説明

マッサージ機構とそれを備えたマッサージ機

【課題】 もみ動作をさせる回転軸を駆動するウォーム歯車機構における歯面の噛合い度を容易に調節できるマッサージ機構とそれを備えたマッサージ機を提供すること。
【解決手段】 施療子を支持するアームにもみ動作をさせるもみ軸20と、このもみ軸20を回転自在に支持する軸受34と、このもみ軸20の同軸上に設けたウォームホイール25と、このウォームホイール25を駆動するウォーム26と、このウォーム26とウォームホイール25とを設けるケーシング32とを設け、このケーシング32に、前記もみ軸20を支持する軸受34を内面で保持する軸受カバー36を設け、この軸受カバー36をもみ軸20の軸芯方向を中心に回動可能に構成するとともに、この軸受カバー36の回動中心oを、前記軸受34の軸芯gに対してウォーム26の軸方向に所定量偏心させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者の身体を施療するマッサージ機構と、それを備えたマッサージ機に関し、詳しくは、もみ軸(回転軸)を駆動するウォーム歯車機構の噛合い度を容易に調節できるマッサージ機構と、それを備えたマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被施療者の身体に、もみ、たたき、指圧、ローリング等の刺激を与えるマッサージ機が広く知られている。かかるマッサージ機には、椅子型、マットレス型等多様な種類が存在するが、その中でも椅子型マッサージ機は、被施療者にリラックスした姿勢をとらせた状態でマッサージを行うことができる。このような従来の椅子型マッサージ機の多くは、主として被施療者の背中及び肩に対して施療子で前記刺激を与える構成となっている。
【0003】
このマッサージ機の施療子は、前記刺激を被施療者の背中及び肩に対して与えるように被施療者の背中の上下方向に位置変更が可能なように構成されている。この施療子は、一般的に施療子を被施療者の背中に対して直交する方向から支持するアームにもみ動作やたたき動作を与えることにより、被施療者に対して種々の施療を行うマッサージ機構に設けられている。
【0004】
このマッサージ機構に設けられる施療子としては、一般的に、被施療者の身体中心の左右両側に複数の施療子がそれぞれ設けられ、これらの施療子を被施療者の背中から肩にかけて身長方向に移動させながら被施療者の身体に、もみ、たたき、指圧、ローリング等の刺激を与えている。例えば、上下に2つの施療子を備えたアームがマッサージ機構の左右両側に設けられ、これら4つの施療子によって被施療者の身体に、もみ、たたき、指圧、ローリング等の刺激を与えて種々のマッサージを行うものがある。
【0005】
この施療子にもみ動作を与える機構としては、減速比が大きいウォーム歯車機構が採用されたものがある。このウォーム歯車機構は、モータによってウォームを回転させ、このウォームによって交差する方向に軸心を有するウォームホイールを回転させるように構成されている。そして、このウォームホイールによって同軸的に設けられたもみ軸を回転させている。しかし、これらウォームとウォームホイールとの取付位置は機械加工によって形成されるため、その加工誤差等によって全製品で常に歯の噛み合わせ(バックラッシ)を好ましい状態に保つのは難しい。例えば、歯の噛合わせが悪く、ウォームとウォームホイールとの間にガタつきを生じた場合、もみ軸によるアームの駆動が不安定になる場合があり、この場合には被施療者がもみ動作に違和感を感じる。
【0006】
そこで、本出願人は、この種の従来技術として、ウォームとウォームホイールとの間のガタつきを未然に防止できるようにしたマッサージユニットを先に出願した(例えば、特許文献1参照。)。このマッサージユニットでは、ウォームとウォームホイールとの間のガタつきを防止するために、もみ軸を支持する軸受とギアケースとの間に、内周面が外周面に対して偏心するように形成されたスペーサリングを介装し、このスペーサリングをギアケースに対して相対回転させることによって、軸受で支持されたもみ軸の軸心位置を移動させてウォームホイールのウォームに対する噛合い度を調節することができるようにしている。
【0007】
また、この種の従来技術として、噛み合うウォームとウォームホイールの歯面を、ウォームハウジングを移動させることにより、その組立距離を可変にし、常に歯形面両サイドのクリアランスがなくなるよう押し付けるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2004−16428号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】特開平7−96441号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1の軸受とギアケースとの間に改装したスペーサリングを回転させて調節する噛合い度の調節量としては、例えば、約0.1mm程度と非常に微小な調節であり、この微少な調節を、もみ軸を支持している左右の軸受が同一量で移動するようにスペーサリングを回転させる作業は、熟練を要するとともに時間を要し、生産効率の悪化を招く場合がある。
【0009】
また、このようにウォームホイールをウォームに接近又は離して微少な調節を行う場合、ウォームのスムーズな回転を妨げないように、ウォームを、軸方向に定位置で保持するとともにもみ軸の軸方向位置も定位置で保持しなければ、前記したように微少な調節を安定して行うのは難しい。
【0010】
なお、前記特許文献2のように、ウォームをウォームホイールと噛合う歯面のクリアランスがなくなるように押し付けた場合、もみ軸をスムーズに駆動することが難しくなる。
【0011】
そこで本発明は、もみ動作をさせる回転軸を駆動するウォーム歯車機構の安定した動力伝達ができるように歯面の噛合い度を容易に調節できるマッサージ機構とそれを備えたマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明のマッサージ機構は、施療子を支持するアームにもみ動作をさせる回転軸と、該回転軸を回転自在に支持する軸受と、該回転軸の同軸上に設けたウォームホイールと、該ウォームホイールを駆動するウォームと、該ウォームとウォームホイールとを設けるケーシングとを設け、該ケーシングに、前記回転軸を支持する軸受を内面で保持する軸受カバーを設け、該軸受カバーを回転軸の軸芯と平行な軸を中心に回動可能に構成するとともに、該軸受カバーの回動中心に対して前記軸受の軸芯をウォームの軸方向に所定量偏心させている。これにより、軸受を支持した軸受カバーをケーシングの外側から回動させることにより、ウォームとウォームホイールとの噛合う歯面の隙間を容易に微調節することができる。
【0013】
また、前記軸受カバーのケーシングへの取付部に、該軸受カバーの回動中心を中心とした案内溝を所定角度範囲で設け、該案内溝に係合する案内軸をケーシングに設ければ、軸受カバーの回動角度で歯面の噛合い度を調節することができる。
【0014】
さらに、前記回転軸の両端に位置する軸受カバー又はケーシングに、該軸受カバーの回動によるウォームホイールの移動量を示す目盛を設ければ、回転軸の両端での調節が目視によって確認できる。
【0015】
また、前記ウォームを回転自在に支持する軸受をケーシングに設け、該軸受を軸方向に付勢するバネ部材を設けるとともに、該バネ部材を弾性変形可能な押え板でケーシングに支持すれば、ウォームを回転自在な状態で定位置に安定して保持することができる。
【0016】
さらに、前記回転軸を回転自在に支持する軸受と軸受カバーとの間に、該軸受の軸方向移動を抑止する非金属ワッシャを設ければ、回転軸の軸方向位置を安定して保持することができる。
【0017】
一方、本発明のマッサージ機は、これらいずれかのマッサージ機構を背凭れ部に備え、該マッサージ機構を駆動制御する制御装置を設けている。このマッサージ機によれば、回転軸によるアームのもみ動作を安定して行わせ、施療子による安定したマッサージを行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上説明したような手段により、回転軸を駆動するウォーム歯車機構の噛合い度を容易に微調節することができるので、マッサージ機構及びマッサージ機の生産効率を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るマッサージ機構を備えた椅子型マッサージ機の全体の構成を示す斜視図である。まず、本発明のマッサージ機構が用いられる椅子型マッサージ機の全体構成の一例を説明する。なお、この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、椅子型マッサージ機1に着座した被施療者から見たときの方向を基準として前後左右を用いる。例えば、前側は着座した被施療者の前方、左側は同被施療者の左方、右側は同被施療者の右方をいう。
【0020】
図1に示すように、この実施の形態に係る椅子型マッサージ機1は、座部2,背凭れ部3,フットレスト4,及びアームレスト5から主として構成されている。座部2は、図示しない基台の上部に配置されており、この基台は、下部両側に設けられた脚部2aで支持されている。また、アームレスト5の近傍に操作リモコン6が設けられている。
【0021】
前記座部2の後部に設けられた背凭れ部3は、被施療者の上半身を支持すべく、被施療者が座部2に着座した際に身体の一部がその外部にはみ出ない程度の大きさとされており、その前面視が縦長の略長方形になっている。背凭れ部3の下端部は、座部2の後部横方向に設けられた図示しない支持軸によって前記基台に支持されている。背凭れ部3は、この支持軸を中心に回動して、前後にリクライニングが可能なように構成されている。そして、この背凭れ部3の内部に、着座した被施療者の背中側に刺激を与えるマッサージ機構7が設けられている。
【0022】
図2は、図1に示す椅子型マッサージ機に備えられたマッサージ機構の動作原理を説明するためにマッサージ機構の構成を模式的に示した分解斜視図であり、図3は、同マッサージ機構によるもみ動作時の施療子の挙動を模式的に示した正面図である。
【0023】
図2に示すように、前記マッサージ機構7は、被施療者の身体に機械的刺激を与える複数(この図では左右各1つで、合計2つ)のローラ状の施療子(施療部)8を備えている。これらの施療子8は、マッサージ機構7の前方に出るように設けられた左右のアーム9の先端にそれぞれ取り付けられている。それぞれのアーム9は、中間部9aがそれぞれもみコンロッド10の一端に設けられた支持穴10aに支持軸11で回動可能に支持されている。このもみコンロッド10とアーム9との間にはスプリング12が設けられており、アーム9は常に前方下向きに付勢されている。もみコンロッド10の他端には嵌合穴10bが設けられ、この嵌合穴10bにもみ軸20の傾斜軸部21が連結される。
【0024】
このもみコンロッド10のもみコンロッド本体10eは、対向するように設けられた2枚の板材で構成され、中間部の上側に、たたきコンロッド14側に向けて膨出する部分が形成されている。この膨出する部分に、たたきコンロッド支持穴10dが設けられ、このたたきコンロッド支持穴10dにたたきコンロッド14の一端が自在継手15を介して支持されている。
【0025】
自在継手15は、後述するたたき軸16によるたたき動作を伝達するたたきコンロッド14と、後述するもみ軸20(回転軸)によるもみ動作を伝達するもみコンロッド10とを連結するため、これらの異なる動作を受けながら連結状態を保てるように構成されている。この実施の形態では、たたきコンロッド14の下部に、もみ軸20の軸芯方向及び軸周方向の揺動と同一の動作をするもみコンロッド本体10eを連結するボールジョイントが設けられている。この自在継手15にボールジョイントを用いて、たたきコンロッド14の端部と連結することにより、この自在継手15で、たたき荷重が作用する押す方向及び引く方向を含む全周方向で球面支持ができるようにしている。この自在継手15としては、たたき軸16によるたたき動作ともみ軸20によるもみ動作とを受けながら連結状態を保てるフレキシブルなジョイントで構成されていればよい。
【0026】
一方、左右に設けられたこれらのコンロッド10,14の間に位置するように、左右方向に延びるたたき軸16ともみ軸20とが上下に配置されている。
【0027】
上側に配置されたたたき軸16には、その両端に偏心軸部17が形成されている。この偏心軸部17は、たたき軸16の軸芯と平行な軸芯を有し、左右で位相がずれるように形成されている。前記たたきコンロッド14には、対向するように横方向の嵌合穴14aが設けられている。そして、たたき軸16の両端部に形成された偏芯軸部17が、この嵌合穴14aに軸受(図示省略)を介して回動可能に支持されている。また、このたたき軸16には、左右方向の一方(図では左側)に偏った位置にプーリ16aが同軸的に設けられており、このプーリ16aは、プーリ18aを備えたモータ18と、ベルト19によって連結されている。
【0028】
従って、モータ18の回転はベルト19を介してたたき軸16に伝達され、たたき軸16の両端の偏芯軸部17の公転によってたたきコンロッド14が略上下方向に移動する。この結果、たたきコンロッド14がもみコンロッド本体10eを、嵌合穴10bを中心に揺動させ、これにより、もみコンロッド10を介してアーム9を揺動させて、施療子8が弧を描くように略上下方向に往復移動させられる。モータ18を一定速度で回転させたときには、一定の周期で施療子8が往復移動することとなり、これが施療子8のたたき動作となる。また、モータ18をその回転速度を変化させながら回転させたときには、変則的な周期で施療子8が往復移動することとなり、これが施療子8の指圧動作となる。
【0029】
また、下側に配置されたもみ軸20には、その両端に傾斜軸部21が形成されている。この左右の傾斜軸部21は、もみ軸20の軸芯に対して同一方向に所定角度で傾斜するように形成されている。この傾斜軸部21が、前記もみコンロッド10に設けられた嵌合穴10bに軸受(図示省略)を介して回動可能に支持される。
【0030】
前記傾斜軸部21は、もみ軸本体22の軸芯aに対して所定角度θで傾斜した軸芯cで形成されている。この傾斜軸部21を傾斜させる角度θがもみ感覚に大きく影響し、傾斜軸部21を前記もみコンロッド10の嵌合穴10bに挿入してもみ軸20を回転させると、傾斜軸部21の軸芯が描く円錐運動の大きさが異なり、この角度θが大きいと施療子8が被施療者の背中に対して交差する方向に大きな動作をする刺激を被施療者に与え、この角度θが小さいと施療子8が被施療者の背中に対して交差する方向に小さな動作をする刺激を被施療者に与える。
【0031】
つまり、図3のもみ動作時の施療子の挙動を模式的に示した正面図に示すように、このようなもみ動作時には、施療子8が幅方向wと垂直方向hと紙面直交方向(図4に示す前後方向f)とに3次元的な挙動を左右対称で行うが、この施療子8の挙動範囲が、もみ軸20の両端に形成された傾斜軸部21の傾斜角度θによって決まり、この施療子8の動作範囲によってもみ感覚が決まる。
【0032】
さらに、図2に示すように、前記もみ軸本体22の左右方向の中央部分には、ウォームホイール25が取付けられている。このウォームホイール25は、この実施の形態ではヘリカルギヤで形成されている。このウォームホイール25と噛合するように、ウォーム26が回転軸芯を上下方向にして設けられている。このウォームホイール25とウォーム26とで、ウォーム歯車機構30が構成されている。
【0033】
また、ウォーム26の軸下端部には、プーリ26aが同軸的に設けられており、このプーリ26aは、プーリ27aが設けられたDCサーボモータ等のモータ27とベルト28によって連結されている。なお、29は、ウォーム26の回転状態を検出する回転センサの一部である検知板を示しており、ウォーム26の軸上端部に設けられている。このセンサとしては、ホールセンサ(磁気近接スイッチ)や光センサ等が用いられる。
【0034】
従って、モータ27の回転運動はベルト28を介してウォーム26へ伝達され、ウォーム26の回転によってウォームホイール25を介してもみ軸20が回転させられる。そして、もみ軸20の回転に伴い、傾斜軸部21が円錐形の軌跡を描くように回転し、これによってもみコンロッド10が規則的に動作して、左右の施療子8が近接及び離反するように左右及び上下方向へ略楕円軌道に沿って移動可能となっている。このような移動動作が、施療子8のもみ動作となる。この施療子8のもみ動作には、左右の施療子8が近接するときに前方(被施療者側)へ移動し、左右の施療子8が離反するときに後方へ移動する動作も含まれる。
【0035】
図4は、図2に示すマッサージ機構の組立状態におけるアームの動作を示す側面図であり、図5は、同マッサージ機構の組立状態におけるもみ・たたきユニットを一部断面した正面図、図6は、同もみ・たたきユニットを一部断面した側面図、図7(a),(b),(c) は、図6に示すもみ・たたきユニットにおけるもみ軸の軸受を支持する軸受カバーを調整した状態の軸受カバー正面図である。
【0036】
図4に示すように、前記たたき軸16ともみ軸20との端部(17,21)が、前記たたきコンロッド14の嵌合穴14aともみコンロッド10の嵌合穴10bとに軸受14b,10fを介して支持されている。もみコンロッド10の嵌合穴10bの位置には、もみコンロッド本体10eの間にもみコンロッドハウス10gが設けられ、このもみコンロッドハウス10gに軸受10fが設けられている。また、前記もみコンロッド10の支持穴10aに支持軸11で揺動可能に支持された板状のアーム9は、所定厚のアームガイド9eとカバー9f(図2参照)とともに2枚のもみコンロッド本体10eの間に設けられて支持軸11により支持されている。
【0037】
アーム9の後端部9cは、もみコンロッド本体10eの間に設けられたアーム支持部材13の開口部13aを通るように細幅に形成されている。このアーム支持部材13は、支持部13bと係止ピン13cとがもみコンロッド本体10eに支持されて、もみコンロッド本体10eの間に設けられている。このアーム支持部材13に支持されているアーム9は、後端部9cが、アーム支持部材13の開口部13aの反アーム側に設けられた支持壁13dに当接した状態で支持されている。
【0038】
したがって、アーム9は、中間部9aが支持軸11に支持された状態で、その下部に設けられた係止ピン9bともみコンロッド10の下部に設けられたアーム支持部材13の係止ピン13cとに掛けられた付勢部材たるスプリング12によって、先端側に設けた施療子8が常に前側下方へ向けて付勢されている。つまり、施療子8は、この施療子8の前部に座る被施療者側に向けて常に付勢されている。このように、付勢部材たるスプリング12によって常にアーム9を被施療者に向けて付勢することにより、左右各1つの施療子8であっても、確実に被施療者に当接させて安定したマッサージができるようにしている。この付勢部材としては、他の構成であってもよい。
【0039】
このように支持されたアーム9の揺動範囲は、アーム9の後端部9cが前記スプリング12の付勢力でアーム支持部材13の支持壁13dに当接した実線の状態(下限位置)から、施療子8が押されてアーム9が揺動し、後端部9cの施療子側に設けられた係止部材たる当接部材9dがアーム支持部材13の係止部13eに当接した二点鎖線で示す状態(上限位置)の範囲に設定されている。sは、施療子8のストロークを示している。
【0040】
なお、アーム支持部材13としては、エンジニアリングプラスチックのポリアミド樹脂(PA)等が用いられる。このアーム支持部材13を樹脂で形成することにより、アーム当接時の衝撃を和らげている。
【0041】
また、もみコンロッド10のコンロッド本体10eには、アーム9の後端部9cの存否を検出するセンサ39が設けられている。このセンサ39は、アーム9の揺動状態を検出するためのものであり、この実施の形態では、もみコンロッド本体10eからアーム9の後端部9cに向けて光を放つ光センサで構成されている。この光センサは、図示する紙面直交方向に光を放つように構成されており、アーム9がスプリング12の力で前方下向きに付勢されて後端部9cでセンサ39の前部を閉ざした状態と、アーム9がスプリング12の力に抗して上向きに揺動させられて後端部9cがセンサ39の前部を開放した状態とを検出できるように構成されている。なお、センサ39としては、アーム9の揺動状態を検出できるセンサであればよく、磁気センサ等、他のセンサであってもよい。
【0042】
このセンサ39によれば、例えば、被施療者が座部2に座って凭れることによって施療子8を押してアーム9が揺動して後端部9cがセンサ39の前部を開放した状態から、施療子8が被施療者側に移動してアーム9の後端部9cがセンサ39の前部を閉ざした状態への変化を検出することができる。
【0043】
図5,6に示すように、前記マッサージ機構7のもみ動作とたたき動作を行う構成は、もみ・たたきユニット31として一体的に構成されている。図示する状態は、図2に示す施療子8、アーム9、もみコンロッド10、たたきコンロッド14に関する構成を除いた状態で示している。もみ・たたきユニット31のケーシング32は、上部にたたき軸16、下部にもみ軸20を配設するように形成されている。
【0044】
ケーシング32の上部には、軸受33によってたたき軸16が回転可能に支持され、下部には、軸受34によってもみ軸20が回転可能に支持されている。たたき軸16は、ケーシング32の壁面とカバー35とによって軸方向の移動が抑止された軸受33によって位置決めされている。もみ軸20は、ケーシング32に固定された軸受カバー36によって軸方向の移動が抑止された軸受34によって位置決めされている。この実施形態のもみ軸20は、もみ軸本体22の両端に傾斜軸部21を設けた傾斜軸部材23を、固定ピン37で固定した例を示している。
【0045】
これらもみ軸20とたたき軸16とを支持する軸受34,33と、軸受カバー36及びカバー35との間には、リングカラー65と非金属ワッシャ66とが設けられている。図示する例では、たたき軸16は、一方(図示する右側)を支持する軸受33のみが、リングカラー65と非金属ワッシャ66とを介してカバー35で固定されている。
【0046】
リングカラー65は、非金属であるポリアセタール(POM)で断面略L形に形成されており、このリングカラー65の反軸受側(軸端側)と軸受カバー36との間に非金属ワッシャ66が設けられている。カバー36,35を固定することによって、非金属ワッシャ66がリングカラー65を介して軸受34,33の軸方向移動を抑止している。非金属ワッシャ66としては、ポリウレタン(PUR)等でリング状に形成されたものが用いられる。このような非金属ワッシャ66を、リングカラー65とカバー36,35との間に設けることにより、リングカラー65の軸方向移動を弾性的に抑止できるようにしている。これにより、気温変化等による軸方向の膨張又は収縮による軸受34,33の軸方向移動を抑止し、たたき軸16及びもみ軸20の安定した定位置保持を図っている。しかも、このような構成によれば、もみ軸20とたたき軸16との軸方向移動を非金属ワッシャ66によって弾性的に受けることができるので、安定したもみ・たたきユニット31の組立作業が行える。
【0047】
また、ウォーム26は、ケーシング32に軸芯方向を縦向きにして設けられ、そのウォーム軸26bの上下がケーシング32の所定位置に設けられた軸受67,68によって支持されている。このウォーム軸26bの下部を支持する軸受68は、この軸受68を軸方向に付勢するバネ部材たる皿バネ69と、この皿バネ69を押える弾性変形可能な押え板70とで支持されている。押え板70は、ボルト70aでケーシング32に固定されている。
【0048】
このように皿バネ69を1枚とし、この皿バネ69を弾性変形可能な押え板70で押えることにより、皿バネ69で軸受68に大きな軸方向力を作用させることなく、ウォーム軸26b、すなわちウォーム26を安定して定位置で支持するようにしている。
【0049】
図5に示すように、前記たたき軸16の一端側には前記プーリ16aが設けられており、このプーリ16aをベルト19を介してモータ18(図2)で回転させることによってたたき軸16が回転駆動される。もみ軸20の中央部にはウォームホイール25が設けられており、このウォームホイール25と噛合するウォーム26のプーリ26aを、ベルト28を介してモータ27(図2)で回転させることによってもみ軸20が回転駆動される。このように、たたき軸16ともみ軸20との関係がユニット化されている。32c(図6)は、ケーシング32の肉抜き部である。
【0050】
このもみ・たたきユニット31によれば、前記したように、モータ18の駆動によって施療子8のたたき動作及び指圧動作が行われ、モータ27の駆動によって施療子8のもみ動作が行われ、モータ18,27を同時に駆動することにより、たたき動作及びもみ動作、又は指圧動作及びもみ動作が合成されて行われることとなる。もちろん、各動作を独立して行うことも可能である。
【0051】
一方、前記もみ軸20の軸受34を支持する軸受カバー36は、図示する上下が取付ボルト32bでケーシング32に固定されている。軸受カバー36の上下に設けられた取付部36eには、この軸受カバー36の回動中心を軸芯oとして回動するように前記取付ボルト32bが係合する案内溝36bが設けられている。この案内溝36bは軸芯oを中心とする円弧で形成されており、取付ボルト32bに係合した状態で軸受カバー36を回動させることができるように構成されている。この例では、軸芯oに対して上下対称位置に、所定角度分の案内溝36bが設けられている。この案内溝36bを設ける位置は、対称位置には限らない。また、この実施の形態では、ボルト32bが案内溝36bに係合する案内軸を兼ねている。
【0052】
そして、この軸受カバー36が回動する軸芯oに対して、軸受34を支持する支持部36aが、その軸芯gを軸受カバー36の回動中心の軸芯oからウォームの軸方向(図の上側)に所定量偏心して設けられている。
【0053】
図7(a),(b),(c) は、図6に示すもみ・たたきユニットにおけるもみ軸の軸受を支持する軸受カバーの内面側を示す正面図である。この図7は図6の軸受カバー36のみを内面側から示している。
【0054】
図7(a) に示すように、もみ軸20の軸芯である軸受軸芯gと、軸受カバー36の回動中心の軸芯oとは、ウォームの軸方向に所定量偏心している。この偏心量としては数ミリ程度でよく、この実施の形態では1mmの場合を例にしている。この軸芯gと軸芯oとを結ぶ線を直線vとする。また、この実施の形態では、図7(a) に示す軸受カバー36の回動軸芯oから、図示する時計方向と反時計方向(着座した被施療者から見たら前後方向)に軸受カバー36を所定角度分で回動可能なように構成されている。この実施の形態では、図7(b),(c) に示すように、軸受カバー36が回動軸芯oを中心に図の時計回りと反時計回りとにそれぞれ10°分回動可能なように構成されている。なお、36cは、軸受カバー36を回動させるための治具固定穴である。
【0055】
図7(b) に示すように、軸受カバー36を反時計回りに10°分回動させることにより、この実施の形態では、軸受カバー36の回動軸芯oに対して軸受軸芯gの位置を1mm偏心させているので、そのsin10°分、つまり、約0.17mm分、直線vに対して軸芯gを反ウォーム側に移動させてウォームホイール25をウォーム26から離すことができる。
【0056】
また、図7(c) に示すように、軸受カバー36を時計回りに10°分回動させることにより、この実施の形態では、軸受カバー36の回動軸芯oに対して軸受軸芯gの位置を1mm偏心させているので、そのsin10°分、つまり、約0.17mm分、直線vに対して軸芯gをウォーム側に移動させてウォームホイール25をウォーム26に接近させることができる。
【0057】
したがって、このように軸受カバー36を、回動軸芯oを中心にそれぞれ各10°分回動可能とすることにより、軸受34の軸芯位置gの偏心量分のsin10°分ずつ、つまり、合計約0.34mm分の範囲でウォームホイール25をウォーム26に接近又は離すことができるようにしている。
【0058】
また、案内溝36bを、軸受カバー36を回動させていな中立位置からそれぞれ各10°分の角度範囲に設けているため、軸芯oと軸芯gとのずれ量から軸受カバー36を回動させた時のウォームホイール25の移動量を算出することができるが、この実施の形態では、軸受カバー36又はケーシング32のもみ軸両端位置に、この軸受カバー36の回動によるウォームホイール25の移動量を示す目盛36dが設けられている。この目盛36dとしては、軸受カバー36の回動角や、ウォームホイール25の移動量を用いればよい。また、この目盛36dは、もみ軸両端位置に設けても一方のみでもよい。さらに、この例では軸受カバー36に目盛36dを設けているが、ケーシング32側に目盛を付し、軸受カバー36には中心を示す目盛のみを設けるような構成でもよい。
【0059】
なお、軸受カバー36を回動させることによってウォームホイール25はウォーム26の軸芯方向にも移動するが、この実施の形態における移動はcos10°分、つまり、1mmが約0.98mmとなる程度であるため、ウォーム26とウォームホイール25との噛合わせに大きく影響することはない。
【0060】
このように、軸受カバー36の取付け角度(位置)を変更することによって、ウォームホイール25とウォーム26との噛合い度を容易に調節することができる。つまり、ウォームホイール25とウォーム26との間のバックラッシを容易に調整できる。
【0061】
しかも、この実施の形態では、軸受カバー36に設けた案内溝36bを、案内軸として機能する取付ボルト32bに沿って回動させるように構成しているため、調整が軸受カバー36の取付け角度を変更することで容易に可能である。その上、軸受カバー36の回転角度を示す目盛やウォームホイール25の移動量を示す目盛をもみ軸両端に対称的に設けておくことにより、左右で移動量を同一に調節することも容易にでき、簡単で迅速な調節作業を行うことが可能となる。
【0062】
図8は、図1に示す椅子型マッサージ機1に備えられたマッサージ機構7の構成を示す前面側の斜視図である。図1に示すように、椅子型マッサージ機1の背凭れ部3内には、座部2の後部から背凭れ部3の上部まで延びる略矩形状の枠体54が設けられており、この枠体54に沿って昇降する枠状の昇降台40に前記マッサージ機構7が設けられている。これにより、このマッサージ機構7は、背凭れ部3内で被施療者の身長方向に上昇動及び下降動が可能なように構成されている。
【0063】
図8に示すように、このマッサージ機構7は、昇降台40に支持されたフレームステー41に設けられた揺動フレーム42を備えている。揺動フレーム42は左右に設けられ、これら左右の揺動フレーム42にボルト43aで固定されたI形の支持プレート43の中央背面側に、マッサージ機構7のもみ・たたきユニット31のケーシング32がボルト32aで固定されている。
【0064】
また、この実施の形態では、揺動フレーム42の上端にラック44が設けられている。このラック44は、その上部に形成された歯と噛合する中間アイドル減速ユニット45のピニオンギヤ45aの回動によって、フレームステー41を中心に揺動フレーム42を前後方向に揺動させるように構成されている。中間アイドル減速ユニット45のピニオンギヤ45aは、昇降台40に軸受57で支持された前後駆動軸58に設けられたギヤ(図示省略)によって回動させられる。この前後駆動軸58は、昇降台40の図示する左側上部に設けられたウォーム減速機46を介して、前後動用モータ47で駆動される。58aは、中間アイドル減速ユニット45の支持軸であり、両端が昇降台40に固定されている。
【0065】
昇降台40の左右の側部には、それぞれ5つのガイドローラ48,49が設けられている。図示する例では、昇降台40の左右方向移動を規制するガイドローラ48が上下部に計2つ、前後方向移動を規制するガイドローラ49が上下部と中間部とに計3つが設けられている。
【0066】
また、昇降台40の下部両側部には、ピニオンギヤ50が設けられている(右側のみ図示)。このピニオンギヤ50は、昇降台40に軸受51aを介して設けられた昇降駆動軸51の両端に設けられており、この昇降駆動軸51は減速機52を介して昇降用モータ53で駆動されている。
【0067】
一方、前記枠体54には、所定間隔を隔てて左右に配置されて背凭れ部3に沿って上下方向へ延びるガイドレール54aが設けられている。このガイドレール54aの背面には、ラック55が設けられている。これらガイドレール54aとラック55は、昇降台40が移動する上下方向の全長に設けられている。
【0068】
そして、前記昇降台40のガイドローラ48,49がガイドレール54aの内面に沿って上下方向に移動可能なように設けられている。また、この昇降台40の下部両側部に設けられたピニオンギヤ50がラック55と噛合し、このピニオンギヤ50を昇降用モータ53で駆動することにより、昇降台40が背凭れ部3の上下方向に昇降する。
【0069】
これらのモータ18,27,47,53の回転数や回転方向、アーム9の位置や回動状態、その他を制御する制御装置56は、図1に示すように、マッサージ機1の座部2の内部に設けられている。この制御装置56としては、CPU、ROM、RAM、及び入出力インタフェース等から構成されている。また、この制御装置56には、被施療者が操作する操作リモコン6からの信号も入力され、マッサージ機1が所望の動作をするように各部が駆動制御される。
【0070】
このような構成により、被施療者が背凭れ部3に上半身を凭れかけた状態でマッサージ機構7を備えた昇降台40を背凭れ部3の上下方向に昇降させることで、マッサージ機構7の施療子8を被施療者の背中の上下方向に移動させてマッサージ動作を行うことができる。
【0071】
以上のように構成されたマッサージ機構7によれば、もみ・たたきユニット31にたたき軸16ともみ軸20とを取付ける時に、これらたたき軸16ともみ軸20とを支持する軸受33,34とカバー36,35又はケーシング32との間に非金属ワッシャ66を介在させることにより、この非金属ワッシャ66によってたたき軸16及びもみ軸20の軸方向移動を安定して防止することができる。
【0072】
また、ケーシング32にウォーム26を取付ける時に、このウォーム軸26bを回転自在に支持する軸受68を、皿バネ69と弾性変形可能な押え板70とで軸方向に付勢しているので、ウォーム26の軸方向移動を安定して防止することができる。しかも、皿バネ69を1枚とすることによってウォーム軸26bを軸方向に付勢する力が大きくなるのを防止しつつ、弾性変形可能な押え板70で支持することにより、例えば、気温変化によって生じる膨張又は収縮の変化も安定して吸収できる。
【0073】
そして、もみ・たたきユニット31にもみ軸20を取付ける時に、もみ軸20を駆動するウォーム歯車機構30のウォーム26とウォームホイール25との噛合い度を微調節する必要がある場合、軸受34を保持している軸受カバー36を回転させることによって、ウォームホイール25をウォーム側、又は反ウォーム側に移動させて噛合い度を調節することができるので、簡単な操作で微妙な隙間調整を容易に行うことが可能となる。
【0074】
従って、もみ・たたきユニット31における各軸や軸受のガタつき防止を安定して図ることができるとともに、ウォーム26とウォームホイール25との噛合い度を調節して、バックラッシを容易に調整することができるので、もみ・たたきユニット31の組立て時や、組立後の調節を容易に行うことが可能となる。
【0075】
これにより、製作誤差等を生じる機械構造物によって構成されるマッサージ機構7を、被施療者の血行促進、疲労回復、リラックス等の効果を得るために種々のマッサージ動作を安定して行うことができるマッサージ機構7に調節することが容易に可能となり、生産効率の向上を図ることができる。
【0076】
なお、前記実施の形態は一例であり、アーム9に設けられる施療子8は各1つに限られるものではなく、各2つを設けた構成であっても適用可能である。また、前記実施の形態は一例であり、たたき軸16との配置構成やアーム9の形状、施療子8の数等は前記実施の形態に限定されるものではない。
【0077】
さらに、前述した実施形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明に係るマッサージ機のマッサージ機構は、アームにもみ動作を与える回転軸をウォーム歯車機構で駆動するマッサージ機に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施の形態に係る椅子型マッサージ機の全体の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す椅子型マッサージ機に備えられたマッサージ機構の動作原理を説明するためにマッサージ機構の構成を模式的に示した分解斜視図である。
【図3】図2に示すマッサージ機構によるもみ動作時の施療子の挙動を模式的に示した正面図である。
【図4】図2に示すマッサージ機構の組立状態におけるアームの動作を示す側面図である。
【図5】図2に示すマッサージ機構の動作原理を具体的に実施した場合のもみ・たたきユニットを一部断面した正面図である。
【図6】図5に示すもみ・たたきユニットを一部断面した側面図である。
【図7】(a),(b),(c) は、図6に示すもみ・たたきユニットにおけるもみ軸の軸受を支持する軸受カバーの内面側を示す正面図である。
【図8】図1に示す椅子型マッサージ機に備えられたマッサージ機構の構成を示す前面側の斜視図である。
【符号の説明】
【0080】
1 椅子型マッサージ機
2 座部
3 背凭れ部
4 フットレスト(脚載置台)
5 アームレスト
6 操作リモコン
7 マッサージ機構
8 施療子
9 アーム
10 もみコンロッド
11 支持軸
12 スプリング
13 アーム支持部材
14 たたきコンロッド
15 自在継手
15a 球状部材
16 たたき軸
17 偏芯軸部
18 モータ
19 ベルト
20 もみ軸(回転軸)
21 傾斜軸部
22 もみ軸本体
24 キー
25 ウォームホイール
26 ウォーム
27 モータ
28 ベルト
29 回転センサ
30 ウォーム歯車機構
31 もみ・たたきユニット
32 ケーシング
33,34 軸受
35 カバー
36 軸受カバー
37 固定ピン
39 センサ
40 昇降台
41 フレームステー
42 揺動フレーム
43 支持プレート
44 ラック
45 中間アイドル減速ユニット
46 ウォーム減速機
47 前後駆動モータ
48,49 ガイドローラ
50 ピニオンギヤ
51 昇降駆動軸
52 減速機
53 昇降用モータ
54 枠体
55 ラック
56 制御装置
57 軸受
58 前後駆動軸
60 軸側部材
61 継手側部材
62 屈曲軸
63 球面座
65 リングカラー
66 非金属ワッシャ
67,68 軸受
69 皿バネ
70 押え板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
施療子を支持するアームにもみ動作をさせる回転軸と、
該回転軸を回転自在に支持する軸受と、
該回転軸の同軸上に設けたウォームホイールと、
該ウォームホイールを駆動するウォームと、
該ウォームとウォームホイールとを設けるケーシングとを設け、
該ケーシングに、前記回転軸を支持する軸受を内面で保持する軸受カバーを設け、
該軸受カバーを回転軸の軸芯と平行な軸を中心に回動可能に構成するとともに、該軸受カバーの回動中心に対して前記軸受の軸芯をウォームの軸方向に所定量偏心させたマッサージ機のマッサージ機構。
【請求項2】
前記軸受カバーのケーシングへの取付部に、該軸受カバーの回動中心を中心とした案内溝を所定角度範囲で設け、該案内溝に係合する案内軸をケーシングに設けた請求項1に記載のマッサージ機のマッサージ機構。
【請求項3】
前記回転軸の両端に位置する軸受カバー又はケーシングに、該軸受カバーの回動によるウォームホイールの移動量を示す目盛を設けた請求項1又は請求項2に記載のマッサージ機のマッサージ機構。
【請求項4】
前記ウォームを回転自在に支持する軸受をケーシングに設け、該軸受を軸方向に付勢するバネ部材を設けるとともに、該バネ部材を弾性変形可能な押え板でケーシングに支持した請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機のマッサージ機構。
【請求項5】
前記回転軸を回転自在に支持する軸受と軸受カバーとの間に、該軸受の軸方向移動を抑止する非金属ワッシャを設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載のマッサージ機のマッサージ機構。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のマッサージ機構を背凭れ部に備え、該マッサージ機構を駆動制御する制御装置を設けたマッサージ機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−166(P2007−166A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−180285(P2005−180285)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】