説明

マイクロ・スキャン・システムおよびその方法

【課題】一次元のスキャン方法によって2D画像を得る、マイクロ・スキャン・システムを提供する。
【解決手段】マイクロ・スキャン・システムは、検査対象14の画像を拡大するのに適した顕微鏡12と、顕微鏡12により出力される拡大画像19aを受け入れそして転送するのに適した顕微鏡の後に設けられるリレーレンズ装置18と、リレーレンズ装置18を、第2の方向に沿って段階的に、第1の方向に直線的に往復運動させるために適した、リレーレンズ装置18に電気的に接続されるステップモータ24と、第2の方向に沿って順次リレーレンズ装置18により転送された、第1の方向の検査対象14の拡大画像19aの一部を受け、そして拡大画像の一部を対応するスペクトル情報へ変換するのに適した、リレーレンズ装置18の後に設けられるハイパー分光計とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学画像取得装置およびその操作方法を提供し、特に、二次元(2D)画像を得るためのマイクロ・スキャン・システムおよびその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の顕微鏡スペクトル計測系は、ドット計測により検査対象画像のスペクトル情報を得る。さらに具体的には、顕微鏡スペクトル計測系は、検査対象のスペクトル画像を得るとき、対象物または測定装置を動かしながらスキャン(走査)して画像を得る。
【0003】
例えば、検査対象が生検標本であるときに、従来の計測系は、通常の顕微鏡と、小さな生検標本の画像およびスペクトル情報を得るための従来のライン走査式ハイパー分光計とを備える。最初に、ユーザは生検標本を通常の顕微鏡のステッピング機構を用いたプラットフォームに置き、そして生検標本の2D画像およびそれに対応するスペクトル情報を得るために、精密なステップモータにより、2つの方向(すなわち、X方向およびY方向)に沿ってプラットフォームの移動を制御する。
【0004】
小さな検査対象の生化学特性を正確に検出するために、ナノ・スケール光電測光技術が登場し、徐々に開発傾向の主流になった。生検標本が通常ナノ・スケールの大きさに設定されるので、2方向のステッピング機構プラットフォームの移動精度に課される要求は増してきている。圧電性(piezoelectric)アクチュエータを有する通常のステッピング機構プラットフォームは、調整の難しさと不十分な精度の点で不利であることは、注意するに値する。結果的に、より高い移動精度を有する機構プラットフォームを製作するのは高コストであり、そして技術的隘路はますます顕著になっている。さらにまた、検査対象のサイズに従って、対応する拡大倍率係数の対物レンズをもつ元の対物レンズを交換するときに、元の可動機構プラットフォームも、新しい対物レンズの拡大倍率係数に従った、対応する精度を有する可動機構プラットフォームに交換しなければならない。結果として、異なるサイズの対象を測定するときには、異なる拡大倍率係数の対物レンズおよび異なる精度のステッピング機構プラットフォームを用いなければならず、そして全部の計測系の光学経路を再校正しなければならない。それは操作上不都合である。他方、検査対象は、ある状況では通常のライン走査式ハイパー分光計に対して不適切に移動するかも知れない。結果として、ユーザは、特殊な場合を解決するため、別の計測系を購入または設置しなければならない。それは、ハードウェア費用を増やし、測定効率を低下させる。
【0005】
従って、通常の計測系によって得られる画像の解像度は、ステッピング機構プラットフォームの精度に対応する。上述した欠点を克服するため、従来の技術のように取得した画像の解像度がプラットフォーム移動の精度に依存しない計測系が、スキャン業界において求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、一次元のスキャン方法によって2D画像を得る、マイクロ・スキャン・システムとその操作方法を提供することにより、上述した問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明は、拡大画像を形成するために検査対象の画像を得るための顕微鏡であって、拡大画像は、第1の方向および第1の方向と異なる第2の方向に沿って分布する二次元の(2D)画像であるもの、顕微鏡により出力された拡大画像を受入れそして転送するための、顕微鏡の後に設けられるリレー(中継)レンズ装置、リレーレンズ装置を、第2の方向に沿って段階的に、第1の方向に直線的に往復運動させるための、リレーレンズ装置に電気的に接続されるステップモータと、第2の方向に沿って当該リレーレンズ装置により順次転送された、第1の方向の検査対象の拡大画像の一部を受け、そして拡大画像の一部を、対応するスペクトル情報へ変換する、当該リレーレンズ装置の後に設けられるハイパー分光計装置とからなるマイクロ・スキャン・システムを提供する。それにより、本発明のマイクロ・スキャン・システムは、ハイパー分光計を用いる検査対象の2D画像を生成するために、1Dスキャン法でリレーレンズ装置を移動する。
【0008】
さらにまた、一次元スキャンによって、2D画像を得るためのマイクロ・スキャン方法が本発明で開示される。方法は、以下のステップからなる。検査対象の画像を得て、その拡大画像を形成するために画像を拡大すること、ここで拡大画像は、第1の方向および第1の方向と異なる第2の方向に沿って分布する2D画像である、その拡大画像を受け入れること、第2の方向に沿って段階状に、第1の方向に直線的に拡大画像を往復運動すること、第2の方向に沿って順次転送される、第1の方向の検査対象の拡大画像の一部を受け入れること、そして、その拡大画像を対応するスペクトル情報に変えること。
【0009】
本発明のマイクロ・スキャン・システムでは、より高い画像の解像度が得られ、そしてスキャン操作のために必要とされる時間はより少ない。さらにまた、本発明のマイクロ・スキャン・システムは、実際の必要性により容易にカスタマイズされうるだけでなく、システムの製造および組み立て費用を効果的に減らすこともでき、市場の要求により適した製品をもたらす。そのため従来技術の欠点は、本発明により効果的に解消する。
【0010】
本発明のために実施される詳細な技術および好ましい実施例が、請求項の発明の特徴を良く理解するために、当業者のために、添付の図面とともに以下のパラグラフにおいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい実施例によるマイクロ・スキャン・システムの概略図である。
【図2】本発明の好ましい実施例によるハイパー分光計の概略図である。
【図3】本発明の好ましい実施例によるマイクロ・スキャン法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明はマイクロ・スキャン・システムの設計に焦点を合わせているので、以下の記載はマイクロ・スキャン・システムの構成要素のみを強調する。添付図面の簡略化のため、そして記載の便宜のために、マイクロ・スキャン・システムに直接関連しない他の構成要素はここでは説明されない。以下の実施例は、本発明を、これらの実施例で説明されるいかなる具体的な環境、適用例または特定の実装例に限定することを目的とするものではないことは理解すべきである。さらにまた、添付の図面は、すべて、簡略化されたかわずかに誇張されて描かれた概略図である。ここで示される構成要素は、本発明の任意の設計を示すだけのもので、実際の実装におけるこれらの構成要素の現実の数、形状および寸法、を限定するものではない。従って実際の使用での構成要素の配置は、より複雑でありえる。
【0013】
図1は、本発明の好ましい実施例の、一次元のスキャンにより、2D画像を得るためのマイクロ・スキャン・システム10の概略線図を示す。マイクロ・スキャン・システム10は、顕微鏡12、ハイパー分光計16、リレーレンズ装置18およびステップモータ24を備える。詳細には、直立顕微鏡、倒立顕微鏡、透過型顕微鏡、反射顕微鏡、蛍光顕微鏡、そして通常の顕微鏡といった顕微鏡12は、検査対象14の画像を得て、拡大画像(図示せず)を形成するためにその画像を拡大するのに適している。顕微鏡12の光源は、発光ダイオード(LED)光源、レーザー光源、ハロゲン光源、冷光光源、蛍光リング光源および白色リング光源のいずれかであってよい。拡大画像は2D画像である。それは、下流の光学部品による拡大画像の引伸しおよびスキャンといった、後の光学的処理のために、第1の方向D1および第1の方向D1と異なる第2の方向D2に沿って分布する。
【0014】
リレーレンズ装置18は、顕微鏡12により出力される拡大画像を受け入れそして転送するために、顕微鏡12とハイパー分光計16との間に設けられる。ハイパー分光計16は、第2の方向D2に沿ってリレーレンズ装置18によって順次転送される、第1の方向D1からの対象14の部分的な拡大画像を受け入れ、そして部分的な拡大画像を対応するスペクトル情報に変える(ハイパー分光計16の画像を走査する方法は、以下説明される)。リレーレンズ装置18は、少なくとも一つの凸レンズおよび少なくとも一つの凹レンズからなることができ、そしてこの好ましい実施例においては、リレーレンズ装置18は拡大画像の転送に適する2つの両凸レンズを備える。但し、単にそれに限定されるものではない。
【0015】
詳細には、検査対象14が顕微鏡12の機構プラットフォーム13に置かれたあと、顕微鏡12は最初に検査対象14の画像を得て拡大し、その拡大画像をリレーレンズ装置18へ転送する。拡大画像は、続いてリレーレンズ装置18によって、ハイパー分光計16へ転送される。それにより、ハイパー分光計16は、第1の方向D1の対象14の部分的な拡大画像を受け入れ、その部分的な拡大画像を対応するスペクトル情報に変える。本実施例において、リレーレンズ装置18は、少なくとも一つの有限共役リレーレンズを備えるのが好ましく、それは第1の画像平面19aを1:1のスケールで第2の画像平面19bに変えるので、拡大画像がハイパー分光計16のフロントエンドに提示されうる。これは、ハイパー分光計16が検査対象14の拡大画像を受信するのをより容易にする。
【0016】
加えて、マイクロ・スキャン・システム10は、顕微鏡12とリレーレンズ装置18の間に設けられた係合機構20をさらに備えることができる。リレーレンズ装置18は、この係合機構20により顕微鏡12にしっかりと係合する。例えば、係合機構20は、画像転送ウィンドウとしての使用のための、CマウントまたはFマウントであってよい。ただし、それに限定されるものではない。
【0017】
マイクロ・スキャン・システム10は、ハイパー分光計16に電気的に接続される電荷結合デバイス(CCD)センサ22をさらに備えることができる。CCDセンサ22は、拡大2D画像を形成するために、一次元スキャンにより、ハイパー分光計16によって得られる、拡大画像のスペクトル情報(例えば、画像の波長および位置)を取得して、記録する。
【0018】
図2は、本発明の好ましい実施例のハイパー分光計16の概略図を示す。ハイパー分光計16は、スリット・ユニット161、プリズム・セット163、分光回析格子165および対物レンズ167を備える。スリット・ユニット161は、第1の方向D1と実質的に平行な光学スリットを有する光学スクリーンである。プリズム・セット163は、スリット・ユニット161の側に設けられ、分光回析格子165はスリット・ユニット161と同じ側、そしてプリズム・セット163と同じ側に設けられ、そして対物レンズ167はスリット・ユニット161の他の側に設けられる。
【0019】
対物レンズ167は、第1の方向D1の対象14の部分的な拡大画像を受け入れるために、そして、スリット・ユニット161を介してプリズム・セット163に、そして分光回析格子165に、部分的な拡大画像を投影するように調整されている。それにより、検査対象14の拡大画像14およびそのスペクトル情報を得ることができる。
【0020】
ハイパー分光計16によりスキャンすることにより第1の方向D1の対象14の部分的な拡大画像を得るために、マイクロ・スキャン・システム10には、更にステップモータ24および専用の制御ソフトウェアを有するファームウェア(図示せず)であって、その両方がリレーレンズ装置18に電気的に接続されるものを備える。専用のソフトウェアは上述の個々の装置を制御することができ、特に専用のソフトウェアは、光学分析のための画像および対応するスペクトルを得るために、ステップモータ24およびハイパー分光計16を駆動できる。特にステップモータ24は、第2の方向D2に沿って段階的に、第1の方向D1のリレーレンズ装置18を直線的に移動でき、従って、第1の方向D1の対象14の部分的な拡大画像は、第2の方向D2に沿って順次リレーレンズ装置18によってハイパー分光計16へ転送されうる。例えば、専用のソフトウェアは、第1の方向D1に直線的にリレーレンズ装置18を、低部からの上部に複数のステップで段階的に往復運動させるために、ステップモータ24を制御できる。それにより、第2の画像平面19bに現れる拡大画像は、一次元の線形に、スリット・ユニット161の光学スリットを介して、ハイパー分光計16に投射されることができる。低部から上部まで段階的にこの操作を繰り返すことによって、完全な2D画像がCCDセンサ22に映される。
【0021】
ステップモータ24によって、移動するリレーレンズ装置18の速度は、顕微鏡12の拡大倍率係数に基づき、最適な方法でダイナミックに調整されうる事は注記すべきである。ハイパー分光計16により形成された第1の方向D1の対象14の部分的な拡大画像が、第2の方向D2に沿って順次CCDセンサ22によって得られると、この部分的な拡大画像を結合することによって2D画像が完成されうる。ここで第1の方向D1は、第2の方向D2に対して実質的に垂直である。本実施例において、第1の方向D1はX方向にあるので、ハイパー分光計16により採用される画像の座標は(X、λ)であり、そしてリレーレンズ装置18は、第2の方向D2(すなわち、Y方向)に移動する。この実施例の変形例において、同様に第1の方向としてD1はY方向にあるので、ハイパー分光計16により採用される画像の座標は(Y、λ)、そしてリレーレンズ装置18が第2の方向D2(すなわち、X方向)において動く。
【0022】
本発明では、画像を走査するためリレーレンズ装置18を用いることが、画像を走査するために顕微鏡12の機構プラットフォーム13を用いることに比べ、より高い画像の解像度およびより低い器材の費用をもたらすことができる。例えば、検査対象14が1mm×1mmの領域を有し、そして顕微鏡12が10の拡大倍率係数を有するとき、対象14の画像は、顕微鏡12により拡大された後には、10mm×10mmの領域を有する。しかしながら、n=10のとき、顕微鏡12は0.1mmのマイクロステッピング精度を有するステッピング機構プラットフォームを用いなければならず、そして、1mm×1mm領域を10×10ドット画像に分割する通常の二次元のスキャンを達成するために、顕微鏡12と適合しなければならない、ことが理解される。対照的に、n=10のとき、本発明のリレーレンズ装置18は1mm×1mm領域を10本のラインに分割する一次元のスキャンを達成するための、1mmのマイクロステッピング精度を有するステップモータ24を利用するだけである。以上の記載からわかるように、本発明のリレーレンズ装置18は、顕微鏡12により拡大された、例えば、ナノ・スケールからマイクロスケールまで拡大された画像を、直接処理するので、ステップモータが極めて高い精度を有する必要はない。従って、さもなければ通常の二次元の走査技術の高精度のステッピング機構プラットフォームの利用を必要とするであろう高解像度の画像が、本発明によれば低い精度のステップモータ24を用いて容易に達成されうる。これは、器材費用を節約する。
【0023】
さらに、本発明で用いられる低い精度のステップモータ24の移動速度をかなり増加することが可能であるので、全体をスキャンする操作におけるスキャン期間は短縮される。前記実施例において、顕微鏡12が安定なおよび優れた品質で微細な光学像を処理できるという事実により、検査対象14の画像は前もって顕微鏡12により容易に結合され拡大されることができる。さもなければ通常の高精度のステッピング機構プラットフォームによっては達成しえない、高い解像度の画像を得るために、低い精度のステップモータ24だけが必要である。別の視点から、0.1mmのマイクロステッピング精度を有するステップモータ24が本発明では用いられているので、100本のラインに検査対象14の画像を分割する一次元のスキャンは、結果として通常の技術のそれより非常に大きい解像度の画像が達成されうる。
【0024】
詳細には、第1の方向D1の対象14のn個の部分的な画像が、ハイパー分光計16の対物レンズ167によって順次取り出されたあと、これらの部分的な画像の対応するスペクトル情報は、スリット・ユニット161、プリズム・セット163および分光回析格子165によって得られうる。最後に、これらの部分的な画像の対応するスペクトル情報は、2D画像を形成するためのCCDセンサ22に転送される。本発明で、専用のソフトウェアが、マイクロ・スキャン・システム10によって、ステップモータ24、ハイパー分光計16およびCCDセンサ22を駆動するために用いられるので、ハイパー分光計16は、ステップモータ24の移動速度に従って、リレーレンズ装置18により伝達される画像を正確に得ることができ、CCDセンサ22は、ハイパー分光計16によって、得たn個のシングル・ラインの画像を、ステップモータ24の移動速度に従って、2D画像に一体化できる。
【0025】
図3は、本発明の好ましい実施例による、一次元のスキャンを用いて2D画像を得るマイクロ・スキャン方法のフローチャートを示す。この方法のステップは、以下の通りである。
ステップ101:検査対象14は、顕微鏡12の機構プラットフォーム13に置かれる。
ステップ102:顕微鏡12は、拡大画像を形成するための検査対象14の画像を得て拡大する。
ステップ103:リレーレンズ装置18は、拡大画像を受け入れ転送する。
ステップ104:リレーレンズ装置18は、拡大画像を移動するために、ステップモータ24を介して第2の方向D2に沿って段階的に、第1の方向D1において直線的に移動する。
ステップ105:ハイパー分光計16は、第1の方向D1の対象14の部分的な拡大画像を受け入れ、それは第2の方向D2に沿って順次転送される。
ステップ106:CCDセンサ22は、部分的な拡大画像を得て、拡大2D画像を形成するために、それらを対応するスペクトル情報に変換する。
【0026】
ここで、これらのステップを詳細に説明する。最初に、検査対象14は、顕微鏡12の機構プラットフォーム13に置かれる。顕微鏡12は、対象14の拡大画像を得て、リレーレンズ装置18にそれを転送し、続いて装置は対象14の画像の光学通路に伸びて、拡大画像をハイパー分光計16へ転送する。ハイパー分光計16は、対物レンズ167のみにより第1の方向D1の対象14のシングル・ラインの画像を得る。専用のソフトウェアにより、ステップモータ24は、第2の方向D2に沿って正確にリレーレンズ装置18を移動するよう駆動される。例えば、この好ましい実施例において、第1の方向D1の、対象14の第1のライン画像、第2のライン画像、…および第n番目のライン画像は、低部から上部まで、または上部から低部まで、ハイパー分光計16へ順次転送されうる。最後に、ハイパー分光計16は、受け入れた対象14の部分的な拡大画像を対応するスペクトル情報に変換する。
【0027】
従来の技術と比べ、本発明のマイクロ・スキャン・システムおよびその操作方法は、一次元方向にリレーレンズ装置を移動するので、リレーレンズ装置はその方向に沿って段階的に検査対象の全画像を走査できる。したがって、第1の方向の複数の対象の部分的な拡大画像は、順次ハイパー分光計へ転送されるので、対象の複数の部分的な拡大画像は、CCDセンサによって、2D画像に一体化されうる。従って、顕微鏡により提供される精細な拡大された光学画像により、そして、巧妙な、リレーレンズ装置のダイナミックなそして特別な設計により、本発明のマイクロ・スキャン・システムは、通常の技術と比較して、画像の解像度を改良することができ、スキャン時間を短縮できる。従って、本発明のマイクロ・スキャン・システムは、実用上の必要性により容易にカスタマイズできるだけでなく、システムの製造および組み立て費用を減少させることもでき、製品を市場の要求により適したものとする。
【0028】
上記の開示は、詳細な技術的内容およびその創意に富む特徴に関するものである。当業者は、その特性を逸脱しない範囲で、記載された本発明の開示および示唆に基づく様々な変更および置換を行うことができる。にもかかわらず、上記の記載においてそのような変更および置換が完全には開示されていないとしても、それらは以下の従属請求項に実質的に包含される。
【符号の説明】
【0029】
10 マイクロ・スキャン・システム
12 顕微鏡
13 機構プラットフォーム
14 検査対象
161 スリット・ユニット
163 プリズム・セット
165 分光回析格子
167 対物レンズ
18 リレーレンズ装置
19a 第1の画像平面
19b 第2の画像平面
20 係合機構
22 CCDセンサ
24 ステップモータ
101、102、103、104、105、106 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の画像を得て、拡大画像を形成するために画像を拡大するのに適した顕微鏡であって、当該拡大画像は、第1の方向および当該第1の方向と異なる第2の方向に沿って分布する二次元の(2D)画像であるものと、
当該顕微鏡により出力される当該拡大画像を受け入れそして転送するのに適した顕微鏡の後に設けられるリレーレンズ装置と、
当該リレーレンズ装置を、当該第2の方向に沿って段階的に、当該第1の方向に直線的に往復運動させるために適した、当該リレーレンズ装置に電気的に接続されるステップモータと、
当該第2の方向に沿って順次当該リレーレンズ装置により転送された、当該第1の方向の当該検査対象の当該拡大画像の一部を受け、そして当該拡大画像の一部を対応するスペクトル情報へ変換するのに適した、当該リレーレンズ装置の後に設けられるハイパー分光計と
からなるマイクロ・スキャン・システム。
【請求項2】
前記第1の方向は、前記第2の方向に対して実質的に垂直である、請求項1に記載のマイクロ・スキャン・システム。
【請求項3】
前記ハイパー分光計は、
スリット・ユニットと、
当該スリット・ユニットの一方の側に設けられたプリズム・セットと、
当該スリット・ユニット側に設けられた分光回析格子と、
前記拡大画像の前記スペクトル情報を得るため、前記検査対象の前記拡大画像を受け、当該スリット・ユニットを介して、前記拡大画像を当該プリズム・セットおよび分光のための当該分光回析格子に投影するのに適した、当該スリット・ユニットの他方の側に設けられた対物レンズと
を備えた請求項1に記載のマイクロ・スキャン・システム。
【請求項4】
前記リレーレンズ装置は、少なくとも一つの凸レンズと少なくとも一つの凹レンズとを備える、請求項1に記載のマイクロ・スキャン・システム。
【請求項5】
前記リレーレンズ装置は、前記拡大画像を転送するための2つの両凸レンズを備えた、請求項1に記載のマイクロ・スキャン・システム。
【請求項6】
更に、顕微鏡とリレーレンズ装置との間に設けられる係合機構を備え、前記リレーレンズ装置は当該係合機構によって前記顕微鏡にしっかりと係合する、請求項1に記載のマイクロ・スキャン・システム。
【請求項7】
更に、前記ハイパー分光計に電気的に接続される、前記ハイパー分光計による一次元のスキャンにより得られた前記拡大画像の前記スペクトル情報を得るのに適した、電荷結合デバイス(CCD)センサを備えた、請求項1に記載のマイクロ・スキャン・システム。
【請求項8】
前記顕微鏡は、直立顕微鏡、倒立顕微鏡、透過顕微鏡、反射顕微鏡および蛍光顕微鏡のうちのいずれか1つである、請求項1に記載のマイクロ・スキャン・システム。
【請求項9】
前記顕微鏡の光源は、発光ダイオード(LED)光源、レーザー光源、ハロゲン光源、冷光光源、蛍光リング光源および白色リング光源のうちのいずれか1つである、請求項1に記載のマイクロ・スキャン・システム。
【請求項10】
検査対象の画像を得て、その拡大画像を生成するために画像を拡大すること、ここで、当該拡大画像は、第1の方向および第1の方向と異なる第2の方向に沿って分布する2D画像である、
当該拡大画像を受け入れること、
当該第2の方向に沿って段階状に、当該第1の方向に直線的に当該拡大画像を往復運動させること、
当該第2の方向に沿って順次転送される、当該第1の方向の当該検査対象の当該拡大画像の一部を受け入れること、そして
当該拡大画像を対応するスペクトル情報に変換すること
からなるマイクロ・スキャン方法。
【請求項11】
更に、拡大2D画像を形成するために前記スペクトル情報を得ること、からなる請求項10に記載のマイクロ・スキャン方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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