、前記組織部位に直接当接する前記マイクロストレイン誘発マニホールド部材の部分が、0.2%X未満であることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド部材。
【請求項45】
患者の組織部位を治療する減圧創傷治療システムにおいて、
前記組織の近傍に配置するマイクロストレイン誘発マニホールドであって、複数の相互結合ノードを有し、前記相互結合ノードの少なくとも一つが、前記組織内でマイクロストレインを生じさせる少なくとも1の成形突起を含み、前記少なくとも1の成形突起が、角度のある突起を含むマイクロストレイン誘発マニホールドと、
前記組織および前記マイクロストレイン誘発マニホールドの上に配置されて、前記組織および前記マイクロストレイン誘発マニホールドの上に流体シールを形成するように機能する密封部材と、
前記密封部材に減圧を供給する減圧サブシステムとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項46】
請求項45に記載のシステムにおいて、
少なくとも1の相互結合ノードが、マイクロストレインを生じさせる少なくとも2の成形突起を含むことを特徴とするシステム。
【請求項47】
請求項45に記載のシステムにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、第1傾斜を有し、前記成形突起の少なくともその他の一つが、第2傾斜を有し、前記第1傾斜が前記第2傾斜よりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項48】
請求項45に記載のシステムにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、第1剛性を有し、前記成形突起の少なくともその他の一つが、第2剛性を有し、前記第1剛性が前記第2剛性よりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項49】
請求項45に記載のシステムにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、第1高さを有し、前記成形突起の少なくともその他の一つが、第2高さを有し、前記第1高さが前記第2高さよりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項50】
請求項45に記載のシステムにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、減圧に曝されたときに、第2方向よりも第1方向において、より大きく変形することを特徴とするシステム。
【請求項51】
請求項50に記載のシステムにおいて、
前記第1方向および前記第2方向が実質的に同一平面上にあることを特徴とするシステム。
【請求項52】
請求項45に記載のシステムにおいて、
前記複数の相互結合ノードが、連結部材網により相互に結合されていることを特徴とするシステム。
【請求項53】
患者の組織を治療するマイクロストレイン誘発マニホールドであって、
複数の相互結合ノードを備え、
前記相互結合ノードの少なくとも一つが、前記組織内でマイクロストレインを生じさせる少なくとも1の成形突起を含み、
前記少なくとも1の成形突起が、角度のある突起を含むことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項54】
請求項53に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
少なくとも1の相互結合ノードが、マイクロストレインを生じさせる少なくとも2の成形突起を含むことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項55】
請求項53に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、第1傾斜を有し、前記成形突起の少なくともその他の一つが、第2傾斜を有し、前記第1傾斜が前記第2傾斜よりも大きいことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項56】
請求項53に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、第1剛性を有し、前記成形突起の少なくともその他の一つが、第2剛性を有し、前記第1剛性が前記第2剛性よりも大きいことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項57】
請求項53に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
前記成形突起の少なくとも一つが、第1高さを有し、前記成形突起の少なくともその他の一つが、第2高さを有し、前記第1高さが前記第2高さよりも大きいことを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項58】
請求項53に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、減圧に曝されたときに、第2方向よりも第1方向において、より大きく変形することを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項59】
請求項58に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
前記第1方向および前記第2方向が実質的に同一平面上にあることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項60】
請求項53に記載のマイクロストレイン誘発マニホールドにおいて、
前記複数の相互結合ノードが、連結部材網により相互に結合されていることを特徴とするマイクロストレイン誘発マニホールド。
【請求項61】
患者の組織を治療する方法において、
患者の組織の近傍にマイクロストレイン誘発マニホールドを配置するステップであって、前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、前記組織内でマイクロストレインを生じさせる複数の成形突起を有し、前記複数の成形突起が複数の先細の突起を含むものであるステップと、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドおよび患者の表皮の一部の上に密封部材を配置するステップと、
前記密封部材と患者の表皮との間に流体シールを形成するステップと、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドに減圧を与え、その結果として前記複数の成形突起が前記組織内でマイクロストレインを生じさせるステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項62】
請求項61に記載の方法において、
前記マイクロストレイン誘発マニホールドが、減圧に曝されたときに、第2方向よりも第1方向において、より大きく変形することを特徴とする方法。
【請求項63】
請求項62に記載の方法において、
前記第1方向および前記第2方向が実質的に同一平面上にあることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【公表番号】特表2012−513825(P2012−513825A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543594(P2011−543594)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/068544
【国際公開番号】WO2010/075179
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/068544
【国際公開番号】WO2010/075179
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】
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