説明

マイクロフィルム用データ変換システム

【課題】 人的作業を介さずに大量のマイクロフィルムに収められたアナログデータをデジタルデータに変換してデータベースに登録することが可能なマイクロフィルム用データ変換システムを提供する。
【解決手段】
撮影マイクロフィルムの写真画像を撮影するための撮影手段と、マイクロフィルムを載置するための撮影台と、供給部に供給されているマイクロフィルムを撮影台に搬送すると共に撮影済みのマイクロフィルムを収納部に搬送する搬送手段と、を備えるマイクロフィルム用データ変換システムについて、撮影手段は、写真画像を高分解能で撮像する高分解能カメラを有し、撮影された高分解の写真画像データを実質的に拡大して格納するための記憶部と、記憶された写真画像データを文字認識してテキストデータを生成する文字認識部と、テキストデータを格納するためのデータベースと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロフィルムに収められたアナログデータをデジタルデータに変換するマイクロフィルム用データ変換システムに関する。
【0002】
従来、この種のマイクロフィルム用データ変換システムとして、マイクロフィルムに収められた縮小サイズの書類の写真画像(アナログデータ)をスキャナで読み取り生成した画像データ(デジタルデータ)をPC(Personal Computer)等の上位装置の表示部に表示させ、オペレータの該装置の操作により該表示部に表示された画像データをA4等の指定サイズに拡大し、拡大した画像データに対し該装置に予め設定された文字認識機能を用いて拡大した画像データに含まれる文字情報を文字認識してテキストデータ(デジタルデータ)を生成し、生成したテキストデータに、オペレータが該装置の操作部を介した手入力したマイクロフィルムの識別情報及び写真画像の順番を示すデータ番号を対応させてデータベースに登録するマイクロフィルム用データ変換システムが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記データ変換作業は、人的作業を要するため処理に時間がかかり、大量のマイクロフィルムの処理には不向きであるという問題があった。
【0004】
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、人的作業を介さずに大量のマイクロフィルムに収められたアナログデータをデジタルデータに変換してデータベースに登録することが可能なマイクロフィルム用データ変換システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
本発明のマイクロフィルム用データ変換システムは、撮影マイクロフィルムの写真画像を撮影するための撮影手段と、マイクロフィルムを載置するための撮影台と、供給部に供給されているマイクロフィルムを撮影台に搬送すると共に撮影済みのマイクロフィルムを収納部に搬送する搬送手段と、を備えるマイクロフィルム用データ変換システムについて、撮影手段は、写真画像を高分解能で撮像する高分解能カメラを有し、撮影された高分解の写真画像データを実質的に拡大して格納するための記憶部と、記憶された写真画像データを文字認識してテキストデータを生成する文字認識部と、テキストデータを格納するためのデータベースと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、マイクロフィルムに収められた縮小サイズの写真画像を高分解能カメラで撮影して各写真画像データを生成し、この写真画像データに対し文字認識処理を行ってテキストデータを生成し、テキストデータに、識別情報を対応付けてデータベースに登録する。
【0007】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【実施例】
【0008】
<実施例の構成>
本発明の実施例のマイクロフィルム用データ変換システム1000は、図1に示すように、マイクロフィルム処理装置100と、該マイクロフィルム処理装置100とネットワーク300を介して接続されているホスト装置200とで構成されている。ここで、本発明のマイクロフィルム用データ変換システム1000は、例えば保険会社の顧客毎の書類の写真データが収められている大量のマイクロフィルムのデジタルデータ化の処理に用いられる。
【0009】
マイクロフィルム処理装置100は、図1に示すように、ネットワーク300に接続されている通信部101と、装置全体を制御する制御部102と、一時記憶部103と、ユーザからの各種指示を受け付けるための操作部104と、搬送部105と、撮影部106と、装置を制御するための各種プログラムを格納するROM(Read Only Momory)107と、文字認識部108と、エラーデータ生成部109と、変換データ生成部110と、不揮発性記憶部111とを備える。
【0010】
そして、マイクロフィルム処理装置100は、図2に示すように、未処理のマイクロフィルムを設置するための供給部112と、撮影部106に備える後述する撮像カメラ1061及び高分解能カメラ1062でマイクロフィルムを撮影するために該マイクロフィルム1を配置するためのテーブル113と、処理が終了したマイクロフィルム1を収納するための収納部114とを備える。
【0011】
マイクロフィルム1(COM:Computer output Microfilmを含む)には、図3に示すように、実際のサイズに対して1/50倍程度に縮小されている書類の写真データ2(マイクロフィッシュ型フィルムを含む)が収められており、各写真データ2は、書類の順序に基づいて並べられている。この、マイクロフィルム1内の写真データ2の並び順は、全てのマイクロフィルムに共通であるものとする。また、マイクロフィルム1の識別情報3の記載位置は、全てのマイクロフィルムに共通であるものとする。
【0012】
ユーザが供給部112に未処理のマイクロフィルム1を配置し、操作部104を操作してマイクロフィルム1のデータ変換処理を指示すると、制御部102は、搬送部105にマイクロフィルム1のテーブル113への搬送を指示する。
【0013】
搬送部105は、図2に示すように、マイクロフィルム1を供給部112からテーブル113に、テーブル113から収納部114に搬送する部であり、マイクロフィルム1をピックアップ可能な図示しないアームを有する構成になっている。そして、搬送部105は、マイクロフィルム1のテーブル113への搬送の指示を受けると、上記アームを用いて供給部112に設置されているマイクロフィルム1をピックアップしてテーブル113に搬送する。
【0014】
また、搬送部105は、撮影終了後に後述するマイクロフィルム1の収納部114への搬送の指示を受けると、上記アームを用いてテーブル113に配置されたマイクロフィルム1をピックアップして収納部114に搬送する。これにより、マイクロフィルム用データ変換システム1000における1枚のマイクロフィルム1に対する処理を終了する。
【0015】
マイクロフィルム1がテーブル113に設置されると、制御部102は、図示しないセンサを介してマイクロフィルム1の設置を検知するので、撮影部106にマイクロフィルム1の識別情報3の撮影を指示する。
【0016】
撮影部106は、マイクロフィルム1の識別情報3を撮影するための撮像カメラ1061と、マイクロフィルムに収められた全ての写真データ2を撮影するための高分解能カメラ1062とを有し、かつズーム倍率を調整する機能を有する。テーブル113は、マイクロフィルムの撮影対象部分をカメラの撮影位置に合わせるために、x−y方向に移動する。
【0017】
即ち、撮影部106は、マイクロフィルムの識別情報3の撮影の指示を受けると、撮像カメラ1061をマイクロフィルム1の識別情報3を撮影可能な所定ズーム倍率に調整し、該撮像カメラ1061を用いてマイクロフィルム1の識別情報3を撮影する。
【0018】
一方、撮影部106は、写真データ2の撮影の指示を受けると、高分解能カメラ1062をマイクロフィルム1に含まれる各写真データ2を撮影可能なズーム倍率に調整し、該高分解能カメラ1062を用いてマイクロフィルム1に含まれる全写真データ2を撮影する。この高分解能カメラ1062は、マイクロフィルム1に収められている全ての写真データを撮影する場合、テーブル113の移動に同期させて動作する。
【0019】
高分解能カメラ1062は、例えば一次元7450画素白黒カメラ(画素サイズ:4.7μm、センサ長さ:35mm、スキャンレート:6.4KHz)である。この高分解能カメラ1062において、例えばA4サイズの画像データの分解能を300dpiとするには、レンズ倍率:1/2.7にして視野:13mmを確保する必要がある。ここで、テーブル113は、マイクロフィルム1の撮影対象部分に高分解能カメラ1062を合わせるために、図示しないモータを用いて搬送速度11.2mm/sでx−y方向に移動する。
【0020】
また、高分解能カメラ1062として、例えば二次元1600万画素カメラ(画素サイズ:7.4μm、画素数:4872×3248、視野:36mm×24mm)を用いると、この高分解能カメラ1062において、例えばA4サイズの画像データの分解能を300dpiとするには、270回の分割撮像(カメラ分解能:1.76μm、視野:8.5mm×5.7mを確保)が必要である。
【0021】
撮影部106が撮像カメラ1061を用いてマイクロフィルム1の識別情報3を撮影し、画像データを生成すると、制御部102は、生成した画像データを一時記憶部103に記憶する。そして、制御部102は、画像データを記憶すると、文字認識部108を動作制御する。
【0022】
一方、撮影部106が高分解能カメラ1062を用いてマイクロフィルム1の全ての写真データ2を撮影し、全写真画像データを生成すると、制御部102は、生成した全写真画像データを一時記憶部103に記憶する。そして、制御部102は、全写真画像データを記憶すると、文字認識部108を動作制御する。
【0023】
文字認識部108は、画像データに含まれる識別情報3及び後述する写真画像データに含まれる文字情報を文字認識する機能を有する。即ち、この文字認識部108では、一時記憶部103上で各画像データに含まれる文字領域を画素値(明度)に基づいて認識し、該文字領域内の各文字を切り出し、切り出した文字データを一文字毎に色々な種類のフォント文字情報の認識処理に対応すべくファジィ理論を適用した文字認識処理等の複数種類のOCR処理を実施し、結果をまとめてその文字認識結果とする処理を行うものとする。
【0024】
また、文字認識部108は、全写真画像データに含まれる各文字領域(写真画像データ)の文字認識を行う毎に、該認識回数をカウントするカウント機能を有する。文字認識部108は、1枚のマイクロフィルム1毎に文字認識終了信号を出力すると、カウント値を0に初期化する。
【0025】
即ち、文字認識部108は、上記画像データに含まれる識別情報3を文字認識して識別テキストデータを生成する。生成した識別テキストデータは、制御部102の制御により、一時記憶部103に記憶される。制御部102は、識別テキストデータを記憶すると、撮影部106に写真データ2の撮影を指示する。
【0026】
一方、この文字認識部108は、画像補正機能を備え、文字認識が不可であった写真画像データを反転し、又は逆転し、再び文字認識を行い、画像補正を行っても文字認識が不可であると、文字認識不可と判定する。
【0027】
また、文字認識部108は、文字認識不可の判定をすると、エラーデータ生成部109にエラーデータの生成を指示すると共に、写真画像データのデータ番号に該当する上記カウント値を供給する。
【0028】
エラーデータ生成部109は、エラーデータの生成の指示と共に、文字認識不可であった写真画像データのデータ番号を受けると、一時記憶部103で保持する識別テキストデータと、該データ番号とを対応付けたエラーデータを生成し、該エラーデータを不揮発性記憶部111に記憶する。そして、エラーデータ生成部109は、エラーデータを記憶すると、エラーデータ登録済信号を出力する。このエラーデータは、管理者によるマイクロフィルム処理装置100の操作部104を介した操作により、装置の図示しないディスプレイに例えばリスト表示され、該管理者により対応処理されるものとする。
【0029】
ところで、高分解能カメラ1062で撮像された各写真画像データは、高分解されたドットデータから成るため、例えばA4等の指定サイズのメモリ領域に実質的に拡大されて記憶される。この画像拡大処理については、従来、画像データを拡大する場合、画像データのドット数を増やして指定サイズの画像データに拡大しているが、本発明においては、高分解能カメラ1062を用いて高分解されたドットの写真画像データを生成しているので、該写真画像データの各ドットのサイズを拡大するだけで、拡大写真画像データを取得することができる。
【0030】
文字認識部108が写真画像データに含まれる文字情報を文字認識してテキストデータを生成すると、制御部102は、生成したテキストデータを一時記憶部103に記憶する。そして、制御部102は、テキストデータを記憶すると、変換データ生成部110に変換データの生成を指示する。
【0031】
変換データ生成部110は、変換データ生成の指示を受けると、一時記憶部103で保持する識別テキストデータ(マイクロフィルム名)と、文字認識部108が付したカウント値(データ番号)と、写真データ2のテキストデータとを対応付けた変換データを生成し、生成した変換データをホスト装置200に送信する。
【0032】
制御部102は、文字認識部108から1枚のマイクロフィルム1に対する文字認識終了信号を受けると、搬送部105にマイクロフィルム1の収納部114への搬送を指示する。
【0033】
ホスト装置200は、上記マイクロフィルム1の変換データを管理するための装置であり、図1に示すように、ネットワーク300と接続する通信部201と、装置全体を制御する制御部202と、一時記憶部203と、変換データ管理部204と、変換データDB(データベース)205とを備える。
【0034】
制御部202は、通信部201を介して変換データを受けると、該変換データを一時記憶部203に記憶する。そして、制御部202は、変換データ管理部204に変換データの新規登録を指示する。
【0035】
変換データ管理部204は、変換データDB205を管理する部であり、変換データの新規登録の指示を受けると、一時記憶部203で保持する変換データ(マイクロフィルム名、データ番号、テキストデータ)を変換データDB205に新規登録する。図4に変換データDB205の構成の一例を示す。
【0036】
変換データ管理部204が変換データを新規登録すると、制御部202は、変換データ登録済信号を生成し、該信号をマイクロフィルム処理装置100に送信する。
【0037】
<実施例1の動作>
以下、本発明に係る実施例のマイクロフィルム用データ変換システム1000の動作について図5及び図6のフローチャートを用いて説明する。本実施例では、高分解能カメラ1062として、一次元7450画素白黒カメラ(画素サイズ:4.7μm、センサ長さ:35mm、スキャンレート:6.4KHz)を用いる。ここで、上記高分解能カメラ1062では、A4サイズの画像データの分解能を300dpiとするには、レンズ倍率:1/2.7にして視野:13mmを確保する必要がある。
【0038】
ユーザが供給部112に未処理のマイクロフィルム1を設置し、操作部104を操作してマイクロフィルム1のデータ変換処理を指示すると(ステップS101)、制御部102は、搬送部105にマイクロフィルム1のテーブル113への搬送を指示する。
【0039】
搬送部105は、マイクロフィルム1のテーブル113への搬送の指示を受けると、図示しないアームを用いて供給部112に設置されているマイクロフィルム1をピックアップしてテーブル113に搬送する(ステップS102)。
【0040】
マイクロフィルム1がテーブル113に設置されると、制御部102は、図示しないセンサを介してマイクロフィルム1の設置を検知するので、撮影部106にマイクロフィルム1の識別情報3の撮影を指示する。
【0041】
撮影部106は、マイクロフィルムの識別情報3の撮影の指示を受けると、撮像カメラ1061をマイクロフィルム1の識別情報3を撮影可能な所定ズーム倍率に調整し、該撮像カメラ1061を用いてマイクロフィルム1の識別情報3を撮影する。このとき、テーブル113は、マイクロフィルムの撮影対象部分を撮影位置に合わせるために、x−y方向に移動する。
【0042】
撮影部106が撮像カメラ1061を用いてマイクロフィルム1の識別情報3を撮影し、画像データを生成すると(ステップS103)、制御部102は、生成した画像データを一時記憶部103に記憶する。そして、制御部102は、画像データを記憶すると、文字認識部108を動作制御する。
【0043】
文字認識部108は、識別情報3の文字認識の指示を受けると、上記画像データに含まれる識別情報3を文字認識して識別テキストデータを生成する(ステップS104)。生成した識別テキストデータは、制御部102の制御により、一時記憶部103に記憶される。制御部102は、識別テキストデータを記憶すると、撮影部106に写真データ2の撮影を指示する。
【0044】
撮影部106は、写真データ2の撮影の指示を受けると、高分解能カメラ1062をマイクロフィルム1に含まれる各写真データ2を撮影可能なズーム倍率に調整し、該高分解能カメラ1062を用いてマイクロフィルム1に含まれる全写真データ2を撮影する。この撮影部106は、マイクロフィルム1に収められている全ての写真データを撮影する場合、テーブル113の移動に同期させて動作する。
【0045】
撮影部106が高分解能カメラ1062を用いてマイクロフィルム1の全ての写真データ2を撮影し、全写真画像データを生成すると(ステップS105)、制御部102は、生成した全写真画像データを一時記憶部103に記憶する。そして、制御部102は、全写真画像データを記憶すると、文字認識部108を動作制御する。
【0046】
文字認識部108は、写真データ2に含まれる文字情報の文字認識の指示を受けると、文字認識回数=1をカウントし(ステップS106)、上記全写真画像データに含まれる文字領域(写真画像データ)を抽出し、該写真画像データに含まれる文字情報の文字認識が可能であると(ステップS107)、テキストデータを生成する(ステップS108)。生成したテキストデータは、制御部102の制御により一時記憶部103に記憶する。そして、制御部102は、テキストデータを記憶すると、変換データ生成部110に変換データの生成を指示する。
【0047】
一方、文字認識部108は、写真画像データに含まれる文字情報の文字認識が不可であると、該写真画像データを反転し、又は逆転し、再び文字認識を行い、画像補正を行って文字認識が可能であると、テキストデータを生成する。
【0048】
また、文字認識部108は、上記画像補正を行っても文字認識が不可であると、文字認識不可と判定する(ステップS109)。
【0049】
文字認識部108は、文字認識不可の判定をすると、エラーデータ生成部109にエラーデータの生成を指示すると共に、写真画像データのデータ番号に該当する上記カウント値=1を供給する。
【0050】
エラーデータ生成部109は、エラーデータの生成の指示と共に、文字認識不可であった写真画像データのデータ番号を受けると、一時記憶部103で保持する識別テキストデータと、該データ番号とを対応付けたエラーデータを生成し(ステップS110)、該エラーデータを不揮発性記憶部111に記憶する(ステップS111)。そして、エラーデータ生成部109は、エラーデータを記憶すると、エラーデータ登録済信号を出力する。このエラーデータは、管理者によるマイクロフィルム処理装置100の操作部104を介した操作により、装置の図示しないディスプレイに例えばリスト表示され、該管理者により対応処理される。
【0051】
変換データ生成部110は、変換データ生成の指示を受けると、一時記憶部103で保持する識別テキストデータ(マイクロフィルム名)と、文字認識部108が有するカウント値(データ番号)と、テキストデータ(txtファイル)とを対応付けた変換データを生成し(ステップS112)、生成した変換データを通信部101を介してホスト装置200に送信する(ステップS113)。
【0052】
ホスト装置200の制御部202は、通信部201を介して変換データを受けると、該変換データを一時記憶部203に記憶する。そして、制御部202は、変換データ管理部204に変換データの新規登録を指示する。
【0053】
変換データ管理部204は、変換データDB205を管理する部であり、変換データの新規登録の指示を受けると、一時記憶部203で保持する変換データ(マイクロフィルム名、データ番号、テキストデータ)を変換データDB205に新規登録する(ステップS114)。
【0054】
変換データ管理部204が変換データを新規登録すると、制御部202は、変換データ登録済信号を生成し、該信号を通信部201を介してマイクロフィルム処理装置100に送信する。
【0055】
マイクロフィルム処理装置100の制御部102は、通信部101を介して上記変換データ登録済信号を受けると、文字認識部108を動作制御する。
【0056】
文字認識部108は、全写真画像データに含まれる全ての文字領域(写真画像データ)の文字認識を終了すると(ステップS115)、文字認識終了信号を出力し、カウント値を0に初期化する(ステップS116)。
【0057】
一方、文字認識部108は、全写真画像データに含まれる全ての文字領域(写真画像データ)の文字認識を終了していない場合には、次の写真画像データの文字認識を行う。
【0058】
制御部102は、文字認識部108から1枚のマイクロフィルム1に対する文字認識終了信号を受けると、搬送部105にマイクロフィルム1の収納部114への搬送を指示する。
【0059】
搬送部105は、マイクロフィルム1の収納部114への搬送の指示を受けると、図示しないアームを用いてテーブル113に配置されたマイクロフィルム1をピックアップして収納部114に搬送する(ステップS117)。これにより、マイクロフィルム用データ変換システム1000における1枚のマイクロフィルム1に対する処理を終了する。
【0060】
<実施例の効果>
本発明の実施例のマイクロフィルム用データ変換システム1000によれば、マイクロフィルム処理装置100及びホスト装置200とをネットワークで接続し、供給部112に設置されたマイクロフィルム1を搬送部105によりテーブル113に自動搬送し、該テーブル113に設置されたマイクロフィルム1を撮影部106に備える撮像カメラ1061でマイクロフィルム1の識別情報3を撮影して画像データを生成し、生成した画像データを文字認識して識別テキストデータ(マイクロフィルム名)を取得し、高分解能カメラ1062で該マイクロフィルム1に収められた全写真データ2を撮影して全写真画像データを生成し、この全写真画像データに含まれる各文字領域(写真画像データ)の文字情報を文字認識してテキストデータを生成し、これらマイクロフィルム名と、文字認識順を示すデータ番号と、テキストデータとを変換データとしてホスト装置200の変換データDB205に登録し、マイクロフィルム1に収められた全ての写真データに含まれる文字情報の文字認識が終了すると、搬送部105を用いてテーブル113に配置されたマイクロフィルム1を収納部114に搬送するようにしたので、人的作業を介さずにマイクロフィルム1に収められた写真データをデジタルデータに変換することができる。
【0061】
尚、本実施例のマイクロフィルム処理装置100では、テーブル113を1台、撮影部106に撮像カメラ1061及び高分解能カメラ1062各1台を1組備える構成にしたが、平行して複数のマイクロフィルム1を処理可能にするために、複数台のテーブル113と、該テーブル113と同数組の撮像カメラ1061及び高分解能カメラ1062を撮影部106に備える構成にしてもよい。上記構成により、マイクロフィルム処理装置100におけるマイクロフィルム変換処理能力を向上することができる。
【0062】
また、本実施例のマイクロフィルム用データ変換システム1000では、マイクロフィルム処理装置100において識別テキストデータ(マイクロフィルム名)と、文字認識部108が付したカウント値(データ番号)と、写真データ2のテキストデータとを対応付けた変換データをホスト装置200の変換データDB205で格納する構成にしたが、図1に示すように、マイクロフィルム1に含まれる写真データ2を撮影して取得した各写真画像データもホスト装置200の画像データDB(データベース)205Aに格納する構成にしてもよい。
【0063】
更に、上記画像データDB205Aに格納する画像データとして、上記各写真画像データではなく、撮影部106の撮像カメラ1061にマイクロフィルム1の全体像を撮影させ、撮影により取得した全体像画像データを格納する構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る実施例のマイクロフィルム用データ変換システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る実施例のマイクロフィルム処理装置の概略図である。
【図3】本発明に係る実施例のマイクロフィルムの概略図である。
【図4】本発明に係る実施例の変換データDBの構成の一例を示す図である。
【図5】本発明に係る実施例のマイクロフィルム用変換システムの動作を示すフローチャート(その1)である。
【図6】本発明に係る実施例のマイクロフィルム用変換システムの動作を示すフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
【0065】
1000 マイクロフィルム用データ変換システム
100 マイクロフィルム処理装置
101 通信部
102 制御部
103 一時記憶部
104 操作部
105 搬送部
106 撮影部
107 ROM
108 文字認識部
109 エラーデータ生成部
110 変換データ生成部
111 不揮発性記憶部
112 供給部
113 テーブル
114 収納部
200 ホスト装置
201 通信部
202 制御部
203 一時記憶部
204 変換データ管理部
205 変換データDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影マイクロフィルムの写真画像を撮影するための撮影手段と、前記マイクロフィルムを載置するための撮影台と、供給部に供給されているマイクロフィルムを前記撮影台に搬送すると共に撮影済みのマイクロフィルムを収納部に搬送する搬送手段と、を備えるマイクロフィルム用データ変換システムについて、
前記撮影手段は、前記写真画像を高分解能で撮像する高分解能カメラを有し、
撮影された高分解の写真画像データを実質的に拡大して格納するための記憶部と、
記憶された写真画像データを文字認識してテキストデータを生成する文字認識部と、
前記テキストデータを格納するためのデータベースと、を含むことを特徴とするマイクロフィルム用データ変換システム。
【請求項2】
前記撮影手段は、マイクロフィルムの識別情報を撮影するための他のカメラを有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロフィルム用データ変換システム。
【請求項3】
前記文字認識部は、前記写真画像に含まれる多種のフォントから成る文字情報を文字認識するためのファジィ推定機能を有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロフィルム用データ変換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−130514(P2009−130514A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301884(P2007−301884)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(507384847)株式会社 ワールドスキャン (1)
【Fターム(参考)】