説明

マッドフラップ

【課題】空気抵抗を効果的に低減させることが可能なマッドフラップを提供する。
【解決手段】マッドフラップ11は、マッドフラップ本体21と突条31とを備える。マッドフラップ本体21は、柔軟な略矩形板状であり、車体51に対して上部が固定されて車輪55の後方で車幅方向に沿って垂下し、その前面23が車輪55に対向する。突条31は、マッドフラップ本体21の後面25に一体的に設けられ、マッドフラップ本体21の左端縁、右端縁及び下端縁のそれぞれに沿って線状に延びて後方へ突出する。左端縁及び右端縁の各突条31は、下端縁の突条の両端からそれぞれ上方へ延びる。マッドフラップ本体21の後面25からの突条31の突出高さは、マッドフラップ本体21の板厚よりも大きく設定する。マッドフラップ本体21の後面25と突条31とは、キャビティ13を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの後方に配置される泥除け用のマッドフラップに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2006−15789号公報には、車輪の後部上方に配置されたフェンダの下端にその上端が固定されるラバー製のマッドガードが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−15789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特開2006−15789号公報のマッドガードは、単なる平板状であるため、走行時に走行風がマッドガードの前方から後方へ流れるときに、マッドガードの後面側に不規則な渦が発生してしまい、後面側で負圧の圧力変動が増大することに起因して、走行風が乱れ、空気抵抗の悪化を招くおそれがある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、空気抵抗を効果的に低減させることが可能なマッドフラップの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明の第1の態様のマッドフラップは、マッドフラップ本体と突条とを備える。
【0007】
マッドフラップ本体は、柔軟な略矩形板状であり、車体に対して上部が固定されて車輪の後方で車幅方向に沿って垂下する。突条は、マッドフラップ本体の後面に一体的に設けられ、マッドフラップ本体の左端縁、右端縁及び下端縁のうち少なくとも1つの端縁に沿って線状に延びて後方へ突出する。
【0008】
マッドフラップ本体の後面からの突条の突出高さは、例えば、マッドフラップ本体の板厚よりも大きく設定する。
【0009】
上記構成では、マッドフラップ本体の左端縁と右端縁と下端縁とのうち少なくとも1つの端縁の後面には、その端縁に沿って線状に延びて後方へ突出する突条が設けられている。このため、車両の走行時において、マッドフラップ本体の突条が設けられた端縁の近傍を前方から後方へ流れる走行風は、突条の基端側から先端側へ向かって突条に沿って流れ、マッドフラップ本体の後面の後方へ円滑に案内されて、マッドフラップ本体の後面の後方で安定した渦を発生させる。従って、マッドフラップの後面側での負圧の圧力変動が抑制され、空気抵抗を低減させることができる。
【0010】
また、突条が端縁の変形を抑えるため、車両の走行中のマッドフラップのばたつきの発生が抑制される。従って、空気抵抗を低減させることができるとともに、泥除け機能を向上させることができる。
【0011】
また、本発明の第2の態様のマッドフラップは、マッドフラップ本体と突条とを備える。
【0012】
マッドフラップ本体は、柔軟な略矩形板状であり、車体に対して上部が固定されて車輪の後方で前後に複数配置され、車幅方向に沿って垂下する。突条は、前後複数のマッドフラップ本体のうち少なくとも一つのマッドフラップ本体の後面に一体的に設けられ、マッドフラップ本体の左端縁、右端縁及び下端縁のうち少なくとも1つの端縁に沿って線状に延びて後方へ突出する。
【0013】
マッドフラップ本体の後面からの突条の突出高さは、例えば、マッドフラップ本体の板厚よりも大きく設定する。
【0014】
上記構成では、前後複数のマッドフラップ本体のうち少なくとも一つのマッドフラップ本体には、左端縁と右端縁と下端縁とのうち少なくとも1つの端縁の後面に、その端縁に沿って線状に延びて後方へ突出する突条が設けられている。このため、上記第1の態様と同様に、車両の走行時において、突条が設けられたマッドフラップ本体の端縁の近傍を前方から後方へ流れる走行風は、突条の基端側から先端側へ向かって突条に沿って流れ、マッドフラップ本体の後面の後方へ円滑に案内されて、マッドフラップ本体の後面の後方で安定した渦を発生させる。従って、突条を備えたマッドフラップの後面側での負圧の圧力変動が抑制され、空気抵抗を低減させることができる。
【0015】
また、突条が端縁の変形を抑えるため、車両の走行中に突条を備えたマッドフラップのばたつきの発生が抑制される。従って、空気抵抗を低減させることができるとともに、泥除け機能を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の第3の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様のマッドフラップであって、突条は、左端縁、右端縁及び下端縁のそれぞれに沿って設けられ、左端縁及び右端縁の各突条は、下端縁の突条の両端からそれぞれ上方へ延びる。
【0017】
上記構成では、マッドフラップ本体のうち変形可能な部分の後面の略全域の周囲が突条によって囲まれ、後面と突条とがキャビティを形成する。このため、車両の走行時にマッドフラップの前方から後方へ流れる走行風は、マッドフラップ本体の後面全縁で後方へ円滑に案内されて、マッドフラップ本体の後面の広い範囲の後方において安定した渦を発生させる。従って、マッドフラップの後面側での負圧の圧力変動が大きく抑制され、空気抵抗を顕著に低減させることができる。
【0018】
また、左端縁、右端縁及び下端縁に設けられた突条によってマッドフラップ本体全体の変形が抑えられ、走行中のマッドフラップのばたつきの発生が確実に抑制される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、空気抵抗を効果的に低減させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0021】
図1は第1の実施形態に係るマッドフラップを備えた車両の要部斜視図であり、図2は図1の車両の走行風を示す側視図であり、図3は図1の車両のマッドフラップの走行風を示す斜視図であり、図4は図3のマッドフラップの矢印IV-IV方向視の走行風の流れを示す断面平面図であり、図5はマッドフラップを備えた所定の車両モデルの実験における空気抵抗係数の比較を示す実験結果である。また、図8は平板状のマッドフラップを備えた車両の走行風の流れを示す断面平面図である。なお、以下、前及び後とは、車両の進行方向の前方及び後方をいう。また、図中、矢印UPは上方向を、矢印FRは車両前方をそれぞれ示す。
【0022】
図1及び図2示すように、本実施形態に係るマッドフラップ11は、車両50の左右の車輪(タイヤ)55の後方にそれぞれ配置される。
【0023】
図1及び図2に示すように、車両50は、キャブオーバートラックであり、車体51と車輪55とを有する。車体51はフェンダー52を有する。フェンダー52は、側面視で下方に広く開口する略U字状部材であり、左右の車輪55の上方に配置される。
【0024】
図1〜図4に示すように、マッドフラップ11は、マッドフラップ本体21と突条31とを備える。マッドフラップ本体21は、ゴム製の柔軟な略矩形板状であり、車体51の左右のフェンダー52の後端部に、細板状の抑え板53に挟まれた状態で上端部がネジによって固定され、左右の車輪55の後方でそれぞれ車幅方向に沿って垂下し、その前面23がそれぞれ左右の車輪55に対向する。突条31は、左右のマッドフラップ本体21の後面25にそれぞれ一体的に形成され、マッドフラップ本体21の左端縁、右端縁及び下端縁のそれぞれに沿って線状に延びて後方へ突出する。左端縁及び右端縁の各突条31は、下端縁の突条31の両端からそれぞれ上方へ延びる。マッドフラップ本体21の後面25からの突条31の突出高さは、マッドフラップ本体21の板厚よりも大きく設定されている。マッドフラップ本体21の後面25と突条31とは、前方へ凹んだキャビティ13を形成する。マッドフラップ11は、車輪55から撥ね上げられた泥水などがマッドフラップ本体21の前面23に当たる。
【0025】
図5は、キャブオーバートラックの縮尺車両モデルに平板状のマッドフラップを設けた模型と、キャビティを有するマッドフラップを設けた模型とを用いて風洞実験を行い、マッドフラップ周辺における空気抵抗係数をそれぞれ測定した結果である。同図に示すように、キャビティを有するマッドフラップを設けた車両モデルの空気抵抗係数は、平板状のマッドフラップを設けた車両モデルの空気抵抗係数の0.99918倍であり、キャビティ形状によって空気抵抗係数が低減していることが判る。
【0026】
以上説明したように、第1の実施形態では、マッドフラップ本体21の前面23が車輪55に対向するため、車両50の走行時に車輪55によって撥ね上げられた泥水などが、マッドフラップ本体21の前面23に当たり、車両50及び後方走行中の他車両などへの汚損を防ぐことができる。
【0027】
また、マッドフラップ本体21のうち変形可能な部分の後面25の略全域の周囲が突条31によって囲まれ、後面25と突条31とがキャビティ13を形成する。このため、図8に示す平板状のマッドフラップの前方から後方へ流れる走行風と比較して、図4に示すマッドフラップ11の前方から後方へ流れる走行風は、マッドフラップ本体21の後面25全縁で後方へ円滑に案内されて、マッドフラップ本体21の後面25の広い範囲の後方において安定した渦を発生させる。従って、マッドフラップ11の後面側での負圧の圧力変動が大きく抑制され、空気抵抗を顕著に低減させることができる。
【0028】
また、左端縁、右端縁及び下端縁に設けられた突条31によってマッドフラップ本体21全体の変形が抑えられ、車両50の走行中のマッドフラップ11のばたつきの発生が確実に抑制される。従って、空気抵抗を低減させることができるとともに、泥除け機能を向上させることができる。
【0029】
また、マッドフラップ11は、車体51に対して取り付ける部材であるため、既存の車両50の車体51に対してマッドフラップ11を取り付けることによって、簡単な取り付け作業で空気抵抗の低減効果を得ることができる。
【0030】
また、マッドフラップ11によって空気抵抗の低減効果を得ることができるため、空気抵抗の低減を目的として車体51の形状を変更する場合と比較して、簡単に空気抵抗の低減効果を得ることができる。
【0031】
また、マッドフラップ11によって空気抵抗の低減効果を得ることができるため、空気抵抗の低減を目的として他の構造物を追加する場合と比較して、重量の増大を招かない。
【0032】
次に本発明の第2の実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。
【0033】
図6は第2の実施形態に係るマッドフラップを備えた車両の斜視図であり、図7は図6の車両の走行風を示す側視図である。
【0034】
図6に示すように、本実施形態では、車両60の左右の車輪55の後方にそれぞれ配置されたマッドフラップ11と、マッドフラップ11の後方にそれぞれ配置された第2のマッドフラップ12とを備える。また、第1の実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0035】
図6に示すように、車両60は、コンテナトレーラートラックであり、車体51とフェンダー52と車輪55とを有する。
【0036】
図6及び図7に示すように、第2のマッドフラップ12は、マッドフラップ11と対向し、マッドフラップ本体22と突条32とを備える。マッドフラップ本体22は、マッドフラップ本体21よりも上下方向に長いゴム製の柔軟な略矩形板状であり、マッドフラップ本体21の後方で、上端部が車体51に固定され、車輪55の後方でそれぞれ車幅方向に沿って垂下し、下端がマッドフラップ11の下端よりも低い位置に設定され、その前面24の下部がそれぞれ左右の車輪55の下部と対向する。突条32は、左右のマッドフラップ本体22の後面26にそれぞれ一体的に形成され、マッドフラップ本体22の左端縁、右端縁及び下端縁のそれぞれに沿って線状に延びて後方へ突出する。左端縁及び右端縁の各突条32は、下端縁の突条32の両端からそれぞれ上方へ延びる。マッドフラップ本体22の後面26からの突条32の突出高さは、マッドフラップ本体22の板厚よりも大きく設定されている。マッドフラップ本体22の後面26と突条32とは、マッドフラップ11のキャビティ13と同様の前方に凹んだキャビティ14を形成する。第2のマッドフラップ12は、路面に対して小さい角度で車輪55から撥ね上げられてマッドフラップ11の下方を通過した泥水などがマッドフラップ本体22の前面24に当たる。
【0037】
なお、本実施形態では、車輪55の後方で前後に二枚のマッドフラップを配置したが、車輪55の後方で前後に三枚以上のマッドフラップを配置してもよい。
【0038】
以上説明したように、本実施形態では、マッドフラップ本体21,22の前面23,24が車輪55に対向するため、車両60の走行時に車輪55によって撥ね上げられた泥水などが、マッドフラップ本体21,22の前面23,24に当たり、車両60及び後方走行中の他車両などへの汚損を防ぐことができる。
【0039】
また、マッドフラップ本体21,22のうち変形可能な部分の後面25,26の略全域の周囲がそれぞれ突条31,32によって囲まれ、後面25及び突条31と、後面26及び突条32とがそれぞれキャビティ13,14を形成する。このため、車両60の走行時にマッドフラップ11の前方から第2のマッドフラップ12の後方へ流れる走行風は、マッドフラップ本体21,22の後面25,26全縁でそれぞれ後方へ円滑に案内されて、マッドフラップ本体21,22の後面25,26それぞれの広い範囲の後方において安定した渦を発生させる。従って、マッドフラップ11及び第2のマッドフラップ12それぞれの後面側での負圧の圧力変動が大きく抑制され、空気抵抗を顕著に低減させることができる。
【0040】
また、左端縁、右端縁及び下端縁に設けられた突条31,32によってそれぞれマッドフラップ本体21,22全体の変形が抑えられ、車両60の走行中のマッドフラップ11及び第2のマッドフラップ12のばたつきの発生が確実に抑制される。従って、空気抵抗を低減させることができるとともに、泥除け機能を向上させることができる。
【0041】
また、マッドフラップ11,第2のマッドフラップ12は、車体51に対して取り付ける部材であるため、既存の車両60の車体51に対してマッドフラップ11,第2のマッドフラップ12を取り付けることによって、簡単な取り付け作業で空気抵抗の低減効果を得ることができる。
【0042】
また、マッドフラップ11,第2のマッドフラップ12によって空気抵抗の低減効果を得ることができるため、空気抵抗の低減を目的として車体51の形状を変更する場合と比較して、簡単に空気抵抗の低減効果を得ることができる。
【0043】
また、マッドフラップ11,第2のマッドフラップ12によって空気抵抗の低減効果を得ることができるため、空気抵抗の低減を目的として他の構造物を追加する場合と比較して、重量の増大を招かない。
【0044】
また、突条31,32は、それぞれマッドフラップ本体21,22に一体的に形成されたゴム製であるため、例えばマッドフラップ本体21,22の後面25,26からの突出高さをマッドフラップ本体21,22の板厚と同じ程度に設定することにより、車両60の重量の増大を招くことなく、空気抵抗を低減させることができるとともに、泥除け機能を向上させることができる。
【0045】
なお、上記第1の実施形態ではマッドフラップ本体21の左端縁、右端縁及び上端縁のすべての端縁に沿って突条31を設け、上記第2の実施形態では、マッドフラップ本体21,22の左端縁、右端縁及び上端縁のすべての端縁に沿って突条31(及び突条32)を設けたが、これに限らず、上記第1の実施形態(又は第2の実施形態)において設けられるマッドフラップ本体21(及びマッドフラップ本体22)の左端縁と右端縁と下端縁とのうち、マッドフラップ本体21(及びマッドフラップ本体22それぞれ)の少なくとも1つの端縁の後面25(及び後面26)に、その端縁に沿って線状に延びて後方へ突出する突条31(及び突条32)を設けてもよい。
【0046】
このように、マッドフラップ本体21(及びマッドフラップ本体22)の左端縁と右端縁と下端縁とのうち、マッドフラップ本体21(及びマッドフラップ本体22それぞれ)の少なくとも1つの端縁に突条31(及び突条32)を設けた場合には、車両50(又は車両60)の走行時において、マッドフラップ本体21(及びマッドフラップ本体22)の突条31(及び突条32)が設けられた端縁の近傍を前方から後方へ流れる走行風は、突条31(及び突条32)の基端側から先端側へ向かって突条31(及び突条32)に沿って流れ、マッドフラップ本体21(及びマッドフラップ本体22)の後面25(及び後面26)の後方へ円滑に案内されて、マッドフラップ本体21(及びマッドフラップ本体22)の後面25(及び後面26)の後方で安定した渦を発生させる。従って、マッドフラップ11(及び第2のマッドフラップ12)の後面側での負圧の圧力変動が抑制され、空気抵抗を低減させることができる。
【0047】
また、マッドフラップ本体21(及びマッドフラップ本体22)の左端縁と右端縁と下端縁とのうち、マッドフラップ本体21(及びマッドフラップ本体22)の少なくとも1つの端縁に突条31(及び突条32)を設けた場合には、突条31(及び突条32)が端縁の変形を抑えるため、車両50(又は車両60の)走行中のマッドフラップ11(及び第2のマッドフラップ12)のばたつきの発生が抑制される。従って、空気抵抗を低減させることができるとともに、泥除け機能を向上させることができる。
【0048】
また、上記第1の実施形態のマッドフラップ11と、上記第2の実施形態のマッドフラップ11及び第2のマッドフラップ12とは、ゴム製であるがこれに限らず、柔軟な合成樹脂製などであってもよい。
【0049】
また、上記第1の実施形態のマッドフラップ本体21及び、上記第2の実施形態のマッドフラップ本体21,22の各端縁が略直線状であり、各突条31,32が各端縁に沿って略直線状に延びるが、これに限らず、マッドフラップ本体11,12の下端縁が波状曲線に形成されているなど、マッドフラップ本体11,12が一部変形した略矩形状を有する場合には、係る端縁の形状に沿って線状に延びた突条31,32を設けてもよい。
【0050】
また、上記第2の実施形態では、前後複数のマッドフラップ本体21,22のいずれにも突条13,14を設けたが、これに限らず、マッドフラップ本体21には突状13を設けるとともにマッドフラップ本体22には突条14を設けずに第2のマッドフラップ12を平板状にしてもよく、また、マッドフラップ本体22には突状14を設けるとともにマッドフラップ本体21には突条13を設けずにマッドフラップ11を平板状にしてもよい。
【0051】
また、上記第1の実施形態ではマッドフラップ11をキャブオーバートラックに設け、上記第2の実施形態ではマッドフラップ11及び第2のマッドフラップ12をコンテナトレーラートラックに設けたが、本発明に係るマッドフラップを設ける車種は上記車種に限定されるものではなく、乗用車や二輪車などであってもよい。このとき、異なる車種であっても車高や車輪の大きさなどが近似する場合は、当該車両間で同一形状のマッドフラップを共通して使用することができる。
【0052】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の実施形態に係るマッドフラップを備えた車両の要部斜視図である。
【図2】図1の車両の走行風を示す側視図である。
【図3】図1の車両のマッドフラップの走行風を示す斜視図である。
【図4】図3のマッドフラップの矢印IV-IV方向視の走行風の流れを示す断面平面図である。
【図5】マッドフラップを備えた所定の車両モデルの実験における空気抵抗係数の比較を示す実験結果である。
【図6】第2の実施形態に係るマッドフラップを備えた車両の斜視図である。
【図7】図6の車両の走行風を示す側視図である。
【図8】平板状のマッドフラップを備えた車両の走行風の流れを示す断面平面図である。
【符号の説明】
【0054】
11:マッドフラップ
12:第2のマッドフラップ
21,22:マッドフラップ本体
23,24:前面
25,26:後面
31,32:突条
50,60:車両
51:車体
55:車輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に対して上部が固定されて車輪の後方で車幅方向に沿って垂下する略矩形板状の柔軟なマッドフラップ本体と、
前記マッドフラップ本体の後面に一体的に設けられ、当該マッドフラップ本体の左端縁、右端縁及び下端縁のうち少なくとも1つの端縁に沿って線状に延びて後方へ突出する突条と、を備えた
ことを特徴とするマッドフラップ。
【請求項2】
車体に対して上部が固定されて車輪の後方で前後に複数配置され、車幅方向に沿って垂下する略矩形板状の柔軟なマッドフラップ本体と、
前記前後複数のマッドフラップ本体のうち少なくとも一つのマッドフラップ本体の後面に一体的に設けられ、当該マッドフラップ本体の左端縁、右端縁及び下端縁のうち少なくとも1つの端縁に沿って線状に延びて後方へ突出する突条と、を備えた
ことを特徴とするマッドフラップ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のマッドフラップであって、
前記突条は、前記左端縁、前記右端縁及び前記下端縁のそれぞれに沿って設けられ、
前記左端縁及び前記右端縁の前記各突条は、前記下端縁の前記突条の両端からそれぞれ上方へ延びている
ことを特徴とするマッドフラップ。
【請求項4】
請求項1〜請求項3に記載のマッドフラップであって、
前記マッドフラップ本体の後面からの前記突条の突出高さは、当該マッドフラップ本体の板厚よりも大きく設定されている
ことを特徴とするマッドフラップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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