説明

マルチキャストチャネル制御情報

本発明は、スケジュール情報および1以上のマルチキャストサービスに属するデータを搬送するマルチキャストチャネルの送信を設定するための技術に関する。なお、スケジュール情報はマルチキャストチャネルにマッピングされたマルチキャストサービスのスケジュールを示すものである。方法の実施形態は、マルチキャストチャネル上のスケジュール情報の送信をスケジュール情報固有送信要件に基づいて設定する(404)とともに、1つ以上のマルチキャストサービスに属するデータの送信をサービス固有送信要件に基づいて設定する(404)ステップと、スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件を通知する(406)ステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、コンテンツデータのマルチキャスト/ブロードキャスト送信の分野に関する。より具体的には、本発明は、スケジュール情報を搬送するマルチキャスト/ブロードキャストチャネルの送信およびマルチキャスト/ブロードキャストサービスの1つ以上に属するデータを設定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)は、アプリケーションレイヤ上で異なるレベルの搬送ブロック誤り率(BLER)に対処可能な様々なサービスを提供することになっている。例示的なサービスとしては、ダウンロードサービス、オーディオ/ビデオストリーミング、およびメッセージングがある。ダウンロードサービスようなサービスは、高位通信レイヤで誤り訂正符号化が行われることで、10%のオーダまたはもっと高い比較的高いBLERを許容する。
【0003】
例えば、一部のダウンロードサービスは20〜40%のBLERを必要とするが、オーディオ/ビデオストリーミングは通常0.1〜1%のBLERを必要とし、メッセージングもまた0.1〜1%のBLERを必要とする。すなわち、一般に、これらのBLERはそれぞれのサービスについてふさわしいものと仮定されている。例えば緊急または事故警報のような即時性が重要な(live-critical)用途では、メッセージングサービスのBLERはおそらく0.1%を十分下回るような非常に低い値であることが必要である。
【0004】
MBMSに関し、ある既知のアプローチは、異なる複数の搬送BLERを許容する複数のサービスを、異なる複数のマルチキャストチャネル(MCH)にマッピングすることである。つまり、MGMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)領域ごとに異なる変調および符号化方法(MCS)を用いる複数のMCHを設定し、各サービスを適切なMCHにマッピングすること、すなわちMBSFN領域内の複数のMCHを異なる複数のMCSを用いて設定することにより、サービス固有のBLER要件をサポートすることができる。
【0005】
この広く知られたアプローチによれば、異なるBLERを許容する異なるサービスが異なるMCHにマッピングされる。そして、各MCHは、適切なMCSをサーチすることにより、所望のBLERまたは同等の必要なサービス品質(QoS)用に設定可能になる。
【0006】
MBSFN領域内で複数のMCHが用いられる場合、MBMSサービスは違った送信をされることができる。複数のMCHを用いることにより、異なる論理チャネルに対して異なるQoS(またはMCS)を提供することができ、また、1つのMCH上の全ての論理チャネルに対するQoS(またはMCS)を同一にすることができる。つまり、同一タイプのMBSMサービスは同一MCHに多重化することができ、一方で別のタイプのサービスは、例えばMCH1はビデオサービスタイプ、MCH2はオーディオサービスタイプといったように、それらサービス自身の複数のMCHに多重化することができる。
【0007】
符号化技術、例えば動き補償により、被写体および背景がほとんど動かない(例えば、ニュースや、静止画を用いた音楽チャネル)静的ビデオコンテンツの放送は、比較的非常に低いデータレートを有するのが一般的である。一方、スポーツ放送、アクションムービー、静止画を用いない音楽ビデオのような動的ビデオコンテンツは、非常に高いデータレートを有するのが一般的である。これらビデオコンテンツ間のデータサイズの差は、所定のMBMSサービスについて、スケジュールされた期間の一部にデータが何も送信されないという状況を生み出しうる。
【0008】
例えば、スポーツチャネルおよびニュースチャネルがMBSFN領域内で同時に送信されている場合、ニュースチャネルはスポーツチャネルに対してかなり低いビットレートを有しうるので、ある期間について、ニュースチャネルの送信がスケジュールされている期間よりも短い時間で完了しうる。
【0009】
従って、各MCHが、そのMCHにマッピングされているサービスについての(動的)MCHスケジュール情報(MSI)を搬送することが望まれる。これにより、ユーザ機器(UE)は対象のサービスが送信される時だけウェイクアップし、他のサービスの送信中やサービスが送信されない際にスリープすることができる。3GPP標準化において、MSIをスケジューリングインターバルの最初の搬送ブロック(TB)で送信することが検討されている。従って、MSIが送信される無線リソース、例えばLTE(Long Term Evolution)でのサブフレームは、スケジューリングインターバルの開始時点から暗に既知である。スケジューリングインターバルは通常320msだが、サービスのバースト性(burstiness)およびスケジュールによって導入される遅延の限度に応じて、短くなることもあれば、数秒になることもある。
【0010】
例えば、MSIは個々のMCHにマッピングされたMBMSサービスの将来のスケジューリングを示すとともに、一部のスケジュール期間に所定のMBMSサービスについてのデータが送信されない箇所を示す。この目的のため、MSIはスケジューリング期間の番号(カウンタのような)によって示される情報、例えば所定のMBMSサービスを受信するためにUEがいくつのスケジュール期間待つ必要があるか、を含むことができる。
【0011】
全MBMSサービスのMSIをまとめて符号化し、全MBMSサービスについてのMSIを最初のTBにマッピングすることは、効率を高める。さらに、UEは次の(1以上の)スケジューリングインターバルのどこでウェイクアップすべきかを正確に知っている。UEは、最初のTBで搬送されるサービスに興味がない場合であっても、スケジューリングブロックを含むサブフレームについて余分にウェイクアップすれば足りる。
【0012】
MCHは、自身が搬送するサービスのQoS要件に従って設定される。しかし、MSIを復号できないUEは少なくとも以下の問題に直面することになるため、MSIを含んだ(1つ以上の)TBは、低いBLERを有する必要がある。MSIを復号できないUEは、よく考えられたスケジューリングインターバル内で、意図するサービスのTBを全く受信できず、QoSが低下する。あるいは、意図されたサービスの開始を検出するためにUEはスケジューリングインターバルの始めから意図するサービスのTBセグメントが始まるまで、全てのTBを読まなくてはならず、UEの電池消費が増加する。
【発明の概要】
【0013】
従って、ブロードキャスト/マルチキャストサービス送信を設定するための、改善され、より効率的な技術の提供に対する必要性が存在する。
【0014】
第1の見地によれば、スケジュール情報と1つ以上のマルチキャストサービスに属するデータとを搬送するマルチキャストチャネルの送信を設定するための方法が提供される。スケジュール情報は、マルチキャストチャネルにマッピングされたマルチキャストサービスのスケジュールを示す。方法は、マルチキャストチャネル上のスケジュール情報の送信をスケジュール情報固有送信要件に基づいて設定するとともに、1つ以上のマルチキャストサービスに属するデータの送信をサービス固有送信要件に基づいて設定するステップと、スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件を通知するステップと、を有する。
【0015】
マルチキャストサービスはマルチキャストサービスのみならず、ブロードキャストサービスや、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)のようなブロードキャスト/マルチキャストサービスの組み合わせであってよい。マルチキャストサービスがMBMS仕様に準拠する場合、マルチキャストチャネルはマルチキャストチャネル(MCH)であってよく、スケジュール情報はMCHスケジュール情報(MSI)であってよい。MSIについて用いられる別の用語は動的スケジュール情報(DIS)である。スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件は互いに異なっていてもよく、また例えばeNodeB(eNB)やマルチセル/マルチキャストコーディネーションエンティテイ(MCE)のようなネットワークノードから、例えばMBMS対応ユーザ機器(UE)やMBMS対応LTE UEのような(移動体)端末機器に通知されてよい。
【0016】
LTE MBMSにおけるMCHについてのMSIが、このMCHのMCHサブフレーム割り当ての特定の(1つ以上の)サブフレームで送信され、このMCHの残りのサブフレームが1以上のMBMSサービスに属するデータの送信に用いられること、またMSIについての送信要件(例えばサービス品質(QoS)要件)が(1以上の)MBMSサービスについての送信要件と大きく異なりうることを考慮し、MSIの送信に用いられる(1以上の)サブフレームに対しては、MCHの残りのサブフレームとは異なる送信要件またはQoS(例えば変調および符号化方法(MCS))を用いることが提案される。MSIについての送信要件(例えばQoS要件)は、MSIについて望ましい、低いBLERが実現されるように設定されてよい。
【0017】
「MSIの送信に用いられる(1以上の)サブフレームに対する、MCHの残りのサブフレームとは異なる送信要件またはQoS(例えばMCS)」という文脈における、「異なる」という語は、MSIについての送信要件またはQoSと、1以上のMBMSサービスに属するデータについての送信要件またはQoSとが異なる値であってもよいことを意味し、異なる値であることを必ずしも要件としない。しかし、MSIとデータについてのQoSは同じ値または要件であってもよい。「異なる」という語は、「異なる値」ではなく、「別個」または「独立」という意味で解されなければならない。「別個」という語は、MSI固有送信要件およびサービス固有送信要件が、「別個の(異なる)信号で」という意味で、別個に通知されてもよいが、その意味に限定されない。MSI固有送信要件およびサービス固有送信要件は、同一チャネル上、例えば同報制御チャネル(BCCH)やマルチキャスト制御チャネル(MCCH)上で通知されてもよい。
【0018】
上述した文脈において、「異なる」そして「別個」という語は、1以上のマルチキャストサービス(例えばMBMSサービス)に属するデータと、スケジュール情報(例えばMSI)とで、別個の送信要件が用いられること、すなわち、スケジュール情報の送信を設定するためにスケジュール情報固有送信要件が用いられ、1以上のマルチキャストサービスに属するデータの送信を設定するためにサービス固有送信要件が用いられることのみを要件とする。
【0019】
上述の方法はさらに、1以上のスケジュール情報固有QoS特性に関するスケジュール情報固有QoS値と、1以上のサービス固有QoS特性に関するサービス固有QoS値とを決定するステップをさらに有してよい。例えば、スケジュール情報固有QoS値はスケジュール情報固有BLERを有し、サービス固有QoS値はサービス固有BLERを有する。スケジュール情報固有BLERは、サービス固有BLERと異なっても等しくてもよい。スケジュール情報固有QoS値およびサービス固有QoS値に応じて、スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件がそれぞれ決定または選択されてよい。
【0020】
スケジュール情報固有QoS値がサービス固有QoS値と異なる場合、スケジュール情報固有送信要件はスケジュール情報固有QoS値に基づいて選択されてよい。すなわち、サービス固有送信要件は、サービス固有QoS値に基づいて選択されてよい。このようにして、1以上のマルチキャストサービスに属するデータに用いられるものと(値が異なるという意味において)異なる送信要件を、スケジュール情報に用いることができる。例えば、1以上のマルチキャストサービスに属するデータに用いられるものより低いBLERを有する送信要件を、スケジュール情報に用いることができる。これにより、スケジュール情報を受信する移動端末によってスケジュール情報を正しく復号できることを確実にする。
【0021】
スケジュール情報固有QoS値がサービス固有QoS値と等しい場合、スケジュール情報固有送信要件とサービス固有送信要件とに共通する送信要件が選択されてよい。
【0022】
第1の変形例によれば、マルチキャストサービスがMBMS規格に準拠する場合、各MBMSサービスのデータは個々のMBMSトラフィックチャネル(MTCH)上で搬送されてよく、また1以上のMTCHがMCHに多重化されてよい。1以上のMTCHがMSIと1つの搬送ブロック(TB)上に多重化される場合、MCHは2つのデータサブセット、すなわちTB上にMSIと多重化される第1データサブセットと、TB上にMSIと多重化されない残りのデータの第2データサブセットを含む。
【0023】
この第1の変形例によれば、MSIおよびTB上にMSIと多重化される1以上のMTCHの両方、すなわちMSIと第1データサブセットの両方について、1つの送信要件がMSI固有送信要件およびサービス固有送信要件として選択されてよい。その後、サービス固有送信要件が、TB上にMSIと多重化されない残りの(1以上の)MTCH、すなわち第2データサブセットについて選択されてよい。この変形例によれば、TB上にMSIと多重化される(1以上の)MTCHと、MCHに多重化される残りの(1以上の)MTCHとについて、別個の送信要件が選択される。(一方がMSIおよび第1データサブセット、他方が第2データサブセットについての)別個の送信要件は、異なっていても同じであってもよい。
【0024】
1つの送信要件はMSI固有送信要件(第1実施例)または、MSI固有送信要件およびTB上にMSIと多重化される1以上のMTCHのサービス固有送信要件よりもロバストな送信要件であってよい(第2実施例)。
【0025】
マルチキャストサービスがMBMS規格に準拠する場合、MCCHはさらに1以上のMTCHとともにMCHに多重化される。
【0026】
第1の変形例と組み合わされてもされなくてもよい第2の変形例によれば、方法は複数のマルチキャストチャネル、例えば複数のMCHについて実行されてよい。この場合、複数のマルチキャストチャネルの各々について異なるサービス固有送信要件が用いられてよく、複数のマルチキャストチャネルの各々、あるいは少なくとも2つ以上について同じスケジュール情報固有送信要件が用いられてよい。
【0027】
第2の見地によれば、スケジュール情報と1つ以上のマルチキャストサービスに属するデータとを搬送するマルチキャストチャネルを復号するための方法が提供される。スケジュール情報は、マルチキャストチャネルにマッピングされたマルチキャストサービスのスケジュールを示す。方法は、スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件を決定するステップと、スケジュール情報固有送信要件に基づいてスケジュール情報を復号するとともに、サービス固有送信要件に基づいて1以上のマルチキャストサービスに属するデータを復号するステップとを有する。このようにして、スケジュール情報と、1以上のマルチキャストサービスに属するデータとの、別個の送信要件が実現できる。
【0028】
スケジュール情報固有送信要件は、ネットワークノード、例えばeNodeB(eNB)から(移動体)端末機器、例えばユーザ機器(UE)が受信した信号から、端末機器によって決定されてよい。
【0029】
第2の見地の第1の変形例によれば、マルチキャストチャネルはマルチキャストチャネル(MCH)であってよく、スケジュール情報はMCHスケジュール情報(MSI)であってよく、マルチキャストサービスはマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)規格に準拠してよい。MSI固有送信要件およびサービス固有送信要件は、ネットワークノードから端末機器に通知されてよい同報制御チャネル(BCCH)またはマルチキャスト制御チャネル(MCCH)から、(端末機器によって)判定されてよい。
【0030】
別個のスケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件は、異なっていても等しくてもよい。
【0031】
スケジュール情報固有送信要件がサービス固有送信要件と異なる場合、(ネットワークノードから端末機器が受信した)スケジュール情報は、スケジュール情報固有送信要件に基づいて復号されてよく、また(ネットワークノードから端末機器が受信した)1以上のマルチキャストサービスに属するデータは、サービス固有送信要件に基づいて復号されてよい。
【0032】
スケジュール情報固有送信要件がサービス固有送信要件と等しい場合、スケジュール情報および1以上のマルチキャストサービスに属するデータは、共通の送信要件に基づいて復号されてよい。共通の送信要件は、スケジュール情報固有送信要件またはサービス固有送信要件であるか、スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件よりもロバストなものであってよい。
【0033】
第2の見地の第1の変形例よれば、マルチキャストチャネルはマルチキャストチャネル(MCH)であってよく、スケジュール情報はMCHスケジュール情報(MSI)であってよく、マルチキャストサービスはマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)規格に準拠してよく、各MBMSサービスのデータは個々のMBMSトラフィックチャネル(MTCH)上で搬送されてよく、1以上のMTCHがMCHに多重化されてよい。
【0034】
1以上のMTCHがMSIと搬送ブロック(TB)上に多重化される場合、MSIおよび、TB上にMSIと多重化される1以上のMTCHは、MSI固有送信要件に基づいて復号化されてよく、あるいはMSIおよび、TB上にMSIと多重化される1以上のMTCHは、MSI固有送信要件およびMSIとTB上に多重化される1以上のMTCHのサービス固有送信要件よりもロバストな送信要件に基づいて復号されてよい。MSIおよび関連する(1以上の)MTCHの復号とは独立して、MCHの残りの(1以上の)MTCHはサービス固有送信要件に基づいて復号されてよい。
【0035】
第2の見地の第1の変形例と組み合わせても組み合わせなくてもよい第2の見地の第2の変形例によれば、スケジュール情報固有送信要件はスケジュール情報の再送信回数を指定するパラメータを有してよい。あるいは、又はさらに、スケジュール情報固有送信要件は、スケジュール情報についての変調および符号化方法(MCS)を有してもよい。同様に、サービス固有送信要件は、1以上のマルチキャストサービスに属するデータの再送信回数を指定するパラメータを有してもよい。あるいは、又はさらに、サービス固有送信要件は、1以上のマルチキャストサービスに属するデータについてのMCSを有してもよい。
【0036】
さらなる見地によれば、コンピュータプログラム製品が1以上のコンピュータ機器で実行された際に、ここで説明する方法の見地のいずれか1つのステップを実行するためのプログラムコード部分を有するコンピュータプログラム製品が提案される。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されてよい。
【0037】
さらに別の見地によれば、スケジュール情報および1つ以上のマルチキャストサービスに属するデータを搬送するマルチキャストチャネルの送信を設定するためのネットワークノードが提供される。スケジュール情報は、マルチキャストチャネルにマッピングされたマルチキャストサービスのスケジュールを示す。ネットワークノードは、マルチキャストチャネル上のスケジュール情報の送信をスケジュール情報固有送信要件に基づいて設定するとともに、1つ以上のマルチキャストサービスに属するデータの送信をサービス固有送信要件に基づいて設定する手段と、スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件を通知する手段と、を有する。
【0038】
ネットワークノードは、LTE(Long Term Evolution)規格に従ったeNodeB(eNB)またはマルチセル/マルチキャストコーディネーションエンティテイ(MCE)であってよい。
【0039】
さらにべつの見地によれば、スケジュール情報と1つ以上のマルチキャストサービスに属するデータとを搬送するマルチキャストチャネルを復号するための端末機器が提供される。スケジュール情報は、マルチキャストチャネルにマッピングされたマルチキャストサービスのスケジュールを示す。端末機器は、スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件を決定する手段と、スケジュール情報固有送信要件に基づいてスケジュール情報を復号するとともに、サービス固有送信要件に基づいて1以上のマルチキャストサービスに属するデータを復号する手段とを有する。
【0040】
移動端末はマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)対応のユーザ機器(UE)またはMBMS対応のLTE UEであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係るネットワークノードおよび端末機器の模式図である。
【図2】図1に示したネットワークノードの模式図である。
【図3】図1に示した端末機器の模式図である。
【図4】図1および図2に示したネットワークノードで実施される、方法の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図5】図1および図2に示したネットワークノードで実施される、方法の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図6】図1および図3に示した端末機器で実施される、方法の第3実施形態を示すフローチャートである。
【図7】図2および図3に示した端末機器で実施される、方法の第4実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図示された例示的な実施形態に関して本発明をさらに説明する。
以下の説明においては、本発明の完全な理解を提供するため、限定ではなく説明を目的として、特定のネットワークノードを含んだ特定のネットワークトポロジのような具体的な詳細が説明される。本技術分野の当業者には、本発明がそれら具体的な詳細とは離れた他の実施形態において実施されうることが明らかであろう。例えば、当業者は、本発明が本発明を説明するために以下で説明される3GPP MBMSとは異なるマルチキャスト/ブロードキャストの仕組みを用いて実施されてもよいことを理解するであろう。また、本発明は、移動ユーザまたは固定ユーザがアタッチすることのできる任意のネットワークにおいて実施されうる。例えば、本発明はセルラネットワーク以外にも、WLAN、ブルートゥース(登録商標)、DVBまたは同様の無線ネットワークはもちろん、例えば、いくつか/多数の子会社を有する企業のイントラネットやインターネットのような有線ネットワークに対しても適用可能である。
【0043】
さらに、本技術分野に属する当業者は、以下に説明する機能が、個々のハードウェア回路を用いて、プログラムされたマイクロプロセッサ又は汎用コンピュータとともにソフトウェア機能を用いて、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または、1つ以上のディジタルシグナルプロセッサ(DSP)を用いて実施されてよいことを理解するであろう。本発明が方法として説明される場合、コンピュータプロセッサおよびプロセッサに接続されたメモリにおいても実施可能であることが理解されよう。なおメモリには、プロセッサによって実行された際に、ここで説明する方法を実行するための1つ以上のプログラムがエンコードされている。
【0044】
以下に説明する例示的な実施形態はマルチキャストサービスおよびマルチキャスト送信に基づくが、ブロードキャスト送信に基づくポイントツーマルチポイント(PTM)技術もまた使用できることを当業者は理解するであろう。
【0045】
図1に関して、ネットワークノード100および端末機器110が図示されている。ネットワークノード100は、eNodeB(eNB)またはMBMSサービスを提供するMBMS提供ネットワーク内のマルチセル/マルチキャストコーディネーションエンティティ(MCE)を例示的に有してよい。また、端末機器(ユーザ機器)100は、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービスにアクセス可能なユーザ機器(UE)を例示的に有してもよい。図1に模式的に示されるように、ネットワークノード100はユニット101を有し、ユーザ端末110はユニット111を有する。ネットワークノード100のユニット101は図4および図5における第1および第2実施形態(アルゴリズム)を実行するように構成される。ユーザ端末110のユニット111は図6および図7に示される方法の第3および第4実施形態(アルゴリズム)を実行するように構成される。ネットワークノード100はユーザ機器110と通信するためのアンテナ102を有する。同様に、ユーザ機器110はネットワークノードと通信するためのアンテナ112を有する。
【0046】
図2に、図1のネットワークノード100を(依然として模式的ではあるが)より詳細に図示した。図2に示すように、図4および図5に示される方法の第1および第2実施形態をそれぞれ実行するためのユニット101は、互いに接続された設定部104および通知部106を有する。設定部104および通知部106の動作は、図4および図5に関して後述する。
【0047】
図3に、図1のユーザ機器110を(依然として模式的ではあるが)より詳細に図示した。図3に示すように、図6および図7に示される方法の第3および第4実施形態をそれぞれ実行するためのユニット111は、互いに接続された判定部114および復号部116を有する。判定部114および復号部116の動作は、図6および図7に関して後述する。
【0048】
図4を参照して、ネットワークノード100、より具体的にはネットワーク100のユニット101で実施される方法の第1の実施形態を説明する。方法の第1の実施形態はステップ404および406を有する必要がある。ステップ404および406に加え、付加的なステップ402が提供されてもよい。
【0049】
ステップ402で、スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件が決定されてよい。この目的のため、スケジュール情報固有サービス品質(QoS)値およびサービス固有送信QoS値が設定部104またはネットワーク100の決定部(不図示)で決定されてよい。これに関連して、スケジュール情報固有QoS値は、スケジュール情報固有ブロック誤り率(BLER)、すなわちマルチキャストチャネル(MCH)スケジュール情報(MSI)が要求するBLERを示す情報を有する。それに従って、サービス固有QoS値はサービス固有ブロック誤り率(BLER)、すなわちMCHに多重化される1以上のマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)上で搬送されるデータが要求するBLERを示す情報を有する。ステップ402で、スケジュール情報固有QoS値に基づいてスケジュール情報固有送信要件が決定され、サービス固有QoS値に基づいてサービス固有送信要件が決定される。
【0050】
スケジュール情報固有送信要件は、スケジュール情報について必要なBLERに応じて適切なスケジュール情報固有変調および符号化方法(MCS)が選択されるように決定されてよく、またサービス固有送信要件は、MCHにマッピングされる(1以上の)サービスの各々に必要なBLERに応じて適切なサービス固有MCSが選択されるように決定されてよい。
【0051】
ステップ404において、MSIの送信がスケジュール情報固有送信要件に基づき設定部104によって設定され、(1以上の)MTCHの送信がサービス固有送信要件に基づき設定部104によって設定される。スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件は、ステップ402で予め決定されていてもよいし、設定部104によって決定されていてもよい。
【0052】
上述の通り、適切なスケジュール情報固有MCSおよび適切なサービス固有MCSが選択されてよい。選択されたスケジュール情報固有MCSに応じて、送信のためにスケジュール情報は符号化ならびに設定されてよい。同様に、送信のために、データはサービス固有MCSに基づいて符号化および設定されてよい。
【0053】
ともあれ、スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件は、設定部104および通知部106によって提供される。
【0054】
そしてステップ406で通知部106は、スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件をユーザ機器110に通知する。通知部106は例えばスケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件をマルチキャスト制御チャネル(MCCH)上で、アンテナ102を通じてユーザ機器110に通知するように構成される。さらに通知部106は例えば、MSIおよび(1以上の)MTCHを、MCHで、アンテナ102を通じてユーザ機器110に通知するように構成される。
【0055】
図5を参照して、ネットワークノード100で実施される方法の第2実施形態について説明する。方法の第2実施形態は方法の第1の実施形態のより詳細なバージョンである。ステップ502において、1以上のスケジュール情報固有QoS特性に関するスケジュール情報固有QoS値と、1以上のサービス固有QoS特性に関するサービス固有QoS値とが決定される。サービス固有QoS特性は例えばMCHにマッピングされた1以上のMTCHが必要とする第1ブロック誤り率(BLER1)を示し、スケジュール情報固有QoS特性は例えばMCHにマッピングされたMSIが必要とする第2ブロック誤り率(BLER2)を示す。
【0056】
そして、ステップ504において、スケジュール情報固有QoS値がサービス固有QoS値と異なるかどうかが判定される。状況を限定するものではないが、本例では、BLER1とBLER2とが互いに異なるため、それぞれのQoS値が互いに異なる。
【0057】
しかし、スケジュール情報固有QoS値がサービス固有QoS値と等しいと仮定すると、アルゴリズムはステップ506に進み、共通送信要件(例えば、図5では共通QoS設定と命名している)がMSIおよびMCHにマッピングされた(1以上の)MTCHに対して選択される。いずれのQoSも同じBLER1を示す場合、第1変調および符号化方法(MCS1)が共通送信要件として選択され(ステップ506)、MCS1がMSIおよび(1以上の)MTCHの両方に適用される(ステップ516)。例えば即時性が重要なメッセージングアプリケーションの場合のように、スケジュール情報のみならずデータが比較的低いBLERを望む場合が考えられる。すなわち、所定のアプリケーションにおいては、スケジュール情報およびデータのBLERが同じであってよい。そして、例えば低いBLERを有する共通送信要件がスケジュール情報およびデータの両方に対して選択されても、スケジュール情報(およびデータ)が正しく復号されることが保証される。
【0058】
ステップ504においてスケジュール情報固有QoS値がサービス固有QoS値と異なると判定された場合、アルゴリズムはステップ508に進む。ステップ508はMSIおよび(1以上の)MTCHについての適切な送信要件(例えば図5ではQoS設定と命名している)の別個選択の開始点である。そのため、可能性のある変調および符号化方法(MCS)がMSIおよび(1以上の)MTCHの両方について選択される。サービス固有QoS特性が例えばMCHにマッピングされた(1以上の)MTCHが必要とするBLER1を示し、スケジュール情報固有QoS特性がMCHにマッピングされたMSIが必要とするBLER2を示す場合、第1変調および符号化方法(MCS1)が(1以上の)MTCHについて可能性のあるMCSとして選択され、第2変調および符号化方法(MCS2)がMSIについて可能性のあるMCSとして選択される。
【0059】
そしてステップ510で、同一の搬送ブロック(TB)または搬送チャネル上に1以上のMTCHがMSIと多重化されるかどうかが判定される。同一の搬送ブロック(TB)または搬送チャネル上に1以上のMTCHがMSIと多重化されない場合、ステップ512および514はスキップされる。この場合、ステップ516で、MCS1がMCHにマッピングされた全てのMTCHに対して適用され、MCS2がMSIに対して適用されるように送信が設定される。
【0060】
同一の搬送チャネルまたはTB上に1以上のMTCHがMSIと多重化される場合、MCHは2つのデータサブセット、すなわちTB上でMSIと多重化される第1データサブセットと、TB上でMSIと多重化されない残りのデータの第2データサブセットを含む。どのように取り進めるかには2つの選択肢があり、それぞれをステップ512および514として図示している。ステップ512における第1の選択肢によれば、同一のMCS(すなわちMCS2)が、MSIおよび関連する(同一TB上にMSIと多重化される)MTCHの両方に用いられる。残りの(同一TB上にMSIと多重化されない)MTCHについては、異なるMCS(すなわちMCS1)が適用される。ステップ514における第2の選択肢によれば、MSI固有送信要件(MCS2)およびサービス固有送信要件(MCS1)よりもロバストな送信要件が、MSIおよび関連するMTCHの両方の送信の設定に用いられる。MCS2がMCS1よりもロバストな場合、ステップ514の送信要件の結果はステップ512の結果と等しく、すなわちMCS2がMSIおよび関連する(1以上の)MTCHの両方に用いられる。しかし、MCS1がMCS2よりロバストであれば、MCS1がMSIおよび関連する(1以上の)MTCHの両方の設定に用いられる。ともあれ、ステップ512またはステップ514のどちらの要件が用いられるかとは無関係に、MCS1が残りの(関連しない)MTCHに適用される。
【0061】
第1の選択肢は、MSI固有送信要件および第1データサブセットについてのサービス固有送信要件を互いに比較する必要が無いので、より単純であろう。第1の選択肢によれば、MSI固有送信要件がよりロバスト、すなわちより低いBLERを必要とするものと仮定することができる。MSI固有送信要件が共通の送信要件として選択される場合、少なくともMSIが正しく復号可能であることが保証される。
【0062】
第2の選択肢においては、比較動作によりいくぶん複雑さが増すであろう。そして、MSIおよび第1データサブセットの送信を設定するためのただ1つの送信要件として、よりロバストな送信要件、例えばより低いBLERを必要とする送信要件が選択されることが保証される。MSI固有送信要件およびTB上にMSIと多重化される1以上のMTCHのサービス固有送信要件の、よりロバストな送信要件が選択される場合、MSIおよびTB上にMSIと多重化される(1以上の)MTCHの両方が正しく復号可能であることが保証される。
【0063】
そしてステップ516において、選択された送信要件を用いて送信が設定され、ステップ518において送信要件がユーザ機器110に通知される。例えば、選択されたMCSは、MCCH上でネットワークノード100からユーザ機器110に通知される。MBMSの全てのMCHのMSIに対して同一の送信要件が適切である場合、サービス固有送信要件が、全てのMSIに適用される共通のメッセージとして通知される。
【0064】
図5に示す方法の第2の実施形態は、引き続く2つのステップ(不図示)を有してもよい。最初のステップとして、MSI用に用いられる無線リソースがユーザ機器110にさらに通知されてよい。あるいは、MSI用の無線リソースが、対応するMCHの複数の無線リソースの中のある固定位置に決定されてもよい。2番目のステップとして、ネットワークノード100、例えば通知部106が、選択された送信要件、例えばMSIおよび(1以上の)MTCHについてそれぞれ選択されたMCSを用いて、(ユーザ機器110に)MCH上でMSIおよび(1以上の)MTCHの送信を実行するように構成される。
【0065】
図6を参照して、ユーザ機器110、特にはユーザ機器110のユニット111で実行される、方法の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態はステップ602および604を有する。
【0066】
ステップ602で、スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件が判定される。図4および図5に関して説明したように、ネットワークノード100はスケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件をMCCH上でユーザ機器110に通知する。ユーザ機器はMCCHを受信し、判定部114がそこから、通知されたスケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件を判定する(ステップ602)。
【0067】
スケジュール情報固有送信要件は、スケジュール情報の再送信回数を指定するパラメータを有してよい。あるいは、又はさらに、スケジュール情報固有送信要件は、スケジュール情報についての変調および符号化方法(MCS)を有してもよい。同様に、サービス固有送信要件は、1以上のマルチキャストサービスに属するデータの再送信回数を指定するパラメータを有してもよい。あるいは、又はさらに、サービス固有送信要件は、1以上のマルチキャストサービスに属するデータについてのMCSを有してもよい。
【0068】
例えば、サービス固有送信要件が1以上のマルチキャストサービスに属するデータについての第1の変調および符号化方法(MCS1)を有し、スケジュール情報固有送信要件が第2の変調および符号化方法(MCS2)を有する。MCS1は第1のブロック誤り率(BLER1)がデータについて達成できるように設定されてよく、MCS2は第2のブロック誤り率(BLER2)がスケジュール情報について達成できるように設定されてよい。なお、BLER2はBLER1以下(または未満)であってよい。
【0069】
ステップ604において、復号部116は判定された(通知された)スケジュール情報固有送信要件に基づいてMSIを復号する。同様に、ステップ604において、復号部116は判定された(通知された)サービス固有送信要件に基づいて(1以上の)MTCHを復号する。サービス固有送信要件が1以上のマルチキャストサービスに属するデータに対してMCS1を有し、スケジュール情報固有送信要件がスケジュール情報に対してMCS2を有する場合、データはMCS1を用いて復号されてよく、スケジュール情報はMCS2を用いて復号されてよい。
【0070】
スケジュール情報が端末機器によって正しく復号されれば、端末機器はいつウェイクアップすべきか、すなわち、端末機器または端末機器のユーザが興味のある、対象のサービスがどの(1以上の)スケジュールインターバルで送信されるかを厳密に知ることができる。
【0071】
図7に、端末機器110で実施される、方法の第4実施形態を示す。方法の第4実施形態は方法の第3の実施形態のより詳細なバージョンである。ステップ702において、所与のMCHに割り当てられたリソースが、ネットワークノード100からユーザ機器110に通知されたMCCHから判定される。さらに、MSIに割り当てられた無線リソースがMCCHに存在するかどうかが判定される。MSIに割り当てられた無線リソースがMCCHに存在していれば、個々の無線リソースが判定される。そうでなければ、ステップ702で、予め設定された、あるいは規格化された無線リソースがMSI用であると見なされる。
【0072】
ステップ704で、通知されたスケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件(例えば図7ではQoS設定と命名している)がMCCHから判定される。図5の例示的な説明に関し、MCS1またはMCS2が、MSIおよび1以上のMTCHに対して異なる組み合わせで適用されてよい。ステップ706において、MSIと1以上のMTCHとで別個の送信要件が適用されるべきか否かが判定される。同一の送信要件をMSIと(1以上の)MTCHに適用すべき場合、ステップ708で、MSIおよび(1以上の)全てのMTCHの両方を復号するために共通送信要件が適用される。
【0073】
MSIと1以上のMTCHとで別個の送信要件を適用すべき場合には、それに従ってステップ710で複数の送信要件が適用される。例えば、(1以上の)全てのMTCHに対してMCS1を適用すべきであり、MSIに対してMCS2を適用すべきであることがネットワークノード100からMCCH上で通知されていてよい。そして、ステップ710でこれら要件はそれぞれ適用される。
【0074】
しかし、ステップ712において、同一のTBまたは搬送チャネル上に1以上のMTCHがMSIと多重化されていると判定された場合、さらなるステップ714および716が実行される。そうでなければ、ステップ714および716は単純に省略され、ステップ710で判定された要件が復号に用いられる。
【0075】
同一のTBまたは搬送チャネル上に1以上のMTCHがMSIと多重化されている場合、MSIと、同一のTB上にMSIと多重化されている(1以上の)MTCHとに対してそれぞれの送信要件をどのように適用するかについて、2つの選択肢が存在する。ステップ714の第1の選択肢によれば、同じMCS、すなわちMCS2が、MSIおよび関連する(同一TB上にMSIと多重化されている)(1以上の)MTCHの両方について用いられる。そして、異なるMCS、すなわちMCS1が、残りの(同一TB上にMSIと多重化されていない)(1以上の)MTCHに対して適用される。あるいは、ステップ716において、MSI固有送信要件およびサービス固有送信要件よりもロバストな送信要件が、MSIおよび関連する(1以上の)MTCHの両方に対して適用される。MCS2がMCS1よりもロバストな場合、ステップ716の結果はステップ714の結果と等しく、すなわちMCS2がMSIおよび関連する(1以上の)MTCHを復号するために用いられる。しかし、MCS1がMCS2よりロバストであれば、MCS1がMSIおよび関連する(1以上の)MTCHの両方を復号するために用いられる。どちらのMCS(MCS1またはMCS2)がよりロバストかとは無関係に、ステップ716で、MCS1が残りの(関連しない)(1以上の)MTCHに対して適用される。
【0076】
このようにして、MBMSサービス送信についての、改良され、より効率的な技術が提供される。
【0077】
上述の説明から、本発明の多くの利点が完全に理解されるであろうこと、また本発明の範囲から外れることなく、あるいは本発明の利点を一切損なうことなく、その例示的な見地の構築および配置において、様々な変更を行いうることが理解されるであろうと思量する。例えば、方法の第1実施形態に関して説明した変形例および見地は、方法の第2実施形態に対して等しくあてはまる。同様に、方法の第3実施形態に関して説明した変形例および見地は、方法の第4実施形態に対して等しくあてはまる。本発明は様々な方法で変化させることが可能なので、本発明は以下の請求項の範囲によってのみ限定されるべきであることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケジュール情報および1以上のマルチキャストサービスに属するデータを搬送するマルチキャストチャネルの送信を設定するための方法であって、前記スケジュール情報は前記マルチキャストチャネルにマッピングされた前記マルチキャストサービスのスケジュールを示すものであり、
前記方法が、
前記マルチキャストチャネル上の前記スケジュール情報の前記送信をスケジュール情報固有送信要件に基づいて設定する(404)とともに、前記1つ以上のマルチキャストサービスに属するデータの前記送信をサービス固有送信要件に基づいて設定する(404)ステップと、
前記スケジュール情報固有送信要件および前記サービス固有送信要件を通知する(406)ステップと、を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記マルチキャストチャネルがマルチキャストチャネル(MCH)であり、前記スケジュール情報がMCHスケジュール情報(MSI)であり、前記マルチキャストサービスがマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)規格に準拠していることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
1以上のスケジュール情報固有QoS特性に関するスケジュール情報固有サービス品質(QoS)値を決定する(402)とともに、1以上のサービス固有QoS特性に関するサービス固有QoS値を決定する(402)ステップ、をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スケジュール情報固有QoS値はスケジュール情報固有ブロック誤り率(BLER)を有し、前記サービス固有QoS値はサービス固有BLERを有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記スケジュール情報固有QoS値が前記サービス固有QoS値と異なる場合、前記スケジュール情報固有送信要件をスケジュール情報固有QoS値に基づいて、また前記サービス固有送信要件を前記サービス固有QoS値に基づいて、別個に選択する(508)ステップと、
前記スケジュール情報固有QoS値が前記サービス固有QoS値と等しい場合、前記スケジュール情報固有送信要件および前記サービス固有送信要件についての共通送信要件を選択する(506)ステップと、をさらに有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各MBMSサービスのデータがそれぞれのMBMSトラフィックチャネル(MTCH)上で搬送され、1以上の前記MTCHが前記MCHに多重化され、1つの搬送ブロック(TB)上に前記1以上のMTCHが前記MSIと多重化されている場合、
前記別個に選択する(508)ステップが、
前記MSIおよび前記TB上に前記MSIと多重化されている前記1以上のMTCHの両方についての前記MSI固有送信要件および前記サービス固有送信要件として、ただ1つの送信要件を選択する(512, 514)ステップと、
残りの前記MTCHについての前記サービス固有送信要件を選択する(512, 514)ステップとを有し、
前記ただ1つの送信要件が、前記MSI固有送信要件または、前記MSI固有送信要件および前記TB上に前記MSIと多重化されている前記1以上のMTCHの前記サービス固有送信要件よりもロバストな送信要件であることを特徴とする、請求項2に従属する請求項3を引用する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記通知する(406)ステップが、
前記MSI固有送信要件および前記サービス固有送信要件を、同報制御チャネル(BCCH)またはマルチキャスト制御チャネル(MCCH)上で通知する(518)ステップを有することを特徴とする請求項2、または請求項2を引用する請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が複数のマルチキャストチャネルのために実行され、前記複数のマルチキャストチャネルの各々について異なるサービス固有送信要件が用いられるとともに前記複数のマルチキャストチャネルの各々について同一のスケジュール情報固有送信要件が用いられることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
スケジュール情報および1以上のマルチキャストサービスに属するデータを搬送するマルチキャストチャネルを復号するための方法であって、前記スケジュール情報は前記マルチキャストチャネルにマッピングされた前記マルチキャストサービスのスケジュールを示すものであり、
前記方法が、
スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件を判定する(602)ステップと、
前記スケジュール情報を前記スケジュール情報固有送信要件に基づいて復号する(604)とともに、前記1つ以上のマルチキャストサービスに属するデータを前記サービス固有送信要件に基づいて復号する(604)ステップと、を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記マルチキャストチャネルがマルチキャストチャネル(MCH)であり、前記スケジュール情報がMCHスケジュール情報(MSI)であり、前記マルチキャストサービスがマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)規格に準拠していることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記判定する(602)ステップが、
前記MSI固有送信要件および前記サービス固有送信要件を、同報制御チャネル(BCCH)またはマルチキャスト制御チャネル(MCCH)から判定する(702)ステップを有することを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記復号する(604)ステップが、
前記スケジュール情報固有送信要件が前記サービス固有送信要件と異なるかどうか比較する(706)ステップと、
前記スケジュール情報固有送信要件が前記サービス固有送信要件と異なる場合、前記スケジュール情報固有送信要件に基づいて前記スケジュール情報を復号する(710)とともに、前記サービス固有送信要件に基づいて前記1以上のMBMSサービスに属するデータを復号するステップと、
前記スケジュール情報固有送信要件が前記サービス固有送信要件と等しい場合、前記スケジュール情報および前記1以上のマルチキャストサービスに属するデータを、共通送信要件に基づいて復号する(708)ステップと、を有することを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
各MBMSサービスの前記データがそれぞれのMBMSトラフィックチャネル(MTCH)上で搬送され、前記1以上のMTCHが前記MCHに多重化され、
前記復号する(604)ステップが、
1つの搬送ブロック(TB)上に前記1以上のMTCHが前記MSIと多重化されている場合、前記MSIおよび前記TB上に前記MSIと多重化されている前記1以上のMTCHを、前記MSI固有送信要件に基づいて復号する(714, 716)ステップと、
前記MCHの残りの前記MTCHを前記サービス固有送信要件に基づいて復号する(714, 716)ステップと、を有することを特徴とする請求項10、11、または請求項10を引用する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記スケジュール情報固有送信要件が、前記スケジュール情報の再送信回数を指定するパラメータおよび前記スケジュール情報についての変調および符号化方法(MCS)の少なくとも1つを有し、前記サービス固有送信要件が前記1以上のマルチキャストサービスに属するデータおよび前記1以上のマルチキャストサービスに属するデータについてのMCSの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の前記ステップをコンピュータシステムに実行させるためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項17】
スケジュール情報および1以上のマルチキャストサービスに属するデータを搬送するマルチキャストチャネルの送信を設定するためのネットワークノード(100)であって、前記スケジュール情報は前記マルチキャストチャネルにマッピングされた前記マルチキャストサービスのスケジュールを示すものであり、
前記ネットワークノード(100)が、
前記マルチキャストチャネル上の前記スケジュール情報の前記送信をスケジュール情報固有送信要件に基づいて設定するとともに、前記1つ以上のマルチキャストサービスに属するデータの前記送信をサービス固有送信要件に基づいて設定する(104)手段と、
前記スケジュール情報固有送信要件および前記サービス固有送信要件を通知する(106)手段と、を有することを特徴とするネットワークノード(100)。
【請求項18】
前記マルチキャストチャネルがマルチキャストチャネル(MCH)であり、前記スケジュール情報がMCHスケジュール情報(MSI)であり、前記マルチキャストサービスがマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)規格に準拠していることを特徴とする請求項17記載のネットワークノード(100)。
【請求項19】
スケジュール情報および1以上のマルチキャストサービスに属するデータを搬送するマルチキャストチャネルを復号するための端末機器(110)であって、前記スケジュール情報は前記マルチキャストチャネルにマッピングされた前記マルチキャストサービスのスケジュールを示すものであり、
前記端末機器(110)が、
スケジュール情報固有送信要件およびサービス固有送信要件を判定する(114)手段と、
前記スケジュール情報を前記スケジュール情報固有送信要件に基づいて復号するとともに、前記1つ以上のマルチキャストサービスに属するデータを前記サービス固有送信要件に基づいて復号する(116)手段と、を有することを特徴とする端末機器(110)。
【請求項20】
前記マルチキャストチャネルがマルチキャストチャネル(MCH)であり、前記スケジュール情報がMCHスケジュール情報(MSI)であり、前記マルチキャストサービスがマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)規格に準拠していることを特徴とする請求項19記載の端末機器(110)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−503529(P2013−503529A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525892(P2012−525892)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003321
【国際公開番号】WO2011/023254
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】