説明

マンホールとマンホールポンプ場発電システム

【課題】流入水の出口につけられる既設導水路(バッフル板)の内部は、狭いのでコンパクトで、汚水の中の汚物を避ける構造のマンホールとマンホールポンプ場発電システム。
【解決手段】流入管の流入部に水センサー9、流入側電動三方弁8と破砕加速機10を取付けし、その真下に加速後電動三方弁12を2台併設し、ポンプ側電動三方弁13をNo.1ポンプ用とNo.2ポンプ用で2台取り付けし、加速後電動三方弁12と各々配管し、従来の誘導電動機タイプのマンホールポンプを回転子に永久磁石を使用したハイブリッドマンホールポンプに取り替えます。回転子に永久磁石を使用したハイブリッドマンホールポンプは、電圧を加えればポンプとして仕事をし、羽根車を回せば発電機に成り、回転数に比例して発電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
現在、下水道設備において、上流側から流された汚水が、
マンホールを経由して下流側マンホールポンプ場に到着し、
マンホールポンプ場槽内にためられ、水位が、有る量に成ったら、
マンホールポンプが起動して、汚水を圧送して、槽内を空にして
います。
【0002】
本発明は流入する流入水の水圧を利用して発電する方法を考えます。先ず1番目は、流入水を既設導入水路(バッフル板)で受けていますが、そこに、簡単な発電機を設け発電します。小さな発電ですが、
設置個所を増やし発電量を増やします。
【0003】
次に流入水をポンプの吐出口に導き、その水圧で、ポンプの羽根車を逆方向に回転させることで発電します。
ポンプ逆転水車発電の技術として周知の事実ですが、この技術を利用
し、マンホールポンプ場の流入水を停止中のマンホールポンプの吐出
口に導き、流入水の水圧を利用して、羽根車を逆回転させて発電し、
マンホールポンプ場の省エネルギーを実現するシステムです。
【背景技術】
【0004】
下水道は、自然流下方式で配管が埋設されます。要所には、
マンホールが設置されます。
【0005】
自然流下で処理できない場合に、マンホールポンプ場が設置され
ます。マンホールポンプ場には、通常2台のポンプが設置されます。
1台が予備で、通常は、交互に使用します。何らかの原因で水位が、
増えて、高水位に成ると、2台運転します。
【0006】
マンホールポンプ場の中のポンプの容量は、処理水量、圧送距離、
圧送高さ等で決まります。
【0007】
処理場から遠いところからスタートし、マンホールやマンホール
ポンプ場を経由して、処理場迄送られます。マンホールポンプ場に
据え付けられる、ポンプは、最初は、小さなポンプで、処理場に
近づくと、ポンプ容量が、段々大きく成ります。
【0008】
下水道設備としては、相当多くのマンホールやマンホールポンプ場
が、必要で、それに伴い、使用する電気量も大きく成ります。
そこで、下水道設備を利用して発電する事で、全体で相当量使う電気
を省エネルギーする事が重要ですが、下水道の汚水は、中に汚物が
混じっている為に、発電機の水車に悪影響を与える事や、マンホール
の中が狭い為に、マンホールの中での発電は、実績がないのが実情
です。

【0009】
特開 2007-211433号公開が、下水を利用した発電システムとして
有ります。
【0010】
特開 2002-138940号公開がポンプ逆転水車の考えを利用した考え
が有ります。
【0011】
特開 2002-138942号公開がポンプ逆転水車の考えを利用した考え
が有ります。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007-211433号公開
【特許文献2】特開2002-138940号公開
【特許文献3】特開2002-138942号公開
【特許文献4】特開2004-360482号公開
【特許文献5】特開2004-239163号公開
【特許文献6】実用新案登録 第2517878号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
流入水の出口につけられる既設導水路(バッフル板)の内部は、
狭いのでコンパクトで、汚水の中の汚物を避ける構造の発電機を作る
事が課題である。
【0014】
マンホールポンプ場の停止中のポンプの吐出口に流入水を流し込む
事で、1台目のポンプを逆転させ発電し、2台目のポンプを回すのに
その電気を使用する事で、総合的な設備維持管理費を少なくし、流入
水圧を利用した、電力回収の為の効率の良い水力発電をする事が課題
である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
流入管から流入した汚水を貯留するマンホールや、前記マンホールの
中にマンホールポンプを据え付けたマンホールポンプ場の槽内に流入し
落下する汚水を受け止める既設導水路に流入水発電機を取り付けし、発電
する方法と、前記発電した電気を流入水発電機制御盤へ送る方法と、前記
マンホールポンプ場内の前記マンホールポンプをハイブリッド
マンホールポンプに取替し、前記汚水を前記ハイブリッドマンホール
ポンプの吐出口を通し、前記ハイブリッドマンホールポンプの羽根車に
あて、前記羽根車を逆回転させて発電し、その発電した電気をマンホール
ポンプ発電制御盤へ送る方法が有ります。
【0016】
前記マンホールで、前記流入管から流入した前記汚水を受け止める
位置に鉛直に前記既設導水路が設けられていて、前記汚水は、前記
導水路の内側を真下に落ちて行き、スリッターは、前記既設導水路の
内側で、前記流入した前記汚水を受け止める位置で、前記汚水中の汚物
を斜めに落とし、前記汚水のみ真下に落とす様な角度を持って取り付け
られ、その真下で前記スリッターを通った前記汚水を受け止める位置に
前記流入水発電機用羽根車を取り付けし、前記流入水発電機本体を前記
既設導水路の外側に取り付けし、前記羽根車と前記流入水発電機本体を
駆動軸で繋ぎ発電します。
【0017】
前記流入水発電機制御盤を地上の前記マンホールの近辺に取り付け
し、前記流入水発電機が発電した電気を前記流入水発電機制御盤へ送り、
前記流入水発電機制御盤は、前記発電した前記電気をインバーター、
コンバーターし、系統連係し電力会社へ売電します。
【0018】
2以上の前記マンホールポンプ、2以上の垂直吐出管、2以上の
仕切り弁と2以上の逆止弁を備え、予旋回槽が装備された標準型
前記マンホールポンプ場において、前記流入管の末端部に水センサー、
流入側電動三方弁と破砕加速機を新設し、その下に2以上の加速後電動
三方弁を併設し、2以上の前記逆止弁と2以上の前記垂直吐出管の間に
各々ポンプ側電動三方弁を挿入し、前記加速後電動三方弁と前記ポンプ
側電動三方弁を各々新設配管で繋ぎ、前記予旋回槽を新型予旋回槽に
変え、前記マンホールポンプを前期ハイブリッドマンホールポンプに
置き換えます。
【0019】
前記マンホールポンプ発電制御盤を地上の前記マンホールポンプ場
の近辺に取り付けし、通常の商用電源でのポンプ運転機能と、前記流入
側電動三方弁、前記破砕加速機、前記加速後電動三方弁、前記ポンプ側
電動三方弁と前記ハイブリッドマンホールポンプを使った発電をする
為の制御機能を有し、前記ハイブリッドマンホールポンプが発電した
電気を前記商用電源と同じ性能の電気に変換する、コンバーター、
インバーター機能を有し、前記コンバーター、前記インバーターされた
電気は、前記ハイブリッドマンホールポンプをポンプとして運転する
電源として使用され、余剰電力は、系統連係し、電力会社へ売電します。
【0020】
前記ハイブリッドマンホールポンプは、モーター部、連結部と
ポンプ部で構成され、前記モーター部の回転子は、永久磁石で構成され、
前記ポンプ部内の前記羽根車は、軽量化し、逆回転発電効率を高め、
汚物の付着阻止を図り、翼部は破砕機能を有します。
ハイブリッドマンホールポンプは、電源を供給されると、ポンプに成り、
羽根車を回されると、発電機に成り、ポンプと発電機の両方機能を
持ちます。
【0021】
前記破砕加速機は、破砕加速ローターと破砕加速モーターで構成され、
前記破砕加速ローターは、円盤状で汚物の破砕と流速の加速の為の翼を
放物線状に有し、軽量化と汚物の付着阻止を図り、前記破砕加速
モーターは、前記破砕加速ローターを高速回転させます。
【0022】
前記新型予旋回槽は、FRP製で、ポンプ槽の仕切りをなくし、楕円形の
ポンプ槽で、前記ハイブリッドマンホールポンプ2台が、前記楕円型の
ポンプ槽に、同一に併設されます。
【発明の効果】
【0023】
通常は、2台のポンプ運転で、電気を消費するだけで有ったものが、
発電する事で、電気の消費を減らし、大きな省エネルギーが出来るようになる。
運転水位が少なくポンプを回す必要がない時に発電した電気や、その他発電された電気は、全て、流入水発電機盤やマンホールポンプ制御盤でコンバーター、
インバーターされ、マンホールポンプの運転に使われ、省エネルギーされ、余剰電力は、系統連係されて、電力会社へ売電される事で、更なる
省エネルギーが推進できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】現在の標準型(ポンプ2台用)のマンホールポンプ場に流入水発電機とスリッターを取付けしたイメージ図
【図2】標準マンホールポンプ場でハイブリッドマンホールポンプを据え付けて発電する為に、電動三方弁と破砕加速機を組み込んだイメージ図
【図3】流入水発電機盤とマンホールポンプ発電機盤のイメージ図
【図4】現在のマンホールポンプ制御盤のメイン回路図(ポンプ2台の参考図)
【図5】ハイブリッドマンホールポンプ発電制御盤のコンバーター、インバーターと電動三方弁のイメージ図
【図6】通常のマンホールポンプとハイブリッドマンホールポンプイメージ図
【図7】破砕加速機イメージ図
【図8】新型予旋回槽のイメージ図
【符号の説明】
【0025】
1 流入管
2 導水路(バッフル板)
3 マンホールポンプ
4 逆止弁
5 仕切弁
6 流入水発電機
7 垂直吐出管
8 流入側電動三方弁
9 水センサー
10 破砕加速機
11 ハイブリッドマンホールポンプ
12 加速後電動三方弁
13 ポンプ側電動三方弁
14 予旋回槽
15 流入水発電機盤
16 マンホールポンプ発電制御盤
17 従来の回転子
18 永久磁石式回転子
19 破砕機付羽根車
20 ポンプ室
21 吸込口
22 吐出口
23 モーター部
24 連結部
25 ポンプ部
26 破砕加速ローター
27 破砕加速モーター
28 標準ポンプ槽
29 連結型ポンプ槽
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
汚水は、一般家庭や事業所などから排出され、自然流下方式で、
マンホールに集められ、更に次のマンホールへ流れていきます。
ところが、どうしても自然流下だけでは、送水できないときに
図1のようにマンホールの中に、マンホールポンプを設置した
マンホールポンプ場が設けられます。
低いところから高いところへ送水する時や、川を越える時等に設け
られ、最低1ヶ所から数箇所の流入管が有り、流入管のところには、
流入管の数だけ、飛散防止に導水路(バッフル板)が取り付けられ
ています。
マンホール槽内には、水位計とポンプが2台設けられ、逆止弁と仕切
弁も各々設けられます。ポンプは、通常1台運転で、2台交互運転し、
水位が同時運転水位と高水位に増えたときは、2台運転します。近く
にマンホールポンプ制御盤が設けられ、24時間無人で運転します。
マンホールポンプ場の中は、非常に狭く、発電の為に発電機を据える
場所が有りません。それで流入水の飛散防止に付けられている既設
導水路(バッフル板)2の内側を利用して、流入水が入ってくる
ところに、スリッターを取付けします。スリッターには細かい
スリット(隙間)が並んでいて、流入水の中の汚物は斜めに落とし、
汚水だけ真下に落とす角度で取付けし、汚水だけ通った真下に、流入
水発電機6の羽根車を取付けし、汚水の水圧で回転させ、流入水
発電機6の本体を既設導水路(バッフル板)2の外側に取り付けし
流入水発電機6本体と羽根車を駆動軸で繋いで発電します。
発電した電気は、流入水発電機盤15へ送ります。
【0027】
図2は、図1の標準型のマンホールポンプ場に、電動三方弁を5個
取り付けたイメージ図です。 流入管の流入部に水センサー9、
流入側電動三方弁8と破砕加速機10を取付けし、その真下に加速後
電動三方弁12を2台併設し、ポンプ側電動三方弁13をNo.1
ポンプ用とNo.2ポンプ用で2台取り付けし、加速後電動三方弁12
と各々配管し、予旋回槽を新型予旋回槽14に変え、更に、従来の
誘導電動機タイプのマンホールポンプを回転子に永久磁石を使用
したハイブリッドマンホールポンプに取り替えます。回転子に永久
磁石を使用したハイブリッドマンホールポンプは、電圧を加えれば
ポンプとして仕事をし、羽根車を回せば発電機に成り、回転数に比例
して発電します。
流入側電動三方弁8は、OFFの状態では、流入管1より入って
きた流入水を既設導水路(バッフル板)2へ落とし、水センサー9が
ONすると、流入側電動三方弁8はONして、流入水を下に落とすのを
やめて、破砕加速機10へ流入汚水を送ります。
【0028】
破砕加速機10で汚水中の汚物を破砕し、流速を加速し、加速後
電動三方弁12に送ります。
【0029】
加速後電動三方弁12は、上下に2台併設され、OFFの時は、汚水を
下に落とし、ON時は、ポンプ側電動三方弁13に各々送ります。
【0030】
ポンプ側電動三方弁13は、各ポンプに対して1台付いています。
ポンプ側電動三方弁13が、OFFの時は、ポンプからの圧送水を
逆止弁に通し、ONの時は、ポンプからの圧送水を逆止弁に通さず、
加速後電動三方弁12からの流入水を通し、ハイブリッド
マンホールポンプ11の吐出口に送りハイブリッドマンホール
ポンプ11は、羽根車が逆回転されて発電機に成り、発電します。
【0031】
ハイブリッドマンホールポンプ11は、モーターの回転子を
永久磁石で製作し、永久磁石式回転子18として発電をし易く
します。
通常のマンホールポンプのモーターは、誘導電動機ですので、
誘導発電機として発電させる為には、磁界の中を回して発電する
事が絶対条件です。その為に、励磁電流を流してやる必要があり
ます。更に、励磁電流を流してやっても、同期速度以上で回す必要
があります。同期速度以上で回すと、その時、発電機に切り替わり
ます。しかし、通常のポンプを逆回転で、同期速度以上で回転する
事は無理がありすぎます。
その点、ハイブリッドマンホールポンプ11は、モーターの回転子
を永久磁石で製作しますので、励磁せずとも、磁界が永久に作られ
ています。ハイブリッドマンホールポンプ11を外部の力で回転
させた時、その回転速度に応じた周波数・電圧が発生します。
例えば4Pの場合は、1800rpmの時、200V 60HZ、
900rpmの時、100V 30HZの電気を発電しますので、
本発明の発電機としては、非常に使いやすく成ります。
ハイブリッドマンホールポンプ11は、商用電源使用時は、ポンプ
として使用し、吐出口から入ってきた流入水圧で、羽根車を逆転
させた時は、発電機に成り、発電電圧をマンホールポンプ発電
制御盤16へ送り、電力回収して、省エネルギーを実施します。
ハイブリッドマンホールポンプ11の羽根車は、
軽量化と付着物阻止を図り、製作します。
図2の右隅は、発電機とポンプのフロー図で、ハイブリッド
マンホールポンプ2台がポンプの時と発電機の時と水位の関係を
現しています。水位が、2台運転水位以下の時は、1台
発電機で、1台は、ポンプとして、発電機側の吸い込み口から出て
くる汚水を吸い取ります。この為、現在のポンプ槽が独立している
タイプから、ポンプ槽がつながっている新型予旋回槽への交換が
必要です。
【0032】
図3は、流入水発電機6、流入水発電機盤15、ハイブリッド
マンホールポンプ11とマンホールポンプ発電制御盤16の関係
イメージ図です。
【0033】
図4は、現在の普通タイプのマンホールポンプ制御盤のポンプを
動かすためのメイン回路の2台分の参考図です。
【0034】
図5は、マンホールポンプ発電制御盤16の関係イメージ図
です。水センサー9の信号で、流入側電動三方弁8、加速後電動
三方弁12とポンプ側電動三方弁13をON、OFFして、ハイブリッド
マンホールポンプ11をポンプや発電機に切り替えたりします。
マンホールポンプ発電制御盤は、コンバーターとインバーター機能を
持った制御ユニットで、ポンプが発電した交流を直流に変え、昇圧
して直流を商用電源と同じにインバーターして、ハイブリッド
マンホールポンプをまわす電源として使用し、余剰電力は、系統連係
して、電力会社に売電します。
【0035】
図6は、上の図は、通常のマンホールポンプのイメージ図です。
ポンプは、誘導電動機です。
下の図は、回転子18に永久磁石を使ったポンプで、ハイブリッド
マンホールポンプ11です。電源を加えるとポンプになり、羽根車
19を強制的に回すとその回転数分発電します。
羽根車19は、軽量化と汚物の付着阻止を図り、翼部は破砕機能を
持っています。
【0036】
破砕加速機10は、図7のイメージ図の様に破砕加速ローター26
と破砕加速モーター27で構成され、破砕加速ローター26は、
軽量で、腐食に強く、付着に強く、強靭に製作し、形状は、円盤状
で、刃を中央から放物線状に若干右流れで数本配置します。
駆動装置は、標準モーターを使用します。
【0037】
予旋回槽14は、現在のタイプだと、標準ポンプ槽28は、
ポンプ槽が、ポンプ1台ずつ独立しています。ハイブリッド
マンホールポンプ11は、1台が発電機の時は、吐出口22から
入った汚水が吸込口21から吹き出してきますので、別の1台は、
ポンプに成りこの吹き出してきた汚水を吸い上げます。
その為に、連結型ポンプ槽29の様な新型予旋回槽が必要と
成ります。
【実施例2】
【0038】
現在、下水道設備において、上流側マンホールポンプ場
からマンホールポンプで圧送された汚水が、圧送先の下流側
マンホールポンプ場に到着し、残った水圧が相当量あるのに、放流
され、そのままに成っています。
【0039】
ポンプの吐出口から羽根車に対して逆に水を流し、ポンプを逆方向に回転させることで発電できる事は、ポンプ逆転水車の技術として
周知の事実です。
本発明は、この技術を利用し、マンホールポンプ場の流入水を停止中のマンホールポンプの吐出口に導き、流入水の水圧を利用して、羽根車を逆回転させて発電し、マンホールポンプ場の省エネルギーを実現するシステムです。
【0040】
本発明は、流入口から配管を直接マンホールポンプの吐出口に繋ぎ、流入水を停止中のマンホールポンプに導き、マンホールポンプの
羽根車にあて、流入水圧を利用して、マンホールポンプの羽根車を逆回転させます。ポンプは、羽根車を逆回転させると、モーターではなく、発電機に成り、電気を発電します。
【0041】
下水道は、自然流下方式で配管が埋設されます。要所には、
マンホールが設置されます。
【0042】
自然流下で処理できない場合に、マンホールポンプ場が設置され
ます。マンホールポンプ場には、通常2台のポンプが設置されます。
1台が予備で、通常は、交互に使用します。何らかの原因で水位が、
増えて、高水位に成ると、2台運転します。
【0043】
マンホールポンプ場の中のポンプの容量は、処理水量、圧送距離、
圧送高さ等で決まります。
【0044】
処理場から遠いところからスタートし、マンホールやマンホール
ポンプ場を経由して、処理場迄送られます。マンホールポンプ場に
据え付けられる、ポンプは、最初は、小さなポンプで、処理場に
近づくと、ポンプ容量が、段々大きく成ります。
【0045】
下水道設備としては、相当多くのマンホールポンプ場が、必要で、
それに伴い、使用する電気量も大きく成ります。
そこで、全体で相当量使う電気を省エネルギーする事が課題です。
【0046】
マンホールポンプ場の停止中のポンプの吐出口に流入水を流し込む
事で、ポンプを逆転させ、発電する事で、総合的な設備工事費を
少なくし、流入水圧を利用した、電力回収の為の効率の良い水力発電 をする事が、課題である。
【0047】
通常、マンホールポンプ場は、マンホールポンプが2台据付けられ、交互運転しています。水位が、運転水位になるとポンプが起動し、
水位が停止水位になると、停止します。再度、水位が増えて、運転
水位に成ると、先程と別のポンプが、運転を開始し、水位が停止水位になると、停止し、この交互運転を、繰り返します。更に水位が増え、
2台同時運転の水位に成ると、ポンプは、2台同時運転を開始し、
水位が、停止水位まで下がると停止します。
【0048】
流入側電動三方弁は、通常は、前記圧送された汚水を下方
のバッフルの内側に落とし、付勢されると、前記圧送された汚水を
前記バッフルに落とすのを停止し、前記ポンプ側電動三方弁へ送り、
前記ポンプ側電動三方弁は、通常は、前記マンホールポンプの圧送水を、
前記逆止弁側へ通し、付勢されると、前記マンホールポンプの圧送水を
前記逆止弁へ通さず、前記流入側電動三方弁から送られた前記圧送された
汚水を通し、前記マンホールポンプの吐出口を通り羽根車へ送り込み
ます。
【0049】
前記マンホールの水位が、前記マンホールポンプの停止水位以下の時、
マンホールポンプ制御盤は、前記マンホールポンプ2台の運転を停止して
いる、この時、前期マンホールポンプ制御盤は、前記マンホールポンプ2台を数秒間逆転させ、この時、前期マンホールポンプ制御盤は、前期
流入側電動三方弁と前記ポンプ側電動三方弁2台を付勢し、前記圧送された汚水を前記2台のマンホールポンプの前記吐出口を通して羽根車に送り込み、前記圧送された汚水の水圧で、前記羽根車2台を逆転させ、前記
2台のマンホールポンプは、発電機に成り発電し、電気を前記マンホールポンプ制御盤へ送り、前記マンホールの水位が、前記マンホールポンプの運転水位に成ると、前記マンホールポンプ制御盤は、前記ポンプ側電動三方弁1台の付勢を解除し、前記圧送された汚水の前記羽根車への送り込みを止め、前記マンホールポンプは、一旦停止し、前記マンホールポンプ制御盤は、前記マンホールポンプの停止を確認後、再度前期マンホール
ポンプとして起動し、前記マンホールの水位が、前記マンホールポンプの2台同時運転水位になると、前記マンホールポンプ制御盤は、前記ポンプ側電動三方弁の残り1台の付勢を解除し、2台ともポンプになり排水
します。
【0050】
前期マンホールポンプ制御盤は、前期水位計の水位の情報を取り込み、
前記マンホールポンプ2台の通常の商用電源での運転機能と、前記流入
側電動三方弁と前記ポンプ側電動三方弁2台を使った発電機能を有し、
前期マンホールポンプが発電した電気を前記商用電源と同じ性能の電気に
変換する、コンバーター、インバーター機能を有し、コンバーター、
インバーターされた電気は、前記マンホールポンプを回転させる電源とし
て使用され、余剰電力は、系統連係され、電力会社へ売電されます。
マンホール槽内の水位データーで、3台の電動三方弁とマンホールポンプ
2台をマンホールポンプ制御盤が、微妙にコントロールする事で、前記
圧送された汚水をポンプに導き入れ、2台とも発電機として運転、1台
発電機1台ポンプで運転、2台ともポンプで運転などの状況をつくり、
更に交互運転の考えと、ポンプが1台故障した時、予備機に切り替える
考えも併せた総合的なマンホールポンプ制御盤の新しいシステムを構築
する事で、発電できるようになります。
【0051】
通常は、2台のポンプ運転で、電気を消費するだけで有ったものが、
発電する事で、電気の消費を減らし、大きな省エネルギーが出来るようになる。
運転水位が少なくポンプを回す必要がない時に発電した電気や、その他発電された電気は、全て、マンホールポンプ制御盤でコンバーター、
インバーターされ、マンホールポンプの運転に使われ、省エネルギーされ、余剰電力は、系統連係されて、電力会社へ売電される事で、更なる
省エネルギーが推進できる。
【0052】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
汚水は、一般家庭や事業所などから排出され、自然流下方式で、
マンホールに集められ、更に次のマンホールへ流れていきます。
ところが、どうしても自然流下だけでは、送水できないときに
図1のような、マンホールの中に、マンホールポンプを設置した
マンホールポンプ場が設けられます。
低いところから高いところへ送水する時や、川を越える時等に設け
られ、最低1ヶ所から数箇所の流入管が有り、流入管のところには、
飛散防止にバッフル板が取り付けられています。
マンホール槽内には、水位計とポンプが2台設けられ、逆止弁と仕切
弁も各々設けられます。ポンプは、通常1台運転で、2台交互運転し、
水位が同時運転水位と高水位に増えたときは、2台運転します。近く
にマンホールポンプ制御盤が設けられ、24時間無人で運転します。
【0053】
図2は、図1の標準型のマンホールポンプ場に、電動三方弁を3個
取り付けたイメージ図です。 流入管の吐出部に流入管側電動三方弁
8を、ポンプ側電動三方弁9をNo.1ポンプ用とNo.2ポンプ用で2台
取り付けし、 流入管側電動三方弁〜ポンプ側電動三方弁配管10、
No.1ポンプ側電動三方弁配管11とNo.2ポンプ側電動三方弁配管
12を接続する。
流入管側電動三方弁8は、OFFの状態では、流入管1より入って
きた流入水をたち下げ配管13を使って、バッフル板2へ落とす。
ポンプ側電動三方弁9は、OFFのときは、配管11と12からの
流入を止め、ポンプ3が吸い上げた汚水を逆止弁4にのみ通す。
マンホールポンプ3が、停止中でマンホール槽内の水位が停止水位
以下の時、フライホイール付き等羽根車が重いものがありますので、
マンホールポンプ3を数秒間逆転させ、羽根車が慣性で逆回転して
いる時に、流入管側電動三方弁8とポンプ側電動三方弁9をONに
すると、流入管側電動三方弁8が、流入管の汚水を配管10、11と
12に導き、ポンプ側電動三方弁9を通り、マンホールポンプ3の
吐出口から流入水を通し、羽根車に当てて、羽根車を逆回転させ
マンホールポンプ3は、発電します。
右隅のグラフは、マンホール槽内の水位により、発電機として働いて
いる時と、ポンプとして働いている時を表しています。
【0054】
図3は、マンホールポンプ場のイメージ図です。圧送元の
マンホールとマンホールポンプ制御盤13と発電機併用マンホール
ポンプ制御盤14の関係イメージ図です。
【0055】
図4は、現在の普通タイプのマンホールポンプ制御盤のポンプを
動かすためのメイン回路の2台分の参考図です。
【0056】
図5は、発電機併用マンホールポンプ制御盤14の関係イメージ図
です。水位計の信号で、流入管側電動三方弁8とポンプ側電動三方弁
9をON、OFFして、マンホールポンプ3をポンプや発電機に
切り替えたりします。コンバーターとインバーター機能を持った
制御ユニットで、ポンプが発電した交流を直流に変え、昇圧して
直流を商用電源と同じにインバーターして、マンホールポンプ3を
まわす電源として使用し、余剰電力は、系統連係して、電力会社に
売電します。
【0057】
図6は、通常のマンホールポンプ場の動作と発電機併用システムの
マンホールポンプ場の動作のフロー図です。
上のほうが、通常のマンホールポンプ場の動作で通常運転では、
No.1ポンプとNo.2ポンプが交互運転します。
発電機併用システムのマンホールポンプ場の動作のフロー図です。
停止水位L以下では、2台発電機運転し、2台同時運転H以上では、
2台ポンプ運転し、停止位置Lから2台同時運転水位Hの間では、
いずれか1台がポンプ運転し、残り1台が発電機運転します。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入管から流入した汚水を貯留するマンホールや、前記マンホールの
中にマンホールポンプを据え付けたマンホールポンプ場の槽内に流入し
落下する汚水を受け止める既設導水路に流入水発電機を取り付けし、発電
する方法と、前記発電した電気を流入水発電機制御盤へ送る方法と、前記
マンホールポンプ場内の前記マンホールポンプをハイブリッド
マンホールポンプに取替し、前記汚水を前記ハイブリッドマンホール
ポンプの吐出口を通し、前記ハイブリッドマンホールポンプの羽根車に
あて、前記羽根車を逆回転させて発電し、その発電した電気をマンホール
ポンプ発電制御盤へ送る方法を持つ事を特徴とする
マンホールとマンホールポンプ場発電システム。
【請求項2】
前記マンホールで、前記流入管から流入した前記汚水を受け止める
位置に鉛直に前記既設導水路が設けられていて、前記汚水は、前記
導水路の内側を真下に落ちて行き、スリッターは、前記既設導水路の
内側で、前記流入した前記汚水を受け止める位置で、前記汚水中の汚物
を斜めに落とし、前記汚水のみ真下に落とす様な角度を持って取り付け
られ、その真下で前記スリッターを通った前記汚水を受け止める位置に
前記流入水発電機用羽根車を取り付けし、前記流入水発電機本体を前記
既設導水路の外側に取り付けし、前記羽根車と前記流入水発電機本体を
駆動軸で繋ぎ発電する事を特徴とする
請求項1に記載のマンホールとマンホールポンプ場発電システム。
【請求項3】
前記流入水発電機制御盤を地上の前記マンホールの近辺に取り付け
し、前記流入水発電機が発電した電気を前記流入水発電機制御盤へ送り、
前記流入水発電機制御盤は、前記発電した前記電気をインバーター、
コンバーターし、系統連係し電力会社へ売電する事を特徴とする
請求項1、2の何れか一項に記載の
マンホールとマンホールポンプ場発電システム。
【請求項4】
2以上の前記マンホールポンプ、2以上の垂直吐出管、2以上の
仕切り弁と2以上の逆止弁を備え、予旋回槽が装備された標準型
前記マンホールポンプ場において、前記流入管の末端部に水センサー、
流入側電動三方弁と破砕加速機を新設し、その下に2以上の加速後電動
三方弁を併設し、2以上の前記逆止弁と2以上の前記垂直吐出管の間に
各々ポンプ側電動三方弁を挿入し、前記加速後電動三方弁と前記ポンプ
側電動三方弁を各々新設配管で繋ぎ、前記予旋回槽を新型予旋回槽に
変え、前記マンホールポンプを前期ハイブリッドマンホールポンプに
置き換える事を特徴とする請求項1、2、3の何れか一項に記載の
マンホールとマンホールポンプ場発電システム。
【請求項5】
前記マンホールポンプ発電制御盤を地上の前記マンホールポンプ場
の近辺に取り付けし、通常の商用電源でのポンプ運転機能と、前記流入
側電動三方弁、前記破砕加速機、前記加速後電動三方弁、前記ポンプ側
電動三方弁と前記ハイブリッドマンホールポンプを使った発電をする
為の制御機能を有し、前記ハイブリッドマンホールポンプが発電した
電気を前記商用電源と同じ性能の電気に変換する、コンバーター、
インバーター機能を有し、前記コンバーター、前記インバーターされた
電気は、前記ハイブリッドマンホールポンプをポンプとして運転する
電源として使用され、余剰電力は、系統連係し、電力会社へ売電される
事を特徴とする請求項1、2、3、4の
何れか一項に記載のマンホールとマンホールポンプ場発電システム。
【請求項6】
前記ハイブリッドマンホールポンプは、モーター部、連結部と
ポンプ部で構成され、前記モーター部の回転子は、永久磁石で構成され、
前記ポンプ部内の前記羽根車は、軽量化し、逆回転発電効率を高め、
汚物の付着阻止を図り、翼部は破砕機能を有する事を特徴とする
請求項1、2、3、4、5の何れか一項に記載の
マンホールとマンホールポンプ場発電システム。
【請求項7】
前記破砕加速機は、破砕加速ローターと破砕加速モーターで構成され、
前記破砕加速ローターは、円盤状で汚物の破砕と流速の加速の為の翼を
放物線状に有し、軽量化と汚物の付着阻止を図り、前記破砕加速
モーターは、前記破砕加速ローターを高速回転させる事を特徴
とする請求項1、2、3、4、5、6の何れか一項に記載の
マンホールとマンホールポンプ場発電システム。
【請求項8】
前記新型予旋回槽は、FRP製で、ポンプ槽の仕切りをなくし、楕円形の
ポンプ槽で、前記ハイブリッドマンホールポンプ2台が、前記楕円型の
ポンプ槽に、同一に併設される事を特徴とする
請求項1、2、3、4、5、6、7の何れか一項に記載の
マンホールとマンホールポンプ場発電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−14925(P2013−14925A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147802(P2011−147802)
【出願日】平成23年7月2日(2011.7.2)
【特許番号】特許第4878656号(P4878656)
【特許公報発行日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【出願人】(710007397)株式会社オージーエイ (8)
【Fターム(参考)】