説明

マクロライドの生産方法

6−11架橋型二環式ケトライドまたはエリスロマイシン・オキシムを6−11架橋型二環式ケトライドまたはエリスロマイシンへ変換するプロセスは、6−11架橋型マクロライドを、脱オキシム剤、好ましくはデス−マーチン・ペルヨージナンのような酸化的脱オキシム剤と反応させることを含む。この処理方法は、ある種のエリスロマイシンA C−9オキシム誘導体の、C−9ケトン官能基の再生を伴う脱オキシムを含みうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6−11架橋マクロライド(例えばエリスロマイシンまたはその誘導体)のオキシムを、対応するケトンの官能性を有する対応するマクロライドへと変換するプロセスを提供する。
【背景技術】
【0002】
ケトライドおよびエリスロマイシン誘導体は細菌感染の治療および予防に役立つ。6−11架橋型の二環式ケトライドおよびエリスロマイシンは、エナンタ社(Enanta Pharmaceuticals Inc.)によっていくつかの出版物に記述されている。6−11架橋構造は、エリスロマイシン構造(特許文献1および特許文献2)、クラジノース糖がCケトンに置換されたケトライド(特許文献3〜5および非特許文献1)、ならびに環拡張型(ring-enlarged )アザライド(特許文献6および特許文献7)へ導入されている。
【0003】
6−11架橋型の二環式エリスロマイシン/ケトライド/アザライドに共通するのは、それらがマクロライド感受性の細菌ならびに排出機構により耐性(efflux-resistant)の菌株に対し良好な抗菌活性を示すということである。
【0004】
特に、Cにケトン官能基を備えた式(V)の化合物および同化合物を調製する方法が、特許文献3および特許文献4に記述された。しかしながら、合成ルートは不必要に長く複雑であった。親化合物(1−2)を調製するために、エリスロマイシン9−オキシムから10工程の合成が必要であった。生成物は、エリスロマイシン9−オキシムからの収率を全体で43%として単離された。
【0005】
特許文献8は、脱オキシム工程による6−11架橋型エリスロマイシン・アナログの生成方法を開示している。しかしながら、この6−11架橋構造は脱オキシム工程の後で形成する必要があり、脱オキシム工程により、C位にケトンの官能性を備えた6−11架橋構造を得るためには確実に10工程の合成が必要である。
【0006】
脱オキシム反応の一般的な総説は以前にコーサロ(Corsaro)らによって提供されている(非特許文献2)。さらに、一般に脱オキシム剤としてデス−マーチン(Dess-Martin )ペルヨージナンを使用することは、チャウダーリ(Chaudhari)およびアカマンキ(Akamanchi)により開示されている(非特許文献3)によって示された。
【特許文献1】国際公開公報第03/095466A1号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願第2004/005861A1号明細書
【特許文献3】国際公開公報第03/097659A1号パンフレット
【特許文献4】米国特許出願第2004/0157787A1号明細書
【特許文献5】米国特許出願第2004/0171818A1号明細書
【特許文献6】米国特許第6,645,941B1号明細書
【特許文献7】米国特許第6,764,998B1号明細書
【特許文献8】米国特許出願第2004/266998号明細書
【非特許文献1】Org.Lett.2004年、第6巻、p.4455−4458
【非特許文献2】Synthesis、2001年、第13巻、p.1903−1931
【非特許文献3】Synthesis、1999年、第5巻、p.760−764
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
マクロライドは高価な化合物であるため、マクロライドの変換が可能な限り効率的に行なわれることは非常に重要である。例えば、6−11架橋の導入プロセスにおいて、オキシム基のケト基への変換効率を改善するプロセスと、それによるコストの縮小が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
今回、驚くべきことに、9位にケトン官能基を備えた一般式(I)の6−11架橋型の二環式ケトライドまたはエリスロマイシン誘導体
【0009】
【化1】

【0010】
を、6−11架橋型の二環式エリスロマイシンまたはケトライドのオキシムを脱オキシム剤で処理することにより、簡便な方法で生産可能であることが見出された。これにより、親のケトン官能基の再生を伴ってオキシムが除去される。これは、特許文献3および特許文献4の教示から得られるものではない。
【0011】
更に、驚くべきことに、3−ヒドロキシ−9−オキシム6−11架橋型二環式誘導体(R=OH、R=H)を酸化的脱オキシム試薬で処理すると、Cのケトン官能基の再生に伴って、同時にCアルコールが酸化されて対応するケトン官能基(RとRは一緒になって=Oである)となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
上記の発見に従って、本発明は、マクロライド中のオキシム基のオキソ基への(選択的)変換のための方法に関し、該方法はマクロライドを脱オキシム剤で処理することを含む。マクロライドは、ケトライドまたはアザライドのようなエリスロマイシンの誘導体、特にオキシム基が9位に位置しているマクロライドであることが好ましい。
【0013】
現時点で好ましいのは、マクロライドが、6−Oおよび11−Oの間の架橋、例えば炭化水素基、アルキリデン基あるいは式:−アルキル−C(=アルキリデン)−アルキル−を有する架橋を含むことである。
【0014】
したがって、興味深い実施形態では、本発明は、式IIのマクロライドを式IIIのマクロライドに変換する方法に関する。
【0015】
【化2】

【0016】
上記式中、RおよびRは独立してアルキルであるか、または一緒になってアルキリデンであり;
はOHまたはアルコキシであり;
はHまたはアルキルであり;
はHまたはアルキルであり;
はOHまたはアルコキシであり;
Zはアシル基(例えばアルカノイル)である。
【0017】
好ましい実施形態では、RおよびRは一緒になって=CHであり、RはOHであり、RはCHCHであり、RはHであり、RはOHであり、Zはアセチルである。
【0018】
本発明の方法の別の興味深い実施形態では、式IVのマクロライドが式Vのマクロライドに変換される。
【0019】
【化3】

【0020】
上記式中、RおよびRは独立してHまたはアルキルであるか、あるいは一緒になってアルキリデンであり;
はOHまたはアルコキシであり;
はHまたはアルキルであり;
はHまたはアルキルであり;
Zはアシル基(例えばアルカノイル)である。
【0021】
好ましくは、RおよびRは一緒になって=CHであり、RはOHであり、RはCHCHであり、RはHであり、Zはアセチルである。
脱オキシム剤として、オキシムからケトンを再生するのに適した薬剤、例えば酸化的脱オキシム剤、特にIBXもしくはデス−マーチン・ペルヨージナンのような2−ヨードキシ安息香酸誘導体を使用することが可能である。
【0022】
そのような脱オキシム剤は単独で使用してもよいし、あるいは酸化剤と共に使用してもよく、したがって、本発明の方法は、マクロライドを脱オキシム剤で処理し、続いて酸化剤で処理することにより実行することが可能である。
【0023】
興味深い実施形態では、CオキシムCヒドロキシルマクロライドは、脱オキシム剤と酸化剤の両方で、あるいは2−ヨードキシ安息香酸誘導体(例えばデス−マーチン・ペルヨージナン)(2等量)のような酸化的脱オキシム剤である1つの薬剤で処理することにより、1工程の処理方法で、対応するC,Cジケトンマクロライドに変換することが可能である。
【0024】
本発明はまた、式(I)の新規化合物にも関する。
【0025】
【化4】

【0026】
上記式中、
ZはH、アシル、アルカノイルあるいはアセチルを表し;
およびRは独立してH、C−Cアルキルを表すか、あるいは一緒になって=CHまたはC−Cアルキリデンを表し;
、R、R、Rは独立してH、またはC−Cアルキルを表し;
はOHを表すか、あるいは隣接したRと一緒になって1つの=O基を表す。
【0027】
したがって、本発明は、一般式(II)の6−11架橋型二環式エリスロマイシン9−オキシムを一般式(III)の6−11架橋型二環式エリスロマイシンに変換する効率的な方法を提供する。
【0028】
【化5】

【0029】
上記の変換は、一般式(II)の化合物を、オキシムからケトンを再生するのに適した試薬で処理することにより行われる。
更に、式(IV)の3−O−デスシアジノシル(desciadinosyl)6−11架橋型二環式エリスロマイシン9−オキシムは、適切な試薬で処理してすぐに1工程または任意選択の連続する2工程のいずれかで、対応する一般式(V)の6−11架橋型二環式ケトライドに変換することが可能である。特にこの場合では、Cオキシムの脱オキシムにはCアルコールのケトン官能基への酸化を伴う。
【0030】
【化6】

【0031】
1工程の処理方法では、基質を2等量の酸化的脱オキシム試薬で処理する。2工程の処理方法では、任意の脱オキシム試薬をCケトンの再生に使用することが可能である。続いて、任意の酸化剤をCアルコールの酸化に使用することが可能である。
【0032】
本発明の方法論を用いれば、親の6−11架橋型二環式ケトライド化合物(1−2)は、エリスロマイシン9−オキシムからわずか5工程の化学反応で利用可能である。
特に、本発明を用いて、化合物(1−1)を、脱オキシム/酸化に続いてC−2’保護基を除去するプロセスにおいて、1つの化学反応工程で親の6−11架橋型二環式ケトライド(1−2)に変換することが可能である。従って、本発明の方法論は、6−11架橋型二環式ケトライドの効率的な合成を提供する。特に、親化合物(1−2)は、エリスロマイシン9−オキシムから5工程以内の合成で調製することが可能である。
【0033】
【化7】

【0034】
6−11架橋型二環式エリスロマイシン9−オキシム(2−1)をデス−マーチン・ペルヨージナンで処理すると、対応するCケトン・アナログ(2−2)が得られる。
【0035】
【化8】

【0036】
(定義)
用語「ケトライド」は、エリスロマイシンAの誘導体であって、クラジノース糖が除去されてCのケトン官能基に置き換えられたものを指す。
【0037】
用語「アザライド」は、エリスロマイシンAの誘導体であって、マクロラクトン環が、窒素原子を含んだ15員環に拡張されたものを指す。
用語「アルキル」は、直鎖または分岐鎖の脂肪族飽和炭化水素基であって、1〜15個の炭素原子を有するものを包含する。好ましくは、アルキル基は1〜10個の炭素原子を有し、最も好ましくは、1、2、3、4、5、または6個の炭素原子を有する。アルキル基は1つ以上のヘテロ原子で中断されていてもよく、また、ハロゲン、ヒドロキシル、アリール、シクロアルキル、アリールオキシ、またはアルコキシなどで置換されていてもよい。直鎖または分岐鎖の好ましいアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびt−ブチルが挙げられる。用語「アルコキシ」は−O−アルキル基を表す。用語「アルキリデン」は、任意選択で不飽和の二価アルキル基を指す。
【0038】
用語「アシル」は、式A−C(=O)−を有するカルボン酸アシル基を包含し、前記式中、Aは置換基、例えばアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、またはアラ
ルキル基であり、前記基の鎖は任意選択で1つ以上のヘテロ原子によって中断されており、また前記基は任意選択で置換されている。アシル基の例は、ホルミル、C−Cアルケニル(/アルキニル)カルボニル、アリールカルボニル、アリールC−Cアルケニル(/アルキニル)カルボニル、シクロアルキルカルボニル、またはシクロアルキル−C−Cアルケニル(/アルキニル)カルボニル基である。
【0039】
用語「2−ヨードキシ安息香酸誘導体」は、2−ヨードキシ安息香酸(IBX)およびその誘導体であってオキシム基を脱オキシムしうるものを指し、デス−マーチン・ペルヨージナンを包含する。用語「デス−マーチン・ペルヨージナン」は、系統名1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オンの化合物を指す。
【0040】
用語「脱オキシム」は、カルボニル化合物を対応するオキシムから再生するプロセスを指す。エリスロマイシン9−オキシム誘導体の脱オキシムの場合、カルボニル基はケトンである。
【0041】
本発明について記述する文中(特に添付の特許請求の範囲の文中)における用語「1つの(a、an)」「その、該(the)」および同様の指示語は、本明細書中で別途指定されるか、文脈から明らかに矛盾するのでないかぎり、単数および複数の両方を対象としていると解釈すべきものである。用語「〜からなる」、「〜を有する」、「〜を含む(包含する)」、「〜を含有する」は、別途記載のない限り、非制限の用語(つまり、「〜を含むが、それに限定はされない」との意味である)として解釈すべきものである。本明細書において値の範囲が挙げられている場合は、本明細書中に別途記載のない限り、その範囲内にある個々の個別の値を別々に述べるのを簡略化する方法として役立つように意図したものにすぎず、個々の個別の値は、あたかも個々に本明細書中で挙げられたかのように、明細書に組み入れられる。本明細書中に別途記載のない限り、または文脈上明らかな矛盾を生じない限り、本明細書に記載の方法はすべて任意の適切な順序で行なうことが可能である。本明細書に提示される任意および全ての実施例、または例示的な文言(例えば、「〜のような」)の使用は、単に本発明をより明確に示すことを意図したものであり、別途明記されない限り本発明の範囲に制限を加えるものではない。明細書中のいかなる文言も、本発明の実施に不可欠なクレームされていない任意の要素を示すものとして解釈されるべきでない。
【0042】
本発明の好ましい実施形態は、本発明者らが認識する本発明を実施するための最良の様式を含めて、本明細書に記述されている。これらの好ましい実施形態の変更形態は、先の記載を読めば当業者には明らかであろう。本発明者らは、当業者がそのような変更形態を必要に応じて使用することを期待する。また本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されたのとは別の方法で実施されることも意図している。従って、本発明は、本明細書に添付された特許請求の範囲において挙げられた主題の改良形態および等価物を、適用法の許す限りすべて含んでいる。さらに、全ての可能な変更形態における上記の要素の任意の組合せは、本明細書中に別途記載のない限り、または文脈上明らかな矛盾を生じない限り、本発明に包含される。
【実施例1】
【0043】
一般式(V)の化合物[RおよびRは一緒になって=CHであり、RはOHであり、RはCHCHであり、RはHであり、ZはAcである]の生産
構造(1−1)の化合物(500mg、0.73mmol)を水で飽和させたジクロロメタン(12.5ml)に溶解し、デス−マーチン・ペルヨージナン(629mg、1.46mmol)をゆっくり添加する。出発物質が完全に変換されたことがTLCで示されるまで、反応液を不活性雰囲気中、室温で撹拌する。水酸化ナトリウム水溶液を添加し、
生成物をジクロロメタンで抽出する。有機層を合わせ、水および塩水で洗浄し、脱水する(MgSO)。溶剤を除去すると、白色固形物として一般式(V)(RおよびRは一緒になって=CHであり、RはOHであり、RはCHCHであり、RはHであり、ZはAcである)の化合物が得られる。
【実施例2】
【0044】
一般式(V)の化合物[RおよびRは一緒になって=CHであり、RはOHであり、RはCHCHであり、RはHであり、ZはAcである]の生産
構造(1−1)の化合物(500mg、0.73mmol)を水で飽和させたジクロロメタン(12.5ml)に溶解し、デス−マーチン・ペルヨージナン(315mg、0.73mmol)をゆっくり添加する。出発物質が完全に変換されたことがTLCで示されるまで、反応液を不活性雰囲気中、室温で撹拌する。水酸化ナトリウム水溶液を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出する。有機層を合わせ、水および塩水で洗浄し、脱水する(MgSO)。溶剤を除去すると、白色固形物としてCアルコール体が得られる。
【0045】
該アルコール体をジクロロメタン(12.5ml)に溶解し、デス−マーチン・ペルヨージナン(315mg、0.73mmol)を添加する。出発物質が完全に変換されたことがTLCで示されるまで、反応液を撹拌する。水酸化ナトリウム水溶液を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出する。有機層を合わせ、水および塩水で洗浄し、脱水する(MgSO)。溶剤を除去すると、対応する出発物質の脱オキシム酸化アナログ(一般式(V)で、R1およびRは一緒になって=CHであり、RはOHであり、RはCHCHであり、RはHであり、ZはAcである)が白色固形物として得られる。
【実施例3】
【0046】
一般式(III)の化合物[RおよびRは一緒になって=CHであり、RはOHであり、RはCHCHであり、RはHであり、RはOHであり、ZはAcである]の生産
構造(2−1)の化合物(500mg、0.59mmol)を水で飽和させたジクロロメタン(12.5ml)に溶解し、デス−マーチン・ペルヨージナン(254mg、0.59mmol)をゆっくり添加する。出発物質が完全に変換されたことがTLCで示されるまで、反応液を不活性雰囲気中、室温で撹拌する。水酸化ナトリウム水溶液を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出する。有機層を合わせ、水および塩水で洗浄し、脱水する(MgSO)。溶剤を除去すると、一般式(III)の化合物(RおよびRは一緒になって=CHであり、RはOHであり、RはCHCHであり、RはHであり、RはOHであり、ZはAcである)が白色固形物として得られる。
【0047】
記載の6−11架橋構造を有する上記に特定されたエリスロマイシン・アナログを直接変換することが可能である一方、特許文献8(その全開示は参照によって本願に組込まれる)に詳述された架橋構造を有するエリスロマイシン・アナログを変換することも可能である。さらに、本発明は、例えばC位について、オキシム基を有するケトライドとアジドの、ケト基を有する対応するケトライドおよびアジドへの変換にも及ぶ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
6,11架橋型エリスロマイシン誘導体のオキシム基をオキソ基に変換する方法であって、6,11架橋型エリスロマイシン誘導体を脱オキシム剤と反応させることを含む方法。
【請求項2】
前記エリスロマイシン誘導体はケトライドまたはアザライドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
オキシム基はエリスロマイシン誘導体の9位に位置している、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
架橋構造は、炭化水素基、置換された炭化水素基、アルキリデン基あるいは式:−アルキル−C(=アルキリデン)−アルキル−を有する架橋を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
変換されるエリスロマイシン誘導体は、式(II)
【化1】

(上記式中、RおよびRは独立してアルキルであるか、または一緒になってアルキリデンであり;
はOHまたはアルコキシであり;
はHまたはアルキルであり;
はHまたはアルキルであり;
はOHまたはアルコキシであり;
Zはアシル基である)
を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
およびRは一緒になって=CHであり、RはOHであり、RはCHCHであり、RはHであり、RはOHであり、Zはアセチルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
変換されるエリスロマイシン誘導体は、式(IV)
【化2】

(上記式中、RおよびRは独立してHまたはアルキルであるか、あるいは一緒になってアルキリデンであり;
はOHまたはアルコキシであり;
はHまたはアルキルであり;
はHまたはアルキルであり;
Zはアシル基である)
を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
およびRは一緒になって=CHであり、RはOHであり、RはCHCHであり、RはHであり、Zはアセチルである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
脱オキシム剤は、酸化的脱オキシム剤、例えば2−ヨードキシ安息香酸誘導体である化合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
脱オキシム剤はデス−マーチン・ペルヨージナンである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
脱オキシム剤で処理し、続いて酸化剤で処理することを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
酸化剤は2−ヨードキシ安息香酸またはその誘導体である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
酸化剤はデス−マーチン・ペルヨージナンである、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
エリスロマイシン誘導体を2等量のデス−マーチン・ペルヨージナンと反応させる、請求項7または8に記載の方法。
【請求項15】
脱オキシム剤で処理すると、エリスロマイシン誘導体の3位のアルコールが同時にケト官能基へと酸化される、請求項7〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
以下の変換
【化3】

(上記式中、RおよびRは独立してHまたはアルキルであるか、あるいは一緒になってアルキリデンであり;
はOHまたはアルコキシであり;
はHまたはアルキルであり;
はHまたはアルキルであり;
Xは
【化4】

であり、
ZはH、アシル、アルカノイルまたはアセチルである)
のための1工程の方法であって、出発物質を酸化的脱オキシム剤と反応させることを含む方法。
【請求項17】
酸化的脱オキシム剤は2−ヨードキシ安息香酸またはその誘導体である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
酸化的脱オキシム剤はデス−マーチン・ペルヨージナンである、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
反応は室温以下で行われる、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2008−530169(P2008−530169A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555553(P2007−555553)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001673
【国際公開番号】WO2006/087238
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(505371232)アルファーマ エーピーエス (13)
【氏名又は名称原語表記】ALPHARMA APS
【住所又は居所原語表記】11 Dalslandsgade,DK−2300 Copenhagen S,DENMARK
【Fターム(参考)】