説明

マルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路

【課題】磁気ノイズの低減とコストダウンを図ることができるマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路を提供すること。
【解決手段】DC/DCコンバータ回路100は、それぞれがリアクトルとスイッチング素子とを含み、互いに並列接続されて駆動される複数のコンバータ部110〜140と、これら複数のコンバータ部に含まれるスイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御部170とを備える。一部のリアクトル112等によって発生する磁界を、他の一部のリアクトル122等によって発生する磁界が打ち消すように、これらのリアクトルに流れる電流の向きを反対に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並列接続された複数のコンバータ部を用いて入力電圧を出力電圧に変換するマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、出力負荷の増大に伴って大電流化や低リップル化を実現するために、動作フェーズ数を複数にしたマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路が知られている(例えば、特許文献1−4参照。)。複数の動作フェーズを並列接続するとともに、位相をずらして各動作フェーズを駆動することにより、大電流化と同時に出力電流の脈流を大幅に減らすことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭53−83014号公報(第2−3頁、図1−6)
【特許文献2】特開2008−141802号公報(第6−11頁、図1−13)
【特許文献3】特開2006−187140号公報(第3−6頁、図1−5)
【特許文献4】特開2010−119177号公報(第4−7頁、図1−2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、昇圧動作あるいは降圧動作を行うためにリアクトルを用いるDC/DCコンバータ回路では、リアクトルによって大きな磁気ノイズが発生する。特に、特許文献1−4に開示されたマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路には、各動作フェーズに対応してリアクトルが含まれるため、回路全体で発生する磁気ノイズは大きくなり、出力負荷の増大に対応して動作フェーズ数が増えると磁気ノイズはさらに大きくなるという問題があった。このような増大した磁気ノイズは、他の製品の電子製品(車載の場合には他の制御用ICを備えた制御装置やナビゲーション装置)の誤動作の要因になったり、オーディオ装置の出力音声に混入するノイズの要因になったりする。あるいは、心臓ペースメーカに影響を与える要因になったりする。また、このような磁気ノイズの影響を低減するために磁気シールドを追加することが考えられるが、部品の追加に伴ってコストが上昇するという問題が新たに生じる。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、磁気ノイズの低減とコストダウンを図ることができるマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明のマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路は、それぞれがリアクトルとスイッチング素子とを含み、互いに並列接続されて駆動される複数のコンバータ部と、複数のコンバータ部に含まれるスイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御部とを備え、一部のリアクトルによって発生する磁界を、他の一部のリアクトルによって発生する磁界が打ち消すように、これらのリアクトルに流れる電流の向きを設定している。
【0007】
一部のリアクトルによって発生する磁界を他の一部のリアクトルによって発生する磁界で打ち消すことにより、マルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路全体により発生する磁界を弱めて磁気ノイズを減らすことができる。また、磁気シールド等の他の部品を用いることがないため、別部品を用いる場合に比べてコストダウンを図ることができる。
【0008】
具体的には、上述した一部のリアクトルおよび他の一部のリアクトルの配置およびコイルの巻方向の少なくとも一方を互いに反対にすることにより、それぞれにおいて発生する磁界を打ち消すことが望ましい。このようにすることで、容易に各リアクトルの電流の向きを反対にすることができる。
【0009】
また、上述した一部のリアクトルおよび他の一部のリアクトルは、互いに隣接配置されていることが望ましい。これにより、リアクトルによって発生する磁気ノイズを確実に低減することが可能となる。
【0010】
また、上述したリアクトルには、スイッチング素子のオン/オフ動作に伴って、連続的あるいは不連続的に一方向に電流が流れることが望ましい。各リアクトルに一方向に電流が流れる場合には、リアクトルの配置やコイルの巻方向を工夫することにより、各リアクトルによって発生する磁界を打ち消して確実に磁気ノイズを低減することができる。
【0011】
また、上述したコンバータ部は、リアクトル、スイッチング素子、ダイオードあるいは前記スイッチング素子と異なるスイッチング素子を有し、これらの各素子とコンデンサによってスイッチングコンバータが形成されていることが望ましい。各コンバータ部をこのような構成とすることにより、昇圧型コンバータ、降圧型コンバータおよび昇降圧型コンバータを必要に応じて実現することができる。
【0012】
また、上述したリアクトルの数が3以上の場合に、一部のリアクトルおよび他の一部のリアクトルを交互に配置することが望ましい。これにより、複数のリアクトルの全体によって発生する磁気ノイズをさらに低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施形態のDC/DCコンバータ回路の構成を示す図である。
【図2】出力負荷が最大であって動作フェーズ数が4で動作する場合の各コンバータ部の駆動タイミングを示す図である。
【図3】出力負荷が最大時よりも小さくなって動作フェーズ数が3で動作する場合の各コンバータ部の駆動タイミングを示す図である。
【図4】4個のリアクトルの配置例を示す図である。
【図5】4個のリアクトルの他の配置例を示す図である。
【図6】降圧型DC/DCコンバータ回路の一例を示す図である。
【図7】昇降圧型DC/DCコンバータ回路の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した一実施形態のマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路について、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態のDC/DCコンバータ回路の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態のDC/DCコンバータ回路100は、互いに並列接続されて駆動される4つのコンバータ部110、120、130、140と、2つのコンデンサ150、152と、電流検出回路160と、4つのコンバータ部110〜140のそれぞれのスイッチング動作を別々に制御する4つの駆動信号を生成する制御部170とを含んで構成されている。
【0015】
本実施形態のDC/DCコンバータ回路100は、入力側に電源200が、出力側に負荷210がそれぞれ接続され、電源200から印加される電圧Vpを昇圧して負荷210に印加する。一方のコンデンサ150は、入力側において電源200に並列に接続される。他方のコンデンサ152は、出力側において負荷210に並列に接続される。
【0016】
コンバータ部110は、リアクトル112、ダイオード114、MOS−FET116を備えている。同様に、コンバータ部120は、リアクトル122、ダイオード124、MOS−FET126を備えている。コンバータ部130は、リアクトル132、ダイオード134、MOS−FET136を備えている。コンバータ部140は、リアクトル142、ダイオード144、MOS−FET146を備えている。このように、4つのコンバータ部110〜140のそれぞれは同じ構成を有しており、以下ではコンバータ部110について詳細に説明し、他のコンバータ部120等については詳細な説明を省略する。
【0017】
リアクトル112とダイオード114によって直列回路が形成されており、この直列回路の一方の端部(リアクトル112の一方端)が入力端子に、他方の端部(ダイオード114のカソード側)が出力端子に接続されている。また、MOS−FET116は、スイッチング素子であって、一方端(ドレイン側)がリアクトル112とダイオード114の接続点に接続され、他方端(ソース側)が接地されている。また、ゲートが制御部170に接続されており、制御部170から出力される駆動信号によってMOS−FET116のスイッチング動作が制御される。このコンバータ部110と出力側に接続されたコンデンサ152によって1フェーズの昇圧型コンバータ(スイッチングコンバータ)が形成されている。
【0018】
電流検出回路160は、負荷210に供給される電流値を検出する。例えば、最も簡単には検出抵抗が用いられ、その両端電圧が制御部170に入力される。この場合には、制御部170は、Vr/R(Rは検出抵抗の抵抗値、Vrは検出抵抗の両端電圧)を計算して負荷電流(出力負荷の大きさ)を検出する。
【0019】
制御部170は、電流検出回路160を用いて検出した出力負荷の大きさに基づいて、動作フェーズ数を決定する。具体的には、制御部170は、出力負荷の大小に応じて、コンバータ部110〜140の中で使用するコンバータ部の数を決定する。例えば、出力負荷の大小が4つのレベルA、B、C、D(Aが最も大きく、Dが最も小さい)に分類されている。
【0020】
出力負荷レベルがAのときに、制御部170は、4つのコンバータ部110〜140の全てを使用して動作するように、これら4つのコンバータ部110〜140のそれぞれを制御する4つの駆動信号を生成して出力する。また、出力負荷レベルがBのときに、制御部170は、3つのコンバータ部110〜130を使用して動作するように、これら3つのコンバータ部110〜130のそれぞれを制御する3つの駆動信号を生成して出力する。また、出力負荷レベルがCのときに、制御部170は、2つのコンバータ部110、120を使用して動作するように、これら2つのコンバータ部110、120のそれぞれを制御する2つの駆動信号を生成して出力する。また、出力負荷レベルがDのときに、制御部170は、1つのコンバータ部110を使用して動作するように、このコンバータ部110を制御する1つの駆動信号を生成して出力する。
【0021】
また、制御部170は、各動作フェーズの動作タイミングを動作フェーズ数にあわせて切り替える。具体的には、制御部170は、出力負荷の大小に応じて使用されるコンバータ部の各駆動タイミング(制御タイミング)が等間隔となるように、複数の駆動信号の互いの位相差を設定する。
【0022】
図2は、出力負荷が最大(レベルA)であって動作フェーズ数が4で動作する場合の各コンバータ部の駆動タイミングを示す図である。図2において、駆動信号1(フェーズ1)は、制御部170からコンバータ部110内のMOS−FET116のゲートに入力される駆動信号を示している。駆動信号2(フェーズ2)は、制御部170からコンバータ部120内のMOS−FET126のゲートに入力される駆動信号を示している。駆動信号3(フェーズ3)は、制御部170からコンバータ部130内のMOS−FET136のゲートに入力される駆動信号を示している。駆動信号4(フェーズ4)は、制御部170からコンバータ部140内のMOS−FET146のゲートに入力される駆動信号を示している。
【0023】
コンバータ部110に入力される駆動信号1は、例えばデューディが50%で所定周期を有する矩形波信号(PWM信号)であり、ハイレベルのときにMOS−FET116がオンされ、ローレベルのときにMOS−FET116がオフされる。駆動信号1のデューティは、出力負荷の大きさに応じて所定範囲で連続的に可変される。駆動信号2は、駆動信号1と同じ周期および同じデューティを有する矩形波信号であり、駆動信号1に対してオン/オフタイミングのみを90°ずらして設定されている。同様に、駆動信号3は、駆動信号1と同じ周期および同じデューティを有する矩形波信号であり、オン/オフタイミングのみを駆動信号1に対して180°、駆動信号2に対して90°ずらして設定されている。駆動信号4は、駆動信号1と同じ周期および同じデューティを有する矩形波信号であり、オン/オフタイミングのみを駆動信号1に対して270°、駆動信号2に対して180°、駆動信号3に対して90°ずらして設定されている。
【0024】
このように動作フェーズ数が4で動作する場合には、4個のリアクトル112〜142のそれぞれには、対応するMOS−FET116〜146のオン/オフ動作に伴って、連続的あるいは不連続的に一方向に電流が流れる。連続的に一方向に電流が流れる場合とは、「電流連続モード」で動作する場合であり、例えば大きい負荷210が接続された場合にこのような電流が流れる。一方、不連続に一方向に電流が流れる場合とは、「電流不連続モード」で動作する場合であり、例えば小さい負荷210が接続された場合にこのような電流が流れるとともに、MOS−FET116〜146のスイッチング周期に同期したタイミングで各リアクトルに流れる電流が0となる期間が存在する。
【0025】
図3は、出力負荷が最大時よりも小さくなって(レベルB)、動作フェーズ数が3で動作する場合の各コンバータ部の駆動タイミングを示す図である。この場合には、制御部170は、コンバータ部140に対応する駆動信号4の出力を停止(ローレベルを維持)し、残り3つの駆動信号1〜3を3つのコンバータ部110〜130のそれぞれに入力するとともに、これら3つの駆動信号1〜3の互いの位相差を120°に設定する。すなわち、駆動信号2は、駆動信号1と同じ周期および同じデューティを有するとともに、駆動信号1に対してオン/オフタイミングのみを120°ずらして設定されている。駆動信号3は、駆動信号1と同じ周期および同じデューティを有するとともに、オン/オフタイミングのみを駆動信号1に対して240°、駆動信号2に対して120°ずらして設定されている。
【0026】
なお、図示は省略するが、出力負荷がさらに小さくなって(レベルC)、動作フェーズ数が2で動作する場合には、駆動信号1、2のみが用いられ、駆動信号3、4の出力が停止される。また、駆動信号2は、駆動信号1と同じ周期および同じデューティを有するとともに、駆動信号1に対してオン/オフタイミングのみを180°ずらして設定される。
【0027】
このように、出力負荷の大小にあわせて動作フェーズ数が変更された場合に各コンバータ部を制御する駆動信号の位相差を調整することにより、駆動信号の位相が偏ることにより発生する出力電流の脈流およびリップルを低減することができる。出力負荷の大小にあわせて動作フェーズ数が変更されるため、同時に、低負荷から高負荷までの広い範囲で高効率を実現することができる。
【0028】
ところで、本実施形態のDC/DCコンバータ回路100では、コンバータ部110〜140のそれぞれに含まれる合計4個のリアクトル112、122、132、142は、一部のリアクトルによって発生する磁界を、他の一部のリアクトルによって発生する磁界が打ち消すように、これらのリアクトルの配置および流れる電流の向きの少なくとも一方が設定されている。具体的には、2つのリアクトルが互いの磁界を打ち消すために、それぞれのリアクトルに流れる電流の向きが反対になるように設定されている。また、電流を反対にするためには、(1)同じ構造の2つのリアクトルを、磁界の向きが反対になるように配置を反対にする場合と、(2)2つのリアクトルに含まれるコイルの巻方向を反対にする場合が考えられるが、これらを組み合わせるようにしてもよい。
【0029】
図4は、4個のリアクトルの配置例を示す図である。図4において、リアクトル112〜142のそれぞれに付された矢印は、磁界の向きの違いを示すためのものであり、同じ向きの矢印を有するリアクトルによって発生する磁界Aが同じ向きを有し、反対向きの矢印を有するリアクトルによって磁界Aを打ち消す向きの磁界Bが発生することを示している。なお、これらの矢印は、互いに打ち消しあう2種類の磁界を区別するためのものであって、必ずしも矢印の向きを有する磁界を発生するという趣旨ではない。
【0030】
図4に示す例では、4個のリアクトル112〜142は一列に隣接配置されており、隣り合う2つのリアクトルによって発生する磁界の向きが互いに反対となるように、それぞれのリアクトルの電流の向きが設定されている。すなわち、4個のリアクトル112〜142のそれぞれによって発生する磁界が、配列の順に交互に反対になるように各リアクトルが配置されている。
【0031】
なお、DC/DCコンバータ回路100から漏れる磁束を最少にするためには4個のリアクトル112〜142の間隔を最も狭く、すなわち、4個のリアクトル112〜142が互いに接触するように配置することが望ましい。
【0032】
図5は、4個のリアクトルの他の配置例を示す図である。図5に示す例では、4個のリアクトル112〜142は、2行2列になるように隣接配置されている。また、各リアクトルは、隣接するリアクトルに対して発生する磁界の向きが反対になるように電流の向きが設定されている。
【0033】
このように、本実施形態のDC/DCマルチコンバータ回路100では、一部のリアクトル(リアクトル112、132)によって発生する磁界を他の一部のリアクトル(リアクトル122、142)によって発生する磁界で打ち消すことにより、マルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路100全体により発生する磁界を弱めて磁気ノイズを減らすことができる。また、磁気シールド等の他の部品を用いることがないため、別部品を用いる場合に比べてコストダウンを図ることができる。特に、上述した一部のリアクトルおよび他の一部のリアクトルの配置およびコイルの巻方向の少なくとも一方を互いに反対にすることで、容易に各リアクトルの電流の向きを反対にすることができる。
【0034】
また、電流の向きが反対となる各リアクトルを互いに隣接配置(リアクトル数が3以上の場合には交互に配置)することにより、各リアクトルによって発生する磁気ノイズを確実に低減することが可能となる。
【0035】
また、リアクトル112〜142には、対応するMOS−FET116〜146のオン/オフ動作に伴って連続的あるいは不連続的に一方向に電流が流れるため、各リアクトルの配置やコイルの巻方向を工夫することにより、各リアクトルによって発生する磁界を打ち消して確実に磁気ノイズを低減することができる。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、出力負荷の大小にあわせて動作フェーズ数を決定したが、出力負荷の大きさにかかわらず動作フェーズ数が固定されているDC/DCコンバータ回路に本発明を適用するようにしてもよい。
【0037】
また、上述した実施形態では、4つのコンバータ部を備えた動作フェーズ数が4のDC/DCコンバータ回路について説明したが、動作フェーズ数が3以下あるいは5以上のDC/DCコンバータ回路についても本発明を適用することができる。また、複数のコンバータ部に対応して1つのコンデンサ150および1つのコンデンサ152を用いたが、これらのコンデンサ150、152のそれぞれを複数個のコンデンサによって形成したり、複数のコンバータ部のそれぞれの内部に個別のコンデンサを設けるようにしてもよい。
【0038】
また、上述した実施形態では、ダイオード114等を用いたが、このダイオードをスイッチング素子(例えば、MOS−FET)に置き換えるようにしてもよい。この場合には、制御部170は、このスイッチング素子のオン/オフタイミングがMOS−FET116等のオン/オフタイミングと反対になるように制御する必要がある。
【0039】
また、上述した実施形態では、昇圧型のDC/DCコンバータ回路について説明したが、動作フェーズ数が複数の降圧型あるいは昇降圧型のDC/DCコンバータ回路についても本発明を適用することができる。
【0040】
図6は、降圧型DC/DCコンバータ回路の一例を示す図であり、図1に対応する構成が示されている。図7は、昇降圧型DC/DCコンバータ回路の一例を示す図であり、図1に対応する構成が示されている。
【産業上の利用可能性】
【0041】
上述したように、本発明によれば、一部のリアクトルによって発生する磁界を他の一部のリアクトルによって発生する磁界で打ち消すことにより、DC/DCコンバータ回路100全体により発生する磁界を弱めて磁気ノイズを減らすことができる。また、磁気シールド等の他の部品を用いることがないため、別部品を用いる場合に比べてコストダウンを図ることができる。
【符号の説明】
【0042】
100 DC/DCコンバータ回路
110、120、130、140 コンバータ部
118、128、138、148、160 電流検出回路
150、152 コンデンサ
170 制御部
200 電源
210 負荷
112、122、132、142 リアクトル
114、124、134、144 ダイオード
116、126、136、146 MOS−FET

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがリアクトルとスイッチング素子とを含み、互いに並列接続されて駆動される複数のコンバータ部と、
前記複数のコンバータ部に含まれる前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御部と、
を備え、一部のリアクトルによって発生する磁界を、他の一部のリアクトルによって発生する磁界が打ち消すように、これらのリアクトルに流れる電流の向きを反対に設定することを特徴とするマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路。
【請求項2】
請求項1において、
前記一部のリアクトルおよび前記他の一部のリアクトルの配置およびコイルの巻方向の少なくとも一方を互いに反対にすることにより、それぞれにおいて発生する磁界を打ち消すことを特徴とするマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記一部のリアクトルおよび前記他の一部のリアクトルは、互いに隣接配置されていることを特徴とするマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記リアクトルには、前記スイッチング素子のオン/オフ動作に伴って、連続的あるいは不連続的に一方向に電流が流れることを特徴とするマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記コンバータ部は、前記リアクトル、前記スイッチング素子、ダイオードあるいは前記スイッチング素子と異なるスイッチング素子を有し、これらの各素子とコンデンサによってスイッチングコンバータが形成されていることを特徴とするマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記リアクトルの数が3以上の場合に、前記一部のリアクトルおよび前記他の一部のリアクトルを交互に配置することを特徴とするマルチフェーズ型DC/DCコンバータ回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−60796(P2012−60796A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202445(P2010−202445)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】