説明

マルチ画面コンテンツ表示システム、表示制御端末、オフセット時間生成装置、表示制御コマンド送信装置およびマルチ画面コンテンツ表示方法

【課題】外部同期信号等の同期専用の高価なH/Wを用いずに、従来方式より高精度な画面間同期を実現する。
【解決手段】全表示制御端末4からのVsyncの発生時刻に基づきオフセット時間を算出するオフセット時間生成装置2と、コンテンツデータを示す識別情報および表示開始指示時刻を含むコマンドを各表示制御端末に送信する表示制御コマンド送信装置3とを備え、表示制御端末4は、時刻同期サーバ装置1と内部時計を同期させる時刻同期クライアント手段41と、識別情報に基づき該当コンテンツデータを取得する表示準備手段43と、オフセット時間および表示開始指示時刻に基づく表示開始予定時刻を経過した後、表示開始指示を行う表示予定時刻待機手段44と、表示開始指示に従い、Vsync毎にコンテンツデータに基づく画像データを生成する表示処理手段45と、生成された画像データをVsync毎に表示装置5に出力する表示出力手段46とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内部時計を有し、各々が対応する表示装置に所定のコンテンツを表示させることでマルチ画面を構成する複数の表示制御端末を備えたマルチ画面コンテンツ表示システム、表示制御端末、オフセット時間生成装置、表示制御コマンド送信装置およびマルチ画面コンテンツ表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マルチ画面を複数の表示制御端末が制御するマルチ画面コンテンツ表示システムでは、各表示制御端末が独立して動作するため、同じスケジュールを再生していても画面間で表示タイミングの同期がずれるという問題がある。
【0003】
そこで、全表示制御端末の再生開始時刻を共通の時計に合わせることで、画面間の同期を実現する方式が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に開示された時刻同期方式では、まず、同期サーバから時刻情報を全ての表示制御端末に送信し、全表示制御端末が当該時刻情報を受信して内部時計の時刻に設定する。そして、設定された内部時計に基づき、別途スケジュールによって指定されている再生開始時刻になるまで待機し、再生開始時刻になった際にコンテンツの再生を開始するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−252422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された時刻同期方式では、厳密な意味で時刻を同期させることはできず、多少のずれが発生する。また、各表示制御端末が出力する画像信号のVsyncも表示制御端末毎にずれている。そのため、タイミングによっては、表示制御端末間の同一フレームの表示タイミングが1フレーム以上ずれる可能性があった。その結果、同一フレームの表示タイミングが表示制御端末間で常時1フレーム以上ずれると、画面間に跨り画面境界に平行な定速の動き等が常時ずれたまま見えるため、全体的な一体感が失われ視聴者に違和感が発生するという課題があった。
【0006】
それに対して、外部同期信号等を用いてVsyncを同期する特殊なH/Wを用いる方式もある。しかしながら、外部同期信号を備えることで、コストが上がってしまうという課題があった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、外部同期信号等の同期専用の高価なH/Wを用いずに、従来方式より高精度な画面間同期を実現することができるマルチ画面コンテンツ表示システム、表示制御端末、オフセット時間生成装置、表示制御コマンド送信装置およびマルチ画面コンテンツ表示方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るマルチ画面コンテンツ表示システムは、内部時計を有し、各々が対応する表示装置に所定のコンテンツを表示させることでマルチ画面を構成する複数の表示制御端末と、全表示制御端末の内部時計の時刻を同期するための時刻同期サーバ装置と、全表示制御端末から収集したVsyncの発生時刻に基づいて、表示制御端末によるコンテンツの表示開始時刻を調整するオフセット時間を算出するオフセット時間生成装置と、再生対象のコンテンツデータを示す識別情報および表示開始指示時刻を含む表示制御コマンドを各表示制御端末に送信する表示制御コマンド送信装置とを備え、表示制御端末は、時刻同期サーバ装置の時刻と内部時計の時刻とを同期させる時刻同期クライアント手段と、コンテンツデータを記憶するデータ記憶手段と、表示制御コマンドに含まれる識別情報に基づいて、データ記憶手段から該当するコンテンツデータを取得する表示準備手段と、オフセット時間生成装置により算出されたオフセット時間および表示制御コマンドに含まれる表示開始指示時刻に基づいて表示開始予定時刻を算出し、内部時計が当該表示開始予定時刻を経過した後に表示開始指示を行う表示予定時刻待機手段と、表示予定時刻待機手段からの表示開始指示に従い、Vsync毎に表示準備手段により取得されたコンテンツデータに基づいて画像データを生成する表示処理手段と、表示処理手段により生成された画像データをVsync毎に対応する表示装置に出力する表示出力手段とを備えたものである。
【0009】
また、この発明に係るマルチ画面コンテンツ表示システムは、内部時計を有し、各々が対応する表示装置に所定のコンテンツを表示させることでマルチ画面を構成する複数の表示制御端末と、全表示制御端末の内部時計の時刻を同期するための時刻同期サーバ装置と、全表示制御端末から収集したVsyncの発生時刻に基づいて、表示制御端末によるコンテンツの表示開始時刻を調整するオフセット時間を算出するオフセット時間生成装置と、表示開始指示時刻およびオフセット時間生成装置により算出されたオフセット時間に基づいて表示開始予定時刻を算出し、再生対象のコンテンツデータを示す識別情報および当該表示開始予定時刻を含む表示制御コマンドを各表示制御端末に送信する表示制御コマンド送信装置とを備え、表示制御端末は、時刻同期サーバ装置の時刻と内部時計の時刻とを同期させる時刻同期クライアント手段と、コンテンツデータを記憶するデータ記憶手段と、表示制御コマンドに含まれる識別情報に基づいて、データ記憶手段から該当するコンテンツデータを取得する表示準備手段と、内部時計が表示制御コマンドに含まれる表示開始予定時刻を経過した後に表示開始指示を行う表示予定時刻待機手段と、表示予定時刻待機手段からの表示開始指示に従い、Vsync毎に表示準備手段により取得されたコンテンツデータに基づいて画像データを生成する表示処理手段と、表示処理手段により生成された画像データをVsync毎に対応する表示装置に出力する表示出力手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、上記のように構成したので、外部同期信号等の同期専用の高価なH/Wを用いずに、従来方式より高精度な画面間同期を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1に係るマルチ画面コンテンツ表示システムの構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるオフセット時間生成装置の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1における表示制御端末の構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1におけるVsync発生時刻取得手段による処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1におけるオフセット時間生成装置による処理を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1における表示準備手段による処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1における表示予定時刻待機手段、表示処理手段および表示出力手段による処理を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態1における各表示制御端末での画像データの表示タイミングを示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係るマルチ画面コンテンツ表示システムの構成を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態3に係るマルチ画面コンテンツ表示システムの構成を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態3における表示制御端末の構成を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態3における各表示制御端末での画像データの表示タイミングを示す図である。
【図13】この発明の実施の形態4に係るマルチ画面コンテンツ表示システムの構成を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態5におけるオフセット時間生成装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るマルチ画面コンテンツ表示システムの構成を示す図である。
マルチ画面コンテンツ表示システムは、図1に示すように、時刻同期サーバ装置1、オフセット時間生成装置2、表示制御コマンド送信装置3、複数の表示制御端末4a〜4dおよび複数の表示装置5a〜5dから構成されている。
なお、図1において、時刻同期サーバ装置1、オフセット時間生成装置2、表示制御コマンド送信装置3は別々の装置として示されているが、これら全てまたは2つの装置を1つの装置内に構成してもよい。
また、以下では、特に区別する必要がない場合には、表示制御端末4a〜4dを単に表示制御端末4と称し、表示装置5a〜5dを単に表示装置5と称す。また、後述する表示制御端末4の内部構成についても、特に区別する必要がない場合には接尾記号a〜dは付さない。
【0013】
時刻同期サーバ装置1は、全表示制御端末4の内部時計の時刻を同期するためのものである。
オフセット時間生成装置2は、全表示制御端末4から収集したVsyncの発生時刻に基づいて、表示制御端末4によるコンテンツの表示開始時刻を調整するオフセット時間を算出し、表示制御端末4に通知するものである。
【0014】
表示制御コマンド送信装置3は、スケジュールデータに基づいて、各表示制御端末4に対して、コンテンツ表示を命令する表示制御コマンドを送信するものである。なお、表示制御コマンドには、後述するデータ記憶手段42から再生対象のコンテンツデータを読み込むための識別情報、その表示内容を制御する表示制御命令情報、および、コンテンツの表示開始指示時刻等が含まれている。
【0015】
表示制御端末4は、内部時計を有し、対応する表示装置5にコンテンツを表示させるものである。この表示制御端末4は、時刻同期サーバ装置1からの同期情報、オフセット時間生成装置2からのオフセット時間情報、および、表示制御コマンド送信装置3からの表示制御コマンドに従い、Vsync毎に、再生対象のコンテンツデータに基づく画像データを生成し、対応する表示装置5に出力する。
【0016】
表示装置5は、対応する表示制御端末4からの画像データを表示するものである。そして、各表示装置5が各々担当の表示領域において、表示制御命令情報に従って画像データを表示することで、1つの大きなマルチ画面を構成する。
【0017】
次に、オフセット時間生成装置2の構成について、図2を参照しながら説明する。
オフセット時間生成装置2は、図2に示すように、Vsync発生時刻収集手段21、オフセット時間算出手段22およびオフセット時間送信手段23から構成されている。
【0018】
Vsync発生時刻収集手段21は、定期的に、全表示制御端末4の後述するVsync発生時刻取得手段47からVsyncの発生時刻を収集するものである。
オフセット時間算出手段22は、Vsync発生時刻収集手段21により収集された全表示制御端末4のVsyncの発生時刻に基づいて、オフセット時間を算出するものである。
オフセット時間送信手段23は、オフセット時間算出手段22により算出されたオフセット時間を全表示制御端末4の後述する表示準備手段43に通知するものである。
【0019】
次に、表示制御端末4の構成について、図3を参照しながら説明する。
表示制御端末4は、図3に示すように、時刻同期クライアント手段41、データ記憶手段42、表示準備手段43、表示予定時刻待機手段44、表示処理手段45、表示出力手段46およびVsync発生時刻取得手段47から構成されている。
【0020】
時刻同期クライアント手段41は、時刻同期サーバ装置1と他の表示制御端末4の時刻同期クライアント手段41と通信し、時刻同期サーバ装置1の時刻と内部時計の時刻とを同期させるものである。
データ記憶手段42は、静止画・動画等の素材データ、使用素材の識別情報やグラフィクス、表示レイアウト・動作等を含むコンテンツデータや、リフレッシュレート等を記憶するものである。
【0021】
表示準備手段43は、表示制御コマンド送信装置3から表示制御コマンドを受信した場合に、当該表示制御コマンドに含まれる識別情報に基づいてデータ記憶手段42から該当するコンテンツデータを取得して解析するものである。また、当該コンテンツデータの再生に使用する素材データも取得して素材画像データを作成し、当該表示制御コマンドに含まれる表示制御命令情報、当該素材画像データおよびレイアウト情報(位置・サイズ・透明度etc..)から成る描画制御情報を生成するものである。
【0022】
表示予定時刻待機手段44は、オフセット時間生成装置2からのオフセット時間および表示準備手段43を介して取得した表示制御コマンドに含まれる表示開始指示時刻に基づいて、実際にコンテンツの表示を開始する表示開始予定時刻を算出するものである。そして、表示予定時刻待機手段44は、内部時計がこの表示開始予定時刻を経過した後に、表示処理手段45に表示開始指示を行う。
【0023】
表示処理手段45は、表示予定時刻待機手段44からの表示開始指示に従い、表示出力手段46から通知されるVsyncの発生毎に、表示準備手段43からのコンテンツデータおよび描画制御情報に基づいて、1フレーム毎に画像データを生成するものである。また、表示処理手段45は生成した画像データをフレームバッファ(不図示)に書き込む。
表示出力手段46は、Vsyncの発生毎に、表示処理手段45が書き込んだフレームバッファ内の画像データを対応する表示装置5に出力するものである。また、表示出力手段46は、Vsyncの発生を表示処理手段45およびVsync発生時刻取得手段47に通知する。
【0024】
Vsync発生時刻取得手段47は、表示出力手段46からVsyncの発生が通知された際に、その発生時刻を取得して記憶するものである。そして、Vsync発生時刻取得手段47は、オフセット時間生成装置2からのVsync発生時刻の取得指示に応じて、記憶したVsyncの発生時刻を通知する。
【0025】
次に、上記のように構成されたマルチ画面コンテンツ表示システムによる各処理について説明する。なお以下では、各時刻同期クライアント手段41による処理(時刻同期クライアントステップ)によって、時刻同期サーバ装置1と各表示制御端末4の内部時計の時刻が概ね合っているものとする。
【0026】
まず、Vsync発生時刻取得手段47による処理について、図4を参照しながら説明する。
Vsync発生時刻取得手段47による処理では、図4に示すように、まず、表示処理手段45からVsyncの発生が通知されたかを判断する(ステップST1)。このステップST1において、Vsyncの発生が通知されたと判断した場合には、その発生時刻を取得する(ステップST2)。そして、取得したVsyncの発生時刻を記憶する。
【0027】
次いで、Vsync発生時刻収集手段21からVsync発生時刻の取得指示を受信したかを判断する(ステップST3)。このステップST3において、Vsync発生時刻取得指示を受信したと判断した場合には、記憶したVsyncの発生時刻をVsync発生時刻収集手段21に通知する(ステップST4)。その後、シーケンスはステップST1に戻る。
一方、ステップST1においてVsyncの発生が通知されていないと判断した場合、または、ステップST3においてVsync発生時刻の取得指示を受信していないと判断した場合には、シーケンスはすぐにステップST1に戻る。
【0028】
次に、オフセット時間生成装置2による処理(オフセット時間生成ステップ)について、図5を参照しながら説明する。
オフセット時間生成装置2による処理では、図5に示すように、まず、Vsync発生時刻収集手段21が、定期的にVsync発生時刻の取得指示を全表示制御端末4のVsync発生時刻取得手段47に対して送信する(ステップST5)。次いで、各Vsync発生時刻取得手段47が当該取得指示を受けてVsync発生時刻を返信してくるので、これを受信する(ステップST6)。
次いで、オフセット時間算出手段22が、Vsync発生時刻収集手段21により収集された全表示制御端末4のVsync発生時刻に基づいて、オフセット時間を算出する(ステップST7)。次いで、オフセット時間送信手段23が、オフセット時間算出手段22により算出されたオフセット時間を全表示制御端末4に通知する(ステップST8)。
【0029】
なお、表示制御コマンド送信装置3では、スケジュールデータから表示制御命令情報を取得し、当該表示制御命令情報で予め指定された表示開始指示時刻より一定時間前の時刻になるまで待機した後、表示制御コマンドを各表示制御端末4に送信する(表示制御コマンド送信ステップ)。その後、表示制御コマンド送信装置3は、次に実行予定の表示制御命令情報を処理する。
【0030】
次に、表示準備手段43による処理(表示準備ステップ)について、図6を参照しながら説明する。
表示準備手段43による処理では、図6に示すように、まず、表示制御コマンド送信装置3からの表示制御コマンドを受信する(ステップST9) 。次いで、この表示制御コマンドに含まれる識別情報、表示制御命令情報および表示開始指示時刻を取得する(ステップST10)。
次いで、この識別情報に基づいて、該当するコンテンツデータおよびその中で使用する素材データをデータ記憶手段42から読み込む(ステップST11)。次いで、素材データの種類に応じて、描画を実施するために圧縮された静止画の解凍、フォントデータからの画像生成、動画データを解析して再生準備をする等によって、描画のための事前準備処理を実施(素材画像データを作成)し、描画制御情報を生成する(ステップST12)。
【0031】
次に、表示予定時刻待機手段44、表示処理手段45および表示出力手段46による処理(表示予定時刻待機ステップ、表示処理ステップ、表示出力ステップ)について、図7を参照しながら説明する。
表示予定時刻待機手段44、表示処理手段45および表示出力手段46による処理では、図7に示すように、まず、表示予定時刻待機手段44が、表示準備手段43を介して取得した表示制御コマンドに含まれる表示開始指示時刻およびオフセット時間生成装置2からのオフセット時間に基づいて、表示開始予定時刻を算出する(ステップST13)。次いで、表示予定時刻待機手段44は、表示制御端末4の内部時計から得られる時刻と表示開始予定時刻を比較し(ステップST14)、内部時計が表示開始予定時刻を経過した場合に、表示処理手段45に対してコンテンツの表示開始指示を行う(ステップST15)。
【0032】
次いで、表示処理手段45は、表示予定時刻待機手段44からの表示開始指示に従い、表示出力手段46から通知されるVsyncの発生に伴い、表示準備手段43からのコンテンツデータおよび描画制御情報に基づいて、1フレームの画像データを生成する(ステップST16)。次いで、表示処理手段45は、この画像データをフレームバッファ上に書き込む(ステップST17)。
次いで、表示出力手段46は、Vsyncの発生を待った後(ステップST18)、フレームバッファ上の画像データを表示装置5に送信する(ステップST19)。その後、シーケンスはステップST16に戻り、上記ステップST16〜19を繰り返す。
【0033】
次に、上記ステップST7において、オフセット時間算出手段22が行うオフセット時間の算出方法例について説明する。
なお以下では、Vsync発生時刻収集手段21において、表示制御端末4aのVsync発生時刻取得手段47aから取得したVsyncの発生時刻をtv1、表示制御端末4bのVsync発生時刻取得手段47bから取得したVsyncの発生時刻をtv2、表示制御端末4cのVsync発生時刻取得手段47cから取得したVsyncの発生時刻をtv3、表示制御端末4dのVsync発生時刻取得手段47dから取得したVsyncの発生時刻をtv4とする。また、本時刻はミリ秒以下の単位まで情報を取得できるものとする。また、表示装置5のリフレッシュレートは、60Hzとする。また、フレーム間の時間Vは、16.66・・・msとする。
【0034】
オフセット時間算出手段22によるオフセット時間の算出方法では、まず、Vsyncの発生時刻tv1〜tv4からミリ秒単位の値tv1’〜tv4’を抽出する。次いで、下式(1)に基づき、各発生時刻のミリ秒単位であるtvN’を、時刻0ms〜16.66・・・msの間にVsyncが発生した時の推定発生時刻に換算する。
tvN’’=mod(tvN’,V) (1)
なお、mod(t,a)は、tをaで割った剰余を求める関数である。
【0035】
次いで、下式(2)に基づき、各推定発生時刻tv1’’〜tv4’’からVsyncの発生台数が最も疎となる時刻(オフセット時間)tv0を求める。
tv0=ND(tv1’’, tv2’’, tv3’’, tv4’’) (2)
なお、ND(tv1’’,・・・,tvN’’)は、tv1’’,・・・,tv4’’の全サンプルからサンプルの密度が疎な時刻を求める関数である。
【0036】
また、ND(tv1’’,・・・,tvN’’)の一例として、下式(3)のように、各推定発生時刻tv1’’〜tv4’’をソートした上で、隣り合う2サンプルの間隔を比較し、最も広い区間の中間値をオフセット時間とするようにしてもよい。

なお、Gap(tv1’’,・・・,tvN’’)=max(tv2’’−tv1’’,tv3’’−tv2’’,・・・,tvN’’−tvN-1’’,tv1’’+V−tvN’’)である。また、max(x1,x2,・・・,xN)は、x1,x2,・・・,xNのうち最大の値を求める関数である。
【0037】
また、ND(tv1’’,・・・,tvN’’)の別の一例として、一般的なカーネル密度推定手法を用い、その0ms〜16.66・・・ms区間内の最小値をオフセット時間とするようにしてもよい。
【0038】
以上のようにして、オフセット時間算出手段22にてオフセット時間を算出した後、ステップST13において、表示予定時刻待機手段44がオフセット時間tv0を表示開始指示時刻tsに加算することで、表示開始予定時刻ts’を算出する。
【0039】
次に、本方式による効果について、図8を参照しながら説明する。
本方式による時刻同期によっても各表示制御端末4a〜4dでは数ms程度の時刻ずれが生じている。図8の各表示制御端末4a〜4dでは、表示制御端末4aを基準(0ms)とすると、表示制御端末4bでは3ms、表示制御端末4cでは1ms、表示制御端末4dでは1msの時刻ずれが生じている。また、Vsync発生時刻(図8の実線部)は、表示制御端末4aでは0,16,33ms、表示制御端末4bでは15,32ms、表示制御端末4cでは14,31ms、表示制御端末4dでは1,17,34msに発生している。また、表示開始指示時刻は0msであるとする。
【0040】
以上の条件で従来方式を用いた場合、第1フレームの画像データの表示時刻は、表示制御端末4aでは16ms、表示制御端末4bでは32ms、表示制御端末4cでは31ms、表示制御端末4dでは17msとなる。よって、表示制御端末4bと表示制御端末4a,4dは1フレーム以上のずれがあることとなる。
一方、実施の形態1の方式を用いた場合、オフセット時間は8msであり、表示開始予定時刻は、表示制御端末4aでは16ms、表示制御端末4dでは17msとなる。そのため、第1フレームの画像データの表示時刻は、表示制御端末4aでは33ms、表示制御端末4dでは34msとなる。よって、各表示制御端末4での表示タイミングのずれを従来方式に対して抑制することができる。
【0041】
以上のように、この実施の形態1によれば、全表示制御端末4でのVsyncの発生時刻からオフセット時間を算出し、このオフセット時間を考慮した表示開始予定時刻を経過した後のVsyncの発生時刻に伴って画像データの表示処理を行うように構成したので、外部同期信号等の同期専用の高価なH/Wを用いずに、従来方式より高精度な画面間同期を実現することができる。
【0042】
なお、実施の形態1では、各表示制御端末4に送信されるオフセット時間を全て同じ時間としているが、これに限るものではなく、表示制御端末4毎に最適なオフセット時間を算出して送信するようにしてもよい。また、各表示予定時刻待機手段44において、各表示制御端末4に適した端末オフセット時間をオフセット時間生成装置2によるオフセット時間から求め、端末オフセット時間を表示開始指示時刻に加算することで表示開始予定時刻を算出するようにしてもよい。
また、コンテンツ再生を行う場合、実施の形態1では1つの表示制御コマンドで実施するようにしたが、これに限るものではなく、識別情報および表示制御命令情報を含む表示準備コマンドと、表示開始指示時刻を含む表示開始コマンドとに分割するようにしてもよい。この場合、まず、表示準備コマンドを送信して表示準備手段43で処理を行い、その後、表示開始コマンドを送信して表示予定時刻待機手段44で処理を行う。
【0043】
また、実施の形態1では、表示処理手段45が表示開始指示後の最初のVsyncの発生と伴って第1フレームの画像データの生成を開始している。そのため、表示装置5では次のVsyncの発生時にこの画面データへのフレーム切替が行われることになる。それに対して、表示処理手段45で、表示開始指示後の最初のVsyncの発生までに第1フレームの画像データを生成しておき、このVsyncの発生時にこの画像データへのフレーム切替を行うようにしてもよい。これにより、表示開始予定時刻からの表示切替タイミングの遅延を減らすことができる。
【0044】
また、実施の形態1では、Vsync発生時刻取得手段47がVsync発生時刻収集手段21からのVsync発生時刻の取得指示に応じて、当該発生時刻を通知するように構成したが、これに限るものではなく、Vsync発生時刻取得手段47が、Vsyncが発生する度に、当該Vsyncの発生時刻を示す情報をVsync発生時刻収集手段21に通知するようにしてもよい。
【0045】
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2に係るマルチ画面コンテンツ表示システムの構成を示す図である。ここでは、実施の形態1に係るマルチ画面コンテンツ表示システムとの相違する部分についてのみ説明を行う。
この図9に示す実施の形態2に係るマルチ画面コンテンツ表示システムでは、オフセット時間送信手段23が、各表示制御端末4の表示準備手段43ではなく、表示制御コマンド送信装置3にオフセット時間を通知している。
【0046】
そして、表示制御コマンド送信装置3では、オフセット時間を表示開始指示時刻に加算することで表示開始予定時刻を算出し、表示開始指示時刻の代わりに表示開始予定時刻を表示制御コマンドに含めて表示制御端末4に送信する。
また、各表示制御端末4の表示予定時刻待機手段44では、表示開始予定時刻の算出処理は行わず、表示準備手段43を介して取得した表示制御コマンドに含まれる表示開始予定時刻を用いて待機を行う。
【0047】
以上のように、この実施の形態2によれば、オフセット時間送信手段23が表示制御コマンド送信装置3にオフセット時間を通知するように構成したので、実施の形態1と同様の効果を得ることができるとともに、表示制御コマンドと同時にオフセット時間を送ることとなるため、実施の形態1と比べて、より通信量を減らし、表示制御端末4の処理量を減らすことができる。
【0048】
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3に係るマルチ画面コンテンツ表示システムの構成を示す図であり、図11は図10における表示制御端末4aの構成を示す図である。ここにおいても実施の形態2と同様に、実施の形態1に係るマルチ画面コンテンツ表示システムとの相違する部分についてのみ説明を行う。なお図11では、時刻同期クライアント手段41aの記載は省略している。
図10,11に示すように、表示制御端末4aの表示出力手段46aには、他の表示制御端末4b〜4dの表示出力手段46b〜46dが物理的に接続されている。そして、表示出力手段46aでのVsync信号を表示出力手段46b〜46dに出力することで、全表示出力手段46のVsyncを同期させている。これにより、Vsyncのタイミングを全表示制御端末4上で完全に同期させることができる。
【0049】
ここで、従来方式を用いた場合、図12に示すように、Vsyncのタイミングが完全に同期している場合であっても、時刻同期のずれによって、表示タイミングの完全な同期は実現できない。それに対して、実施の形態3では、実施の形態1の構成に、各表示出力手段46を物理的に接続してH/WによるVsync同期機構を組込むことで、時刻同期のずれの影響をなくし、完全に表示タイミングの同期を実現することができる。
なお、図11では実施の形態1の構成にVsync同期機構を組込んだ場合について示したが、実施の形態2の構成にVsync同期機構を組込むようにしてもよい。
【0050】
実施の形態4.
図13はこの発明の実施の形態4に係るマルチ画面コンテンツ表示システムの構成を示す図である。ここでは、実施の形態2に係るマルチ画面コンテンツ表示システムとの相違する部分についてのみ説明を行う。
【0051】
この図13に示す実施の形態4に係るマルチ画面コンテンツ表示システムでは、表示制御コマンド送信装置3がスケジュールデータから表示制御命令情報を取得し、当該表示制御命令情報で予め指定された表示開始指示時刻より一定時間前の時刻になるまで待機した後、表示制御コマンド発行準備指示をオフセット時間生成装置2に対して通知する。
そして、オフセット時間生成装置2では、表示制御コマンド発行準備指示を受けて図5に示すステップST5〜ST8の処理を実行した後、準備完了通知を表示制御コマンド送信装置3に返信する。そして、表示制御コマンド送信装置3は、準備完了通知を受けて表示制御コマンドを各表示制御端末4に送信する。
【0052】
以上のように、この実施の形態4によれば、表示制御コマンド送信装置3が表示制御コマンドを通知する直前に、オフセット時間生成装置2がオフセット時間を算出するように構成したので、オフセット時間生成装置2がオフセット時間を算出するために全表示制御端末4からVsync発生時刻を収集してからの経過時間が短くなり、経過時間の間に発生する時刻のずれが小さくなることで、実施の形態2と比べて、さらに高精度な画面間同期を実現することができる。
なお、実施の形態1に対しても適用できることは明らかである。
【0053】
実施の形態5.
図14はこの発明の実施の形態5におけるオフセット時間生成装置2の構成を示す図である。この図14に示す実施の形態5におけるオフセット時間生成装置2は、図2に示す実施の形態1におけるオフセット時間生成装置2に表示装置配置記憶手段24を追加したものである。その他の構成は同様であるため同一の符号を付して、相違する部分についてのみ説明を行う。
【0054】
表示装置配置記憶手段24は、表示装置5a〜5dを並べた際に各表示装置5の位置関係を示す情報(表示装置配置情報)を記憶するものである。
また、オフセット時間算出手段22は、全表示制御端末4から収集したVsync発生時刻に加えて、表示装置配置記憶手段24から取得した表示装置配置情報にも基づいて、隣接する表示装置5間での同期を考慮してオフセット時間を算出する。
【0055】
以上のように、この実施の形態5によれば、オフセット時間算出手段22が隣接する表示装置5間の同期を考慮してオフセット時間を算出するように構成することで、全表示装置5間での同期精度は下がったとしても、隣接する表示装置5間ではより同期精度を高めることができる。
【0056】
また、実施の形態1〜5では、いずれも表示制御端末4の台数は4台として説明しているが、2台以上であれば何台構成でも実現可能であることは明らかである。
また、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 時刻同期サーバ装置、2 オフセット時間生成装置、3 表示制御コマンド送信装置、4,4a〜4d 表示制御端末、5,5a〜5d 表示装置、21 Vsync発生時刻収集手段、22 オフセット時間算出手段、23 オフセット時間送信手段、24 表示装置配置記憶手段、41 時刻同期クライアント手段、42 データ記憶手段、43 表示準備手段、44 表示予定時刻待機手段、45 表示処理手段、46 表示出力手段、47 Vsync発生時刻取得手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部時計を有し、各々が対応する表示装置に所定のコンテンツを表示させることでマルチ画面を構成する複数の表示制御端末を備えたマルチ画面コンテンツ表示システムにおいて、
前記全表示制御端末の内部時計の時刻を同期するための時刻同期サーバ装置と、
前記全表示制御端末から収集したVsyncの発生時刻に基づいて、前記表示制御端末によるコンテンツの表示開始時刻を調整するオフセット時間を算出するオフセット時間生成装置と、
再生対象のコンテンツデータを示す識別情報および表示開始指示時刻を含む表示制御コマンドを前記各表示制御端末に送信する表示制御コマンド送信装置とを備え、
前記表示制御端末は、
前記時刻同期サーバ装置の時刻と前記内部時計の時刻とを同期させる時刻同期クライアント手段と、
コンテンツデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記表示制御コマンドに含まれる識別情報に基づいて、前記データ記憶手段から該当するコンテンツデータを取得する表示準備手段と、
前記オフセット時間生成装置により算出されたオフセット時間および前記表示制御コマンドに含まれる表示開始指示時刻に基づいて表示開始予定時刻を算出し、前記内部時計が当該表示開始予定時刻を経過した後に表示開始指示を行う表示予定時刻待機手段と、
前記表示予定時刻待機手段からの表示開始指示に従い、前記Vsync毎に前記表示準備手段により取得されたコンテンツデータに基づいて画像データを生成する表示処理手段と、
前記表示処理手段により生成された画像データを前記Vsync毎に対応する表示装置に出力する表示出力手段とを備えた
ことを特徴とするマルチ画面コンテンツ表示システム。
【請求項2】
内部時計を有し、各々が対応する表示装置に所定のコンテンツを表示させることでマルチ画面を構成する複数の表示制御端末を備えたマルチ画面コンテンツ表示システムにおいて、
前記全表示制御端末の内部時計の時刻を同期するための時刻同期サーバ装置と、
前記全表示制御端末から収集したVsyncの発生時刻に基づいて、前記表示制御端末によるコンテンツの表示開始時刻を調整するオフセット時間を算出するオフセット時間生成装置と、
表示開始指示時刻および前記オフセット時間生成装置により算出されたオフセット時間に基づいて表示開始予定時刻を算出し、再生対象のコンテンツデータを示す識別情報および当該表示開始予定時刻を含む表示制御コマンドを前記各表示制御端末に送信する表示制御コマンド送信装置とを備え、
前記表示制御端末は、
前記時刻同期サーバ装置の時刻と前記内部時計の時刻とを同期させる時刻同期クライアント手段と、
コンテンツデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記表示制御コマンドに含まれる識別情報に基づいて、前記データ記憶手段から該当するコンテンツデータを取得する表示準備手段と、
前記内部時計が前記表示制御コマンドに含まれる表示開始予定時刻を経過した後に表示開始指示を行う表示予定時刻待機手段と、
前記表示予定時刻待機手段からの表示開始指示に従い、前記Vsync毎に前記表示準備手段により取得されたコンテンツデータに基づいて画像データを生成する表示処理手段と、
前記表示処理手段により生成された画像データを前記Vsync毎に対応する表示装置に出力する表示出力手段とを備えた
ことを特徴とするマルチ画面コンテンツ表示システム。
【請求項3】
前記表示処理手段は、前記表示開始指示後の最初のVsyncが発生するまでに、前記コンテンツデータに基づき第1フレームの画像データを生成する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のマルチ画面コンテンツ表示システム。
【請求項4】
前記表示処理手段は、前記表示開始指示後の最初のVsyncの発生に伴い、前記コンテンツデータに基づく第1フレームの画像データの生成を開始する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のマルチ画面コンテンツ表示システム。
【請求項5】
前記表示制御端末は、
前記Vsyncが発生する度に、当該Vsyncの発生時刻を前記オフセット時間生成装置に通知するVsync発生時刻取得手段を備えた
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のマルチ画面コンテンツ表示システム。
【請求項6】
前記オフセット時間生成装置は、Vsync発生時刻の取得指示を前記全表示制御端末に送信し、
前記表示制御端末は、
前記Vsyncが発生する度に当該Vsyncの発生時刻を記憶し、前記オフセット時間生成装置から取得指示を受けた際に、記憶したVsyncの発生時刻を当該オフセット時間生成装置に通知するVsync発生時刻取得手段を備えた
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のマルチ画面コンテンツ表示システム。
【請求項7】
前記オフセット時間生成装置は、Vsync発生時刻の取得指示を前記全表示制御端末に定期的に送信する
ことを特徴とする請求項6記載のマルチ画面コンテンツ表示システム。
【請求項8】
前記表示制御コマンド送信装置は、前記表示制御コマンドを、前記識別情報を含む表示準備コマンドおよび前記表示開始指示時刻を含む表示開始コマンドに分割し、前記各表示制御端末に対して当該表示準備コマンドを送信した後に当該表示開始コマンドを送信し、
前記表示準備手段は、前記表示制御コマンド送信装置からの表示準備コマンドに応じて処理を行い、
前記表示予定時刻待機手段は、前記表示制御コマンド送信装置からの表示開始コマンドに応じて処理を行う
ことを特徴とする請求項1記載のマルチ画面コンテンツ表示システム。
【請求項9】
前記表示制御コマンド送信装置は、前記表示制御コマンドを、前記識別情報を含む表示準備コマンドおよび前記表示開始予定時刻を含む表示開始コマンドに分割し、前記各表示制御端末に対して当該表示準備コマンドを送信した後に当該表示開始コマンドを送信し、
前記表示準備手段は、前記表示制御コマンド送信装置からの表示準備コマンドに応じて処理を行い、
前記表示予定時刻待機手段は、前記表示制御コマンド送信装置からの表示開始コマンドに応じて処理を行う
ことを特徴とする請求項2記載のマルチ画面コンテンツ表示システム。
【請求項10】
前記全表示制御端末の表示出力手段は互いに物理的に接続され、前記Vsyncが同期される
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のマルチ画面コンテンツ表示システム。
【請求項11】
前記表示制御コマンド送信装置は、前記表示制御コマンドを全表示制御端末に送信する前に前記オフセット時間生成装置に対して準備指示を行い、前記オフセット時間生成装置からの準備完了通知を受けて表示制御コマンドを送信し、
前記オフセット時間生成装置は、前記表示制御コマンド送信装置からの準備指示を受けてVsync発生時刻の取得指示を前記全表示制御端末に送信し、前記オフセット時間を算出した後に前記準備完了通知を返信する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のマルチ画面コンテンツ表示システム。
【請求項12】
前記オフセット時間生成装置は、前記全表示装置の位置関係を示す表示装置配置情報を記憶し、当該表示装置配置情報および前記全表示制御端末から収集したVsyncの発生時刻に基づいて前記オフセット時間を算出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のマルチ画面コンテンツ表示システム。
【請求項13】
内部時計を有し、各々が対応する表示装置に所定のコンテンツを表示させることでマルチ画面を構成する表示制御端末において、
前記全表示制御端末の内部時計の時刻を同期するための時刻同期サーバ装置の時刻と、前記内部時計の時刻とを同期させる時刻同期クライアント手段と、
コンテンツデータを記憶するデータ記憶手段と、
再生対象のコンテンツデータを示す識別情報および表示開始指示時刻を含む表示制御コマンドを前記各表示制御端末に送信する表示制御コマンド送信装置からの表示制御コマンドに含まれる識別情報に基づいて、前記データ記憶手段から該当するコンテンツデータを取得する表示準備手段と、
前記全表示制御端末から収集したVsyncの発生時刻に基づいて前記表示制御端末によるコンテンツの表示開始時刻を調整するオフセット時間を算出するオフセット時間生成装置からのオフセット時間、および前記表示制御コマンドに含まれる表示開始指示時刻に基づいて表示開始予定時刻を算出し、前記内部時計が当該表示開始予定時刻を経過した後に表示開始指示を行う表示予定時刻待機手段と、
前記表示予定時刻待機手段からの表示開始指示に従い、前記Vsync毎に前記表示準備手段により取得されたコンテンツデータに基づいて画像データを生成する表示処理手段と、
前記表示処理手段により生成された画像データを前記Vsync毎に対応する表示装置に出力する表示出力手段と
を備えたことを特徴とする表示制御端末。
【請求項14】
内部時計を有し、各々が対応する表示装置に所定のコンテンツを表示させることでマルチ画面を構成する表示制御端末において、
前記全表示制御端末の内部時計の時刻を同期するための時刻同期サーバ装置の時刻と、前記内部時計の時刻とを同期させる時刻同期クライアント手段と、
コンテンツデータを記憶するデータ記憶手段と、
表示開始指示時刻、および前記全表示制御端末から収集したVsyncの発生時刻に基づいて前記表示制御端末によるコンテンツの表示開始時刻を調整するオフセット時間を算出するオフセット時間生成装置からのオフセット時間に基づいて、表示開始予定時刻を算出し、再生対象のコンテンツデータを示す識別情報および当該表示開始予定時刻を含む表示制御コマンドを前記各表示制御端末に送信する表示制御コマンド送信装置からの表示制御コマンドに含まれる識別情報に基づいて、前記データ記憶手段から該当するコンテンツデータを取得する表示準備手段と、
前記内部時計が前記表示制御コマンドに含まれる表示開始予定時刻を経過した後に表示開始指示を行う表示予定時刻待機手段と、
前記表示予定時刻待機手段からの表示開始指示に従い、前記Vsync毎に前記表示準備手段により取得されたコンテンツデータに基づいて画像データを生成する表示処理手段と、
前記表示処理手段により生成された画像データを前記Vsync毎に対応する表示装置に出力する表示出力手段と
を備えたことを特徴とする表示制御装置。
【請求項15】
内部時計を有し、各々が対応する表示装置に所定のコンテンツを表示させることでマルチ画面を構成する複数の表示制御端末による当該コンテンツの表示開始時刻を調整するオフセット時間を算出するオフセット時間生成装置において、
前記全表示制御端末から収集したVsyncの発生時刻に基づいて前記オフセット時間を算出する
ことを特徴とするオフセット時間生成装置。
【請求項16】
内部時計を有し、各々が対応する表示装置に所定のコンテンツを表示させることでマルチ画面を構成する複数の表示制御端末に対して、コンテンツ表示を命令する表示制御コマンドを送信する表示制御コマンド送信装置において、
表示開始指示時刻、および前記全表示制御端末から収集したVsyncの発生時刻に基づいて前記表示制御端末によるコンテンツの表示開始時刻を調整するオフセット時間を算出するオフセット時間生成装置からのオフセット時間に基づいて、表示開始予定時刻を算出し、再生対象のコンテンツデータを示す識別情報および当該表示開始予定時刻を含む前記表示制御コマンドを前記各表示制御端末に送信する
ことを特徴とする表示制御コマンド送信装置。
【請求項17】
内部時計を有し、各々が対応する表示装置に所定のコンテンツを表示させることでマルチ画面を構成する複数の表示制御端末を備えたマルチ画面コンテンツ表示システムによるマルチ画面コンテンツ表示方法において、
前記全表示制御端末から収集したVsyncの発生時刻に基づいて、前記表示制御端末によるコンテンツの表示開始時刻を調整するオフセット時間を算出するオフセット時間生成ステップと、
再生対象のコンテンツデータを示す識別情報および表示開始指示時刻を含む表示制御コマンドを前記各表示制御端末に送信する表示制御コマンド送信ステップと、
前記全表示制御端末の内部時計の時刻を同期するための時刻同期サーバ装置の時刻と、前記内部時計の時刻とを同期させる時刻同期クライアントステップと、
前記表示制御コマンドに含まれる識別情報に基づいて、前記データ記憶手段から該当するコンテンツデータを取得する表示準備ステップと、
前記オフセット時間生成ステップにおいて算出したオフセット時間および前記表示制御コマンドに含まれる表示開始指示時刻に基づいて表示開始予定時刻を算出し、前記内部時計が当該表示開始予定時刻を経過した後に表示開始指示を行う表示予定時刻待機ステップと、
前記表示予定時刻待機ステップにおける表示開始指示に従い、前記Vsync毎に前記表示準備手段により取得されたコンテンツデータに基づいて画像データを生成する表示処理ステップと、
前記表示処理ステップにおいて生成した画像データを前記Vsync毎に対応する表示装置に出力する表示出力ステップと
を有することを特徴とするマルチ画面コンテンツ表示方法。
【請求項18】
内部時計を有し、各々が対応する表示装置に所定のコンテンツを表示させることでマルチ画面を構成する複数の表示制御端末を備えたマルチ画面コンテンツ表示システムによるマルチ画面コンテンツ表示方法において、
前記全表示制御端末から収集したVsyncの発生時刻に基づいて、前記表示制御端末によるコンテンツの表示開始時刻を調整するオフセット時間を算出するオフセット時間生成ステップと、
表示開始指示時刻および前記オフセット時間生成ステップにおいて算出したオフセット時間に基づいて表示開始予定時刻を算出し、再生対象のコンテンツデータを示す識別情報および当該表示開始予定時刻を含む表示制御コマンドを前記各表示制御端末に送信する表示制御コマンド送信ステップと、
前記全表示制御端末の内部時計の時刻を同期するための時刻同期サーバ装置の時刻と、前記内部時計の時刻とを同期させる時刻同期クライアントステップと、
前記表示制御コマンドに含まれる識別情報に基づいて、前記データ記憶手段から該当するコンテンツデータを取得する表示準備ステップと、
前記内部時計が前記表示制御コマンドに含まれる表示開始予定時刻を経過した後に表示開始指示を行う表示予定時刻待機ステップと、
前記表示予定時刻待機ステップにおける表示開始指示に従い、前記Vsync毎に前記表示準備手段により取得されたコンテンツデータに基づいて画像データを生成する表示処理ステップと、
前記表示処理ステップにおいて生成した画像データを前記Vsync毎に対応する表示装置に出力する表示出力ステップと
を有することを特徴とするマルチ画面コンテンツ表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−55597(P2013−55597A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193955(P2011−193955)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】