説明

マルチチャネル通信方式

【課題】 従来のSS方式の無線機では、耐干渉性能の向上を図ると回路規模が大規模になって装置コストが増大してしまい、また、従来のASK方式の無線機では、高い耐干渉性能を得ることができないという問題点があり、簡易な回路構成で、装置コストを増大させることなく、耐干渉性能を向上させることができるマルチチャネル通信方式を提供する。
【解決手段】 送信機に、第1の振動子23と、第2の振動子24と、振動子23、24の出力を切り替えるスイッチ22とを備え、受信機がASK受信可能な周波数帯域において、同一データを異なる周波数で複数回送信する送信機であり、受信機が、最初に受信したデータを採用する受信機であるASKマルチチャネル通信方式としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微弱無線モジュール等に用いられる無線通信方式に係り、特に簡易なシステムで耐干渉性能を向上させることができるマルチチャネル通信方式に関する。
【背景技術】
【0002】
[先行技術の説明:図3]
近年、車載用キーレスエントリーシステム等の遠隔制御用や遠隔監視用の無線モジュールとして、微弱無線モジュールが広く利用されている。
その技術的な特徴としては、微弱無線でありながらスペクトラム拡散(SS)方式を用いることにより、数十〜百数十mの通信距離を実現し、耐干渉性能及び秘匿性能を向上させ、更にまた、時分割双方向通信(アンサーバック)を実現していることなどがある。
【0003】
そして、微弱無線システムに対しては、一層の長距離通信を実現して、アプリケーションの拡大を図るよう市場の要求が高まっており、例えば、エンジンスタータ、車内モニタ、セキュリティツール等への応用が期待されている。
【0004】
長距離通信を安定して行うためには、干渉波によるノイズがある条件下における通信の信頼性を高めること(耐干渉性能の向上)が必要となる。
干渉波としては、広帯域ノイズと狭帯域ノイズとがあり、広帯域ノイズは、モーターノイズ、EMC(Electro-Magnetic Compatibility;電磁適合性、電磁両立性)等があり、狭帯域ノイズは他の無線機からの干渉が考えられる。
【0005】
SS方式を用いて耐干渉性を向上させることも考えられるが、SS方式を用いると、システムが複雑になり、装置コストが増大してしまうため、より簡易なシステムが望まれている。
【0006】
ここで、簡易なシステム構成が可能な従来のASK(Amplitude Shift Keying;振幅変調)方式の無線機について図5,6を用いて説明する。図5は、従来のASK方式の受信機の概略構成図であり、図6は、従来のASK方式の送信機の概略構成図である。
まず、受信機について説明する。
図5に示すように、従来のASK方式の受信機は、第1のフィルタ11と、増幅回路12と、ミキサ13と、第2のフィルタ14′と、リミッタアンプ15と、比較器16と、発振規17と、発振回路18とから構成されている。
【0007】
第1のフィルタ11は、受信信号の帯域制限を行う広帯域フィルタであり、LNAとミキサの混変調を防止するために設けられている。第1のフィルタ11は、SAWフィルタ(Surface Acoustic Filter;表面弾性波フィルタ)で構成され、通過帯域は数MHz〜である。
【0008】
増幅回路12は、第1のフィルタ11の出力を増幅する。
振動子17は、特定の周波数を発振する発振器である。
増幅回路18は、振動子17の出力を増幅する。振動子17と増幅回路18とで発振回路を構成している。
【0009】
ミキサ13は、増幅回路12の出力と発振回路からの特定周波数とを乗算して、受信信号をIF周波数にダウンコンバートする。
第2のフィルタ14′は、受信帯域を狭め、耐ノイズ性能をよくするために設けられるIFフィルタであり、セラフィル(登録商標)、アクティブフィルタで構成される。通過帯域は、数十から数百kHzである。
【0010】
リミッタアンプ15は、第2のフィルタの出力を増幅する。
比較器16は、基準電圧とリミッタアンプの出力とを比較してASK復調し、受信データを出力するものである。
【0011】
上記構成の受信機では、アンテナで受信された受信信号は、第1のフィルタで数MHz程度に帯域制限され、増幅回路12で増幅され、ミキサ13でIF周波数にダウンコンバートされ、リミッタアンプ15で更に増幅され、比較器16で受信データが復調されるようになっている。
【0012】
次に、送信機について説明する。
図6に示すように、従来のASK方式の送信機は、送信周波数を発振する発振器25と、送信信号を増幅する増幅回路21とを備えた発振回路で構成されている。
そして、発振器25からの特定の周波数の信号を搬送波として、増幅回路21が、設置機器(図示せず)から入力された送信データでASK変調して増幅して送信する。ここで、送信データは増幅回路21のオン/オフの切り替え制御も兼ねており、送信データの入力があると増幅回路21がオンになる。
発振回路としては、オーバトーン発振器や、逓倍回路が用いられる。
【0013】
[先行技術文献]
尚、マルチチャネル方式の無線機に関する先行技術としては、特開平11−341086号公報(特許文献1)、特開2000−124837号公報(特許文献2)、特開2005−278162号公報(特許文献3)がある。
【0014】
特許文献1には、マルチチャネル方式無線機において、送信チャネルデータに応じて発信振周波数を切り替える構造が記載されている。
特許文献2には、スペクトラム拡散通信無線機において、送信データと2つのシンセサイザの発生波を乗積する構造が記載されている。
特許文献3には、マルチチャネル方式無線機において、送信データの変調方式の第1信号と第2信号を、電力に応じて切り替える構造が記載されている。
【0015】
【特許文献1】特開平11−341086号公報
【特許文献2】特開2000−124837号公報
【特許文献3】特開2005−278162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、従来のSS方式を用いた無線機では、耐干渉性能の向上を図ることはできるが、回路規模が大規模になって装置コストが増大してしまうという問題点があった。
【0017】
また、従来のASK方式を用いた無線機では、装置構成は簡易であるが、高い耐干渉性能を得ることができないという問題点があった。
【0018】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、簡易な回路構成で、装置コストを増大させることなく、耐干渉性能を向上させることができるマルチチャネル通信方式を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、ASKを用いた無線通信方式のASKマルチチャネル通信方式であって、送信機が、受信機がASK受信可能な周波数帯域において、同一データを異なる周波数で複数回送信する送信機であり、受信機が、最初に受信したデータを採用する受信機であることを特徴としている。
【0020】
また、本発明は、ASKを用いた無線通信方式のASKマルチチャネル通信方式であって、送信機が、受信機がASK受信可能な周波数帯域において、同一データを異なる周波数で複数回送信する送信機であり、受信機が、異なる周波数で受信したデータの内、受信状態の良好なデータを採用する受信機であることを特徴としている。
【0021】
また、本発明は、上記マルチチャネル通信方式において、送信機は、第1の発振周波数を発振する第1の発振手段と、第2の周波数を発振する第2の発振手段と、第1の発振手段からの出力と第2の発振手段からの出力とを切り替える切替手段とを備え、切替手段によって第1の発振手段の出力が選択されている時には、第1の周波数で送信データを送信し、切替手段によって第2の発振手段の出力が選択されている時には、第2の周波数で送信データを送信する送信機であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、送信機が、受信機がASK受信可能な周波数帯域において、同一データを異なる周波数で複数回送信する送信機であり、受信機が、最初に受信したデータを採用する受信機であるASKマルチチャネル通信方式としているので、1回目の送信周波数が干渉を受けて正常に受信されなかった場合でも、2回目に異なる送信周波数で送信することにより、正常に受信される可能性を高めることができ、簡易な装置構成でコストを増大させることなく、通信の信頼性を向上させ、耐干渉性能を向上させることができる効果がある。
【0023】
また、本発明によれば、送信機が、受信機がASK受信可能な周波数帯域において、同一データを異なる周波数で複数回送信する送信機であり、受信機が、異なる周波数で受信したデータの内、受信状態の良好なデータを採用する受信機であるASKマルチチャネル通信方式としているので、常に品質の高いほうのデータを採用することができ、通信の信頼性を向上させ、耐干渉性能を向上させることができる効果がある。
【0024】
本発明によれば、送信機が、第1の発振手段と第2の発振手段と、それらの出力を切り替える切替手段を備え、切替手段によって第1の発振手段の出力が選択されている時には、第1の周波数で送信データを送信し、切替手段によって第2の発振手段の出力が選択されている時には、第2の周波数で送信データを送信する上記ASKマルチチャネル通信方式としているので、簡易な構成で複数の送信周波数を切り替えて送信することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
[発明の概要]
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係るマルチチャネル通信方式は、ASK方式の無線機を用いた通信方式であり、送信側からデータを送信する際に、同一のデータについて異なる送信周波数を用いて複数回送信し、受信側では通常のASK方式で受信して、初めに受信したデータを有効とするものであり、初めの送信周波数が干渉を受けていたとしても他の周波数で通信可能となるため、ASK方式の簡易な装置で、耐干渉性能を向上させ、信頼性の高い通信を実現できるものである。
【0026】
[本実施の形態の概要;図1,図2]
本発明の実施の形態に係るマルチチャネル通信方式について図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るマルチチャネル通信方式(本通信方式)の模式説明図であり、図2は、本通信方式の概要を示す説明図である。
本通信方式は、ASK方式を用いたマルチチャネル通信方式であって、図1及び図2に示すように、ASKマルチチャネル送信機から、1つのデータを周波数f1と周波数f2とで2回送信するものである。これにより、一方の周波数が干渉を受けていて、正常な受信ができなくても他方の周波数でより高品質の通信が可能となり、狭帯域ノイズに対する干渉性能を向上させることが可能となるものである。
【0027】
送信機における送信周波数f1及びf2は、受信機のフィルタ帯域内となるように設定している。
そして、ASK受信機でf1及びf2で送信されるデータを受信し、ASK復調するものである。受信機は、一般的なASK受信機であり、f1とf2で送信されるデータを両方とも受信可能であるため、システムを簡易に構成できるものである。
【0028】
そして、受信機において、同一データを2回受信した場合には、いずれか一方のデータを有効とするものであり、例えば、最初に受信したデータを有効としたり、受信状態の良好なほうを有効とすることが考えられる。
【0029】
次に、本通信方式を実現する無線機について説明する。
[受信機の構成;図3]
まず、本通信方式を実現する受信機について図3を用いて説明する。図3は、本通信方式の受信機を示す概略構成図である。
図3に示すように、本通信方式の受信機(本受信機)は、図5に示した従来の受信機とほぼ同様の構成を備えたASK受信機であり、第1のフィルタ11と、増幅回路12と、ミキサ13と、第2のフィルタ14と、リミッタアンプ15と、比較器16と、振動子17と、増幅回路18とから構成されている。
【0030】
上記構成の内、第2のフィルタ14以外の第1のフィルタ11と、増幅回路12と、ミキサ13と、リミッタアンプ15と、比較器16と、振動子17と、増幅回路18は、従来の受信機と同様の構成及び動作であるため説明は省略する。
【0031】
第2のフィルタ14は、通過帯域を数十kHz程度とするIFフィルタであり、セラフィル(登録商標)やアクティブフィルタで構成されている。
本受信機では、第2のフィルタ14の通過帯域を数十kHz程度として、従来の数十〜数百kHzに比べて狭くすることにより、広帯域干渉のノイズをここでカットすることができ、広帯域干渉に対する耐干渉性能の向上を図ることができるものである。
【0032】
本受信機は、従来の受信機と比較して、第2のフィルタの通過帯域を狭くしたこと以外は、従来のASK受信機と同じ構成であるため、簡易な構成で低コストで耐干渉性を向上させる無線システムを実現することができるものである。
【0033】
[送信機の構成;図4]
次に、本通信方式を実現する送信機について図4を用いて説明する。図4は、本通信方式を実現する送信機の概略構成図である。
図4に示すように、本通信方式を実現する送信機は、送信周波数f1,f2を切り替え可能なマルチチャネルASK送信機であり、増幅回路21と、スイッチ22と、第1の振動子23と、第2の振動子24とから構成されている。
【0034】
第1の振動子23は、水晶振動子等で構成され、周波数f1を発振して出力する発振手段である。
同様に、第2の振動子24は、周波数f2を出力する発振手段である。
そして、上述したように、f1,f2は、いずれも、受信機のフィルタ帯域内の周波数としている。
【0035】
スイッチ22は、第1の振動子23の出力(f1)又は第2の振動子24の出力(f2)のいずれかを増幅回路21に入力するものであり、送信に伴う制御を行う制御部を備えた設置機器(図示せず)から入力される制御信号によって、f1又はf2を切り替えるようになっている。スイッチ22は、請求項に記載された「切替手段」に相当する。
【0036】
送信データは、設置機器から出力されるものであり、本通信方式の特徴として、同じデータが2回出力されるようになっている。
その際、本通信方式の特徴として、設置機器は、送信データの1回目の出力時には、スイッチ22を周波数f1側に切り替えるよう制御信号を出力し、送信データの2回目の出力時には、スイッチ22を周波数f2側に切り替えるよう、制御信号を出力するようになっている。
【0037】
増幅回路21は、スイッチ22を介して入力される第1又は第2の振動子23,24からの出力信号を搬送波として、入力された送信データで搬送波をASK変調により増幅してアンテナに出力するものである。従来と同様に、増幅回路21は、送信データの入力/非入力に応じてオン/オフが切り替えられるようになっており、送信データの入力がある場合のみオンになって増幅動作を行うようになっている。
【0038】
そして、スイッチ22がf1に切り替えられている場合に、送信データが入力されると、増幅回路21は、送信データで送信周波数f1をASK変調して増幅して送信し、スイッチ22がf2側に切り替えられている場合には、送信データでf2をASK変調して送信する。
【0039】
これにより、本通信方式では、異なる送信周波数f1及びf2でデータを送信することにより、一方の周波数が干渉を受けていても他方の周波数で通信を行うことができ、耐干渉性能を向上させることができるものである。
【0040】
[本通信方式の動作]
次に、本通信方式の無線機における動作について説明する。
まず、送信機側において、設置機器から送信データの1回目が出力される。このとき、設置機器は、スイッチ22に対して、f1側に切り替える制御信号を出力し、スイッチ22はf1側に切り替えられる。
【0041】
そして、1回目のASK送信データが増幅回路21に入力されると、増幅回路21はオンとなり、周波数f1の搬送波を送信データでASK変調して増幅し、アンテナに出力して送信する。
【0042】
次に、設置機器は、同一の送信データについて2回目の出力を行う。このとき、設置機器は、スイッチ22を周波数f2側に切り替える制御信号を出力し、スイッチ22はf2側に切り替えられる。
【0043】
そして、2回目の送信データが増幅回路21に入力されると、増幅回路21は周波数f2の搬送波を送信データでASK変調して増幅して送信する。送信データ出力後、一定時間後に増幅回路21はオフになる。このようにして本通信方式の送信機における動作が行われるものである。
【0044】
受信機側における動作は、通常のASK受信機における動作と同様であり、まず、f1で送信された無線信号を受信すると、受信信号は第1のフィルタ11で数MHz程度に帯域制限され、増幅回路12に出力されて増幅される。
【0045】
そして、増幅された受信信号は、ミキサ13で発振回路の増幅回路18からの出力信号と乗算されてIF帯域にダウンコンバートされ、第2のフィルタ14で数十kHzに帯域制限される。この第2のフィルタ14の通過帯域を狭くしていることにより、広帯域干渉のノイズがカットされる。
そして、リミッタアンプ15で増幅され、比較器16で基準振幅と比較されてASK復調され、復調データが出力される。
【0046】
受信機は、2回目の送信データの受信時にも同様の動作で受信データをASK復調し、前回受信時と同一データであった場合には、最初に受信したデータを採用してそれに基づいて以降の処理を行う。
【0047】
最初に受信したデータを採用する構成とした場合は、受信側において特別の処理を行う必要がなく、同じデータを2度受信した場合に2度目のデータを廃棄するだけであるが、例えば、最初の送信周波数での通信状態が非常に悪く、正常に復調できなかった場合には、2度目のデータのみが受信データとして認識されて、2度目のデータを採用することができ、耐干渉性能を向上させることができるものである。
【0048】
または、受信機側において、受信信号に基づいて通信状態を判断し、1回目と2回目の通信状態を比較して、良好な状態で受信した方のデータを採用するようにしてもよい。
この場合には、受信機側における処理量が増大するものの、2回の受信による受信データの内、品質の高い受信データを採用できるため、より信頼性の高い通信を行うことができ、耐干渉性能を一層向上させることができるものである。
このようにして本通信方式の受信機における動作が行われるものである。
【0049】
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係るASKマルチチャネル通信方式によれば、ASK方式の無線器を用いた通信方式であり、送信機に、周波数f1を発振する第1の振動子23と、周波数f2を発振する第2の振動子24と、第1の振動子23、第2の振動子24の出力を切り替えて増幅回路21に出力するスイッチ22とを備え、送信データを増幅回路21に出力する設置機器が、送信データの1回目の出力時には、スイッチ22を振動子23に切り替える制御信号を出力し、当該送信データの2回目の出力時には、スイッチ22を振動子24に切り替える制御信号を出力し、増幅回路21が、同一データについて1回目は周波数f1でASK変調して送信し、2回目はf2でASK変調して送信し、受信機が、受信信号をASK復調して、同一のデータを2回受信した場合には、1回目に受信したデータを受信データとして採用する通信方式としているので、初めの送信周波数f1が干渉を受けて正常に受信されなかった場合でも、2度目の送信周波数f2により正常に受信できる可能性があり、簡易な装置構成且つ低コストで、無線通信の耐干渉性能を向上させることができる効果がある。
【0050】
また、本通信方式によれば、送信機が送信する周波数f1,f2は、受信機がASK受信可能なフィルタ帯域内の周波数としているので、受信機側には特別な構成を備える必要はなく、簡易な構成で耐干渉性能を向上させる無線システムを実現できる効果がある。
【0051】
また、本通信方式によれば、受信機において、IFフィルタである第2のフィルタ14の通過帯域を数十kHZとして、従来よりも狭めているので、広帯域干渉ノイズをカットすることができ、広帯域干渉に対する耐干渉性能を向上させることができる効果がある。
【0052】
更に、受信機において、データ受信時に受信状態を判断し、同一のデータを2回受信した場合に、受信状態の良好なデータを受信データとして採用するようにしてもよく、このようにすれば、常に品質の高いほうのデータを採用することができ、通信の信頼性を向上させて無線通信の耐干渉性能を一層向上させることができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、簡易なシステムで耐干渉性能を向上させることができるマルチチャネル通信方式に適している。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係るマルチチャネル通信方式(本通信方式)の模式説明図である。
【図2】本通信方式の概要を示す説明図である。
【図3】本通信方式の受信機を示す概略構成図である。
【図4】本通信方式を実現する送信機の概略構成図である。
【図5】従来のASK方式の受信機の概略構成図である。
【図6】従来のASK方式の送信機の概略構成図である。
【符号の説明】
【0055】
11…第1のフィルタ、 12…増幅回路、 13…ミキサ、 14…第2のフィルタ、 15…リミッタアンプ、 16…比較器、 17…振動子、 18…増幅器、 21…増幅器、 22…スイッチ、 23…第1の振動子、 24…第2の振動子、 25…振動子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ASKを用いた無線通信方式であって、
送信機が、受信機がASK受信可能な周波数帯域において、同一データを異なる周波数で複数回送信する送信機であり、
前記受信機が、最初に受信したデータを採用する受信機であることを特徴とするASKマルチチャネル通信方式。
【請求項2】
ASKを用いた無線通信方式であって、
送信機が、受信機がASK受信可能な周波数帯域において、同一データを異なる周波数で複数回送信する送信機であり、
前記受信機が、異なる周波数で受信したデータの内、受信状態の良好なデータを採用する受信機であることを特徴とするASKマルチチャネル通信方式。
【請求項3】
送信機は、第1の発振周波数を発振する第1の発振手段と、
第2の周波数を発振する第2の発振手段と、
前記第1の発振手段からの出力と前記第2の発振手段からの出力とを切り替える切替手段とを備え、
前記切替手段によって前記第1の発振手段の出力が選択されている時には、前記第1の周波数で送信データを送信し、
前記切替手段によって前記第2の発振手段の出力が選択されている時には、前記第2の周波数で送信データを送信する送信機であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマルチチャネル通信方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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