マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス受信の処理方法及び関連通信装置
【課題】データ損失及びリソースアロケーション不良を回避するマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス受信を処理する方法及び関連する通信装置を提供する。
【解決手段】
無線通信システムにおける移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法である。該方法は、複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルする段階と、移動装置がイネーブルされた第1のコンポーネント・キャリアでMBMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)アロケーションを受信したとき、MBSFNアロケーションを、イネーブルされた第1のコンポーネント・キャリアに適用し、イネーブルされた残りのコンポーネント・キャリアには適用しない段階とを有する。
【解決手段】
無線通信システムにおける移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法である。該方法は、複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルする段階と、移動装置がイネーブルされた第1のコンポーネント・キャリアでMBMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)アロケーションを受信したとき、MBSFNアロケーションを、イネーブルされた第1のコンポーネント・キャリアに適用し、イネーブルされた残りのコンポーネント・キャリアには適用しない段階とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム及び関連する通信装置において用いられる方法に関し、より具体的には、無線通信システム及び関連する通信装置におけるマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス受信の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2009年9月2日に出願した米国仮出願第61/239,067号(発明の名称「無線通信システム及び関連する通信装置におけるMBMS送受信の処理方法」)の利益を主張するものであり、ここにその内容を援用する。
[背景技術]
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)により始められたロングターム・エボルーション(LTE)システムは、高いデータレート、小さいレイテンシ、パケット最適化、及び向上したシステムキャパシティとカバレッジを提供する新しい無線インタフェース及び無線ネットワークアーキテクチャとみなされている。LTEシステムでは、E−UTRAN(evolved universal terrestrial radio access network)として知られる無線アクセスネットワークは、複数のユーザ装置(UEs)と通信する複数のeNB(evolved Node-B)を含み、NAS(Non Access Stratum)制御用のMME(mobility management entity)、サービス・ゲートウェイなどを含むコアネットワークと通信する。ロングターム・エボルーション−アドバンス(LTE−A)システムは、その名称が示すように、LTEシステムの進化形であり、キャリア・アグリゲーションとリレー展開の機能を有している。キャリア・アグリゲーションは、2つ以上のコンポーネント・キャリアを一体化(aggregate)するものであり、これによりLTE−AシステムのUEは、複数キャリアを介して同時にデータを送受信でき、この場合、LTEシステムのUEは、常に、データ送信に1つのキャリアのみを利用できる。
【0003】
LTE−Aシステムのコンポーネント・キャリアには、3つのタイプがある:下位互換性キャリア、非下位互換性キャリア、及び拡張キャリア。下位互換性キャリアはすべてのLTEリリース(例えば、リリース8、9、または10(Rel−8/9/10)のUE)のUEにアクセス可能なキャリアである。非下位互換性キャリアは、以前のLTEリリースのUEにはアクセス可能でないが、かかるキャリアを規定するリリースのUEにはアクセス可能なキャリアである。拡張キャリアは、スタンドアロンでは動作せずに、そのセット中の複数のキャリアのうち少なくとも1つがスタンドアロン動作可能なキャリアであるコンポーネント・キャリアセットの一部でなければならないキャリアである。
【0004】
E−UTRANでは、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)は、MBMS専用の周波数レイヤ(MBMS送信専用のセルのセット、すなわち「MBMS専用セル」のセット)に、及び/または非MBMSサービスと共用の周波数レイヤ(ユニキャストとMBMS送信の両方をサポートするセルのセット、すなわち、「ユニキャスト/MBMS混合セル」のセット)に、設けられる。どちらの場合でも、MBMS送信のために単一周波数ネットワーク動作モードが可能であり、MBSFNとして知られている。RRC_CONNECTED状態またはRRC_IDLE状態にあるUEについて、MBMS受信が可能である。
【0005】
MBSFN同期エリアは、エリアすべてのeNBを同期して、MBSFN送信を実行できるネットワークのエリアである。MBSFN同期エリアは、1つ以上のMBSFNエリアをサポートできる。ある周波数レイヤにおいて、eNBは1つのMBSFN同期エリアにのみ属すことができる。
【0006】
MBSFNエリアは、ネットワークのMBSFN同期エリア内のセルのグループよりなる。これらはMBSFN送信を実現するように調整されている。MBSFNエリア予約セルを除いて、MBSFNエリア内のすべてのセルは、MBSFN送信に貢献し、自分が利用可能であることをアドバタイズする。MBSFN同期エリア内のセルは、すべてのMBMSサービスに対して唯一のMBSFNエリアに属する。
【0007】
MBSFN送信のために予約されたサブフレームアロケーションは、MBSFN送信用のサブフレーム数及び関連する無線フレーム期間及びオフセットのパラメータを含むシステム情報ブロック2(SIB2)により転送できる。
【0008】
eNBは、(例えば、LTEシステムにおいて)単一コンポーネント・キャリアの場合(または、例えば、LTE−A UEにおいて唯一のコンポーネント・キャリアがイネーブルされた場合)のみ、上記のやり方でUEに、MBSFNサブフレームを割り当て、MBSFNアロケーションをシグナリングできる。しかし、LTE−A UEは、同時に複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルでき、コンポーネント・キャリアは、異なるタイプのコンポーネント・キャリア(例えば、下位タイプ、非下位タイプ、または拡張タイプ)としてイネーブルされ得る。そのため、次のシナリオとなる。イネーブルされたキャリア・アグリゲーションを有するUEは、MBSFNアロケーションが拡張キャリアに適用されたと考えるが、ネットワークは適用していない。この場合、サブフレーム時間が拡張キャリアのMBSFNサブフレーム時間に対応するサブフレームでは、UEはダウンリンクデータ(ユニキャストデータ)を受信しない。しかし、ネットワークは、そのサブフレームにおいてダウンリンクデータを送信しているので、データ損失が発生する。
【0009】
また、UEがm個のコンポーネント・キャリアでデータを送受信でき、MBMS専用コンポーネント・キャリアでMBMSサービスを受信するとき、UEがどのようにデータアクセスを実行し、進行中のMBMSサービス受信を処理するかは問題ではない。さらに、ネットワークは、異なるLTEシステム・バージョン(例えば、リリース8、9または10UE(Rel−8/9/10UE))のUEに同時にサービスすることができ、それゆえ複数のUEのUE管理は、MBMSサービスのリソース(例えば、セル/コンポーネント・キャリア/周波数レイヤ)展開時に、問題となる。または、Rel−8またはRel−9のUEは、セル選択または再選択のため、MBMS専用周波数のセルにキャンプオン(camp on)する。しかし、MBMS専用周波数のセルは、UEがユニキャストデータ(例えば、ボイスオーバIP(Voice over Internet Protocol(VoIP))コールに関するデータ)を送信または受信しないように、ユニキャストデータ送受信をサポートしない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】3GPP TR 36.814 V0.4.1 Technical Specification Group Radio Access Network; Further Advancements for E-UTRA Physical Layer Aspects (Release 9)
【非特許文献2】3GPP TSG RAN WG1 Meeting #57bis R1-092575 "Summary of email discussion on carrier aggregation terminology"
【非特許文献3】3GPP TS 36.300 V9.0.0 Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description
【非特許文献4】3GPP TS 36.331 V8.6.0 Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) Radio Resource Control (RRC)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それゆえ、本開示は、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法及び関連する通信装置を提供して、上記のデータ損失及びリソースアロケーション不良を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
無線通信システムにおける移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法を開示する。前記方法は、複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルする段階と、前記移動装置が第1のイネーブルされたコンポーネント・キャリアで前記MBSFNアロケーションを受信したとき、MBMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)アロケーションを、第1のイネーブルされたコンポーネント・キャリアに適用し、残りのイネーブルされたコンポーネント・キャリアには適用しない段階とを有する。
【0013】
無線通信システムにおいて移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法を開示する。前記方法は、前記移動装置がMBMS専用コンポーネント・キャリアでMBMSデータを受信したとき、第1のコンポーネント・キャリアでデータ交換を実行する段階であって、前記第1のコンポーネント・キャリアは非MBMSデータのデータ交換をサポートする段階を有する。
【0014】
無線通信システムにおいて移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法を開示する。前記方法は、前記移動装置が無線リソース制御アイドルモードにあるとき、データ受信用の少なくとも2つのコンポーネント・キャリアをイネーブルする段階を有する。
【0015】
無線通信システムにおいて複数のコンポーネント・キャリアを介して移動装置と同時に通信できるネットワークのための、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法を開示する。前記方法は、第2のタイプのコンポーネント・キャリアにおいて、第1のタイプのコンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を送信する段階であって、前記第1のタイプの前記コンポーネント・キャリア及び前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアは前記移動装置に対応する段階を有する。
【0016】
無線通信システムの第1のシステム・バージョンの第1の移動装置及び前記無線通信システムの第2のシステム・バージョンの第2の移動装置と通信できるネットワークのための、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法を開示する。前記方法は、コンポーネント・キャリアをMBMS専用コンポーネント・キャリアとして用いる段階であって、前記第1のシステム・バージョンの前記第1の移動装置は前記コンポーネント・キャリアをサポートし、前記第2のシステム・バージョンの前記第2の移動装置は前記コンポーネント・キャリアをサポートしない段階を有する。
【0017】
MBMS受信を処理するための無線通信システムの通信装置を開示する。前記通信装置は、複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルする手段と、前記通信装置が前記MBSFNアロケーションを前記第1のイネーブルされたコンポーネント・キャリアで受信したとき、MBSFNアロケーションを、第1のイネーブルされたコンポーネント・キャリアに適用し、残りのイネーブルされたコンポーネント・キャリアに適用しない手段とを有する。
【0018】
MBMS受信を処理するための無線通信システムの通信装置を開示する。前記通信装置は、第1のコンポーネント・キャリア及びMBMS専用コンポーネント・キャリアをイネーブルする手段と、前記通信装置がMBMSデータを前記MBMS専用コンポーネント・キャリアで受信したとき、前記第1のコンポーネント・キャリアでデータ交換を実行する手段とを有し、前記第1のコンポーネント・キャリアは非MBMSデータのデータ交換をサポートする。
【0019】
MBMS受信を処理するための無線通信システムの通信装置を開示する。前記通信装置は、無線リソース制御アイドルモードに入る手段と、前記通信装置が前記無線リソース制御アイドルモードにあるとき、データ受信のために少なくとも2つのコンポーネント・キャリアをイネーブルする手段とを有する。
【0020】
MBMS受信を処理するための無線通信システムの通信装置を開示する。前記通信装置は、第1のタイプのコンポーネント・キャリア、及び第2のタイプのコンポーネント・キャリアを移動装置にコンフィギュレーションする手段と、第1のタイプのコンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を、前記第2のタイプのコンポーネント・キャリアで送信する手段とを有する。
【0021】
MBMS受信を処理するための無線通信システムの通信装置を開示する。前記通信装置は、無線通信システムの第1のシステム・バージョンの第1の移動装置、及び前記無線通信システムの第2のシステム・バージョンの第2の移動装置と通信する手段と、コンポーネント・キャリアをMBMS専用コンポーネント・キャリアとして用いる手段と、前記第1のシステム・バージョンの前記第1の移動装置は前記コンポーネント・キャリアをサポートし、前記第2のシステム・バージョンの前記第2の移動装置は前記コンポーネント・キャリアをサポートしない。
【0022】
当業者には、添付した図面に示した好ましい実施例の詳細な説明を読めば、本開示の上記その他の目的が明らかにあるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】一例としての無線通信システムを示す図である。
【図2】一例としての通信装置を示す図である。
【図3】一例としてのプロセスを示すフローチャートである。
【図4】図3によるコンポーネント・キャリアアロケーションを示す図である。
【図5】一例としてのプロセスを示すフローチャートである。
【図6】一例としてのプロセスを示すフローチャートである。
【図7】図6によるセル再選択を示す図である。
【図8】図6によるセル再選択を示す図である。
【図9】図6によるセル再選択を示す図である。
【図10】図6によるセル再選択を示す図である。
【図11】一例としてのプロセスを示すフローチャートである。
【図12】一例としてのプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照して、各移動装置に対して複数キャリア(例えば、キャリア・アグリゲーション)における同時送受信をサポートする一例としての無線通信システム10(例えば、ロングターム・エボルーション−アドバンス(LTE−A)システム)を示す図である。本開示のコンセプトの説明の都合上、無線通信システム10は単に移動装置12とセルCE1−CE4を含むものとして示した。キャリア・アグリゲーションの場合、移動装置12は、セルCE1、CE2に対応するコンポーネント・キャリアCCA1、CCA2をそれぞれイネーブルする。移動装置12はユーザ装置(UE)とも呼び、携帯電話やポータブルコンピュータシステムなどの装置である。セルCE1、CE3はマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)専用セルであり、MBMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)エリアに属し、セルCE1、CE3は適時に同期されMBMSサービスを提供する。セルCE4は他のMBSFNエリアに属するMBMS専用セルである。したがって、コンポーネント・キャリアCCA1をMBMS専用コンポーネント・キャリアとみなし、コンポーネント・キャリアCCA2を非MBMS専用コンポーネント・キャリアとみなすことができる。MBMS専用セル/コンポーネント・キャリアはMBMSサービス専用のセル/コンポーネント・キャリアのみを表し、一方、非MBMS専用コンポーネント・キャリアは非MBMSデータ(例えば、ユニキャストデータ)、またはMBMSデータと非MBMSデータの両方を送信するコンポーネント・キャリアを表す。移動装置12は、セル選択/再選択のためのセルサーチを実行し、セルCE3及び/またはCE4を見つける。ネットワーク(例えば、CE1−CE4)と移動装置12は、送信方向によって、送信機とも受信機ともみなせる。例えば、アップリンク(UL)の場合、移動装置12は送信機であり、ネットワークは受信機である。ダウンリンク(DL)の場合、ネットワークは送信機であり、移動装置12は受信機である。
【0025】
図2を参照するに、一例としての通信装置20を示す図である。通信装置20は、図1の移動装置12またはセルCE1−CE4を制御するネットワークデバイスであり、マイクロプロセッサやASIC(特定用途集積回路)処理手段200と記憶部210と通信インタフェース部220とを含む。記憶部210は処理手段200がアクセスするプログラムコード214を格納できる任意のデータ記憶デバイスである。記憶部210の例には、加入者識別モジュール(SIM)、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD−ROM、磁気テープ、ハードディスク、及び光学データ記憶デバイスが含まれるが、これらに限定されない。通信インタフェース部220は、好ましくは無線送受信器であり、処理手段200の処理結果に応じて他の通信装置と適宜、無線信号を交換する。プログラムコード214は、複数のコンポーネント・キャリア(例えば、キャリア・アグリゲーションイネーブリング、コンポーネント・キャリアアクティベーション/デ・アクティベーション、最大コンポーネント・キャリア数管理など)を管理する無線リソース制御と物理レイヤコンフィギュレーションを含む。このように、処理手段200は、通信インタフェース部220を制御して、プログラムコード214の処理結果に応じて、一定の周波数帯域と時間において、シグナリング/データを受信する。
【0026】
図3を参照して、無線通信システム(例えば、図1の移動装置12)において、最大m個(m>1)のコンポーネント・キャリアでデータを同時に受信できる移動装置のMBMS送受信を処理する、一例としてのプロセス30を示すフローチャートである。プロセス30はプログラムコード214にコンパイルされ、次のステップを含む:
ステップ300:開始。
ステップ302:アクセス可能コンポーネント・キャリアの複数のコンポーネント・キャリアをイネーブル。
ステップ304:移動装置がイネーブルされたコンポーネント・キャリアでMBSFNアロケーションを受信したとき、MBSFNアロケーションを、イネーブルされたコンポーネント・キャリアの一つに適用し、残りのイネーブルされたコンポーネント・キャリアには適用しない。
ステップ306:終了。
【0027】
プロセス30では、UEがアクセス(例えば、データを送信または受信する)するようにネットワークがコンフィギュレーションしたコンポーネント・キャリア以上を、UEがイネーブルする。移動装置がイネーブルされたコンポーネント・キャリアでMBSFNアロケーションを受信すると、移動装置はMBSFNアロケーションをそのコンポーネント・キャリアのみに適用する。すなわち、移動装置は、MBSFNアロケーションを適用したコンポーネント・キャリアを介して、MBMSサービスの受信を開始する。移動装置が対応するMBSFNアロケーションを受信しなければ、残りのイネーブルされたコンポーネント・キャリアはMBMSデータ受信には用いられない。また、移動装置は、サブフレームのサブフレーム時間がMBSFNサブフレーム時間としてコンフィギュレーションされたサブフレーム時間に対応する無線リソース制御接続(RRC_CONNECTED)モードにあるとき、残りのイネーブルされたコンポーネント・キャリアの一つ(以下、第2のイネーブルされたコンポーネント・キャリアと呼ぶ)のサブフレームがMBSFNサブフレームでないと判断する。移動装置は、非MBMSデータ(例えば、ユニキャストデータ)を、拡張キャリアであってもよい第2のイネーブルされたコンポーネント・キャリアを介して受信する。MBSFNアロケーションは、MBSFN送信用サブフレーム数と、関連する無線フレーム期間及びオフセットのパラメータを含むシステム情報ブロック2(SIB2)により転送される。移動装置の物理レイヤコンフィギュレーションには、最大8つのMBSFNアロケーションを含む。MBMSデータのMBSFNアロケーションは、さらに、他のシステム情報ブロックにより送信されてもよい。
【0028】
図4に示した例を参照する。移動装置コンポーネント・キャリアCC1でMBSFNアロケーションコンフィギュレーションを受信するが、他のコンポーネント・キャリアCC2ではMBSFNアロケーションコンフィギュレーションを受信しない。移動装置のコンポーネント・キャリアの各無線フレームは、8つのサブフレームを含む。MBSFNアロケーションコンフィギュレーションがサブフレーム数{1,5}を示すとき、移動装置は、コンポーネント・キャリアCC1上の1つ以上の無線サブフレームのサブフレーム{1,5}を、MBSFNサブフレームと判断する。移動装置は、RRC_CONNECTEDモードにあるとき、コンポーネント・キャリアCC2上のサブフレーム{1,5}はMBSFNサブフレームではないと判断する。コンポーネント・キャリアCC2は拡張キャリアであってもよい。
【0029】
プロセス30では、ネットワークがデータをサブフレームで送信するとき、移動装置は、サブフレーム時間が拡張キャリア中のMBSFNサブフレーム時間に対応するサブフレーム中のダウンリンクデータ(例えば、ユニキャストデータ)を受信できる。そのため、データ損失は発生しない。
【0030】
図5を参照する。図5は、無線通信システム(例えば、図1の移動装置12)において、最大m(m>1)個のコンポーネント・キャリア上のデータを同時に受信できる移動装置のためのMBMS送受信を処理するために設けられた一例としてのプロセス50を示すフローチャートである。プロセス50はプログラムコード214にコンパイルされ、次のステップを含む:
ステップ500:開始。
ステップ502:非MBMSデータのデータ交換をサポートするコンポーネント・キャリアを決定または設定。
ステップ504:移動装置がMBMSデータをMBMS専用コンポーネント・キャリアで受信したとき、コンポーネント・キャリアにおいてデータ交換を実行。
ステップ506:終了。
【0031】
プロセス50では、移動装置は、ネットワークコンフィギュレーションに従って、コンポーネント・キャリアにおいて、コンポーネント・キャリアが非MBMSデータ交換(例えば、ユニキャストデータ交換)をサポートする、または非MBMSデータ交換をイネーブルする設定をすると判断/発見する。この場合、移動装置は、MBMS専用コンポーネント・キャリアにおいてMBMSデータを受信するとき、コンポーネント・キャリアにおいて非MBMSデータ交換を実行できる。MBMS専用コンポーネント・キャリアは、MBMS送信用のMBMS専用セル(例えば、MBMSサービスのために行うのではないユニキャスト送信でもブロードキャスト送信でもないMBMS送信だけのためのセル)により用いられるコンポーネント・キャリアである。コンポーネント・キャリアは一つのセルに属する、一方MBMS専用コンポーネント・キャリアは他のセルまたはMBSFNエリアに属する。言い換えると、移動装置は同時に、MBMS専用コンポーネント・キャリアでMBMSデータを受信し、非MBMS専用コンポーネント・キャリアで非MBMSデータを受信する。MBMSデータ受信も非MBMSデータ転送も、MBMS/非MBMSデータ転送の確立によって中断されない。
【0032】
また、移動装置は、コンポーネント・キャリアでセルサーチ/選択をして、セルサーチ/選択の間、MBMS専用コンポーネント・キャリアにおけるMBMSデータの受信を停止または中断しない。プロセス50では、移動装置は、MBMSデータの受信を停止またはインターラプトせずに、非MBMSデータを送信または受信できる。
【0033】
図6を参照するに、一例としてのプロセス60のフローチャートを示す。プロセス60は、無線通信システム(例えば、図1の移動装置12)において最大m(m>1)のコンポーネント・キャリアでデータを同時受信できる移動装置のMBMS送受信を処理するために設けられている。プロセス60はプログラムコード214にコンパイルされ、次のステップを含む:
ステップ600:開始
ステップ602:無線リソース制御アイドル(RRC_IDLE)モードに入る
ステップ604:データ受信用に少なくとも2つのコンポーネント・キャリアをイネーブル
ステップ606:終了
プロセス60では、移動装置は、RRC_IDLEモードにあるとき、非MBMSデータ/MBMSデータ受信の少なくとも2つのコンポーネント・キャリアをイネーブルする。移動装置は、1つのアンテナを用いてコンポーネント・キャリアの信号を受信するだけでもよい。イネーブルされるコンポーネント・キャリアは異なるセルに属するものでもよい。例えば、移動装置は、同時に、非MBMSデータ送受信を提供する第1のコンポーネント・キャリアを介してセルにキャンプオンし、MBMS専用コンポーネント・キャリアを介してMBMSデータを受信する。言い換えると、移動装置は、システム情報を保持しつつ、それとは別にコンポーネント・キャリアが異なるセルにおけるセル選択または再選択を管理することができる。そのため、移動装置は、RRC_IDLEモードにおいて、2つ以上のコンポーネント・キャリアを用いることができる。
【0034】
さらに、移動装置は、時分割多重(TDD)で動作しているとき、第1のコンポーネント・キャリアでデータ(例えば、ユニキャストデータ)を送信し、周波数分割多重(FDD)で動作しているとき、第1のコンポーネント・キャリアに関連するアップリンク・コンポーネント・キャリアでデータを送信する。
【0035】
また、移動装置は、セル再選択のために、非MBMSコンポーネント・キャリアを測定する。移動装置は、移動装置のサービス中のセルが提供するよりも、非MBMSサービスにおいて、そのセルがよりよい信号品質を提供することを発見すると、移動装置は、MBMS専用コンポーネント・キャリアのどの進行中のMBMSデータ受信も停止せずに、セルを再選択する。図7に示した例では、RRC_IDLEモードにある移動装置70は、非MBMSデータ送受信のためにコンポーネント・キャリアCC1でセルCE5にキャンプオンし、MBSFNエリアでは、MBMS専用コンポーネント・キャリアCC2でMBMSデータを受信する。セルCE5は、移動装置70のサービス中のセルである。移動装置70は、コンポーネント・キャリアCC1でセルCE6を測定し、信号強度及びオフセットの計算であり、3GPP仕様書:3GPP TS 36.304「IDLEモードにおけるユーザ装置(UE)手順」により行われるセル再選択基準に基づき、セルCE6がセルCE5よりもよりよい通信環境を提供すると発見する。この場合、図8に示したように、移動装置70は、コンポーネント・キャリアCC1でセルCE6を再選択し、中断無くMBMS専用コンポーネント・キャリアCC2でMBMSデータを受信し続ける。
【0036】
図9に示した他の例では、RRC_IDLEモードにある移動装置90は、非MBMSデータ送受信のために、コンポーネント・キャリアCC1でセルCE7にキャンプオンし、MBMS専用コンポーネント・キャリアCC2でMBSFNエリアMA1のサービス中のMBMS専用セルからMBMSデータを受信する。移動装置90は、MBMS専用セル再選択のために、MBMS専用コンポーネント・キャリアCC2を測定する。移動装置90は、MBSFNエリアMA2の新しいMBMS専用セルが、サービス中のMBMS専用セルよりよいと発見すると、図10に示したように、MBMS専用セルを再選択する。好ましくは、選択されたMBMS専用セルは、サービス中のMBMS専用セルとは異なるMBSFNエリアに属する。
【0037】
図11を参照する。これは、無線通信システムにおけるネットワークのためのMBMS送受信処理のための、一例としてのプロセス1100のフローチャートである。プロセス1100は、プログラムコード214にコンパイルされ、次のステップを含む:
ステップ1102:開始。
ステップ1104:第1のタイプのコンポーネント・キャリア(以下、第1のタイプコンポーネント・キャリア)、及び第2のタイプのコンポーネント・キャリア(以下、第2のタイプコンポーネント・キャリア)をイネーブルするように移動装置をコンフィギュレーションする。
ステップ1106:第1のタイプコンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を、第2のタイプコンポーネント・キャリアで送信。
ステップ1108:終了。
【0038】
プロセス1100では、ネットワーク(例えば、セル、eNB、基地局、またはE−UTRAN)は、キャリア・アグリゲーションのために、第1のタイプコンポーネント・キャリア及び第2のタイプコンポーネント・キャリアをイネーブルするように移動装置をコンフィギュレーションする。言い換えると、移動装置は、同時に、第1のタイプ及び第2のタイプのコンポーネント・キャリアで、ネットワークと通信できる。この後、ネットワークは第1のタイプコンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を第2のタイプコンポーネント・キャリアで送信する。それゆえ、本実施例では、一タイプのコンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を、他のタイプのコンポーネント・キャリアで送信することができ、その結果コンフィギュレーションアロケーションフレキシビリティが改善する。
【0039】
例えば、ネットワークは、非MBMS専用コンポーネント・キャリアまたは他のMBMS専用コンポーネント・キャリアでMBMS専用コンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を送信する。コンフィギュレーション情報は、RRCメッセージを介して移動装置に送信される。したがって、移動装置は、コンフィギュレーション情報によって、非MBMS専用コンポーネント・キャリアでRRCメッセージを受信し、MBMS専用コンポーネント・キャリアでMBMSデータを受信する。RRCメッセージは、ブロードキャストRRCメッセージ、またはその移動装置専用のRRCメッセージである。コンフィギュレーション情報は、移動装置自機の無線周波数(RF)受信機をコンフィギュレーション情報が示す周波数にして、MBMSサービスを受信できるようにコンフィギュレーションするためのMBMS専用コンポーネント・キャリアの周波数情報を含む。コンフィギュレーション情報は、MBSFNアロケーション、MBMS制御チャンネル(MCCH)情報、MBMSトラフィックチャンネル(MTCH)情報、または動的スケジューリング情報をさらに含んでいてもよい。
【0040】
上記からわかるように、コンフィギュレーションするMBMS専用コンポーネント・キャリアは、非MBMS専用コンポーネント・キャリアまたは他のMBMS専用コンポーネント・キャリアに関連する。MBMS専用コンポーネント・キャリアは、他のMBMS専用コンポーネント・キャリアに関連するとき、拡張キャリアであってもよい。
【0041】
他の例では、ネットワークは、MBMS専用コンポーネント・キャリアで、RRCメッセージを介して、非MBMS専用コンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を送信できる。したがって、移動装置は、MBMS専用コンポーネント・キャリアでRRCメッセージを受信し、非MBMSデータを送信する必要がある場合、非MBMS専用コンポーネント・キャリアで非MBMSデータ(例えば、ユニキャストデータ)を送信する。RRCメッセージは、ブロードキャストRRCメッセージまたはその移動装置専用のRRCメッセージである。コンフィギュレーション情報は、非MBMS専用コンポーネント・キャリアの周波数情報を含み、そのため移動装置は、自機のRF送信機または自機の受信機を非MBMS専用コンポーネント・キャリアの周波数にして、非MBMSデータを送受信できる。移動装置は、RRC_IDLEモードにあるとき、ランダムアクセス手順を実行して非MBMSデータを送信する。
【0042】
図12を参照する。これは、2つのタイプのシステム・バージョン移動装置との通信をサポートするネットワークに対してMBMS送受信を処理するために設けられた、一例としてのプロセス1200のフローチャートである。このタイプのシステム・バージョンの移動装置は、完全にまたは部分的に異なるコンポーネント・キャリア周波数帯域を用いる。プロセス1200は、プログラムコード214にコンパイルされ、次のステップを含む:
ステップ1202:開始。
ステップ1204:コンポーネント・キャリアをMBMS専用コンポーネント・キャリアとして用いる。一システム・バージョンの移動装置はコンポーネント・キャリアをサポートし、他のシステム・バージョンの移動装置はコンポーネント・キャリアをサポートしない。
ステップ1206:終了。
【0043】
プロセス1200では、ネットワーク(例えば、セル、eNB、基地局またはE−UTRAN)は、上記のコンポーネント・キャリアをMBMS専用コンポーネント・キャリアとして用いる。このように、他のシステム・バージョンがコンポーネント・キャリアをサポートしない移動装置は、キャンプオン(camp on)するコンポーネント・キャリアのデータ送信のみを提供するセルを選択しない。
【0044】
例えば、LTE/LTE−Aシステムを考える。リリース8UEまたはリリース9UE(LTE UE)はレガシーUEと考えられる。セルが、MBMS専用コンポーネント・キャリアにおいてMBMSデータ転送を提供するためだけに展開され、リリース8/9UEにより選択されるとき、リリース8/9UEが非MBMSデータにアクセスすることは可能ではない。プロセス1200により、ネットワークは、リリース8/9UEがMBMS専用コンポーネント・キャリアとしてサポートしないコンポーネント・キャリアを使用する。そのため、セルがMBMS専用コンポーネント・キャリアにおいてMBMSデータ転送を提供するためだけに展開されているとき、このセルは、セル選択/再選択のときに、リリース10UE(互換UE)により選択されるだけであり、リリース8/9UEによっては選択されない。それゆえ、リリース8/9UEは、そのセルにはスタック(stuck)されず、非MBMSデータへのアクセスをサポートするセルを見つけることができる。
【0045】
留意すべき点として、提案したステップを含む上記のプロセスステップは、ハードウェア、ハードウェア装置とそのハードウェア装置上に読み取り専用ソフトウェアとして保存されたコンピュータ命令とデータの組み合わせとして知られるファームウェア、または電子システムなどの手段により実現できる。ハードウェアの例には、マイクロ回路、マイクロチップ、またはシリコンチップとして知られたアナログ、デジタル、及び混合回路を含む。電子システムの例には、システムオンチップ(SOC)、システムインパッケージ(Sip)、コンピュータオンモジュール(COM)、及び通信装置20が含まれる。
【0046】
結論として、上記の実施例は、データ損失を回避するために複数キャリア(キャリア・アグリゲーション)をイネーブルしたとき、移動装置(UE)がMBSFNアロケーションを適用する方法を提供する。また、上記の実施例は、MBMS及びユニキャスト送信が両方ともアクティブ化されているとき、移動装置(UE)がMBMS/ユニキャスト送信を行う方法を提供する。さらに、上記実施例は、システム・バージョンが異なる移動装置が複数同時に存在することを考慮して、ネットワークがMBMSサービスリソースを割り当てる方法を提供する。
【0047】
当業者には言うまでもなく、本発明の教示を保持しつつ上記の装置や方法にいろいろな修正・変更をすることができる。したがって、上記の開示は、添付した特許請求の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
なお、上記実施形態について以下の付記を記す。
(付記1) 無線通信システムにおける移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)送受信を処理する方法であって、前記方法は、
複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルする段階と、
前記移動装置が第1のイネーブルされたコンポーネント・キャリアで前記MBSFNアロケーションを受信したとき、MBMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)アロケーションを、第1のイネーブルされたコンポーネント・キャリアに適用し、残りのイネーブルされたコンポーネント・キャリアには適用しない段階とを有する、方法。
(付記2) 前記サブフレームのサブフレーム時間がMBSFNサブフレーム時間としてコンフィギュレーションされたサブフレーム時間に対応する無線リソース制御接続モードに前記移動装置があるとき、第2のイネーブルされたコンポーネント・キャリアのサブフレームがMBMSデータの受信に用いるMBSFNサブフレームではないと判断する段階、または
前記第2のイネーブルされたコンポーネント・キャリアを介して非MBMSデータを受信する段階をさらに有する、
付記1に記載の方法。
(付記3) 前記第2のイネーブルされたコンポーネント・キャリアは拡張キャリアである、付記2に記載の方法。
(付記4) 無線通信システムにおいて移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)送受信を処理する方法であって、前記方法は、
前記移動装置がMBMS専用コンポーネント・キャリアでMBMSデータを受信したとき、第1のコンポーネント・キャリアでデータ交換を実行する段階を有し、前記第1のコンポーネント・キャリアは非MBMSデータのデータ交換をサポートする、方法。
(付記5) 前記第1のコンポーネント・キャリアまたは第3のコンポーネント・キャリアでセルサーチまたはセル選択を実行する段階、または
前記セルサーチまたは前記セル選択の間、前記MBMS専用コンポーネント・キャリアにおける前記MBMSデータを停止または中断しない段階をさらに有する、
付記4に記載の方法。
(付記6) 無線通信システムにおいて移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)送受信を処理する方法であって、前記方法は、
前記移動装置が無線リソース制御アイドルモードにあるとき、データ受信用の少なくとも2つのコンポーネント・キャリアをイネーブルする段階を有する、方法。
(付記7) 前記第1のコンポーネント・キャリアが非MBMSデータ交換を提供し、前記第2のコンポーネント・キャリアがMBMS専用コンポーネント・キャリアであるとき、同時に、前記少なくとも2つのコンポーネント・キャリアの第1のコンポーネント・キャリアを介してセルにキャンプオンし、前記少なくとも2つのコンポーネント・キャリアの第2のコンポーネント・キャリアを介してMBMSデータを受信する段階、または
前記移動装置が時分割多重(TDD)で動作しているとき、前記少なくとも2つのコンポーネント・キャリアの前記第1のコンポーネント・キャリアで非MBMSデータを送信する段階、または
前記移動装置が周波数分割多重(FDD)で動作しているとき、前記第1のコンポーネント・キャリアに関連するアップリンク・コンポーネント・キャリアにおいて、前記非MBMSデータを送信する段階をさらに有する、付記6に記載の方法。
(付記8) セル再選択のため、前記少なくとも2つのコンポーネント・キャリアの第1のコンポーネント・キャリアを測定する段階であって、前記第1のコンポーネント・キャリアはMBMS専用コンポーネントではない段階、または
セル再選択基準により、前記移動装置のサービス中のセルよりも前記セルの方がよいと前記移動装置が発見したとき、前記少なくとも2つのコンポーネント・キャリアのMBMS専用コンポーネント・キャリアの進行中のMBMSデータ受信を停止することなく非MBMSデータ交換をサポートするセルを再選択する段階、または
前記MBMS専用セルが、MBMSサービスにおいて、前記移動装置のサービス中のMBMS専用セルが提供する信号品質よりよい信号品質を提供することを前記移動装置が発見したとき、MBMS専用セルを再選択する段階であって、前記再選択されたMBMS専用セル及び前記サービス中のMBMS専用セルは第1のMBMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)エリア及び第2のMBSFNエリアにそれぞれ属する段階、をさらに有する
付記6に記載の方法。
(付記9) 1つのアンテナを用いて前記少なくとも2つのコンポーネント・キャリアを操作する段階をさらに有する、
付記6に記載の方法。
(付記10) 無線通信システムにおいて複数のコンポーネント・キャリアを介して移動装置と同時に通信できるネットワークのための、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)送受信を処理する方法であって、前記方法は、
第2のタイプのコンポーネント・キャリアにおいて、第1のタイプのコンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を送信する段階であって、前記第1のタイプの前記コンポーネント・キャリア及び前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアは前記移動装置に対応する段階を有する、方法。
(付記11) 前記第1のタイプの前記コンポーネント・キャリアは、第1のMBMS専用タイプのコンポーネント・キャリアであり、前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアは、MBMSデータ受信専用ではないコンポーネント・キャリア、または第2のMBMS専用タイプのコンポーネント・キャリアであり、または
前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアが前記第2のMBMS専用タイプコンポーネント・キャリアであるとき、前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアは拡張キャリアである、
付記10に記載の方法。
(付記12) 前記第1のタイプの前記コンポーネント・キャリアはMBMSデータ受信専用ではないコンポーネント・キャリアであり、前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアはMBMS専用タイプコンポーネント・キャリアである、
付記10に記載の方法。
(付記13) 前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアで前記第1のタイプの前記コンポーネント・キャリアと関連する前記コンフィギュレーション情報を送信する段階は、無線リソース制御メッセージを介して、前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアで前記コンフィギュレーション情報を送信する段階を有する、付記10に記載の方法。
(付記14) 無線通信システムの第1のシステム・バージョンの第1の移動装置及び前記無線通信システムの第2のシステム・バージョンの第2の移動装置と通信できるネットワークのための、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)送受信を処理する方法であって、前記方法は、
コンポーネント・キャリアをMBMS専用コンポーネント・キャリアとして用いる段階であって、前記第1のシステム・バージョンの前記第1の移動装置は前記コンポーネント・キャリアをサポートし、前記第2のシステム・バージョンの前記第2の移動装置は前記コンポーネント・キャリアをサポートしない段階を有する方法。
【符号の説明】
【0048】
10 無線通信システム
12 移動装置
20 通信装置
200 処理手段
210 メモリ部
214 プログラムコード
220 通信インタフェース部
70、90 移動装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム及び関連する通信装置において用いられる方法に関し、より具体的には、無線通信システム及び関連する通信装置におけるマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス受信の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2009年9月2日に出願した米国仮出願第61/239,067号(発明の名称「無線通信システム及び関連する通信装置におけるMBMS送受信の処理方法」)の利益を主張するものであり、ここにその内容を援用する。
[背景技術]
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)により始められたロングターム・エボルーション(LTE)システムは、高いデータレート、小さいレイテンシ、パケット最適化、及び向上したシステムキャパシティとカバレッジを提供する新しい無線インタフェース及び無線ネットワークアーキテクチャとみなされている。LTEシステムでは、E−UTRAN(evolved universal terrestrial radio access network)として知られる無線アクセスネットワークは、複数のユーザ装置(UEs)と通信する複数のeNB(evolved Node-B)を含み、NAS(Non Access Stratum)制御用のMME(mobility management entity)、サービス・ゲートウェイなどを含むコアネットワークと通信する。ロングターム・エボルーション−アドバンス(LTE−A)システムは、その名称が示すように、LTEシステムの進化形であり、キャリア・アグリゲーションとリレー展開の機能を有している。キャリア・アグリゲーションは、2つ以上のコンポーネント・キャリアを一体化(aggregate)するものであり、これによりLTE−AシステムのUEは、複数キャリアを介して同時にデータを送受信でき、この場合、LTEシステムのUEは、常に、データ送信に1つのキャリアのみを利用できる。
【0003】
LTE−Aシステムのコンポーネント・キャリアには、3つのタイプがある:下位互換性キャリア、非下位互換性キャリア、及び拡張キャリア。下位互換性キャリアはすべてのLTEリリース(例えば、リリース8、9、または10(Rel−8/9/10)のUE)のUEにアクセス可能なキャリアである。非下位互換性キャリアは、以前のLTEリリースのUEにはアクセス可能でないが、かかるキャリアを規定するリリースのUEにはアクセス可能なキャリアである。拡張キャリアは、スタンドアロンでは動作せずに、そのセット中の複数のキャリアのうち少なくとも1つがスタンドアロン動作可能なキャリアであるコンポーネント・キャリアセットの一部でなければならないキャリアである。
【0004】
E−UTRANでは、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)は、MBMS専用の周波数レイヤ(MBMS送信専用のセルのセット、すなわち「MBMS専用セル」のセット)に、及び/または非MBMSサービスと共用の周波数レイヤ(ユニキャストとMBMS送信の両方をサポートするセルのセット、すなわち、「ユニキャスト/MBMS混合セル」のセット)に、設けられる。どちらの場合でも、MBMS送信のために単一周波数ネットワーク動作モードが可能であり、MBSFNとして知られている。RRC_CONNECTED状態またはRRC_IDLE状態にあるUEについて、MBMS受信が可能である。
【0005】
MBSFN同期エリアは、エリアすべてのeNBを同期して、MBSFN送信を実行できるネットワークのエリアである。MBSFN同期エリアは、1つ以上のMBSFNエリアをサポートできる。ある周波数レイヤにおいて、eNBは1つのMBSFN同期エリアにのみ属すことができる。
【0006】
MBSFNエリアは、ネットワークのMBSFN同期エリア内のセルのグループよりなる。これらはMBSFN送信を実現するように調整されている。MBSFNエリア予約セルを除いて、MBSFNエリア内のすべてのセルは、MBSFN送信に貢献し、自分が利用可能であることをアドバタイズする。MBSFN同期エリア内のセルは、すべてのMBMSサービスに対して唯一のMBSFNエリアに属する。
【0007】
MBSFN送信のために予約されたサブフレームアロケーションは、MBSFN送信用のサブフレーム数及び関連する無線フレーム期間及びオフセットのパラメータを含むシステム情報ブロック2(SIB2)により転送できる。
【0008】
eNBは、(例えば、LTEシステムにおいて)単一コンポーネント・キャリアの場合(または、例えば、LTE−A UEにおいて唯一のコンポーネント・キャリアがイネーブルされた場合)のみ、上記のやり方でUEに、MBSFNサブフレームを割り当て、MBSFNアロケーションをシグナリングできる。しかし、LTE−A UEは、同時に複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルでき、コンポーネント・キャリアは、異なるタイプのコンポーネント・キャリア(例えば、下位タイプ、非下位タイプ、または拡張タイプ)としてイネーブルされ得る。そのため、次のシナリオとなる。イネーブルされたキャリア・アグリゲーションを有するUEは、MBSFNアロケーションが拡張キャリアに適用されたと考えるが、ネットワークは適用していない。この場合、サブフレーム時間が拡張キャリアのMBSFNサブフレーム時間に対応するサブフレームでは、UEはダウンリンクデータ(ユニキャストデータ)を受信しない。しかし、ネットワークは、そのサブフレームにおいてダウンリンクデータを送信しているので、データ損失が発生する。
【0009】
また、UEがm個のコンポーネント・キャリアでデータを送受信でき、MBMS専用コンポーネント・キャリアでMBMSサービスを受信するとき、UEがどのようにデータアクセスを実行し、進行中のMBMSサービス受信を処理するかは問題ではない。さらに、ネットワークは、異なるLTEシステム・バージョン(例えば、リリース8、9または10UE(Rel−8/9/10UE))のUEに同時にサービスすることができ、それゆえ複数のUEのUE管理は、MBMSサービスのリソース(例えば、セル/コンポーネント・キャリア/周波数レイヤ)展開時に、問題となる。または、Rel−8またはRel−9のUEは、セル選択または再選択のため、MBMS専用周波数のセルにキャンプオン(camp on)する。しかし、MBMS専用周波数のセルは、UEがユニキャストデータ(例えば、ボイスオーバIP(Voice over Internet Protocol(VoIP))コールに関するデータ)を送信または受信しないように、ユニキャストデータ送受信をサポートしない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】3GPP TR 36.814 V0.4.1 Technical Specification Group Radio Access Network; Further Advancements for E-UTRA Physical Layer Aspects (Release 9)
【非特許文献2】3GPP TSG RAN WG1 Meeting #57bis R1-092575 "Summary of email discussion on carrier aggregation terminology"
【非特許文献3】3GPP TS 36.300 V9.0.0 Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description
【非特許文献4】3GPP TS 36.331 V8.6.0 Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) Radio Resource Control (RRC)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それゆえ、本開示は、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法及び関連する通信装置を提供して、上記のデータ損失及びリソースアロケーション不良を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
無線通信システムにおける移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法を開示する。前記方法は、複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルする段階と、前記移動装置が第1のイネーブルされたコンポーネント・キャリアで前記MBSFNアロケーションを受信したとき、MBMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)アロケーションを、第1のイネーブルされたコンポーネント・キャリアに適用し、残りのイネーブルされたコンポーネント・キャリアには適用しない段階とを有する。
【0013】
無線通信システムにおいて移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法を開示する。前記方法は、前記移動装置がMBMS専用コンポーネント・キャリアでMBMSデータを受信したとき、第1のコンポーネント・キャリアでデータ交換を実行する段階であって、前記第1のコンポーネント・キャリアは非MBMSデータのデータ交換をサポートする段階を有する。
【0014】
無線通信システムにおいて移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法を開示する。前記方法は、前記移動装置が無線リソース制御アイドルモードにあるとき、データ受信用の少なくとも2つのコンポーネント・キャリアをイネーブルする段階を有する。
【0015】
無線通信システムにおいて複数のコンポーネント・キャリアを介して移動装置と同時に通信できるネットワークのための、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法を開示する。前記方法は、第2のタイプのコンポーネント・キャリアにおいて、第1のタイプのコンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を送信する段階であって、前記第1のタイプの前記コンポーネント・キャリア及び前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアは前記移動装置に対応する段階を有する。
【0016】
無線通信システムの第1のシステム・バージョンの第1の移動装置及び前記無線通信システムの第2のシステム・バージョンの第2の移動装置と通信できるネットワークのための、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法を開示する。前記方法は、コンポーネント・キャリアをMBMS専用コンポーネント・キャリアとして用いる段階であって、前記第1のシステム・バージョンの前記第1の移動装置は前記コンポーネント・キャリアをサポートし、前記第2のシステム・バージョンの前記第2の移動装置は前記コンポーネント・キャリアをサポートしない段階を有する。
【0017】
MBMS受信を処理するための無線通信システムの通信装置を開示する。前記通信装置は、複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルする手段と、前記通信装置が前記MBSFNアロケーションを前記第1のイネーブルされたコンポーネント・キャリアで受信したとき、MBSFNアロケーションを、第1のイネーブルされたコンポーネント・キャリアに適用し、残りのイネーブルされたコンポーネント・キャリアに適用しない手段とを有する。
【0018】
MBMS受信を処理するための無線通信システムの通信装置を開示する。前記通信装置は、第1のコンポーネント・キャリア及びMBMS専用コンポーネント・キャリアをイネーブルする手段と、前記通信装置がMBMSデータを前記MBMS専用コンポーネント・キャリアで受信したとき、前記第1のコンポーネント・キャリアでデータ交換を実行する手段とを有し、前記第1のコンポーネント・キャリアは非MBMSデータのデータ交換をサポートする。
【0019】
MBMS受信を処理するための無線通信システムの通信装置を開示する。前記通信装置は、無線リソース制御アイドルモードに入る手段と、前記通信装置が前記無線リソース制御アイドルモードにあるとき、データ受信のために少なくとも2つのコンポーネント・キャリアをイネーブルする手段とを有する。
【0020】
MBMS受信を処理するための無線通信システムの通信装置を開示する。前記通信装置は、第1のタイプのコンポーネント・キャリア、及び第2のタイプのコンポーネント・キャリアを移動装置にコンフィギュレーションする手段と、第1のタイプのコンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を、前記第2のタイプのコンポーネント・キャリアで送信する手段とを有する。
【0021】
MBMS受信を処理するための無線通信システムの通信装置を開示する。前記通信装置は、無線通信システムの第1のシステム・バージョンの第1の移動装置、及び前記無線通信システムの第2のシステム・バージョンの第2の移動装置と通信する手段と、コンポーネント・キャリアをMBMS専用コンポーネント・キャリアとして用いる手段と、前記第1のシステム・バージョンの前記第1の移動装置は前記コンポーネント・キャリアをサポートし、前記第2のシステム・バージョンの前記第2の移動装置は前記コンポーネント・キャリアをサポートしない。
【0022】
当業者には、添付した図面に示した好ましい実施例の詳細な説明を読めば、本開示の上記その他の目的が明らかにあるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】一例としての無線通信システムを示す図である。
【図2】一例としての通信装置を示す図である。
【図3】一例としてのプロセスを示すフローチャートである。
【図4】図3によるコンポーネント・キャリアアロケーションを示す図である。
【図5】一例としてのプロセスを示すフローチャートである。
【図6】一例としてのプロセスを示すフローチャートである。
【図7】図6によるセル再選択を示す図である。
【図8】図6によるセル再選択を示す図である。
【図9】図6によるセル再選択を示す図である。
【図10】図6によるセル再選択を示す図である。
【図11】一例としてのプロセスを示すフローチャートである。
【図12】一例としてのプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照して、各移動装置に対して複数キャリア(例えば、キャリア・アグリゲーション)における同時送受信をサポートする一例としての無線通信システム10(例えば、ロングターム・エボルーション−アドバンス(LTE−A)システム)を示す図である。本開示のコンセプトの説明の都合上、無線通信システム10は単に移動装置12とセルCE1−CE4を含むものとして示した。キャリア・アグリゲーションの場合、移動装置12は、セルCE1、CE2に対応するコンポーネント・キャリアCCA1、CCA2をそれぞれイネーブルする。移動装置12はユーザ装置(UE)とも呼び、携帯電話やポータブルコンピュータシステムなどの装置である。セルCE1、CE3はマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)専用セルであり、MBMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)エリアに属し、セルCE1、CE3は適時に同期されMBMSサービスを提供する。セルCE4は他のMBSFNエリアに属するMBMS専用セルである。したがって、コンポーネント・キャリアCCA1をMBMS専用コンポーネント・キャリアとみなし、コンポーネント・キャリアCCA2を非MBMS専用コンポーネント・キャリアとみなすことができる。MBMS専用セル/コンポーネント・キャリアはMBMSサービス専用のセル/コンポーネント・キャリアのみを表し、一方、非MBMS専用コンポーネント・キャリアは非MBMSデータ(例えば、ユニキャストデータ)、またはMBMSデータと非MBMSデータの両方を送信するコンポーネント・キャリアを表す。移動装置12は、セル選択/再選択のためのセルサーチを実行し、セルCE3及び/またはCE4を見つける。ネットワーク(例えば、CE1−CE4)と移動装置12は、送信方向によって、送信機とも受信機ともみなせる。例えば、アップリンク(UL)の場合、移動装置12は送信機であり、ネットワークは受信機である。ダウンリンク(DL)の場合、ネットワークは送信機であり、移動装置12は受信機である。
【0025】
図2を参照するに、一例としての通信装置20を示す図である。通信装置20は、図1の移動装置12またはセルCE1−CE4を制御するネットワークデバイスであり、マイクロプロセッサやASIC(特定用途集積回路)処理手段200と記憶部210と通信インタフェース部220とを含む。記憶部210は処理手段200がアクセスするプログラムコード214を格納できる任意のデータ記憶デバイスである。記憶部210の例には、加入者識別モジュール(SIM)、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD−ROM、磁気テープ、ハードディスク、及び光学データ記憶デバイスが含まれるが、これらに限定されない。通信インタフェース部220は、好ましくは無線送受信器であり、処理手段200の処理結果に応じて他の通信装置と適宜、無線信号を交換する。プログラムコード214は、複数のコンポーネント・キャリア(例えば、キャリア・アグリゲーションイネーブリング、コンポーネント・キャリアアクティベーション/デ・アクティベーション、最大コンポーネント・キャリア数管理など)を管理する無線リソース制御と物理レイヤコンフィギュレーションを含む。このように、処理手段200は、通信インタフェース部220を制御して、プログラムコード214の処理結果に応じて、一定の周波数帯域と時間において、シグナリング/データを受信する。
【0026】
図3を参照して、無線通信システム(例えば、図1の移動装置12)において、最大m個(m>1)のコンポーネント・キャリアでデータを同時に受信できる移動装置のMBMS送受信を処理する、一例としてのプロセス30を示すフローチャートである。プロセス30はプログラムコード214にコンパイルされ、次のステップを含む:
ステップ300:開始。
ステップ302:アクセス可能コンポーネント・キャリアの複数のコンポーネント・キャリアをイネーブル。
ステップ304:移動装置がイネーブルされたコンポーネント・キャリアでMBSFNアロケーションを受信したとき、MBSFNアロケーションを、イネーブルされたコンポーネント・キャリアの一つに適用し、残りのイネーブルされたコンポーネント・キャリアには適用しない。
ステップ306:終了。
【0027】
プロセス30では、UEがアクセス(例えば、データを送信または受信する)するようにネットワークがコンフィギュレーションしたコンポーネント・キャリア以上を、UEがイネーブルする。移動装置がイネーブルされたコンポーネント・キャリアでMBSFNアロケーションを受信すると、移動装置はMBSFNアロケーションをそのコンポーネント・キャリアのみに適用する。すなわち、移動装置は、MBSFNアロケーションを適用したコンポーネント・キャリアを介して、MBMSサービスの受信を開始する。移動装置が対応するMBSFNアロケーションを受信しなければ、残りのイネーブルされたコンポーネント・キャリアはMBMSデータ受信には用いられない。また、移動装置は、サブフレームのサブフレーム時間がMBSFNサブフレーム時間としてコンフィギュレーションされたサブフレーム時間に対応する無線リソース制御接続(RRC_CONNECTED)モードにあるとき、残りのイネーブルされたコンポーネント・キャリアの一つ(以下、第2のイネーブルされたコンポーネント・キャリアと呼ぶ)のサブフレームがMBSFNサブフレームでないと判断する。移動装置は、非MBMSデータ(例えば、ユニキャストデータ)を、拡張キャリアであってもよい第2のイネーブルされたコンポーネント・キャリアを介して受信する。MBSFNアロケーションは、MBSFN送信用サブフレーム数と、関連する無線フレーム期間及びオフセットのパラメータを含むシステム情報ブロック2(SIB2)により転送される。移動装置の物理レイヤコンフィギュレーションには、最大8つのMBSFNアロケーションを含む。MBMSデータのMBSFNアロケーションは、さらに、他のシステム情報ブロックにより送信されてもよい。
【0028】
図4に示した例を参照する。移動装置コンポーネント・キャリアCC1でMBSFNアロケーションコンフィギュレーションを受信するが、他のコンポーネント・キャリアCC2ではMBSFNアロケーションコンフィギュレーションを受信しない。移動装置のコンポーネント・キャリアの各無線フレームは、8つのサブフレームを含む。MBSFNアロケーションコンフィギュレーションがサブフレーム数{1,5}を示すとき、移動装置は、コンポーネント・キャリアCC1上の1つ以上の無線サブフレームのサブフレーム{1,5}を、MBSFNサブフレームと判断する。移動装置は、RRC_CONNECTEDモードにあるとき、コンポーネント・キャリアCC2上のサブフレーム{1,5}はMBSFNサブフレームではないと判断する。コンポーネント・キャリアCC2は拡張キャリアであってもよい。
【0029】
プロセス30では、ネットワークがデータをサブフレームで送信するとき、移動装置は、サブフレーム時間が拡張キャリア中のMBSFNサブフレーム時間に対応するサブフレーム中のダウンリンクデータ(例えば、ユニキャストデータ)を受信できる。そのため、データ損失は発生しない。
【0030】
図5を参照する。図5は、無線通信システム(例えば、図1の移動装置12)において、最大m(m>1)個のコンポーネント・キャリア上のデータを同時に受信できる移動装置のためのMBMS送受信を処理するために設けられた一例としてのプロセス50を示すフローチャートである。プロセス50はプログラムコード214にコンパイルされ、次のステップを含む:
ステップ500:開始。
ステップ502:非MBMSデータのデータ交換をサポートするコンポーネント・キャリアを決定または設定。
ステップ504:移動装置がMBMSデータをMBMS専用コンポーネント・キャリアで受信したとき、コンポーネント・キャリアにおいてデータ交換を実行。
ステップ506:終了。
【0031】
プロセス50では、移動装置は、ネットワークコンフィギュレーションに従って、コンポーネント・キャリアにおいて、コンポーネント・キャリアが非MBMSデータ交換(例えば、ユニキャストデータ交換)をサポートする、または非MBMSデータ交換をイネーブルする設定をすると判断/発見する。この場合、移動装置は、MBMS専用コンポーネント・キャリアにおいてMBMSデータを受信するとき、コンポーネント・キャリアにおいて非MBMSデータ交換を実行できる。MBMS専用コンポーネント・キャリアは、MBMS送信用のMBMS専用セル(例えば、MBMSサービスのために行うのではないユニキャスト送信でもブロードキャスト送信でもないMBMS送信だけのためのセル)により用いられるコンポーネント・キャリアである。コンポーネント・キャリアは一つのセルに属する、一方MBMS専用コンポーネント・キャリアは他のセルまたはMBSFNエリアに属する。言い換えると、移動装置は同時に、MBMS専用コンポーネント・キャリアでMBMSデータを受信し、非MBMS専用コンポーネント・キャリアで非MBMSデータを受信する。MBMSデータ受信も非MBMSデータ転送も、MBMS/非MBMSデータ転送の確立によって中断されない。
【0032】
また、移動装置は、コンポーネント・キャリアでセルサーチ/選択をして、セルサーチ/選択の間、MBMS専用コンポーネント・キャリアにおけるMBMSデータの受信を停止または中断しない。プロセス50では、移動装置は、MBMSデータの受信を停止またはインターラプトせずに、非MBMSデータを送信または受信できる。
【0033】
図6を参照するに、一例としてのプロセス60のフローチャートを示す。プロセス60は、無線通信システム(例えば、図1の移動装置12)において最大m(m>1)のコンポーネント・キャリアでデータを同時受信できる移動装置のMBMS送受信を処理するために設けられている。プロセス60はプログラムコード214にコンパイルされ、次のステップを含む:
ステップ600:開始
ステップ602:無線リソース制御アイドル(RRC_IDLE)モードに入る
ステップ604:データ受信用に少なくとも2つのコンポーネント・キャリアをイネーブル
ステップ606:終了
プロセス60では、移動装置は、RRC_IDLEモードにあるとき、非MBMSデータ/MBMSデータ受信の少なくとも2つのコンポーネント・キャリアをイネーブルする。移動装置は、1つのアンテナを用いてコンポーネント・キャリアの信号を受信するだけでもよい。イネーブルされるコンポーネント・キャリアは異なるセルに属するものでもよい。例えば、移動装置は、同時に、非MBMSデータ送受信を提供する第1のコンポーネント・キャリアを介してセルにキャンプオンし、MBMS専用コンポーネント・キャリアを介してMBMSデータを受信する。言い換えると、移動装置は、システム情報を保持しつつ、それとは別にコンポーネント・キャリアが異なるセルにおけるセル選択または再選択を管理することができる。そのため、移動装置は、RRC_IDLEモードにおいて、2つ以上のコンポーネント・キャリアを用いることができる。
【0034】
さらに、移動装置は、時分割多重(TDD)で動作しているとき、第1のコンポーネント・キャリアでデータ(例えば、ユニキャストデータ)を送信し、周波数分割多重(FDD)で動作しているとき、第1のコンポーネント・キャリアに関連するアップリンク・コンポーネント・キャリアでデータを送信する。
【0035】
また、移動装置は、セル再選択のために、非MBMSコンポーネント・キャリアを測定する。移動装置は、移動装置のサービス中のセルが提供するよりも、非MBMSサービスにおいて、そのセルがよりよい信号品質を提供することを発見すると、移動装置は、MBMS専用コンポーネント・キャリアのどの進行中のMBMSデータ受信も停止せずに、セルを再選択する。図7に示した例では、RRC_IDLEモードにある移動装置70は、非MBMSデータ送受信のためにコンポーネント・キャリアCC1でセルCE5にキャンプオンし、MBSFNエリアでは、MBMS専用コンポーネント・キャリアCC2でMBMSデータを受信する。セルCE5は、移動装置70のサービス中のセルである。移動装置70は、コンポーネント・キャリアCC1でセルCE6を測定し、信号強度及びオフセットの計算であり、3GPP仕様書:3GPP TS 36.304「IDLEモードにおけるユーザ装置(UE)手順」により行われるセル再選択基準に基づき、セルCE6がセルCE5よりもよりよい通信環境を提供すると発見する。この場合、図8に示したように、移動装置70は、コンポーネント・キャリアCC1でセルCE6を再選択し、中断無くMBMS専用コンポーネント・キャリアCC2でMBMSデータを受信し続ける。
【0036】
図9に示した他の例では、RRC_IDLEモードにある移動装置90は、非MBMSデータ送受信のために、コンポーネント・キャリアCC1でセルCE7にキャンプオンし、MBMS専用コンポーネント・キャリアCC2でMBSFNエリアMA1のサービス中のMBMS専用セルからMBMSデータを受信する。移動装置90は、MBMS専用セル再選択のために、MBMS専用コンポーネント・キャリアCC2を測定する。移動装置90は、MBSFNエリアMA2の新しいMBMS専用セルが、サービス中のMBMS専用セルよりよいと発見すると、図10に示したように、MBMS専用セルを再選択する。好ましくは、選択されたMBMS専用セルは、サービス中のMBMS専用セルとは異なるMBSFNエリアに属する。
【0037】
図11を参照する。これは、無線通信システムにおけるネットワークのためのMBMS送受信処理のための、一例としてのプロセス1100のフローチャートである。プロセス1100は、プログラムコード214にコンパイルされ、次のステップを含む:
ステップ1102:開始。
ステップ1104:第1のタイプのコンポーネント・キャリア(以下、第1のタイプコンポーネント・キャリア)、及び第2のタイプのコンポーネント・キャリア(以下、第2のタイプコンポーネント・キャリア)をイネーブルするように移動装置をコンフィギュレーションする。
ステップ1106:第1のタイプコンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を、第2のタイプコンポーネント・キャリアで送信。
ステップ1108:終了。
【0038】
プロセス1100では、ネットワーク(例えば、セル、eNB、基地局、またはE−UTRAN)は、キャリア・アグリゲーションのために、第1のタイプコンポーネント・キャリア及び第2のタイプコンポーネント・キャリアをイネーブルするように移動装置をコンフィギュレーションする。言い換えると、移動装置は、同時に、第1のタイプ及び第2のタイプのコンポーネント・キャリアで、ネットワークと通信できる。この後、ネットワークは第1のタイプコンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を第2のタイプコンポーネント・キャリアで送信する。それゆえ、本実施例では、一タイプのコンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を、他のタイプのコンポーネント・キャリアで送信することができ、その結果コンフィギュレーションアロケーションフレキシビリティが改善する。
【0039】
例えば、ネットワークは、非MBMS専用コンポーネント・キャリアまたは他のMBMS専用コンポーネント・キャリアでMBMS専用コンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を送信する。コンフィギュレーション情報は、RRCメッセージを介して移動装置に送信される。したがって、移動装置は、コンフィギュレーション情報によって、非MBMS専用コンポーネント・キャリアでRRCメッセージを受信し、MBMS専用コンポーネント・キャリアでMBMSデータを受信する。RRCメッセージは、ブロードキャストRRCメッセージ、またはその移動装置専用のRRCメッセージである。コンフィギュレーション情報は、移動装置自機の無線周波数(RF)受信機をコンフィギュレーション情報が示す周波数にして、MBMSサービスを受信できるようにコンフィギュレーションするためのMBMS専用コンポーネント・キャリアの周波数情報を含む。コンフィギュレーション情報は、MBSFNアロケーション、MBMS制御チャンネル(MCCH)情報、MBMSトラフィックチャンネル(MTCH)情報、または動的スケジューリング情報をさらに含んでいてもよい。
【0040】
上記からわかるように、コンフィギュレーションするMBMS専用コンポーネント・キャリアは、非MBMS専用コンポーネント・キャリアまたは他のMBMS専用コンポーネント・キャリアに関連する。MBMS専用コンポーネント・キャリアは、他のMBMS専用コンポーネント・キャリアに関連するとき、拡張キャリアであってもよい。
【0041】
他の例では、ネットワークは、MBMS専用コンポーネント・キャリアで、RRCメッセージを介して、非MBMS専用コンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を送信できる。したがって、移動装置は、MBMS専用コンポーネント・キャリアでRRCメッセージを受信し、非MBMSデータを送信する必要がある場合、非MBMS専用コンポーネント・キャリアで非MBMSデータ(例えば、ユニキャストデータ)を送信する。RRCメッセージは、ブロードキャストRRCメッセージまたはその移動装置専用のRRCメッセージである。コンフィギュレーション情報は、非MBMS専用コンポーネント・キャリアの周波数情報を含み、そのため移動装置は、自機のRF送信機または自機の受信機を非MBMS専用コンポーネント・キャリアの周波数にして、非MBMSデータを送受信できる。移動装置は、RRC_IDLEモードにあるとき、ランダムアクセス手順を実行して非MBMSデータを送信する。
【0042】
図12を参照する。これは、2つのタイプのシステム・バージョン移動装置との通信をサポートするネットワークに対してMBMS送受信を処理するために設けられた、一例としてのプロセス1200のフローチャートである。このタイプのシステム・バージョンの移動装置は、完全にまたは部分的に異なるコンポーネント・キャリア周波数帯域を用いる。プロセス1200は、プログラムコード214にコンパイルされ、次のステップを含む:
ステップ1202:開始。
ステップ1204:コンポーネント・キャリアをMBMS専用コンポーネント・キャリアとして用いる。一システム・バージョンの移動装置はコンポーネント・キャリアをサポートし、他のシステム・バージョンの移動装置はコンポーネント・キャリアをサポートしない。
ステップ1206:終了。
【0043】
プロセス1200では、ネットワーク(例えば、セル、eNB、基地局またはE−UTRAN)は、上記のコンポーネント・キャリアをMBMS専用コンポーネント・キャリアとして用いる。このように、他のシステム・バージョンがコンポーネント・キャリアをサポートしない移動装置は、キャンプオン(camp on)するコンポーネント・キャリアのデータ送信のみを提供するセルを選択しない。
【0044】
例えば、LTE/LTE−Aシステムを考える。リリース8UEまたはリリース9UE(LTE UE)はレガシーUEと考えられる。セルが、MBMS専用コンポーネント・キャリアにおいてMBMSデータ転送を提供するためだけに展開され、リリース8/9UEにより選択されるとき、リリース8/9UEが非MBMSデータにアクセスすることは可能ではない。プロセス1200により、ネットワークは、リリース8/9UEがMBMS専用コンポーネント・キャリアとしてサポートしないコンポーネント・キャリアを使用する。そのため、セルがMBMS専用コンポーネント・キャリアにおいてMBMSデータ転送を提供するためだけに展開されているとき、このセルは、セル選択/再選択のときに、リリース10UE(互換UE)により選択されるだけであり、リリース8/9UEによっては選択されない。それゆえ、リリース8/9UEは、そのセルにはスタック(stuck)されず、非MBMSデータへのアクセスをサポートするセルを見つけることができる。
【0045】
留意すべき点として、提案したステップを含む上記のプロセスステップは、ハードウェア、ハードウェア装置とそのハードウェア装置上に読み取り専用ソフトウェアとして保存されたコンピュータ命令とデータの組み合わせとして知られるファームウェア、または電子システムなどの手段により実現できる。ハードウェアの例には、マイクロ回路、マイクロチップ、またはシリコンチップとして知られたアナログ、デジタル、及び混合回路を含む。電子システムの例には、システムオンチップ(SOC)、システムインパッケージ(Sip)、コンピュータオンモジュール(COM)、及び通信装置20が含まれる。
【0046】
結論として、上記の実施例は、データ損失を回避するために複数キャリア(キャリア・アグリゲーション)をイネーブルしたとき、移動装置(UE)がMBSFNアロケーションを適用する方法を提供する。また、上記の実施例は、MBMS及びユニキャスト送信が両方ともアクティブ化されているとき、移動装置(UE)がMBMS/ユニキャスト送信を行う方法を提供する。さらに、上記実施例は、システム・バージョンが異なる移動装置が複数同時に存在することを考慮して、ネットワークがMBMSサービスリソースを割り当てる方法を提供する。
【0047】
当業者には言うまでもなく、本発明の教示を保持しつつ上記の装置や方法にいろいろな修正・変更をすることができる。したがって、上記の開示は、添付した特許請求の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
なお、上記実施形態について以下の付記を記す。
(付記1) 無線通信システムにおける移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)送受信を処理する方法であって、前記方法は、
複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルする段階と、
前記移動装置が第1のイネーブルされたコンポーネント・キャリアで前記MBSFNアロケーションを受信したとき、MBMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)アロケーションを、第1のイネーブルされたコンポーネント・キャリアに適用し、残りのイネーブルされたコンポーネント・キャリアには適用しない段階とを有する、方法。
(付記2) 前記サブフレームのサブフレーム時間がMBSFNサブフレーム時間としてコンフィギュレーションされたサブフレーム時間に対応する無線リソース制御接続モードに前記移動装置があるとき、第2のイネーブルされたコンポーネント・キャリアのサブフレームがMBMSデータの受信に用いるMBSFNサブフレームではないと判断する段階、または
前記第2のイネーブルされたコンポーネント・キャリアを介して非MBMSデータを受信する段階をさらに有する、
付記1に記載の方法。
(付記3) 前記第2のイネーブルされたコンポーネント・キャリアは拡張キャリアである、付記2に記載の方法。
(付記4) 無線通信システムにおいて移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)送受信を処理する方法であって、前記方法は、
前記移動装置がMBMS専用コンポーネント・キャリアでMBMSデータを受信したとき、第1のコンポーネント・キャリアでデータ交換を実行する段階を有し、前記第1のコンポーネント・キャリアは非MBMSデータのデータ交換をサポートする、方法。
(付記5) 前記第1のコンポーネント・キャリアまたは第3のコンポーネント・キャリアでセルサーチまたはセル選択を実行する段階、または
前記セルサーチまたは前記セル選択の間、前記MBMS専用コンポーネント・キャリアにおける前記MBMSデータを停止または中断しない段階をさらに有する、
付記4に記載の方法。
(付記6) 無線通信システムにおいて移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)送受信を処理する方法であって、前記方法は、
前記移動装置が無線リソース制御アイドルモードにあるとき、データ受信用の少なくとも2つのコンポーネント・キャリアをイネーブルする段階を有する、方法。
(付記7) 前記第1のコンポーネント・キャリアが非MBMSデータ交換を提供し、前記第2のコンポーネント・キャリアがMBMS専用コンポーネント・キャリアであるとき、同時に、前記少なくとも2つのコンポーネント・キャリアの第1のコンポーネント・キャリアを介してセルにキャンプオンし、前記少なくとも2つのコンポーネント・キャリアの第2のコンポーネント・キャリアを介してMBMSデータを受信する段階、または
前記移動装置が時分割多重(TDD)で動作しているとき、前記少なくとも2つのコンポーネント・キャリアの前記第1のコンポーネント・キャリアで非MBMSデータを送信する段階、または
前記移動装置が周波数分割多重(FDD)で動作しているとき、前記第1のコンポーネント・キャリアに関連するアップリンク・コンポーネント・キャリアにおいて、前記非MBMSデータを送信する段階をさらに有する、付記6に記載の方法。
(付記8) セル再選択のため、前記少なくとも2つのコンポーネント・キャリアの第1のコンポーネント・キャリアを測定する段階であって、前記第1のコンポーネント・キャリアはMBMS専用コンポーネントではない段階、または
セル再選択基準により、前記移動装置のサービス中のセルよりも前記セルの方がよいと前記移動装置が発見したとき、前記少なくとも2つのコンポーネント・キャリアのMBMS専用コンポーネント・キャリアの進行中のMBMSデータ受信を停止することなく非MBMSデータ交換をサポートするセルを再選択する段階、または
前記MBMS専用セルが、MBMSサービスにおいて、前記移動装置のサービス中のMBMS専用セルが提供する信号品質よりよい信号品質を提供することを前記移動装置が発見したとき、MBMS専用セルを再選択する段階であって、前記再選択されたMBMS専用セル及び前記サービス中のMBMS専用セルは第1のMBMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)エリア及び第2のMBSFNエリアにそれぞれ属する段階、をさらに有する
付記6に記載の方法。
(付記9) 1つのアンテナを用いて前記少なくとも2つのコンポーネント・キャリアを操作する段階をさらに有する、
付記6に記載の方法。
(付記10) 無線通信システムにおいて複数のコンポーネント・キャリアを介して移動装置と同時に通信できるネットワークのための、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)送受信を処理する方法であって、前記方法は、
第2のタイプのコンポーネント・キャリアにおいて、第1のタイプのコンポーネント・キャリアに関連するコンフィギュレーション情報を送信する段階であって、前記第1のタイプの前記コンポーネント・キャリア及び前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアは前記移動装置に対応する段階を有する、方法。
(付記11) 前記第1のタイプの前記コンポーネント・キャリアは、第1のMBMS専用タイプのコンポーネント・キャリアであり、前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアは、MBMSデータ受信専用ではないコンポーネント・キャリア、または第2のMBMS専用タイプのコンポーネント・キャリアであり、または
前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアが前記第2のMBMS専用タイプコンポーネント・キャリアであるとき、前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアは拡張キャリアである、
付記10に記載の方法。
(付記12) 前記第1のタイプの前記コンポーネント・キャリアはMBMSデータ受信専用ではないコンポーネント・キャリアであり、前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアはMBMS専用タイプコンポーネント・キャリアである、
付記10に記載の方法。
(付記13) 前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアで前記第1のタイプの前記コンポーネント・キャリアと関連する前記コンフィギュレーション情報を送信する段階は、無線リソース制御メッセージを介して、前記第2のタイプの前記コンポーネント・キャリアで前記コンフィギュレーション情報を送信する段階を有する、付記10に記載の方法。
(付記14) 無線通信システムの第1のシステム・バージョンの第1の移動装置及び前記無線通信システムの第2のシステム・バージョンの第2の移動装置と通信できるネットワークのための、マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)送受信を処理する方法であって、前記方法は、
コンポーネント・キャリアをMBMS専用コンポーネント・キャリアとして用いる段階であって、前記第1のシステム・バージョンの前記第1の移動装置は前記コンポーネント・キャリアをサポートし、前記第2のシステム・バージョンの前記第2の移動装置は前記コンポーネント・キャリアをサポートしない段階を有する方法。
【符号の説明】
【0048】
10 無線通信システム
12 移動装置
20 通信装置
200 処理手段
210 メモリ部
214 プログラムコード
220 通信インタフェース部
70、90 移動装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法であって、前記方法は、
複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルする段階と、
前記移動装置がイネーブルされた第1のコンポーネント・キャリアでMBMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)アロケーションを受信したとき、前記MBSFNアロケーションを、イネーブルされた第1のコンポーネント・キャリアに適用し、イネーブルされた残りのコンポーネント・キャリアには適用しない段階とを有する、方法。
【請求項2】
前記移動装置が無線リソース制御接続モードにあるとき、イネーブルされた第2のコンポーネント・キャリアのサブフレームがMBMSデータの受信に用いるMBSFNサブフレームではないと判断する段階をさらに有し、
前記サブフレームのサブフレーム時間はMBSFNサブフレーム時間としてコンフィギュレーションされたサブフレーム時間に対応する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イネーブルされた第2のコンポーネント・キャリアを介して非MBMSデータを受信する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記イネーブルされた第2のコンポーネント・キャリアは拡張キャリアである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
MBMS受信を処理する無線通信システムの通信装置であって、
複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルする手段と、
前記移動装置がイネーブルされた第1のコンポーネント・キャリアでMBSFNアロケーションを受信したとき、前記MBSFNアロケーションを、イネーブルされた第1のコンポーネント・キャリアに適用し、イネーブルされた残りのコンポーネント・キャリアには適用しない手段とを有する、通信装置。
【請求項6】
前記移動装置が無線リソース制御接続モードにあるとき、イネーブルされた第2のコンポーネント・キャリアのサブフレームがMBMSデータの受信に用いるMBSFNサブフレームではないと判断する手段をさらに有し、
前記サブフレームのサブフレーム時間はMBSFNサブフレーム時間としてコンフィギュレーションされたサブフレーム時間に対応する、
請求項5に記載に通信装置。
【請求項7】
前記イネーブルされた第2のコンポーネント・キャリアを介して非MBMSデータを受信する手段をさらに有する、請求項5に記載の通信装置。
【請求項8】
前記イネーブルされた第2のコンポーネント・キャリアは拡張キャリアである、請求項7に記載の通信装置。
【請求項1】
無線通信システムにおける移動装置のマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)受信を処理する方法であって、前記方法は、
複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルする段階と、
前記移動装置がイネーブルされた第1のコンポーネント・キャリアでMBMS単一周波数ネットワーク(MBSFN)アロケーションを受信したとき、前記MBSFNアロケーションを、イネーブルされた第1のコンポーネント・キャリアに適用し、イネーブルされた残りのコンポーネント・キャリアには適用しない段階とを有する、方法。
【請求項2】
前記移動装置が無線リソース制御接続モードにあるとき、イネーブルされた第2のコンポーネント・キャリアのサブフレームがMBMSデータの受信に用いるMBSFNサブフレームではないと判断する段階をさらに有し、
前記サブフレームのサブフレーム時間はMBSFNサブフレーム時間としてコンフィギュレーションされたサブフレーム時間に対応する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イネーブルされた第2のコンポーネント・キャリアを介して非MBMSデータを受信する段階をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記イネーブルされた第2のコンポーネント・キャリアは拡張キャリアである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
MBMS受信を処理する無線通信システムの通信装置であって、
複数のコンポーネント・キャリアをイネーブルする手段と、
前記移動装置がイネーブルされた第1のコンポーネント・キャリアでMBSFNアロケーションを受信したとき、前記MBSFNアロケーションを、イネーブルされた第1のコンポーネント・キャリアに適用し、イネーブルされた残りのコンポーネント・キャリアには適用しない手段とを有する、通信装置。
【請求項6】
前記移動装置が無線リソース制御接続モードにあるとき、イネーブルされた第2のコンポーネント・キャリアのサブフレームがMBMSデータの受信に用いるMBSFNサブフレームではないと判断する手段をさらに有し、
前記サブフレームのサブフレーム時間はMBSFNサブフレーム時間としてコンフィギュレーションされたサブフレーム時間に対応する、
請求項5に記載に通信装置。
【請求項7】
前記イネーブルされた第2のコンポーネント・キャリアを介して非MBMSデータを受信する手段をさらに有する、請求項5に記載の通信装置。
【請求項8】
前記イネーブルされた第2のコンポーネント・キャリアは拡張キャリアである、請求項7に記載の通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−102540(P2013−102540A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−25563(P2013−25563)
【出願日】平成25年2月13日(2013.2.13)
【分割の表示】特願2010−196865(P2010−196865)の分割
【原出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(502160992)宏達國際電子股▲ふん▼有限公司 (97)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年2月13日(2013.2.13)
【分割の表示】特願2010−196865(P2010−196865)の分割
【原出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(502160992)宏達國際電子股▲ふん▼有限公司 (97)
【Fターム(参考)】
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