説明

マルチキャリア通信システムにおけるUEオペレーションの管理

【課題】マルチキャリア・システムにおけるユーザ装置(UE)のオペレーションを管理するための技術を提供する。
【解決手段】システムは、ダウンリンクの上の2又はそれ以上のキャリア及びアップリンクの上の1又は複数のキャリアをサポートしても良い。各々のリンクの上の1つのキャリアが、アンカー・キャリアとして指定されても良い。一つの態様において、下位層命令(例えば、HS−SCCH命令)は、シングルキャリア及びマルチキャリア・オペレーション間でUEを遷移するために使用されても良い。他の態様において、UEは、すべてのダウンリンク・キャリアのための同一の不連続受信(DRX)構成及び/又はすべてのアップリンク・キャリアのための同一の不連続送信(DTX)構成を有しても良い。さらにもう一つの態様において、HS−SCCHのないオペレーションは、アンカー・キャリアに制限されても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(35 U.S.C.§119の下の優先権の主張)
本特許出願は、2008年6月23日付け提出され、本願の譲受人に譲渡され、参照によって本明細書に明確に組み込まれる「METHODS AND APPARATUSES FOR OPERATING DISCONTINUOUS TRANSMISSION AND RECEPTION (DTX/DRX) IN DUAL CARRIER MODE」と題された米国仮出願第61/074,962号の優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に通信に関し、より詳しくは無線通信システムにおいてユーザ装置(UE)のオペレーションを管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
例えばボイス、ビデオ、パケット・データ、メッセージング、ブロードキャストなどのような様々な通信サービスを提供するために、無線通信システムが広く配置される。これらのシステムは、利用できるシステム資源を共有することによって複数のユーザをサポートすることができる多元接続システムである場合がある。そのようなマルチアクセス・システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交FDMA(OFDMA)システム及びシングルキャリアFDMA(SC−FDMA)システムを含む。
【0004】
無線通信システムは、システム能力(capacity)を増加させるために、複数のキャリア上で通信をサポートするマルチキャリア・システムである場合がある。各々のキャリアは、特定の中心周波数及び特定のバンド幅を有することができ、また、トラフィック・データ、制御情報、パイロットなどを送信するのに使用されることができる。良好なパフォーマンスが達成されることができるように、複数のキャリアの上のオペレーションをサポートすることは望ましい。
【発明の概要】
【0005】
マルチキャリア・システムにおけるUEのオペレーションを管理する技術が本明細書で説明される。本システムは、ダウンリンク上の2以上のキャリアをサポートしても良い。1つのダウンリンク・キャリアが、アンカー・ダウンリンク・キャリアとして指定されることがあり、各々の他のダウンリンク・キャリアは、二次ダウンリンク・キャリアと呼ばれることがある。システムはまた、アップリンク上の1又は複数のキャリアをサポートしても良い。1つのアップリンク・キャリアが、アンカー・アップリンク・キャリアとして指定されることがあり、各々の他のアップリンク・キャリア(もし、有れば)は、二次アップリンク・キャリアと呼ばれることがある。
【0006】
一つの態様において、シングルキャリア及びマルチキャリア・オペレーション間でUEを遷移させるために、下位層命令が使用されても良い。下位層命令は、上位層シグナリングに比べてより迅速に且つ効率良く送信され得る下位層シグナリングであっても良い。例えば、下位層命令は、ワイドバンドCDMA(WCDMA)におけるHS−DSCH用共有制御チャネル(HS−SCCH)命令(Shared Control Channel for HS-DSCH (HS-SCCH) order)であっても良い。一つのデザインにおいて、UEは、ダウンリンク及び/又はアップリンクのための二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするための下位層命令を、Node Bから受信しても良い。UEは、(i)下位層命令が二次キャリアをデアクティベートする場合には、アンカー・キャリアのみの上で、(ii)下位層命令が二次キャリアをアクティベートする場合に、アンカー・キャリア及び二次キャリアの両方の上で、Node Bと通信しても良い。
【0007】
他の態様において、UEは、すべてのダウンリンク・キャリアのための同一の不連続受信(DRX)構成(discontinuous reception (DRX) configuration)及び/又はすべてのアップリンク・キャリアのための同一の不連続送信(DTX)構成(discontinuous transmission (DTX) configuration)を有しても良い。UEは、使用可能な(有効な、enabled)ダウンリンク・サブフレーム(それは、DRX構成に基づいて判定されても良い)において1又は複数のダウンリンク・キャリア上でNode Bからデータを受信しても良い。UEは、使用可能なアップリンク・サブフレーム(それは、DTX構成に基づいて判定されても良い)において1又は複数のアップリンク・キャリア上でNode Bへデータを送信しても良い。
【0008】
さらにもう一つの態様において、HS−SCCHのない(HS-SCCH-less)オペレーションは、アンカー・ダウンリンク・キャリアに制限されても良い。UEは、HS−SCCHのないオペレーションのために構成されても良く、また、1又は複数の伝送パラメータが割り当てられても良い。Node Bは、アンカー・ダウンリンク・キャリアに関するデータをUEに送信しても良く、また、該データとともにいかなるシグナリングをも送信しなくても良い。UEは、Node Bにより送信されるデータをリカバーするために、割り当てられた伝送パラメータに従ってアンカー・ダウンリンク・キャリアを処理しても良い。
【0009】
本開示の様々な態様及び特徴が以下で更に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、無線通信システムを示す。
【図2】図2は、WCDMAにおけるフレームフォーマットを示す。
【図3A】図3A及び3Bは、2つのマルチキャリア構成(configurations)を示す。
【図3B】図3A及び3Bは、2つのマルチキャリア構成を示す。
【図4】図4は、WCDMAにおける幾つかの物理チャネルに関するタイミングチャートを示す。
【図5】図5は、シングルキャリア又はデュアルキャリア・オペレーションを可能にするためのHS−SCCH命令を示す。
【図6】図6は、DRX/DTXオペレーションを制御するためのHS−SCCH命令の使用を示す。
【図7】図7は、UEオペレーションを制御するためのHS−SCCH命令の使用を示す。
【図8】図8は、シングルキャリア又はデュアルキャリア・オペレーションを可能にするための及びDRX/DTXをアクティベート又はデアクティベートするためのHS−SCCH命令を示す。
【図9】図9は、マルチキャリア・オペレーションをサポートする方法を示す。
【図10】図10は、DRX/DTXオペレーションをサポートする方法を示す。
【図11】図11は、UE、Node B及びRNCのブロック図を示す。
【詳細な説明】
【0011】
本明細書で説明される技術は、例えばCDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMA及び他のシステムなどの様々な無線通信システムのために使用されても良い。用語“システム”及び“ネットワーク”はでしばしば互換的に使用される。CDMAシステムは、例えばユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)、CDMA2000などのような無線技術を実装することができる。UTRAは、WCDMAと、CDMAの他の変形とを含む。cdma2000は、IS−2000、IS−95及びIS−856標準をカバーする。TDMAシステムは、例えばグローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))のような無線技術を実装することができる。OFDMAシステムは、例えば発展型UTRA(Evolved UTRA)(E−UTRA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Flash−OFDM(登録商標)などのような無線技術を実装することができる。UTRA及びEUTRAは、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)及びLTEアドバンスト(LTE-Advanced)(LTE−A)は、E−UTRAを使用するニュー・リリースである。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、LTE−A及びGSMは、“第3世代パートナーシッププロジェクト”(3GPP)と言う名前の団体からのドキュメントに記載されている。CDMA2000及びUMBは、“第3世代パートナーシッププロジェクト2”(3GPP2)という名前の団体からのドキュメントに記載されている。本明細書で説明される技術は、上記のシステム及び無線技術についても、他のシステム及び無線技術についても、使用されることができる。明確にするために、本技術の幾つかの態様がWCDMAのために以下で説明され、3GPPの用語が下記の説明の多くで使用される。
【0012】
図1は、無線通信システム100を示す。それは、幾つかのNode B及び他のネットワーク・エンティティーを含んでも良い。簡単にするために、1つのNode B 120及び1つの無線ネットワーク・制御装置(RNC)130のみが図1に示される。Node Bは、UEと通信する局であっても良く、また、発展型Node B(evolved Node B)(eNB)、基地局、アクセスポイントなどと呼ばれても良い。Node Bは、特定の地理的エリアのために通信カバレージを提供しても良い。システム能力を向上させるために、Node Bの全体的なカバレージエリアは、複数の(例えば、3つの)より小さなエリアに分割されても良い。各々のより小さなエリアは、それぞれのNode Bサブシステムによりサービスされても良い。3GPPにおいて、“セル(cell)”という用語は、Node Bのカバレージエリア及び/又はそのカバレージエリアをサービスするNode Bサブシステムを指し示すことができる。RNC130は、1セットのNode Bに接続されても良く、また、これらのNode Bに調整及び制御を提供しても良い。
【0013】
UE110は、固定されたものであっても或いはモバイルであっても良く、また、モバイル局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、局などと呼ばれても良い。UE110は、セルラー電話、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、無線通信デバイス、ハンドヘルド・デバイス、ラップトップ・コンピュータ、コードレス電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)局などであっても良い。UE110は、ダウンリンク及びアップリンクを介してNode B 120と通信しても良い。ダウンリンク(又は順方向リンク)は、Node BからUEへの通信リンクを指し示し、アップリンク(又は逆方向リンク)は、UEからNode Bへの通信リンクを指し示す。
【0014】
図2は、WCDMAにおけるフレームフォーマットを示す。各々のリンクに関する伝送タイムラインは、複数の無線フレームに分割される。各々のフレームは、10ミリ秒(ms)の継続時間を有し、また、15個のスロット0〜14に分割される。各々のスロットは、Tslot=0.667msの継続時間を有し、また、3.84のMcpsの2560個のチップを含む。各々の無線フレームはまた、5個のサブフレーム0〜4に分割される。各々のサブフレームは、2msの継続時間を有し、また、3個のスロットを含む。
【0015】
3GPPは、高速パケット・アクセス(HSPA)をサポートする。それは、3GPPリリース5及びそれ以降において定義される高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)も、3GPPリリース6及びそれ以降において定義される高速アップリンク・パケット・アクセス(HSUPA)も含む。HSDPA及びHSUPAは、それぞれ、ダウンリンク及びアップリンク上での高速パケット・データ伝送を可能にするチャネル及びプロシージャーのセットである。HSDPAについては、Node Bは、高速ダウンリンク共有チャネル(HS−DSCH)に関するデータを送信しても良く、それは、時間及び符号の両方において複数のUEにより共有されるダウンリンク・トランスポート・チャネルである。HS−DSCHは、各々の伝送タイム・インターバル(TTI)において、1又は複数のUEに関するデータを運んでも良い。HS−DSCHの共有は、動的であっても良く、また、TTIごとに変化しても良い。
【0016】
3GPPはまた、デュアル・セルHSDPA(DC−HSDPA)をサポートする。DC−HSDPAについては、Node Bの最高2つのセルが、所定のTTIにおいてUEにデータを送信しても良い。2つのセルは、異なるキャリア上でオペレートしても良い。用語“セル(cells)”及び“キャリア(carriers)”は、それゆえ、DC−HSDPAに関して互換的に使用されることがある。
【0017】
図3Aは、DC−HSDPAのために使用され得る例示的なマルチキャリア構成300を示す。この構成において、2つのキャリアがダウンリンク上で利用可能であり、ダウンリンク・キャリアと呼ばれる。また、1つのキャリアがアップリンク上で利用可能であり、アップリンク・キャリアと呼ばれる。1つのダウンリンク・キャリアが、アンカー・ダウンリンク・キャリア(anchor downlink carrier)又は一次ダウンリンク・キャリア(primary downlink carrier)に指定されても良い。他のダウンリンク・キャリアは、二次ダウンリンク・キャリア(secondary downlink carrier)、補足的ダウンリンク・キャリア(supplemental downlink carrier)、補助ダウンリンク・キャリア(auxiliary downlink carrier)などと呼ばれても良い。アンカー・ダウンリンク・キャリアは、下記のように、特定のシグナリングを搬送しても良く、また、特定のオペレーティング・モードをサポートしても良い。二次ダウンリンク・キャリアは、より高いデータレートをサポートするために、アクティベートされても良く、また、必要でないときは、デアクティベートされても良い。
【0018】
図3Bは、DC−HSDPAのために同様に使用され得る例示的なマルチキャリア構成310を示す。この構成では、2つのキャリアが、ダウンリンクで利用可能であり、そして、2つのキャリアが、アップリンクで利用可能である。1つのダウンリンク・キャリアが、アンカー・ダウンリンク・キャリアに指定されても良く、他のダウンリンク・キャリアは、二次ダウンリンク・キャリアと呼ばれても良い。同様に、1つのアップリンク・キャリアが、アンカー・アップリンク・キャリアに指定されても良く、他のアップリンク・キャリアは、二次アップリンク・キャリアと呼ばれても良い。アンカー・キャリアは、下記のように、特定のシグナリングを搬送しても良く、また、特定のオペレーティング・モードをサポートしても良い。二次キャリアは、より高いデータレートをサポートするために、アクティベートされても良く、また、必要でないときは、デアクティベートされても良い。
【0019】
図3A及び3Bは、DC−HSDPAのための2つの例示的なマルチキャリア構成を示す。一般に、任意の数のキャリアが、ダウンリンクのために利用可能であっても良く、また、任意の数のキャリアが、アップリンクのために利用可能であっても良い。1つのダウンリンク・キャリアが、アンカー・ダウンリンク・キャリアに指定されても良く、他のダウンリンク・キャリアは、二次ダウンリンク・キャリアと呼ばれても良い。同様に、1つのアップリンク・キャリアが、アンカー・アップリンク・キャリアに指定されても良く、他のアップリンク・キャリア(それが有れば)は二次アップリンク・キャリアと呼ばれても良い。明確にするために、下記の説明の多くは、図3A及び3Bに示されるマルチキャリア構成についてのものである。下記の説明では、アンカー・キャリアは、アンカー・ダウンリンク・キャリア又はアンカー・アップリンク・キャリアである場合がある。二次キャリアは、二次ダウンリンク・キャリア又は二次アップリンク・キャリアである場合がある。
【0020】
表1は、HSDPA、HSUPA及びDC−HSDPAのために使用され得るいくつかの物理チャネルをリストする。
【表1】

【0021】
図4は、HSDPA及びとHSUPAのために使用され得るいくつかの物理チャネルのタイミングチャートを示す。P−CCPCHは、ダウンリンク物理チャネルのためのタイミング基準(timing reference)として直接使用され、アップリンク物理チャネルのためのタイミング基準として、間接的に使用される。HSDPAについては、HS−SCCHのサブフレームは、P−CCPCHにタイムアラインされる(time-aligned)。HS−PDSCHのサブフレームは、HS−SCCHのサブフレームからτHS−PDSCH=2Tslotだけ遅延される。HS−DPCCHのサブフレームは、HS−PDSCHのサブフレームから7.5スロットだけ遅延される。HSUPAについては、E−HICHのフレーム・タイミングは、P−CCPCHのフレーム・タイミングからτE−HICH,nチップだけオフセットされる。ここで、τE−HICH,nは、3GPP TS 25.211において定義される。E−DPCCH及びE−DPDCHは、タイムアラインされ(time-aligned)、それらのフレーム・タイミングは、P−CCPCHのフレーム・タイミングからτDPCH,n+1024チップだけオフセットされる。ここで、τDPCH,n=256nであり、nは、0から149までの範囲におよぶことができる。ダウンリンク及びアップリンク物理チャネルのフレーム・タイミングは、3GPP TS 25.211に記載されている。簡単にするために、例えば許可(grant)チャネルのような他の物理チャネルは、図4に示されない。
【0022】
一つの態様において、HS−SCCH命令は、シングルキャリア及びデュアルキャリア・オペレーション間でUEを遷移(transition)させるために使用されても良い。HS−SCCH命令は、上位層シグナリング(upper layer signaling)に比べて、より迅速に且つ効率良く送信され得る下位層シグナリング(lower layer signaling)である。例えば、HS−SCCH命令は、2ms間で、少数又は数十ビットをもって、送信されても良く、これに対して、上位層メッセージは、非常により長く取っても良く、また、より多くのビットを含んでも良い。下位層は、物理レイヤ(PHY)、メディアアクセス制御(MAC)レイヤなどを指し示すことができる。下位層は、上位層とは異なっても良く、無線資源制御(RRC)などを指し示すことがある。下位層と上位層とは、システム中の異なるエンティティーにおいてターミネート(terminated)されても良い。例えば、WCDMAにおいて、PHY及びMACは、Node Bにおいてターミネートされても良く、これに対して、RRCは、RNCにおいてターミネートされても良い。
【0023】
HS−SCCH命令は、シングルキャリア及びデュアルキャリア・オペレーション間でUEを迅速に遷移させるために使用されても良い。UEは、シングルキャリア・オペレーションのためにアンカー・ダウンリンク・キャリア及びアンカー・アップリンク・キャリアのみの上でオペレートしても良い。UEは、デュアルキャリア・オペレーションのためにすべてのダウンリンク・キャリア及びすべてのアップリンク・キャリアの上でオペレートしても良い。例えば、Node Bは、該Node BがUEに送信する大量のデータを有するときはいつでも、UEをデュアルキャリア・オペレーションに迅速に遷移させても良く、また、データを送信した後にUEをシングルキャリア・オペレーションに迅速に遷移させても良い。
【0024】
図5は、シングルキャリア及びデュアルキャリア・オペレーション間でUEを迅速に遷移させるために使用し得るHS−SCCH命令500のデザインを示す。HS−SCCH命令500は、HS−SCCHの上で送信されても良く、また、3ビットの命令タイプ・フィールド、3ビットの命令フィールド、16ビットのUE識別情報フィールド及び場合によって他のフィールドを含んでも良い。命令タイプ・フィールドは、HS−SCCH命令が二次ダウンリンク・キャリア及び二次アップリンク・キャリア(もしあれば)のアクティベーション及びデアクティベーションのためのものであることを指示(indicate)するために、予め定められた値(例えば、‘001’)に設定されても良い。(1又は複数の)二次キャリアはまた、二次サービングHS−DSCHセルと呼ばれることがある。命令フィールドは、(i)(1又は複数の)二次キャリアがアクティベートされ、デュアルキャリア・オペレーションが可能であることを示すために、第1の値(例えば、‘1’)にセットされ、又は、(ii)(1又は複数の)二次キャリアがデアクティベートされ、シングルキャリア・オペレーションが可能であることを示すために、第2の値(例えば、 ‘0’)にセットされることのできる、指定されたビットを含んでも良い。(1又は複数の)二次キャリアをアクティベート/デアクティベートするためのHS−SCCH命令はまた、他の方法で定義されても良い。
【0025】
DC−HSDPAにおいて(1又は複数の)二次キャリアをアクティベート及びデアクティベートする機能(ability)は、以下の理由のために有益であり得る:
1.UEが電力制限されるときに、シングルキャリア・オペレーションに戻る、
2.UEの省電力、
3.システム中の使用されていない資源を解放(Free)する(それはアドミッション制御を助け得る)、及び、
4.負荷制御。
【0026】
アップリンクの上でデータ伝送のためにUEにより要求される送信電力の量は、データレート及びアップリンク・チャネル状態に依存し得る。UEは、要求される送信電力が該UEにおける最大送信電力を超える場合に、電力制限される場合がある。これは、データレートが十分に高い及び/又はアップリンク・チャネル品質が充分に劣っている(sufficiently poor)場合に、起こることがある。UEは、それがNode Bのカバレージ・エッジにいないときでさえも、電力制限されることがある。逆に、UEは、それがカバレージ・エッジにいるときに、電力制限されないことがある。電力制限されるシナリオは、RNCが反応(react)できるチャネル状態に比べて、より速く変化する可能性のある(ただし、Node Bにおいて管理可能であるために十分なほどには遅い可能性がある)チャネル状態から生じる場合がある。UEが電力制限されるときにシングルキャリア・オペレーションに迅速に戻ることによって、要求される送信電力が、最大送信電力未満に低減されることができ、また、電力制限されるシナリオが、避けられる。
【0027】
UEは、デュアルキャリア・オペレーションにおいて2つのダウンリンク・キャリアの上でより多くのダウンリンク・チャネルを処理する可能性があり、それゆえ、シングルキャリア・オペレーションに比較してデュアルキャリア・オペレーションにおいてより多くのバッテリー電力を消費する可能性がある。UEは、バッテリー電力を節約するために、データ・アクティビティーが遅いときに、シングルキャリア・オペレーションに遷移しても良い。RNCは、シングルキャリア及びデュアルキャリア・オペレーション間でUEを遷移させるために小さなRRC制御メッセージ(small RRC control message)を送信しても良い。しかし、データ・トラフィックのバースト性(burstiness)及びRNCにより処理(handled)されている多数のUEに起因して、RNCにおける負荷が大きくなる場合がある。他方、UEのシングルキャリア及びデュアルキャリア・オペレーション間の遷移をNode Bに制御させることは、Node Bに重大な(significant)処理負荷を追加しないことができる。
【0028】
上で言及された最初の2つの目的及び場合によって他の目的は、UEのシングルキャリア及びマルチキャリア・オペレーションをNode Bに(RNCの代わりに)制御させることによって、より良く達成され得る。Node Bは、DC−HSDPAを速くターン・オン及びターン・オフし、シングルキャリア及びデュアルキャリア・オペレーション間でUEを遷移させるために、HS−SCCH命令を送信しても良い。上で言及された最後の2つの目的は、RNCにおける遅い管理エンティティーによって及びRRC制御メッセージを使用して、達成され得る。RNCは、UEのためにDC−HSDPAをターン・オン及びターン・オフするために、小さなRRC制御メッセージ(完全なRRC再構成メッセージ(full RRC Reconfiguration messages)の代わりに)を送信しても良い。Node BによるUEオペレーションの制御は、MACベースの管理と呼ばれることがある。RNCによるUEオペレーションの制御は、RRCベースの管理と呼ばれることがある。
【0029】
3GPP リリース7及びそれ以降は、連続的なパケット接続性(Continuous Packet Connectivity)(CPC)をサポートする。それは、バッテリー電力を節約するために、UEがDRX及び/又はDTXでオペレートすることを可能にする。DRXについて、UEは、Node BがUEにデータを送信することができる特定の使用可能なダウンリンク・サブフレーム(enabled downlink subframes)を割り当てられても良い。使用可能なダウンリンク・サブフレームはまた、DRX機会(opportunities)と呼ばれることがある。DTXについて、UEは、UEがNode Bにデータを送信することができる特定の使用可能なアップリンク・サブフレーム(enabled uplink subframes)を割り当てられても良い。使用可能なアップリンク・サブフレームはまた、DTXバーストと呼ばれることがある。UEは、使用可能なダウンリンク・サブフレームにおいてシグナリング及び/又はデータを受信しても良く、また、使用可能なアップリンク・サブフレームにおいてシグナリングやデータを送信しても良い。UEは、バッテリー電力を節約するために、使用可能なサブフレーム間のアイドル・タイムの間、パワーダウンしても良い。CPCは、一般公開されている3GPP TR 25.903(タイトル“Continuous Connectivity for Packet Data Users,” March 2007)に記載されている。
【0030】
図4はまた、CPCにおけるUEのためのDRX及びDTXの例示的な構成を示す。DRXについて、使用可能なダウンリンク・サブフレームは、HS−SCCH受信パターンにより定義されても良い。DTXについて、使用可能なアップリンク・サブフレームは、アップリンクDPCCHバースト・パターンにより定義されても良い。図4に示される例において、UEは以下の通りに構成される:
・UE DTXサイクル1=UE DRXサイクル=4サブフレーム、
・UE DTXサイクル2=8サブフレーム、及び、
・UE DPCCHバースト1=UE DPCCHバースト2=1サブフレーム。
【0031】
上で与えられるDRX及びDTX構成について、HSDPAのための使用可能なダウンリンク・サブフレームは、4つのサブフレームの間隔で配置されており、また、図4の上段付近で、グレー・シェーディングにより示されている。HSUPAのための使用可能なアップリンク・サブフレームは、4つのサブフレームの間隔で配置されており、また、図4の中段付近で、グレー・シェーディングにより示されている。使用可能なダウンリンク・サブフレームと使用可能なアップリンク・サブフレームのアラインメント(alignment)は、τDPCH,nに依存している。使用可能なダウンリンク及びアップリンク・サブフレームは、UEのための可能なスリープ時間を拡張するために、タイムアライン(aligned in time)されても良い。図4で示すように、UEは、使用可能なサブフレームの間、アウェイク状態にあっても良く、また、使用可能なサブフレーム間のアイドル時間の間、スリープ状態になっても良い。図4は、UEがアップリンク上でデータを送信せず、それゆえに、ACK/NAKのためにE−HICHをモニターする必要はないと仮定する。
【0032】
他の態様において、UEのためのDRX/DTXオペレーションは、各々のリンクの上の両方のキャリアについて同一であっても良く、また、同一のタイミングを順守(observe)しても良い。DRXについて、UEは、アンカー・ダウンリンク・キャリアのために特定のDRX構成(例えば、特定のHS−SCCH受信パターン)を有しても良い。同一のDRX構成は、二次ダウンリンク・キャリアに適用可能であっても良い。そして、UEは、たぶん両方のダウンリンク・キャリアについて同一のDRX構成を有するであろう(would)。UEは、使用可能なダウンリンク・サブフレームにおいて、アンカー・ダウンリンク・キャリアのみの上で又は両方のダウンリンク・キャリアの上で、データを受信しても良い。
【0033】
DTXについて、UEは、アンカー・アップリンク・キャリアのために特定のDTX構成(例えば、特定のアップリンクDPCCHバースト・パターン)を有しても良い。同一のDTX構成が、二次アップリンク・キャリア(存在するならば)に適用可能であっても良い。そして、UEは、たぶん両方のアップリンク・キャリアについて同一のDTX構成を有するであろう。UEは、使用可能なアップリンク・サブフレームにおいて、アンカー・アップリンク・キャリアのみの上で又は両方のアップリンク・キャリアの上で、データを送信しても良い。1つのアップリンク・キャリアのみが利用できるならば、DTX構成は、たぶんこの1つのアップリンク・キャリアのみに適用されるであろう。
【0034】
Node Bは、UEのためのDTXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、DTX命令をUEに送信しても良い。一つのデザインにおいて、Node Bは、アンカー又は二次ダウンリンク・キャリアのいずれかの上でDTX命令を送信しても良い。他のデザインにおいて、Node Bは、アンカー・ダウンリンク・キャリアの上でのみ、DTX命令を送信しても良い。両方のデザインについて、DTX命令は、UEによるすべてのアップリンク・キャリア上のDTXオペレーションに適用可能であっても良い。
【0035】
Node Bは、UEのためのDRXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、DRX命令をUEに送信しても良い。一つのデザインにおいて、Node Bは、アンカー又は二次ダウンリンク・キャリアのいずれかの上でDRX命令を送信しても良い。他のデザインにおいて、Node Bは、アンカー・ダウンリンク・キャリアの上でのみ、DRX命令を送信しても良い。両方のデザインについて、DRX命令は、UEによるすべてのダウンリンク・キャリア上のDRXオペレーションに適用可能であっても良い。
【0036】
さらにもう一つの態様において、UEのためのDRX/DTXオペレーションは、各々のリンクの上で2つのキャリアについて異なっても良く、また、異なるタイミングを観測順守(observe)しても良い。DRXについて、UEは、アンカー・ダウンリンク・キャリアのための第1のDRX構成と二次ダウンリンク・キャリアのための第2のDRX構成を有しても良い。そして、UEは、2つのダウンリンク・キャリアについて異なるDRX構成を有しても良い。UEは、各々のダウンリンク・キャリアの上で、そのダウンリンク・キャリアに関する使用可能なダウンリンク・サブフレームにおいて、データを受信しても良い。2つのダウンリンク・キャリア上でDRXオペレーションを分離(Decoupling)することは、UEがより多くのバッテリー電力を節約するのを可能にし得る。NodeBは、所定のダウンリンク・キャリアの上で、そのダウンリンク・キャリア上の制御DRXオペレーションを制御するために、DRX命令を送信しても良い。
【0037】
DTXについて、UEは、アンカー・アップリンク・キャリアのための第1のDTX構成と二次アップリンク・キャリア(存在するならば)のための第2のDTX構成を有しても良い。そして、UEは、2つのアップリンク・キャリアについて異なるDRX構成を有しても良い。UEは、各々のアップリンク・キャリアの上で、そのアップリンク・キャリアに関する使用可能なアップリンク・サブフレームにおいて、データを送信しても良い。Node Bは、各々のアップリンク・キャリア上のDTXオペレーションを制御するために、DTX命令を送信しても良い。
【0038】
図6は、UEにおけるDRX/DTXオペレーションを制御するためのHS−SCCH命令の使用を示す。図6は、2つのダウンリンク・キャリアと1つのアップリンク・キャリアがUEに利用可能であるケースについてである。DTXについて、UEは、図4に示されるアップリンクDPCCHバースト・パターンで構成されても良い。DRXについて、UEは、図4に示されるHS−SCCH受信パターンで構成されても良い。UEは、両方のダウンリンク・キャリアについて同一のDRX構成をもつデュアルキャリア・オペレーションである。アンカー・ダウンリンク・キャリアと二次ダウンリンク・キャリアは、同一の使用可能なダウンリンク・サブフレームを有する。
【0039】
図6に示される例において、Node Bは、無線フレーム9のサブフレーム4において、DRX/DTXオペレーションをデアクティベートするHS−SCCH命令(“S”又は“DRX/DTXを停止する命令(Order to stop DRX/DTX)”として表される)をUEに送信する。このHS−SCCH命令を送信した後、4つのサブフレーム、各々のダウンリンク・キャリアのすべてのサブフレームは、使用可能にされ、また、UEにデータを送信するために使用されることができる。Node Bは、無線フレーム12のサブフレーム4において、DRX/DTXオペレーションをアクティベートするHS−SCCH命令(“X”又は“DRX/DTXに対する命令(Order to DRX/DTX)”として示される)をUEに送信する。このHS−SCCHを送信した後、4つのサブフレームは、使用可能なダウンリンク・サブフレームは、HS−SCCH受信パターンにより判定され、また、使用可能なアップリンク・サブフレームは、アップリンクDPCCHバースト・パターンにより判定される。
【0040】
図7は、UEオペレーションを制御するためのHS−SCCH命令の使用を示す。図7は、2つのダウンリンク・キャリアと1つのアップリンク・キャリアがUEに利用可能であるケースについてである。二次ダウンリンク・キャリアは、HS−SCCH命令がこのキャリアをアクティベートするためにNode Bにより送信されるときだけ、アクティブになっても良い。DTXについて、UEは、図4に示されるアップリンクDPCCHバースト・パターンで構成されても良い。DRXについて、UEは、図4に示されるHS−SCCH受信パターンで構成されても良い。
【0041】
図7に示される例において、Node Bは、無線フレーム1のサブフレーム4及び無線フレーム10のサブフレーム3において、二次ダウンリンク・キャリアをアクティベートし、デュアルキャリア・オペレーションを可能にする(enable)HS−SCCH命令(図7において“2”又は“デュアルキャリアに対する命令(Order to dual-carrier)”として示される)をUEに送信する。これらのHS−SCCH命令を送信した後に、デュアルキャリア・オペレーションがUEにおいて可能にされる(enabled)間、Node Bは、以降の使用可能なダウンリンク・サブフレームにおいて二次ダウンリンク・キャリア上でデータをUEに送信しても良い。Node Bは、無線フレーム5のサブフレーム0及び無線フレーム13のサブフレーム1において、二次ダウンリンク・キャリアをデアクティベートし、シングルキャリア・オペレーションを可能にする(enable)HS−SCCH命令(図7における“1”又は“シングルキャリアに対する命令”として示される)をUEに送信する。これらのHS−SCCH命令を送信した後に、シングルキャリア・オペレーションがUEにおいて可能にされる間、Node Bは、以降の使用可能なダウンリンク・サブフレームにおいてアンカー・ダウンリンク・キャリア上でのみデータをUEに送信しても良い。
【0042】
図7に示される例において、Node Bは、無線フレーム9のサブフレーム4において、DRX/DTXオペレーションをデアクティベートするHS−SCCH命令を送信する。このHS−SCCH命令を送信した後、4つのサブフレーム、各々のアクティベートされたダウンリンク・キャリアのすべてのサブフレームは、使用可能にされ、また、UEにデータを送信するために使用されることができる。Node Bは、無線フレーム13のサブフレーム2において、DRX/DTXオペレーションをアクティベートするHS−SCCH命令を送信する。このHS−SCCH命令の送信した後、4つのサブフレーム、使用可能なダウンリンク・サブフレームは、HS−SCCH受信パターンにより判定され、また、使用可能なアップリンク・サブフレームは、アップリンクDPCCHバースト・パターンにより判定される。
【0043】
図7で示すように、UEがシングルキャリア・オペレーションにあり、DRXがアクティベートされているとき、第1のHS−SCCH命令は、DRX/DTXオペレーションをデアクティベートするために、送信されても良く、また、第2のHS−SCCH命令は、二次ダウンリンク・キャリアをアクティベートするために、4サブフレーム後で、送信されても良い。第1のHS−SCCH命令が送信される時(例えば、無線フレーム9のサブフレーム4)から、データが二次ダウンリンク・キャリア上で送信されることができる時(例えば、無線フレーム11のサブフレーム2)まで、8つのサブフレームの遅延があり得る。この遅延は、DRXをデアクティベートする命令と二次ダウンリンク・キャリアをアクティベートする命令を同一のサブフレームで送信することによって、低減され得る。例えば、これらの2つの命令が無線フレーム9のサブフレーム4で送信されるならば、Node Bは、図7中の片矢付き破線で示されるように、無線フレーム10のサブフレーム3(それは4つだけ後のサブフレームである)において開始する二次ダウンリンク・キャリア上でデータを送信し始めることができる。
【0044】
図8は、シングルキャリア又はデュアルキャリア・オペレーションを可能にし、DRX/DTXをアクティベート又はデアクティベートするために使用され得るHS−SCCH命令800のデザインを表す。HS−SCCH命令800は、HS−SCCH上で送信されても良く、また、3ビットの命令タイプ・フィールド、3ビットの命令フィールド、16ビットのUE識別情報フィールド及び場合によって他のフィールドを含んでも良い。命令タイプ・フィールドは、HS−SCCH命令がシングルキャリア又はデュアルキャリア・オペレーションを可能にし、DRX/DTXをアクティベート又はデアクティベートするためのものであることを指示するために、予め定められた値(例えば、‘000’)に設定されても良い。命令フィールドは、3ビットxord,1,xord,2及びxord,3を含んでも良く、それは以下の通りに定義されても良い:
・DRXアクティベーション・ビット(例えば、xord,1):DRXをデアクティベートするために‘1’に、DRXをアクティベートするために‘0’にセットされる、
・DTXアクティベーション・ビット(例えば、xord,2):DTXをデアクティベートするために‘1’に、DTXをアクティベートするために‘0’にセットされる、及び、
・DC−HSDPAアクティベーション・ビット(例えば、xord,3):二次ダウンリンク・キャリアをデアクティベートするために‘1’に、二次ダウンリンク・キャリアをアクティベートするために‘0’に設定される。DC−HSDPAアクティベーション・ビットはまた、二次アップリンク・キャリア(存在するならば)をアクティベート又はデアクティベートしても良い。
【0045】
(1又は複数の)二次キャリアをアクティベート/デアクティベートするための及びDRX/DTXをアクティベート/デアクティベートするためのHS−SCCH命令はまた、他の方法で定義されても良い。(1又は複数の)二次キャリアをアクティベート/デアクティベートするために及びDRX/DTXをアクティベート/デアクティベートするために、個別の複数のHS−SCCH命令が使用されても良い。
【0046】
HSDPAの通常オペレーション(normal operation)について、図4で示されるように、Node Bは、HS−PDSCH上で、データをUEに送信しても良く、また、HS−SCCH上で、そのデータに2スロット先立って、シグナリングを送信しても良い。シグナリングは、例えばデータを送信するために使用される拡散コードと符号化及び変調スキームのような、様々なパラメータを伝達しても良い。UEは、HS−SCCH上でシグナリングを受信しても良く、また、UEに送信されるデータをリカバーするために、シグナリングに従ってHS−PDSCHを処理しても良い。
【0047】
3GPPは、ダウンリンク上でのデータ伝送のためのHS−SCCHのない(HS-SCCH-less)オペレーションをサポートする。HS−SCCHのないオペレーションについて、Node Bは、関係する伝送パラメータをUEに割り当てても良い(例えば、呼び出しセットアップ(call setup)の間に)。Node Bは、上位層シグナリングにより又は何らかの他の手段により、割り当てられたパラメータをUEに送信しても良い。その後、Node Bは、HS−SCCH上でシグナリングを送信することなく、HS−PDSCH上でデータをUEに送信しても良い。UEは、UEに送信されるデータをリカバーするために、割り当てられたパラメータに従って、HS−PDSCHを処理しても良い。HS−SCCHのないオペレーションは、ダウンリンク上でシグナリングの量を低減し得るものであり、それはシステム能力を向上させ得るものである。
【0048】
さらにもう一つの態様において、HS−SCCHのないオペレーションは、DC−HSDPAにおけるアンカー・ダウンリンク・キャリアに制限されても良い。Node Bは、アンカー・ダウンリンク・キャリアの上でHS−PDSCHの上でデータをUEに送信しても良く、また、このダウンリンク・キャリアの上でHS−SCCHの上でいかなるシグナリングをも送信しなくても良い。HS−SCCHのないオペレーションをアンカー・ダウンリンク・キャリアに制限することは、Node B及びUEのオペレーションを単純化する可能性があり、それらは他の目的のためにアンカー・ダウンリンク・キャリア上で通信しても良い。これはまた、UEのためにバッテリー電力を節約する可能性があり、そして、それは、たぶんHS−SCCHのないオペレーションで送信されるデータのために二次ダウンリンク・キャリアを処理する必要はないであろう。
【0049】
HS−SCCH命令は、HS−SCCHのないオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために使用されても良い。HS−SCCH命令は、HS−SCCHのないオペレーション・アクティベーション・ビットを含んでも良い。そして、それは、HS−SCCHのないオペレーションをデアクティベートするために‘0’に、HS−SCCHのないオペレーションをアクティベートするために‘1’にセットされても良い。
【0050】
一般に、DRXアクティベーション・ビット、DTXアクティベーション・ビット、DC−HSDPAアクティベーション・ビット及びHS−SCCHのないオペレーション・アクティベーション・ビットは、それぞれ、DRX、DTX、DC−HSDPA及びHS−SCCHのないオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために使用されても良い。これらの4つのアクティベーション・ビットは、各々のHS−SCCH命令のキャパシティーに従って、1又は複数のHS−SCCH命令において送信されても良い。HS−SCCH命令は、最高3つのアクティベーション・ビットを運ぶことができ、そして、一つのデザインにおいて、上記のように、DRX,DTX及びDC−HSDPAアクティベーション・ビットは、1つのHS−SCCH命令において送信されても良く、また、HS−SCCHのないオペレーション・アクティベーション・ビットは、他のHS−SCCH命令において送信されても良い。他のデザインにおいて、DRX,DTX及びHS−SCCHのないオペレーション・アクティベーション・ビットは、1つのHS−SCCH命令において送信されても良く、また、DC−HSDPAアクティベーション・ビットは、他のHS−SCCH命令において送信されても良い。4つのアクティベーション・ビットはまた、他の方法で複数のHS−SCCH命令において送信されても良い。
【0051】
DC−HSDPAにおける動的なキャリア管理及びそのCPCとのインタラクションは、先に述べたように達成されても良い。HS−SCCH命令は、シングルキャリア及びデュアルキャリア・オペレーション間でUEを遷移させるために使用されても良い。DRXオペレーションは、両方のダウンリンク・キャリア上で同一であっても良く、DTXオペレーションは、両方のアップリンク・キャリア上で同一であっても良い。そして、それは、オペレーションを単純化する可能性があり、また、他の利益を提供する可能性がある。DTX命令は、いずれかのダウンリンク・キャリア上で送信されても良く、また、アンカー・ダウンリンク・キャリアに制限されても良い。HS−SCCHのないオペレーションは、アンカー・ダウンリンク・キャリアに制限されても良い。HS−SCCH命令は、先に述べたように、DRX、DTX、DC−HSDPA及びHS−SCCHのないオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために使用されても良い。DRX、DTX、DC−HSDPA及びHS−SCCHのないオペレーションはまた、他のメカニズム(例えば、上位層でのRRCメッセージ、下位層での何らかの他のシグナリングなど)で、アクティベート又はデアクティベートされても良い。
【0052】
明確にするために、本明細書での説明の多くは、2つのダウンリンク・キャリアと、1つ又は2つのアップリンク・キャリアを取り上げている(covers)。一般に、本明細書で説明される技術は、任意の数のダウンリンク・キャリア及び任意ののアップリンク・キャリアについて使用されても良い。2つを超えるキャリアが所定のリンクのために利用できるならば、HS−SCCH命令は、すべてのキャリア又はキャリアのサブセット(例えば、一対のキャリア)に適用可能であっても良い。
【0053】
図9は、マルチキャリア・オペレーションをサポートする方法900の例示的なデザインを表す。プロセス900は、エンティティー(それは、UE110、Node B 120又は何らかの他のエンティティーであっても良い。)により実行されても良い。エンティティーは、UEのための二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするための下位層命令を交換(例えば、送信又は受信)しても良い(ブロック912)。下位層命令は、WCDMAにおけるHS−SCCH命令又は何らかの他の下位層シグナリングであっても良い。一つのデザインにおいて、エンティティーは、UEであっても良い。ブロック912について、UEは、二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするために、Node BによりUEに送信される下位層命令を受信しても良い。他のデザインにおいて、エンティティーは、Node Bであっても良い。ブロック912について、Node Bは、二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするために、下位層命令をUEに送信しても良い。
【0054】
一つのデザインにおいて、エンティティーは、UEにおいて利用可能な送信電力に基づいて、二次キャリアをアクティベートするかデアクティベートするかを判定しても良い。例えば、二次キャリアは、UEが不十分な(insufficient)送信電力を有し且つ電力制限されているならば、デアクティベートされても良い。他のデザインにおいて、エンティティーは、UEにおけるデータ・アクティビティーに基づいて、二次キャリアをアクティベートするかデアクティベートするかを判定しても良い。また、エンティティーは、先に述べたように、他の要因に基づいて、二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートしても良い。
【0055】
下位層命令が二次キャリアをデアクティベートするならば、エンティティーは、アンカー・キャリアのみの上で通信(例えば、データ及び/又はシグナリングを送信又は受信)しても良い(ブロック914)。下位層命令が二次キャリアをアクティベートするならば、エンティティーは、アンカー・キャリア及び二次キャリアの上で通信しても良い(ブロック916)。アンカー・キャリア及び二次キャリアは、ダウンリンクに関するものであっても良いし、又は、アップリンクに関するものであっても良いし、又は、両方のリンクに関するものであっても良い。また、2以上の二次キャリアが、利用可能であっても良い。この場合、下位層命令は、二次キャリアの全部又は一部をアクティベート又はデアクティベートしても良い。
【0056】
下位層命令は、ブロック912において二次キャリアをアクティベートしても良い。一つのデザインにおいて、インアクティビティー(inactivity)が検出されたならば、Node Bは、二次キャリアをデアクティベートするために、他の下位層命令をUEに送信しても良い。他のデザインにおいて、Node B及びUEは、各々、インアクティビティー・タイマーを維持しても良く、そして、デアクティベーションのための他の下位層命令を送信する必要なしに、特定のインアクティビティー時間が経過した後、独立して二次キャリアをデアクティベートしても良い。
【0057】
エンティティーは、UEにおいてHS−SCCHのないオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、第2のHS−SCCH命令を交換しても良い。第2のHS−SCCH命令がHS−SCCHのないオペレーションをアクティベートするならば、エンティティーは、その後、シグナリングなしでデータを交換しても良い。HS−SCCHのないオペレーションは、アンカー・キャリアに制限されても良い。
【0058】
図10は、DRX/DTXオペレーションをサポートする方法1000の例示的なデザインを表す。プロセス1000は、エンティティー(それは、UE110、Node B120又は幾つかの他のネットワーク・エンティティーであっても良い。)により実行されても良い。エンティティーは、UEのためのDRX構成に従ってアンカー・ダウンリンク・キャリアの上で通信(例えば、データ及び/又はシグナリングを送信又は受信)しても良い(ブロック1012)。エンティティーは、UEのためのDRX構成に従って二次ダウンリンク・キャリアの上で通信しても良い(ブロック1014)。アンカー及び二次ダウンリンク・キャリアは、データがNode BによりUEに送信されることができる共通のダウンリンク・サブフレームを有しても良い。
【0059】
一つのデザインにおいて、エンティティーは、Node Bであっても良い。NodeBは、アンカー及び二次ダウンリンク・キャリアの上でDRXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、下位層命令(例えば、HS−SCCH命令)をUEに送信しても良い。他のデザインにおいて、エンティティーは、UEであっても良い。UEは、アンカー及び二次ダウンリンク・キャリアの上でDRXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、Node Bにより送信される下位層命令(例えば、HS−SCCH命令)を受信しても良い。一つのデザインにおいて、下位層命令は、アンカー・ダウンリンク・キャリア又は二次ダウンリンク・キャリアを介して送信されても良い。他のデザインいおいて、下位層命令は、アンカー・ダウンリンク・キャリアに制限されても良い。
【0060】
一つのデザインにおいて、エンティティーは、UEのためのDTX構成に従ってアンカー・アップリンク・キャリアの上で通信しても良い(ブロック1016)。エンティティーは、UEのためのDTX構成に従って二次アップリンク・キャリアの上で通信しても良い(ブロック1018)。アンカー及び二次アップリンク・キャリアは、データがUEによりNode Bに送信されることができる共通のアップリンク・サブフレームを有しても良い。
【0061】
他のデザインにおいて、エンティティーは、UEのためのDTX構成に従ってアップリンク・キャリアの上で通信しても良い。エンティティーは、アップリンク・キャリアの上でDTXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、アンカー・ダウンリンク・キャリア又は二次ダウンリンク・キャリアの上で下位層命令を交換しても良い。あるいは、エンティティーは、DTXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、アンカー・ダウンリンク・キャリアの上で下位層命令を交換することに制限されても良い。
【0062】
一つのデザインにおいて、二次ダウンリンク・キャリアがデアクティベートされるならば、エンティティーは、アンカー・ダウンリンク・キャリアのみの上で通信しても良い。二次ダウンリンク・キャリアがアクティベートされるならば、エンティティーは、両方のダウンリンク・キャリアの上で通信しても良い。一つのデザインにおいて、エンティティーは、DRXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、及び、二次ダウンリンク・キャリアをアクティベート又はデアクティベートするために、単一の下位層命令(例えば、1つのHS−SCCH命令)を交換しても良い。他のデザインにおいて、エンティティーは、DRXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、1つの下位層命令を交換しても良く、また、二次ダウンリンク・キャリアをアクティベート又はデアクティベートするために、他の下位層命令を交換しても良い。
【0063】
図11は、図1中のUE110、Node B 120及びRNC130のデザインのブロック図を示す。UE110において、エンコーダ1112は、アップリンクの上でUE110により送信されるべきトラフィック・データ及びメッセージを受信しても良い。エンコーダ1112は、トラフィック・データ及びメッセージを処理(例えば、符号化及びインターリーブ)しても良い。変調器(MOD)1114は、更に、符号化されたトラフィック・データ及びメッセージを処理(例えば、調整、チャネライズ及びスクランブル)し、そして、出力サンプルを提供しても良い。送信機(TMTR)1122は、該出力サンプルを調整(例えば、アナログ変換、フィルタリング、増幅及び周波数アップコンバート)し、そして、アップリンク信号を生成しても良い。そして、それはNode B 120に送信されても良い。
【0064】
ダウンリンクの上で、UE110は、Node B 120により送信されるダウンリンク信号を受信しても良い。受信機(RCVR)1126は、受信信号を調整(例えば、フィルタリング、増幅、周波数ダウンコンバート及びデジタイズ)し、そして、入力サンプルを提供しても良い。復調器(Demod)1116は、該入力サンプルを処理(例えば、デスクランブル、チャネライズ及び復調)し、そして、シンボル推定を提供しても良い。デコーダ1118は、該シンボル推定を処理(例えば、デインターリーブ及び復号)し、そして、UE110に送信される復号されたデータ及びメッセージ(例えば、HS−SCCH命令)を提供しても良い。エンコーダ1112、変調器1114、復調器1116及びデコーダ1118は、モデム・プロセッサ1110により実装されても良い。これらのユニットは、システムにより使用される無線技術(例えば、WCDMAなど)に従って処理を実行しても良い。(1又は複数の)コントローラ/プロセッサ1130は、UE110におけるオペレーションを指示(direct)しても良い。(1又は複数の)プロセッサ1130及び/又はUE110の他のユニットは、図9中のプロセス900、図10中のプロセス1000及び/又は本明細書で説明される技術のための他の方法を実行又は指示しても良い。メモリ1132は、UE110のためにプログラム・コード及びデータを格納しても良い。
【0065】
Node B 120において、送信機/受信機1138は、UE110及び他のUEのための無線通信をサポートしても良い。(1又は複数の)コントローラ/プロセッサ1140は、UEとの通信のために様々な機能を実行しても良い。アップリンクの上で、UE110からのアップリンク信号は、受信され、受信機1138により調整され、更に、UEにより送信されるトラフィック・データ及びメッセージをリカバーするために、(1又は複数の)コントローラ/プロセッサ1140により処理されても良い。ダウンリンクの上で、トラフィック・データ及びメッセージ(例えば、HS−SCCH命令)は、(1又は複数の)コントローラ/プロセッサ1140により処理され、ダウンリンク信号を生成するために、送信機1138により調整されても良い。そして、それはUE110及び他のUEに送信されても良い。(1又は複数の)プロセッサ1140及び/又はNodeB 120における他のユニットは、図9中のプロセス900、図10中のプロセス1000及び/又は本明細書で説明される技術のための他の方法を実行又は指示しても良い。メモリ1142は、Node Bのためにプログラム・コード及びデータを格納しても良い。通信(Comm)ユニット1144は、RNC130及び/又は他のネットワーク・エンティティーとの通信をサポートしても良い。
【0066】
RNC130において、(1又は複数の)コントローラ/プロセッサ1150は、UEのための通信サービスをサポートするために様々な機能を実行しても良い。(1又は複数の)プロセッサ1150及び/又はRNC130における他のユニットは、図9中のプロセス900、図10中のプロセス1000及び/又は本明細書で説明される技術のための他の方法の全部又は一部を実行しても良い。メモリ1152は、RNC130のためにプログラム・コード及びデータを格納しても良い。通信ユニット1154は、Node B及び他のネットワーク・エンティティーとの通信をサポートしても良い。
【0067】
情報及び信号は、いろいろな異なるテクノロジー及びテクニックの任意のものを用いて表現可能であることを、当業者は理解できるであろう。例えば、上記説明の間に参照される、データ、インストラクション、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及び、チップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁性粒子(magnetic fields or particles)、光場若しくは光学粒子(optical fields or particles)、又はそれらの任意の組み合わせにより表現可能である。
【0068】
本明細書での開示に関連して説明された、各種の例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及び、アルゴリズムのステップは、電子回路用ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は、それらの組み合わせとして、実装されても良いことを、当業者はさらに理解できるであろう。このハードウェア及びソフトウェアの互換性をめいりょうに説明するために、各種の例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及びステップが、一般に、それらの機能性の観点で、前述された。そのような機能性は、システム全体に課される特定のアプリケーション及びデザインの制約に応じて、ハードウェア又はソフトウェアとして実装される。当業者は、説明された機能性を、各々のアプリケーションのためのさまざまな方法で実装しても良いが、当該の実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱をもたらすものとして説明されるべきではない。
【0069】
本明細書での開示に関連して説明された、種々の例示的な役立つ、論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、個別ゲート又はトランジスタロジック、個別のハードウェアコンポーネント、又は本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされたそれらの任意の組み合わせで実装又は実行されても良い。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであっても良いが、代わりに、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであっても良い。プロセッサはまた、コンピュータデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連結する1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は、他のそのような構成、として実装されても良い。
【0070】
本明細書での開示に関連して説明された方法又はアルゴリズムのステップは、直接、ハードウェアにより具体化されても良いし、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールにより具体化されても良いし、又は、それら二つの組合せにより具体化されても良い。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、又は当該技術分野において知られている任意の他のフォームの記憶媒体に存在しても良い。例示的な記憶媒体は、プロセッサがその記憶媒体から情報を読み込み、また、それへ情報を書き込むことができるように、そのプロセッサに接続される。代わりに、記憶媒体は、プロセッサに一体化されていても良い。プロセッサ及び記憶媒体は、ASICにおいて存在しても良い。ASICは、ユーザ端末に存在しても良い。代わりに、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ端末の個別のコンポーネントとして存在しても良い。
【0071】
一つ又は複数の例示的なデザインにおいて、説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせにより実行されても良い。ソフトウェアで実装される場合には、機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体に、1又は複数のインストラクション又はコードとして、格納され又は伝送されても良い。コンピュータ読み取り可能な媒体は、或る場所から他の場所へのコンピュータ・プログラムの転送を容易にする任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体及び通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であっても良い。制限ではなく、例として、上記コンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は、インストラクション若しくはデータ構造の形で所望のプログラム・コード手段を伝えるか若しくは記憶するのに使用でき、且つ、汎用若しくは専用コンピュータ又は汎用若しくは専用プロセッサによってアクセスできる任意の他の媒体を含むことができる。また、任意のコネクションは、適切にコンピュータ読み取り可能な媒体と呼ばれる。例えば、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、又は、例えば赤外線、無線、マイクロ波のような無線技術を使用することによって、ウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースからソフトウェアが送信される場合に、その同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、又は、例えば赤外線、無線、マイクロ波のような無線技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で用いられるディスク(Disk)及びディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク及びブルーレイディスク(登録商標)を含む。ここで、ディスク(disks)は、通常、磁気的にデータを複製(reproduce)し、一方、ディスク(discs)は、レーザーを使って光学的にデータをさせる。上記の組み合わせはまた、コンピュータ読み取り可能な媒体の範囲の中に含まれるべきである。
【0072】
本開示の前の説明は、当業者が本開示を製造又は使用できるようにするために提供される。本開示への種々の変形は、当業者には容易に明白になるであろう。また、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用されても良い。それゆえ、本開示は、本明細書で説明された例及びデザインに限定されることが意図されているのではなく、本明細書に開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲を与えられることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信のための方法において、
ユーザ装置(UE)のための二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするための下位層命令を交換することと、
前記下位層命令が前記二次キャリアをデアクティベートする場合に、アンカー・キャリアのみの上で通信することと、
前記下位層命令が前記二次キャリアをアクティベートする場合に、前記アンカー・キャリア及び前記二次キャリアの上で通信することを含む方法。
【請求項2】
前記下位層命令を前記交換することは、前記二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするためにNode Bにより前記UEへ送信された前記下位層命令を受信することを含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記下位層命令を前記交換することは、前記二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするためにNode Bから前記UEへ前記下位層命令を送信することを含む請求項1の方法。
【請求項4】
前記下位層命令は、Node Bから前記UEへ送信されたHS−DSCH用共有制御チャネル(HS−SCCH)命令を含む請求項1の方法。
【請求項5】
前記UEにおいてHS−SCCHのないオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするための第2のHS−SCCH命令を交換することと、
前記第2のHS−SCCH命令が、HS−SCCHのないオペレーションをアクティベートする場合に、シグナリングなしでデータを交換することを更に含む請求項4の方法。
【請求項6】
HS−SCCHのないオペレーションは、前記アンカー・キャリアに制限される請求項5の方法。
【請求項7】
前記UEにおいて利用できる送信電力に基づいて、前記二次キャリアをアクティベートするか又はデアクティベートするかを判定することを更に含む請求項1の方法。
【請求項8】
前記UEにおけるデータ・アクティビティーに基づいて、前記二次キャリアをアクティベートするか又はデアクティベートするかを判定することを更に含む請求項1の方法。
【請求項9】
前記下位層命令が、前記二次キャリアをアクティベートする場合に、デアクティベーションのための他の下位層命令を交換することなく、特定のインアクティビティー時間が経過した後に前記二次キャリアをデアクティベーションすることを更に含む請求項1の方法。
【請求項10】
無線通信のための装置において、
ユーザ装置(UE)のための二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするための下位層命令を交換するための手段と、
前記下位層命令が前記二次キャリアをデアクティベートする場合に、アンカー・キャリアのみの上で通信するための手段と、
前記下位層命令が前記二次キャリアをアクティベートする場合に、前記アンカー・キャリア及び前記二次キャリアの上で通信するための手段とを含む装置。
【請求項11】
前記下位層命令を交換するための前記手段は、前記二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするためにNode Bにより前記UEへ送信された前記下位層命令を受信するための手段を含む請求項10の装置。
【請求項12】
前記下位層命令を交換するための前記手段は、前記二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするためにNode Bから前記UEへ前記下位層命令を送信するための手段を含む請求項10の装置。
【請求項13】
前記下位層命令は、Node Bから前記UEへ送信されたHS−DSCH用共有制御チャネル(HS−SCCH)命令を含む請求項10の装置。
【請求項14】
無線通信のための装置において、
ユーザ装置(UE)のための二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするための下位層命令を交換し、前記下位層命令が前記二次キャリアをデアクティベートする場合に、アンカー・キャリアのみの上で通信し、前記下位層命令が前記二次キャリアをアクティベートする場合に、前記アンカー・キャリア及び前記二次キャリアの上で通信するように構成される少なくとも一つのプロセッサを含む装置。
【請求項15】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするためにNode Bにより前記UEへ送信された前記下位層命令を受信するように構成される請求項14の装置。
【請求項16】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするためにNode Bから前記UEへ前記下位層命令を送信するように構成される請求項14の装置。
【請求項17】
前記下位層命令は、Node Bから前記UEへ送信されたHS−DSCH用共有制御チャネル(HS−SCCH)命令を含む請求項14の装置。
【請求項18】
少なくとも一つのコンピュータに、ユーザ装置(UE)のための二次キャリアをアクティベート又はデアクティベートするための下位層命令を交換させるためのコードと、
少なくとも一つのコンピュータに、前記下位層命令が前記二次キャリアをデアクティベートする場合に、アンカー・キャリアのみの上で通信させるためのコードと、
少なくとも一つのコンピュータに、前記下位層命令が前記二次キャリアをアクティベートする場合に、前記アンカー・キャリア及び前記二次キャリアの上で通信させるためのコードとを含むコンピュータ読み取り可能な媒体を含むコンピュータ・プログラム製品。
【請求項19】
無線通信のための方法において、
ユーザ装置(UE)のための不連続受信(DRX)構成に従ってアンカー・ダウンリンク・キャリアの上で通信することと、
前記UEのための前記DRX構成に従って二次ダウンリンク・キャリアの上で通信することを含み、
前記アンカー・ダウンリンク・キャリア及び前記二次ダウンリンク・キャリアは、データがNode BによりUEへ送信されることができる共通サブフレームを有する方法。
【請求項20】
前記アンカー・ダウンリンク・キャリア及び前記二次ダウンリンク・キャリアの上で、DRXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、前記NodeBから前記UEへ、下位層命令を送信することを更に含む請求項19の方法。
【請求項21】
前記アンカー・ダウンリンク・キャリア及び前記二次ダウンリンク・キャリアの上で、DRXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、前記NodeBにより前記UEへ送信された下位層命令を受信することを更に含む請求項19の方法。
【請求項22】
前記アンカー・ダウンリンク・キャリア及び前記二次ダウンリンク・キャリアの上で、DRXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、HS−DSCH用共有制御チャネル(HS−SCCH)命令を交換することを更に含む請求項19の方法。
【請求項23】
前記アンカー・ダウンリンク・キャリア及び前記二次ダウンリンク・キャリアの上で、DRXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、前記アンカー・ダウンリンク・キャリア又は前記二次ダウンリンク・キャリアを介して、下位層命令を交換することを更に含む請求項19の方法。
【請求項24】
前記UEのための不連続送信(DTX)構成に従って、アップリンク・キャリアの上で通信することを更に含む請求項19の方法。
【請求項25】
前記アップリンク・キャリアの上で、DRXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、前記アンカー・ダウンリンク・キャリア又は前記二次ダウンリンク・キャリアの上で下位層命令を交換することを更に含む請求項24の方法。
【請求項26】
前記アップリンク・キャリアの上で、DRXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために、前記アンカー・ダウンリンク・キャリアのみの上で下位層命令を交換することを更に含む請求項24の方法。
【請求項27】
UEのための不連続送信(DTX)構成に従って、アンカー・アップリンク・キャリアの上で通信することと、
前記UEのための前記DTX構成に従って、二次アップリンク・キャリアの上で通信することを更に含み、
前記アンカー・アップリンク・キャリア及び前記二次アップリンク・キャリアは、データが前記UEにより前記Node Bへ送信されることができる共通サブフレームを有する請求項19の方法。
【請求項28】
前記二次ダウンリンク・キャリアがデアクティベートされる場合に、前記アンカー・ダウンリンク・キャリアのみの上で通信することと、
前記二次ダウンリンク・キャリアがアクティベートされる場合に、前記アンカー・ダウンリンク・キャリア及び前記二次ダウンリンク・キャリアの上で通信することを更に含む請求項19の方法。
【請求項29】
DRXオペレーションをアクティベート又はデアクティベートするために及び前記二次ダウンリンク・キャリアをアクティベート又はデアクティベートするために、単一の下位層命令を交換することを更に含む請求項28の方法。
【請求項30】
無線通信のための装置において、
ユーザ装置(UE)のための不連続受信(DRX)構成に従ってアンカー・ダウンリンク・キャリアの上で通信するための手段と、
前記UEのための前記DRX構成に従って二次ダウンリンク・キャリアの上で通信するための手段とを含み、
前記アンカー・ダウンリンク・キャリア及び前記二次ダウンリンク・キャリアは、データがNode BによりUEへ送信されることができる共通サブフレームである装置。
【請求項31】
前記UEのための不連続送信(DTX)構成に従って、アップリンク・キャリアの上で通信するための手段を更に含む請求項30の装置。
【請求項32】
UEのための不連続送信(DTX)構成に従って、アンカー・アップリンク・キャリアの上で通信するための手段と、
前記UEのための前記DTX構成に従って、二次アップリンク・キャリアの上で通信するための手段とを更に含み、
前記アンカー・アップリンク・キャリア及び前記二次アップリンク・キャリアは、データが前記UEにより前記Node Bへ送信されることができる共通サブフレームを有する請求項30の装置。
【請求項33】
前記二次ダウンリンク・キャリアがデアクティベートされる場合に、前記アンカー・ダウンリンク・キャリアのみの上で通信するための手段と、
前記二次ダウンリンク・キャリアがアクティベートされる場合に、前記アンカー・ダウンリンク・キャリア及び前記二次ダウンリンク・キャリアの上で通信するための手段とを更に含む請求項30の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−85274(P2013−85274A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−270245(P2012−270245)
【出願日】平成24年12月11日(2012.12.11)
【分割の表示】特願2011−516525(P2011−516525)の分割
【原出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】