マッサージ機
【課題】 所定の施療箇所を対象として施療動作を実行する場合に、マッサージ効果を高めることのできるマッサージ機を提供する。
【解決手段】 背もたれ部に配設した可動施療体と、この可動施療体の動作を制御する制御手段とを備えるマッサージ機において、前記可動施療体が所定の施療箇所を対象として施療動作を実行する場合、前記制御手段は、前記施療箇所を中心とした所定領域内で前記可動施療体を低速で上下及び/又は左右に往復移動させることとした。
【解決手段】 背もたれ部に配設した可動施療体と、この可動施療体の動作を制御する制御手段とを備えるマッサージ機において、前記可動施療体が所定の施療箇所を対象として施療動作を実行する場合、前記制御手段は、前記施療箇所を中心とした所定領域内で前記可動施療体を低速で上下及び/又は左右に往復移動させることとした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マッサージ機として、被施療者が腰掛ける座部の後部に背もたれ部を設け、同背もたれ部の背もたれ面に、もみ玉などの施療体を具備するメカ式施療手段を昇降自在に配設した椅子型のマッサージ機がある。
【0003】
かかるマッサージ機では、複数種のマッサージ形態を適宜組み合わせるとともに、施療箇所については前記施療体を経時的に移動させるようにした自動コースが設定されているものが普及しているが、旧来、施療を必要とする任意の箇所(「肩」、「腰」、「背中」など)に、被施療者自身が施療体を移動させるとともに、上記複数種類のマッサージ形態の中から好みの形態を選択してマッサージ施療を行う、所謂「お好みマッサージ」のようなマニュアル操作機能を備えたものが一般的である(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2003−245319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のマッサージ機では、例えば上記特許文献1に開示されているように、マッサージ力にゆらぎを加えて心地よいマッサージを体感できるようにするなど、施療体の動作自体に変化をもたらしたりすることには様々な工夫がされてきたものの、施療に効果的な所謂「つぼ」位置を実際にマッサージしているかどうかについてはさほど注目されることはなく、特に、マニュアル操作による施療時については被施療者任せの状態であった。
【0005】
すなわち、所望する施療箇所に施療体を移動させて所望するマッサージを行う場合、被施療者自身は施療に効果的な所謂「つぼ」位置に施療体を移動させたと思っても、ときとしてこの「つぼ」を外してしまうことがあり、しかも被施療者は「つぼ」を外していることに気づかぬまま非効率的なマッサージを続けてしまうことがあった。特に、施療体が略円弧状に動く「もみ」動作では、施療体が身体を押圧しない部位も生じることから、「つぼ」をはずしたままのマッサージになるおそれが多々あった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決することのできるマッサージ機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の本発明は、背もたれ部に配設した可動施療体と、この可動施療体の動作を制御する制御手段とを備えるマッサージ機において、前記可動施療体を所定の施療ポイントに位置させて所定の施療箇所を対象として施療動作を実行する場合、前記制御手段は、前記施療ポイントを中心とした所定領域内で前記可動施療体を低速で上下及び/又は左右に往復移動させることとした。
【0008】
請求項2記載の本発明では、請求項1記載のマッサージ機において、前記制御手段は、前記施療箇所を挟む所定範囲内で、前記可動施療体を低速で昇降往復移動させることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の本発明では、請求項1又は2に記載のマッサージ機において、前記可動施療体に所定の施療動作を行わせる施療用駆動源と、当該可動施療体を低速から高速まで変速自在に昇降移動させる昇降用駆動源とを備え、前記昇降用駆動源と前記施療用駆動源とを連動させて施療する場合、前記制御部は、前記可動施療体が施療時以外の移動最低速度よりもさらに低速で移動するように前記昇降用駆動源を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の本発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機において、前記可動施療体の往路と復路とで移動速度を異ならせたことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の本発明では、請求項4記載のマッサージ機において、前記施療用駆動源として、少なくとももみ用モータを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、施療者自身が可動施療体を移動させてマッサージを行う際に、マッサージに効果的な所謂「つぼ」と呼ばれる施療箇所に可動施療体をピンポイントで合わせられなくても、この所望する施療ポイントを中心とした所定範囲内で、前記可動施療体が低速で上下及び又は左右に往復移動するので、施療箇所を中心とする近傍領域において施療体が当接しない部分が存在しなくなる確率が高まり、「つぼ」を外すおそれが軽減されて効果的なマッサージ施療を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本実施形態に係るマッサージ機は、背もたれ部に配設した可動施療体と、この可動施療体の動作を制御する制御手段とを備えるマッサージ機において、前記可動施療体を所定の施療ポイントに位置させて所定の施療箇所を対象として施療動作を実行する場合、前記制御手段は、前記施療ポイントを中心とした所定領域内で前記可動施療体を低速で上下及び/又は左右に往復移動させるようにしたものである。
【0014】
例えば、所望する施療箇所に可動施療体(以下「施療体」という))を移動させて所望するマッサージを行う場合、被施療者は、リモートコントローラ(以下「リモコン」という)などの操作手段を操作して、施療体を所望する施療ポイントに移動させて施療箇所を特定し、同じくリモコン操作により所望するマッサージ形態を選択してマッサージ施療を開始する(あるいは、マッサージ形態を選択した後に施療体を所望箇所に移動する)。なお、ここで所望する施療箇所というのは、被施療者にとっての所謂「つぼ」となる。
【0015】
かかるマッサージ形態をマニュアルマッサージと呼ぶと、このマニュアルマッサージが開始された場合、従来であれば、被施療者が希望した施療ポイントのみのマッサージが継続されることになるが、本実施形態に係るマッサージ機は、施療体を、さらにこの被施療者により決められた施療ポイントを中心にした所定範囲内を低速で上下及び左右に移動させたり、あるは上下方向又は左右方向に往復移動させたりしながらマッサージ動作を行うのである。所定範囲内というのは、施療者が決定した施療ポイントを中心として上下左右に50mm程度以内の領域とするとよい。より好ましくは、前記施療ポイントを中心とした所定領域の上下及び左右の幅を10〜30mmの範囲であり、マッサージ動作における施療体の軌跡において、施療体が身体に当接しない箇所がより少なくなるように補完できる程度の幅とするものである。
【0016】
このように、マニュアルマッサージを実行すると、施療体は、少なくとも被施療者が所望する施療箇所をマッサージするとともに、前記所定範囲内において施療体が身体に当接しないマッサージ漏れがなくなるようにマッサージを実行するのである。
【0017】
したがって、被施療者が決めた施療箇所が本来最もマッサージ効果が高まると考えられる「つぼ」をたとえ僅かに外していても、施療体は所定領域内を往復移動しながらマッサージするので、結局は「つぼ」についてもマッサージが行われることになり、マッサージ効果を向上させることができる。
【0018】
また、本実施形態では、前記制御手段は、少なくとも、前記施療箇所を挟む所定範囲内で、前記施療体を低速で昇降往復移動させるようにしている。そして、このときの移動速度が低速というのは、施療体が施療箇所間を移動するときの最低速度よりもさらに低速とすることが望ましい。
【0019】
すなわち、施療ポイントを中心とした上下所定範囲を通常の移動速度(50mm/s)で施療体を移動させた場合、前記所定範囲の上下端部近傍の折り返し点あたりでは速度は減速される。本実施形態におけるマニュアルマッサージを実行すると、被施療者が所望した施療箇所を中心とした上下幅50mmの所定範囲を施療体が移動することになるが、この極めて短い幅を通常の移動速度(50mm/s)で施療体を移動させた場合、前記折り返し点における減速が影響して、被施療者が所望する施療箇所からずれた上下端部近傍の折り返し点あたりで施療体が身体に当接しがちとなり、施療箇所が所望する箇所をずれた位置に偏ってしまうおそれがある。そこで、このマニュアルマッサージにおいては、極めて低速で施療体を移動させるようにして、被施療者が決定した位置(所定範囲の中心位置)において施療体が身体に当接しないといった現象が生じることを可及的に防止するようにしている。
【0020】
そのために、本実施形態に係るマッサージ機は、前記施療体に所定の施療動作を行わせる施療用駆動源と、当該施療体を低速から高速まで変速自在に昇降移動させる昇降用駆動源とを備え、前記昇降用駆動源と前記施療用駆動源とを連動させて施療する場合、前記制御部は、前記施療体が施療時以外の移動最低速度よりもさらに低速で移動するように前記昇降用駆動源を制御するのである。
【0021】
また、本実施形態では、前記施療用駆動源として、少なくとももみ用モータを備える構成としており、かかるもみ用モータを駆動してもみマッサージを実行する場合に、上述した制御が効果的に機能する。すなわち、もみマッサージの場合は、施療体が略円弧状に動くことから、施療体が身体を押圧しない部位も生じるが、上述したように、所定箇所をもみマッサージする際に、施療体を所定の施療範囲で往復移動させることで、確実に「つぼ」についてももみマッサージを行うことができる。
【0022】
なお、本実施形態では、もみ用モータの他に、施療用駆動源として、叩き用モータ及び進退用モータを備え、これらモータの駆動によって、「もみ」、「叩き」、「指圧」などのマッサージ形態を実現可能としている。また、昇降用駆動源として昇降用モータを備え、この昇降用モータの駆動により、前記施療体を背もたれ部に沿って昇降自在とし、これら各モータ及び施療体により、マッサージユニットを構成している。
【0023】
ところで、前記施療体の往路と復路とで移動速度を異ならせることができる。すなわち、所定の施療範囲を往復移動するときに、往路と復路とで同じ速度であると、例えば叩きマッサージなどの場合、往路で施療体が身体に当接しない部分が生じると、復路においてもその部分には施療体が当接しないままの状態が考えられる。そこで、施療体の移動速度を往路と復路とで異ならせることにより、施療体が当接しない部分を可及的に無くすことが可能となる。
【0024】
以下、本実施形態に係るマッサージ機について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0025】
図1は本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図、図2は同マッサージ機よりカバーなどを取り除いた状態を示す斜視図、図3は本実施の形態に係るマッサージ機の駆動制御系を示すブロック図、図4は機械式のマッサージユニットの斜視図、図5は同マッサージユニットの分解斜視図、図6は同マッサージユニットの側面図、図7は同マッサージユニットの昇降状態を示す説明図、図8は本実施形態に係るマッサージ機の部分平断面図である。
【0026】
本実施形態に係るマッサージ機Aは、図1及び図2に示すように、被施療者Mが着座する座部1と、同座部1を支持する基台部2と、前記座部1の後側に倒伏自在にリクライニングできるように連結された背もたれ部3と、座部1の前側上部近傍に設けた枢支部1aを中心に上下方向へ揺動可能に連結した所謂オットマンと呼ばれる脚載部4とを具備する椅子式マッサージ機としている。前記背もたれ部3は、左右両側に体側施療部として機能する側壁部6,6と、後述する機械式のマッサージユニット11(図4〜図8参照)備えている。なお、5,5は前記座部1の左右側に設けた肘掛部である。
【0027】
前記基台部2を除く各部については、必要に応じて合成皮革などからなるカバーにより直接被覆するか、あるいは同じくカバーで被覆したクッション部材を配設している。C1は座部1に載置された座部クッション、C30は背もたれ部3の全体を被覆するように着脱自在に取付けられた背もたれクッション、C31は、前記背もたれクッションC30に面ファスナーを介して上端同士を着脱自在とした枕状クッション、C4は前記脚載部4を被覆する脚載部用カバー、C6は前記側壁部6に設けた体側部用エアバッグa3を被覆しているエアバッグ用カバーである。
【0028】
また、図2に示すように、前記背もたれ部3の長孔31aを挟んで、背もたれ板31の左右側上部には背中部用エアバッグa1,a1を、左右側下部に腰部用エアバッグa2,a2をそれぞれ配設し、背中や腰を押圧するエアマッサージを実行可能としている。
【0029】
背もたれ部3の左右端部に取付けた前記側壁部6の内側面には、それぞれ左右方向に2個の体側部用エアバッグa3,a3を重合状態に取付けて体側施療部として機能させている。前記側壁部6は、取付基端部61側の上下長よりも先端部側の上下長を長くした略扇形形状とするとともに、座部1に着座した被施療者Mの上腕側方となる位置に配設し、前記取付基端部61側から先端部側にかけて漸次外側方に拡開させている。
【0030】
さらに、前記座部1の後部側には臀下部用エアバッグa4を、前部側には腿部用エアバッグa5を、左右側には臀側部用エアバッグa6をそれぞれ取付けている。
【0031】
前記脚載部4は、左右の脚を受ける半円筒状の左右脚受部18,18を並設した本体部15と、同本体部15の先端に連設するとともに左右の足裏を受ける半円筒状の左右足裏受16,16を並設した足裏受部17とから側面視略L字状に形成しており、前記本体部15の各脚受部18,18の両内側面に左右で対をなす脚上部用エアバッグa7,a7,a7,a7を取付けるとともに、前記足裏受部17の各足裏受16,16の両内側面に左右で対をなす脚下部用エアバッグa8,a8,a8,a8を取付けている。
【0032】
かかる体側部用エアバッグa3を含む前記複数のエアバッグa1〜a8には、図3に示すように、エアポンプ25から給気される。このエアポンプ25は、同エアポンプ25から圧入される大気を一時的に貯留して各エアバッグa1〜a8へ分流する分流器(図示せず)を連通連結している。そして、この分流器には、各エアバッグa1〜a8に対応する複数の吐気口が設けられ、各吐気口には同吐気口の開口を開閉する電磁弁(図示せず)を設けている。そして、分流器の各吐気口と対応するエアバッグa1〜a8とを、これも図示しない耐圧ホースによってそれぞれ連結し、前記電磁弁の開閉動作を後述する制御手段としての制御部G(図3参照)により制御して所要のエアバッグa1〜a8を個別に給排気し、エアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることにより、被施療者Mに対してエアマッサージを施すように構成している。なお、電磁弁B1〜B18の開閉動作によってエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることができる一方、エアバッグa1〜a8を膨張状態(膨出状態)に保持することもできる。
【0033】
このように、本実施形態に係るマッサージ機Aでは、制御部Gによってエアバッグa1〜a8の膨縮に関わる前記エアポンプ25のオン・オフ動作や各エアバッグa1〜a8に対して給排気を行うための電磁弁の開閉動作を制御し、所要のエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させてエアマッサージを実行させることができる。
【0034】
次に、前述したマッサージユニット11について説明する。このマッサージユニット11の動作も前述のエアバッグa1〜a8同様に後述する制御部Gにより制御されている。
【0035】
マッサージユニット11は、図4〜図6に示すように、もみ玉駆動ユニット9を収納配設しており、同もみ玉駆動ユニット9は、施療体として配設した左右一対のもみ玉7,7を前後方向に揺動させることによって叩き作動を行わせる叩き機構70と、前記もみ玉7,7を偏心回動させることによってもみ作動を行わせるもみ機構8とを具備するとともに、背もたれ部3の表側(被施療者Mと接する側)に向けて進退移動可能に構成され、進退した位置によってマッサージ強度が変わるように、すなわち、もみ玉7,7による被施療者Mへの押圧力が変わるようにしている。
【0036】
かかるもみ玉駆動ユニット9の動きによって、多種のマッサージを実行できるとともに、マッサージ位置や強度をさらに組み合わせることで多彩なマッサージモードで施療することができる。また、本実施形態では、前記もみ玉駆動ユニット9内にバイブ用モータm6(図3参照)を配設し、もみ玉駆動ユニット9を振動させてバイブマッサージも行えるようにするとともに、脚載部4内にもバイブレータ(図示せず)を設け、より多彩なマッサージモードを実行できるようにしている。
【0037】
図4〜図6に示すように、マッサージユニット11は、マッサージユニット11を昇降させるための昇降用駆動源となる昇降用モータm1と、それぞれ施療用駆動源となるもみ玉駆動ユニット9を前後方向へ進退移動させるための進退用モータm2と、前記もみ機構8の主構成要素であるもみ用モータm3と叩き用モータm4とを備えている。
【0038】
前記昇降用モータm1は、前記もみ玉駆動ユニット9を前後揺動自在に支持した昇降軸28と連動連結しており、同モータm1が駆動すると、前記昇降軸28が回転し、この昇降軸28の両端に取り付けられたピニオンギヤ29,29が前記背もたれ部3に配設した縦フレーム30,30のラック13(13)と噛合してマッサージユニット11全体が昇降する(図7及び図8参照)。この昇降用モータm1の回転速度は、低速、中速、高速まで3段階に設定された速度の他、前記低速よりもさらに低速で移動可能とした超低速領域における超低速が設定されている。
【0039】
しかし、この昇降用モータm1における超低速領域による回転駆動は、後述するように前記もみ用モータm3と叩き用モータm4のいずれかと連動させるときのみとし、通常は低速から高速までの3段階の中から移動速度を選択可能としている。例えば、被施療者Mが任意の位置にもみ玉7,7を移動させる場合、あるいは自動コース中の施療箇所間の移動の場合、超低速を除く3段階の中から適宜設定される。
【0040】
また、前記進退用モータm2が駆動すると進退軸43が回転し、円弧状ラック46,46上を前記進退軸43に取り付けたピニオン44,44が前後方向に移動してもみ玉駆動ユニット9を揺動させ、この揺動により進退させるようにしている。49は前記進退軸43を回動自在に支持するための軸受である。
【0041】
また、前述した一方の円弧状ラック46の側部には、扇形板材の周縁に複数の貫通孔を所定の間隔で開設してなる進退位置検出用基板81が取付けてあり、この進退位置検出用基板81の貫通孔の位置に光線を出射して通過光の検出回数によってもみ玉駆動ユニット9の進退位置を検出する進退位置検出センサ82が、進退位置検出用基板81の一部を挟持するように配設されている。
【0042】
もみ用モータm3は、前記もみ機構8の主構成要素であり、もみ用回動軸(図示せず)を介してもみ玉7,7と連動連結している。
【0043】
そして、このもみ用モータm3の動作を制御することによって、もみ玉7,7の間の距離を拡縮させることができ、もみ玉7,7の間の距離を例えば「幅広」、「普通」、「幅狭」の内のいずれかの状態に設定して、揉みマッサージを実行することができるようになっている。
【0044】
また、前記叩き用モータm4は、前記もみ用モータm3に並設されており、叩き用回動軸を介してもみ玉7,7と連動連結している。
【0045】
一方、前述した各モータm1、m3及びm4と連動連結した回動軸には、回動角(駆動量)を検出するためのロータリーエンコーダE(図3参照)をそれぞれ取付けており、ロータリーエンコーダEの検出結果は、制御部Gに与えられる。
【0046】
上記構成のマッサージ機Aの制御手段、すなわち、施療箇所を中心とした所定領域内で前記施療体であるもみ玉7,7を低速で上下及び/又は左右に往復移動させることのできる制御部G、及びこの制御部Gに接続した操作手段としてのリモコンRについて以下に詳述する。
【0047】
制御部Gは前記基台部2内に配設されており、これに接続した遠隔操作可能な操作手段であるリモコンRを介して電源投入から電源オフ、及びマッサージ機Aの単機能動作からプログラミングされた自動コースなどの制御動作等をコントロールすることができる。また、同制御部Gは、リモコンRに設けた表示部Kへの表示についても制御している。
【0048】
制御部Gは、図3に示すように、CPUと、各種マッサージプログラムなどを格納したメモリ部G1と、各種モータなどの駆動制御を行う駆動制御部G2とを備えており、インターフェイスG3を介してリモコンR、背もたれ部3のリクライニング角度を検出するリクライニング角度検出センサG5、並びに前述した進退位置検出センサ82及び各ロータリーエンコーダEと接続している。また、インターフェイスG4を介して前記マッサージユニット11内に配設した昇降用モータm1、進退用モータm2、もみ用モータm3、叩き用モータm4、さらには背もたれ部3のリクライニング動作を行うリクライニングモータm5、バイブレータを駆動するバイブ用モータm6、さらにはエアバッグ用エアポンプ25及び前記座部1に配設したヒータHを接続している。このヒータHにより冬などでも心地好くマッサージすることが可能となっている。
【0049】
前記メモリ部G1には、複数のマッサージプログラム及びメカ的なマッサージを実行する際のもみ玉7,7の基準位置等の種々の情報が記憶されており、リモコンRに設けた操作部Sからの指令信号に基づき、疲労回復、リフレッシュ、リラックスなどを目的として様々なマッサージモードを組合せた複数の自動コースを実行可能としている。
【0050】
すなわち、指圧、もみ(もみ上げ/もみ下げ)、叩き、さすり、バイブ、ストレッチなどの基本マッサージ、さらにはローリング、エアマッサージなどの種類の異なったマッサージモードからなるショートプログラムを適宜組み合わせ、多様なマッサージを実行可能とした複数の自動コースが予めプログラミングされてメモリ部G1に格納されている。
【0051】
さらに、このメモリ部G1には、複数種類のマッサージから好みのマッサージを選択して実行するマニュアルマッサージを行う際に、被施療者Mが任意に決めた施療箇所を中心に所定範囲内でもみ玉7,7を低速で上下往復移動させるマニュアルマッサージ制御プログラムも格納されている。なお、もみ玉7,7の往復移動は、上下方向のみならず、左右に移動させたり、あるは上下方向にも左右方向にも往復移動させたりするようにプログラムされていてもよい。いずれにしても、移動範囲としては50mm、若しくは揉み玉7の直径の長さを越えないようにしておき、被施療者Mが決めた施療位置から大きくずれないようにして被施療者Mに違和感や不信感を与えないようにしている。本実施形態では、被施療者Mが決めた施療箇所(被施療者Mが決定したもみ玉7,7の位置)を中心にして、上下25mmの範囲aでもみ玉7,7を往復移動させるようにしている。
【0052】
また、本実施形態では、前記もみ玉駆動ユニット9によるメカ的なマッサージとして、さざなみ(もみ下げと叩きの複合動作)、深もみ上げ/深もみ下げと、極もみ、極叩き、及び首ほぐしの特別マッサージを実行可能とし、さらには被施療者Mの肩部を、その上方からあたかも整体師が行うような本格的マッサージが行えるようにもしている。
【0053】
図9にリモコンRの拡大正面図を示す。リモコンRは、前記制御部Gを介して本マッサージ機Aの動作全体をコントロールする操作手段として機能するものであるが、図9に示すように、正面視が略しゃもじ形状の本体の上側部に液晶表示機を構成する比較的大型の表示部Kが設けられ、その下側に十字キーS1及び決定ボタンS2を含む複数のボタン群からなる操作部Sが設けられている。このように、表示部Kの面積を広くして視認性を向上させるとともに、操作部Sの幅寸法を表示部Kの幅寸法より狭くして、操作部Sの把持操作性を向上させている。
【0054】
そして、かかる操作部S及び表示部Kを用いることにより、所要のマッサージモードを選択するとともに、もみ玉7,7による機械的なマッサージを実行するに際し、このもみ玉7,7の基準位置を被施療者Mに応じて画像を視認しながら調整できるようになっている。
【0055】
前記操作部Sの略中央位置には、環状体の表面に4つの矢印を互いに直交する4方向の位置に付すと共に各矢印に対応する上下ボタンS11,S11及び左右ボタンS12,S12を設けた前記十字キーS1が配置してあり、この十字キーS1の上下ボタンS11,S11又は左右ボタンS12,S12を操作することによって、例えば、表示部K上に表示されたカーソルを当該方向へ移動させることができるようになっている。すなわち、十字キーS1は、移動方向を指定する移動方向指定キーとして機能する。
【0056】
また、この十字キーS1の中央には、決定ボタンS2を配置している。例えば、前記十字キーS1を操作して前記表示部K上に表示された種々の指令から所要の指令を選択し、その後に当該決定ボタンS2を操作することによって指令の選択を決定し、当該指令を前述した制御部Gに実行させるようにしている。したがって、十字キーS1は、指令選択キーとしても機能する。
【0057】
なお、本実施の形態では、環状の十字キーS1を設けた場合に付いて示したが、本発明はこれに限らず、レバー状の十字キーを設けてもよい。但し、図9に示したように環状の十字キーS1を設けた場合、十字キーS1の表面をリモコンRの本体の表面と略面一にすることができるため、衝突又は引っ掛けによる十字キーS1の破損は生じ難い。
【0058】
十字キーS1の下方には、前記脚載部4(図1参照)を昇降揺動させる一対の脚部用上下ボタンS14,S15、及び背もたれ部3をリクライニングさせる一対のリクライニング用上下ボタンS16,S17を互いに本体幅方向へ距離を隔てて配置しており、これら脚部用上下ボタンS14,S15及びリクライニング用上下ボタンS16,S17の下方には、前述したバイブレータを入り・切りさせるバイブ用ボタンS19及びヒータを入り・切りさせるヒータ用ボタンS18を互いに本体幅方向へ距離を隔てて配置している。
【0059】
そして、表示部Kの直下位置に、被施療者Mが好みのマッサージ態様やマッサージ強さなどの設定情報や好みで作成したオリジナルの自動コースなどを実行可能とした個別マッサージボタンS5(S5a,S5b,S5c,S5d)を、本体幅方向へ適宜の間隔で設けて4個並設している。
【0060】
これら個別マッサージボタンS5は、オリジナル自動コースのマッサージ動作を実行する機能と、前記設定情報を前記メモリ部G1に記憶させる登録機能を兼用させているものであり、マッサージの種類・強弱及び前述した基準位置等を登録する機能を有し、登録ボタンとしても機能する。
【0061】
これら個別マッサージボタンS5は、被施療者Mが操作しやすく、かつ目立つように、表示部Kに近接させて横一列に配置している。
【0062】
また、個別マッサージボタン(登録ボタン)S5の下方には、スタート/収納ボタンS3を配設しており、マッサージを開始させるとき、又はマッサージを終了してもみ玉7,7を収納するときに使用するようになっている。
【0063】
また、このスタート/収納ボタンS3の近傍(右横)には停止ボタンS4が配設してあり、この停止ボタンS4を操作することによってマッサージを中途で停止させることができる。
【0064】
前記スタート/収納ボタンS3の下方には、自動コースを選択してマッサージを実行するための自動コースボタンS6と複数種類のマッサージから好みのマッサージを選択して実行するマニュアルマッサージ用としてのお好みボタンS7とを配設している。
【0065】
これらの下方にはエアマッサージを実行するためのエアボタンS10を、さらに、自動コースを実施している間に、自分の好みに合わないマッサージモードであればこれをスキップするスキップボタンS8と、心地良いマッサージモードであればこれを繰り返せるようにしたリピートボタンS9を設けている。また、前記お好みボタンS7の下方位置には、上下方向の肩位置の調整を行なうための肩位置微調整ボタンS20を配設している。
【0066】
S31はメニューボタンであり、例えばもみ玉7,7を任意の箇所に移動させる場合はこのメニューボタンS31からユニット移動を選択し、その後、前記十字キーS1の上下ボタンS11,S11や左右ボタンS12,S12を操作して行うことができる。
【0067】
S32は体側部用エアバッグa3,a3を動作させる肩ボタン、S33は、例えば肘掛に腕を挟みこんでエアマッサージ可能な腕エアマッサージ部を設ける場合があり、かかる腕エアマッサージ部を動作させるための腕ボタンである。
【0068】
ここで、前記お好みボタンS7を操作した場合のマニュアルマッサージについて説明する。例えば、もみマッサージを選択してマニュアルマッサージを行う場合とする。
【0069】
図10に本マッサージ機Aが実行可能なマッサージ動作一覧を示しており、図示するように、本マッサージ機Aは、もみマッサージとして、前記もみ用モータm3を正転させて行う「もみ上げ」と、逆転させて行う「もみ下げ」とが設定されており、これらマッサージ動作の選択は、リモコンRを用いて被施療者Mが選択することができる。図11にお好みボタンS7を操作したときの表示部Kに表示される選択画面の一例を示す。
【0070】
本実施形態にかかるマッサージ機Aの特徴的な動作は、マニュアルマッサージを選択した場合、前述したように、被施療者Mが任意に決めた施療箇所に該当する施療ポイントを中心にした所定範囲内でもみ玉7,7を超低速で上下往復移動させながら選択したマッサージ動作を行うようにした点にある。
【0071】
例えば、もみ上げマッサージが選択され、所定箇所をもみ上げマッサージする場合、所定箇所を中心にして、上下25mmの範囲aでもみ玉7,7を超低速で往復移動させながらもみ上げマッサージが行われるのである。
【0072】
以下、被施療者Mがもみ上げマッサージを実行する場合について、図12を参照しながら具体的に説明する。
【0073】
電源投入後、被施療者MがリモコンRのメニューボタンS33と十字キーS1を操作してマッサージユニット11を所望する高さ位置に移動し、所望する施療ポイントにもみ玉7,7が当接するように調整し、お好みボタンS7と十字キーS1を操作して、「もみ上げ」マッサージが選択されたとする(図11参照)。
【0074】
制御部Gは、メモリ部G1に格納されているプログラムに従い、もみ用モータm3の駆動制御を行い、もみ上げマッサージを実行する。
【0075】
このときに、制御部Gは、図12(a)に示すように、被施療者Mがはじめにセットした施療ポイント、すなわち所望施療箇所Bを中心にして、上下25mmの範囲aでもみ玉7,7を超低速で往復移動させながらもみ上げマッサージを行わせるのである。すなわち、制御部Gは、もみ玉7,7の往復移動速度が超低速、すなわち、揉み玉7,7が施療時以外の移動最低速度よりもさらに低速(本実施形態では25mm/s)で移動するように前記昇降用モータm1を制御して、所望施療箇所Bを中心にした所定領域C内では、もみ玉7,7がくまなく身体に当接するようにするのである。
【0076】
つまり、所望施療箇所Bを中心にして、上下25mmという極めて狭い範囲(距離)aとすることで、揉み動作における揉み玉7,7の軌跡において、揉み玉7,7が身体に当接しない箇所がより少なくなるように補完できる程度の幅とするとともに、かかる狭い範囲a(距離)を、25mm/sという超低速で揉み玉7,7移動させることで、前記範囲aの上下端部近傍という所望施療箇所Bからずれた位置で揉み玉7,7が身体に当接しがちとなる現象が発生することを可及的に軽減している。
【0077】
したがって、施療体が略円弧状に動くもみマッサージの場合であっても、もみ玉7,7が身体を押圧しない部位が発生することが可及的に防止され、施療効果の高い「つぼ」についても確実にマッサージできるようにし、被施療者Mの所望するマッサージ効果を十分に高めることができる。
【0078】
また、本実施形態では、前記もみ玉7,7の所定領域C内における往復移動時の往路と復路とで移動速度を異ならせている。すなわち、超低速として、前述した超低速領域の中でも僅かに速度を異ならせた第1の超低速と第2の超低速とに区分しておき、往路で第1の超低速で移動させれば復路では第2の超低速で移動させるのである。
【0079】
このように、所定領域C内でもみ玉7,7を往復移動させるときに、往路と復路とでもみ玉7,7の移動速度を異ならせることにより、もみ玉7,7が被施療者Mに当接しない部分をより確実に無くすことが可能となる。
【0080】
また、例えば所望施療箇所Bを施療する際に、上述したように所定領域C内でもみ玉7,7を往復動作させていると、上述の「つぼ」とは異なる箇所であっても、被施療者Mが感覚的にこのポイントでマッサージを行いたいと希望することが考えられる。そこで、本実施形態の変形例として、前記リモコンRに施療箇所指定ボタンを設け、最も気持ちの良い箇所にもみ玉7,7が位置したときに前記ボタンを押下すれば、その後はその場所のみをマッサージするようにしてもよい。
【0081】
あるいは、前記所望施療箇所Bを中心とした所定領域Cの広さを設定する周辺ボタンなどを設けておき、所定領域Cとしての広さを、被施療者Mが設定可能とすることもできる。当然ながら周辺ボタンに代えて、前記十字キーS1にその機能を割り当ててもよい。
【0082】
なお、所望施療箇所Bを中心にした所定領域C内でもみ玉7,7を超低速で上下往復動作させる動作を上述した例では、もみマッサージの場合で説明したが、もみマッサージに限定されるものではなく、図10で示したマッサージ動作のストレッチ、背筋のばしを除く全てのマッサージ動作に適用することができる。
【0083】
さらに、マニュアルマッサージのみならず、自動コースにおいても、所定施療箇所をマッサージする際には、その施療箇所を挟んだ所定範囲内において、もみ玉7,7を上下方向に超低速で移動させるようにプログラムしておくこともできる。
【0084】
また、もみ玉7,7の往復移動は上下昇降のみならず、マッサージユニット11の構成によっては(具体的な構成の説明は省略)、もみ玉7,7を左右方向、すなわち背もたれ部3の幅方向への往復移動とすることもできる。あるいは、上下昇降方向と左右方向とに交互に往復移動するようにしてもよい。
【0085】
その一例を図12(b)に示す。例えば、指圧マッサージを実行する場合、図示するように、所望施療箇所B中心に、もみ玉7,7を超低速で上下・左右に往復動作させながら指圧動作を行わせるのである。なお、もみ玉7,7を左右往復移動させるだけとしても、上下及び左右いずれにも往復移動させるにしても、所望施療箇所Bの近傍(所定領域C)まで、漏れなくマッサージを実行可能とすればよい。
【0086】
上述してきた実施形態により、以下のマッサージ機が実現できる。
【0087】
背もたれ部3に配設した可動施療体(例えば、もみ玉7,7)と、この可動施療体の動作を制御する制御手段(例えば、制御部G)とを備え、前記可動施療体を所定の施療ポイントに位置させて所定の施療箇所(例えば、被施療者Mが決定したもみ玉7,7の位置に応じた施療箇所)を対象として施療動作を実行する場合、前記制御手段は、前記施療ポイントを中心とした所定領域内で前記可動施療体を低速で上下及び/又は左右に往復移動させるマッサージ機。
【0088】
上記マッサージ機において、前記制御手段(例えば、制御部G)は、前記施療箇所(例えば、被施療者Mが決定したもみ玉7,7の位置)を挟む所定範囲内(例えば、上下左右に50mm程度以内の領域)で、前記可動施療体を低速で昇降往復移動させるマッサージ機。
【0089】
上記マッサージ機において、前記可動施療体(例えば、もみ玉7)に所定の施療動作を行わせる施療用駆動源(例えば、もみ用モータm3、叩き用モータm4、バイブ用モータm6など)と、当該可動施療体を低速から高速まで変速自在に昇降移動させる昇降用駆動源(例えば、昇降用モータm1)とを備え、前記昇降用駆動源と前記施療用駆動源とを連動させて施療する場合、前記制御部(例えば、制御部G)は、前記可動施療体が施療時以外の移動最低速度よりもさらに低速で移動するように前記昇降用駆動源を制御するマッサージ機。
【0090】
上記マッサージ機において、前記可動施療体(例えば、もみ玉7)の往路と復路とで移動速度を異ならせマッサージ機。
【0091】
前記施療用駆動源として、少なくとももみ用モータm3を備えるマッサージ機。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図である。
【図2】同マッサージ機よりクッション材などを取り除いた状態を示す斜視図である。
【図3】同マッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【図4】機械式のマッサージユニットの斜視図である。
【図5】同マッサージユニットの分解斜視図である。
【図6】同マッサージユニットの側面図である。
【図7】同マッサージユニットの昇降状態を示す説明図である。
【図8】本実施形態に係るマッサージ機の部分平断面図である。
【図9】リモコンを示す拡大正面図である。
【図10】本実施形態に係るマッサージ機が実行可能なマッサージ動作の説明図である。
【図11】マニュアルマッサージにおけるマッサージ動作選択画面の一例を示す説明図である。
【図12】もみ玉の動作状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0093】
A マッサージ機
G 制御部
M 被施療者
K 表示部
R リモコン
S 操作部
S5 個別マッサージボタン
1 座部
2 基台部
3 背もたれ部 4 脚載部
7 もみ玉
11 マッサージユニット
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マッサージ機として、被施療者が腰掛ける座部の後部に背もたれ部を設け、同背もたれ部の背もたれ面に、もみ玉などの施療体を具備するメカ式施療手段を昇降自在に配設した椅子型のマッサージ機がある。
【0003】
かかるマッサージ機では、複数種のマッサージ形態を適宜組み合わせるとともに、施療箇所については前記施療体を経時的に移動させるようにした自動コースが設定されているものが普及しているが、旧来、施療を必要とする任意の箇所(「肩」、「腰」、「背中」など)に、被施療者自身が施療体を移動させるとともに、上記複数種類のマッサージ形態の中から好みの形態を選択してマッサージ施療を行う、所謂「お好みマッサージ」のようなマニュアル操作機能を備えたものが一般的である(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2003−245319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のマッサージ機では、例えば上記特許文献1に開示されているように、マッサージ力にゆらぎを加えて心地よいマッサージを体感できるようにするなど、施療体の動作自体に変化をもたらしたりすることには様々な工夫がされてきたものの、施療に効果的な所謂「つぼ」位置を実際にマッサージしているかどうかについてはさほど注目されることはなく、特に、マニュアル操作による施療時については被施療者任せの状態であった。
【0005】
すなわち、所望する施療箇所に施療体を移動させて所望するマッサージを行う場合、被施療者自身は施療に効果的な所謂「つぼ」位置に施療体を移動させたと思っても、ときとしてこの「つぼ」を外してしまうことがあり、しかも被施療者は「つぼ」を外していることに気づかぬまま非効率的なマッサージを続けてしまうことがあった。特に、施療体が略円弧状に動く「もみ」動作では、施療体が身体を押圧しない部位も生じることから、「つぼ」をはずしたままのマッサージになるおそれが多々あった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決することのできるマッサージ機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の本発明は、背もたれ部に配設した可動施療体と、この可動施療体の動作を制御する制御手段とを備えるマッサージ機において、前記可動施療体を所定の施療ポイントに位置させて所定の施療箇所を対象として施療動作を実行する場合、前記制御手段は、前記施療ポイントを中心とした所定領域内で前記可動施療体を低速で上下及び/又は左右に往復移動させることとした。
【0008】
請求項2記載の本発明では、請求項1記載のマッサージ機において、前記制御手段は、前記施療箇所を挟む所定範囲内で、前記可動施療体を低速で昇降往復移動させることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の本発明では、請求項1又は2に記載のマッサージ機において、前記可動施療体に所定の施療動作を行わせる施療用駆動源と、当該可動施療体を低速から高速まで変速自在に昇降移動させる昇降用駆動源とを備え、前記昇降用駆動源と前記施療用駆動源とを連動させて施療する場合、前記制御部は、前記可動施療体が施療時以外の移動最低速度よりもさらに低速で移動するように前記昇降用駆動源を制御することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の本発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機において、前記可動施療体の往路と復路とで移動速度を異ならせたことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の本発明では、請求項4記載のマッサージ機において、前記施療用駆動源として、少なくとももみ用モータを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、施療者自身が可動施療体を移動させてマッサージを行う際に、マッサージに効果的な所謂「つぼ」と呼ばれる施療箇所に可動施療体をピンポイントで合わせられなくても、この所望する施療ポイントを中心とした所定範囲内で、前記可動施療体が低速で上下及び又は左右に往復移動するので、施療箇所を中心とする近傍領域において施療体が当接しない部分が存在しなくなる確率が高まり、「つぼ」を外すおそれが軽減されて効果的なマッサージ施療を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本実施形態に係るマッサージ機は、背もたれ部に配設した可動施療体と、この可動施療体の動作を制御する制御手段とを備えるマッサージ機において、前記可動施療体を所定の施療ポイントに位置させて所定の施療箇所を対象として施療動作を実行する場合、前記制御手段は、前記施療ポイントを中心とした所定領域内で前記可動施療体を低速で上下及び/又は左右に往復移動させるようにしたものである。
【0014】
例えば、所望する施療箇所に可動施療体(以下「施療体」という))を移動させて所望するマッサージを行う場合、被施療者は、リモートコントローラ(以下「リモコン」という)などの操作手段を操作して、施療体を所望する施療ポイントに移動させて施療箇所を特定し、同じくリモコン操作により所望するマッサージ形態を選択してマッサージ施療を開始する(あるいは、マッサージ形態を選択した後に施療体を所望箇所に移動する)。なお、ここで所望する施療箇所というのは、被施療者にとっての所謂「つぼ」となる。
【0015】
かかるマッサージ形態をマニュアルマッサージと呼ぶと、このマニュアルマッサージが開始された場合、従来であれば、被施療者が希望した施療ポイントのみのマッサージが継続されることになるが、本実施形態に係るマッサージ機は、施療体を、さらにこの被施療者により決められた施療ポイントを中心にした所定範囲内を低速で上下及び左右に移動させたり、あるは上下方向又は左右方向に往復移動させたりしながらマッサージ動作を行うのである。所定範囲内というのは、施療者が決定した施療ポイントを中心として上下左右に50mm程度以内の領域とするとよい。より好ましくは、前記施療ポイントを中心とした所定領域の上下及び左右の幅を10〜30mmの範囲であり、マッサージ動作における施療体の軌跡において、施療体が身体に当接しない箇所がより少なくなるように補完できる程度の幅とするものである。
【0016】
このように、マニュアルマッサージを実行すると、施療体は、少なくとも被施療者が所望する施療箇所をマッサージするとともに、前記所定範囲内において施療体が身体に当接しないマッサージ漏れがなくなるようにマッサージを実行するのである。
【0017】
したがって、被施療者が決めた施療箇所が本来最もマッサージ効果が高まると考えられる「つぼ」をたとえ僅かに外していても、施療体は所定領域内を往復移動しながらマッサージするので、結局は「つぼ」についてもマッサージが行われることになり、マッサージ効果を向上させることができる。
【0018】
また、本実施形態では、前記制御手段は、少なくとも、前記施療箇所を挟む所定範囲内で、前記施療体を低速で昇降往復移動させるようにしている。そして、このときの移動速度が低速というのは、施療体が施療箇所間を移動するときの最低速度よりもさらに低速とすることが望ましい。
【0019】
すなわち、施療ポイントを中心とした上下所定範囲を通常の移動速度(50mm/s)で施療体を移動させた場合、前記所定範囲の上下端部近傍の折り返し点あたりでは速度は減速される。本実施形態におけるマニュアルマッサージを実行すると、被施療者が所望した施療箇所を中心とした上下幅50mmの所定範囲を施療体が移動することになるが、この極めて短い幅を通常の移動速度(50mm/s)で施療体を移動させた場合、前記折り返し点における減速が影響して、被施療者が所望する施療箇所からずれた上下端部近傍の折り返し点あたりで施療体が身体に当接しがちとなり、施療箇所が所望する箇所をずれた位置に偏ってしまうおそれがある。そこで、このマニュアルマッサージにおいては、極めて低速で施療体を移動させるようにして、被施療者が決定した位置(所定範囲の中心位置)において施療体が身体に当接しないといった現象が生じることを可及的に防止するようにしている。
【0020】
そのために、本実施形態に係るマッサージ機は、前記施療体に所定の施療動作を行わせる施療用駆動源と、当該施療体を低速から高速まで変速自在に昇降移動させる昇降用駆動源とを備え、前記昇降用駆動源と前記施療用駆動源とを連動させて施療する場合、前記制御部は、前記施療体が施療時以外の移動最低速度よりもさらに低速で移動するように前記昇降用駆動源を制御するのである。
【0021】
また、本実施形態では、前記施療用駆動源として、少なくとももみ用モータを備える構成としており、かかるもみ用モータを駆動してもみマッサージを実行する場合に、上述した制御が効果的に機能する。すなわち、もみマッサージの場合は、施療体が略円弧状に動くことから、施療体が身体を押圧しない部位も生じるが、上述したように、所定箇所をもみマッサージする際に、施療体を所定の施療範囲で往復移動させることで、確実に「つぼ」についてももみマッサージを行うことができる。
【0022】
なお、本実施形態では、もみ用モータの他に、施療用駆動源として、叩き用モータ及び進退用モータを備え、これらモータの駆動によって、「もみ」、「叩き」、「指圧」などのマッサージ形態を実現可能としている。また、昇降用駆動源として昇降用モータを備え、この昇降用モータの駆動により、前記施療体を背もたれ部に沿って昇降自在とし、これら各モータ及び施療体により、マッサージユニットを構成している。
【0023】
ところで、前記施療体の往路と復路とで移動速度を異ならせることができる。すなわち、所定の施療範囲を往復移動するときに、往路と復路とで同じ速度であると、例えば叩きマッサージなどの場合、往路で施療体が身体に当接しない部分が生じると、復路においてもその部分には施療体が当接しないままの状態が考えられる。そこで、施療体の移動速度を往路と復路とで異ならせることにより、施療体が当接しない部分を可及的に無くすことが可能となる。
【0024】
以下、本実施形態に係るマッサージ機について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0025】
図1は本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図、図2は同マッサージ機よりカバーなどを取り除いた状態を示す斜視図、図3は本実施の形態に係るマッサージ機の駆動制御系を示すブロック図、図4は機械式のマッサージユニットの斜視図、図5は同マッサージユニットの分解斜視図、図6は同マッサージユニットの側面図、図7は同マッサージユニットの昇降状態を示す説明図、図8は本実施形態に係るマッサージ機の部分平断面図である。
【0026】
本実施形態に係るマッサージ機Aは、図1及び図2に示すように、被施療者Mが着座する座部1と、同座部1を支持する基台部2と、前記座部1の後側に倒伏自在にリクライニングできるように連結された背もたれ部3と、座部1の前側上部近傍に設けた枢支部1aを中心に上下方向へ揺動可能に連結した所謂オットマンと呼ばれる脚載部4とを具備する椅子式マッサージ機としている。前記背もたれ部3は、左右両側に体側施療部として機能する側壁部6,6と、後述する機械式のマッサージユニット11(図4〜図8参照)備えている。なお、5,5は前記座部1の左右側に設けた肘掛部である。
【0027】
前記基台部2を除く各部については、必要に応じて合成皮革などからなるカバーにより直接被覆するか、あるいは同じくカバーで被覆したクッション部材を配設している。C1は座部1に載置された座部クッション、C30は背もたれ部3の全体を被覆するように着脱自在に取付けられた背もたれクッション、C31は、前記背もたれクッションC30に面ファスナーを介して上端同士を着脱自在とした枕状クッション、C4は前記脚載部4を被覆する脚載部用カバー、C6は前記側壁部6に設けた体側部用エアバッグa3を被覆しているエアバッグ用カバーである。
【0028】
また、図2に示すように、前記背もたれ部3の長孔31aを挟んで、背もたれ板31の左右側上部には背中部用エアバッグa1,a1を、左右側下部に腰部用エアバッグa2,a2をそれぞれ配設し、背中や腰を押圧するエアマッサージを実行可能としている。
【0029】
背もたれ部3の左右端部に取付けた前記側壁部6の内側面には、それぞれ左右方向に2個の体側部用エアバッグa3,a3を重合状態に取付けて体側施療部として機能させている。前記側壁部6は、取付基端部61側の上下長よりも先端部側の上下長を長くした略扇形形状とするとともに、座部1に着座した被施療者Mの上腕側方となる位置に配設し、前記取付基端部61側から先端部側にかけて漸次外側方に拡開させている。
【0030】
さらに、前記座部1の後部側には臀下部用エアバッグa4を、前部側には腿部用エアバッグa5を、左右側には臀側部用エアバッグa6をそれぞれ取付けている。
【0031】
前記脚載部4は、左右の脚を受ける半円筒状の左右脚受部18,18を並設した本体部15と、同本体部15の先端に連設するとともに左右の足裏を受ける半円筒状の左右足裏受16,16を並設した足裏受部17とから側面視略L字状に形成しており、前記本体部15の各脚受部18,18の両内側面に左右で対をなす脚上部用エアバッグa7,a7,a7,a7を取付けるとともに、前記足裏受部17の各足裏受16,16の両内側面に左右で対をなす脚下部用エアバッグa8,a8,a8,a8を取付けている。
【0032】
かかる体側部用エアバッグa3を含む前記複数のエアバッグa1〜a8には、図3に示すように、エアポンプ25から給気される。このエアポンプ25は、同エアポンプ25から圧入される大気を一時的に貯留して各エアバッグa1〜a8へ分流する分流器(図示せず)を連通連結している。そして、この分流器には、各エアバッグa1〜a8に対応する複数の吐気口が設けられ、各吐気口には同吐気口の開口を開閉する電磁弁(図示せず)を設けている。そして、分流器の各吐気口と対応するエアバッグa1〜a8とを、これも図示しない耐圧ホースによってそれぞれ連結し、前記電磁弁の開閉動作を後述する制御手段としての制御部G(図3参照)により制御して所要のエアバッグa1〜a8を個別に給排気し、エアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることにより、被施療者Mに対してエアマッサージを施すように構成している。なお、電磁弁B1〜B18の開閉動作によってエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させることができる一方、エアバッグa1〜a8を膨張状態(膨出状態)に保持することもできる。
【0033】
このように、本実施形態に係るマッサージ機Aでは、制御部Gによってエアバッグa1〜a8の膨縮に関わる前記エアポンプ25のオン・オフ動作や各エアバッグa1〜a8に対して給排気を行うための電磁弁の開閉動作を制御し、所要のエアバッグa1〜a8を膨張(膨出)・収縮させてエアマッサージを実行させることができる。
【0034】
次に、前述したマッサージユニット11について説明する。このマッサージユニット11の動作も前述のエアバッグa1〜a8同様に後述する制御部Gにより制御されている。
【0035】
マッサージユニット11は、図4〜図6に示すように、もみ玉駆動ユニット9を収納配設しており、同もみ玉駆動ユニット9は、施療体として配設した左右一対のもみ玉7,7を前後方向に揺動させることによって叩き作動を行わせる叩き機構70と、前記もみ玉7,7を偏心回動させることによってもみ作動を行わせるもみ機構8とを具備するとともに、背もたれ部3の表側(被施療者Mと接する側)に向けて進退移動可能に構成され、進退した位置によってマッサージ強度が変わるように、すなわち、もみ玉7,7による被施療者Mへの押圧力が変わるようにしている。
【0036】
かかるもみ玉駆動ユニット9の動きによって、多種のマッサージを実行できるとともに、マッサージ位置や強度をさらに組み合わせることで多彩なマッサージモードで施療することができる。また、本実施形態では、前記もみ玉駆動ユニット9内にバイブ用モータm6(図3参照)を配設し、もみ玉駆動ユニット9を振動させてバイブマッサージも行えるようにするとともに、脚載部4内にもバイブレータ(図示せず)を設け、より多彩なマッサージモードを実行できるようにしている。
【0037】
図4〜図6に示すように、マッサージユニット11は、マッサージユニット11を昇降させるための昇降用駆動源となる昇降用モータm1と、それぞれ施療用駆動源となるもみ玉駆動ユニット9を前後方向へ進退移動させるための進退用モータm2と、前記もみ機構8の主構成要素であるもみ用モータm3と叩き用モータm4とを備えている。
【0038】
前記昇降用モータm1は、前記もみ玉駆動ユニット9を前後揺動自在に支持した昇降軸28と連動連結しており、同モータm1が駆動すると、前記昇降軸28が回転し、この昇降軸28の両端に取り付けられたピニオンギヤ29,29が前記背もたれ部3に配設した縦フレーム30,30のラック13(13)と噛合してマッサージユニット11全体が昇降する(図7及び図8参照)。この昇降用モータm1の回転速度は、低速、中速、高速まで3段階に設定された速度の他、前記低速よりもさらに低速で移動可能とした超低速領域における超低速が設定されている。
【0039】
しかし、この昇降用モータm1における超低速領域による回転駆動は、後述するように前記もみ用モータm3と叩き用モータm4のいずれかと連動させるときのみとし、通常は低速から高速までの3段階の中から移動速度を選択可能としている。例えば、被施療者Mが任意の位置にもみ玉7,7を移動させる場合、あるいは自動コース中の施療箇所間の移動の場合、超低速を除く3段階の中から適宜設定される。
【0040】
また、前記進退用モータm2が駆動すると進退軸43が回転し、円弧状ラック46,46上を前記進退軸43に取り付けたピニオン44,44が前後方向に移動してもみ玉駆動ユニット9を揺動させ、この揺動により進退させるようにしている。49は前記進退軸43を回動自在に支持するための軸受である。
【0041】
また、前述した一方の円弧状ラック46の側部には、扇形板材の周縁に複数の貫通孔を所定の間隔で開設してなる進退位置検出用基板81が取付けてあり、この進退位置検出用基板81の貫通孔の位置に光線を出射して通過光の検出回数によってもみ玉駆動ユニット9の進退位置を検出する進退位置検出センサ82が、進退位置検出用基板81の一部を挟持するように配設されている。
【0042】
もみ用モータm3は、前記もみ機構8の主構成要素であり、もみ用回動軸(図示せず)を介してもみ玉7,7と連動連結している。
【0043】
そして、このもみ用モータm3の動作を制御することによって、もみ玉7,7の間の距離を拡縮させることができ、もみ玉7,7の間の距離を例えば「幅広」、「普通」、「幅狭」の内のいずれかの状態に設定して、揉みマッサージを実行することができるようになっている。
【0044】
また、前記叩き用モータm4は、前記もみ用モータm3に並設されており、叩き用回動軸を介してもみ玉7,7と連動連結している。
【0045】
一方、前述した各モータm1、m3及びm4と連動連結した回動軸には、回動角(駆動量)を検出するためのロータリーエンコーダE(図3参照)をそれぞれ取付けており、ロータリーエンコーダEの検出結果は、制御部Gに与えられる。
【0046】
上記構成のマッサージ機Aの制御手段、すなわち、施療箇所を中心とした所定領域内で前記施療体であるもみ玉7,7を低速で上下及び/又は左右に往復移動させることのできる制御部G、及びこの制御部Gに接続した操作手段としてのリモコンRについて以下に詳述する。
【0047】
制御部Gは前記基台部2内に配設されており、これに接続した遠隔操作可能な操作手段であるリモコンRを介して電源投入から電源オフ、及びマッサージ機Aの単機能動作からプログラミングされた自動コースなどの制御動作等をコントロールすることができる。また、同制御部Gは、リモコンRに設けた表示部Kへの表示についても制御している。
【0048】
制御部Gは、図3に示すように、CPUと、各種マッサージプログラムなどを格納したメモリ部G1と、各種モータなどの駆動制御を行う駆動制御部G2とを備えており、インターフェイスG3を介してリモコンR、背もたれ部3のリクライニング角度を検出するリクライニング角度検出センサG5、並びに前述した進退位置検出センサ82及び各ロータリーエンコーダEと接続している。また、インターフェイスG4を介して前記マッサージユニット11内に配設した昇降用モータm1、進退用モータm2、もみ用モータm3、叩き用モータm4、さらには背もたれ部3のリクライニング動作を行うリクライニングモータm5、バイブレータを駆動するバイブ用モータm6、さらにはエアバッグ用エアポンプ25及び前記座部1に配設したヒータHを接続している。このヒータHにより冬などでも心地好くマッサージすることが可能となっている。
【0049】
前記メモリ部G1には、複数のマッサージプログラム及びメカ的なマッサージを実行する際のもみ玉7,7の基準位置等の種々の情報が記憶されており、リモコンRに設けた操作部Sからの指令信号に基づき、疲労回復、リフレッシュ、リラックスなどを目的として様々なマッサージモードを組合せた複数の自動コースを実行可能としている。
【0050】
すなわち、指圧、もみ(もみ上げ/もみ下げ)、叩き、さすり、バイブ、ストレッチなどの基本マッサージ、さらにはローリング、エアマッサージなどの種類の異なったマッサージモードからなるショートプログラムを適宜組み合わせ、多様なマッサージを実行可能とした複数の自動コースが予めプログラミングされてメモリ部G1に格納されている。
【0051】
さらに、このメモリ部G1には、複数種類のマッサージから好みのマッサージを選択して実行するマニュアルマッサージを行う際に、被施療者Mが任意に決めた施療箇所を中心に所定範囲内でもみ玉7,7を低速で上下往復移動させるマニュアルマッサージ制御プログラムも格納されている。なお、もみ玉7,7の往復移動は、上下方向のみならず、左右に移動させたり、あるは上下方向にも左右方向にも往復移動させたりするようにプログラムされていてもよい。いずれにしても、移動範囲としては50mm、若しくは揉み玉7の直径の長さを越えないようにしておき、被施療者Mが決めた施療位置から大きくずれないようにして被施療者Mに違和感や不信感を与えないようにしている。本実施形態では、被施療者Mが決めた施療箇所(被施療者Mが決定したもみ玉7,7の位置)を中心にして、上下25mmの範囲aでもみ玉7,7を往復移動させるようにしている。
【0052】
また、本実施形態では、前記もみ玉駆動ユニット9によるメカ的なマッサージとして、さざなみ(もみ下げと叩きの複合動作)、深もみ上げ/深もみ下げと、極もみ、極叩き、及び首ほぐしの特別マッサージを実行可能とし、さらには被施療者Mの肩部を、その上方からあたかも整体師が行うような本格的マッサージが行えるようにもしている。
【0053】
図9にリモコンRの拡大正面図を示す。リモコンRは、前記制御部Gを介して本マッサージ機Aの動作全体をコントロールする操作手段として機能するものであるが、図9に示すように、正面視が略しゃもじ形状の本体の上側部に液晶表示機を構成する比較的大型の表示部Kが設けられ、その下側に十字キーS1及び決定ボタンS2を含む複数のボタン群からなる操作部Sが設けられている。このように、表示部Kの面積を広くして視認性を向上させるとともに、操作部Sの幅寸法を表示部Kの幅寸法より狭くして、操作部Sの把持操作性を向上させている。
【0054】
そして、かかる操作部S及び表示部Kを用いることにより、所要のマッサージモードを選択するとともに、もみ玉7,7による機械的なマッサージを実行するに際し、このもみ玉7,7の基準位置を被施療者Mに応じて画像を視認しながら調整できるようになっている。
【0055】
前記操作部Sの略中央位置には、環状体の表面に4つの矢印を互いに直交する4方向の位置に付すと共に各矢印に対応する上下ボタンS11,S11及び左右ボタンS12,S12を設けた前記十字キーS1が配置してあり、この十字キーS1の上下ボタンS11,S11又は左右ボタンS12,S12を操作することによって、例えば、表示部K上に表示されたカーソルを当該方向へ移動させることができるようになっている。すなわち、十字キーS1は、移動方向を指定する移動方向指定キーとして機能する。
【0056】
また、この十字キーS1の中央には、決定ボタンS2を配置している。例えば、前記十字キーS1を操作して前記表示部K上に表示された種々の指令から所要の指令を選択し、その後に当該決定ボタンS2を操作することによって指令の選択を決定し、当該指令を前述した制御部Gに実行させるようにしている。したがって、十字キーS1は、指令選択キーとしても機能する。
【0057】
なお、本実施の形態では、環状の十字キーS1を設けた場合に付いて示したが、本発明はこれに限らず、レバー状の十字キーを設けてもよい。但し、図9に示したように環状の十字キーS1を設けた場合、十字キーS1の表面をリモコンRの本体の表面と略面一にすることができるため、衝突又は引っ掛けによる十字キーS1の破損は生じ難い。
【0058】
十字キーS1の下方には、前記脚載部4(図1参照)を昇降揺動させる一対の脚部用上下ボタンS14,S15、及び背もたれ部3をリクライニングさせる一対のリクライニング用上下ボタンS16,S17を互いに本体幅方向へ距離を隔てて配置しており、これら脚部用上下ボタンS14,S15及びリクライニング用上下ボタンS16,S17の下方には、前述したバイブレータを入り・切りさせるバイブ用ボタンS19及びヒータを入り・切りさせるヒータ用ボタンS18を互いに本体幅方向へ距離を隔てて配置している。
【0059】
そして、表示部Kの直下位置に、被施療者Mが好みのマッサージ態様やマッサージ強さなどの設定情報や好みで作成したオリジナルの自動コースなどを実行可能とした個別マッサージボタンS5(S5a,S5b,S5c,S5d)を、本体幅方向へ適宜の間隔で設けて4個並設している。
【0060】
これら個別マッサージボタンS5は、オリジナル自動コースのマッサージ動作を実行する機能と、前記設定情報を前記メモリ部G1に記憶させる登録機能を兼用させているものであり、マッサージの種類・強弱及び前述した基準位置等を登録する機能を有し、登録ボタンとしても機能する。
【0061】
これら個別マッサージボタンS5は、被施療者Mが操作しやすく、かつ目立つように、表示部Kに近接させて横一列に配置している。
【0062】
また、個別マッサージボタン(登録ボタン)S5の下方には、スタート/収納ボタンS3を配設しており、マッサージを開始させるとき、又はマッサージを終了してもみ玉7,7を収納するときに使用するようになっている。
【0063】
また、このスタート/収納ボタンS3の近傍(右横)には停止ボタンS4が配設してあり、この停止ボタンS4を操作することによってマッサージを中途で停止させることができる。
【0064】
前記スタート/収納ボタンS3の下方には、自動コースを選択してマッサージを実行するための自動コースボタンS6と複数種類のマッサージから好みのマッサージを選択して実行するマニュアルマッサージ用としてのお好みボタンS7とを配設している。
【0065】
これらの下方にはエアマッサージを実行するためのエアボタンS10を、さらに、自動コースを実施している間に、自分の好みに合わないマッサージモードであればこれをスキップするスキップボタンS8と、心地良いマッサージモードであればこれを繰り返せるようにしたリピートボタンS9を設けている。また、前記お好みボタンS7の下方位置には、上下方向の肩位置の調整を行なうための肩位置微調整ボタンS20を配設している。
【0066】
S31はメニューボタンであり、例えばもみ玉7,7を任意の箇所に移動させる場合はこのメニューボタンS31からユニット移動を選択し、その後、前記十字キーS1の上下ボタンS11,S11や左右ボタンS12,S12を操作して行うことができる。
【0067】
S32は体側部用エアバッグa3,a3を動作させる肩ボタン、S33は、例えば肘掛に腕を挟みこんでエアマッサージ可能な腕エアマッサージ部を設ける場合があり、かかる腕エアマッサージ部を動作させるための腕ボタンである。
【0068】
ここで、前記お好みボタンS7を操作した場合のマニュアルマッサージについて説明する。例えば、もみマッサージを選択してマニュアルマッサージを行う場合とする。
【0069】
図10に本マッサージ機Aが実行可能なマッサージ動作一覧を示しており、図示するように、本マッサージ機Aは、もみマッサージとして、前記もみ用モータm3を正転させて行う「もみ上げ」と、逆転させて行う「もみ下げ」とが設定されており、これらマッサージ動作の選択は、リモコンRを用いて被施療者Mが選択することができる。図11にお好みボタンS7を操作したときの表示部Kに表示される選択画面の一例を示す。
【0070】
本実施形態にかかるマッサージ機Aの特徴的な動作は、マニュアルマッサージを選択した場合、前述したように、被施療者Mが任意に決めた施療箇所に該当する施療ポイントを中心にした所定範囲内でもみ玉7,7を超低速で上下往復移動させながら選択したマッサージ動作を行うようにした点にある。
【0071】
例えば、もみ上げマッサージが選択され、所定箇所をもみ上げマッサージする場合、所定箇所を中心にして、上下25mmの範囲aでもみ玉7,7を超低速で往復移動させながらもみ上げマッサージが行われるのである。
【0072】
以下、被施療者Mがもみ上げマッサージを実行する場合について、図12を参照しながら具体的に説明する。
【0073】
電源投入後、被施療者MがリモコンRのメニューボタンS33と十字キーS1を操作してマッサージユニット11を所望する高さ位置に移動し、所望する施療ポイントにもみ玉7,7が当接するように調整し、お好みボタンS7と十字キーS1を操作して、「もみ上げ」マッサージが選択されたとする(図11参照)。
【0074】
制御部Gは、メモリ部G1に格納されているプログラムに従い、もみ用モータm3の駆動制御を行い、もみ上げマッサージを実行する。
【0075】
このときに、制御部Gは、図12(a)に示すように、被施療者Mがはじめにセットした施療ポイント、すなわち所望施療箇所Bを中心にして、上下25mmの範囲aでもみ玉7,7を超低速で往復移動させながらもみ上げマッサージを行わせるのである。すなわち、制御部Gは、もみ玉7,7の往復移動速度が超低速、すなわち、揉み玉7,7が施療時以外の移動最低速度よりもさらに低速(本実施形態では25mm/s)で移動するように前記昇降用モータm1を制御して、所望施療箇所Bを中心にした所定領域C内では、もみ玉7,7がくまなく身体に当接するようにするのである。
【0076】
つまり、所望施療箇所Bを中心にして、上下25mmという極めて狭い範囲(距離)aとすることで、揉み動作における揉み玉7,7の軌跡において、揉み玉7,7が身体に当接しない箇所がより少なくなるように補完できる程度の幅とするとともに、かかる狭い範囲a(距離)を、25mm/sという超低速で揉み玉7,7移動させることで、前記範囲aの上下端部近傍という所望施療箇所Bからずれた位置で揉み玉7,7が身体に当接しがちとなる現象が発生することを可及的に軽減している。
【0077】
したがって、施療体が略円弧状に動くもみマッサージの場合であっても、もみ玉7,7が身体を押圧しない部位が発生することが可及的に防止され、施療効果の高い「つぼ」についても確実にマッサージできるようにし、被施療者Mの所望するマッサージ効果を十分に高めることができる。
【0078】
また、本実施形態では、前記もみ玉7,7の所定領域C内における往復移動時の往路と復路とで移動速度を異ならせている。すなわち、超低速として、前述した超低速領域の中でも僅かに速度を異ならせた第1の超低速と第2の超低速とに区分しておき、往路で第1の超低速で移動させれば復路では第2の超低速で移動させるのである。
【0079】
このように、所定領域C内でもみ玉7,7を往復移動させるときに、往路と復路とでもみ玉7,7の移動速度を異ならせることにより、もみ玉7,7が被施療者Mに当接しない部分をより確実に無くすことが可能となる。
【0080】
また、例えば所望施療箇所Bを施療する際に、上述したように所定領域C内でもみ玉7,7を往復動作させていると、上述の「つぼ」とは異なる箇所であっても、被施療者Mが感覚的にこのポイントでマッサージを行いたいと希望することが考えられる。そこで、本実施形態の変形例として、前記リモコンRに施療箇所指定ボタンを設け、最も気持ちの良い箇所にもみ玉7,7が位置したときに前記ボタンを押下すれば、その後はその場所のみをマッサージするようにしてもよい。
【0081】
あるいは、前記所望施療箇所Bを中心とした所定領域Cの広さを設定する周辺ボタンなどを設けておき、所定領域Cとしての広さを、被施療者Mが設定可能とすることもできる。当然ながら周辺ボタンに代えて、前記十字キーS1にその機能を割り当ててもよい。
【0082】
なお、所望施療箇所Bを中心にした所定領域C内でもみ玉7,7を超低速で上下往復動作させる動作を上述した例では、もみマッサージの場合で説明したが、もみマッサージに限定されるものではなく、図10で示したマッサージ動作のストレッチ、背筋のばしを除く全てのマッサージ動作に適用することができる。
【0083】
さらに、マニュアルマッサージのみならず、自動コースにおいても、所定施療箇所をマッサージする際には、その施療箇所を挟んだ所定範囲内において、もみ玉7,7を上下方向に超低速で移動させるようにプログラムしておくこともできる。
【0084】
また、もみ玉7,7の往復移動は上下昇降のみならず、マッサージユニット11の構成によっては(具体的な構成の説明は省略)、もみ玉7,7を左右方向、すなわち背もたれ部3の幅方向への往復移動とすることもできる。あるいは、上下昇降方向と左右方向とに交互に往復移動するようにしてもよい。
【0085】
その一例を図12(b)に示す。例えば、指圧マッサージを実行する場合、図示するように、所望施療箇所B中心に、もみ玉7,7を超低速で上下・左右に往復動作させながら指圧動作を行わせるのである。なお、もみ玉7,7を左右往復移動させるだけとしても、上下及び左右いずれにも往復移動させるにしても、所望施療箇所Bの近傍(所定領域C)まで、漏れなくマッサージを実行可能とすればよい。
【0086】
上述してきた実施形態により、以下のマッサージ機が実現できる。
【0087】
背もたれ部3に配設した可動施療体(例えば、もみ玉7,7)と、この可動施療体の動作を制御する制御手段(例えば、制御部G)とを備え、前記可動施療体を所定の施療ポイントに位置させて所定の施療箇所(例えば、被施療者Mが決定したもみ玉7,7の位置に応じた施療箇所)を対象として施療動作を実行する場合、前記制御手段は、前記施療ポイントを中心とした所定領域内で前記可動施療体を低速で上下及び/又は左右に往復移動させるマッサージ機。
【0088】
上記マッサージ機において、前記制御手段(例えば、制御部G)は、前記施療箇所(例えば、被施療者Mが決定したもみ玉7,7の位置)を挟む所定範囲内(例えば、上下左右に50mm程度以内の領域)で、前記可動施療体を低速で昇降往復移動させるマッサージ機。
【0089】
上記マッサージ機において、前記可動施療体(例えば、もみ玉7)に所定の施療動作を行わせる施療用駆動源(例えば、もみ用モータm3、叩き用モータm4、バイブ用モータm6など)と、当該可動施療体を低速から高速まで変速自在に昇降移動させる昇降用駆動源(例えば、昇降用モータm1)とを備え、前記昇降用駆動源と前記施療用駆動源とを連動させて施療する場合、前記制御部(例えば、制御部G)は、前記可動施療体が施療時以外の移動最低速度よりもさらに低速で移動するように前記昇降用駆動源を制御するマッサージ機。
【0090】
上記マッサージ機において、前記可動施療体(例えば、もみ玉7)の往路と復路とで移動速度を異ならせマッサージ機。
【0091】
前記施療用駆動源として、少なくとももみ用モータm3を備えるマッサージ機。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本実施の形態に係るマッサージ機を示す斜視図である。
【図2】同マッサージ機よりクッション材などを取り除いた状態を示す斜視図である。
【図3】同マッサージ機の駆動制御系を示すブロック図である。
【図4】機械式のマッサージユニットの斜視図である。
【図5】同マッサージユニットの分解斜視図である。
【図6】同マッサージユニットの側面図である。
【図7】同マッサージユニットの昇降状態を示す説明図である。
【図8】本実施形態に係るマッサージ機の部分平断面図である。
【図9】リモコンを示す拡大正面図である。
【図10】本実施形態に係るマッサージ機が実行可能なマッサージ動作の説明図である。
【図11】マニュアルマッサージにおけるマッサージ動作選択画面の一例を示す説明図である。
【図12】もみ玉の動作状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0093】
A マッサージ機
G 制御部
M 被施療者
K 表示部
R リモコン
S 操作部
S5 個別マッサージボタン
1 座部
2 基台部
3 背もたれ部 4 脚載部
7 もみ玉
11 マッサージユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背もたれ部に配設した可動施療体と、この可動施療体の動作を制御する制御手段とを備えるマッサージ機において、
前記可動施療体を所定の施療ポイントに位置させて所定の施療箇所を対象として施療動作を実行する場合、前記制御手段は、前記施療ポイントを中心とした所定領域内で前記可動施療体を低速で上下及び/又は左右に往復移動させることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記制御手段は、前記施療箇所を挟む所定範囲内で、前記可動施療体を低速で昇降往復移動させることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記可動施療体に所定の施療動作を行わせる施療用駆動源と、当該可動施療体を低速から高速まで変速自在に昇降移動させる昇降用駆動源とを備え、前記昇降用駆動源と前記施療用駆動源とを連動させて施療する場合、前記制御部は、前記可動施療体が施療時以外の移動最低速度よりもさらに低速で移動するように前記昇降用駆動源を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記可動施療体の往路と復路とで移動速度を異ならせたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記施療用駆動源として、少なくとももみ用モータを備えることとを特徴とする請求項4記載のマッサージ機。
【請求項1】
背もたれ部に配設した可動施療体と、この可動施療体の動作を制御する制御手段とを備えるマッサージ機において、
前記可動施療体を所定の施療ポイントに位置させて所定の施療箇所を対象として施療動作を実行する場合、前記制御手段は、前記施療ポイントを中心とした所定領域内で前記可動施療体を低速で上下及び/又は左右に往復移動させることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記制御手段は、前記施療箇所を挟む所定範囲内で、前記可動施療体を低速で昇降往復移動させることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記可動施療体に所定の施療動作を行わせる施療用駆動源と、当該可動施療体を低速から高速まで変速自在に昇降移動させる昇降用駆動源とを備え、前記昇降用駆動源と前記施療用駆動源とを連動させて施療する場合、前記制御部は、前記可動施療体が施療時以外の移動最低速度よりもさらに低速で移動するように前記昇降用駆動源を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記可動施療体の往路と復路とで移動速度を異ならせたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記施療用駆動源として、少なくとももみ用モータを備えることとを特徴とする請求項4記載のマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−111419(P2007−111419A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308248(P2005−308248)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(000136491)株式会社フジ医療器 (137)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(000136491)株式会社フジ医療器 (137)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】
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