マッサージ機
【課題】腰部に対して効果的なマッサージを行うことができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】座部1と、この座部1の後側に設けられていると共にマッサージ効果を与える施療具5を腰に対応する位置に有する背もたれ部3と、座部1の前側に設けられていると共に上下回動動作する脚載置部2とを備えている。脚載置部2は被施療者の足裏に当接する足裏押し当て部4を有している。足裏押し当て部4は、脚載置部2が上昇した前方突出状態で被施療者の足裏に当接し被施療者を足裏から後方の背もたれ部3側へ押すことができる。
【解決手段】座部1と、この座部1の後側に設けられていると共にマッサージ効果を与える施療具5を腰に対応する位置に有する背もたれ部3と、座部1の前側に設けられていると共に上下回動動作する脚載置部2とを備えている。脚載置部2は被施療者の足裏に当接する足裏押し当て部4を有している。足裏押し当て部4は、脚載置部2が上昇した前方突出状態で被施療者の足裏に当接し被施療者を足裏から後方の背もたれ部3側へ押すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
椅子型のマッサージ機において、被施療者が座る座部と、座部の後側に設けられていると共にマッサージ効果を与える施療具を有する背もたれ部と、座部の前側に設けられている脚載置部とを備えたものが知られている。
そして、脚載置部が被施療者の脚の長さ方向に移動可能とされているものが、例えば特許文献1、特許文献2にある。
特許文献1に記載されているマッサージ機は、脚載置部を前後にスライド移動させ、身長差による施療部位のずれを解消できるよう構成されている。また、特許文献2に記載されているマッサージ機は、脚載置部に設けられたエアにより膨張する袋体が、被施療者の大腿部乃至ふくらはぎ部を挟み、脚載置部が前方へ移動して脚を伸長させることができる。また、特許文献3に示すように、被施療者の膝よりも下の脚部を固定してアキレス腱が延びる方向に足裏を押さえる運動器具がある。
【0003】
【特許文献1】特開平11−290409号公報
【特許文献2】特開平8−322895号公報
【特許文献3】特開2004−89672号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、特許文献2のような従来知られている椅子型のマッサージ機は、背もたれ部を起立状態とした状態で、背もたれ部の施療具により被施療者の上半身に対してマッサージ効果を与える場合、腰部に対する効果は腰部より上の背中部に対する効果に比べて弱くなるという問題点を有している。これは人が背もたれ部のある椅子に座った姿勢では、上半身の体重が背中部において背もたれ部に作用するため、施療具が背中部を強く押圧できるが、腰部は背もたれ部に対して体重をかけてもたれる状態にはならないため、起立状態の背もたれ部の施療具は腰部に対して強く押圧することができないからである。
【0005】
また、特許文献1と特許文献2に記載されているマッサージ機は、被施療者の脚をその長手方向に移動可能とされているが、この移動により被施療者を背もたれ部側の後方へ押して上半身の(特に腰への)マッサージ効果を高めるものではない。
特許文献3の運動器具は、被施療者のふくらはぎを固定して膝から下部分のみの伸張運動を行わせるものである。つまり、従来のマッサージ機や運動器具の脚載置部は、脚部に対して単独のマッサージ効果を与えるためだけのものであり、脚載置部を背もたれ部の施療具と関連させてマッサージ効果を高めるものではない。
そこでこの発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、腰部に対して効果的なマッサージを行うことができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するためのこの発明のマッサージ機は、座部と、この座部の後側に設けられていると共にマッサージ効果を与える施療具を有する背もたれ部と、前記座部の前側に設けられていると共に当該座部の前部側を中心とした上下回動動作をして前方突出状態と垂れ下がり状態とに変化可能とされた脚載置部とを備えたマッサージ機であって、前記脚載置部は、当該脚載置部が前方突出状態で被施療者の足裏に当接し当該被施療者を足裏から後方の前記背もたれ部側へ押すための足裏押し当て部を有していることを特徴としている。
このような構成のマッサージ機によれば、脚載置部の足裏押し当て部に被施療者が足裏を当接させて脚を突っ張ることにより、背もたれ部の施療具に上半身を押し付けることができ、この施療具により効果的なマッサージが行える。被施療者の意思により脚の突っ張り力を調整することで、施療具への押し付け力の強弱を調整することができ、所望のマッサージが行える。
【0007】
また、前記施療具は、起立状態にある前記背もたれ部において前記被施療者の腰に対応する位置に配置又は腰に対応する位置に移動可能とされているのが好ましい。従来のマッサージ機では、背もたれ部を起立状態とした状態で、背もたれ部の施療具により被施療者の上半身に対してマッサージ効果を与える場合、腰部に対する効果は背中部に対する効果に比べて弱くなるという問題点を有しているが、この構成によれば、これを解決できる。即ち、脚載置部の足裏押し当て部に被施療者が足裏を当接させて脚を突っ張ることにより、背もたれ部のうち腰に対応する位置に配置させた施療具に腰を押し付けることができ、従来では困難であった腰に対する強いマッサージが可能となる。
【0008】
または、前記被施療者の足裏を前記足裏押し当て部に当接させ前記背もたれ部の前記施療具により腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作を開始させる際に、前記施療具を腰に対応する位置に移動させる制御手段を有しているのが好ましい。これにより、腰部マッサージコースが選択された場合、又は、他の部位のマッサージコースから続いて腰部マッサージースが開始されると、自動的に腰に対応する位置に施療具を移動させることができる。従って、(前記のとおり)従来では困難であった腰に対する強いマッサージが可能となる。
さらに、被施療者は複雑な操作を行うことなく、背もたれ部の施療具により簡単に腰部へのマッサージ動作を開始することができる。つまり、運転を操作する押しボタン等を有する操作器の操作により、上下移動可能とされた施療具を降下させて腰部に対応する位置に調整してから、マッサージ開始動作を始めさせるといった複雑な操作は不要となる。
【0009】
また、この場合において、腰に対応する位置に配置させ又は腰に対応する位置に移動させた前記施療具と前記足裏押し当て部とは、同一の仮想水平面と交わる高さ位置とされているのが好ましい。これにより、施療具による腰へのマッサージ効果をより一層高めることができる。また、下半身が水平状となるため、脚には被施療者の体重が作用しないため、無駄な力を必要とせずに脚を突っ張ることができ、施療具によるマッサージが行える。
【0010】
また、前記脚載置部が前方突出状態で、被施療者の足裏が前記足裏押し当て部に当接している初期位置から、前記足裏押し当て部を前記座部に接近する方向へ移動させかつ当該座部から離れる方向へ移動させる駆動装置を備えているのが好ましい。
この構成によれば、足裏押し当て部を初期位置から座部に接近する方向(後方)へ移動させると、上半身を背もたれ部の施療具に押し付けることができ、また、足裏押し当て部を座部から離れる方向(前方)へ移動させると、上半身の施療具への押し付けを緩めることができ、強弱のあるマッサージが可能となる。また、この強弱は施療具が前後方向に移動していなくても変化させることができる。
【0011】
または、前記脚載置部が前方突出状態で、前記足裏押し当て部に前記被施療者の足裏を当接させて当該被施療者に膝の屈伸運動をさせるよう当該足裏押し当て部を脚の長さ方向に往復動作させる駆動装置を備えているのが好ましい。
この構成によれば、足裏押し当て部を座部に接近する方向(後方)へ移動させると、脚の屈曲動作と共に上半身を背もたれ部の施療具に押し付けることができ、また、足裏押し当て部を座部から離れる方向(前方)へ移動させると、脚が伸張動作して上半身の施療具への押し付けを緩めることができ、強弱のあるマッサージが可能となる。また、この強弱は施療具が前後方向に移動していなくても変化させることができる。さらに、自動的に脚を屈伸させることができ、脚の伸張・屈伸運動が行える。
【0012】
また、この場合において、前記駆動装置は、前記足裏押し当て部の脚の長さ方向の移動ストロークを変更可能としているのが好ましく、これにより身長の差による屈伸量の差を調整することができる。また、屈伸運動量の調整ができ、膝への負担を抑えることができる。
【0013】
また、前記脚載置部は前記被施療者の膝から足先側の部分を掴む掴み具を有し、この掴み具が前記被施療者の膝から足先側の部分を掴んだ状態で、前記駆動装置は前記足裏押し当て部を脚の長さ方向に往復移動させるのが好ましい。この構成によれば、足裏押し当て部が座部から離れる方向(前方)へ移動した場合に、被施療者が自力で脚を伸ばす動作をすることなく、屈曲した状態の脚を伸張させることができる。また、足裏押し当て部が前方へ移動することで脚のストレット運動によるマッサージを行わせる。
【0014】
さらには、前記掴み具が、前記被施療者の足首から足先側の部分を掴む位置に設けられているのが好ましく、これにより、足首から下の部分を脚載置部に固定することができ、膝の屈伸動作を容易にさせる。
【0015】
また、前記掴み具は、前記被施療者の脚を押圧してマッサージする脚施療具とされているのが好ましい。これによれば、脚施療具を掴み具として利用することで、別途掴み具を設ける必要がない。従って、部品点数を減少させ構成を簡素化させる。
【0016】
また、前記駆動装置による前記足裏押し当て部の往復動作と前記背もたれ部の前記施療具によるマッサージ動作とを連動させる制御手段を有しているのが好ましい。この構成によれば、背もたれ部の施療具によるマッサージの強弱に幅を持たせることができる。施療具による微弱な押圧から強い押圧までを連続的に変化させることができる。
【0017】
また、前記足裏押し当て部は前記被施療者の足裏が当接しているか否かを検出する足裏検出センサを有し、前記駆動装置の動作により前記足裏押し当て部が前記座部と離れた位置から接近する方向へ移動し、当該足裏押し当て部に足裏が当接したことを前記足裏検出センサによって検出すると、前記駆動装置の動作を停止させて前記足裏押し当て部の位置を設定させる制御手段を有しているのが好ましい。
この構成によれば、足裏押し当て部が被施療者の足裏に当接するまで足裏押し当て部が移動するため、足裏押し当て部の位置調整を簡単かつ適切に行える。また、このマッサージ機に被施療者が座ってからこの制御手段による動作を行わせることにより、足裏押し当て部の初期位置を自動的に設定することができる。
【0018】
また、前記足裏押し当て部は左右2分割とされており、この左右夫々の足裏押し当て部は前記駆動装置により独立して動作可能とされているのが好ましい。この構成によれば、背もたれ部の施療具に腰や背中を左右交互に強く押し付けることができる。
【0019】
また、前記背もたれ部は起立状態と後方倒れ状態とに変化可能とされ、前記被施療者の足裏を前記足裏押し当て部に当接させ前記背もたれ部の前記施療具により腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作を開始させる際に、前記背もたれ部を起立状態とさせると共に前記脚載置部を前方突出状態に自動的にさせる制御手段を有しているのが好ましい。
この構成によれば、被施療者は複雑な操作を行うことなく、背もたれ部の施療具により簡単にマッサージ動作を開始することができる。つまり、運転を操作する押しボタン等を有する操作器の操作により、上下回動可能とされた脚載置部を上昇させて前方突出状とさせ、そして、リクライニング可能な背もたれ部を起立状態とさせ、そしてマッサージ開始動作を始めさせるといった複雑な操作は不要となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のマッサージ機によれば、背もたれ部の施療具に上半身を強く押し付けることができるため、効果的なマッサージが可能となる。特に、起立状態とさせた背もたれ部の施療具により腰部に対して良好なマッサージを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の実施の一形態に係るマッサージ機を示す斜視図であり、図2と図3はその側面図である。このマッサージ機は椅子型であり、被施療者が座る座部1を備え、座部1の下方にはマッサージ機全体を支持する支持脚11を備えている。また、座部1の左右両側には肘掛け部12が設けられている。
【0022】
座部1の後側には背もたれ部3が設けられており、背もたれ部3は被施療者の上半身にマッサージ効果を与える施療具5を有している。背もたれ部3は、座部1の後部側を中心として上下回動するリクライニング機能を有しており、図2の実線により示す後方に(鉛直面との成す角度が小さく)傾斜した起立状態から、二点鎖線により示すほぼ水平状の後方倒れ状態とに無段階で変化可能とされている。さらには、任意の位置(角度)で停止できる。背もたれ部3のリクライニングは、図示しない電動モータ等を有するリクライニング駆動装置によって自動的に行われる。なお、この駆動装置は流体シリンダ又はエアの給排により膨張・収縮するエアセル等によって構成することもできる。
【0023】
また、座部1の前側には脚載置部(フットレスト)2が設けられており、脚載置部2は、座部1の前部側を中心とした上下回動動作をして図3の上昇した前方突出状態と図2の降下した垂れ下がり状態とに変化可能とされている。さらには、任意の位置(角度)で停止できる。この脚載置部2は、座部1の前側に取り付けられた支持装置13と、この支持装置13に支持されている脚載置本体14とによって構成されている。
【0024】
脚載置部2の支持装置13の上端部が座部1の前部と連結されており、脚載置部2は水平方向の軸心回りに上下方向回動自在とされている。脚載置部2の座部1に対する位置(角度)は任意に変更可能とされている。脚載置部2の上下回動は、脚載置部2の背後(後方)に、より具体的には支持装置13の背後に配置させた上下回動駆動装置としての駆動用エアセル15にエアを給排して膨脹・収縮させることによって行われる。つまり、エアセル15が膨脹すると図3に示すように脚載置部2が上昇し、エアセル15が収縮すると脚載置部2が降下する。なお、上下回動駆動装置はこれ以外に流体シリンダ又は電動モータ等によって構成することもできる。
【0025】
背もたれ部3には施療具(マッサージ部)5が設けられている。背もたれ部3の施療具5はモータ駆動の複数の施療子(揉み玉)5aを備えたものであり、叩き・揉み・振動などのマッサージを被施療者に施すことができる。この施療具5は背もたれ部3の左右方向中央部に設けられており、背もたれ部3の左右側部には、エアの給排によって膨脹・収縮し被施療者に押圧マッサージを施すマッサージ用のエアセルによって構成された施療具を有している。
座部1の上面にも施療具16が設けられている。座部1の施療具16はエアの給排によって膨脹・収縮し、被施療者に押圧マッサージを施すマッサージ用のエアセルによって構成されている。エアセルは、被施療者の臀部及び大腿に押圧マッサージを施すように配置されている。
【0026】
脚載置部2の脚載置本体14は、被施療者の脚(ここでは「脚」には足首より先の「足」を含む)が載せられる複数(図示のものでは2つ)の脚保持部材17,18を、脚の長さ方向に並べて構成されている。なお、以下では、座部1に近い方を第1脚保持部材17とし、座部3から遠い方を第2脚保持部材18という。
図4は脚載置部2が水平となるまで前方突出状に上昇した状態にある脚載置本体14の平面図であり、第1脚保持部材17は被施療者の脚のふくらはぎ付近が載せられるものであり、ふくらはぎ付近が載せられる底面部17aと、底面部17aの左右両側から立設された側面部17b,17bとを備えている。すなわち、第1脚保持部材17は断面U字状に形成されており、左右側面部17b,17bの間に両脚を入れることができるようになっている。
【0027】
第2脚保持部材18は被施療者の足が載せられるものであり、かかと(及び足首)付近が載せられる底面部18aと、底面部18aの左右両側から立設された側面部18b,18bと、底面部18aの先端側から直角に設けられた足裏押し当て部4とを備えている。そして、左右側面部18b,18bの間に両足を入れることができるようになっており、足を入れた状態で被施療者の足裏が足裏押し当て部4の足裏押し当て面4aに当接可能となる。
【0028】
足裏押し当て部4は、図3に示すように脚載置部2が前方突出状態で、足裏押し当て部4の先端が上部で後端が下部の鉛直状(鉛直面との成す角度が45°より小さい状態、好ましくは鉛直面との成す角度が30°より小さいほぼ鉛直状)の足裏押し当て面4aを構成し、図2に示すように脚載置部2が垂れ下がり状態で、先端と後端とがほぼ同一高さの水平状(水平面との成す角度が20°より小さいほぼ水平状)の足裏押し当て面4aを構成する。なお、本発明において前方向はこの椅子型マッサージ機に被施療者が座った状態で被施療者の前方側であり、後方向はその反対の方向である。
【0029】
脚載置部2には図4に示すように足施療具8が設けられており、脚載置部2の足施療具8はエアの給排によって膨脹・収縮し、被施療者の脚に押圧マッサージを施すマッサージ用のエアセルによって構成されている。エアセルは、第1脚保持部材17の底面部17aに左右2ヵ所及び両側面部17b,17b、並びに第2脚保持部材18の底面部18aの左右部に夫々2ヵ所の計4ヵ所、両側面部18b,18b及び足裏押し当て面4aに配置されており、足の側面や足裏を押圧マッサージできるようになっている。
【0030】
そして図5に示すように、脚載置部2の足裏押し当て部4は、脚載置部2が前方突出状態で被施療者の足裏に当接して被施療者を足裏から後方の背もたれ部3側へ押すことができる。つまり、足裏押し当て部4に被施療者が足裏を当接させて脚を突っ張ることにより、背もたれ部3の施療具5に上半身を押し付けることができ、この施療具5により効果的なマッサージが行える。そして、施療具5は、起立状態にある背もたれ部3において、被施療者の腰に対応する位置に予め配置されている場合と、腰に対応する位置に移動可能とされている場合とがある。
【0031】
この施療具5は、モータ駆動により叩き・揉み・振動などのマッサージを被施療者に施すことができる施療子5aを有しているが、施療具5は背もたれ部3において長手方向(背もたれ部3が起立状態で上下方向、背もたれ部3が倒れた状態で前後方向)に自動的に又は位置選択により移動可能とされている。そして、被施療者の足裏を足裏押し当て部4に当接させた状態で、この足裏押し当て部4を用いて施療具5により腰部のマッサージを行う際は、後述する制御手段10と施療具5を移動させる駆動装置(図示せず)とにより施療具5を被施療者の腰に対応する位置に移動させる。
または、施療具5はこのように可動式とする以外に固定式とされていてもよく、腰に対応する位置に常に施療具5が存在してもよい。また、この固定式の場合、腰以外に対応する位置に固定式の施療具が存在してもよい。
【0032】
また図5に示すように、腰部のマッサージを行う際に、脚載置部2が前方突出状態とされ、かつ、背もたれ部3を起立させた状態において、腰に対応する位置に配置させ又は腰に対応する位置に移動させた施療具5と、足裏押し当て部4とは、同一の仮想水平面Fと交わる高さ位置に配置されているのが好ましい。つまり、施療具5と足裏押し当て部4とは略同じ高さ位置となるのが好ましい。なお、仮想水平面Fと交わる高さ位置とは、言い換えると足裏押し当て部4の高さ方向の範囲m内、及び、施療具5の高さ方向範囲n内に、任意に設定された同一の仮想水平面Fが存在することをいう。
【0033】
脚載置本体14を支持する支持装置13は、被施療者の脚の長さ方向に伸縮自在に構成されている。すなわち、支持装置13は座部1の前端に上下回動自在に取り付けられた第1支持部材21と、この第1支持部材21に対して被施療者の脚の長さ方向に移動可能とされている2つの第2支持部材22と第3支持部材23とを備えており、第2支持部材22と第3支持部材23とを第1支持部材21に対して移動させることで支持装置13は伸縮され、その長さを変えることができる。これにより、支持装置13は図2のように収縮した状態から図3のように伸長することができる。
【0034】
第1支持部材21、第2支持部材22、第3支持部材23は支持装置13が有するリンク機構20(図7と図9参照)によって連結されており、支持装置13が有する伸縮駆動装置6(図8と図10参照)と前記リンク機構20により、第2支持部材22と第3支持部材23とは第1支持部材21に対して互いに連動してスライド移動し、かつ任意の位置で位置決めされるように構成されている。伸縮駆動装置6が有する電動モータとネジ送り機構等の構成によって支持装置13は伸縮され、これにより、支持装置13に取り付けられた脚載置本体14が被施療者の脚の長さ方向に沿って伸縮動作する。つまり、第2脚保持部材18の足裏押し当て部4は座部1に接近・離間するよう直線的に移動することとなる。
【0035】
脚載置部2の支持装置13についてさらに説明すると、図7〜図10は支持装置13の構成を示す斜視図であり、図7及び図8は最も短縮された状態の支持装置13を斜め前方及び斜め後方から見た図であり、図9及び図10は最も伸長された状態の支持装置13を斜め前方及び斜め後方から見た図である。
【0036】
第1支持部材21は、2つの平行な縦長の管部材24,24と、2本の管部材24,24の上端部分を互いに連結させた連結部材25と、強度確保のために2つの管部材24,24の中間部分の間を渡すように設けられている棒状の補強部材26を有している。連結部材25はその中間部分の一面側にリンク機構20の一端の節部が枢着されている。リンク機構20は、8本のリンクバーを用いて4節リンクを3つ連続させた構成とされている。
更に、夫々の管部材24の上部左右外側には枢軸27が左右横方向へ延びている。この枢軸27の軸心を中心として第1支持部材21は座部1に対して上下方向に回動することが可能となっている。
【0037】
第2支持部材22は、2つの平行な縦長のスライド棒28,28と、両スライド棒28,28の下端を連結する横長の連結棒29とを有している。スライド棒28は管部材24にスライド自在に挿入されており、2つのスライド棒28,28が一体的に管部材24,24に進入及び突出することが可能となっている。また、連結棒29の中央には縦長のナット部材30の下端が取り付けられている。ナット部材30にはねじ棒31が螺合しており、ナット部材30の上端からねじ棒31の上部が突出している。
ねじ棒31は、第1支持部材21の連結部材25の中間部分の他面側にその軸心を中心として回転可能に枢着されている。また、連結部材25においてねじ棒31の側方にモータ32が取り付けられており、モータ32とねじ棒31とがベルト及びプーリによって構成された回転伝達機構33にて連結されている。これにより、モータ32の出力軸の正逆回転運動がねじ棒31に伝達され、ねじ棒31をナット部材30に進入及び退出させることが可能である。これにより、第2支持部材22は第1支持部材21に対して進退する。伸縮駆動装置6は、ナット部材30とねじ棒31とモータ32と回転伝達機構33とを備えている。
【0038】
また、ナット部材30はその外観が棒状となっており、その長手方向中央部分において、リンク機構20が有する中間の2つのリンクバーが交差した節部が枢軸によって枢着されている。これにより、モータ32を駆動させることによって第2支持部材22が前進又は後退し、これに伴ってリンク機構20が伸長又は短縮することとなる。
【0039】
また、第1支持部材21の夫々の管部材24の対向面の下端から中央部分にかけて、上下に長い切り欠き部34が設けられている。第2支持部材22のスライド棒28の夫々の長手方向中央部分からは連結板35が内側へ延設されており、この連結板35にスライド棒28と平行な丸孔を有するガイド36が設けられている。このガイド36に脚載置本体14の第1脚保持部材17(図4参照)が取り付けられている。連結板35は切り欠き部34を貫通して管部材24の内側へ突出可能とされており、これによってガイド36が固定された連結板35と管部材24とが干渉することなく、第2支持部材22のスライド棒28を第1支持部材21の管部材24に進入させることが可能であり、またスライド棒28を管部材24から退出させることが可能となっている。
【0040】
第3支持部材23は、2つのスライド棒37,37と、これに固定された2つの取付部材38,38と、スライド棒37の下部に固定された支持枠39とを有している。スライド棒37は、ガイド36に設けられた丸孔よりも直径が小さい丸棒状をなしており、ガイド36の丸孔に挿通されている。スライド棒37の下端は横長の連結部材40によって連結されている。取付部材38は前方へ向かった平面部分を有しており、この平面部分に脚載置本体14の第2脚保持部材18(図4参照)が取り付けられている。また、第3支持部材23の取付部材38の下端外側には車輪42が枢着されている。
【0041】
取付部材38の上部は横長の連結板41によって連結されており、この連結板41にはリンク機構20の下端の節部が枢軸によって枢着されている。従って、伸縮駆動装置6(モータ32)の駆動によって第2支持部材22が第1支持部材21に対してその長手方向へ移動し、リンク機構20が伸長又は短縮した際に、リンク機構20の作用により第3支持部材23は、スライド棒37がガイド36によりガイドされて第2支持部材22に対してその長手方向へ移動する。これにより支持装置13は全体として伸長又は短縮することとなる。つまり、第3支持部材23に取り付けた第2脚保持部材18の足裏押し当て部4が座部1に接近する方向、離間する方向へ移動可能とされている。
【0042】
次に、このマッサージ機の具体的な動作のうち、主に被施療者の腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作について説明する。
図5に示すように、脚載置部2を前方突出状態とし、足裏押し当て部4に被施療者の足裏を当接させて被施療者が脚を突っ張ることにより、足裏押し当て部4が被施療者を足裏から後方の背もたれ部3側へ押すことにより、背もたれ部3の施療具5が上半身のマッサージを行わせることができる。なお、この際、背もたれ部3は起立状態にある。
または、図5と図6に示すように、脚載置部2を前方突出状態とし、背もたれ部3の施療具5による被施療者のマッサージ作業中に、足裏押し当て部4に被施療者の足裏を当接させて前記伸縮駆動装置6の働きにより被施療者に膝の屈伸運動をさせるよう足裏押し当て部4を脚の長さ方向に往復動作させている。そして、この足裏押し当て部4が被施療者を足裏から後方の背もたれ部3側へ押すことにより背もたれ部3の施療具5により上半身のマッサージが行われる。
つまり、伸縮駆動装置6が伸張動作して図5に示すように、足裏押し当て部4を前方(座部1から離れる方向)へ移動させて被施療者の脚を伸張状態とさせ、伸縮駆動装置6が短縮動作して図6に示すように、足裏押し当て部4を後方(座部1に接近する方向)へ移動させて脚を屈曲状態とさせ、この動作を連続的に行わせている。
【0043】
この伸縮駆動装置6はマッサージ機が有する制御手段10と接続されており、操作器19(図1)の押しボタン等の操作により制御手段10が作用して伸縮駆動装置6の伸縮ストロークを変更させている。つまり、この駆動装置6は、足裏押し当て部4の脚の長さ方向の移動ストロークを変更可能とさせている。具体的には駆動装置6のモータ32の反転時期、反転周期を変更することにより行われる。
【0044】
また、駆動装置6が足裏押し当て部4を脚の長さ方向に往復移動させる際には、脚載置部2において掴み具7により被施療者の膝から足先側の部分を掴んだ状態で行っている。つまり、図4に示すように、脚載置部2は被施療者の膝から足先側の部分を掴む掴み具7を有している。また、この掴み具7は、被施療者の足首から足先側の部分を掴む位置に設けられているのが好ましい。従って、掴み具7は第2脚保持部材18に設けられているのが好ましい。なお、掴み具7は、脚を固定させるために専用の治具を取り付けてもよいが、掴み具7を被施療者の脚を押圧してマッサージする脚施療具8とすることができる。つまり、脚施療具8は図4に示すように足を左右両側から挟むよう配置されており、具体的に説明すると、第2脚保持部材18の脚施療具8は、被施療者の足に押圧マッサージを施すマッサージ用のエアセル43,44によって構成されており、エアセル43,44にエアを供給することで左右両側のエアセル43,44が膨張して足を両側から挟むよう押圧することにより、足は足裏押し当て部4(第2脚保持部材18)に対して固定される。
【0045】
また、脚載置部2はその先端部の左右両側に車輪42,42を備えている。車輪42は脚載置部2が垂れ下がり状態のときに(鉛直下向き又は下向き傾斜しているときに)床面に転がり接触するように支持装置13の第3支持部材23の先端部に設けられている。これにより、脚載置部2が垂れ下がり状態のときに脚載置部2の先端部が床面に当たっても、実際には車輪42が床面を転動するため床面を傷付けることを防止できるとともに、脚載置部2の先端部は床面に沿って滑らかに移動することができる。
【0046】
図11はマッサージ機における制御ブロックを示しており、マッサージ機は、背もたれ部3のリクライニング駆動装置51、脚載置部2の上下回動駆動装置52、脚載置部2の伸縮駆動装置6、施療具駆動装置53の動作を制御する制御手段10を備えている。また、制御手段10にはこれら駆動装置を操作したり各種マッサージコースを選択するための操作器19と、後述する足裏検出センサ9とが接続されている。操作器19には、例えば脚載置部2を前方突出状態に上昇させる「フットレスト上げる」等のボタンや、「腰部マッサージコース」等の選択ボタンがある。制御手段10は例えばCPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を有して構成させることができる。
【0047】
また、この椅子型のマッサージ機に被施療者が座り、このようなマッサージ動作を開始する前に、制御手段10は、被施療者の足裏に足裏押し当て部4を自動的に接触させた状態とする位置調整機能を有している。具体的に説明すると、まず脚載置部2が垂れ下がり状態(降下状態)にあるマッサージ機に被施療者が座り、操作器19における操作を開始すると、脚載置部2が上昇しつつ又は上昇した状態で、制御手段10において足裏押し当て部4に被施療者の足裏が当接していないかの判定処理が行われる。これは、足裏押し当て部4の足裏押し当て面4aに、被施療者の足裏が当接しているか否かを検出する足裏検出センサ9が設けられており、これによる検出で行われる。そして、脚載置部2の上昇状態で足裏押し当て部4から足裏が離れている場合、伸縮駆動装置6により脚載置部2の収縮動作が行われる。つまり、伸縮駆動装置6の動作により足裏押し当て部4が座部1と離れた位置から接近する方向へ移動する。
そして、足裏押し当て部4に足裏が当接したことを足裏検出センサ9によって検出すると、制御手段10は伸縮駆動装置6の動作を停止させる。これにより、足裏押し当て部4の初期位置を設定させることができる。
【0048】
また、足裏押し当て部4に被施療者の足裏が当接していないかの前記判定処理において、足裏が当接していると判定された場合は、一旦足裏押し当て部4を座部1から離れる方向へ移動させ(伸張動作させ)、足裏押し当て部4を座部1と最も離れた位置とし、その位置から座部1に接近する方向へ移動させる。これにより最適な初期位置が得られる。
足裏検出センサ9は面状スイッチとして構成されており、足裏が足裏押し当て部4に当たるとスイッチがONとなり、足裏が離れるとスイッチがOFFとなるものである。
この足裏検出センサ9は、足裏のかかと付近(足裏の後側)が足裏押し当て部4に当接しているか否かを検出できるように配置されており、足裏検出センサ9は、第2脚保持部材18において足裏押し当て部4の底面部18a寄りの位置に配置されている。これにより、足裏のつま先側を検出する位置に配置されている場合に比べて、より確実に足裏が当接しているか否かを検出できる。
そして、前記腰部マッサージ動作をするために、脚載置部2が垂れ下がり状態から前方突出状態となった際に、被施療者が脚を伸ばした状態で足裏に足裏押し当て部4が当接するように、前記足裏検出センサ9により足裏押し当て部4の位置調整を行っている。
【0049】
さらに、椅子型のマッサージ機が被施療者に対してマッサージ動作を開始する前に、制御手段10は、背もたれ部3の施療具5により被施療者の肩位置を自動的に検索する指圧点検索機能を有している。これを具体的に説明すると、例えば、被施療者が背もたれ部2にもたれた状態で、背もたれ部2の施療具5を上下方向移動させる。このとき、施療具5が被施療者に接触していない場合、すなわち施療具5が肩より上方にある場合には施療具5には負荷がかかっていない(又は負荷が小さい)。一方、施療具5が肩位置より下方に移動して被施療者に接触した場合には施療具5に後方への大きな負荷がかかる。このように施療具5に作用する荷重の変化を検知することで、被施療者の肩の高さ位置を検知することができ(指圧点検索動作)、被施療者の身長差(座高差)によるマッサージ位置のずれを解消させることができる。
【0050】
次に、このマッサージ機によるマッサージ動作の具体的なフローについて説明する。まず、初期動作を図12により説明すると、マッサージ機に電源が入れられると(ステップS1)、操作器19(図1)における押しボタン等の操作によりマッサージのコースの選択が可能となる(ステップS2)。例えば腰部マッサージコースが選択されると、背もたれ部3が動作して鉛直面から後方へ30°傾斜した起立状態となり(リクライニング動作)、背もたれ部3において被施療者の身長に応じて施療具5の位置を調整する(指圧点検索動作)。さらに、脚載置部2が前方突出状態となり、被施療者の足裏に足裏押し当て部4を接触させた状態とする前記位置調整機能により、脚載置部2の長さが調整され(脚載置部長さ調節)、被施療者の膝が伸びた状態で被施療者の足裏が足裏押し当て部4に当接した状態となる(ステップS3)。そして、選択されたマッサージ動作が開始される。
【0051】
つまり、被施療者が、例えばステップS2において操作器19により「腰部マッサージコース」ボタンを押して腰部マッサージコースを選択していると、制御手段10の働きにより、腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作を開始させる前に、リクライニング駆動装置51が動作して背もたれ部3を自動的に起立状態とさせると共に、上下回動駆動装置52が動作して脚載置部2を自動的に前方突出状態にさせる。さらに、腰部マッサージコースが開始されると、背もたれ部3の施療具5が移動可能式の場合、施療具駆動装置53が自動的に動作して施療具5を腰に対応する位置に移動させる。つまり、このコースが選択され、開始されると、背もたれ部3と脚載置部2と施療具5を夫々個別に操作することなく自動的にこれらが最適姿勢である所定の状態となる。
【0052】
腰部マッサージコースは、足裏押し当て部4を伸縮駆動装置6により前後移動させずに被施療者の足裏を足裏押し当て部4に当接させ脚を突っ張ることにより、腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作と、被施療者の足裏を足裏押し当て部4に当接させ、伸縮駆動装置6による脚載置部2の伸縮動作を伴わせて、被施療者を足裏から背もたれ部3側へ押して背もたれ部3の施療具5により腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作があり、被施療者が操作器19により選択できる。
そして、図13が脚載置部2の伸縮動作を伴わせて腰をマッサージする腰部マッサージコースを説明する図であり、このコースが選択されて動作が開始されると施療具5が腰に対応する部位へ自動的に移動する(ステップS11)。そして、被施療者が膝を伸ばした状態で足裏が足裏押し当て部4に当接している初期位置から、駆動装置6により足裏押し当て部4を座部1に接近する方向へ移動させて脚載置部2を収縮させ(ステップS12)、施療具5により揉み・叩き・指圧・振動等の動作を行い(ステップS13)、駆動装置6により足裏押し当て部4を座部1から離れる方向へ移動させて脚載置部2を伸張させる(ステップS14)。なお、ステップS13における施療具5の動作は、ステップS12とステップS14と同時に(連続して)行わせるようしてもよい。つまり、脚載置部2が伸縮動作しながら施療具5が動作する。また、ステップS12〜ステップS14を、予め設定した所定回数だけ繰り返し行わせ(ステップS15)、コース終了としてもよい。また、ステップS15が終了してから、背中等の腰以外の他の部位のマッサージを行ってもよい(ステップS16、ステップS17)。さらに他の部位のマッサージ(ステップS17)の後に再び腰部マッサージコースを行ってもよく、施療具5が背中等腰以外の他の部位に移動している場合、自動的に施療具5は腰に対応する位置に移動する(ステップS11)。
【0053】
また、図14は他の腰部マッサージコースを説明する図であり、図13とステップS13が異なる。具体的には、図13におけるステップS13は、施療具5の施療子(揉み玉)5aが2次元的又は3次元的に動作して局部的にマッサージを行うのに対して、図14におけるステップS13aは、施療具5全体が前後移動して腰全体に対して強弱を与えてマッサージを行うものである。つまり、施療具5は全体として背もたれ部3の内部に設けたレール(図示せず)に沿って移動自在とされており、このステップS13aでは、施療子5aと施療子5aを保持しているベース部材とを含む施療具5全体を前記レールに対して前後移動させることで、背部や腰部を刺激するものである。これによれば、ゆっくりと施療具5を前後させることでソフトでやさしいマッサージを行うことができる。また、図示しないが、さらに他の腰部マッサージコースとして、施療具5全体を前後移動させつつ、施療具5の施療子5aを2次元又は3次元的に動作させるようしてもよい。また、図13と図14のコースにおいて、コースが開始されると、前記掴み具7が被施療者の脚をつかんで脚を保持するようしてもよい。
【0054】
そして、図13と図14における腰部マッサージコースにおいて、制御手段10は、伸縮駆動装置6による足裏押し当て部4の往復動作と、背もたれ部3の施療具5による電動マッサージ動作とを連動させている。つまり、被施療者の足裏を脚載置部2の足裏押し当て部4に当接させて足裏押し当て部4を前後移動させることにより膝を屈伸動作させながら、腰に対応させた位置とした背もたれ部3の施療具5が、揉み・叩き・指圧・振動などの電動マッサージを被施療者に施している。
【0055】
さらに、この腰部マッサージ動作は、単独の腰部マッサージコースとして制御手段10にプログラムを記憶させておいてもよいが、全身マッサージコースの一部に組み込まれるよう制御手段10により制御させてもよい。そして、全身マッサージコース中において、腰部マッサージのステップが開始される際に、背もたれ部3と脚載置部2と施療具5とを前記所定の状態(姿勢)となるようにしてもよい。
【0056】
次に、図15はこのマッサージ機による別のマッサージ動作を説明する図であり、これは、脚載置部2が伸縮駆動装置6により伸縮自在とされていることにより行われるマッサージ動作であり、まず、前記掴み具7により被施療者の脚を掴む(ステップS21)。この際、第2脚保持部材18に設けた脚施療具8であるエアセル43,44(図4参照)により足首から下の部分を掴むのが好ましい。そして、足裏押し当て部4が前記初期位置から座部1へ接近する方向へ移動して脚載置部2を収縮させる(ステップS22)。その後、足裏押し当て部4が座部2から離れる方向へ元の初期位置に移動し脚載置部2を伸張させる(ステップS23)。これにより、被施療者に対して膝の屈伸運動を行わせることができる。そして、このステップS22とステップS23とを、予め設定した所定回数だけ繰り返すことができる(ステップS24)。
【0057】
さらに、図16はこのマッサージ機によるさらに別のマッサージ動作を説明する図であり、これは、脚載置部2が伸縮駆動装置6により伸縮自在とされていることにより行われるマッサージ動作であり、まず、前記掴み具7により被施療者の脚を掴む(ステップS31)。この際、第2脚保持部材18に設けた脚施療具8であるエアセル43,44(図4参照)により足首から下の部分を掴むのが好ましい。そして、足裏押し当て部4が前記初期位置から座部1から離れる方向へ移動して脚載置部2を伸張させる(ステップS32)。その後、足裏押し当て部4が座部1へ接近する方向へ元の初期位置に移動し脚載置部2を収縮させる(ステップS33)。これにより、被施療者に対して脚の伸張運動を行わせることができる。そして、このステップS32とステップS33とを、予め設定した所定回数だけ繰り返すことができる(ステップS34)。
【0058】
なお、図15と図16における脚部のマッサージコースにおいて、背もたれ部2の施療具5を動作させることなく、脚部を重点としたマッサージを行っている。または、施療具5も同時に動作させて脚部と腰部のマッサージを同時に行っても良い。
【0059】
また、伸縮駆動装置6により被施療者の膝を屈伸動作させるよう足裏押し当て部4を脚の長さ方向に往復動作させて行うマッサージの際に、図17に示すように、左右の脚を交互に屈伸させるようしてもよい。つまり、足裏押し当て部4は左右2分割とされており、この左右夫々の足裏押し当て部4,4は前記伸縮駆動装置6により独立して動作可能とされている。具体的に説明すると、第1脚保持部材17及び第2脚保持部材18を左右2分割とさせ、左右の足裏押し当て部4,4を交互に前後させるようしてもよい。この場合は、支持装置13、往復駆動装置6、リンク機構20を左右夫々に設けることにより行われる。図17では、右側の足裏押し当て部4が座部1から離れている状態となって、右脚が伸びた状態にあり、左側の足裏押し当て部4が座部1に接近している状態となって、左脚が屈曲した状態にある。これにより、左右交互に腰に背もたれ部3の施療具5を強く押し付けることができ、さらに、左右交互に膝の屈伸動作がされるため腰にねじり運動を含ませたマッサージを施すことができる。
【0060】
さらに、本発明のマッサージ機は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良く、脚載置部2の支持装置13は、複数の支持部材からなるものに限定されず、1つの支持部材が座部1に対して接近離間移動するものであってもよい。また、足裏検出センサ9は実施形態において例示したものに限らず他の方式によるセンサであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明のマッサージ機の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】脚載置部が垂れ下がり状態にあるマッサージ機の側面図である。
【図3】脚載置部が前方突出状態とされたマッサージ機の側面図である。
【図4】水平の前方突出状態とされた状態の脚載置部の平面図である。
【図5】腰部マッサージ動作を説明する側面図である。
【図6】被施療者の膝を屈曲状態とさせたマッサージ機の側面図である。
【図7】短縮された状態の支持装置の前方斜視図である。
【図8】短縮された状態の支持装置の後方斜視図である。
【図9】伸張された状態の支持装置の前方斜視図である。
【図10】伸張された状態の支持装置の後方斜視図である。
【図11】マッサージ機における制御ブロックを示す図である。
【図12】マッサージ機の初期動作を説明するフローチャートである。
【図13】腰部マッサージコースを説明するフローチャートである。
【図14】他の腰部マッサージコースを説明するフローチャートである。
【図15】別のマッサージコースを説明するフローチャートである。
【図16】さらに別のマッサージコースを説明するフローチャートである。
【図17】2分割された左右の脚載置部を交互に動作させている状態にあるマッサージ機の側面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 座部
2 脚載置部
3 背もたれ部
4 足裏押し当て部
5 施療具
6 駆動装置(伸縮駆動装置)
7 掴み具
8 脚施療具
9 足裏検出センサ
10 制御手段
F 仮想水平面
【技術分野】
【0001】
この発明は、マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
椅子型のマッサージ機において、被施療者が座る座部と、座部の後側に設けられていると共にマッサージ効果を与える施療具を有する背もたれ部と、座部の前側に設けられている脚載置部とを備えたものが知られている。
そして、脚載置部が被施療者の脚の長さ方向に移動可能とされているものが、例えば特許文献1、特許文献2にある。
特許文献1に記載されているマッサージ機は、脚載置部を前後にスライド移動させ、身長差による施療部位のずれを解消できるよう構成されている。また、特許文献2に記載されているマッサージ機は、脚載置部に設けられたエアにより膨張する袋体が、被施療者の大腿部乃至ふくらはぎ部を挟み、脚載置部が前方へ移動して脚を伸長させることができる。また、特許文献3に示すように、被施療者の膝よりも下の脚部を固定してアキレス腱が延びる方向に足裏を押さえる運動器具がある。
【0003】
【特許文献1】特開平11−290409号公報
【特許文献2】特開平8−322895号公報
【特許文献3】特開2004−89672号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、特許文献2のような従来知られている椅子型のマッサージ機は、背もたれ部を起立状態とした状態で、背もたれ部の施療具により被施療者の上半身に対してマッサージ効果を与える場合、腰部に対する効果は腰部より上の背中部に対する効果に比べて弱くなるという問題点を有している。これは人が背もたれ部のある椅子に座った姿勢では、上半身の体重が背中部において背もたれ部に作用するため、施療具が背中部を強く押圧できるが、腰部は背もたれ部に対して体重をかけてもたれる状態にはならないため、起立状態の背もたれ部の施療具は腰部に対して強く押圧することができないからである。
【0005】
また、特許文献1と特許文献2に記載されているマッサージ機は、被施療者の脚をその長手方向に移動可能とされているが、この移動により被施療者を背もたれ部側の後方へ押して上半身の(特に腰への)マッサージ効果を高めるものではない。
特許文献3の運動器具は、被施療者のふくらはぎを固定して膝から下部分のみの伸張運動を行わせるものである。つまり、従来のマッサージ機や運動器具の脚載置部は、脚部に対して単独のマッサージ効果を与えるためだけのものであり、脚載置部を背もたれ部の施療具と関連させてマッサージ効果を高めるものではない。
そこでこの発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、腰部に対して効果的なマッサージを行うことができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するためのこの発明のマッサージ機は、座部と、この座部の後側に設けられていると共にマッサージ効果を与える施療具を有する背もたれ部と、前記座部の前側に設けられていると共に当該座部の前部側を中心とした上下回動動作をして前方突出状態と垂れ下がり状態とに変化可能とされた脚載置部とを備えたマッサージ機であって、前記脚載置部は、当該脚載置部が前方突出状態で被施療者の足裏に当接し当該被施療者を足裏から後方の前記背もたれ部側へ押すための足裏押し当て部を有していることを特徴としている。
このような構成のマッサージ機によれば、脚載置部の足裏押し当て部に被施療者が足裏を当接させて脚を突っ張ることにより、背もたれ部の施療具に上半身を押し付けることができ、この施療具により効果的なマッサージが行える。被施療者の意思により脚の突っ張り力を調整することで、施療具への押し付け力の強弱を調整することができ、所望のマッサージが行える。
【0007】
また、前記施療具は、起立状態にある前記背もたれ部において前記被施療者の腰に対応する位置に配置又は腰に対応する位置に移動可能とされているのが好ましい。従来のマッサージ機では、背もたれ部を起立状態とした状態で、背もたれ部の施療具により被施療者の上半身に対してマッサージ効果を与える場合、腰部に対する効果は背中部に対する効果に比べて弱くなるという問題点を有しているが、この構成によれば、これを解決できる。即ち、脚載置部の足裏押し当て部に被施療者が足裏を当接させて脚を突っ張ることにより、背もたれ部のうち腰に対応する位置に配置させた施療具に腰を押し付けることができ、従来では困難であった腰に対する強いマッサージが可能となる。
【0008】
または、前記被施療者の足裏を前記足裏押し当て部に当接させ前記背もたれ部の前記施療具により腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作を開始させる際に、前記施療具を腰に対応する位置に移動させる制御手段を有しているのが好ましい。これにより、腰部マッサージコースが選択された場合、又は、他の部位のマッサージコースから続いて腰部マッサージースが開始されると、自動的に腰に対応する位置に施療具を移動させることができる。従って、(前記のとおり)従来では困難であった腰に対する強いマッサージが可能となる。
さらに、被施療者は複雑な操作を行うことなく、背もたれ部の施療具により簡単に腰部へのマッサージ動作を開始することができる。つまり、運転を操作する押しボタン等を有する操作器の操作により、上下移動可能とされた施療具を降下させて腰部に対応する位置に調整してから、マッサージ開始動作を始めさせるといった複雑な操作は不要となる。
【0009】
また、この場合において、腰に対応する位置に配置させ又は腰に対応する位置に移動させた前記施療具と前記足裏押し当て部とは、同一の仮想水平面と交わる高さ位置とされているのが好ましい。これにより、施療具による腰へのマッサージ効果をより一層高めることができる。また、下半身が水平状となるため、脚には被施療者の体重が作用しないため、無駄な力を必要とせずに脚を突っ張ることができ、施療具によるマッサージが行える。
【0010】
また、前記脚載置部が前方突出状態で、被施療者の足裏が前記足裏押し当て部に当接している初期位置から、前記足裏押し当て部を前記座部に接近する方向へ移動させかつ当該座部から離れる方向へ移動させる駆動装置を備えているのが好ましい。
この構成によれば、足裏押し当て部を初期位置から座部に接近する方向(後方)へ移動させると、上半身を背もたれ部の施療具に押し付けることができ、また、足裏押し当て部を座部から離れる方向(前方)へ移動させると、上半身の施療具への押し付けを緩めることができ、強弱のあるマッサージが可能となる。また、この強弱は施療具が前後方向に移動していなくても変化させることができる。
【0011】
または、前記脚載置部が前方突出状態で、前記足裏押し当て部に前記被施療者の足裏を当接させて当該被施療者に膝の屈伸運動をさせるよう当該足裏押し当て部を脚の長さ方向に往復動作させる駆動装置を備えているのが好ましい。
この構成によれば、足裏押し当て部を座部に接近する方向(後方)へ移動させると、脚の屈曲動作と共に上半身を背もたれ部の施療具に押し付けることができ、また、足裏押し当て部を座部から離れる方向(前方)へ移動させると、脚が伸張動作して上半身の施療具への押し付けを緩めることができ、強弱のあるマッサージが可能となる。また、この強弱は施療具が前後方向に移動していなくても変化させることができる。さらに、自動的に脚を屈伸させることができ、脚の伸張・屈伸運動が行える。
【0012】
また、この場合において、前記駆動装置は、前記足裏押し当て部の脚の長さ方向の移動ストロークを変更可能としているのが好ましく、これにより身長の差による屈伸量の差を調整することができる。また、屈伸運動量の調整ができ、膝への負担を抑えることができる。
【0013】
また、前記脚載置部は前記被施療者の膝から足先側の部分を掴む掴み具を有し、この掴み具が前記被施療者の膝から足先側の部分を掴んだ状態で、前記駆動装置は前記足裏押し当て部を脚の長さ方向に往復移動させるのが好ましい。この構成によれば、足裏押し当て部が座部から離れる方向(前方)へ移動した場合に、被施療者が自力で脚を伸ばす動作をすることなく、屈曲した状態の脚を伸張させることができる。また、足裏押し当て部が前方へ移動することで脚のストレット運動によるマッサージを行わせる。
【0014】
さらには、前記掴み具が、前記被施療者の足首から足先側の部分を掴む位置に設けられているのが好ましく、これにより、足首から下の部分を脚載置部に固定することができ、膝の屈伸動作を容易にさせる。
【0015】
また、前記掴み具は、前記被施療者の脚を押圧してマッサージする脚施療具とされているのが好ましい。これによれば、脚施療具を掴み具として利用することで、別途掴み具を設ける必要がない。従って、部品点数を減少させ構成を簡素化させる。
【0016】
また、前記駆動装置による前記足裏押し当て部の往復動作と前記背もたれ部の前記施療具によるマッサージ動作とを連動させる制御手段を有しているのが好ましい。この構成によれば、背もたれ部の施療具によるマッサージの強弱に幅を持たせることができる。施療具による微弱な押圧から強い押圧までを連続的に変化させることができる。
【0017】
また、前記足裏押し当て部は前記被施療者の足裏が当接しているか否かを検出する足裏検出センサを有し、前記駆動装置の動作により前記足裏押し当て部が前記座部と離れた位置から接近する方向へ移動し、当該足裏押し当て部に足裏が当接したことを前記足裏検出センサによって検出すると、前記駆動装置の動作を停止させて前記足裏押し当て部の位置を設定させる制御手段を有しているのが好ましい。
この構成によれば、足裏押し当て部が被施療者の足裏に当接するまで足裏押し当て部が移動するため、足裏押し当て部の位置調整を簡単かつ適切に行える。また、このマッサージ機に被施療者が座ってからこの制御手段による動作を行わせることにより、足裏押し当て部の初期位置を自動的に設定することができる。
【0018】
また、前記足裏押し当て部は左右2分割とされており、この左右夫々の足裏押し当て部は前記駆動装置により独立して動作可能とされているのが好ましい。この構成によれば、背もたれ部の施療具に腰や背中を左右交互に強く押し付けることができる。
【0019】
また、前記背もたれ部は起立状態と後方倒れ状態とに変化可能とされ、前記被施療者の足裏を前記足裏押し当て部に当接させ前記背もたれ部の前記施療具により腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作を開始させる際に、前記背もたれ部を起立状態とさせると共に前記脚載置部を前方突出状態に自動的にさせる制御手段を有しているのが好ましい。
この構成によれば、被施療者は複雑な操作を行うことなく、背もたれ部の施療具により簡単にマッサージ動作を開始することができる。つまり、運転を操作する押しボタン等を有する操作器の操作により、上下回動可能とされた脚載置部を上昇させて前方突出状とさせ、そして、リクライニング可能な背もたれ部を起立状態とさせ、そしてマッサージ開始動作を始めさせるといった複雑な操作は不要となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のマッサージ機によれば、背もたれ部の施療具に上半身を強く押し付けることができるため、効果的なマッサージが可能となる。特に、起立状態とさせた背もたれ部の施療具により腰部に対して良好なマッサージを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の実施の一形態に係るマッサージ機を示す斜視図であり、図2と図3はその側面図である。このマッサージ機は椅子型であり、被施療者が座る座部1を備え、座部1の下方にはマッサージ機全体を支持する支持脚11を備えている。また、座部1の左右両側には肘掛け部12が設けられている。
【0022】
座部1の後側には背もたれ部3が設けられており、背もたれ部3は被施療者の上半身にマッサージ効果を与える施療具5を有している。背もたれ部3は、座部1の後部側を中心として上下回動するリクライニング機能を有しており、図2の実線により示す後方に(鉛直面との成す角度が小さく)傾斜した起立状態から、二点鎖線により示すほぼ水平状の後方倒れ状態とに無段階で変化可能とされている。さらには、任意の位置(角度)で停止できる。背もたれ部3のリクライニングは、図示しない電動モータ等を有するリクライニング駆動装置によって自動的に行われる。なお、この駆動装置は流体シリンダ又はエアの給排により膨張・収縮するエアセル等によって構成することもできる。
【0023】
また、座部1の前側には脚載置部(フットレスト)2が設けられており、脚載置部2は、座部1の前部側を中心とした上下回動動作をして図3の上昇した前方突出状態と図2の降下した垂れ下がり状態とに変化可能とされている。さらには、任意の位置(角度)で停止できる。この脚載置部2は、座部1の前側に取り付けられた支持装置13と、この支持装置13に支持されている脚載置本体14とによって構成されている。
【0024】
脚載置部2の支持装置13の上端部が座部1の前部と連結されており、脚載置部2は水平方向の軸心回りに上下方向回動自在とされている。脚載置部2の座部1に対する位置(角度)は任意に変更可能とされている。脚載置部2の上下回動は、脚載置部2の背後(後方)に、より具体的には支持装置13の背後に配置させた上下回動駆動装置としての駆動用エアセル15にエアを給排して膨脹・収縮させることによって行われる。つまり、エアセル15が膨脹すると図3に示すように脚載置部2が上昇し、エアセル15が収縮すると脚載置部2が降下する。なお、上下回動駆動装置はこれ以外に流体シリンダ又は電動モータ等によって構成することもできる。
【0025】
背もたれ部3には施療具(マッサージ部)5が設けられている。背もたれ部3の施療具5はモータ駆動の複数の施療子(揉み玉)5aを備えたものであり、叩き・揉み・振動などのマッサージを被施療者に施すことができる。この施療具5は背もたれ部3の左右方向中央部に設けられており、背もたれ部3の左右側部には、エアの給排によって膨脹・収縮し被施療者に押圧マッサージを施すマッサージ用のエアセルによって構成された施療具を有している。
座部1の上面にも施療具16が設けられている。座部1の施療具16はエアの給排によって膨脹・収縮し、被施療者に押圧マッサージを施すマッサージ用のエアセルによって構成されている。エアセルは、被施療者の臀部及び大腿に押圧マッサージを施すように配置されている。
【0026】
脚載置部2の脚載置本体14は、被施療者の脚(ここでは「脚」には足首より先の「足」を含む)が載せられる複数(図示のものでは2つ)の脚保持部材17,18を、脚の長さ方向に並べて構成されている。なお、以下では、座部1に近い方を第1脚保持部材17とし、座部3から遠い方を第2脚保持部材18という。
図4は脚載置部2が水平となるまで前方突出状に上昇した状態にある脚載置本体14の平面図であり、第1脚保持部材17は被施療者の脚のふくらはぎ付近が載せられるものであり、ふくらはぎ付近が載せられる底面部17aと、底面部17aの左右両側から立設された側面部17b,17bとを備えている。すなわち、第1脚保持部材17は断面U字状に形成されており、左右側面部17b,17bの間に両脚を入れることができるようになっている。
【0027】
第2脚保持部材18は被施療者の足が載せられるものであり、かかと(及び足首)付近が載せられる底面部18aと、底面部18aの左右両側から立設された側面部18b,18bと、底面部18aの先端側から直角に設けられた足裏押し当て部4とを備えている。そして、左右側面部18b,18bの間に両足を入れることができるようになっており、足を入れた状態で被施療者の足裏が足裏押し当て部4の足裏押し当て面4aに当接可能となる。
【0028】
足裏押し当て部4は、図3に示すように脚載置部2が前方突出状態で、足裏押し当て部4の先端が上部で後端が下部の鉛直状(鉛直面との成す角度が45°より小さい状態、好ましくは鉛直面との成す角度が30°より小さいほぼ鉛直状)の足裏押し当て面4aを構成し、図2に示すように脚載置部2が垂れ下がり状態で、先端と後端とがほぼ同一高さの水平状(水平面との成す角度が20°より小さいほぼ水平状)の足裏押し当て面4aを構成する。なお、本発明において前方向はこの椅子型マッサージ機に被施療者が座った状態で被施療者の前方側であり、後方向はその反対の方向である。
【0029】
脚載置部2には図4に示すように足施療具8が設けられており、脚載置部2の足施療具8はエアの給排によって膨脹・収縮し、被施療者の脚に押圧マッサージを施すマッサージ用のエアセルによって構成されている。エアセルは、第1脚保持部材17の底面部17aに左右2ヵ所及び両側面部17b,17b、並びに第2脚保持部材18の底面部18aの左右部に夫々2ヵ所の計4ヵ所、両側面部18b,18b及び足裏押し当て面4aに配置されており、足の側面や足裏を押圧マッサージできるようになっている。
【0030】
そして図5に示すように、脚載置部2の足裏押し当て部4は、脚載置部2が前方突出状態で被施療者の足裏に当接して被施療者を足裏から後方の背もたれ部3側へ押すことができる。つまり、足裏押し当て部4に被施療者が足裏を当接させて脚を突っ張ることにより、背もたれ部3の施療具5に上半身を押し付けることができ、この施療具5により効果的なマッサージが行える。そして、施療具5は、起立状態にある背もたれ部3において、被施療者の腰に対応する位置に予め配置されている場合と、腰に対応する位置に移動可能とされている場合とがある。
【0031】
この施療具5は、モータ駆動により叩き・揉み・振動などのマッサージを被施療者に施すことができる施療子5aを有しているが、施療具5は背もたれ部3において長手方向(背もたれ部3が起立状態で上下方向、背もたれ部3が倒れた状態で前後方向)に自動的に又は位置選択により移動可能とされている。そして、被施療者の足裏を足裏押し当て部4に当接させた状態で、この足裏押し当て部4を用いて施療具5により腰部のマッサージを行う際は、後述する制御手段10と施療具5を移動させる駆動装置(図示せず)とにより施療具5を被施療者の腰に対応する位置に移動させる。
または、施療具5はこのように可動式とする以外に固定式とされていてもよく、腰に対応する位置に常に施療具5が存在してもよい。また、この固定式の場合、腰以外に対応する位置に固定式の施療具が存在してもよい。
【0032】
また図5に示すように、腰部のマッサージを行う際に、脚載置部2が前方突出状態とされ、かつ、背もたれ部3を起立させた状態において、腰に対応する位置に配置させ又は腰に対応する位置に移動させた施療具5と、足裏押し当て部4とは、同一の仮想水平面Fと交わる高さ位置に配置されているのが好ましい。つまり、施療具5と足裏押し当て部4とは略同じ高さ位置となるのが好ましい。なお、仮想水平面Fと交わる高さ位置とは、言い換えると足裏押し当て部4の高さ方向の範囲m内、及び、施療具5の高さ方向範囲n内に、任意に設定された同一の仮想水平面Fが存在することをいう。
【0033】
脚載置本体14を支持する支持装置13は、被施療者の脚の長さ方向に伸縮自在に構成されている。すなわち、支持装置13は座部1の前端に上下回動自在に取り付けられた第1支持部材21と、この第1支持部材21に対して被施療者の脚の長さ方向に移動可能とされている2つの第2支持部材22と第3支持部材23とを備えており、第2支持部材22と第3支持部材23とを第1支持部材21に対して移動させることで支持装置13は伸縮され、その長さを変えることができる。これにより、支持装置13は図2のように収縮した状態から図3のように伸長することができる。
【0034】
第1支持部材21、第2支持部材22、第3支持部材23は支持装置13が有するリンク機構20(図7と図9参照)によって連結されており、支持装置13が有する伸縮駆動装置6(図8と図10参照)と前記リンク機構20により、第2支持部材22と第3支持部材23とは第1支持部材21に対して互いに連動してスライド移動し、かつ任意の位置で位置決めされるように構成されている。伸縮駆動装置6が有する電動モータとネジ送り機構等の構成によって支持装置13は伸縮され、これにより、支持装置13に取り付けられた脚載置本体14が被施療者の脚の長さ方向に沿って伸縮動作する。つまり、第2脚保持部材18の足裏押し当て部4は座部1に接近・離間するよう直線的に移動することとなる。
【0035】
脚載置部2の支持装置13についてさらに説明すると、図7〜図10は支持装置13の構成を示す斜視図であり、図7及び図8は最も短縮された状態の支持装置13を斜め前方及び斜め後方から見た図であり、図9及び図10は最も伸長された状態の支持装置13を斜め前方及び斜め後方から見た図である。
【0036】
第1支持部材21は、2つの平行な縦長の管部材24,24と、2本の管部材24,24の上端部分を互いに連結させた連結部材25と、強度確保のために2つの管部材24,24の中間部分の間を渡すように設けられている棒状の補強部材26を有している。連結部材25はその中間部分の一面側にリンク機構20の一端の節部が枢着されている。リンク機構20は、8本のリンクバーを用いて4節リンクを3つ連続させた構成とされている。
更に、夫々の管部材24の上部左右外側には枢軸27が左右横方向へ延びている。この枢軸27の軸心を中心として第1支持部材21は座部1に対して上下方向に回動することが可能となっている。
【0037】
第2支持部材22は、2つの平行な縦長のスライド棒28,28と、両スライド棒28,28の下端を連結する横長の連結棒29とを有している。スライド棒28は管部材24にスライド自在に挿入されており、2つのスライド棒28,28が一体的に管部材24,24に進入及び突出することが可能となっている。また、連結棒29の中央には縦長のナット部材30の下端が取り付けられている。ナット部材30にはねじ棒31が螺合しており、ナット部材30の上端からねじ棒31の上部が突出している。
ねじ棒31は、第1支持部材21の連結部材25の中間部分の他面側にその軸心を中心として回転可能に枢着されている。また、連結部材25においてねじ棒31の側方にモータ32が取り付けられており、モータ32とねじ棒31とがベルト及びプーリによって構成された回転伝達機構33にて連結されている。これにより、モータ32の出力軸の正逆回転運動がねじ棒31に伝達され、ねじ棒31をナット部材30に進入及び退出させることが可能である。これにより、第2支持部材22は第1支持部材21に対して進退する。伸縮駆動装置6は、ナット部材30とねじ棒31とモータ32と回転伝達機構33とを備えている。
【0038】
また、ナット部材30はその外観が棒状となっており、その長手方向中央部分において、リンク機構20が有する中間の2つのリンクバーが交差した節部が枢軸によって枢着されている。これにより、モータ32を駆動させることによって第2支持部材22が前進又は後退し、これに伴ってリンク機構20が伸長又は短縮することとなる。
【0039】
また、第1支持部材21の夫々の管部材24の対向面の下端から中央部分にかけて、上下に長い切り欠き部34が設けられている。第2支持部材22のスライド棒28の夫々の長手方向中央部分からは連結板35が内側へ延設されており、この連結板35にスライド棒28と平行な丸孔を有するガイド36が設けられている。このガイド36に脚載置本体14の第1脚保持部材17(図4参照)が取り付けられている。連結板35は切り欠き部34を貫通して管部材24の内側へ突出可能とされており、これによってガイド36が固定された連結板35と管部材24とが干渉することなく、第2支持部材22のスライド棒28を第1支持部材21の管部材24に進入させることが可能であり、またスライド棒28を管部材24から退出させることが可能となっている。
【0040】
第3支持部材23は、2つのスライド棒37,37と、これに固定された2つの取付部材38,38と、スライド棒37の下部に固定された支持枠39とを有している。スライド棒37は、ガイド36に設けられた丸孔よりも直径が小さい丸棒状をなしており、ガイド36の丸孔に挿通されている。スライド棒37の下端は横長の連結部材40によって連結されている。取付部材38は前方へ向かった平面部分を有しており、この平面部分に脚載置本体14の第2脚保持部材18(図4参照)が取り付けられている。また、第3支持部材23の取付部材38の下端外側には車輪42が枢着されている。
【0041】
取付部材38の上部は横長の連結板41によって連結されており、この連結板41にはリンク機構20の下端の節部が枢軸によって枢着されている。従って、伸縮駆動装置6(モータ32)の駆動によって第2支持部材22が第1支持部材21に対してその長手方向へ移動し、リンク機構20が伸長又は短縮した際に、リンク機構20の作用により第3支持部材23は、スライド棒37がガイド36によりガイドされて第2支持部材22に対してその長手方向へ移動する。これにより支持装置13は全体として伸長又は短縮することとなる。つまり、第3支持部材23に取り付けた第2脚保持部材18の足裏押し当て部4が座部1に接近する方向、離間する方向へ移動可能とされている。
【0042】
次に、このマッサージ機の具体的な動作のうち、主に被施療者の腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作について説明する。
図5に示すように、脚載置部2を前方突出状態とし、足裏押し当て部4に被施療者の足裏を当接させて被施療者が脚を突っ張ることにより、足裏押し当て部4が被施療者を足裏から後方の背もたれ部3側へ押すことにより、背もたれ部3の施療具5が上半身のマッサージを行わせることができる。なお、この際、背もたれ部3は起立状態にある。
または、図5と図6に示すように、脚載置部2を前方突出状態とし、背もたれ部3の施療具5による被施療者のマッサージ作業中に、足裏押し当て部4に被施療者の足裏を当接させて前記伸縮駆動装置6の働きにより被施療者に膝の屈伸運動をさせるよう足裏押し当て部4を脚の長さ方向に往復動作させている。そして、この足裏押し当て部4が被施療者を足裏から後方の背もたれ部3側へ押すことにより背もたれ部3の施療具5により上半身のマッサージが行われる。
つまり、伸縮駆動装置6が伸張動作して図5に示すように、足裏押し当て部4を前方(座部1から離れる方向)へ移動させて被施療者の脚を伸張状態とさせ、伸縮駆動装置6が短縮動作して図6に示すように、足裏押し当て部4を後方(座部1に接近する方向)へ移動させて脚を屈曲状態とさせ、この動作を連続的に行わせている。
【0043】
この伸縮駆動装置6はマッサージ機が有する制御手段10と接続されており、操作器19(図1)の押しボタン等の操作により制御手段10が作用して伸縮駆動装置6の伸縮ストロークを変更させている。つまり、この駆動装置6は、足裏押し当て部4の脚の長さ方向の移動ストロークを変更可能とさせている。具体的には駆動装置6のモータ32の反転時期、反転周期を変更することにより行われる。
【0044】
また、駆動装置6が足裏押し当て部4を脚の長さ方向に往復移動させる際には、脚載置部2において掴み具7により被施療者の膝から足先側の部分を掴んだ状態で行っている。つまり、図4に示すように、脚載置部2は被施療者の膝から足先側の部分を掴む掴み具7を有している。また、この掴み具7は、被施療者の足首から足先側の部分を掴む位置に設けられているのが好ましい。従って、掴み具7は第2脚保持部材18に設けられているのが好ましい。なお、掴み具7は、脚を固定させるために専用の治具を取り付けてもよいが、掴み具7を被施療者の脚を押圧してマッサージする脚施療具8とすることができる。つまり、脚施療具8は図4に示すように足を左右両側から挟むよう配置されており、具体的に説明すると、第2脚保持部材18の脚施療具8は、被施療者の足に押圧マッサージを施すマッサージ用のエアセル43,44によって構成されており、エアセル43,44にエアを供給することで左右両側のエアセル43,44が膨張して足を両側から挟むよう押圧することにより、足は足裏押し当て部4(第2脚保持部材18)に対して固定される。
【0045】
また、脚載置部2はその先端部の左右両側に車輪42,42を備えている。車輪42は脚載置部2が垂れ下がり状態のときに(鉛直下向き又は下向き傾斜しているときに)床面に転がり接触するように支持装置13の第3支持部材23の先端部に設けられている。これにより、脚載置部2が垂れ下がり状態のときに脚載置部2の先端部が床面に当たっても、実際には車輪42が床面を転動するため床面を傷付けることを防止できるとともに、脚載置部2の先端部は床面に沿って滑らかに移動することができる。
【0046】
図11はマッサージ機における制御ブロックを示しており、マッサージ機は、背もたれ部3のリクライニング駆動装置51、脚載置部2の上下回動駆動装置52、脚載置部2の伸縮駆動装置6、施療具駆動装置53の動作を制御する制御手段10を備えている。また、制御手段10にはこれら駆動装置を操作したり各種マッサージコースを選択するための操作器19と、後述する足裏検出センサ9とが接続されている。操作器19には、例えば脚載置部2を前方突出状態に上昇させる「フットレスト上げる」等のボタンや、「腰部マッサージコース」等の選択ボタンがある。制御手段10は例えばCPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を有して構成させることができる。
【0047】
また、この椅子型のマッサージ機に被施療者が座り、このようなマッサージ動作を開始する前に、制御手段10は、被施療者の足裏に足裏押し当て部4を自動的に接触させた状態とする位置調整機能を有している。具体的に説明すると、まず脚載置部2が垂れ下がり状態(降下状態)にあるマッサージ機に被施療者が座り、操作器19における操作を開始すると、脚載置部2が上昇しつつ又は上昇した状態で、制御手段10において足裏押し当て部4に被施療者の足裏が当接していないかの判定処理が行われる。これは、足裏押し当て部4の足裏押し当て面4aに、被施療者の足裏が当接しているか否かを検出する足裏検出センサ9が設けられており、これによる検出で行われる。そして、脚載置部2の上昇状態で足裏押し当て部4から足裏が離れている場合、伸縮駆動装置6により脚載置部2の収縮動作が行われる。つまり、伸縮駆動装置6の動作により足裏押し当て部4が座部1と離れた位置から接近する方向へ移動する。
そして、足裏押し当て部4に足裏が当接したことを足裏検出センサ9によって検出すると、制御手段10は伸縮駆動装置6の動作を停止させる。これにより、足裏押し当て部4の初期位置を設定させることができる。
【0048】
また、足裏押し当て部4に被施療者の足裏が当接していないかの前記判定処理において、足裏が当接していると判定された場合は、一旦足裏押し当て部4を座部1から離れる方向へ移動させ(伸張動作させ)、足裏押し当て部4を座部1と最も離れた位置とし、その位置から座部1に接近する方向へ移動させる。これにより最適な初期位置が得られる。
足裏検出センサ9は面状スイッチとして構成されており、足裏が足裏押し当て部4に当たるとスイッチがONとなり、足裏が離れるとスイッチがOFFとなるものである。
この足裏検出センサ9は、足裏のかかと付近(足裏の後側)が足裏押し当て部4に当接しているか否かを検出できるように配置されており、足裏検出センサ9は、第2脚保持部材18において足裏押し当て部4の底面部18a寄りの位置に配置されている。これにより、足裏のつま先側を検出する位置に配置されている場合に比べて、より確実に足裏が当接しているか否かを検出できる。
そして、前記腰部マッサージ動作をするために、脚載置部2が垂れ下がり状態から前方突出状態となった際に、被施療者が脚を伸ばした状態で足裏に足裏押し当て部4が当接するように、前記足裏検出センサ9により足裏押し当て部4の位置調整を行っている。
【0049】
さらに、椅子型のマッサージ機が被施療者に対してマッサージ動作を開始する前に、制御手段10は、背もたれ部3の施療具5により被施療者の肩位置を自動的に検索する指圧点検索機能を有している。これを具体的に説明すると、例えば、被施療者が背もたれ部2にもたれた状態で、背もたれ部2の施療具5を上下方向移動させる。このとき、施療具5が被施療者に接触していない場合、すなわち施療具5が肩より上方にある場合には施療具5には負荷がかかっていない(又は負荷が小さい)。一方、施療具5が肩位置より下方に移動して被施療者に接触した場合には施療具5に後方への大きな負荷がかかる。このように施療具5に作用する荷重の変化を検知することで、被施療者の肩の高さ位置を検知することができ(指圧点検索動作)、被施療者の身長差(座高差)によるマッサージ位置のずれを解消させることができる。
【0050】
次に、このマッサージ機によるマッサージ動作の具体的なフローについて説明する。まず、初期動作を図12により説明すると、マッサージ機に電源が入れられると(ステップS1)、操作器19(図1)における押しボタン等の操作によりマッサージのコースの選択が可能となる(ステップS2)。例えば腰部マッサージコースが選択されると、背もたれ部3が動作して鉛直面から後方へ30°傾斜した起立状態となり(リクライニング動作)、背もたれ部3において被施療者の身長に応じて施療具5の位置を調整する(指圧点検索動作)。さらに、脚載置部2が前方突出状態となり、被施療者の足裏に足裏押し当て部4を接触させた状態とする前記位置調整機能により、脚載置部2の長さが調整され(脚載置部長さ調節)、被施療者の膝が伸びた状態で被施療者の足裏が足裏押し当て部4に当接した状態となる(ステップS3)。そして、選択されたマッサージ動作が開始される。
【0051】
つまり、被施療者が、例えばステップS2において操作器19により「腰部マッサージコース」ボタンを押して腰部マッサージコースを選択していると、制御手段10の働きにより、腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作を開始させる前に、リクライニング駆動装置51が動作して背もたれ部3を自動的に起立状態とさせると共に、上下回動駆動装置52が動作して脚載置部2を自動的に前方突出状態にさせる。さらに、腰部マッサージコースが開始されると、背もたれ部3の施療具5が移動可能式の場合、施療具駆動装置53が自動的に動作して施療具5を腰に対応する位置に移動させる。つまり、このコースが選択され、開始されると、背もたれ部3と脚載置部2と施療具5を夫々個別に操作することなく自動的にこれらが最適姿勢である所定の状態となる。
【0052】
腰部マッサージコースは、足裏押し当て部4を伸縮駆動装置6により前後移動させずに被施療者の足裏を足裏押し当て部4に当接させ脚を突っ張ることにより、腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作と、被施療者の足裏を足裏押し当て部4に当接させ、伸縮駆動装置6による脚載置部2の伸縮動作を伴わせて、被施療者を足裏から背もたれ部3側へ押して背もたれ部3の施療具5により腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作があり、被施療者が操作器19により選択できる。
そして、図13が脚載置部2の伸縮動作を伴わせて腰をマッサージする腰部マッサージコースを説明する図であり、このコースが選択されて動作が開始されると施療具5が腰に対応する部位へ自動的に移動する(ステップS11)。そして、被施療者が膝を伸ばした状態で足裏が足裏押し当て部4に当接している初期位置から、駆動装置6により足裏押し当て部4を座部1に接近する方向へ移動させて脚載置部2を収縮させ(ステップS12)、施療具5により揉み・叩き・指圧・振動等の動作を行い(ステップS13)、駆動装置6により足裏押し当て部4を座部1から離れる方向へ移動させて脚載置部2を伸張させる(ステップS14)。なお、ステップS13における施療具5の動作は、ステップS12とステップS14と同時に(連続して)行わせるようしてもよい。つまり、脚載置部2が伸縮動作しながら施療具5が動作する。また、ステップS12〜ステップS14を、予め設定した所定回数だけ繰り返し行わせ(ステップS15)、コース終了としてもよい。また、ステップS15が終了してから、背中等の腰以外の他の部位のマッサージを行ってもよい(ステップS16、ステップS17)。さらに他の部位のマッサージ(ステップS17)の後に再び腰部マッサージコースを行ってもよく、施療具5が背中等腰以外の他の部位に移動している場合、自動的に施療具5は腰に対応する位置に移動する(ステップS11)。
【0053】
また、図14は他の腰部マッサージコースを説明する図であり、図13とステップS13が異なる。具体的には、図13におけるステップS13は、施療具5の施療子(揉み玉)5aが2次元的又は3次元的に動作して局部的にマッサージを行うのに対して、図14におけるステップS13aは、施療具5全体が前後移動して腰全体に対して強弱を与えてマッサージを行うものである。つまり、施療具5は全体として背もたれ部3の内部に設けたレール(図示せず)に沿って移動自在とされており、このステップS13aでは、施療子5aと施療子5aを保持しているベース部材とを含む施療具5全体を前記レールに対して前後移動させることで、背部や腰部を刺激するものである。これによれば、ゆっくりと施療具5を前後させることでソフトでやさしいマッサージを行うことができる。また、図示しないが、さらに他の腰部マッサージコースとして、施療具5全体を前後移動させつつ、施療具5の施療子5aを2次元又は3次元的に動作させるようしてもよい。また、図13と図14のコースにおいて、コースが開始されると、前記掴み具7が被施療者の脚をつかんで脚を保持するようしてもよい。
【0054】
そして、図13と図14における腰部マッサージコースにおいて、制御手段10は、伸縮駆動装置6による足裏押し当て部4の往復動作と、背もたれ部3の施療具5による電動マッサージ動作とを連動させている。つまり、被施療者の足裏を脚載置部2の足裏押し当て部4に当接させて足裏押し当て部4を前後移動させることにより膝を屈伸動作させながら、腰に対応させた位置とした背もたれ部3の施療具5が、揉み・叩き・指圧・振動などの電動マッサージを被施療者に施している。
【0055】
さらに、この腰部マッサージ動作は、単独の腰部マッサージコースとして制御手段10にプログラムを記憶させておいてもよいが、全身マッサージコースの一部に組み込まれるよう制御手段10により制御させてもよい。そして、全身マッサージコース中において、腰部マッサージのステップが開始される際に、背もたれ部3と脚載置部2と施療具5とを前記所定の状態(姿勢)となるようにしてもよい。
【0056】
次に、図15はこのマッサージ機による別のマッサージ動作を説明する図であり、これは、脚載置部2が伸縮駆動装置6により伸縮自在とされていることにより行われるマッサージ動作であり、まず、前記掴み具7により被施療者の脚を掴む(ステップS21)。この際、第2脚保持部材18に設けた脚施療具8であるエアセル43,44(図4参照)により足首から下の部分を掴むのが好ましい。そして、足裏押し当て部4が前記初期位置から座部1へ接近する方向へ移動して脚載置部2を収縮させる(ステップS22)。その後、足裏押し当て部4が座部2から離れる方向へ元の初期位置に移動し脚載置部2を伸張させる(ステップS23)。これにより、被施療者に対して膝の屈伸運動を行わせることができる。そして、このステップS22とステップS23とを、予め設定した所定回数だけ繰り返すことができる(ステップS24)。
【0057】
さらに、図16はこのマッサージ機によるさらに別のマッサージ動作を説明する図であり、これは、脚載置部2が伸縮駆動装置6により伸縮自在とされていることにより行われるマッサージ動作であり、まず、前記掴み具7により被施療者の脚を掴む(ステップS31)。この際、第2脚保持部材18に設けた脚施療具8であるエアセル43,44(図4参照)により足首から下の部分を掴むのが好ましい。そして、足裏押し当て部4が前記初期位置から座部1から離れる方向へ移動して脚載置部2を伸張させる(ステップS32)。その後、足裏押し当て部4が座部1へ接近する方向へ元の初期位置に移動し脚載置部2を収縮させる(ステップS33)。これにより、被施療者に対して脚の伸張運動を行わせることができる。そして、このステップS32とステップS33とを、予め設定した所定回数だけ繰り返すことができる(ステップS34)。
【0058】
なお、図15と図16における脚部のマッサージコースにおいて、背もたれ部2の施療具5を動作させることなく、脚部を重点としたマッサージを行っている。または、施療具5も同時に動作させて脚部と腰部のマッサージを同時に行っても良い。
【0059】
また、伸縮駆動装置6により被施療者の膝を屈伸動作させるよう足裏押し当て部4を脚の長さ方向に往復動作させて行うマッサージの際に、図17に示すように、左右の脚を交互に屈伸させるようしてもよい。つまり、足裏押し当て部4は左右2分割とされており、この左右夫々の足裏押し当て部4,4は前記伸縮駆動装置6により独立して動作可能とされている。具体的に説明すると、第1脚保持部材17及び第2脚保持部材18を左右2分割とさせ、左右の足裏押し当て部4,4を交互に前後させるようしてもよい。この場合は、支持装置13、往復駆動装置6、リンク機構20を左右夫々に設けることにより行われる。図17では、右側の足裏押し当て部4が座部1から離れている状態となって、右脚が伸びた状態にあり、左側の足裏押し当て部4が座部1に接近している状態となって、左脚が屈曲した状態にある。これにより、左右交互に腰に背もたれ部3の施療具5を強く押し付けることができ、さらに、左右交互に膝の屈伸動作がされるため腰にねじり運動を含ませたマッサージを施すことができる。
【0060】
さらに、本発明のマッサージ機は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良く、脚載置部2の支持装置13は、複数の支持部材からなるものに限定されず、1つの支持部材が座部1に対して接近離間移動するものであってもよい。また、足裏検出センサ9は実施形態において例示したものに限らず他の方式によるセンサであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明のマッサージ機の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】脚載置部が垂れ下がり状態にあるマッサージ機の側面図である。
【図3】脚載置部が前方突出状態とされたマッサージ機の側面図である。
【図4】水平の前方突出状態とされた状態の脚載置部の平面図である。
【図5】腰部マッサージ動作を説明する側面図である。
【図6】被施療者の膝を屈曲状態とさせたマッサージ機の側面図である。
【図7】短縮された状態の支持装置の前方斜視図である。
【図8】短縮された状態の支持装置の後方斜視図である。
【図9】伸張された状態の支持装置の前方斜視図である。
【図10】伸張された状態の支持装置の後方斜視図である。
【図11】マッサージ機における制御ブロックを示す図である。
【図12】マッサージ機の初期動作を説明するフローチャートである。
【図13】腰部マッサージコースを説明するフローチャートである。
【図14】他の腰部マッサージコースを説明するフローチャートである。
【図15】別のマッサージコースを説明するフローチャートである。
【図16】さらに別のマッサージコースを説明するフローチャートである。
【図17】2分割された左右の脚載置部を交互に動作させている状態にあるマッサージ機の側面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 座部
2 脚載置部
3 背もたれ部
4 足裏押し当て部
5 施療具
6 駆動装置(伸縮駆動装置)
7 掴み具
8 脚施療具
9 足裏検出センサ
10 制御手段
F 仮想水平面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と、この座部の後側に設けられていると共にマッサージ効果を与える施療具を有する背もたれ部と、前記座部の前側に設けられていると共に当該座部の前部側を中心とした上下回動動作をして前方突出状態と垂れ下がり状態とに変化可能とされた脚載置部と、を備えたマッサージ機であって、前記脚載置部は、当該脚載置部が前方突出状態で被施療者の足裏に当接し当該被施療者を足裏から後方の前記背もたれ部側へ押すための足裏押し当て部を有していることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記施療具は、起立状態にある前記背もたれ部において前記被施療者の腰に対応する位置に配置又は腰に対応する位置に移動可能とされている請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記被施療者の足裏を前記足裏押し当て部に当接させ前記背もたれ部の前記施療具により腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作を開始させる際に、前記施療具を腰に対応する位置に移動させる制御手段を有している請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項4】
腰に対応する位置に配置させ又は腰に対応する位置に移動させた前記施療具と前記足裏押し当て部とは、同一の仮想水平面と交わる高さ位置とされている請求項2又は3に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記脚載置部が前方突出状態で、被施療者の足裏が前記足裏押し当て部に当接している初期位置から、前記足裏押し当て部を前記座部に接近する方向へ移動させかつ当該座部から離れる方向へ移動させる駆動装置を備えている請求項1〜4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記脚載置部が前方突出状態で、前記足裏押し当て部に前記被施療者の足裏を当接させて当該被施療者に膝の屈伸運動をさせるよう当該足裏押し当て部を脚の長さ方向に往復動作させる駆動装置を備えている請求項1〜4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記駆動装置は、前記足裏押し当て部の脚の長さ方向の移動ストロークを変更可能としている請求項5又は6に記載のマッサージ機。
【請求項8】
前記脚載置部は前記被施療者の膝から足先側の部分を掴む掴み具を有し、この掴み具が前記被施療者の膝から足先側の部分を掴んだ状態で、前記駆動装置は前記足裏押し当て部を脚の長さ方向に往復移動させる請求項5〜7のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項9】
前記掴み具は、前記被施療者の足首から足先側の部分を掴む位置に設けられている請求項8に記載のマッサージ機。
【請求項10】
前記掴み具は、前記被施療者の脚を押圧してマッサージする脚施療具とされている請求項8又は9に記載のマッサージ機。
【請求項11】
前記駆動装置による前記足裏押し当て部の往復動作と前記背もたれ部の前記施療具によるマッサージ動作とを連動させる制御手段を有している請求項5〜10のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項12】
前記足裏押し当て部は前記被施療者の足裏が当接しているか否かを検出する足裏検出センサを有し、前記駆動装置の動作により前記足裏押し当て部が前記座部と離れた位置から接近する方向へ移動し、当該足裏押し当て部に足裏が当接したことを前記足裏検出センサによって検出すると、前記駆動装置の動作を停止させて前記足裏押し当て部の位置を設定させる制御手段を有している請求項5〜11のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項13】
前記足裏押し当て部は左右2分割とされており、この左右夫々の足裏押し当て部は前記駆動装置により独立して動作可能とされている請求項5〜12のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項14】
前記背もたれ部は起立状態と後方倒れ状態とに変化可能とされ、前記被施療者の足裏を前記足裏押し当て部に当接させ前記背もたれ部の前記施療具により腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作を開始させる際に、前記背もたれ部を起立状態とさせると共に前記脚載置部を前方突出状態に自動的にさせる制御手段を有している請求項2〜13のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項1】
座部と、この座部の後側に設けられていると共にマッサージ効果を与える施療具を有する背もたれ部と、前記座部の前側に設けられていると共に当該座部の前部側を中心とした上下回動動作をして前方突出状態と垂れ下がり状態とに変化可能とされた脚載置部と、を備えたマッサージ機であって、前記脚載置部は、当該脚載置部が前方突出状態で被施療者の足裏に当接し当該被施療者を足裏から後方の前記背もたれ部側へ押すための足裏押し当て部を有していることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記施療具は、起立状態にある前記背もたれ部において前記被施療者の腰に対応する位置に配置又は腰に対応する位置に移動可能とされている請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記被施療者の足裏を前記足裏押し当て部に当接させ前記背もたれ部の前記施療具により腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作を開始させる際に、前記施療具を腰に対応する位置に移動させる制御手段を有している請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項4】
腰に対応する位置に配置させ又は腰に対応する位置に移動させた前記施療具と前記足裏押し当て部とは、同一の仮想水平面と交わる高さ位置とされている請求項2又は3に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記脚載置部が前方突出状態で、被施療者の足裏が前記足裏押し当て部に当接している初期位置から、前記足裏押し当て部を前記座部に接近する方向へ移動させかつ当該座部から離れる方向へ移動させる駆動装置を備えている請求項1〜4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記脚載置部が前方突出状態で、前記足裏押し当て部に前記被施療者の足裏を当接させて当該被施療者に膝の屈伸運動をさせるよう当該足裏押し当て部を脚の長さ方向に往復動作させる駆動装置を備えている請求項1〜4のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記駆動装置は、前記足裏押し当て部の脚の長さ方向の移動ストロークを変更可能としている請求項5又は6に記載のマッサージ機。
【請求項8】
前記脚載置部は前記被施療者の膝から足先側の部分を掴む掴み具を有し、この掴み具が前記被施療者の膝から足先側の部分を掴んだ状態で、前記駆動装置は前記足裏押し当て部を脚の長さ方向に往復移動させる請求項5〜7のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項9】
前記掴み具は、前記被施療者の足首から足先側の部分を掴む位置に設けられている請求項8に記載のマッサージ機。
【請求項10】
前記掴み具は、前記被施療者の脚を押圧してマッサージする脚施療具とされている請求項8又は9に記載のマッサージ機。
【請求項11】
前記駆動装置による前記足裏押し当て部の往復動作と前記背もたれ部の前記施療具によるマッサージ動作とを連動させる制御手段を有している請求項5〜10のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項12】
前記足裏押し当て部は前記被施療者の足裏が当接しているか否かを検出する足裏検出センサを有し、前記駆動装置の動作により前記足裏押し当て部が前記座部と離れた位置から接近する方向へ移動し、当該足裏押し当て部に足裏が当接したことを前記足裏検出センサによって検出すると、前記駆動装置の動作を停止させて前記足裏押し当て部の位置を設定させる制御手段を有している請求項5〜11のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項13】
前記足裏押し当て部は左右2分割とされており、この左右夫々の足裏押し当て部は前記駆動装置により独立して動作可能とされている請求項5〜12のいずれかに記載のマッサージ機。
【請求項14】
前記背もたれ部は起立状態と後方倒れ状態とに変化可能とされ、前記被施療者の足裏を前記足裏押し当て部に当接させ前記背もたれ部の前記施療具により腰部のマッサージを行う腰部マッサージ動作を開始させる際に、前記背もたれ部を起立状態とさせると共に前記脚載置部を前方突出状態に自動的にさせる制御手段を有している請求項2〜13のいずれかに記載のマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−204334(P2006−204334A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−16447(P2005−16447)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000112406)ファミリー株式会社 (175)
【Fターム(参考)】
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